説明

作物収穫機

【課題】玉葱等の作物を4条ずつ効率よく収穫できる作物収穫機の提供。
【解決手段】2条の作物の茎葉をまとめて引き起こす茎葉引き起こし機構2と、この茎葉引き起こし機構で引き起こされた2条の作物の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送する上下引き抜き機構3.4と、この上下引き抜き機構で搬送する途中で作物の茎葉と鱗茎とを分離する切断機構5とを有し、前記茎葉引き起こし機構と上下引き抜き機構と切断機構とが走行機体6上に左右一対ずつ搭載されており、前記左右一対の茎葉引き起こし機構は、前方の縦起こし機構7とそれに続く掻き込み機構8とをそれぞれ有し、左右の縦起こし機構及び掻き込み機構は、少なくともその左右一方が、4条の作物のうちの中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉葱等の作物収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玉葱等の作物収穫機には、2条の玉葱の茎葉を引き起こす茎葉引き起こし機構と、この茎葉引き起こし機構で引き起こされた2条の玉葱の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送する上下引き抜き機構と、この上下引き抜き機構で搬送する途中で作物の茎葉と鱗茎とを分離する切断機構とを有するものがあるが、この種の従来の作物収穫機では、前記茎葉引き起こし機構2と上下引き抜き機構と切断機構とが、走行機体上に1ずつ搭載されていた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【特許文献1】特開2001−28920号公報
【特許文献2】特開平11−18539号公報
【特許文献3】特開平11−18534号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来の玉葱等の作物収穫機では、玉葱等の作物を2条ずつしか収穫することができず、収穫作業の効率が悪かった。
本発明は上記問題点に鑑み、玉葱等の作物を4条ずつ効率よく収穫できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、2条の作物の茎葉をまとめて引き起こす茎葉引き起こし機構と、この茎葉引き起こし機構で引き起こされた2条の作物の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送する上下引き抜き機構と、この上下引き抜き機構で搬送する途中で作物の茎葉と鱗茎とを分離する切断機構とを有し、前記茎葉引き起こし機構と上下引き抜き機構と切断機構とが走行機体上に左右一対ずつ搭載されており、前記左右一対の茎葉引き起こし機構は、前方の縦起こし機構とそれに続く掻き込み機構とをそれぞれ有し、左右の縦起こし機構及び掻き込み機構は、少なくともその左右一方が、4条の作物のうちの中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされている点にある。
【0005】
また、本発明の他の技術的手段は、前記左右の茎葉引き起こし機構の各掻き込み機構は、2条の作物の茎葉をその中央側へ寄せながら掻き込むべく、後上方向に循環移動される掻き込み爪を有する掻き上げ手段を左右一対ずつ備え、左右の掻き込み機構の左右方向の位置を、4条の作物のうちの各2条ずつの作物に対応させるべく、一方の掻き込み機構の左右内側の掻き上げ手段と、他方の掻き込み機構の左右内側の掻き上げ手段とが、上下にオーバラップするように配置されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記左右の掻き込み機構の4つの掻き上げ手段のうち、左右両外側の掻き上げ手段の掻き込み爪は、左右内側の他の掻き上げ手段の掻き込み爪に比べて長く形成されている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、前記左右の各掻き込み機構は、上引き抜き機構上に支持されかつ伝動軸を介して動力が伝達されており、少なくとも一方の掻き込み機構は、その前端の左右位置を変更するように、前記上引き抜き機構に対して伝動軸を中心に角度変更可能とされている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記上下引き抜き機構は、それぞれ左右一対のベルトコンベヤ手段で構成され、この左右のベルトコンベヤ手段の前後中途部から前部側が、後部側に対して角度変更可能に形成されて、ベルトコンベア手段の前端の左右位置を変更可能にしている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、前記走行機体の後部に、左右下引き抜き機構で搬送されてくる鱗茎を受け取る収穫機構が設けられている点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各茎葉引き起こし機構により、それぞれ2条ずつの作物の茎葉をまとめて引き起こして、左右一対の茎葉引き起こし機構によって4条の作物の茎葉を同時に引き起こすことができる。また、各上下引き抜き機構により、それぞれ2条ずつの作物の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送し、左右一対の上下引き抜き機構によって4条の作物の茎葉を同時に畝から引き抜いて搬送することができる。さらに、各切断機構によって搬送途中の2条ずつの作物の茎葉と鱗茎とをそれぞれ分離して、左右一対の切断機構によって4条の作物の茎葉と鱗茎とを同時に分離することができる。従って、玉葱等の作物を4条ずつ効率よく収穫できるようになる。
【0009】
しかも、左右の縦起こし機構は、少なくともその左右一方が、4条の作物のうちの中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされているので、4条の作物のうちの中央側の2条の作物の間隔が、一定にならず圃場によって異なっているのが一般であるが、このような圃場に対しても、左右の縦起こし機構を、4条の作物のうち中央2条の作物の間隔に対応して縦起こし機構を左右方向に位置調整することにより、4条の作物の傾倒した茎葉を同時に良好に引き起こすことができ、この点からも4条の作物を同時かつ良好に収穫することが可能になる。また、左右の掻き込み機構は、少なくともその左右一方が、4条の作物のうちの中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされているので、掻き込み機構の左右位置を変更することによって、左右の掻き込み機構によって、4条の作物のうちの2条ずつの作物をそれぞれ確実に掻き込んむことができ、この点からも、4条の作物を同時に良好に収穫することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7において、1は玉葱を収穫する玉葱収穫機(作物収穫機)で、2条の作物の茎葉をまとめて引き起こす茎葉引き起こし機構2と、この茎葉引き起こし機構2で引き起こされた2条の玉葱の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送する上下引き抜き機構3,4と、この上下引き抜き機構3,4で搬送する途中で茎葉と鱗茎とを分離する切断機構5と、走行機体6とを備える。
前記左右の茎葉引き起こし機構2は、前方の左右一対の縦起こし機構7とそれに続く左右一対の掻き込み機構8とを有している。
【0011】
走行機体6は、左右一対のクローラ走行装置9と、この左右クローラ走行装置9の車輪支持台10に横軸11を介して上下揺動可能に支持された機フレーム12とを有し、機フレーム12に、図2、図17、図20及び図23に示すように、前記茎葉引き起こし機構2と上下引き抜き機構3,4と切断機構5とが左右一対ずつ搭載されると共に、茎葉引き起こし機構2と上下引き抜き機構3,4とクローラ走行装置9とに動力を伝達するエンジン13が搭載されている。
機フレーム12は、左右一対の前後フレーム16と、一対の前後フレーム16を連結する前部横フレーム17と、一対の前後フレーム16を連結する後部横フレーム18と、左右一対の傾斜フレーム19とを有している。一対の傾斜フレーム19は、一対の前後フレーム17の上方に後上がりに傾斜して配置され、前連結部材23と縦連結部材24とを介して一対の前後フレーム16に連結固定されている。
