説明

使い捨ておむつの製造方法

【課題】繊維シートどうしが熱融着されて形成される使い捨ておむつであっても、熱融着された繊維シートの肌触りが良好となる使い捨ておむつの製造方法を提供する。
【解決手段】第1繊維シートと第2繊維シートとを、第1ブロックと第2ブロックとで挟んで、直接または間接的に熱融着する工程を有する使い捨ておむつの製造方法であって、第1ブロックは第1繊維シートと接する第1接触面を有し、第2ブロックは第2繊維シートと接する第2接触面を有し、第1接触面と第2接触面の少なくとも一方は、金属から構成された高熱伝導部と、金属より熱伝導率の低いセラミックで構成された低熱伝導部とを有する使い捨ておむつの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維シートが熱融着されることにより形成される使い捨ておむつの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨ておむつの製造方法において、繊維シートどうしを熱融着により接合して、おむつを製造する方法が知られている。例えば、パンツ型使い捨ておむつにおいては、前側部の側端部と後側部の側端部とが熱融着されてサイドシールが形成されることが多く、特許文献1には、前側部のサイドシールの熱融着パターンと後側部のサイドシールの熱融着パターンとが異なるように、使い捨ておむつのサイドシールを形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−220782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繊維シートを熱融着する場合、繊維シートの加熱によって繊維シートを構成する繊維が熱硬化する。このとき、熱融着された部分だけでなく、当該部分と隣接する部分も熱硬化しやすくなり、その結果、熱融着された繊維シートの肌触りが低下するおそれがある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、繊維シートどうしが熱融着されても肌触りが良好となる使い捨ておむつの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の使い捨ておむつの製造方法とは、第1繊維シートと第2繊維シートとを、第1ブロックと第2ブロックとで挟んで、直接または間接的に熱融着する工程を有する使い捨ておむつの製造方法であって、第1ブロックは第1繊維シートと接する第1接触面を有し、第2ブロックは第2繊維シートと接する第2接触面を有し、第1接触面と第2接触面の少なくとも一方は、金属から構成された高熱伝導部と、金属より熱伝導率の低いセラミックで構成された低熱伝導部とを有するところに特徴を有する。本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、第1ブロックの第1接触面と第2ブロックの第2接触面の少なくとも一方に高熱伝導部と低熱伝導部とが設けられることにより、第1繊維シートと第2繊維シートは、高熱伝導部が当てられる部分で熱融着されるのに対し、低熱伝導部が当てられる部分では熱硬化しにくくなる。従って、熱融着された第1繊維シートと第2繊維シートは、熱硬化する部分が少なくなり、全体として肌触りが良好となる。
【0007】
高熱伝導部は低熱伝導部より突出して形成されていることが好ましい。高熱伝導部が低熱伝導部より突出して設けられていれば、第1繊維シートまたは第2繊維シートが低熱伝導部と当たっても第1繊維シートまたは第2繊維シートが熱硬化しにくくなる。
【0008】
低熱伝導部は、金属表面にセラミックが溶射されることにより形成されていることが好ましい。このように低熱伝導部が形成されていれば、セラミックが金属表面に堅固に接合し、セラミックが金属表面から剥がれにくくなる。低熱伝導部を構成するセラミックは、汎用性や耐久性を考慮すると、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、およびそれらの複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0009】
