説明

使い捨ておむつ

【課題】排尿インジケータの変色を外部から明確に視認でき、取り替え時期の判断を適切に行うことができる使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】尿との接触によって色が変化する排尿インジケータ20を、吸収体16と裏面シート12との間に有する使い捨ておむつ10である。裏面シート12の外面には外層不織布13が積層されている。外層不織布13のうち、排尿インジケータ20と重なる部位を圧密化して、他の部位よりも透明性を高くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排尿を知らせるインジケータを備えた使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排尿等によって濡れた場合に取り替え時期を知らせるインジケータ機能を有する使い捨ておむつが種々提案されている。例えば、吸収体における着用者当接面と反対側の面に、尿が到達すると変色するpH指示薬を施して排尿インジケータとすることや(例えば特許文献1参照)、尿と接触すると色の変わるホットメルト接着剤、色が流れるインク、模様が浮かび上がる印刷等の排尿インジケータを取り付けることが知られている。
【0003】
また、排尿インジケータが、親水性基材シートと、その片面に形成され、尿に濡れると色が鮮やかになる第1塗料層と、もう一方の片面又は第1塗料層の上面に形成されて、第1塗料層を隠蔽し、尿に濡れると透明になる第2塗料層とで構成された使い捨ておむつも知られている。排尿インジケータにおける第2塗料層は、裏面シートの内面に間欠的に接合している(特許文献2参照)。
【0004】
排尿インジケータが、濡れて顕在化する印刷インク層と、該インク層と裏面シートとの間に位置してインク層を被覆するインク被覆層とを有し、該インク被覆層が界面活性剤を含有している使い捨ておむつも提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
更に、排尿インジケータが、疎水性繊維不織布に界面活性剤を塗布して親水処理を施した透液性中間シートと、裏面シートの外側から視認可能な所与形状を画く水溶性着色剤とから形成され、該中間シートが、裏面シートと吸収体との間に介在し、着色剤が、中間シートの裏面シートに対する対向面に塗布されている使い捨ておむつも提案されている(特許文献4参照)。
【0006】
また更に、特許文献5には、裏面シートの少なくとも股下域の幅方向中央部に、コアの湿潤状態を観察可能な透明域と、該透明域の周囲に位置しており該コアの透視が実質的に不可能な不透明域とを有している使い捨ておむつが記載されている。裏面シートは、コアを透視できない程度に実質的に不透明な第1プラスチックシートと、コアを容易に透視できる程度に実質的に透明な第2プラスチックシートとで形成されている。第1プラスチックシートは、少なくとも股下域における幅方向中央部の前側であって、着用者の排泄器官が位置する部位の近傍に、該第1プラスチックが部分的に切り取られている切除部を有する。この切除部は、透明なラスチックシートで塞がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−337384号公報
【特許文献2】特開平9−140742号公報
【特許文献3】特開平9−299401号公報
【特許文献4】特開2003−70837号公報
【特許文献5】特開平11−169403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、これまで使い捨ておむつの外面をなす部材としては、液不透過性の合成樹脂製フィルムを用いることが一般的であった。しかし、合成樹脂製フィルムは布様の風合いを有するものではないことから、おむつの肌触りが十分とは言えなかった。そこで、該フィルムの外面に1枚又は2枚以上の外層不織布を積層して、肌触りを高めたおむつが提案されている。しかし、そのようなおむつに、上述の排尿インジケータを設けた場合、該インジケータは、合成樹脂製のフィルム及び外層不織布越しに外部から視認されることになるので、該インジケータの変色の程度を明確に認識しがたい場合がある。特に、おむつの肌触りを一層向上させる目的で、外層不織布を毛羽立たせたり、外層不織布として嵩高のものを用いたりした場合には、排尿インジケータの視認性の低下が一層顕著なものとなる。
【0009】
特に特許文献5に記載の技術では、第1プラスチックシートを切除して、その切除部分に透明な第2プラスチックシートを貼り付けているので、第1プラスチックシートが透湿性のものである場合、切除した面積の分だけ透湿性が低下してしまう。特におむつの股下部は着装内の湿度が高くなりやすい部位であるところ、該股下部を切除して透明域を貼り付けることは、透湿性の低下に大きな影響を及ぼす。また、透明なフィルムは一般に、いわゆる「シャリ感」を呈するので、そのような透明フィルムを裏面シートに貼り付けることで、おむつの風合いが低下してしまうという不都合もある。
