使い捨ておむつ
【課題】排尿前後においてはっきりとした外観変化があり、幼児の興味を引き易い使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】上記課題は、液透過性を有する袋体40と、袋体40内に密封された高吸収性ポリマー41と、袋体40を包む隠蔽筒体50とを、液不透過性シート21の表面シート22側に設け、袋体40の外面のうち隠蔽筒体50により被覆隠蔽された部分に排尿表示部42を設け、排尿があり、袋体40内の高吸収性ポリマー41に尿が吸収されると、高吸収性ポリマー41の膨張に伴い袋体40が膨張し、その膨張に抗しきれずに隠蔽筒体50が裂開して、その裂開部分から排尿表示部42が露出し、この露出した排尿表示部42が外部から視認可能となるように構成することで解決される。
【解決手段】上記課題は、液透過性を有する袋体40と、袋体40内に密封された高吸収性ポリマー41と、袋体40を包む隠蔽筒体50とを、液不透過性シート21の表面シート22側に設け、袋体40の外面のうち隠蔽筒体50により被覆隠蔽された部分に排尿表示部42を設け、排尿があり、袋体40内の高吸収性ポリマー41に尿が吸収されると、高吸収性ポリマー41の膨張に伴い袋体40が膨張し、その膨張に抗しきれずに隠蔽筒体50が裂開して、その裂開部分から排尿表示部42が露出し、この露出した排尿表示部42が外部から視認可能となるように構成することで解決される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿等の排泄の有無を香気によって知らせる機能を備えた使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の幼児用のトイレトレーニング用使い捨ておむつには、排尿前には隠蔽(マスキング)されていた排尿表示部が、排尿により外面から視認可能なように浮き上がり、これを装着者である幼児に見せることにより、トイレに行かずにおむつに排尿してしまったことを印象付ける機能を有したものが知られている。
【0003】
このような隠蔽タイプの排尿表示は、排尿により透明度が向上する隠蔽手段を排尿表示部の外面側に有するものであり、隠蔽手段としては、尿で濡れると密着して透明度が上がる複数枚のシートや、尿により溶解する水溶性インク層が知られている。隠蔽タイプの排尿表示は、排尿表示部の色や形状、素材の制約が少なく、例えばキャラクター等のデザインを適宜のシートに印刷することにより形成することもできる。
【0004】
他方、トイレトレーニング用以外においても、現在汎用されている使い捨ておむつの多くは、尿等の排泄の有無を呈色によって外部から視認可能とする排尿表示部を備えている(特許文献1〜3参照)。この場合、排尿表示部の呈色(発色又は変色)や消色を外部から視認することにより、排泄の有無を知ることができ、おむつ交換の目安等に用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3533285号公報
【特許文献2】特開2008−54991号公報
【特許文献3】特開2008−99947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の隠蔽タイプの排尿表示は、排尿後に現れる排尿表示部が排尿前においてもある程度まで透けて見え易いものであり、排尿後に排尿表示部の視認性が高まったとしても意外性に欠け、幼児の興味を引きにくい。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、排尿前後においてよりはっきりとした外観変化があり、幼児の興味を引き易い使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備えた、使い捨ておむつにおいて、
液透過性を有する袋体と、前記袋体内に密封された高吸収性ポリマーと、前記袋体を包む隠蔽筒体と、袋体の外面のうち前記隠蔽筒体により被覆隠蔽された部分に設けられた排尿表示部とを、前記液不透過性シートの前記表面シート側に備えており、
排尿があり、前記袋体内の高吸収性ポリマーに尿が吸収されると、前記高吸収性ポリマーの膨張に伴い前記袋体が膨張し、その膨張に抗しきれずに前記隠蔽筒体が裂開して、その裂開部分から前記排尿表示部が露出し、この露出した排尿表示部が外部から視認可能となるように構成した、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0009】
(作用効果)
本発明では、排尿表示部は排尿前には隠蔽筒体により隠蔽されており、排尿後に隠蔽筒体が裂開することにより排尿表示部が露出するため、排尿前後において従来よりもはっきりとした外観変化を生み出すことができ、幼児の興味を引き易いものとなる。
【0010】
<請求項2記載の発明>
前記隠蔽筒体の外面に、前記排尿表示部とは異なる初期表示部が外部から視認可能なように設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0011】
(作用効果)
隠蔽筒体にこのような初期表示部を設けておくことにより、無から有への外観変化だけでなく、多種多様な外観変化を生み出すことができる。例えば、トイレトレーニング用途においては、初期表示部を笑顔のキャラクターとし、排尿時部を泣き顔のキャラクターとすると、おむつに排尿をした場合キャラクターを泣かせることになるため、トイレでの排尿を促すことができる。
【0012】
<請求項3記載の発明>
前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と重なる部分又はその近傍に、前記裂開のためのミシン目が設けられている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
【0013】
(作用効果)
これにより、高吸収性ポリマーの膨張力を利用した隠蔽筒体の裂開がより確実に、所望の位置でなされるようになる。
【0014】
<請求項4記載の発明>
前記隠蔽筒体が前記裂開の際に分断し、前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と対向していた部分が、前記袋体に対する相対位置の変化により、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面と対向するようになる、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【0015】
(作用効果)
これにより、排尿後に排尿表示部が現れたときには初期表示部が袋体の排尿表示部と反対側に隠れるため、初期表示部が残って排尿表示部と並んで視認されることがなくなり、外観上完全な表示変化が可能となる。
【0016】
<請求項5記載の発明>
前記袋体における少なくとも前記隠蔽筒体による隠蔽部分が、袋体の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部に前記排尿表示部が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0017】