熱融着する工程は、使い捨ておむつの前側部の側端部と後側部の側端部とが重ね合わされて熱融着され、サイドシールが形成されるものであることが好ましい。本発明の製造方法の熱融着工程をサイドシールの形成に適用することにより、使い捨ておむつはサイドシールの肌触りが良好になるとともに、サイドシールを破ることが容易になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の使い捨ておむつの製造方法によれば、熱融着された繊維シートは、低熱伝導部が当てられた部分では熱硬化しにくくなり、肌触りが良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】高熱伝導部と低熱伝導部を有する第1ブロックの斜視図を表す。
【図2】図1に示した第1ブロックの断面図を表す。
【図3】高熱伝導部の配置パターンの例を表す。
【図4】パンツ型使い捨ておむつの斜視図を表す。
【図5】図4のパンツ型使い捨ておむつの前側部と後側部との接合を解いて、平面に展開した状態を表す。
【図6】図5におけるA−A断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、構成部材として繊維シートを有する使い捨ておむつの製造方法に関するものである。使い捨ておむつとしては、左右に一対の止着部材が備えられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成するオープン型使い捨ておむつや、ウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつが挙げられる。
【0013】
繊維シートは繊維から構成されるものであれば特に限定されず、不織布、織布、編布等が挙げられる。また、繊維シートには、プラスチックフィルムが積層されていてもよい。なお、本発明の製造方法では繊維シートが熱融着されることから、繊維シートの構成繊維には、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の熱融着性繊維が含まれる。繊維シートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法やそれらの製法の組み合わせ等により製造されるものが好ましい。また、スパンボンド法とメルトブロー法を組み合わせたSMS法により製造された不織布を用いてもよい。
【0014】
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、繊維シートを熱融着する工程を有する。詳細には、第1繊維シートと第2繊維シートとを、第1ブロックと第2ブロックとで挟んで熱融着する工程を有する。第1ブロックと第2ブロックは少なくとも一方が加熱され、重ね合わされた第1繊維シートと第2繊維シートとが第1ブロックと第2ブロックで挟まれることにより、第1繊維シートと第2繊維シートとが熱融着され、互いに接合される。
【0015】
第1繊維シートと第2繊維シートは直接接合されてもよく、第1繊維シートと第2繊維シートの間に他のシート部材が挟まれて、第1繊維シートと第2繊維シートとが間接的に接合されてもよい。また、第1繊維シートは第2繊維シートとは異なる部材であってもよく、同じ部材であってもよい。後者の場合、1つの繊維シートの一部を第1繊維シートとし他部を第2繊維シートとすればよく、例えば、繊維シートが折り目で折り返され、折り目の一方側を第1繊維シートとし、他方側を第2繊維シートとすればよい。
【0016】
第1ブロックと第2ブロックは、第1繊維シートと第2繊維シートとを挟んで熱融着するための部材である。第1ブロックと第2ブロックは、例えば次のように設けられる。すなわち、第1ブロックと第2ブロックは互いに対向して設けられ、第1繊維シートと第2繊維シートを間に配した状態で第1ブロックと第2ブロックが互いに近接するように移動して、第1繊維シートと第2繊維シートを第1ブロックと第2ブロックとで挟むことより、第1繊維シートと第2繊維シートとを熱融着するものであってもよい。また、第1ブロックと第2ブロックはそれぞれ第1ロールの表面と第2ロールの表面に設けられ、第1繊維シートと第2繊維シートを第1ロールと第2ロールとで挟んで第1ロールと第2ロールの回転により送り出しながら、第1繊維シートと第2繊維シートを第1ブロックと第2ブロックとで挟むことより、第1繊維シートと第2繊維シートとを熱融着するものであってもよい。
【0017】
第1ブロックは第1繊維シートと接する第1接触面を有し、第2ブロックは第2繊維シートと接する第2接触面を有する。なお、第1接触面と第2接触面は、第1ブロックと第2ブロックとで第1繊維シートと第2繊維シートを挟んだときに、第1繊維シートまたは第2繊維シートと接するものであればよい。
【0018】
