使い捨てオムツ
【課題】オムツが着用者に密着し続けるのを促進する。
【解決手段】一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツ1は、前側部分4Fと後側部分4Bと股部分4Cと、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシート部分6L,6Rとを備える。脚回りシートの縦方向周縁領域6LF,6LB,6RF,6RB及び内方側縁領域6LI,6RIは股部分の一側においてそれぞれ、前側部分及び後側部分の下縁領域4FB,4BB及び股部分の側縁領域4CL,4CRに、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。脚回りシートはそれぞれ、脚回り開口を形成するための切欠き6LC,6RCを備える。脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない。脚回りシート部分の切欠き6LC,6RCの縁は、脚回りシート部分6L,6Rと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。
【解決手段】一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツ1は、前側部分4Fと後側部分4Bと股部分4Cと、伸長性又は伸縮性を有する一対の脚回りシート部分6L,6Rとを備える。脚回りシートの縦方向周縁領域6LF,6LB,6RF,6RB及び内方側縁領域6LI,6RIは股部分の一側においてそれぞれ、前側部分及び後側部分の下縁領域4FB,4BB及び股部分の側縁領域4CL,4CRに、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。脚回りシートはそれぞれ、脚回り開口を形成するための切欠き6LC,6RCを備える。脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない。脚回りシート部分の切欠き6LC,6RCの縁は、脚回りシート部分6L,6Rと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨てオムツに関する。
【背景技術】
【0002】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、オムツ展開時に縦方向に互いに離間された前側部分及び後側部分と、これら前側部分及び後側部分に接合された弾性シートとを備え、前側部分及び後側部分の側縁領域同士がそれぞれ、テープファスナによって接合される、使い捨てオムツが公知である(特許文献1参照)。このようにすると、着用者に弾性シートが接触するので、オムツが着用者の動きに容易に追従し、オムツのズレ下がりを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−8968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のオムツでは、テープファスナが弾性シートから離間した位置にあるので、前側部分に隣接する弾性シート部分と後側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていない。その結果、着用者の動きによって脚回り開口が大きく拡げられ、弾性シートが着用者から離脱するおそれがある。したがって、オムツのズレ下がりを十分に抑制できないおそれがある。また、前側部分に隣接する弾性シート部分と後側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていないので、当該弾性シート部分が前側部分及び後側部分から分離するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備えるパンツ型の使い捨てオムツであって、前側部分と後側部分と股部分とを備え、前側部分及び後側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて前側部分及び後側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、脚回りシートは、股部分の一側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第1の脚回りシート部分と、股部分の他側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第2の脚回りシート部分とを含み、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、前側部分及び後側部分よりも伸度が高い材料から構成され、第1の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、第2の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ伸長可能領域を備え、一対の脚周り開口はそれぞれ、第1の脚回りシート部分の伸長可能領域及び第2の脚回りシート部分の伸長可能領域によって囲まれており、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない、使い捨てオムツが提供される。
【発明の効果】
【0006】
オムツが着用者に密着し続けるのを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による第1実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図2】図1のオムツの展開図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ってみた断面図である。
【図4】従来の使い捨てオムツの展開図である。
【図5】切欠きの別の実施例を示す図である。
【図6】切抜きを有する実施例を示す図である。
【図7】切欠きの寸法を説明する図である。
【図8】本発明による第2実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図9】図8のオムツの展開図である。
【図10】図9の線X−Xに沿ってみた断面図である。
【図11】股部分の一例を示す図2と同様の展開図である。
【図12】図11の線XII−XIIに沿ってみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、図2及び図3は本発明による第1実施例を示している。なお、図2において、Lはオムツ1の縦方向を、Tは縦方向に直交する横断方向を、それぞれ示している。
【0009】
図1、図2及び図3を参照すると、パンツ型の使い捨てオムツ1は前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cを備える。前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ着用時に着用者の腹側及び背側に位置する。
【0010】
前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ長方形状をなしており、展開時に縦方向Lに互いに離間して配置される。また、前側部分4F及び後側部分4Bにはそれぞれ、横断方向Tに互いにほぼ平行に延びる複数の弾性部材5F,5Bが設けられる。特に図3に示されるように、前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ互いに重ねられた2枚の液不透過性シートを備え、弾性部材5F,5Bはこれらシート間に伸長状態で配置されてこれらシートに固定される。なお、前側部分4F及び後側部分4Bの下縁領域4FB,4BBには弾性部材5F,5Bが設けられていない。
【0011】
股部分4Cも長方形状をなし、縦方向Lに延びて横断方向中間位置において前側部分4F及び後側部分4Bに接合される。この場合、股部分4Cの縦方向周縁領域4CF,4CBがそれぞれ前側部分4F及び後側部分4Bの下縁領域4FB,4BBに接合される。その結果、股部分4Cは着用時に着用者の股部に位置する。