【0012】
左右一対の傾斜フレーム19の前側中途部間に、門型の支持フレーム20が連結固定され、支持フレーム20は傾斜フレーム19の前側中途部に上方突出状に固設されている。支持フレーム20の前上方に横支持杆21が設けられている。横支持杆21は、左右一対の取付杆25を介して傾斜フレーム19に左右方向の支持軸廻りに揺動自在に支持されている。左右一対の取付杆25は、前後方向中途部が屈曲自在な連結杆26を介して支持フレーム20に連結されている。
図16及び図20にも示すように、支持フレーム20に、固定板28を介してコの字状の支持部材29が左右方向に間隔をおいて4本固設されている。各支持部材29の前後両端部の下端に、前取付板30と後取付板31がそれぞれ固設され、各支持部材29の前後両端部に、前連結板33と後連結板34とが前記前取付板30、後取付板31を介してそれぞれ下方突出状に固設されている。
【0013】
なお、4つの支持部材29のうち左右方向中央側の2つ支持部材29に対応する前取付板30及び後取付板31は、中央側の2つの支持部材29間に亘るように左右に長く形成されて、該2つの支持部材29に対して共通のものとされている。
図1、図2、図4、図7の他に図8及び図9にも示すように、左右一対のクローラ走行装置9は、前記車輪支持台10の他に、駆動スプロケット37と、前後一対の従動スプロケット38と、駆動スプロケット37及び一対の従動スプロケット38に巻回したクローラ39とを備えている。車輪支持台10は、下支持杆41と前縦杆42と後縦杆43と傾斜した連結杆44とを備え、前縦杆42は下支持杆41の前後中途部に上方突設され、後縦杆43は下支持杆41の後端部に上方突設され、連結杆44は前縦杆42と後縦杆43とを連結している。下支持杆41に支持軸45を介して複数の転輪46が回転自在に支持されている。
【0014】
図5、図9〜図11に示すように、左右一対のクローラ走行装置9の車輪支持台10(後縦杆)の上端部に、機フレーム12が取付板49を介して前記横軸11廻りに上下揺動可能に支持されている。即ち、機フレーム12の各前後フレーム16に、取付板49がボルト等により下方突出状に固設され、取付板49に内筒体50が固設され、車輪支持台10の後縦杆43の上端部に外筒体51が固設され、内筒体50と外筒体51とが左右の軸心(横軸11)廻り相対回動自在に嵌合され、これにより、機フレーム12が左右一対のクローラ走行装置9に対して、左右方向の横軸11(内筒体50又は外筒体51)廻りに回動可能に支持されている。前記左右の外筒体51同士は支持腕52を介して横連結杆53により連結されている。
【0015】
図1に示すように、機フレーム12の一対の前後フレーム16と、一対のクローラ走行装置9の車輪支持台10との間に、それぞれ油圧シリンダ等で構成したアクチュエータ54が連結され、アクチュエータ54の伸縮により、左右一対のクローラ走行装置9に対して機フレーム12が横軸11廻りに揺動調整できるように構成されている。従って、縦起こし機構7、掻き込み機構8及び上下引き抜き機構3,4等をメンテナンスする場合に、アクチュエータ5を伸長させて、機フレーム12の前側を横軸11廻りに上方に揺動調整して、縦起こし機構7、掻き込み機構8及び上下引き抜き機構3,4の前部側を大きく上昇させることができ、縦起こし機構7、掻き込み機構8及び上下引き抜き機構3,4等の
メンテナンスを容易になし得る。
【0016】
前記左右一対のクローラ走行装置9の駆動スプロケット37の中心(回動中心)が、前記横軸11の上方近傍に配置されている。従って、アクチュエータ54の伸縮により、機フレーム12を横軸11廻りに揺動調整しても、駆動スプロケット37の中心(回動中心)はほとんど移動することがなくなり、駆動スプロケット37の回転駆動によりクローラ39をスムーズに回動することができて、機フレーム12の揺動調整に拘わらずクローラ走行装置9で良好に走行することができる。なお、左右一対のクローラ走行装置9の駆動スプロケット37の中心(回動中心)を、横軸11の上方近傍に代えて横軸11と同心に配置するようにしてもよい。
【0017】
図1、図2、図7において、右側のクローラ走行装置9の車輪支持台10に、操縦部支持部材57が外側方に突出するように設けられ、操縦部支持部材57は、L字状に屈曲した支持杆58と、支持杆58を車輪支持台10に連結する複数の連結杆60,61とを有し、支持杆58の前部に、操縦レバーやスイッチ等が配備されると共に操縦カバー62が装着された操縦部63が設けられ、支持杆58の後部に運転席支持杆65が上方に突設され、運転席支持杆65の上端部に運転席66が取り付けられている。運転席支持杆65は運転席66が高さ調整可能となるように伸縮可能に構成されている。従って、運転席66は、右側のクローラ走行装置9の上方であって、前記横軸11より前側で右側のクローラ走行装置9の車輪支持台10に設けられており、運転席66に座った運転者は、茎葉引き起こし機構2の作業部を目視可能になっている。操縦部支持部材57の下端部の運転席支持杆65の前側であって運転席66の前側下方にステップ67が設けられ、ステップ67は操縦部支持部材57の下端部と機フレーム12の前後フレーム16との間に取り付けられている。
【0018】
図1〜図3において、前記機フレーム12に、左右の各クローラ走行装置9の前側を転動するゲージ輪71が高さ調整自在に設けられ、このゲージ輪71を高さ調整する高さ調整手段75が、機フレーム12の左右中央より運転席66側に配置されている。
即ち、左右一対の縦杆72と縦杆72の上端部間を連結する横杆73とを備える門型のゲージ輪支持部材74に、左右一対のゲージ輪71が横軸廻りに回転自在に支持され、ゲージ輪支持部材74は後方突設した連結杆77により、機フレーム12の取付杆25等にブラケットを介して左右方向の支軸79廻りに揺動可能に連結されている。ゲージ輪支持部材74の横杆73の右側(運転席66側)に、高さ調整手段75が後方に突設されている。高さ調整手段75は、L字状の操作体76とねじ軸と該ねじ軸が螺合するねじ筒とを有し、高さ調整手段75の後端側が、図6に示す機フレーム12の支持フレーム20に突設した支持腕78に、左右方向の支軸廻りに揺動自在に連結されており、操作体76を回動操作することにより、高さ調整手段75が伸縮して、左右一対のゲージ輪71を、ゲージ輪支持部材74及び連結杆と共に支軸79廻りに高さ調整できるように構成されている。
【0019】
図1、図2、図5において、機フレーム12の後部左側の前後フレーム16上に、支持台81を介してエンジン13が搭載され、エンジン13は、前記横軸11より後側で機フレーム12の左側に配置されている。従って、運転席66が横軸11より前側で機フレーム12の右側に配置させているのに対して、エンジン13は、運転席66とは逆に、横軸11より後側で機フレーム12の左側に配置されて、機フレーム12の重量バランスがとられており、機フレーム12にかかる荷重の重心が、前記横軸11より前方でかつクローラ走行装置9の接地範囲に配置されている。
【0020】
図1、図2、図5、図8及び図9において、機フレーム12の後部の左右方向中央部であってエンジン13の左右方向内方に、静油圧式変速装置を有(内蔵)するミッションケース83が取付られている。ミッションケース83の前部に、左右一対のクローラ駆動軸85が左右方向外方に突設され、ミッションケース83の後部右側に動力取出軸86が突設されている。
エンジン13のやや前方に左右方向の回転軸87が設けられ、回転軸87は支持筒体88を介して機フレーム12に回転自在に支持され、回転軸87の左右両端部にプーリ89,90が外嵌装着されている。エンジン13の出力軸91の動力が、プーリ96、伝動ベルト92、プーリ89、回転軸87、プーリ90、伝動ベルト93及びプーリ94を介して、ミッションケース83の入力軸95に伝達されて、エンジン13によりミッションケース83内の静油圧式変速装置等を駆動して、一対のクローラ駆動軸85と動力取出軸86とを互いに同期乃至連動して回転駆動するように構成されている。
【0021】