(作用効果)
排尿表示部を袋体の折り込み部に設けることにより、隠蔽筒体の内側において排尿表示部が袋体の折り込みにより更に隠蔽されることになるため、隠蔽筒体の素材として高い隠蔽性のものを用いずとも、全体として高い隠蔽性を確保することができる。
【0018】
<請求項6記載の発明>
前記隠蔽筒体は、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面に接合されるとともに、この接合部分以外では前記袋体に接合されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0019】
(作用効果)
隠蔽筒体の全体が袋体に固定されていなくてもよいが、その場合、隠蔽筒体がずれて、排尿表示部が出現しないおそれがあるため、このように排尿表示部を有しない面に対してのみ接合しておくのが好ましい。
【0020】
<請求項7記載の発明>
前記袋体及び隠蔽筒体が前記表面シートと前記吸収体との間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記表面シート側の面に設けられているか、又は
前記袋体及び隠蔽筒体が前記吸収体と前記液不透過性シートとの間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記液不透過性シート側の面に設けられている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0021】
(作用効果)
このような構造により、殆ど多くの使い捨ておむつに対して本発明の袋体及び隠蔽筒体を適用することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のとおり、本発明によれば、排尿前後においてはっきりとした外観変化があり、幼児の興味を引き易い使い捨ておむつになる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【図2】使い捨ておむつの展開状態の裏側を示す平面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】図1のC−C断面図である。
【図6】使い捨ておむつの装着要領を示す斜視図である。
【図7】要部拡大断面図である。
【図8】袋体及び隠蔽筒体の平面図である。
【図9】袋体及び隠蔽筒体の断面図である。
【図10】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【図11】袋体及び隠蔽筒体の断面図である。
【図12】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7は、パッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、前後方向中央に対して前側に延在する腹側(前側)部分F1及び後側に延在する背側(後側)部分B1とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は150〜450mm程度、全幅W1は120〜200mm程度とすることができる。符号L2は吸収体の前後方向長さを、また符号W2は吸収体の幅をそれぞれ示している。
【0025】
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体23は図7に示すようにクレープ紙や不織布等からなる包装シート28により包むことができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また高吸収性ポリマーの目付けは100〜400g/m2程度とするのが好ましい。
【0026】
吸収体23の裏側には、液不透過性シート21が吸収体23の周縁より所定長さ食み出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
【0027】
液不透過性シート21の外面(裏面)は、外装シート25により覆われている。外装シート25としては各種の不織布を用いる。不織布を用いることによって、後述するように、フックテープ32の非使用時には、フックテープ32を外装シート25に固着させることができる。なお、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0028】
吸収体23の表側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体3の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0029】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、外装シート12および透液性トップシート1が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。
【0030】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、液不透過性シート21が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはギャザーシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これらを含め、素材の貼り合わせ部分は、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成でき、図面では斜線模様で示されている。
【0031】
これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SF以外の吸収体介在部分が、排泄物を保持する本体部BDを構成する。
【0032】
ギャザーシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0033】
ギャザーシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0034】
両ギャザーシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート32内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能な立体ギャザーとなる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
【0035】
図2〜図6に示すように、パッドタイプ使い捨ておむつ200の裏面には、粘着剤層からなるズレ止め部30が設けられている。このズレ止め部30としては、フック状突起を多数有するメカニカルファスナーのフックテープ(面ファスナーの雄材)を用いることも可能である。フック状突起の形状としてはキノコ状の他、フック状、レ字状、J字状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。なお、フックテープはホットメルト接着剤等により取り付けることができる。ズレ止め部30は、図示例のように、剥離シート31により剥離可能に被覆しておき、使用時に剥離シート31を剥離してズレ止め部30を露出させるのが望ましい。