【0012】
この股部分4Cは、例えば、着用者の肌側に位置する液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらトップシートとバックシートとの間に保持された吸収体とを備える。吸収体は例えば繊維集合体及び高吸収ポリマー粒子を備える吸収コアを含む。繊維集合体は例えば粉砕パルプ及び熱可塑性合成繊維の一方又は両方から構成される。また、この吸収コアを包むラップシートを設けてもよく、あるいは、ラップシートを省略することもできる。
【0013】
オムツ1は更に、概ね四角形状の一対の脚回りシート部分6L,6Rを備え、すなわち図1及び図2において股部分4Cの左側に位置する左方脚回りシート部分6Lと、股部分4Cの右側に位置する右方脚回りシート部分6Rとを備える。脚回りシート部分6L,6Rは伸長性又は伸縮性を有し、好ましくは伸縮性を有する。
【0014】
脚回りシート部分6L,6Rの伸度は前側部分4F及び後側部分4Bを構成するシートの伸度よりも高く、好ましくは140%以上であり、さらに好ましくは180%以上である。ここで、シート材の伸度は次のようにして求められる。すなわち、自然状態にあるシート材に50mmの線分を描き、次いでシート材を引っ張って伸長させ、完全に伸長したときの線分の長さB(mm)を測定する。次いで、次式を用いて伸度が算出される。
【0015】
伸度=B/50x100(%)
【0016】
更に、脚回りシート部分6L,6Rは液不透過性、撥水性、及び通気性のうち少なくとも一つを有する。
【0017】
脚回りシート部分は伸長性シート又は伸縮性シートから構成できる。伸長性シートとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂フィルムに、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。一方、伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布、伸縮繊維からなる不織布に、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。
【0018】
前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ、非伸縮性もしくは伸縮性不織布シート、プラスチックシート等から構成できる。具体的には、例えば、目付が約10〜40g/m2の範囲にある、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンバンド)不織布、不透液性のプラスチックフィルム、それらのラミネート等を用いることができる。伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布等を用いることができる。
【0019】
左方脚回りシート部分6Lの縦方向周縁領域6LF,6LBは股部分4Cの左方においてそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに接合される。また、左方脚回りシート部分6Lの内方側縁領域6LIは、股部分4Cの左方側縁領域4CLに接合される。その結果、股部分4Cの左方において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Lに左方脚回りシート部分6Lが配置される。
【0020】
同様に、右方脚回りシート部分6Rの縦方向周縁領域6RF,6RBは股部分4Cの右方においてそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに接合される。また、右方脚回りシート部分6Rの内方側縁領域6RIは、股部分4Cの右方側縁領域4CRに接合される。その結果、股部分4Cの右方において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Rに右方脚回りシート部分6Rが配置される。
【0021】
ここで、前側部分4F,後側部分4B,股部分4C,左方脚回りシート部分6L及び右方脚回りシート部分6Rは例えばホットメルト接着剤A(図3)でもって、互いに接合される。
【0022】
この場合、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。すなわち、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、1.0から1.5倍に伸長された状態で、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合される。この場合の伸長方向は縦方向でもよいし、横断方向でもよい。
【0023】
特に図2に示されるように、オムツ1は展開時に、その両側縁1LE,1REからそれぞれ内方に向かう凹部1DL,1DRを有する。本発明による第1実施例では、左方脚回りシート部分6Lは外方側縁6LOEから内方に向かう切欠き6LCを有し、右方脚回りシート部分6Rは外方側縁6ROEから内方に向かう切欠き6RCを有しており、上述の凹部1DL,1DRはこれら切欠き6LC,6RCによって画定される。なお、本発明による第1実施例では、切欠き6LC,6RCはそれぞれ、横断方向Tに延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【0024】
その上で、凹部1DLないし切欠き6LCの前側開始端6LCFに隣接する左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOFと、凹部1DRないし切欠き6LCの後側開始端6LCBに隣接する左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOBとが互いに接合される。また、前側部分4Fの左方側縁領域4FLと後側部分4Bの左方側縁領域4BLとが互いに接合される。
【0025】
同様に、切欠き6RCの前側開始端6RCFに隣接する右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROFと、切欠き6RCの後側開始端6RCBに隣接する右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROBとが互いに接合される。また、前側部分4Fの右方側縁領域4FRと後側部分4Bの右方側縁領域4BRとが互いに接合される。
【0026】
その結果、図1に示されるように、左方脚回りシート部分6Lによって左方脚回り開口1LLが画定され、右方脚回りシート部分6Rによって右方脚回り開口1LRが画定される。また、前側部分4F及び後側部分4Bによって一つの胴回り開口1Wが画定される。
【0027】
ここで、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOB、右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROB、前側部分4F及び後側部分4Bの左方側縁領域4FL,4BL及び右方側縁領域4FR,4BRはそれぞれ、例えばソニックシールによってそれぞれ接合され、したがって再接合不能にそれぞれ接合される。その結果、オムツ1はパンツ形状をなしている。
【0028】
脚周りシート部分6L,6Rのうち前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合されていない領域は、比較的自由に伸長することができる。このような領域を伸長可能領域6LEX,6REXと称すると、脚周りシート部分6L,6Rは伸長可能領域6LEX,6REXをそれぞれ備えている。
【0029】
左方脚回りシート部分6Lの切欠き6LCの縁は、左方脚回りシート部分6Lと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。したがって、左方脚回り開口1LLは左方脚回りシート部分6Lの伸長可能領域6LEXによって囲まれている。