一対のクローラ駆動軸85は、ミッションケース83に突設された左右一対の支持筒体97にそれぞれ回転自在に支持され、クローラ駆動軸85の各外端部に、前記一対のクローラ走行装置9の駆動スプロケット37がそれぞれ外嵌装着されている。クローラ駆動軸85の軸心廻りの回転により、駆動スプロケット37及び一対の従動スプロケット38が回転して、クローラ39が回動し、一対のクローラ走行装置9が前進移動又は後退移動するようになっている。
機フレーム12の後部の右側であってミッションケース83の右側方に、第1ギヤケース99と第2ギヤケース100とが設けられ、第1ギヤケース99に入力軸101と中間軸102とが回転自在に支持され、第1ギヤケース99と第2ギヤケース100とに出力軸103が回転自在に支持されており、動力取出軸86の回転動力が、連動軸104、プーリ105、伝動ベルト106及びプーリ107を介して入力軸101に伝達され、入力軸101から、ギヤ108,109、中間軸102及びギヤ110,111を介して出力軸103に伝達され、出力軸103の回転を、ベベルギヤを介して第1伝動軸113に伝達すると共に、ベベルギヤを介して第2伝動軸114に伝達するように構成されている。
【0022】
一対のクローラ駆動軸85に、同期乃至連動して、第1伝動軸113及び第2伝動軸114が回転駆動し、後述の如く第1伝動軸113の回転動力は、前記上引き抜き機構4、下引き抜き機構4及び茎葉引き起こし機構2の掻き込み機構8に伝達されて、これら上引き抜き機構3、下引き抜き機構3,4及び掻き込み機構8を駆動し、第2伝動軸114の回転動力は、茎葉引き起こし機構2の縦起こし機構7に伝達されて、縦起こし機構7を駆動するようになっている。
而して、前記回転軸87、ミッションケース83、一対のクローラ駆動軸85、連動軸104、第1ギヤケース99、第2ギヤケース100、第1伝動軸113及び第2伝動軸114等により、主伝動系115が構成され、走行機体6の走行速度と、茎葉引き起こし機構2の茎葉引き起こし及び上下引き抜き機構3,4の鱗茎の引き抜き速度とを、同調させるように構成されている。従って、走行機体6の走行速度に同調して、畝の玉葱の茎葉を引き起こし、玉葱の鱗茎を引き抜くことができ、畝の玉葱をスムーズかつ良好に収穫することができる。
【0023】
また、前記回転軸87に、プーリ89,90の他にプーリ117が設けられ、図5に示すように、機フレーム12の回転軸87の前方に、左右方向の回転軸118が回転自在に支持され、この回転軸118にプーリ119とスプロケット120が設けられている。また、図5、図8及び図9に示すように、機フレーム12の回転軸118のやや前方に、左右一対の回転伝動軸121が軸心廻りに回転自在に支持され、一方の回転伝動軸121にスプロケット126が外嵌固定されている。左右一対の回転伝動軸121の内端部に連結筒122が外嵌固定されて、一対の回転伝動軸121は互いに連動して回転するようになっている。
【0024】
そして、回転軸87の回転動力が、プーリ117及び伝動ベルト124を介して回転軸118に伝達され、回転軸118からスプロケット120とスプロケット126と伝動チェーンとを介して回転伝動軸121に伝達されて、左右一対の回転伝動軸121を回転駆動し、後述の如く一対の回転伝動軸121から一対のサブソイラ伝動軸135を介して振動サブソイラ130に動力を伝達して、振動サブソイラ130を前後に振動させると共に、一対の回転伝動軸121から第1伝動機構141と第2伝動機構142とを介して一対の切断機構5に動力を伝達して、一対の切断機構5を駆動するように構成されている。
【0025】
而して、前記回転軸87、回転軸118及び一対の回転伝動軸121等により、副伝動系149が構成され、副伝動系149はエンジン13とミッションケース83の静油圧式変速装置との間から動力を取っていて、前記主伝動系115と別個で切断機構5及び振動サブソイラ130を駆動し、走行機体6の走行速度と同調することなく、振動サブソイラ130を高速で振動させると共に、一対の切断機構5を高速で駆動させるようになっている。従って、走行機体6の走行速度に関係なく、振動サブソイラ130を高速で振動させて、畝を効率よく膨軟化することが可能になるし、走行機体6の走行速度に関係なく、一対の切断機構5を高速で駆動させて、玉葱の茎葉を良好に切断することが可能になる。
【0026】
図1〜図3、図12、図13において、機フレーム12の前後フレーム16の前端部に、左右一対の支持部材129を介して振動サブソイラ130が設けられている。左右一対の支持部材129は、機フレーム12の前後フレーム16の左右内方に上下方向に配置され、前後フレーム16に左右方向の支持軸131廻りに前後揺動自在に支持され、一対の支持部材129の下端部間に、左右方向の振動サブソイラ130が連結されている。一対の支持部材129は、図12及び図13に示すように、上下一対の支持板132,133を上下方向に長さ調整自在に連結してなり、一対の支持部材129により、振動サブソイラ130が高さ調整自在に支持されている。
【0027】
一対の前後フレーム16の前半部に沿うように左右一対のサブソイラ伝動軸135が設けられている。左右一対のサブソイラ伝動軸135の後端部は、図8に示すように、一対の回転伝動軸121の左右外端部にそれぞれ偏心ベアリング136を介して連結され、一対のサブソイラ伝動軸135の前端部は、一対の支持部材129の上端部に連結されており、回転伝動軸121の1回転毎にサブソイラ伝動軸135が前後に往復移動して、振動サブソイラ130が支持軸131廻りに前後に往復振動するように構成されている。振動サブソイラ130は、掻き込み機構8の下端及び上引き抜き機構3の下端よりも後方であってかつ下方に、4条の玉葱に亘るように左右方向に配置され、左右の上下引き抜き機構3,4による畝からの玉葱の引き抜に先行して4条分の畝を膨軟化するように構成されている。
【0028】
図1,図2、図14及び図15において、前記左右一対の切断機構5は、左右方向のカッタ伝動軸139と、円盤カッタ140と、カッタ伝動軸139の回転を円盤カッタ140に伝達するベベルギヤ等を有し、カッタ伝動軸139の軸心廻りの回転により円盤カッタ140を軸心廻りに回転させて、円盤カッタ140で玉葱の茎葉を切断するように構成されている。一対の切断機構5の各カッタ伝動軸121の内端部同士は嵌合等によって互いに連結固定されている。
一対の切断機構5と一対の回転伝動軸139との間に、第1伝動機構141と第2伝動機構142とが設けられている。
【0029】
第1伝動機構141は、伝動ケース143と、伝動ケース143の一端部に収納された駆動スプロケット144と、伝動ケース143の他端部に収納された従動スプロケット145と、駆動スプロケット144及び従動スプロケット145に巻回した伝動チェーン146とを備え、駆動スプロケット144は、一対の回転伝動軸121の内端部に筒軸147を介して外嵌装着され、従動スプロケット145は、第1伝動機構141の伝動ケース143と後述する第2伝動機構142の伝動ケース150とに回転自在に支持した回転軸148に、外嵌固定されている。
【0030】
従って、第1伝動機構141は、一対の回転伝動軸121に対して該回転伝動軸121廻りに回動自在に連結されると共に、回転伝動軸121の回転動力を、回転軸148に伝達して該回転軸148を軸心廻りに回転駆動するように構成されている。
第2伝動機構142は、伝動ケース150と、伝動ケース150の一端部に収納された駆動スプロケット151と、伝動ケース150の他端部に収納された従動スプロケット152と、駆動スプロケット151及び従動スプロケット152に巻回した伝動チェーン153とを備え、駆動スプロケット151は、回転軸148に外嵌固定され、従動スプロケット152は、前記一対の切断機構5のうちの一方のカッタ伝動軸139に外嵌固定されている。
【0031】
従って、第2伝動機構142は、第1伝動機構141に対して回転軸(左右軸)148廻りに回動自在(屈曲自在)に連結され、第2伝動機構142の先端部(前端部)に、一対の切断機構5のカッタ伝動軸139が連結されて、回転軸148の回転動力を、一対の切断機構5の各カッタ伝動軸139に伝達して、一対の切断機構5の各円盤カッタ140を軸心廻りに回転駆動するように構成されている。