【0036】
図示例では、ズレ止め部30を腹側部分F1及び背側部分B1の両者にわたり連続するように設けているが、腹側部分F1及び背側部分B1のそれぞれに別々に設けたり、いずれか一方のみに設けたりすることもでき、その数も、複数とするほか、単数とすることもできる。ズレ止め部30を複数設ける場合、腹側部分F1及び背側部分B1に各少なくとも一つは設けるのが好ましい。
【0037】
ズレ止め部30は、その全体が本体部BDの範囲内に収まるような寸法及び配置となっているのが好ましい。具体的には、ズレ止め部30の幅W3は吸収体23の幅W2の70〜80%程度、前後方向長さL3(前後方向に複数設ける場合は総長さ)は吸収体23の全長L2の30〜40%程度であるのが好ましい。
【0038】
(排尿表示部)
特徴的には、図4、図5、図8、図9、及び図11に示すように、表面シート22と吸収体23との間に、液透過性を有する袋体40と、袋体40内に密封された高吸収性ポリマー41と、袋体40の外周を包む隠蔽筒体50とを備えており、袋体40の表面シート22側の面のうち隠蔽筒体50により被覆された部分に排尿表示部42が設けられている。
【0039】
排尿表示部42は、キャラクター、文字等のデザインを印刷により袋体40の素材に直接付加する他、印刷を施したシートを袋体40の外面に貼り付けることにより間接的に付加しても良い。
【0040】
図8及び図9に示す例のように、袋体40における表面シート22側の部分のうち幅方向中間部が、前後方向に沿う折り目により袋体40の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部43に排尿表示部42が設けられていると、隠蔽筒体50の内側において排尿表示部42が袋体40の折り込みにより更に隠蔽されることになるため、隠蔽筒体50の素材として高い隠蔽性のものを用いずとも、全体として高い隠蔽性を確保することができる。図示例の折り込み形態は、断面がZ字状となる形態であるが、Ω状、逆さΩ状等にすることもでき、また折り込みを幅方向に複数設け、各折り込み部43に排尿表示部42を隠蔽しておいても良い。
【0041】
もちろん、図11に示すように袋体40を折り込むことなく、その表面に排尿表示部42を設ける形態も採用することができ、その場合、構造が簡素となり、製造も容易であるため好ましい。
【0042】
袋体40の寸法は適宜定めることができるが、その幅は吸収体23の幅W2の30〜60%程度であるのが好ましく、前後方向長さは吸収体23の前後方向長さL2の10〜30%程度であるのが好ましい。また、袋体40の位置は、股間部の範囲、特に物品の前端を0%とし後端を100%としたとき30〜70%の範囲に袋体40の少なくとも一部が含まれるように配置することが望ましい。さらに、袋体40及び隠蔽筒体50は図示例では股間部の前側に一つしか設けていないが、前後方向に間隔を空けて複数設けることもできる。
【0043】
袋体40及び隠蔽筒体50の素材としては、透液性を有していてかつ高吸収性ポリマー41粒子が密封される(抜け出ない)シートであれば良く、例えば不織布、微小な孔が開いたシート、ティッシュペーパー、特にクレープ紙等を用いることができる。不織布を使用する場合、親水性のもの(親水剤が付与されたもの含む)が好ましい。また、不織布の中でも、スパンボンド不織布層間にメルトブローン不織布層を有する積層不織布(例えばSMS不織布、SMMS不織布等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
【0044】
袋体40内に密封される高吸収性ポリマー41(SAP)は、吸収体23に用いるものと同様のものを用いることができ、粉粒状のものや、繊維状のもの等、特に限定されるものではないが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー41粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。また、高吸収性ポリマー41粒子の粒径は1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。また、高吸収性ポリマー41粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適である。
【0045】
袋体40内に密封される高吸収性ポリマー41(SAP)の量は適宜定めることができるが、袋体40の容積に対し、その内部に封入される高吸収性ポリマー41の吸収飽和時の見かけ容積が100〜500%となるようにするのが好ましい。袋体40がマチ等の厚み方向の伸縮構造を有しない場合、その内部に封入する高吸収性ポリマー41の量は、1000g/m2以上、特に1500〜2000g/m2程度とするのが好ましい。
【0046】
なお、袋体40内には、必要に応じて高吸収性ポリマー41粒子以外の吸収材、例えばパルプ繊維等の親水性短繊維を混合することもできる。
【0047】
他方、図示形態では、排尿表示部42と重なる部分(又はその近傍でも良い)の外面に、排尿表示部42とは異なる初期表示部51が設けられている。この初期表示部51は排尿前において表面シート22を通して外部から視認可能なように構成される。初期表示部51は、キャラクター、文字等のデザインを印刷により袋体40の素材に直接付加する他、印刷を施したシートを袋体40の外面に貼り付けることにより間接的に付加しても良い。なお、平面的に見て初期表示部51が排尿表示部42と重なる場合において、初期表示部51の濃淡を排尿表示部42より濃くすると、初期表示部51が排尿表示部42を隠蔽する効果が得られるため好ましい。さらに、平面的に見て初期表示部51が排尿表示部42と重なる場合において、排尿表示部42が初期表示部51の周縁部より内側にのみ設けられていると、同様に、初期表示部51が排尿表示部42を隠蔽する効果が得られるため好ましい。
【0048】
また、図示形態では、隠蔽筒体50における排尿表示部42と重なる部分(又はその近傍でも良い)に、前縁から後縁に達するミシン目52が設けられている。このミシン目52は隠蔽筒体50の周方向の繋がりを分断できる限り、前後方向に沿って設けるだけでなく、斜め方向に沿って設けても良い。
【0049】
このようなパッドタイプ使い捨ておむつにおいては、排尿前には図1、図9(a)、図11(a)に示すように、隠蔽筒体50に設けられた初期表示部51が外部から視認可能となっている。これに対して、排尿があると、図9(b)、図11(b)に示すように、袋体40内の高吸収性ポリマー41が尿を吸収して膨張するのに伴い袋体40が膨張し、その膨張に抗しきれずに隠蔽筒体50が裂開して、その裂開部分から排尿表示部42が露出し(特に図9に示す形態では折り込み部43が展開して排尿表示部42が外側に現出する)、この露出した排尿表示部42が図12に示すように外部から視認可能となる。