【0030】
同様に、右方脚回りシート部分6Rの切欠き6RCの縁は、右方脚回りシート部分6Rと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。したがって、右方脚回り開口1LRは右方脚回りシート部分6Rの伸長可能領域6REXによって囲まれている。
【0031】
また、脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rにはシワが形成されていない。すなわち、脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さが0.5mm以下である。
【0032】
シワの高さは、尾崎製作所社製、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定される。この場合、直径10mmの測定端子が用いられ、測定されるべき脚回りシート部分6L,6Rに2.8gf/cm2の荷重が印加される。脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さが10mmごとに測定される。これら測定値の平均値が脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さとして算出される。
【0033】
本発明による第1実施例では、脚回り開口1LL,1LRの周長又は内径が着用者の脚の周長又は外径よりも小さくなるように、切欠き6LC,6RCないし凹部1DL,1DRが形成されている。
【0034】
着用時には、脚回り開口1LL,1LRに着用者の脚がそれぞれ通され、オムツ1が引き上げられる。この場合、脚回りシート部分6L,6Rの伸長可能領域6LEX,6REXは着用者の脚の形状に応じて伸長する。したがって、脚回りシート部分6L,6Rが着用者に密着する。
【0035】
しかも、左方脚回りシート部分6L及び右方脚回りシート部分6Rがリング状をなしているので、脚回りシート部分6L,6Rが着用者の脚の全周にわたって密着し続けることができる。その結果、一対の脚回り開口1LL,1LRからのモレを確実に抑制することができる。また、脚回りシート部分6L,6Rが前側部分4F及び後側部分4Bから分離するのを抑制することもできる。
【0036】
一方、上述したように、脚回りシート部分6L,6Rの伸度は前側部分4F及び後側部分4Bを構成するシートの伸度よりも高い。言い換えると、前側部分4F及び後側部分4Bは脚回りシート部分6L,6Rよりも伸長しにくい。したがって、脚回りシート部分6L,6Rが過度に伸張するのが抑制される。
【0037】
ここで、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOBの縦方向長さLLO(図1)、及び右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROBの縦方向長さLRO(図1)はそれぞれ、5mm以上であるのが好ましい。
【0038】
脚回りシート部分6L,6Rは少なくとも2方向、例えば互いに直交する2方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましく、例えば縦方向L及び横断方向Tに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。変更可能には、脚回りシート部分6L,6Rは一方向にのみ伸長性又は伸縮性を有してもよく、切欠き6LC,6RCが横断方向に延びる半楕円状の場合には、脚回りシート部分6L,6Rは横断方向Tに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【0039】
更に、上述したように、脚回りシート部分6L,6Rにシワが設けられていない。また、脚回りシート部分6L,6Rは、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。その結果、脚回りシート部分6L,6Rが線接触ではなく面接触の形で着用者に接するので、着用者に対する脚回りシート部分6L,6Rの密着性が高められる。
【0040】
このように、脚周り開口1LL,1LRからのモレが抑制されている。その結果、脚周りシート部分6L,6Rが液透過性を有している場合には、着用者の身体とオムツ1との間に形成される空間が尿を一時的に貯留する貯留空間として機能する。したがって、1回の排尿で多量の尿が排泄されたとしても、モレを確実に抑制することができる。なお、貯留空間内の尿は徐々に吸収体に吸収される。
【0041】
しかも、本発明による第1実施例では、例えば吸収体4CAの両側縁に沿いつつ立ち上がる防漏部材が設けられていない。その結果、貯留空間の容積が大きくなる。したがって、モレを更に確実に抑制することができる。
【0042】
本発明による第1実施例では、更に、脚回りシート部分6L,6Rの接合領域が縦方向及び横断方向にほぼ沿って形成される。具体的には、左方脚回りシート部分6Lの縦方向周縁領域6LF,6LBがそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに、横断方向Tにほぼ沿って接合され、左方脚回りシート部分6Lの内方側縁領域6LIが、股部分4Cの左方側縁領域4CLに、縦方向Lにほぼ沿って接合される。同様に、右方脚回りシート部分6Rの縦方向周縁領域6RF,6RBがそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに、横断方向Tにほぼ沿って接合され、右方脚回りシート部分6Rの内方側縁領域6RIが、股部分4Cの右方側縁領域4CRに、縦方向Lにほぼ沿って接合される。このようにすると、展開状態におけるオムツ1の縦方向長さ及び横断方向長さを大幅に短くすることができ、したがってオムツ1の製造に必要な資材の量を大幅に低減することができる。このことを、図4を参照して説明する。
【0043】
図4に示される従来の使い捨てオムツ10は、外装体11、内装体12、外装体11に形成されて脚回り開口を形成するための切欠き13、脚回り開口に沿って外装体11に配置された弾性部材14を具備する。このオムツ10では、脚回り開口周りの外装体11が弾性部材14によって収縮され、着用者の脚に押し付けられる。オムツの製造時、弾性部材14は、サインカーブ状に振動されながら、搬送方向MDに搬送される外装体ウエブ上に供給される。このため、弾性部材14は弾性部材14a及び弾性部材14bから構成される。
【0044】
ところが、このように弾性部材14が供給される場合、弾性部材14の軌跡の曲率を急激に変動させることは困難であり、したがって弾性部材14は比較的緩やかなカーブに沿って、比較的大きな振幅でもって供給されることになる。このため、弾性部材14を受け取る外装体11は大きくならざるを得ない。
【0045】
これに対して、本発明による第1実施例では、このような弾性部材を必要としない。しかも、脚回りシート部分6L,6Rの接合領域が縦方向及び横断方向にほぼ沿って形成される。その結果、オムツ1の寸法を大幅に小さくすることができる。
【0046】
なお、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOB同士の接合部、又は右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROB同士の接合部を破壊することにより、脚回り開口1LL,1LRの大きさを調節することもできる。この場合、上述の接合部の接合強度は、6N/25mmから40N/25mmが好ましく、8N/25mmから30N/25mmが更に好ましい。接合部の破壊による脚回り開口1LL,1LRの大きさの調節を可能にしつつ、オムツ1の使用時における接合部の意図しない破壊を阻止できるからである。
【0047】