一対の切断機構5の各円盤カッタ140は、傾斜フレーム19の後上がりの傾斜に対応して後上がりに傾斜して配置されており、第2伝動機構142の伝動ケース150の先端部(前端部)に、一対の切断機構5を上下に移動調整するための調整操作部材155が上方突設され、調整操作部材155の上端部の把持部を把持して調整操作部材155を上下方向に押し引き操作することによって、第1伝動機構141を、一対の回転伝動軸121に対して回動させると共に、第2伝動機構142を第1伝動機構141に対して左右軸回りに回動(屈曲)させて、一対の切断機構5の円盤カッタ140を上下方向に平行移動させるようになっている。従って、第1伝動機構141、第2伝動機構142及び調整操作部材155によって、左右の切断機構5の切断高さを同時に調整する高さ調整機構156が構成されている。
【0032】
図16〜図19において、機フレーム12の左右一対の傾斜フレーム19の後端部間に、左右一対の支持板159を介して、後支持台160が固定して設けられ、後支持台160の前方に、4つの前支持台161が設けられている。前支持台161は、支持部材162を介して後支持台160等に支持されている。後支持台160に、上下方向に駆動軸165が左右方向に間隔をおいて4つ設けられ、各駆動軸165は、後支持台160と後述の下引き抜き機構4の各後支持部材203との間に、支持筒体166及びベアリングを介して軸心廻り回転自在に支持されている。
【0033】
各前支持台161の前部に、縦方向の従動軸167が設けられている。後述する下引き抜き機構4の各後支持部材203に取付台168が上方突設され、前記各従動軸167は、対応する後支持台160と取付台168との間に、支持筒体176及びベアリングを介してそれぞれ軸心廻り回転自在に支持されている。
各駆動軸165の上端部に、互いに同一形状のスプロケット169と互いに同一形状の伝動ギヤ170とがそれぞれ外嵌固定されている。後支持台160の4つの駆動軸165のうちの中央側の駆動軸169間に、左右一対の連動ギヤ171が縦軸廻りに回転自在に支持されている。後支持台160の右端側の駆動軸165の右側方に、駆動ギヤ173が縦軸廻りに回転自在に支持されている。
【0034】
前記第1伝動軸113は駆動ギヤ171に噛合され、駆動ギヤ171、右側の2つの伝動ギヤ170、2つの連動ギヤ171、左側の2つの伝動ギヤ170は、順次噛合されている。従って、第1伝動軸113の回転動力が、駆動ギヤ171から4つの伝動ギヤ170に伝達されて、各駆動軸165が互いに同一速度で回転しかつ隣り合う駆動軸165が互いに逆方向に回転するようになっている。
各従動軸167にスプロケット172が外嵌固定され、各駆動軸171の回転は、スプロケット169,172及び伝動チェーン174を介して対応する各従動軸167に伝達されて、従動軸167を回転駆動するようになっている。各従動軸167に継ぎ手を介して上引き抜き機構3用の各上引き抜き伝動軸175が連結されている。
【0035】
図16、図20及び図21において、前記左右の上引き抜き機構3は、それぞれ左右一対のベルトコンベヤ手段178で構成されている。左右の上引き抜き機構3の各ベルトコンベア手段178は、前支持部材179と、後支持部材180と、後端部に横向きに配置された駆動プーリ181と、下端部に横向きに配置された従動プーリ182と、上下のプーリ181,182間に巻き掛けられた無端ベルト183とを備える。
後支持部材180に取付板185を介して伝動軸175が軸心廻り回転自在に支持され、伝動軸175は取付板185に下方突出状に設けられ、駆動プーリ181は、伝動軸175に外嵌固定されて取付板185の下方に位置されている。前支持部材179の前端部に回転軸186がベアリングを介して軸心廻りに回転自在に支持され、回転軸186は、前支持部材179の前端部に上下貫通状に設けられ、回転軸186の前支持部材179の下方に、従動プーリ182が外嵌固定され、回転軸168の前支持部材179上方にスプロケット188が固設されている。各ベルトコンベア手段178に伝動軸175を介して動力が伝達されて、各上引き抜き機構3における左右一対のベルトコンベア手段178の無端ベルト183が互いに逆方向に回動して、一対のベルトコンベヤ手段178間に玉葱の茎葉を挟持して後上方に搬送するように構成されている。
【0036】
各ベルトコンベヤ手段178の前支持部材179の後端部に回転軸190が回転自在に支持され、回転軸190は前支持部材179から上方突出状に設けられ、回転軸190にスプロケット191が固設されて、従動プーリ182の回転動力がスプロケット188,191及び伝動チェーン192を介して回転軸190に伝達されるように構成されている。
一対のベルトコンベヤ手段178の各後支持部材180は、取付板30,31を介して各支持部材29に固定されている。ベルトコンベヤ手段178の各前支持部材179は、後支持部材180に対して回転軸(縦軸)190廻りに揺動調整自在に取り付けられている。従って、上引き抜き機構3の一対のベルトコンベヤ手段178について、各前支持部材179を後支持部材180に対して縦軸190廻りに同一方向に揺動調整することによって、上引き抜き機構3の左右のベルトコンベヤ手段178の前後中途部から前部側が、後部側に対して左右に角度変更できるように構成されて、ベルトコンベア手段178の前端の左右位置が変更可能とされている。
【0037】
従って、4条の玉葱のうち、外側の2条ずつは略一定の間隔で植えられているが、中央側の2条の間隔は、一定にならず圃場によって異なっているのが一般であり、このような圃場に対しても、ベルトコンベア手段178の前端の左右位置を変更することによって、左右の上引き抜き機構3によって、4条の玉葱のうちの2条ずつの玉葱の茎葉をそれぞれ左右に確実に挟んで後上方にスムーズに搬送することができ、この点から、4条の玉葱を同時に良好に収穫することができる。
図1に示すように、前記左右の各上引き抜き機構3で搬送される茎葉を左右の各クローラ走行装置9のクローラ39上に落下させる茎葉ガイド197が、前記運転席66より後側で機フレーム12の左右側部に設けられている。
【0038】
図16〜図19において、前記左右の下引き抜き機構4は、それぞれ左右一対のベルトコンベヤ手段201で構成されている。左右の下引き抜き機構4の各ベルトコンベア手段201は、前支持部材202と、後支持部材203と、後端部に横向きに配置された駆動プーリ204と、下端部に横向きに配置された従動プーリ205と、上下のプーリ204,205間に巻き掛けられた無端ベルト206とを備え、前支持部材202と後支持部材203とは連結部材207により連結されている。
各後支持部材203は、前記支持筒体166を介して後支持台160に連結されると共に、前記取付台168及び支持筒体176を介して前支持台161に連結されている。ベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202は、それぞれ支持腕209,210を介して前連結板33と後連結板34に固定されており、従って、ベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202は、前連結板33、後連結板34、コの字状の支持部材29、固定板28を介して門型の支持フレーム20に固定されている。
【0039】
左右の下引き抜き機構4の4つの駆動プーリ204は、前記4つの各駆動軸165の下部にそれぞれ外嵌固定されている。前支持部材202の前端部に取付部材212を介して回転軸213が軸心廻りに回転自在に支持され、回転軸213に従動プーリ205が外嵌固定されており、各ベルトコンベア手段201に駆動軸165を介して動力が伝達されて、各下引き抜き機構4における左右一対のベルトコンベア手段201の無端ベルト206が互いに逆方向に回動して、一対のベルトコンベヤ手段201間に玉葱の鱗茎を挟持して後上方に搬送するように構成されている。
【0040】
ベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202は、連結部材207、前連結板33及び後連結板34に対して縦軸215廻りに左右に揺動調整自在に連結固定されている。従って、下引き抜き機構4の一対のベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202を縦軸215廻りに揺動調整することによって、左右のベルトコンベヤ手段201の前後中途部から前部側が、後部側に対して左右に角度変更可能されて、ベルトコンベア手段201の前端の左右位置が変更可能とされている。