【0010】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、尿との接触によって色が変化する排尿インジケータを、吸収体と裏面シートとの間に有し、
該裏面シートの外面に外層不織布が積層され、
該外層不織布のうち、該排尿インジケータと重なる部位を圧密化して、他の部位よりも透明性を高くした使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の使い捨ておむつは、排尿インジケータの変色を外部から明確に視認できるものである。したがって本発明の使い捨ておむつは、その取り替え時期の判断を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の使い捨ておむつの一実施形態を裏面シート側からみた一部破断平面図である。
【図2】図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図3(a)は、外層不織布に形成する圧密化部位の別の形態を示す平面図であり、図3(b)及び(c)は、図3(a)に示す圧密化部位を有する使い捨ておむつに尿が排泄されたときの排尿インジケータの変化の状態を示す説明図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、外層不織布に形成する圧密化部位の別の形態を示す平面図である。
【図5】図5は、は、外層不織布に形成する圧密化部位の更に別の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2に示す使い捨ておむつ10は、いわゆる展開型又はテープ止め型のおむつとして知られているものである。なお図2においては、裏面シート12の側が上側に描かれている点に留意すべきである。おむつ10は、着用者の排泄部に対向する股下部Cと、該股下部から前方(着用者の腹側)に延びる前方部Aと、該股下部から後方(着用者の背側)に延びる後方部Bとを有する実質的に縦長の形状をしている。
【0015】
おむつ10は、その使用時に着用者の肌に近い側に位置する表面シート11と、着用者の肌から遠い側に位置する裏面シート12とを具備している。表面シート11は液透過性のものであり、例えばエアスルー不織布及びスパンボンド不織布等の各種の不織布や穿孔フィルムから構成されている。液透過性を良好にする目的で、これらには親水化処理が施されていてもよい。裏面シート12は、撥水性のものであり、例えば各種の合成樹脂製のフィルムが用いられる。該フィルムは、水蒸気透過性を有していてもよい。そのようなフィルムとしては、例えば該合成樹脂と相溶性のない微粒子、例えば炭酸カルシウム等の無機化合物の微粒子を含む微多孔性フィルムを用いることができる。
【0016】
裏面シート12の外面には、外層不織布13が積層されている。外層不織布13は、裏面シート12の全域を覆うように積層されてもよく、あるいは裏面シート12の一部分にのみ積層されてもよい。後者の場合、外層不織布13は少なくとも、後述する排尿インジケータ20が配置される部位と重なる位置に配される。外層不織布13と裏面シート12とは、例えばホットメルト粘着剤等の接合手段によって、それらの対向域の全域において連続して又は間欠的に接合されている。なお、図1及び図2に示す実施形態では、外層不織布13は、裏面シート12の外面に1枚積層されているが、外層不織布13の積層枚数はこれに限られず、同一の又は異なる2枚又は3枚以上の不織布を積層してもよい。同一の又は異なる2枚の外層不織布を用いる場合には、それらの間に弾性部材を伸長状態で配置固定して、例えばレッグギャザーやウエストギャザーを形成することができる。
【0017】
表面シート11と裏面シート12との間には、液保持性の吸収コア14が配置されている。吸収コア14は、一般にフラッフパルプの積繊体から構成されている。この積繊体中には、高吸収性ポリマーが、均一混合されているか、又は高吸収性ポリマーが1層又は2層以上の層をなして含まれている。更に、吸収コア14中には抗菌剤や消臭剤が添加されていてもよい。吸収コア14は、液透過性のシート15、例えばティッシュペーパーや不織布等に包被されて吸収体16を構成している。この液透過性のシート15は、その坪量が例えば10〜30g/m2、特に10〜20g/m2のものである。この液透過性のシート15には抗菌剤や消臭剤が含まれていてもよい。
【0018】
