説明

作業車両

【課題】フロントグリルを、車体側の支持部材に着脱自在に載置して取付けた作業車両であって、フロントグリルの汎用性を向上させる。
【解決手段】エンジン及びラジエータを備えた原動部を、前方のフロントグリル9と、上方のボンネットフード12と、左右のサイドカバー11とによって覆い、前記フロントグリル9を、車体側の支持部材19に着脱自在に載置して取付けた作業車両であって、前記フロントグリル9を、所定の起立姿勢と、起立姿勢よりも後方傾斜して起立した傾斜姿勢との少なくとも2段階で、支持部材に載置可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着脱自在なフロントグリルを備えた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン及びラジエータを備えた原動部を、前方のフロントグリルと、上方のボンネットフードと、左右のサイドカバーとによって覆い、前記フロントグリルを、車体側の支持部材に着脱自在に載置して取付け、フロントグリルを支持部材から取外すことにより、メンテナンス作業等を容易に行うことが可能な特許文献1に示す作業車両が公知になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−284910号公報(第2−4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記文献の作業車両は、定まった所定姿勢で、支持部材に載置されるため、支持部材の種類毎に専用のフロントグリルを用意する必要があり、汎用性が低い。
本発明は、フロントグリルを、車体側の支持部材に着脱自在に載置して取付けた作業車両であって、該フロントグリルの汎用性を向上させることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、第1に、エンジン13及びラジエータ14を備えた原動部16を、前方のフロントグリル9と、上方のボンネットフード12と、左右のサイドカバー11とによって覆い、前記フロントグリル9を、車体側の支持部材19に着脱自在に載置して取付けた作業車両であって、前記フロントグリル9を、所定の起立姿勢と、該起立姿勢よりも後方傾斜して起立した傾斜姿勢との少なくとも2段階で、支持部材19に載置可能に構成したことを特徴としている。
【0006】
第2に、支持部材19の上面側に形成された挿入部36に係合挿入される突起部34を、フロントグリル19の下端部に設け、突起部34の挿入部36への所定量以上の挿入を支持部材19上面側との当接よって規制する規制部32,34a,34bが複数形成されるように、突起部34の径を下方に向かって段階的に小さくする段部37を前記突起部34に設け、突起部34の挿入部36への挿入量を変えることによってフロントグリル9の姿勢が変更されることを特徴としている。
【0007】
第3に、フロントグリル9の下端部における前側の左右2箇所と、後側の左右2箇所とに、それぞれ前記突起部34を形成したことを特徴としている。
【0008】
第4に、フロントグリル9の上端側に後方に向かって上下に別れて後方が開放された二股部33からなる延出部31を形成して、該延出部31を車体側の支持部材19に固定具28を介して締着するにあたり、当該固定具28を緩め二股部33を固定具28から離脱可能なように、二股部33の上側部分よりも下側部分の前後長を、短く設定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、前記フロントグリルを、所定の起立姿勢と、該起立姿勢よりも後方傾斜して起立した傾斜姿勢との少なくとも2段階で、支持部材に載置可能に構成するため、一種類のフロントグリルで、複数種類の車体に対応させることが可能であり、フロントグリルの汎用性が向上する。
【0010】
また、フロントグリルの下端部における前側の左右2箇所と、後側の左右2箇所とに、それぞれ前記突起部を形成すれば、計4箇所に形成された突起部を、支持部材の上面側に接地させることにより、着脱時にグリルを安定した起立状態で載置しておくことが可能になる。
【0011】
さらに、フロントグリルの上端側に後方に向かって上下に別れて後方が開放された二股部からなる延出部を形成して、該延出部を車体側の支持部材に固定具を介して締着するにあたり、当該固定具を緩め二股部を固定具から離脱可能なように、二股部の上側部分よりも下側部分の前後長を、短く設定すれば、固定具および延出部を用いてフロントグリルを安定的に取付可能になるとともに、着脱時の作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)は本発明を適用したフロントグリルを小型トラクタに取付支持した状態を示す要部斜視図であり、(B)は本発明を適用したフロントグリルを大型トラクタに取付支持した状態を示す要部斜視図である。