図5(A)及び図5(B)は、切欠き6LC,6RCの別の実施例を示している。切欠き6LC,6RCはそれぞれ、図5(A)に示される例では縦方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。また、図5(B)に示される例では切欠き6LC,6RCはそれぞれ、スリットから構成される。
【0048】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、切欠き6LC,6RCに換えて、切抜き6LCC,6RCCを脚回りシート部分6L,6Rに形成することもできる。図6(A)に示される例では、切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。図6(B)に示される例では切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、スリットから構成される。切抜き6LCC,6RCCを縦方向に細長くすることもできる。
【0049】
図5(A)に示される例では、脚回りシート部分6L,6Rは少なくとも縦方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。これに対し、図5(B),図6(A),図6(B)に示される例では、少なくとも横断方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【0050】
切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCが図2、図5(B)、図6(A),図6(B)に示されるように横断方向に細長い場合には、脚回り開口1LL,1LRは着用者の大腿部に位置することができる。この場合、着用者の動きのある部位が締め付けられるのを抑制しつつ、オムツ1により着用者の体を広範囲で覆うことができる。
【0051】
一方、切欠き6LC,6RCが図5(A)に示されるように縦方向に細長い場合には、脚回り開口1LL,1LRは着用者の鼠径部に位置することができる。この場合、着用者の外観を簡素化することができる。
【0052】
いずれにしても、脚回り開口1LL,1LRが着用者の脚よりも小さく形成されているので、着用時に脚回りシート部分6L,6Rが着用者の脚に確実に密着することができる。
【0053】
次に、切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCの寸法について、図7を参照して説明する。本発明による第1実施例では、切欠き6LC,6RCの縦方向長さLNDがオムツ1の縦方向長さLN1の3分の1以下であり(LND≦(1/3)LN1)、かつ切欠き6LC,6RCの横断方向長さWDDがオムツ1の横断方向長さWD1の3分の1以下である(WDD≦(1/3)WD1)ように、切欠き6LC,6RCが形成される。
【0054】
このようにすると、オムツ1によって着用者の体を十分に覆いながら、脚回り開口1LL,1LRの大きさを小さくすることができる。したがって、脚回りシート部分6L,6Rを着用者の脚に確実に密着させることができる。
【0055】
このことは実験によっても確認されている。すなわち、子供用オムツ及び大人用オムツのように縦方向長さLN1及び横断方向長さWD1が互いに異なる複数のオムツについて、LND≦(1/3)LN1かつWDD≦(1/3)WD1であるオムツと、LND>(1/3)LN1又はWDD>(1/3)WD1であるオムツとを用意した。これらオムツについてモレの発生頻度を確認したところ、LND≦(1/3)LN1かつWDD≦(1/3)WD1であるオムツでは低いモレ発生頻度が得られた。これに対し、LND>(1/3)LN1又はWDD>(1/3)WD1であるオムツでは高いモレ発生頻度が得られた。
【0056】
切抜き6LCC,6RCCについても同様に寸法設定することができる。
【0057】
図8、図9及び図10は本発明による第2実施例を示している。図8、図9及び図10を参照すると、第2実施例では単一の脚回りシート6が設けられる。この脚回りシート6は、前側部分4F及び後側部分4Bとほぼ同じ横断方向長さを有する。
【0058】
脚回りシート6は、股部分4Cの一側において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Lに配置された左方脚回りシート部分6Lと、股部分4Cの他側において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Rに配置された右方脚回りシート部分6Rとを含む。これら脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、第1実施例と同様に、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合される。
【0059】
すなわち、本発明による第2実施例では、脚回りシート部分6L,6Rが単一の部材から構成される。これに対し、上述の第1実施例では、脚回りシート部分6L,6Rは互いに別の部材から構成される。
【0060】
特に図9に示されるように、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、切抜き6LCC,6RCCを有する。本発明による第2実施例では、切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。なお、脚回りシート部分6L,6Rに、縦方向に細長い切抜き6LCC,6RCCを形成してもよいし、切欠き6LC,6RCを形成してもよい。
【0061】
本発明による第2実施例のその他の構成及び作用は第1実施例の構成及び作用と同様である。
【0062】
図11及び図12は股部分4Cの一例を本発明による第1実施例に適用した場合を示している。なお、本例を本発明による第2実施例に適用することもできる。
【0063】
図11及び図12に示される例では、股部分4Cは、トップシート4CTSと、バックシート4CBSと、吸収体4CAとを備える。吸収体4CAは互いに接合されたトップシート4CTS及び被覆シート4CCによって覆われ、被覆シート4CCはバックシート4CBSに接合される。この場合、バックシート4CBSの幅は吸収体4CAの幅よりも大きく、したがってバックシート4CBSは吸収体4CAから横断方向T両側に延出している。脚周りシート部分6L,6Rはこれらの延出部分においてバックシート4CBSに接合される。なお、図11及び図12において、Aはホットメルト接着剤を示している。なお、図11及び図12において、Aはホットメルト接着剤を示している。
【0064】
これまで述べてきた実施例では、股部分4Cは前側部分4F及び後側部分4Bの弾性部材5F,5Bと重なっていない。しかしながら、股部分4Cが弾性部材5F,5Bの少なくとも一部と重なるように、股部分4Cを縦方向Lに延長し又は弾性部材5F,5Bを配置してもよい。この場合、股部分4Cは弾性部材5F,5Bの一方のみと重なっていてもよいし、両方と重なっていてもよい。
【0065】
また、これまで述べてきた実施例では、脚周りシート部分6L,6Rに切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCが形成されている。しかしながら、脚周りシート部分6L,6Rに切欠き又は切抜きを設けなくてもよい。すなわち、オムツ1は展開時に、その両側縁1LE,1REからそれぞれ内方に向かう凹部1DL,1DRを有さなくてもよい。この場合、左方脚周りシート6Lの外方側縁領域のうち前側部分4F及び後側部分4Bにそれぞれ隣接する部分同士が互いに接合され、この外方側縁領域の縦方向中央部分は接合されず、したがって左方脚周りシート6Lの伸長可能領域6LEXにより囲まれた脚周り開口1Lが画定される。同様に、右方脚周りシート6Rの外方側縁領域のうち前側部分4F及び後側部分4Bにそれぞれ隣接する部分同士が互いに接合され、この外方側縁領域の縦方向中央部分は接合されず、したがって右方脚周りシート6Rの伸長可能領域6REXにより囲まれた脚周り開口1Rが画定される。
【符号の説明】
【0066】
1 使い捨てオムツ
1LL,1LR 脚回り開口
4F 前側部分
4B 後側部分
4C 股部分
6L,6R 脚回りシート部分