【0050】
したがって、排尿表示部42は排尿前には隠蔽筒体50により隠蔽されており、排尿後に隠蔽筒体50が裂開することにより排尿表示部42が露出するため、排尿前後において従来よりもはっきりとした外観変化を生み出すことができ、幼児の興味を引き易いものとなる。
【0051】
また、隠蔽筒体50に初期表示部51が設けられているため、無から有への外観変化だけでなく、多種多様な外観変化を生み出すことができる。特に図示形態では、トイレトレーニング用途を想定し、初期表示部51を笑顔のキャラクターの図柄とし、排尿時部を泣き顔のキャラクターの図柄としている。この場合、おむつに排尿をした場合キャラクターを泣かせることになるため、トイレでの排尿を促すことができる。
【0052】
さらに、図示形態では、裂開のためのミシン目52が設けられていることにより、高吸収性ポリマー41の膨張力を利用した隠蔽筒体50の裂開がより確実に、所望の位置でなされるようになる。
【0053】
なお、排尿があったときには、図9に示すように袋体40が大きく膨張し、隠蔽筒体50における排尿表示部42と対向していた部分が、袋体40に対する相対位置の変化により、袋体40における排尿表示部42を有しない面(裏面)と対向するようになると、排尿後に排尿表示部42が現れたときには初期表示部51が袋体40の排尿表示部42と反対側に隠れるため、初期表示部51が残って排尿表示部42と並んで視認されることがなくなり、外観上完全な表示変化が可能となるため好ましい。しかし、袋体40の膨張の程度及び隠蔽筒体50の初期表示部51の相対移動は、図11に示すように、排尿表示部42が露出する限り、初期表示部51が隠れずに表示されたままとなる程度であっても良い。
【0054】
<その他>
(a)高吸収性ポリマー41の膨張力により隠蔽筒体50が裂開して排尿表示部42が露出する程度に、隠蔽筒体50の素材が弱い場合(例えば坪量10〜15g/m2程度のクレープ紙)には、裂開用ミシン目52は省略することができる。
(b)袋体40及び隠蔽筒体50等の介在部位は、液不透過性シート21よりも表面シート22側であれば特に限定されないが、例えばおむつを装着した状態でおむつ外面に排尿表示を行うこともでき、その場合には、吸収体23と液不透過性シートとの間に介在させるとともに、排尿表示部42を袋体40における液不透過性シート側の面に設けるのが望ましい。この場合、袋体40内の高吸収性ポリマー41が吸収膨潤していわゆるゲルブロッキングにより厚み方向の液の透過性が低下しても、袋体40が吸収体23の下側に位置しているため、表面シート22側から吸収体23への液の透過性に影響を与えない利点もある。
(c)隠蔽筒体50は分断せずに一部(例えば縦方向中間部)残して筒体の裂け目から袋体40の排尿表示部42が膨出する形態としても良い。
(d)初期表示部51は省略することができ、その場合、排尿前においては表示のない部分に、排尿後に排尿表示部42が出現するようになる。
(e)隠蔽筒体50の全体が袋体40に固定されていなくてもよいが、その場合、隠蔽筒体50がずれて、排尿表示部42が出現しないおそれがあるため、隠蔽筒体50は、袋体40における排尿表示部42を有しない面にホットメルト接着剤等の接合手段60により接合し、この接合部分以外では袋体40に接合しないのが好ましい。
(f)袋体40及び隠蔽筒体50は、視認性の観点から外部に最も近い位置に設けるのが好ましい。例えば、図示例の場合は、表面シート21の直下に設けるのが好ましく、上記(b)の形態では液不透過性シートの直上に設けるのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつだけでなく、テープタイプやパンツタイプ等、各種の使い捨ておむつに利用できるものである。
【符号の説明】
【0056】
21…不透液性バックシート、22…透液性トップシート、23…吸収体、24…ギャザーシート、25…外装シート、30…ズレ止め部、31…剥離シート、40…袋体、41…高吸収性ポリマー、42排尿表示部、50…隠蔽筒体、51…初期表示部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿等の排泄の有無を香気によって知らせる機能を備えた使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の幼児用のトイレトレーニング用使い捨ておむつには、排尿前には隠蔽(マスキング)されていた排尿表示部が、排尿により外面から視認可能なように浮き上がり、これを装着者である幼児に見せることにより、トイレに行かずにおむつに排尿してしまったことを印象付ける機能を有したものが知られている。
【0003】
このような隠蔽タイプの排尿表示は、排尿により透明度が向上する隠蔽手段を排尿表示部の外面側に有するものであり、隠蔽手段としては、尿で濡れると密着して透明度が上がる複数枚のシートや、尿により溶解する水溶性インク層が知られている。隠蔽タイプの排尿表示は、排尿表示部の色や形状、素材の制約が少なく、例えばキャラクター等のデザインを適宜のシートに印刷することにより形成することもできる。
【0004】
他方、トイレトレーニング用以外においても、現在汎用されている使い捨ておむつの多くは、尿等の排泄の有無を呈色によって外部から視認可能とする排尿表示部を備えている(特許文献1〜3参照)。この場合、排尿表示部の呈色(発色又は変色)や消色を外部から視認することにより、排泄の有無を知ることができ、おむつ交換の目安等に用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3533285号公報
【特許文献2】特開2008−54991号公報
【特許文献3】特開2008−99947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の隠蔽タイプの排尿表示は、排尿後に現れる排尿表示部が排尿前においてもある程度まで透けて見え易いものであり、排尿後に排尿表示部の視認性が高まったとしても意外性に欠け、幼児の興味を引きにくい。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、排尿前後においてよりはっきりとした外観変化があり、幼児の興味を引き易い使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備えた、使い捨ておむつにおいて、
液透過性を有する袋体と、前記袋体内に密封された高吸収性ポリマーと、前記袋体を包む隠蔽筒体と、袋体の外面のうち前記隠蔽筒体により被覆隠蔽された部分に設けられた排尿表示部とを、前記液不透過性シートの前記表面シート側に備えており、
排尿があり、前記袋体内の高吸収性ポリマーに尿が吸収されると、前記高吸収性ポリマーの膨張に伴い前記袋体が膨張し、その膨張に抗しきれずに前記隠蔽筒体が裂開して、その裂開部分から前記排尿表示部が露出し、この露出した排尿表示部が外部から視認可能となるように構成した、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0009】