【図2】(A)は本発明を適用したフロントグリルを小型トラクタに取付支持した状態を示す要部側面図であり、(B)は本発明を適用したフロントグリルを大型トラクタに取付支持した状態を示す要部側面図である。
【図3】(A)は本発明を適用したフロントグリルを小型トラクタに取付支持した状態を示す要部平面図であり、(B)は本発明を適用したフロントグリルを大型トラクタに取付支持した状態を示す要部平面図である。
【図4】(A),(B)は小型トラクタの前部の構成を示す要部側面図及び要部底面図である。
【図5】ボンネットを開けて、フロントグリルを取外す際の状態を示す要部側面図である。
【図6】図5に示す状態からフロントグリルを取外した状態を示す要部側面図である。
【図7】(A)はフロントグリル及びサイドカバーの構成を示す側面図であり、(B)は(A)の要部拡大図である。
【図8】(A)乃至(C)はフロントグリルの正面図、側面図及び底面図である。
【図9】フロントグリルを支持台に載置支持した状態を示す小型トラクラ前部の要部側面図である。
【図10】(A),(B)は大型トラクタの前部の構成を示す要部側面図及び要部底面図である。
【図11】フロントグリルを支持台に載置支持した状態を示す大型トラクラ前部の要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(A),図2(A)及び図3(A)は、本発明を適用したフロントグリルを小型トラクタに取付支持した状態を示す要部斜視図、要部側面図及び要部平面図であり、図1(B),図2(B)及び図3(B)は、本発明を適用したフロントグリルを大型トラクタに取付支持した状態を示す要部斜視図、要部側面図及び要部平面図である。
【0014】
これらの図面に示す通り、作業車両の一種であるトラクタ1は、前後方向の車台2が左右一対の前輪(図示しない)及び後輪(図示しない)によって支持された走行機体3と、該走行機体3の後方に昇降自在に連結される図示しないロータリ耕耘装置(作業機)とを備え、例えば、該ロータリ耕耘装置を下降させた状態で、走行機体3を前進走行させることにより、圃場の耕耘作業を行う。
【0015】
車台2は、前後方向に形成された左右一対の縦フレーム4,4と、左右のメインフレーム4,4の前端部間に架設固定された左右方向のバンパ6等とを有し、この車台2上の前後方向中央側に操縦部7を設置し、該車台2上における操縦部7前方にエンジンルーム8(図5及び6参照)を形成し、このエンジンルーム8の前方をフロントグリル9でカバーし、エンジンルーム8の左右両側方を左右のサイドカバー11,11によってそれぞれ覆い、エンジンルーム8の上方側をボンネット(ボンネットフード)12によって開閉自在に閉塞している。
【0016】
トラクタ1には、エンジン出力によって、サイズの異なるものが用意され、例えば、小型トラクタ1Aと、大型トラクタ1B等があり、各種構成部品は、原則的に、トラクタ1のサイズ毎に個別に用意されるが、フロントグリル9等の所定の部品については、部品を共通化してコストを低減させている。言換えると、図1乃至図3の各(A)に示された小型トラクタ1Aのフロントグリル9と、図1乃至図3の各(B)に示された大型トラクタ1Bのフロントグリル9とは、同一構成となっており、この同一のフロントグリル9を、種類の異なるトラクタ1A,1Bの車台2上にそれぞれ着脱自在に取付支持している。
【0017】
最初に、図4乃至9に基づき、小型トラクタ1Aにフロントグリル9を取付支持する構成を説明する。
図4(A),(B)は小型トラクタの前部の構成を示す要部側面図及び要部底面図であり、図5は、ボンネットを開けて、フロントグリルを取外す際の状態を示す要部側面図であり、図6は、図5に示す状態からフロントグリルを取外した状態を示す要部側面図である。
【0018】
エンジンルーム8内には、エンジン13及び該エンジン13を冷却するラジエータ14等からなる原動部16が収容されている。エンジン13は、エンジンルーム14の後部に設置され、エンジン14の前方には、車台2から上方に正面視逆U字状をなすように突出形成された固定部材17が配置されており、このエンジン13と固定部材17との間に配置された上記ラジエータ14は、起立姿勢で車台2上に位置決め載置されるとともに、前後方向の左右一対の連結ブラケット18を介して、固定部材17に連結固定されている。