6LC,6RC 切欠き
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨てオムツに関する。
【背景技術】
【0002】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備える使い捨てオムツであって、オムツ展開時に縦方向に互いに離間された前側部分及び後側部分と、これら前側部分及び後側部分に接合された弾性シートとを備え、前側部分及び後側部分の側縁領域同士がそれぞれ、テープファスナによって接合される、使い捨てオムツが公知である(特許文献1参照)。このようにすると、着用者に弾性シートが接触するので、オムツが着用者の動きに容易に追従し、オムツのズレ下がりを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−8968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のオムツでは、テープファスナが弾性シートから離間した位置にあるので、前側部分に隣接する弾性シート部分と後側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていない。その結果、着用者の動きによって脚回り開口が大きく拡げられ、弾性シートが着用者から離脱するおそれがある。したがって、オムツのズレ下がりを十分に抑制できないおそれがある。また、前側部分に隣接する弾性シート部分と後側部分に隣接する弾性シート部分とが互いに接合されていないので、当該弾性シート部分が前側部分及び後側部分から分離するおそれもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備えるパンツ型の使い捨てオムツであって、前側部分と後側部分と股部分とを備え、前側部分及び後側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて前側部分及び後側部分に接合され、前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、脚回りシートは、股部分の一側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第1の脚回りシート部分と、股部分の他側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第2の脚回りシート部分とを含み、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、前側部分及び後側部分よりも伸度が高い材料から構成され、第1の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、第2の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ伸長可能領域を備え、一対の脚周り開口はそれぞれ、第1の脚回りシート部分の伸長可能領域及び第2の脚回りシート部分の伸長可能領域によって囲まれており、第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない、使い捨てオムツが提供される。
【発明の効果】
【0006】
オムツが着用者に密着し続けるのを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による第1実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図2】図1のオムツの展開図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ってみた断面図である。
【図4】従来の使い捨てオムツの展開図である。
【図5】切欠きの別の実施例を示す図である。
【図6】切抜きを有する実施例を示す図である。
【図7】切欠きの寸法を説明する図である。
【図8】本発明による第2実施例の使い捨てオムツの平面図である。
【図9】図8のオムツの展開図である。
【図10】図9の線X−Xに沿ってみた断面図である。
【図11】股部分の一例を示す図2と同様の展開図である。
【図12】図11の線XII−XIIに沿ってみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、図2及び図3は本発明による第1実施例を示している。なお、図2において、Lはオムツ1の縦方向を、Tは縦方向に直交する横断方向を、それぞれ示している。
【0009】
図1、図2及び図3を参照すると、パンツ型の使い捨てオムツ1は前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cを備える。前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ着用時に着用者の腹側及び背側に位置する。
【0010】
前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ長方形状をなしており、展開時に縦方向Lに互いに離間して配置される。また、前側部分4F及び後側部分4Bにはそれぞれ、横断方向Tに互いにほぼ平行に延びる複数の弾性部材5F,5Bが設けられる。特に図3に示されるように、前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ互いに重ねられた2枚の液不透過性シートを備え、弾性部材5F,5Bはこれらシート間に伸長状態で配置されてこれらシートに固定される。なお、前側部分4F及び後側部分4Bの下縁領域4FB,4BBには弾性部材5F,5Bが設けられていない。
【0011】
股部分4Cも長方形状をなし、縦方向Lに延びて横断方向中間位置において前側部分4F及び後側部分4Bに接合される。この場合、股部分4Cの縦方向周縁領域4CF,4CBがそれぞれ前側部分4F及び後側部分4Bの下縁領域4FB,4BBに接合される。その結果、股部分4Cは着用時に着用者の股部に位置する。
【0012】
この股部分4Cは、例えば、着用者の肌側に位置する液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらトップシートとバックシートとの間に保持された吸収体とを備える。吸収体は例えば繊維集合体及び高吸収ポリマー粒子を備える吸収コアを含む。繊維集合体は例えば粉砕パルプ及び熱可塑性合成繊維の一方又は両方から構成される。また、この吸収コアを包むラップシートを設けてもよく、あるいは、ラップシートを省略することもできる。
【0013】
オムツ1は更に、概ね四角形状の一対の脚回りシート部分6L,6Rを備え、すなわち図1及び図2において股部分4Cの左側に位置する左方脚回りシート部分6Lと、股部分4Cの右側に位置する右方脚回りシート部分6Rとを備える。脚回りシート部分6L,6Rは伸長性又は伸縮性を有し、好ましくは伸縮性を有する。
【0014】
脚回りシート部分6L,6Rの伸度は前側部分4F及び後側部分4Bを構成するシートの伸度よりも高く、好ましくは140%以上であり、さらに好ましくは180%以上である。ここで、シート材の伸度は次のようにして求められる。すなわち、自然状態にあるシート材に50mmの線分を描き、次いでシート材を引っ張って伸長させ、完全に伸長したときの線分の長さB(mm)を測定する。次いで、次式を用いて伸度が算出される。
【0015】
伸度=B/50x100(%)
【0016】
更に、脚回りシート部分6L,6Rは液不透過性、撥水性、及び通気性のうち少なくとも一つを有する。
【0017】
脚回りシート部分は伸長性シート又は伸縮性シートから構成できる。伸長性シートとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルムを用いることができる。あるいは、熱可塑性樹脂フィルムに、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。一方、伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布、伸縮繊維からなる不織布に、部分的に切断され又は脆弱化された非伸長性不織布を貼り合わせた複合シートから構成することもできる。