表面シート11における肌当接面側の長手方向に沿う左右の側部には、おむつ10の長手方向に延びる一対の防漏カフ(図示せず)が設けられていてもよい。防漏カフは、縦長の撥水性シートを、表面シート11における肌当接面側の長手方向に沿う左右の側部に配し、該撥水シートの外側縁部を、表面シート11及び/又は該表面シート11の側縁から外方に延出した裏面シート12と接合して固定縁部を形成するとともに、該撥水シートの内側縁部を自由縁部となしたものである。固定縁部には、吸収性物品10の長手方向に延びる弾性部材17が配置されている。弾性部材17は、撥水シートと裏面シート12との間に伸長状態で固定されている。一方、防漏カフの自由縁部には、吸収性物品10の長手方向に延びる弾性部材18が配置されている。弾性部材18は、防漏カフの自由縁部における撥水シートをスリーブ状に折り返し、そのスリーブ中に伸長状態で固定されている。防漏カフは、吸収性物品10の着用時に表面シート11から離間して起立して、液の横漏れ防止のための防漏壁として機能する。防漏カフを構成する撥水シートとしては、例えばスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(SMS)不織布、スパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンド(SMMS)不織布、及びスパンボンド不織布などの撥水性不織布を用いることができる。
【0019】
おむつ10の後方部Bにおける左右の側縁にはファスニングテープ19が取り付けられている。このファスニングテープ19としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。
【0020】
裏面シート12と吸収体16との間には、排尿インジケータ20が配置されている。排尿インジケータ20は、尿との接触によって視覚的に変化することで、吸収体16に尿が吸収されたことを視覚的に知らせるものである。「視覚的に変化する」とは、尿との接触の前後で色が変化する場合、尿との接触で色が消失する場合、及び尿との接触で色が現れる場合、並びにそれらの組み合わせを含む概念である。本実施形態においては、裏面シート12側に配されている液透過性のシート15の表面上に排尿インジケータ20を設け、該排尿インジケータ20が裏面シート12に臨むようになっている。排尿インジケータ20の視覚的な変化は、裏面シート12及び外層不織布13越しに、おむつ10の外部から視認されるようになっている。
【0021】
図1に示すように、排尿インジケータ20は、おむつ10の幅方向の中央域において、おむつ10の長手方向に筋状に延びている。排尿インジケータ20は、一定の幅を有する細長い線状の形状をしており、1本配されている。おむつ10の長手方向に関し、排尿インジケータ20は、少なくとも股下部Cの全域にわたって存在している。排尿インジケータ20の前端及び後端は、それぞれおむつ10の前方部A及び後方部Bにおいて終端していることが好ましい。
【0022】
排尿インジケータ20としては、当該技術分野において知られているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。排尿インジケータ20としては、例えば尿と接触して変色する各種の色剤を含む接着剤やインク等を用いることができる。排尿インジケータ20としての接着剤やインク等に含有させる色剤としては、(1)尿に溶解又は分散して、拡散したり他の場所に移動したりする結果として変色するもの、(2)尿との接触によって、それ自体が化学反応等を生じて変色するもの、(3)尿中の成分と接触により、それ自体が化学反応等を生じて変色するもの等を用いることができる。
【0023】
前記の(1)のタイプの色剤としては、水溶性インクに配合された顔料の他、水溶性接着剤に配合された顔料等を挙げることができる。水溶性インクは、印刷により液透過性のシート材15に固定することができる。水溶性接着剤は、スプレーによる噴霧やコーターによる塗工によって、液透過性のシート材15に固定することができる。印刷による場合の印刷方法としては、例えば、フレキソ印刷方式、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等が挙げられる。
【0024】
(2)のタイプの色剤としては、pH指示薬と酸化化合物の混合物、塩化コバルト等が挙げられる。これらは、例えばホットメルト接着剤等に配合し、それを液透過性のシート材15に塗工することができる。pH指示薬としては、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、レザズリン等、pHが3〜7で変色するものが好ましい。
【0025】
(3)のタイプの色剤としては、尿から発生するアンモニアに反応するフェノールフタレイン等のアルカリ指示薬、尿中に含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)と反応する酸化還元指示薬等が挙げられる。これらは、例えばホットメルト接着剤等に配合し、それを液透過性のシート材15に塗工することができる。
【0026】