【0019】
この原動部16の前方はフロントグリル9によって、各側方はサイドカバー11によって、上方はボンネット12によって、それぞれカバーされている。車体の前進走行中、通気性を有する前記フロントグリル9を介して、エンジンルーム8内に導入されたエアは、ファン等によって、ラジエータ14のコア部側に吸気され、エンジン13を冷却した後、サイドカバー11に穿設された通気孔11a等からエンジンルーム14外に排気される。この他、ボンネット12は、後端部を支点に上下揺動自在に、走行機体3側に取付支持され、このボンネット12の上下揺動によって、エンジンルーム8の上方側が開閉される。
【0020】
図7(A)はフロントグリル及びサイドカバーの構成を示す側面図であり、(B)は(A)の要部拡大図であり、図8(A)乃至(C)はフロントグリルの正面図、側面図及び底面図である。図4乃至8に示す通り、左右一対の縦フレーム4,4の前部間には、水平な板状の支持台(支持部材)19が、溶接等で、架設固定されており、車台2の一部を構成する車体側の該支持台19に、固定部材17の下端部が取付固定される他、この支持台19上にサイドカバー11と、所定姿勢のフロントグリル9とが、載置状態で、支持されている。
【0021】
上記左右の各サイドカバー11は、側面視前後方向に長い方形状をなすプレート状部材である。このサイドカバー11の前縁部下端側には、係止片21が一体的に形成され、該前縁部上端側には、金属製の固定片22が設置されている他、サイドカバー内面の後端部の上下2箇所には、係止具23が取付固定されている。
【0022】
係止片21は、下方に突出する側面視方形状に成形される一方で、固定片22は、サイドカバー11から前方突出した平面視方形状の基端側半部に対して、先端側半部が、上方に突出した側面視方形状をなすように成形され、この固定片22の先端部は、前方側に一体延出され取付座部22aを構成している。また、各係止具23には、挿入方向が前後方向に設定された図示しない係止孔が穿設されている。
【0023】
一方、支持台19の左右対称位置には、係止片21を差込係止する差込孔24がそれぞれ穿設されるとともに、固定部材17の上端面の左右対称箇所には、固定片22をボルト固定する側面視方形状の固定ブラケット26が、それぞれ上方に向かって一体的に突設される他、エンジンルーム8の後壁における左右の各箇所には、係止具23に形成された前記係止孔に挿通される前後方向の係止棒27が、上下一対で、前方に向かって一体的に突設されている。
【0024】
そして、左右の係止片21,21を、支持台19の左右の差込孔24,24にそれぞれ差込むとともに、各係止棒27を、対応する各係止具23の係止孔にそれぞれ挿通させると、左右の固定片22の取付座部22aが、左右の固定ブラケット26,26に、それぞれ側面視ラップした状態になり、該状態において、各取付座部22aに挿通される左右方向のノブ付ボルト(固定具)28によって、左右の固定片22,22を、左右の固定ブラケット26,26にそれぞれボルト固定することによって、各サイドカバー11が着脱自在に走行機体3側に取付けられる。
【0025】
上記フロントグリル9は、平面視後方が開放されたU字状に湾曲成形され、このフロントグリル9の正面側等には、メッシュ状部9aが形成され、前後方向の通気性が確保される他、フロントグリル9の左右両側部には、前方を照らす作業灯29が設置される。このフロントグリル9の上端部には取付部材(延出部)31が左右一対で固設されるとともに、フロントグリル9の下端面は、支持台の上面に沿うフラットな被支持側面32となり、該被支持側面32は、フロントグリル9の平面視形状に沿うように、底面視後方が開放されたU字状に形成されている。
【0026】
左右の各取付部材31は、上方斜め後方に延びる前部及び中途部に対して、後部が下方に折れ曲がって真後ろ方向に延出されており、この取付部材31の後部は、後方に向かって上下に別れて後方が開放された二股部33となる。言換えると、取付部材31の後部には、側面視前方に向かって窪んだ形状を有する切欠き状部31aが形成されている。この取付部材31の二股部33の上側部分である上部係合片33aは、二股部33の下側部分である下部係合片33bに比べて、前後長が短く設定されており、このため、上部係合片33aは、下部係合片33bよりも後方位置まで突出している。
【0027】