【0018】
前側部分4F及び後側部分4Bはそれぞれ、非伸縮性もしくは伸縮性不織布シート、プラスチックシート等から構成できる。具体的には、例えば、目付が約10〜40g/m2の範囲にある、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンバンド)不織布、不透液性のプラスチックフィルム、それらのラミネート等を用いることができる。伸縮性シートとして、例えば、ウレタン、スチレンのような熱可塑性エラストマ樹脂を溶融した伸縮繊維からなる不織布等を用いることができる。
【0019】
左方脚回りシート部分6Lの縦方向周縁領域6LF,6LBは股部分4Cの左方においてそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに接合される。また、左方脚回りシート部分6Lの内方側縁領域6LIは、股部分4Cの左方側縁領域4CLに接合される。その結果、股部分4Cの左方において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Lに左方脚回りシート部分6Lが配置される。
【0020】
同様に、右方脚回りシート部分6Rの縦方向周縁領域6RF,6RBは股部分4Cの右方においてそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに接合される。また、右方脚回りシート部分6Rの内方側縁領域6RIは、股部分4Cの右方側縁領域4CRに接合される。その結果、股部分4Cの右方において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Rに右方脚回りシート部分6Rが配置される。
【0021】
ここで、前側部分4F,後側部分4B,股部分4C,左方脚回りシート部分6L及び右方脚回りシート部分6Rは例えばホットメルト接着剤A(図3)でもって、互いに接合される。
【0022】
この場合、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。すなわち、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、1.0から1.5倍に伸長された状態で、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合される。この場合の伸長方向は縦方向でもよいし、横断方向でもよい。
【0023】
特に図2に示されるように、オムツ1は展開時に、その両側縁1LE,1REからそれぞれ内方に向かう凹部1DL,1DRを有する。本発明による第1実施例では、左方脚回りシート部分6Lは外方側縁6LOEから内方に向かう切欠き6LCを有し、右方脚回りシート部分6Rは外方側縁6ROEから内方に向かう切欠き6RCを有しており、上述の凹部1DL,1DRはこれら切欠き6LC,6RCによって画定される。なお、本発明による第1実施例では、切欠き6LC,6RCはそれぞれ、横断方向Tに延びる長軸を有する半楕円状をなしている。
【0024】
その上で、凹部1DLないし切欠き6LCの前側開始端6LCFに隣接する左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOFと、凹部1DRないし切欠き6LCの後側開始端6LCBに隣接する左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOBとが互いに接合される。また、前側部分4Fの左方側縁領域4FLと後側部分4Bの左方側縁領域4BLとが互いに接合される。
【0025】
同様に、切欠き6RCの前側開始端6RCFに隣接する右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROFと、切欠き6RCの後側開始端6RCBに隣接する右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROBとが互いに接合される。また、前側部分4Fの右方側縁領域4FRと後側部分4Bの右方側縁領域4BRとが互いに接合される。
【0026】
その結果、図1に示されるように、左方脚回りシート部分6Lによって左方脚回り開口1LLが画定され、右方脚回りシート部分6Rによって右方脚回り開口1LRが画定される。また、前側部分4F及び後側部分4Bによって一つの胴回り開口1Wが画定される。
【0027】
ここで、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOB、右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROB、前側部分4F及び後側部分4Bの左方側縁領域4FL,4BL及び右方側縁領域4FR,4BRはそれぞれ、例えばソニックシールによってそれぞれ接合され、したがって再接合不能にそれぞれ接合される。その結果、オムツ1はパンツ形状をなしている。
【0028】
脚周りシート部分6L,6Rのうち前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合されていない領域は、比較的自由に伸長することができる。このような領域を伸長可能領域6LEX,6REXと称すると、脚周りシート部分6L,6Rは伸長可能領域6LEX,6REXをそれぞれ備えている。
【0029】
左方脚回りシート部分6Lの切欠き6LCの縁は、左方脚回りシート部分6Lと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。したがって、左方脚回り開口1LLは左方脚回りシート部分6Lの伸長可能領域6LEXによって囲まれている。
【0030】
同様に、右方脚回りシート部分6Rの切欠き6RCの縁は、右方脚回りシート部分6Rと前側部分4F、後側部分4B及び股部分4Cとの間の接合領域から離れている。したがって、右方脚回り開口1LRは右方脚回りシート部分6Rの伸長可能領域6REXによって囲まれている。
【0031】
また、脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rにはシワが形成されていない。すなわち、脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さが0.5mm以下である。
【0032】
シワの高さは、尾崎製作所社製、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定される。この場合、直径10mmの測定端子が用いられ、測定されるべき脚回りシート部分6L,6Rに2.8gf/cm2の荷重が印加される。脚回り開口1LL,1LR周りの脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さが10mmごとに測定される。これら測定値の平均値が脚回りシート部分6L,6Rのシワの高さとして算出される。
【0033】
本発明による第1実施例では、脚回り開口1LL,1LRの周長又は内径が着用者の脚の周長又は外径よりも小さくなるように、切欠き6LC,6RCないし凹部1DL,1DRが形成されている。
【0034】
着用時には、脚回り開口1LL,1LRに着用者の脚がそれぞれ通され、オムツ1が引き上げられる。この場合、脚回りシート部分6L,6Rの伸長可能領域6LEX,6REXは着用者の脚の形状に応じて伸長する。したがって、脚回りシート部分6L,6Rが着用者に密着する。
【0035】
しかも、左方脚回りシート部分6L及び右方脚回りシート部分6Rがリング状をなしているので、脚回りシート部分6L,6Rが着用者の脚の全周にわたって密着し続けることができる。その結果、一対の脚回り開口1LL,1LRからのモレを確実に抑制することができる。また、脚回りシート部分6L,6Rが前側部分4F及び後側部分4Bから分離するのを抑制することもできる。
【0036】