従って、4条の玉葱のうち、外側の2条ずつは略一定の間隔で植えられているが、中央側の2条の間隔は、一定にならず圃場によって異なっているのが一般であり、このような圃場に対しても、ベルトコンベア手段201の前端の左右位置が変更することによって、左右の下引き抜き機構4によって、4条の玉葱のうちの2条ずつの玉葱の鱗茎をそれぞれ左右に確実に挟んで後上方にスムーズに搬送することができ、この点からも、4条の玉葱を同時に良好に収穫することができる。
【0041】
図1、図7、図22〜図25において、前記左右一対の縦起こし機構7は、多数の起こし爪217を順次上下方向に循環移動する起こし手段218をそれぞれ有し、左右一対の縦起こし機構7の一方(右側の縦起こし機構7)は、4条の玉葱に対し、1条目の玉葱の外側位置と、1条目と2条目の玉葱の中間位置と、2条目と3条目の玉葱の中間位置とに対応するように、3個の起こし手段218を有している。
左右一対の縦起こし機構7の他方(左側の縦起こし機構7)は、4条の作物に対し、3条目と4条目の作物の中間位置と、4条目の作物の外側位置とに対応するように、2個の起こし手段218を有している。
【0042】
各起こし手段218は、機フレーム12の前方に左右に並ぶようにそれぞれ後上がりに傾斜して配置されている。
各起こし手段218は、起こしケース220と、起こしケース220の上端部に縦向きに設けられた駆動スプロケット221と、起こしケース220の下端部に縦向きに設けられた従動スプロケット222と、スプロケット221,222間に巻き掛けられた伝動チェーン223と、伝動チェーン223に所定ピッチで取り付けられた多数の起こし爪217と、起こしケース220の下部から前方に突設されたディバイダ224とを備える。第2伝動軸114の動力が、後述する回転軸228,232を介して駆動スプロケット221に伝達されて、伝動チェーン223が駆動スプロケット221と従動スプロケット222との間を縦方向に循環移動して、多数の起こし爪217を起こしケース220の前側下部から前方に突出した状態で上方に移動して、多数の起こし爪217で、傾倒している玉葱の葉茎を順次引き起こすように構成されている。なお、起こしケース220の後側では、多数の起こし爪217は起こしケース220内に納まるように傾倒した状態で下方移動するように構成されている。
【0043】
図23及び図24に示すように、一方(右側)の縦起こし機構7の3つの起こし手段218の上部は、支持筒体226により互いに連結されている。即ち、右側の縦起こし機構7における、右側の起こしケース220の上部と中央側の起こしケース220の上部とは支持筒体226により連結固定され、中央側の起こしケース220の上部と左側の起こしケース220の上部とは支持筒体226により連結固定され、これにより、3つの起こしケース220は互いに固定されている。これら3つの起こしケース220の上部及び支持筒体226に回転軸228が左右に貫通するように配置され、この回転軸228は支持筒体226に対してベアリングを介して回転自在に支持されている。回転軸228に、3つの起こし手段218の駆動スプロケット221が筒体229を介して外嵌固定されている。
【0044】
他方(左側)の縦起こし機構7の2つの起こし手段218の上部は、支持筒体231により互いに連結されている。即ち、左側の縦起こし機構7における、右側の起こしケース220と左側の起こしケース220とは支持筒体231により連結固定され、これにより2つの起こしケース220は互いに固定されている。これら2つの起こしケース220の上部及び支持筒体231に回転軸232が左右に貫通するように配置されて、回転軸232は支持筒体231等にベアリングを介して回転自在に支持されている。この回転軸232に、2つの起こし手段218の駆動スプロケット221が筒体229を介して外嵌固定されている。
【0045】
一方(右側)の縦起こし機構7の回転軸228は、左端側の起こしケース220から左側方に外方突出され、他方(左側)の縦起こし機構7の回転軸232は、右側の起こしケース220から右側方に外方突出され、一方(右側)の縦起こし機構7の左端側の起こし手段218の筒体229が外方に延長されて、回転軸228,232の対向端部同士に摺動自在に外嵌されて、回転軸228,232の対向端部同士が筒体229により連結され、回転軸228,232が一体に回転するようになっている。
図25に示すように、回転軸228の右端部は、ベベルギヤ242,243を介して第2伝動軸114に連結されており、第2伝動軸114から回転軸228,232に回転動力が伝達されるようになっている。
【0046】
左右の縦起こし機構7の互いに対向する(隣り合う)起こしケース220に、支持筒体234,235が、回転軸228,232の対向端部に外嵌するようにそれぞれ外方突設され、これら支持筒体234,235の対向端側に、連結筒体236が左右方向に摺動自在に外嵌され、締付ボルト237の締め付けにより、連結筒体236と支持筒体234,235とを摺動不能に固定できるようになっている。従って、締付ボルト237を緩めて、連結筒体236と支持筒体234,235とを左右方向に摺動調整し、その後、締付ボルト237を締め付けることによって、左右の縦起こし機構7は互いに左右方向に位置調整できるように構成されている。
【0047】
左右の縦起こし機構7の左右外端側の起こしケース220は、機フレーム12の前後フレーム16の前端部にブラケット239を介して固定されている。ブラケット239は前後フレーム16の前端部に前方突出状に固設され、ブラケット239に前記駆動スプロケット221(回転軸228,232)を中心とする円弧状の長孔240が設けられ、この長孔240に挿通した締付ボルトによって、ブラケット239に左右外端側の起こしケース220を着脱自在に締め付け固定しており、この締付ボルトの締緩等により、ブラケット239乃至機フレーム12に対して、左右の縦起こし機構7を長孔240の範囲で駆動スプロケット221(回転軸228,232)を中心として前後方向に揺動調整できるようになっている。また、左側のブラケット239は、前後フレーム16に対して図示省略の左右方向に長孔の範囲で左右に移動調整可能に固定されている。
【0048】
左右の縦起こし機構7の各起こしケース220の上部は、それぞれ取付部材245により横支持杆21に連結固定されている。取付部材245の上端部はL字状に屈曲した取付片246が設けられ、該取付片246に左右方向の長孔が形成され、横支持杆21に取付片242を引っ掛けて、長孔に挿通した締付ボルトを横支持杆21に螺合することにより、取付部材245は長孔の範囲で横支持杆21に対して左右方向に移動調整自在に固定されている。取付部材245の下端部は各起こしケース220の上部の左右両側にボルト等により締め付け固定されている。
【0049】
従って、例えば、連結筒体236と支持筒体234,235とを左右方向に摺動することによる、左側の縦起こし機構7の右側の縦起こし機構7に対する左右方向への位置調整と、左側ブラケット239の前後フレーム16に対する左右方向への移動調整と、左側の縦起こし機構7に対応する左右2つの取付部材245の横支持杆21に対する左右方向への移動調整とによって、左右の縦起こし機構7は、4条の玉葱のうち中央2条の玉葱の間隔に対応して左右方向に位置調整自在できるように走行機体6に装着されている。
而して、4条の玉葱のうち、外側の2条ずつは略一定の間隔で植えられているが、中央側の2条の玉葱の間隔は、一定にならず圃場によって異なっているのが一般であり、このような圃場に対しても、左右の縦起こし機構7を、4条の玉葱のうち中央2条の玉葱の間隔に対応して左右方向に位置調整することにより、4条の玉葱の傾倒した茎葉を同時に良好に引き起こすことができ、この点から4条の玉葱を同時かつ良好に収穫することが可能になる。なお、左右の縦起こし機構7のうち少なくともその左右一方が、中央2条の玉葱の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされていればよい。
【0050】
前記左右の縦起こし機構7の各起こし手段218の下端側に、玉葱の傾倒した茎葉を掬い上げるディバイダ224が設けられ、これらディバイダ224のうち、左右両外側に位置する外側のディバイダ224が、左右内側に位置する内側のディバイダ224よりも前方へ長く形成されている。これによって、畝肩斜面に沿って傾倒している玉葱の葉茎をも好適に掬い上げることができる。