ところで、使い捨ておむつでは、繊維シートどうしが部分的に熱融着される場合がある。代表的には、パンツ型使い捨ておむつにおいて、前側部の側端部と後側部の側端部とが断続的な形状で熱融着され、サイドシールが形成される。パンツ型使い捨ておむつにこのようにサイドシールが形成されていれば、おむつをサイドシールで裂くことが容易になり、例えば、他人がおむつの着用者からおむつを脱がすことが容易になる。
【0019】
一方、繊維シートを熱融着すると、繊維シートを構成する繊維が熱硬化し、熱融着された部分(熱融着部分)の肌触りが低下しやすくなる。繊維シートどうしを部分的に熱融着する場合においては、熱融着部分が硬化するのはもちろんのこと、熱融着部分と隣接する部分も加熱されて硬化しやすくなる。この点で、繊維シートどうしを熱融着する場合は、熱融着部分と隣接する部分はできるだけ加熱せずに硬化しないようにすることが、熱融着された繊維シートの肌触りを向上させる点から好ましい。
【0020】
そこで本発明の使い捨ておむつの製造方法では、第1ブロックの第1接触面と第2ブロックの第2接触面の少なくとも一方に、金属から構成された高熱伝導部と、前記金属より熱伝導率の低いセラミックで構成された低熱伝導部とを設けている。このように第1接触面と第2接触面の少なくとも一方に高熱伝導部と低熱伝導部とを設けることにより、第1繊維シートと第2繊維シートは、高熱伝導部が当てられる部分で熱融着され、低熱伝導部が当てられる部分では熱硬化しにくくなる。従って、熱融着された第1繊維シートと第2繊維シートの肌触りが良好となる。
【0021】
高熱伝導部と低熱伝導部を有する第1ブロックの一例について、図面を参照して説明する。図1には、高熱伝導部と低熱伝導部を有する第1ブロックの斜視図を示し、図2には、図1に示した第1ブロックの断面図を示す。なお、図2は、第1ブロックの高熱伝導部と低熱伝導部を横切る切断面を表している。
【0022】
第1ブロック1は第1繊維シートと接触する第1接触面2を有し、第1接触面2は、高熱伝導部3と低熱伝導部4とを有している。図1では、第1ブロック1は、第1接触面2で、長方形状の高熱伝導部3が間隔を空けて複数並んで設けられている。すなわち、高熱伝導部3が断続的に設けられている。第1接触面2の高熱伝導部3以外の部分が低熱伝導部4となっている。
【0023】
高熱伝導部3を構成する金属は、第1接触面2から第1ブロック1の内部に延在し(図図2では、高熱伝導部3を構成する金属が第1ブロック1の第1接触面2から上部まで延在している)、第1接触面2以外で金属に加熱手段が接して設けられていることが好ましい。このように加熱手段が設けられていれば、加熱手段から高熱伝導部3を構成する金属に熱が直接伝えられ、高熱伝導部3が低熱伝導部4より優先して加熱されやすくなる。
【0024】
図2に示すように、高熱伝導部3は低熱伝導部4より突出して形成されていることが好ましい。高熱伝導部3が低熱伝導部4より突出して設けられていれば、第1繊維シートが低熱伝導部4と当たっても第1繊維シートが熱硬化しにくくなる。
【0025】
図3には、高熱伝導部の配置パターンの例を示した。図3(a)は、図1に示した第1ブロック1の第1接触面2の平面図を表し、横長の高熱伝導部3が縦方向に並んで配されている。図3(b),(c)では、高熱伝導部3は、2つの高熱伝導部3が横方向に略V字状に配され、これが縦方向に並んで配されている。図3(d)では、高熱伝導部3は、3つの高熱伝導部3が横方向にジグザグ状に配され、これが縦方向に並んで配されている。高熱伝導部の配置パターンはこれら図面に示した態様に限定されないが、後述するように本発明の製造方法の熱融着工程をサイドシールの形成に適用する場合は、図3(b)〜(d)に示すように、高熱伝導部が横方向に複数、略V字状またはジグザグ状になるように配され、これが縦方向に並んで配されていることが好ましい。
【0026】
上記では第1ブロックに高熱伝導部と低熱伝導部が設けられる場合について説明したが、第2ブロックに高熱伝導部と低熱伝導部が設けられる場合も上記と同様である。
【0027】
高熱伝導部を構成する金属は、一般の熱融着に用いられる金属を採用すればよく、鉄、銅、アルミニウム、またはそれらの合金(例えば、ステンレス鋼)等を用いればよい。
【0028】