一方、上述したように、脚回りシート部分6L,6Rの伸度は前側部分4F及び後側部分4Bを構成するシートの伸度よりも高い。言い換えると、前側部分4F及び後側部分4Bは脚回りシート部分6L,6Rよりも伸長しにくい。したがって、脚回りシート部分6L,6Rが過度に伸張するのが抑制される。
【0037】
ここで、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOBの縦方向長さLLO(図1)、及び右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROBの縦方向長さLRO(図1)はそれぞれ、5mm以上であるのが好ましい。
【0038】
脚回りシート部分6L,6Rは少なくとも2方向、例えば互いに直交する2方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましく、例えば縦方向L及び横断方向Tに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。変更可能には、脚回りシート部分6L,6Rは一方向にのみ伸長性又は伸縮性を有してもよく、切欠き6LC,6RCが横断方向に延びる半楕円状の場合には、脚回りシート部分6L,6Rは横断方向Tに伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【0039】
更に、上述したように、脚回りシート部分6L,6Rにシワが設けられていない。また、脚回りシート部分6L,6Rは、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに非伸長状態又は低伸長状態でもって接合される。その結果、脚回りシート部分6L,6Rが線接触ではなく面接触の形で着用者に接するので、着用者に対する脚回りシート部分6L,6Rの密着性が高められる。
【0040】
このように、脚周り開口1LL,1LRからのモレが抑制されている。その結果、脚周りシート部分6L,6Rが液透過性を有している場合には、着用者の身体とオムツ1との間に形成される空間が尿を一時的に貯留する貯留空間として機能する。したがって、1回の排尿で多量の尿が排泄されたとしても、モレを確実に抑制することができる。なお、貯留空間内の尿は徐々に吸収体に吸収される。
【0041】
しかも、本発明による第1実施例では、例えば吸収体4CAの両側縁に沿いつつ立ち上がる防漏部材が設けられていない。その結果、貯留空間の容積が大きくなる。したがって、モレを更に確実に抑制することができる。
【0042】
本発明による第1実施例では、更に、脚回りシート部分6L,6Rの接合領域が縦方向及び横断方向にほぼ沿って形成される。具体的には、左方脚回りシート部分6Lの縦方向周縁領域6LF,6LBがそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに、横断方向Tにほぼ沿って接合され、左方脚回りシート部分6Lの内方側縁領域6LIが、股部分4Cの左方側縁領域4CLに、縦方向Lにほぼ沿って接合される。同様に、右方脚回りシート部分6Rの縦方向周縁領域6RF,6RBがそれぞれ、前側部分4Fの下縁領域4FB及び後側部分4Bの下縁領域4BBに、横断方向Tにほぼ沿って接合され、右方脚回りシート部分6Rの内方側縁領域6RIが、股部分4Cの右方側縁領域4CRに、縦方向Lにほぼ沿って接合される。このようにすると、展開状態におけるオムツ1の縦方向長さ及び横断方向長さを大幅に短くすることができ、したがってオムツ1の製造に必要な資材の量を大幅に低減することができる。このことを、図4を参照して説明する。
【0043】
図4に示される従来の使い捨てオムツ10は、外装体11、内装体12、外装体11に形成されて脚回り開口を形成するための切欠き13、脚回り開口に沿って外装体11に配置された弾性部材14を具備する。このオムツ10では、脚回り開口周りの外装体11が弾性部材14によって収縮され、着用者の脚に押し付けられる。オムツの製造時、弾性部材14は、サインカーブ状に振動されながら、搬送方向MDに搬送される外装体ウエブ上に供給される。このため、弾性部材14は弾性部材14a及び弾性部材14bから構成される。
【0044】
ところが、このように弾性部材14が供給される場合、弾性部材14の軌跡の曲率を急激に変動させることは困難であり、したがって弾性部材14は比較的緩やかなカーブに沿って、比較的大きな振幅でもって供給されることになる。このため、弾性部材14を受け取る外装体11は大きくならざるを得ない。
【0045】
これに対して、本発明による第1実施例では、このような弾性部材を必要としない。しかも、脚回りシート部分6L,6Rの接合領域が縦方向及び横断方向にほぼ沿って形成される。その結果、オムツ1の寸法を大幅に小さくすることができる。
【0046】
なお、左方脚回りシート部分6Lの外方側縁領域6LOF,6LOB同士の接合部、又は右方脚回りシート部分6Rの外方側縁領域6ROF,6ROB同士の接合部を破壊することにより、脚回り開口1LL,1LRの大きさを調節することもできる。この場合、上述の接合部の接合強度は、6N/25mmから40N/25mmが好ましく、8N/25mmから30N/25mmが更に好ましい。接合部の破壊による脚回り開口1LL,1LRの大きさの調節を可能にしつつ、オムツ1の使用時における接合部の意図しない破壊を阻止できるからである。
【0047】
図5(A)及び図5(B)は、切欠き6LC,6RCの別の実施例を示している。切欠き6LC,6RCはそれぞれ、図5(A)に示される例では縦方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。また、図5(B)に示される例では切欠き6LC,6RCはそれぞれ、スリットから構成される。
【0048】
図6(A)及び図6(B)に示されるように、切欠き6LC,6RCに換えて、切抜き6LCC,6RCCを脚回りシート部分6L,6Rに形成することもできる。図6(A)に示される例では、切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。図6(B)に示される例では切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、スリットから構成される。切抜き6LCC,6RCCを縦方向に細長くすることもできる。
【0049】
図5(A)に示される例では、脚回りシート部分6L,6Rは少なくとも縦方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。これに対し、図5(B),図6(A),図6(B)に示される例では、少なくとも横断方向に伸長性又は伸縮性を有するのが好ましい。
【0050】
切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCが図2、図5(B)、図6(A),図6(B)に示されるように横断方向に細長い場合には、脚回り開口1LL,1LRは着用者の大腿部に位置することができる。この場合、着用者の動きのある部位が締め付けられるのを抑制しつつ、オムツ1により着用者の体を広範囲で覆うことができる。
【0051】
一方、切欠き6LC,6RCが図5(A)に示されるように縦方向に細長い場合には、脚回り開口1LL,1LRは着用者の鼠径部に位置することができる。この場合、着用者の外観を簡素化することができる。
【0052】
いずれにしても、脚回り開口1LL,1LRが着用者の脚よりも小さく形成されているので、着用時に脚回りシート部分6L,6Rが着用者の脚に確実に密着することができる。
【0053】
次に、切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCの寸法について、図7を参照して説明する。本発明による第1実施例では、切欠き6LC,6RCの縦方向長さLNDがオムツ1の縦方向長さLN1の3分の1以下であり(LND≦(1/3)LN1)、かつ切欠き6LC,6RCの横断方向長さWDDがオムツ1の横断方向長さWD1の3分の1以下である(WDD≦(1/3)WD1)ように、切欠き6LC,6RCが形成される。