図1、図16、図23、図26、図27において、前記左右の茎葉引き起こし機構2の各掻き込み機構8は、2条の作物の茎葉をその中央側へ寄せながら掻き込むべく、後上方向に循環移動される掻き込み爪249を有する掻き上げ手段250を左右一対ずつ備える。
【0051】
掻き上げ手段250は、掻き上げ支持部材251と、掻き上げ支持部材251の上端部に横向きに配設された駆動プーリ253と、掻き上げ支持部材251の下端部に横向きに配設された従動プーリ254と、上下のプーリ253,254間に巻き掛けられた無端ベルト255等を備え、無端ベルト255には、外方に向けて突出する複数の掻き込み爪249が所定ピッチで一体形成されている。掻き上げ支持部材251の上端部に伝動軸256がベアリングを介して軸心廻り回転自在に支持され、伝動軸256に駆動プーリ253が外嵌固定され、掻き上げ支持部材251の下端部に回転軸257がベアリングを介して軸心廻りに回転自在に支持され、回転軸257に従動プーリ254が外嵌固定されている。各掻き上げ手段250の伝動軸256に、前記上引き抜き機構3の各回転軸190を介して動力が伝達されており、各掻き込み機構8における左右一対の掻き上げ手段250の無端ベルト255が互いに逆方向に回動して、一対の掻き上げ手段250間に複数の掻き込み爪249で玉葱の茎葉を掻き込むようになっている。
【0052】
各掻き上げ手段250の掻き上げ支持部材251は、前ステー259及び後ステー260を介して上引き抜き機構3の前支持部材179に固定されており、左右の各掻き込み機構8は、上引き抜き機構3上に支持されている。
前ステー259及び後ステー260に、伝動軸256を中心とする円弧状又は左右方向の長孔が設けられ、この長孔に挿通した締付ボルト261によって、掻き上げ支持部材251を前ステー259及び後ステー260に着脱自在に締め付け固定しており、締付ボルト261の締緩により、前ステー259及び後ステー260に対して、掻き上げ支持部材251乃至掻き上げ手段250を、前ステー259及び後ステー260の長孔の範囲で駆動プーリ253(伝動軸256)を中心として揺動調整できるようになっている。
【0053】
従って、掻き上げ支持部材251乃至掻き上げ手段250を、伝動軸256(駆動プーリ253)を中心として揺動調整することにより、左右の掻き込み機構8は、4条の玉葱のうち中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされ、各掻き込み機構8は、その前端の左右位置を変更するように、上引き抜き機構3に対して伝動軸256を中心に角度変更可能とされている。従って、各掻き込み機構8の前端の左右位置を変更することによって、左右の掻き込み機構8によって、4条の玉葱のうちの2条ずつの玉葱をそれぞれ確実に掻き込んむことができ、この点からも、4条の玉葱を同時に良好に収穫することができる。
【0054】
一方の掻き込み機構8の左右内側の掻き上げ手段250と、他方の掻き込み機構8の左右内側の掻き上げ手段250とが、上下にオーバラップするように配置され、これにより左右の掻き込み機構8の左右方向の位置を、4条の作物のうちの各2条ずつの作物に対応させるようにしている。
前記左右の掻き込み機構8の4つの掻き上げ手段250のうち、左右両外側の掻き上げ手段250の掻き込み爪249は、左右内側の他の掻き上げ手段250の掻き込み爪249に比べて長く形成されている。これにより、4条の玉葱を広い範囲に亘って残すことなく効率よく掻き込めるようになっている。
【0055】
なお、左右の掻き込み機構8のうち少なくとも一方が、その前端の左右位置を変更するように、前記上引き抜き機構3に対して伝動軸256を中心に角度変更可能とされていればよい。
図1、図2、図7、図28〜30において、前記走行機体6の後部に、左右下引き抜き機構4で搬送されてくる鱗茎を受け取る収穫機構263が設けられている。収穫機構263は、左右の下引き抜き機構4で搬送されてくる鱗茎を受け取る受けコンベヤ手段264と、この受けコンベヤ手段264から落下される鱗茎を収納するコンテナ266を搬送する箱詰め手段267とを有している。
【0056】
受けコンベヤ手段264は、左右の下引き抜き機構4の後端部下方に配置され、機フレーム12の後部横フレーム18に突設した支持杆269と、傾斜フレーム19の後端部に連結した連結杆270とによって機フレーム12に取り付けられている。
図28に示すように、受けコンベヤ手段264は、左右一対の側壁部材271と、一対の側壁部材271の前端部間に、支持軸272廻りに回転自在に支持された前回転筒体273と、一対の側壁部材271に後端部間に、支持軸275廻りに回転自在に支持された後回転筒体276と、前後の回転筒体273,276間に巻き掛けられた無端ベルト277等を備える。図7に示すように、受けコンベヤ手段264の後端部の側壁部材上等に、受けコンベヤ手段264を駆動するためのモータ278が設けられ、このモータ278により後回転筒体276を回転駆動することにより、無端ベルト277を矢印a方向に回動して、下引き抜き機構4から無端ベルト277上に受けた鱗茎を後方向けて搬送して無端ベルト227の後端から落下させるように構成されている。
【0057】
無端ベルト227に土落とし用の多数の挿通孔279が設けられ、図7に示すように受けコンベヤ手段264の下方から両側方に亘る土落としガイド280が設けられている。この土落としガイド280、受けコンベヤ手段264下方の左右方向中央から両外側方に向けて徐々に下降するように外方下がりに傾斜されており、無端ベルト277の挿通孔279から落下した鱗茎の土を受けて、受けコンベア手段264の両側方の圃場に案内するするようになっている。無端ベルト277に形成した多数の挿通孔279と土落としガイド280により、受けコンベヤ手段264上の鱗茎に付着した土を落とす土落とし手段281が構成されている。
【0058】
図28に示すように、受けコンベヤ手段264にV字状の鱗茎ガイド283が設けられている。鱗茎ガイド283は、受けコンベア手段264の無端ベルト277の上側に配置され、無端ベルト277上に載って後方に搬送される玉葱の鱗茎を左右に分けて、後述する収納コンベヤ285に対して玉葱の鱗茎を左右に分離案内する。
箱詰め手段267は、受けコンベヤ手段264から落下される鱗茎を収納するべく落下位置でコンテナ266を移動させる収納コンベヤ285と、前記落下位置へ空のコンテナ266を移動させる予備コンベヤ286とを有している。予備コンベヤ286と収納コンベヤ285とは受けコンベヤ手段264の下方に前後に並べて配置されている。
【0059】
図1に示すように、予備コンベヤ286と収納コンベヤ285とは、取付板287及び連結杆288等により機フレーム12や受けコンベヤ手段264に吊り下げ状に支持され、取付板287及び連結杆288等から予備コンベヤ286と収納コンベヤ285とを取り外すことにより、箱詰め手段267を機フレーム12側から簡単に取り外すことができて、箱詰め手段267は走行機体6に対して着脱自在に設けられている。従って、例えば、箱詰め手段267を走行機体6に対して着脱することにより、玉葱の収穫と同時にその収穫した鱗茎をコンテナ266に収納する箱詰め作業と、収穫した玉葱をそのまま圃場に落として行く作業とを簡単に切り換えることができ、便利である。また、図30に示すように、収納コンベヤ285は、予備コンベヤ286に対して折り畳み可能とされて、不使用時に上方退避可能とされている。
【0060】
なお、図7に示すように、予備コンベヤ286又は収納コンベヤ285に支持輪292を設け、予備コンベヤ286と収納コンベヤ285とを支持輪292により支持させるようにしてもよい。
図29に示すように、収納コンベヤ285は、左右一対の側壁体289と、一対の側壁体289の前端部間に回転自在に支持された前回転軸290と、一対の側壁体289の後端部間に回転自在に支持された後回転軸291とを備え、前回転軸290に左右一対の駆動スプロケット293が外嵌固定され、後回転軸291に左右一対の従動スプロケット294が外嵌固定され、左右一対の駆動スプロケット293と左右一対の従動スプロケット294との間に、左右一対の伝動チェーン295がそれぞれ巻き掛けられ、一対の伝動チェーン上にコンテナを載せてコンテナを後方へ移動させるようになっている。
【0061】