(作用効果)
本発明では、排尿表示部は排尿前には隠蔽筒体により隠蔽されており、排尿後に隠蔽筒体が裂開することにより排尿表示部が露出するため、排尿前後において従来よりもはっきりとした外観変化を生み出すことができ、幼児の興味を引き易いものとなる。
【0010】
<請求項2記載の発明>
前記隠蔽筒体の外面に、前記排尿表示部とは異なる初期表示部が外部から視認可能なように設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0011】
(作用効果)
隠蔽筒体にこのような初期表示部を設けておくことにより、無から有への外観変化だけでなく、多種多様な外観変化を生み出すことができる。例えば、トイレトレーニング用途においては、初期表示部を笑顔のキャラクターとし、排尿時部を泣き顔のキャラクターとすると、おむつに排尿をした場合キャラクターを泣かせることになるため、トイレでの排尿を促すことができる。
【0012】
<請求項3記載の発明>
前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と重なる部分又はその近傍に、前記裂開のためのミシン目が設けられている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
【0013】
(作用効果)
これにより、高吸収性ポリマーの膨張力を利用した隠蔽筒体の裂開がより確実に、所望の位置でなされるようになる。
【0014】
<請求項4記載の発明>
前記隠蔽筒体が前記裂開の際に分断し、前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と対向していた部分が、前記袋体に対する相対位置の変化により、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面と対向するようになる、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【0015】
(作用効果)
これにより、排尿後に排尿表示部が現れたときには初期表示部が袋体の排尿表示部と反対側に隠れるため、初期表示部が残って排尿表示部と並んで視認されることがなくなり、外観上完全な表示変化が可能となる。
【0016】
<請求項5記載の発明>
前記袋体における少なくとも前記隠蔽筒体による隠蔽部分が、袋体の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部に前記排尿表示部が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0017】
(作用効果)
排尿表示部を袋体の折り込み部に設けることにより、隠蔽筒体の内側において排尿表示部が袋体の折り込みにより更に隠蔽されることになるため、隠蔽筒体の素材として高い隠蔽性のものを用いずとも、全体として高い隠蔽性を確保することができる。
【0018】
<請求項6記載の発明>
前記隠蔽筒体は、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面に接合されるとともに、この接合部分以外では前記袋体に接合されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0019】
(作用効果)
隠蔽筒体の全体が袋体に固定されていなくてもよいが、その場合、隠蔽筒体がずれて、排尿表示部が出現しないおそれがあるため、このように排尿表示部を有しない面に対してのみ接合しておくのが好ましい。
【0020】
<請求項7記載の発明>
前記袋体及び隠蔽筒体が前記表面シートと前記吸収体との間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記表面シート側の面に設けられているか、又は
前記袋体及び隠蔽筒体が前記吸収体と前記液不透過性シートとの間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記液不透過性シート側の面に設けられている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0021】
(作用効果)
このような構造により、殆ど多くの使い捨ておむつに対して本発明の袋体及び隠蔽筒体を適用することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のとおり、本発明によれば、排尿前後においてはっきりとした外観変化があり、幼児の興味を引き易い使い捨ておむつになる等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【図2】使い捨ておむつの展開状態の裏側を示す平面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】図1のC−C断面図である。
【図6】使い捨ておむつの装着要領を示す斜視図である。
【図7】要部拡大断面図である。
【図8】袋体及び隠蔽筒体の平面図である。
【図9】袋体及び隠蔽筒体の断面図である。
【図10】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【図11】袋体及び隠蔽筒体の断面図である。
【図12】使い捨ておむつの展開状態の表側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図7は、パッドタイプ使い捨ておむつ200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつ200は、前後方向中央に対して前側に延在する腹側(前側)部分F1及び後側に延在する背側(後側)部分B1とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)L1は150〜450mm程度、全幅W1は120〜200mm程度とすることができる。符号L2は吸収体の前後方向長さを、また符号W2は吸収体の幅をそれぞれ示している。
【0025】
パッドタイプ使い捨ておむつ200は、液不透過性シート21の内面と、透液性トップシート22との間に、吸収体23が介在された基本構造を有している。吸収体23としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。必要に応じて、吸収体23は図7に示すようにクレープ紙や不織布等からなる包装シート28により包むことができる。また、吸収体23の形状は、相対的に前側の部分が後側の部分よりも幅広な帯状、あるいは長方形状、台形状等、適宜の形状とすることができる。吸収体23における繊維目付け及び高吸収性ポリマーの目付けは適宜定めることができるが、繊維目付けは100〜600g/m2程度とするのが好ましく、また高吸収性ポリマーの目付けは100〜400g/m2程度とするのが好ましい。
【0026】