低熱伝導部はセラミックから構成されるが、低熱伝導部をセラミックから構成することにより、低熱伝導部の耐熱性が高められる。低熱伝導部を構成するセラミックは、高熱伝導部を構成する金属より熱伝導率が低いものであればよいが、汎用性や耐久性を考慮すると酸化物系セラミックを用いることが好ましく、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、およびそれらの複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックを用いることがより好ましい。
【0029】
低熱伝導部は、図2に示すように、高熱伝導部を構成する金属表面にセラミック層を設けることにより形成されていることが好ましい。例えば、低熱伝導部は、セラミックを溶媒に分散させた分散液を金属表面に塗布したり、セラミックを金属表面に溶射することにより形成されればよい。このように低熱伝導部が形成されていれば、高熱伝導部を構成する金属に、加熱手段を、第1接触面または第2接触面以外で接するように設けることが簡便にできるようになる。より好ましくは、低熱伝導部は、金属表面にセラミックを溶射することにより形成される。このように低熱伝導部が形成されていれば、セラミックが金属表面に堅固に接合し、セラミックが金属表面から剥がれにくくなる。
【0030】
第1ブロックまたは第2ブロックの高熱伝導部と低熱伝導部は、具体的には例えば、(1)セラミックを溶媒に分散させた分散液を、金属の表面に部分的に塗布する方法、(2)凹凸が形成された金属の表面に、セラミックを溶媒に分散させた分散液を塗布し、金属の凸部分に塗布されたセラミックを研磨等により除去する方法、(3)凹凸が形成された金属の表面にセラミックを溶射し、金属の凸部分に溶射されたセラミックを研磨等により除去する方法、等により形成すればよい。なかでも、前記(3)の方法により高熱伝導部と低熱伝導部を形成することが好ましい。
【0031】
高熱伝導部と低熱伝導部は、第1ブロックの第1接触面と第2ブロックの第2接触面の両方に設けられてもよく、どちらか一方のみに設けられてもよい。例えば、第1ブロックの第1接触面のみに高熱伝導部と低熱伝導部が設けられる場合、第2ブロックは金属で構成され、第2接触面が平面状に形成されればよい。第1ブロックの第1接触面と第2ブロックの第2接触面の両方に高熱伝導部と低熱伝導部が設けられる場合、第1接触面の高熱伝導部と低熱伝導部は、第2接触面の高熱伝導部と低熱伝導部と同じパターンで形成されてもよく、異なるパターンで形成されてもよい。
【0032】
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、使い捨ておむつを構成する繊維シートどうしを熱融着するものであれば、熱融着する部分は特に限定されない。図4〜図6にはパンツ型使い捨ておむつの一例を示すが、これらの図を用いて、本発明の製造方法の熱融着工程が適用可能な部分を例示する。
【0033】
図4はパンツ型使い捨ておむつの斜視図を表し、図5は、図4の使い捨てパンツ型おむつの前側部と後側部との接合を解いて、平面に展開した状態を表し、図6は、図5のA−A断面図を表す。なお図において、矢印xはおむつの幅方向、矢印yはおむつの前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向がおむつの厚み方向zを表す。前後方向とは、使い捨ておむつを着用の際、着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当し、幅方向とは、着用者の左右方向に延びる方向に相当する。
【0034】
使い捨ておむつ11は、前側部Pと、後側部Qと、これらの間に位置し吸収体12が備えられた股部Rとから構成される。詳細には、使い捨ておむつ11は、前側部Pと後側部Qと股部Rとからなる外装パンツ部材21と、外装パンツ部材21の股部Rに配された吸収体12とを有する。
【0035】
外装パンツ部材21は、前側部Pの両側端部と後側部Qの両側端部とが接合されてサイドシール24が形成されている。その結果、外装パンツ部材21は、ウェスト開口部25と一対の脚開口部26とが形成される。なお、外装パンツ部材21は、内側シート22と外側シート23とからなる積層体である。
【0036】
外装パンツ部材21には、ウェスト用弾性部材27がウェスト開口部25の縁25Eに沿って設けられ、胴周り用弾性部材28が前側部Pと後側部Qの幅方向xに設けられ、脚用弾性部材29が脚開口部26の縁26Eに沿って設けられている。いずれの弾性部材も、内側シート22と外側シート23との間に伸張状態で接合されている。
【0037】