また、被支持側面32には、上下方向の複数の突起部34が下方に向かって一体的に突出形成されている。具体的には、被支持側面32における前側位置となる左右方向中央部には、上記突起部34が左右一対で設けられているとともに、被支持側面32の左右の各後端側位置にも、上記突起部34が設けられている。
【0028】
この突起部34は、フロントグリル9を支持台19上に位置決め載置させる際、該支持台19に穿設された挿通孔(挿入部)36に挿脱自在に係合挿通(係合挿入)されるように構成されており、さらに詳しくは、突起部34の周囲に形成された段差(段差部)37により、該突起部34が下方側に向かって断面積(径)が段階的に小さくなるように成形されている。このようにして、長さの異なる複数の周面を有する突起部34は、その周面と周面との境に、支持台19の上面に沿う段面34a,34bを有している。
【0029】
そして、各突起部34が、対応する各挿通孔36に上方側から挿入されると、挿入可能な断面形状を有する周囲までが該挿通孔36に挿通され、該周囲の上端に位置する段面34a,34b又は被支持側面32が支持台19の上面に当接し、突起部34がそれ以上挿通孔36に挿通されない状態で、フロントグリル9に位置決め載置される。すなわち、段面34a,34b及び被支持側面32は、突起部34が所定量以上挿通孔36に挿通(挿入)されることを規制する規制面(規制部)となる。
【0030】
言換えると、支持台19の挿通孔36のサイズを変えることによって、フロントグリル9に形成された複数の規制面32,34a,34bの何れかに支持台19の上面を当接させるかを、選択することが可能である。ちなみに、図示する例では、突起部34に2段の規制面34a,34bが形成され、被支持側面32と合計して、上中下に計3段の規制面が形成されている。
【0031】
図9は、フロントグリルを支持台に載置支持した状態を示す小型トラクラ前部の要部側面図である。小型のトラクタ1Aは、突起部における上中下の規制面32,34a,34bの内で最も下側の規制面34bに支持台19の上面が当接するように、挿通孔36のサイズ及び形状が設定されている。
【0032】
このように、最も下側の規制面34bが支持台の上面に当接するようにして、該複数の各突起部34が、挿通孔36に係合挿通された場合、フロントグリル9は、後述する起立姿勢よりも上方に向かって後方傾斜した傾斜姿勢に切換えられた状態で、支持台19上に載置支持されるように、前側の左右の突起部34,34と、後側の左右の突起部34,34とが構成されている。
【0033】
具体的には、後側に位置する左右の各突起部34における最も下側の規制面34bは、前側に位置する左右の各突起部34における最も下側の規制面34bに比べて、被支持側面32からの距離が短くなる位置に形成されている。
【0034】
このようにして、所定の姿勢でフロントグリル9を支持台19に載置支持させると、左右の取付部材31の切欠き状部31aが、左右の固定ブラケット26と、それぞれ側面視ラップした状態になる。該状態において、前記左右のノブ付ボルト28を、左右の取付部材31における二股部33の上部係合片33aと下部係合片33bとの間にそれぞれ挿通させた後、該左右のノブ付ボルト28,28を締付けると、該左右の取付部材31,31が、前記固定片22とともに、左右の固定ブラケット26,26に、それぞれ共締めされ、該取付部材31(フロントグリル9)が、ノブ付ボルト28と固定ブラケット26と固定部材とを介して、支持台19(走行機体3側)に締着固定される。
【0035】
一方、図5に示すように、取付部材31のノブ付ボルト28が挿通される切欠き状部31aは、後方が開放されているため、左右のノブ付ボルト28を緩め、下端部(具体的には、前側の突起部34)を支点にフロントグリル9を前方に傾斜させることにより、ノブ対ボルト28を固定ブラケット26に取付けた状態のまま、取付部材31とノブ付ボルト28との係合を解除し、フロントグリル9を支持台19から取外すことができる。
【0036】
また、この際、取付部材31の下部係合片33bが、上部係合片33aよりも、後方突出量が少ないため、フロントグリル9が上方に向かって前方傾斜するように、該フロントグリル9を、下端部を支点に前方揺動させる際、該下部係合片33bがノブ付ボルト28に引っ掛ることが防止されるので、スムーズにフロントグリル9を車体側から取外すことが可能になる。
【0037】
次に、図10及び11に基づき、大型トラクタ1Bにフロントグリル9を取付支持する構成について、上述の例と異なる部分を説明する。