吸収体23の裏側には、液不透過性シート21が吸収体23の周縁より所定長さ食み出すように設けられている。液不透過性シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
【0027】
液不透過性シート21の外面(裏面)は、外装シート25により覆われている。外装シート25としては各種の不織布を用いる。不織布を用いることによって、後述するように、フックテープ32の非使用時には、フックテープ32を外装シート25に固着させることができる。なお、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0028】
吸収体23の表側は、透液性トップシート22により覆われている。図示形態ではトップシート22の側縁から吸収体23が一部食み出しているが、吸収体3の側縁が食み出さないようにトップシート22の幅を広げることもできる。トップシート22としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。
【0029】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の前後方向両端部では、外装シート12および透液性トップシート1が吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。
【0030】
パッドタイプ使い捨ておむつ200の両側部では、液不透過性シート21が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部からトップシート22の側部までの部分の内面にはギャザーシート24の幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり貼り付けられ、吸収体23の存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これらを含め、素材の貼り合わせ部分は、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成でき、図面では斜線模様で示されている。
【0031】
これらエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SF以外の吸収体介在部分が、排泄物を保持する本体部BDを構成する。
【0032】
ギャザーシート24の素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
【0033】
ギャザーシート24の幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
【0034】
両ギャザーシート24,24は、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態ではトップシート22表面および外装シート32内面)に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部の間では物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に固定されていない。この非固定部分は、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート22表面)に対して起立可能な立体ギャザーとなる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24における幅方向外側の固定部分24xと内側の部分24cとの境に位置する。
【0035】
図2〜図6に示すように、パッドタイプ使い捨ておむつ200の裏面には、粘着剤層からなるズレ止め部30が設けられている。このズレ止め部30としては、フック状突起を多数有するメカニカルファスナーのフックテープ(面ファスナーの雄材)を用いることも可能である。フック状突起の形状としてはキノコ状の他、フック状、レ字状、J字状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。なお、フックテープはホットメルト接着剤等により取り付けることができる。ズレ止め部30は、図示例のように、剥離シート31により剥離可能に被覆しておき、使用時に剥離シート31を剥離してズレ止め部30を露出させるのが望ましい。
【0036】
図示例では、ズレ止め部30を腹側部分F1及び背側部分B1の両者にわたり連続するように設けているが、腹側部分F1及び背側部分B1のそれぞれに別々に設けたり、いずれか一方のみに設けたりすることもでき、その数も、複数とするほか、単数とすることもできる。ズレ止め部30を複数設ける場合、腹側部分F1及び背側部分B1に各少なくとも一つは設けるのが好ましい。
【0037】
ズレ止め部30は、その全体が本体部BDの範囲内に収まるような寸法及び配置となっているのが好ましい。具体的には、ズレ止め部30の幅W3は吸収体23の幅W2の70〜80%程度、前後方向長さL3(前後方向に複数設ける場合は総長さ)は吸収体23の全長L2の30〜40%程度であるのが好ましい。
【0038】
(排尿表示部)
特徴的には、図4、図5、図8、図9、及び図11に示すように、表面シート22と吸収体23との間に、液透過性を有する袋体40と、袋体40内に密封された高吸収性ポリマー41と、袋体40の外周を包む隠蔽筒体50とを備えており、袋体40の表面シート22側の面のうち隠蔽筒体50により被覆された部分に排尿表示部42が設けられている。
【0039】
排尿表示部42は、キャラクター、文字等のデザインを印刷により袋体40の素材に直接付加する他、印刷を施したシートを袋体40の外面に貼り付けることにより間接的に付加しても良い。
【0040】
図8及び図9に示す例のように、袋体40における表面シート22側の部分のうち幅方向中間部が、前後方向に沿う折り目により袋体40の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部43に排尿表示部42が設けられていると、隠蔽筒体50の内側において排尿表示部42が袋体40の折り込みにより更に隠蔽されることになるため、隠蔽筒体50の素材として高い隠蔽性のものを用いずとも、全体として高い隠蔽性を確保することができる。図示例の折り込み形態は、断面がZ字状となる形態であるが、Ω状、逆さΩ状等にすることもでき、また折り込みを幅方向に複数設け、各折り込み部43に排尿表示部42を隠蔽しておいても良い。
【0041】
もちろん、図11に示すように袋体40を折り込むことなく、その表面に排尿表示部42を設ける形態も採用することができ、その場合、構造が簡素となり、製造も容易であるため好ましい。
【0042】
袋体40の寸法は適宜定めることができるが、その幅は吸収体23の幅W2の30〜60%程度であるのが好ましく、前後方向長さは吸収体23の前後方向長さL2の10〜30%程度であるのが好ましい。また、袋体40の位置は、股間部の範囲、特に物品の前端を0%とし後端を100%としたとき30〜70%の範囲に袋体40の少なくとも一部が含まれるように配置することが望ましい。さらに、袋体40及び隠蔽筒体50は図示例では股間部の前側に一つしか設けていないが、前後方向に間隔を空けて複数設けることもできる。