予備コンベヤ286は、左右一対の側壁体297と、一対の側壁体297の前端部間に回転自在に支持された前回転軸298と、一対の側壁体297の後端部間に回転自在に支持された後回転軸299とを備え、前回転軸298に左右一対の前プーリ301が外嵌固定され、後回転軸299に左右一対の後プーリ302が外嵌固定され、左右一対の前プーリ301と左右一対の後プーリ302との間に、左右一対の伝動ベルト303が巻き掛けられ、左右一対の伝動ベルト303間に複数の連結杆304が所定間隔をおいて連結されている。
【0062】
収納コンベヤ285の側方等に箱詰め手段267駆動用のモータ306が設けられ、モータ306の回転動力がスプロケット307,308及び伝動チェーンを介して収納コンベヤ285の前回転軸290を回転駆動すると共に、スプロケット309,310及び伝動チェーンを介して予備コンベヤ286の後回転軸299を回転駆動するように構成されている。従って、モータ306により、収納コンベア285(伝動チェーン295)上のコンテナ266が後方移動するように伝動チェーン295が回転駆動されると共に、予備コンベア285(連結杆304)上のコンテナ266が後方移動するように、伝動ベルト303が回転駆動されるように構成されている。
【0063】
従って、前記収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは別個の駆動系(モータ)を有し、互いに非同期(互いに同期することなく別個)で駆動し、受けコンベア手段264の駆動(回動)速度に比べて収納コンベヤ285及び予備コンベヤ286の駆動速度(回動)を遅く設定している。また、前記収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは前記主伝動系115と非同期で駆動している。予備コンベヤ286の回動速度は、調整可能とされると共に、収納コンベヤ285より速く回動するように設定されている。
【0064】
図2に示すように、運転席66の後方でかつ収穫機構263の側方に、伴走者配置空間312が形成されている。従って、伴走者は、伴走者配置空間312を利用して、収納コンベア285又は予備コンベア284へのコンテナ266を補給や、玉葱を収納したコンテナの運搬等をスムーズかつ良好になすことができ、玉葱の収穫作業に非常に便利である。
上記実施の形態によれば、エンジン13の動力により、左右一対のクローラ走行装置9が駆動して、走行機体6が走行する。走行機体6の走行に同期して、左右一対の茎葉引き起こし機構2が駆動し、各茎葉引き起こし機構2によって、2条ずつの玉葱の茎葉をまとめて引き起こし、左右の茎葉引き起こし機構2で、同時に4条の玉葱を引き起こす。即ち、前方の左右一対の縦起こし機構7により、4条の玉葱の傾倒した茎葉を引き起こし、それに続く左右一対の掻き込み機構8とにより、茎葉が引き起こされた4条の玉葱を、左右に2条ずつの玉葱に分けて掻き込む。
【0065】
エンジン13の動力によって、走行機体6の走行とは別個に(走行と同期することなく)振動サブソイラ130が前後に往復振動し、振動サブソイラ130は、左右の上下引き抜き機構3,4による畝からの玉葱の引き抜に先行して4条分の畝を膨軟化する。
そして、走行機体6の走行に同期して、左右の上下引き抜き機構3,4も駆動し、左右の茎葉引き起こし機構2で引き起こされた4条の玉葱の茎葉を、左右に2条ずつに分けた状態で、左右の上下引き抜き機構3,4でそれぞれ上下2箇所で挟持しながら畝から玉葱を引き抜いて後上方に搬送する。搬送する途中で、左右一対の切断機構5の各円盤カッタ140で、左右に分かれた玉葱の茎葉と鱗茎とを分離する。分離した玉葱の茎葉は、左右一対の左右の上引き抜き機構3により搬送されて、上引き抜き機構3の上端部で、玉葱の茎葉が茎葉ガイド197上に落とされ、茎葉ガイド197により、左右の各上引き抜き機構3で搬送される茎葉を左右の各クローラ走行装置9のクローラ39上に落下させる。クローラ39に上に落下した玉葱の茎葉は、クローラ39の回動にともなって、クローラ走行装置9が走行する畝の両側の溝に落とされる。
【0066】
左右の下引き抜き機構4で後方に搬送されてくる玉葱の鱗茎は、収穫機構263の受けコンベヤ手段264が受け取られ、受けコンベヤ手段264でさらに後方に搬送され、受けコンベヤ手段264の鱗茎は、箱詰め手段267の収納コンベヤ285上のコンテナ266内に落下して該コンテナ266内に収納される。収納コンベア285のモータ306による駆動によって、収納コンベア285上のコンテナ266は収納コンベア285上を徐々に後方に移動し、収納コンベア285上のコンテナ266の後方移動に伴って、予備コンベヤ286上の空のコンテナ266が、収納コンベア285上に次第に移って行き、玉葱を収納したコンテナ266に引き続いて、受けコンベヤ手段264からの玉葱の落下位置へ空のコンテナ266を移動させる。従って、玉葱を複数のコンテナ266に順次スムーズに収納することができ、玉葱を4条ずつ効率よく収穫できるようになる。
【0067】
なお、図1に示すように、受けコンベヤ手段264の上方に、コンテナ載置台313を設け、ここに予備のコンテナ266を載置するようにしてもよい。
なお、前記実施の形態では、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは別個の駆動系(モータ)を有し、互いに非同期で駆動するようにしているが、これに代え、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とを、同一の駆動系(同一のモータ)で、互いに同期して駆動するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは別個の駆動系(モータ)を有し、これらを互いに非同期(互いに同期することなく別個)で駆動するようにしているが、これに代え、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは同一の駆動系を設けるようにしてもよく、例えば1つのモータで受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とを駆動し、受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とを互いに同期して駆動するようにしてもよい。
【0068】
また、前記実施の形態では、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とは、主伝動系115に対して非同期で駆動するようにしているが、これに代え、収穫機構263の受けコンベヤ手段264と箱詰め手段267とを、主伝動系115と同期して駆動するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、運転席66は、右側のクローラ走行装置9の上方であって、前記横軸11より前側で右側のクローラ走行装置9の車輪支持台10に設けられ、エンジン13は、前記横軸11より後側で機フレーム12の左側に配置されているが、これに代え、運転席66を、左側のクローラ走行装置9の上方であって、横軸11より前側で左側のクローラ走行装置9の車輪支持台10に設け、エンジン13を、横軸11より後側で機フレーム12の右側に配置するようにしてもよい。
【0069】
また、前記実施の形態では、上引き抜き機構3の一対のベルトコンベヤ手段178について、各前支持部材179を後支持部材180に対して縦軸190廻りに同一方向に揺動調整することによって、上引き抜き機構3の左右のベルトコンベヤ手段178の前後中途部から前部側が、後部側に対して左右に角度変更できるように構成されて、ベルトコンベア手段178の前端の左右位置が変更可能とされているが、これに代え又はこれと共に、上引き抜き機構3の一対のベルトコンベヤ手段178について、例えば、各後支持部材180及び前支持部材179を、上引き抜き伝動軸175廻りに揺動調整できるように構成することにより、上引き抜き機構3の左右のベルトコンベヤ手段178をその後端部から左右に角度変更できるように構成して、ベルトコンベア手段178の前端の左右位置を変更可能にしてもよい。また、左右の上引き抜き機構3のうちの一方の上引き抜き機構3についてのみ、ベルトコンベア手段178の前端の左右位置が変更可能になるようにしてもよい。