図10(A),(B)は大型トラクタの前部の構成を示す要部側面図及び要部底面図であり、図11は、フロントグリルを支持台に載置支持した状態を示す大型トラクラ前部の要部側面図である。大型のトラクタ1Bは、突起部34における上中下の規制面32,32a,34bの内で中途部の規制面34aに支持台19の上面が当接するように、支持台19の挿通孔36のサイズ及び形状が設定されている。
【0038】
このように、上下方向中途部の規制面34aが支持台19の上面に当接するようにして、該複数の各突起部34が、挿通孔36に係合挿通された場合、フロントグリル9は、上記傾斜姿勢よりも前方に起立した前記起立姿勢に切換えられた状態で、支持台19上に載置支持されるように、前側の左右の突起部34,34と、後側の左右の突起部34,34とが構成されている。
【0039】
具体的には、後側に位置する左右の各突起部34における上下中途部の規制面34aと、前側に位置する左右の各突起部34における上下中途部の規制面34aとは、被支持側面32からの距離が同一又は略同一になるように、各突起部34が形成されている。
【0040】
以上のように構成によれば、図1乃至3に示す通り、複数の規制面32,34a,34bの何れを支持台19の上面に当接させるかを、挿通孔36のサイズ又は形状変更によって切換えることにより、フロントグリル9を支持台19上面に載置支持する際の姿勢を、起立姿勢と傾斜姿勢の少なくとも2種類の間で変更できるため、ボンネット12の前後長や、車台2からボンネット12への高さや、ボンネット12の傾斜度合い等が異なる小型トラクタ1Aと、大型トラクタ1Bとの両方に対して、同一のフロントグリル9で、対応することが可能になり、汎用性が高い。
【符号の説明】
【0041】
9 フロントグリル
11 サイドカバー
12 ボンネットフード(ボンネット)
13 エンジン
14 ラジエータ
16 原動部
19 支持台(支持部材)
29 ノブ付ボルト(固定具,ボルト)
31 取付部材(延出部)
32 被支持側面(規制部,規制面)
33 二股部
34 突起部
34a 段面(規制部,規制面)
34b 段面(規制部,規制面)
36 挿通孔(挿入部)
37 段差(段部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(13)及びラジエータ(14)を備えた原動部(16)を、前方のフロントグリル(9)と、上方のボンネットフード(12)と、左右のサイドカバー(11)とによって覆い、前記フロントグリル(9)を、車体側の支持部材(19)に着脱自在に載置して取付けた作業車両であって、前記フロントグリル(9)を、所定の起立姿勢と、該起立姿勢よりも後方傾斜して起立した傾斜姿勢との少なくとも2段階で、支持部材(19)に載置可能に構成した作業車両。
【請求項2】
支持部材(19)の上面側に形成された挿入部(36)に係合挿入される突起部(34)を、フロントグリル(19)の下端部に設け、突起部(34)の挿入部(36)への所定量以上の挿入を支持部材(19)上面側との当接よって規制する規制部(32),(34a),(34b)が複数形成されるように、突起部(34)の径を下方に向かって段階的に小さくする段部(37)を前記突起部(34)に設け、突起部(34)の挿入部(36)への挿入量を変えることによってフロントグリル(9)の姿勢が変更される請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
フロントグリル(9)の下端部における前側の左右2箇所と、後側の左右2箇所とに、それぞれ前記突起部(34)を形成した請求項1又は2の何れかに記載の作業車両。
【請求項4】
フロントグリル(9)の上端側に後方に向かって上下に別れて後方が開放された二股部(33)からなる延出部(31)を形成して、該延出部(31)を車体側の支持部材(19)に固定具(28)を介して締着するにあたり、当該固定具(28)を緩め二股部(33)を固定具(28)から離脱可能なように、二股部(33)の上側部分よりも下側部分の前後長を、短く設定した請求項1乃至3の何れかに記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−131300(P2012−131300A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283857(P2010−283857)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)