【0043】
袋体40及び隠蔽筒体50の素材としては、透液性を有していてかつ高吸収性ポリマー41粒子が密封される(抜け出ない)シートであれば良く、例えば不織布、微小な孔が開いたシート、ティッシュペーパー、特にクレープ紙等を用いることができる。不織布を使用する場合、親水性のもの(親水剤が付与されたもの含む)が好ましい。また、不織布の中でも、スパンボンド不織布層間にメルトブローン不織布層を有する積層不織布(例えばSMS不織布、SMMS不織布等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
【0044】
袋体40内に密封される高吸収性ポリマー41(SAP)は、吸収体23に用いるものと同様のものを用いることができ、粉粒状のものや、繊維状のもの等、特に限定されるものではないが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー41粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。また、高吸収性ポリマー41粒子の粒径は1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。また、高吸収性ポリマー41粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適である。
【0045】
袋体40内に密封される高吸収性ポリマー41(SAP)の量は適宜定めることができるが、袋体40の容積に対し、その内部に封入される高吸収性ポリマー41の吸収飽和時の見かけ容積が100〜500%となるようにするのが好ましい。袋体40がマチ等の厚み方向の伸縮構造を有しない場合、その内部に封入する高吸収性ポリマー41の量は、1000g/m2以上、特に1500〜2000g/m2程度とするのが好ましい。
【0046】
なお、袋体40内には、必要に応じて高吸収性ポリマー41粒子以外の吸収材、例えばパルプ繊維等の親水性短繊維を混合することもできる。
【0047】
他方、図示形態では、排尿表示部42と重なる部分(又はその近傍でも良い)の外面に、排尿表示部42とは異なる初期表示部51が設けられている。この初期表示部51は排尿前において表面シート22を通して外部から視認可能なように構成される。初期表示部51は、キャラクター、文字等のデザインを印刷により袋体40の素材に直接付加する他、印刷を施したシートを袋体40の外面に貼り付けることにより間接的に付加しても良い。なお、平面的に見て初期表示部51が排尿表示部42と重なる場合において、初期表示部51の濃淡を排尿表示部42より濃くすると、初期表示部51が排尿表示部42を隠蔽する効果が得られるため好ましい。さらに、平面的に見て初期表示部51が排尿表示部42と重なる場合において、排尿表示部42が初期表示部51の周縁部より内側にのみ設けられていると、同様に、初期表示部51が排尿表示部42を隠蔽する効果が得られるため好ましい。
【0048】
また、図示形態では、隠蔽筒体50における排尿表示部42と重なる部分(又はその近傍でも良い)に、前縁から後縁に達するミシン目52が設けられている。このミシン目52は隠蔽筒体50の周方向の繋がりを分断できる限り、前後方向に沿って設けるだけでなく、斜め方向に沿って設けても良い。
【0049】
このようなパッドタイプ使い捨ておむつにおいては、排尿前には図1、図9(a)、図11(a)に示すように、隠蔽筒体50に設けられた初期表示部51が外部から視認可能となっている。これに対して、排尿があると、図9(b)、図11(b)に示すように、袋体40内の高吸収性ポリマー41が尿を吸収して膨張するのに伴い袋体40が膨張し、その膨張に抗しきれずに隠蔽筒体50が裂開して、その裂開部分から排尿表示部42が露出し(特に図9に示す形態では折り込み部43が展開して排尿表示部42が外側に現出する)、この露出した排尿表示部42が図12に示すように外部から視認可能となる。
【0050】
したがって、排尿表示部42は排尿前には隠蔽筒体50により隠蔽されており、排尿後に隠蔽筒体50が裂開することにより排尿表示部42が露出するため、排尿前後において従来よりもはっきりとした外観変化を生み出すことができ、幼児の興味を引き易いものとなる。
【0051】
また、隠蔽筒体50に初期表示部51が設けられているため、無から有への外観変化だけでなく、多種多様な外観変化を生み出すことができる。特に図示形態では、トイレトレーニング用途を想定し、初期表示部51を笑顔のキャラクターの図柄とし、排尿時部を泣き顔のキャラクターの図柄としている。この場合、おむつに排尿をした場合キャラクターを泣かせることになるため、トイレでの排尿を促すことができる。
【0052】
さらに、図示形態では、裂開のためのミシン目52が設けられていることにより、高吸収性ポリマー41の膨張力を利用した隠蔽筒体50の裂開がより確実に、所望の位置でなされるようになる。
【0053】
なお、排尿があったときには、図9に示すように袋体40が大きく膨張し、隠蔽筒体50における排尿表示部42と対向していた部分が、袋体40に対する相対位置の変化により、袋体40における排尿表示部42を有しない面(裏面)と対向するようになると、排尿後に排尿表示部42が現れたときには初期表示部51が袋体40の排尿表示部42と反対側に隠れるため、初期表示部51が残って排尿表示部42と並んで視認されることがなくなり、外観上完全な表示変化が可能となるため好ましい。しかし、袋体40の膨張の程度及び隠蔽筒体50の初期表示部51の相対移動は、図11に示すように、排尿表示部42が露出する限り、初期表示部51が隠れずに表示されたままとなる程度であっても良い。
【0054】
<その他>
(a)高吸収性ポリマー41の膨張力により隠蔽筒体50が裂開して排尿表示部42が露出する程度に、隠蔽筒体50の素材が弱い場合(例えば坪量10〜15g/m2程度のクレープ紙)には、裂開用ミシン目52は省略することができる。
(b)袋体40及び隠蔽筒体50等の介在部位は、液不透過性シート21よりも表面シート22側であれば特に限定されないが、例えばおむつを装着した状態でおむつ外面に排尿表示を行うこともでき、その場合には、吸収体23と液不透過性シートとの間に介在させるとともに、排尿表示部42を袋体40における液不透過性シート側の面に設けるのが望ましい。この場合、袋体40内の高吸収性ポリマー41が吸収膨潤していわゆるゲルブロッキングにより厚み方向の液の透過性が低下しても、袋体40が吸収体23の下側に位置しているため、表面シート22側から吸収体23への液の透過性に影響を与えない利点もある。
(c)隠蔽筒体50は分断せずに一部(例えば縦方向中間部)残して筒体の裂け目から袋体40の排尿表示部42が膨出する形態としても良い。
(d)初期表示部51は省略することができ、その場合、排尿前においては表示のない部分に、排尿後に排尿表示部42が出現するようになる。