吸収体12は、図6に示すように、トップシート13とバックシート14との間に吸収性コア15が配されて形成される。トップシート13は、着用者の股部の肌に面するように配置され、尿等の排泄物を透過する。トップシート13を透過した排泄物は、吸収性コア15により収容される。バックシート14は、外装パンツ部材21の内側シート22に接合され、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
【0038】
吸収体12には、幅方向xの両側に立ち上がりフラップ16が設けられている。立ち上がりフラップ16は、トップシート13とバックシート14とに跨って接合され、前後方向yに延在している。立ち上がりフラップ16の幅方向xの内方端部には、起立用弾性部材17が配設されている。立ち上がりフラップ16は、起立用弾性部材17の収縮力により、トップシート13の上方(着用者側)に立ち上がる立体ギャザーを形成し、尿等の横漏れを防止する。なお、立ち上がりフラップ16は、前後端部で内面がトップシート13上に接合されており、これにより尿等の前後方向yの外方への漏れが防止される。
【0039】
図4〜図6に示した使い捨ておむつにおいて、本発明の製造方法の熱融着工程は、サイドシール24の形成や、内側シート22と外側シート23の接合、トップシート13とバックシート14の接合、立ち上がりフラップ16とトップシート13および/またはバックシート14との接合(特に立ち上がりフラップ16の前後端部でのトップシート13への接合)等に適用できる。
【0040】
本発明の製造方法の熱融着工程は、特に好ましくは、一般に断続的に熱融着されるサイドシール24の形成に適用される。この場合、サイドシール24は、使い捨ておむつ11(外装パンツ部材21)の前側部Pの側端部と後側部Qの側端部とが重ね合わされて熱融着されることにより形成される。なお、図4〜図6に示した使い捨ておむつ11では、外装パンツ部材21は内側シート22と外側シート23が積層されて形成されているため、外側シート23の前側部Pが第1繊維シートに相当し、外側シート23の後側部Qが第2繊維シートに相当する。本発明の製造方法の熱融着工程をサイドシール24の形成に適用することにより、使い捨ておむつ11はサイドシール24の肌触りが良好になるとともに、サイドシール24を破ることが容易になる。
【符号の説明】
【0041】
1: 第1ブロック
2: 第1接触面
3: 高熱伝導部
4: 低熱伝導部
11: 使い捨ておむつ
12: 吸収体
13: トップシート
14: バックシート
15: 吸収性コア
16: 立ち上がりフラップ
21: 外装パンツ部材
22: 内側シート
23: 外側シート
24: サイドシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1繊維シートと第2繊維シートとを、第1ブロックと第2ブロックとで挟んで、直接または間接的に熱融着する工程を有する使い捨ておむつの製造方法であって、
前記第1ブロックは前記第1繊維シートと接する第1接触面を有し、前記第2ブロックは前記第2繊維シートと接する第2接触面を有し、
前記第1接触面と前記第2接触面の少なくとも一方は、金属から構成された高熱伝導部と、前記金属より熱伝導率の低いセラミックで構成された低熱伝導部とを有することを特徴とする使い捨ておむつの製造方法。
【請求項2】
前記高熱伝導部は前記低熱伝導部より突出して形成されている請求項1に記載の使い捨ておむつの製造方法。
【請求項3】
前記低熱伝導部は、金属表面にセラミックが溶射されることにより形成されている請求項1または2に記載の使い捨ておむつの製造方法。
【請求項4】
前記低熱伝導部は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、およびそれらの複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックから構成される請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
【請求項5】
前記熱融着する工程は、使い捨ておむつの前側部の側端部と後側部の側端部とが重ね合わされて熱融着され、サイドシールが形成されるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつの製造方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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