図1及び図2に示すように、おむつ10を平面視において、外層不織布13のうち、排尿インジケータ20と重なる部位は圧密化された圧密化部位13aになっている。この圧密化によって外層不織布13の圧密化部位13aは、非圧密化部位13bよりも薄肉になり透明性が高くなっている。その結果、尿との接触に起因する排尿インジケータ20の視覚的な変化を外部から明確に視認しやすくなる。また、圧密化部位13aは、非圧密化部位13bよりも平坦な状態になっていることから、裏面シート12との密着性が高くなっており、そのことに起因して圧密化部位13aは裏面シート12から浮き上がりにくくなっている。このことによっても、尿との接触に起因する排尿インジケータ20の視覚的な変化を外部から明確に視認しやすくなる。
【0027】
圧密化部位13aは、おむつ10の平面視において、排尿インジケータ20と完全に重なる位置に形成されている。また圧密化部位13aは、排尿インジケータ20の延びる方向に沿って連続的に形成されている。更に圧密化部位13aは、排尿インジケータ20の外縁から延出しており、該インジケータ20よりも一回り大きな形状をしている。
【0028】
圧密化部位13aは、外層不織布13を、熱を伴うか又は伴わずに圧密化することによって形成されている。圧密化部位13aの透明性を高める観点からは、外層不織布13に熱を伴う圧密化を行い、該不織布13をフィルム化して圧密化部位13aを形成することが好ましい。不織布13の圧密化は、例えば加熱されているか又は加熱されていない一対のロール間に外層不織布13を通し、該不織布13を両ロールによって挟圧することで行われる。圧密化の条件は、外層不織布13の構成繊維の材質、繊維の太さ、不織布13の坪量及び厚み等に応じて適切に選択すればよい。
【0029】
特に、外層不織布13の圧密化を、熱を伴って行い、そのときの加熱条件として、不織布13を構成する繊維の樹脂の融点よりも低い温度を採用することが、圧密化に起因する外層不織布13の透湿度の低下を極力抑制できる点から好ましい。具体的には、不織布13を構成する繊維の樹脂がポリプロプレンである場合、その融点は160℃であることから、この温度未満で加熱を行い外層不織布13の圧密化を行えばよい。不織布13を構成する繊維の樹脂がポリエチレンやポリエチレンテレフタレートである場合、その融点は120℃及び220℃であることから、この温度未満で加熱を行い外層不織布13の圧密化を行えばよい。いずれの樹脂を用いる場合であっても、加熱温度の下限値は70℃、特に100℃とすることが、圧密化に伴う外層不織布13の十分な透明化を達成する観点から好ましい。
【0030】
おむつ10の平面視において排尿インジケータ20の重なる部位で外層不織布13が圧密化されているのとは対照的に、裏面シート12は、おむつ10の平面視において排尿インジケータ20の重なる部位で圧密化されていない。それ以外の部位においても圧密化されていない。外層不織布13に加えて裏面シート12も圧密化して透明性を高くすれば、排尿インジケータ20の視認性は一層高くなるとの考え方もあるが、先に述べたとおり、裏面シート12は一般に透湿性を有する微多孔性フィルムからなる場合が多いので、裏面シート12を圧密化してしまうと、その部位における裏面シート12の透湿性が損なわれてしまう。その結果、裏面シート12全体としての透湿性が低下するおそれがある。したがって、おむつ10の平面視において排尿インジケータ20の重なる部位での圧密化は、外層不織布13のみを対象とし、裏面シート12は圧密化しないことが好ましい。
【0031】
図3(a)には、圧密化部13aの別の形態が示されている。同図に示す圧密化部13は、外層不織布13のうち、該排尿インジケータ20と重なる部位を、該排尿インジケータ20の延びる方向に沿って間欠的に圧密化して形成されたものである。その結果、外層不織布13には、圧密化部位13aと非圧密化部位13bとが、排尿インジケータ20上に交互に配置された状態になっている。このような構成を採用することで、排泄された尿の量を、視覚的に一層認識しやすくなる。すなわち、排尿の初期の段階においては、図3(b)に示すように、排尿インジケータ20のうち、股下部Cに位置する部位にのみ視覚的な変化が生じ、更に排尿が進行すると、図3(c)に示すように股下部Cから前方部A及び後方部Bに向けて視覚的な変化が生じる部位が拡大する。この場合、圧密化部位13aと非圧密化部位13bとを交互に配置することで、圧密化部位13a越しに視認される視覚的な変化の拡大が、あたかもデジタルレベルメータの変化のように見えるので、排泄された尿の量を、視覚的に一層認識しやすくなる。
【0032】
図3(a)に示す形態の圧密化部13aを形成した場合、排尿インジケータ20の視覚的な変化の部位の末端が、非圧密化部位13bに位置するときには、該末端がどこに位置するのか一見して判らない場合がある。そこで、図4(a)及び(b)に示すような形態で圧密化部位13aを形成することも有利である。図4(a)及び(b)に示す形態では、排尿インジケータ20の延びる方向と直交する方向に仮想的に引いた線Lが、排尿インジケータ20の長手方向のいずれの部位においても、圧密化部位13aと交わるように、外層不織布13を間欠的に圧密化している。こうすることによって、排尿の量の増加に伴って排尿インジケータ20の視覚的な変化の部位の末端が、おむつ10の前方部A及び後方部Bに向けて移動していっても、該末端の位置を容易に視認することが可能になる。