(e)隠蔽筒体50の全体が袋体40に固定されていなくてもよいが、その場合、隠蔽筒体50がずれて、排尿表示部42が出現しないおそれがあるため、隠蔽筒体50は、袋体40における排尿表示部42を有しない面にホットメルト接着剤等の接合手段60により接合し、この接合部分以外では袋体40に接合しないのが好ましい。
(f)袋体40及び隠蔽筒体50は、視認性の観点から外部に最も近い位置に設けるのが好ましい。例えば、図示例の場合は、表面シート21の直下に設けるのが好ましく、上記(b)の形態では液不透過性シートの直上に設けるのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつだけでなく、テープタイプやパンツタイプ等、各種の使い捨ておむつに利用できるものである。
【符号の説明】
【0056】
21…不透液性バックシート、22…透液性トップシート、23…吸収体、24…ギャザーシート、25…外装シート、30…ズレ止め部、31…剥離シート、40…袋体、41…高吸収性ポリマー、42排尿表示部、50…隠蔽筒体、51…初期表示部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備えた、使い捨ておむつにおいて、
液透過性を有する袋体と、前記袋体内に密封された高吸収性ポリマーと、前記袋体を包む隠蔽筒体と、袋体の外面のうち前記隠蔽筒体により被覆隠蔽された部分に設けられた排尿表示部とを、前記液不透過性シートの前記表面シート側に備えており、
排尿があり、前記袋体内の高吸収性ポリマーに尿が吸収されると、前記高吸収性ポリマーの膨張に伴い前記袋体が膨張し、その膨張に抗しきれずに前記隠蔽筒体が裂開して、その裂開部分から前記排尿表示部が露出し、この露出した排尿表示部が外部から視認可能となるように構成した、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記隠蔽筒体の外面に、前記排尿表示部とは異なる初期表示部が外部から視認可能なように設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と重なる部分又はその近傍に、前記裂開のためのミシン目が設けられている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記隠蔽筒体が前記裂開の際に分断し、前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と対向していた部分が、前記袋体に対する相対位置の変化により、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面と対向するようになる、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記袋体における少なくとも前記隠蔽筒体による隠蔽部分が、袋体の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部に前記排尿表示部が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記隠蔽筒体は、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面に接合されるとともに、この接合部分以外では前記袋体に接合されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記袋体及び隠蔽筒体が前記表面シートと前記吸収体との間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記表面シート側の面に設けられているか、又は
前記袋体及び隠蔽筒体が前記吸収体と前記液不透過性シートとの間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記液不透過性シート側の面に設けられている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備えた、使い捨ておむつにおいて、
液透過性を有する袋体と、前記袋体内に密封された高吸収性ポリマーと、前記袋体を包む隠蔽筒体と、袋体の外面のうち前記隠蔽筒体により被覆隠蔽された部分に設けられた排尿表示部とを、前記液不透過性シートの前記表面シート側に備えており、
排尿があり、前記袋体内の高吸収性ポリマーに尿が吸収されると、前記高吸収性ポリマーの膨張に伴い前記袋体が膨張し、その膨張に抗しきれずに前記隠蔽筒体が裂開して、その裂開部分から前記排尿表示部が露出し、この露出した排尿表示部が外部から視認可能となるように構成した、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記隠蔽筒体の外面に、前記排尿表示部とは異なる初期表示部が外部から視認可能なように設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と重なる部分又はその近傍に、前記裂開のためのミシン目が設けられている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記隠蔽筒体が前記裂開の際に分断し、前記隠蔽筒体における前記排尿表示部と対向していた部分が、前記袋体に対する相対位置の変化により、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面と対向するようになる、請求項3記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記袋体における少なくとも前記隠蔽筒体による隠蔽部分が、袋体の内方に折り込まれるとともに、この折り込み部に前記排尿表示部が設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記隠蔽筒体は、前記袋体における前記排尿表示部を有しない面に接合されるとともに、この接合部分以外では前記袋体に接合されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記袋体及び隠蔽筒体が前記表面シートと前記吸収体との間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記表面シート側の面に設けられているか、又は
前記袋体及び隠蔽筒体が前記吸収体と前記液不透過性シートとの間に介在されるとともに、前記排尿表示部が前記袋体における前記液不透過性シート側の面に設けられている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−179069(P2012−179069A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41972(P2011−41972)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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