【0070】
また、前記実施の形態では、各下引き抜き機構4の一対のベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202を縦軸215廻りに揺動調整することによって、左右のベルトコンベヤ手段201の前後中途部から前部側が、後部側に対して左右に角度変更可能されて、ベルトコンベア手段201の前端の左右位置が変更可能とされているが、これに代え又はこれと共に、下引き抜き機構4の一対のベルトコンベヤ手段201の各前支持部材202及び後支持部材203を駆動軸165廻りに揺動調整することによって、左右のベルトコンベヤ手段201を後端部から左右に角度変更可能に構成して、ベルトコンベア手段201の前端の左右位置が変更可能にしてもよい。また、左右の下引き抜き機構4のうちの一方の下引き抜き機構4についてのみ、ベルトコンベア手段201の前端の左右位置が変更可能になるようにしてもよい。
【0071】
また、前記実施の形態では、箱詰め手段267を設けて、収穫した玉葱をコンテナ266に収納するようにしているが、箱詰め手段267に代え又は箱詰め手段267と共に、図31に示すように、受けコンベヤ手段264から圃場に鱗茎を落下させるシュート315を設けるようにしてもよい。なお、図31において、シュート31の左右方向中央部には、受けコンベヤ手段264から落下する玉葱の鱗茎を左右に振り分けるための上方に膨出した凸部316が設けられている。
また、前記実施の形態では、作物として玉葱を収穫するようにしているが、収穫する作物は玉葱に限定されず、鱗茎を有する他の作物であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態を示す作物収穫機の全体側面図である。
【図2】同作物収穫機の走行機体部分の平面図である。
【図3】同作物収穫機の走行機体部分の正面図である。
【図4】同作物収穫機の走行機体部分の側面図である。
【図5】同作物収穫機の走行機体部分の平面図である。
【図6】同作物収穫機の機フレーム部分の正面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示す作物収穫機の全体側面図である。
【図8】同作物収穫機の走行機体後部の平面図である。
【図9】同作物収穫機の走行機体後部の側面図である。
【図10】同走行機体後部の横軸部分の拡大側面図である。
【図11】同走行機体後部の横軸部分の拡大平面図である。
【図12】同振動サブソイラ部分の正面図である。
【図13】同振動サブソイラ部分の側面図である。
【図14】同第1伝動機構及び第2伝動機構部分の平面図である。
【図15】同切断機構部分の平面図である。
【図16】同掻き込み機構及び上下引き抜き機構部分の側面図である。
【図17】同下引き抜き機構部分の平面図である。
【図18】同上下引き抜き機構への動力伝達部分の側面図である。
【図19】同上下引き抜き機構への動力伝達部分の背面図である。
【図20】同上引き抜き機構部分の平面図である。
【図21】同ベルトコンベヤ手段の前支持部材及び後支持部材の側面図である。
【図22】同縦起こし機構部分の側面図である。
【図23】同縦起こし機構と掻き込み機構との配置関係を示す構成図である。
【図24】同縦起こし機構上部の正面図である。
【図25】同縦起こし機構の回転軸への動力伝達部分の平面図である。
【図26】同掻き込み機構部分の側面図である。
【図27】同掻き込み機構部分の正面図である。
【図28】同受けコンベヤ手段部分の平面図である。
【図29】同収納コンベヤス及び予備コンベヤ部分の平面図である。
【図30】同収納コンベヤス及び予備コンベヤ部分の折畳状態の側面図である。
【図31】他の実施形態を示す受けコンベヤ手段部分の平面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 作物収穫機
2 茎葉引き起こし機構
3 上引き抜き機構
4 下引き抜き機構
5 切断機構
6 走行機体
7 縦起こし機構
8 掻き込み機構
9 クローラ走行装置
10 車輪支持台
11 横軸
12 機フレーム
13 エンジン
37 駆動スプロケット
39 クローラ
59 アクチュエータ
66 運転席
71 ゲージ輪
75 高さ調整手段
115 主伝動系
130 振動サブソイラ
149 副伝動系
155 調整操作部材
156 高さ調整機構
178 ベルトコンベヤ手段
201 ベルトコンベヤ手段
217 起こし爪
218 起こし手段
224 ディバイダ
249 掻き込み爪
250 掻き上げ手段
256 伝動軸
263 収穫機構
264 受けコンベヤ手段
266 コンテナ
267 箱詰め手段
281 土落とし手段
283 鱗茎ガイド
285 収納コンベア
286 予備コンベヤ
312 伴走者配置空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2条の作物の茎葉をまとめて引き起こす茎葉引き起こし機構(2)と、この茎葉引き起こし機構(2)で引き起こされた2条の作物の茎葉を上下2箇所で挟持しながら畝から作物を引き抜いて搬送する上下引き抜き機構(3,4)と、この上下引き抜き機構(3,4)で搬送する途中で作物の茎葉と鱗茎とを分離する切断機構(5)とを有し、前記茎葉引き起こし機構(2)と上下引き抜き機構(3,4)と切断機構(5)とが走行機体(6上に左右一対ずつ搭載されており、前記左右一対の茎葉引き起こし機構(2)は、前方の縦起こし機構(7)とそれに続く掻き込み機構(8)とをそれぞれ有し、左右の縦起こし機構(7)及び掻き込み機構(8)は、少なくともその左右一方が、4条の作物のうちの中央2条の作物の間隔に対応して左右方向に位置調整自在とされていることを特徴とする作物収穫機。
【請求項2】
前記左右の茎葉引き起こし機構(2)の各掻き込み機構(8)は、2条の作物の茎葉をその中央側へ寄せながら掻き込むべく、後上方向に循環移動される掻き込み爪(249)を有する掻き上げ手段(250)を左右一対ずつ備え、左右の掻き込み機構(8)の左右方向の位置を、4条の作物のうちの各2条ずつの作物に対応させるべく、一方の掻き込み機構(8)の左右内側の掻き上げ手段(250)と、他方の掻き込み機構(8)の左右内側の掻き上げ手段(250)とが、上下にオーバラップするように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の作物収穫機。
【請求項3】
前記左右の掻き込み機構(8)の4つの掻き上げ手段(250)のうち、左右両外側の掻き上げ手段(250)の掻き込み爪(249)は、左右内側の他の掻き上げ手段(250)の掻き込み爪(249)に比べて長く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の作物収穫機。
【請求項4】
前記左右の各掻き込み機構(8)は、上引き抜き機構(3)上に支持されかつ伝動軸(256)を介して動力が伝達されており、少なくとも一方の掻き込み機構(8)は、その前端の左右位置を変更するように、前記上引き抜き機構(3,4)に対して伝動軸(256)を中心に角度変更可能とされていることを特徴とする請求項2又は3に記載の作物収穫機。
【請求項5】
前記上下引き抜き機構(3,4)は、それぞれ左右一対のベルトコンベヤ手段(178,201)で構成され、この左右のベルトコンベヤ手段(178,201)の前後中途部から前部側が、後部側に対して角度変更可能に形成されて、ベルトコンベア手段(178,201)の前端の左右位置を変更可能にしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の作物収穫機。
【請求項6】
前記走行機体(6)の後部に、左右下引き抜き機構(3,4)で搬送されてくる鱗茎を受け取る収穫機構(263)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の作物収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−43967(P2007−43967A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−232462(P2005−232462)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】