【0033】
図5には、圧密化部位13aの別の形態が示されている。同図に示す圧密化部位13aは、外層不織布13のうち、排尿インジケータ20と重なる部位を、排尿インジケータ20の延びる方向に沿って連続的に圧密化している。この連続的な圧密化に際して、圧密化部位13aによって取り囲まれる複数の非圧密化部位13bが、排尿インジケータ20の延びる方向に沿って所定の間隔をおいて残存するように、外層不織布13を圧密化している。このような形態を採用することによっても、先に述べた図3(a)並びに図4(a)及び(b)に示す形態の圧密化部と同様の有利な効果が奏される。
【0034】
以上、本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の範囲は前記の各実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態は、本発明の使い捨ておむつを、いわゆる展開型のおむつに基づいて説明したものであるが、本発明が適用されるおむつはこれに限られず、その他の形態のおむつ、例えばパンツ型の使い捨ておむつにも同様に適用することができる。
【0035】
また前記の実施形態においては、裏面シート12の外面に1枚の外層不織布13を積層したが、これに代えて2枚以上の外層不織布を積層してもよい。この場合には、少なくとも、裏面シート12の最も近くに位置する外層不織布に圧密化部位を形成することが必要であり、好ましくはすべての外層不織布に圧密化部位を形成する。
【0036】
また前記の実施形態においては、排尿インジケータ20を、おむつ10の幅方向中央域に、長手方向に延びるように1本配置したが、これに代えて2本以上の排尿インジケータ20を配置してもよい。
【0037】
また、排尿インジケータ20の形状は、図1に示すような一定の幅を有する細長い線状の形状に限られず、例えば漫画、映画、アニメーションなどに登場する人物や動物などをあしらったような各種のデザイン形状とすることもできる。
【符号の説明】
【0038】
10 使い捨ておむつ
11 表面シート
12 裏面シート
13 外層不織布
13a 圧密化部位
13b 非圧密化部位
14 吸収コア
15 液透過性のシート
16 吸収体
17 弾性部材
18 弾性部材
19 ファスニングテープ
20 排尿インジケータ
L 仮想線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿との接触によって色が変化する排尿インジケータを、吸収体と裏面シートとの間に有し、
該裏面シートの外面に外層不織布が積層され、
該外層不織布のうち、該排尿インジケータと重なる部位を圧密化して、他の部位よりも透明性を高くした使い捨ておむつ。
【請求項2】
裏面シートが、微多孔性フィルムからなる透湿性のものである請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
裏面シートのうち、排尿インジケータと重なる部位が圧密化されていない請求項2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
排尿インジケータがおむつの長手方向に延び、
外層不織布のうち、該排尿インジケータと重なる部位を、該排尿インジケータの延びる方向に沿って間欠的に圧密化した請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
排尿インジケータの延びる方向と直交する方向に仮想的に引いた線が、該排尿インジケータの長手方向のいずれの部位においても、圧密化した部位と交わるように、外層不織布を間欠的に圧密化した請求項4に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
排尿インジケータがおむつの長手方向に延び、
外層不織布のうち、該排尿インジケータと重なる部位を、該排尿インジケータの延びる方向に沿って連続的に圧密化するに際して、圧密化部位によって取り囲まれる複数の非圧密化部位が、該排尿インジケータの延びる方向に沿って所定の間隔をおいて残存するように、該外層不織布を圧密化した請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−100886(P2012−100886A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252255(P2010−252255)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】