【0054】
このようにすると、オムツ1によって着用者の体を十分に覆いながら、脚回り開口1LL,1LRの大きさを小さくすることができる。したがって、脚回りシート部分6L,6Rを着用者の脚に確実に密着させることができる。
【0055】
このことは実験によっても確認されている。すなわち、子供用オムツ及び大人用オムツのように縦方向長さLN1及び横断方向長さWD1が互いに異なる複数のオムツについて、LND≦(1/3)LN1かつWDD≦(1/3)WD1であるオムツと、LND>(1/3)LN1又はWDD>(1/3)WD1であるオムツとを用意した。これらオムツについてモレの発生頻度を確認したところ、LND≦(1/3)LN1かつWDD≦(1/3)WD1であるオムツでは低いモレ発生頻度が得られた。これに対し、LND>(1/3)LN1又はWDD>(1/3)WD1であるオムツでは高いモレ発生頻度が得られた。
【0056】
切抜き6LCC,6RCCについても同様に寸法設定することができる。
【0057】
図8、図9及び図10は本発明による第2実施例を示している。図8、図9及び図10を参照すると、第2実施例では単一の脚回りシート6が設けられる。この脚回りシート6は、前側部分4F及び後側部分4Bとほぼ同じ横断方向長さを有する。
【0058】
脚回りシート6は、股部分4Cの一側において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Lに配置された左方脚回りシート部分6Lと、股部分4Cの他側において前側部分4Fと後側部分4Bとの間の間隙7Rに配置された右方脚回りシート部分6Rとを含む。これら脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、第1実施例と同様に、前側部分4F,後側部分4B及び股部分4Cに接合される。
【0059】
すなわち、本発明による第2実施例では、脚回りシート部分6L,6Rが単一の部材から構成される。これに対し、上述の第1実施例では、脚回りシート部分6L,6Rは互いに別の部材から構成される。
【0060】
特に図9に示されるように、脚回りシート部分6L,6Rはそれぞれ、切抜き6LCC,6RCCを有する。本発明による第2実施例では、切抜き6LCC,6RCCはそれぞれ、横断方向に延びる長軸を有する半楕円状をなしている。なお、脚回りシート部分6L,6Rに、縦方向に細長い切抜き6LCC,6RCCを形成してもよいし、切欠き6LC,6RCを形成してもよい。
【0061】
本発明による第2実施例のその他の構成及び作用は第1実施例の構成及び作用と同様である。
【0062】
図11及び図12は股部分4Cの一例を本発明による第1実施例に適用した場合を示している。なお、本例を本発明による第2実施例に適用することもできる。
【0063】
図11及び図12に示される例では、股部分4Cは、トップシート4CTSと、バックシート4CBSと、吸収体4CAとを備える。吸収体4CAは互いに接合されたトップシート4CTS及び被覆シート4CCによって覆われ、被覆シート4CCはバックシート4CBSに接合される。この場合、バックシート4CBSの幅は吸収体4CAの幅よりも大きく、したがってバックシート4CBSは吸収体4CAから横断方向T両側に延出している。脚周りシート部分6L,6Rはこれらの延出部分においてバックシート4CBSに接合される。なお、図11及び図12において、Aはホットメルト接着剤を示している。なお、図11及び図12において、Aはホットメルト接着剤を示している。
【0064】
これまで述べてきた実施例では、股部分4Cは前側部分4F及び後側部分4Bの弾性部材5F,5Bと重なっていない。しかしながら、股部分4Cが弾性部材5F,5Bの少なくとも一部と重なるように、股部分4Cを縦方向Lに延長し又は弾性部材5F,5Bを配置してもよい。この場合、股部分4Cは弾性部材5F,5Bの一方のみと重なっていてもよいし、両方と重なっていてもよい。
【0065】
また、これまで述べてきた実施例では、脚周りシート部分6L,6Rに切欠き6LC,6RC又は切抜き6LCC,6RCCが形成されている。しかしながら、脚周りシート部分6L,6Rに切欠き又は切抜きを設けなくてもよい。すなわち、オムツ1は展開時に、その両側縁1LE,1REからそれぞれ内方に向かう凹部1DL,1DRを有さなくてもよい。この場合、左方脚周りシート6Lの外方側縁領域のうち前側部分4F及び後側部分4Bにそれぞれ隣接する部分同士が互いに接合され、この外方側縁領域の縦方向中央部分は接合されず、したがって左方脚周りシート6Lの伸長可能領域6LEXにより囲まれた脚周り開口1Lが画定される。同様に、右方脚周りシート6Rの外方側縁領域のうち前側部分4F及び後側部分4Bにそれぞれ隣接する部分同士が互いに接合され、この外方側縁領域の縦方向中央部分は接合されず、したがって右方脚周りシート6Rの伸長可能領域6REXにより囲まれた脚周り開口1Rが画定される。
【符号の説明】
【0066】
1 使い捨てオムツ
1LL,1LR 脚回り開口
4F 前側部分
4B 後側部分
4C 股部分
6L,6R 脚回りシート部分
6LC,6RC 切欠き
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備えるパンツ型の使い捨てオムツであって、
前側部分と後側部分と股部分とを備え、
前側部分及び後側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、
股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて前側部分及び後側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、
脚回りシートは、股部分の一側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第1の脚回りシート部分と、股部分の他側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第2の脚回りシート部分とを含み、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、前側部分及び後側部分よりも伸度が高い材料から構成され、
第1の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、
第2の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ伸長可能領域を備え、一対の脚周り開口はそれぞれ、第1の脚回りシート部分の伸長可能領域及び第2の脚回りシート部分の伸長可能領域によって囲まれており、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない、
使い捨てオムツ。
【請求項2】
第1の脚回りシート部分の縦方向周縁領域がそれぞれ前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域に、横断方向にほぼ沿って接合され、第1の脚回りシート部分の内方側縁領域が股部分の側縁領域に、縦方向にほぼ沿って接合され、第2の脚回りシート部分の縦方向周縁領域がそれぞれ前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域に、横断方向にほぼ沿って接合され、第2の脚回りシート部分の内方側縁領域が股部分の側縁領域に、縦方向にほぼ沿って接合される、請求項1に記載の使い捨てオムツ。
【請求項3】
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口を形成するための切欠き又は切抜きを備え、
第1の脚回りシート部分の切欠き又は切抜きの縁は、第1の脚回りシート部分と前側部分、後側部分及び股部分との間の接合領域から離れており、
第2の脚回りシート部分の切欠き又は切抜きの縁は、第2の脚回りシート部分と前側部分、後側部分及び股部分との間の接合領域から離れている、
請求項1又は2に記載の使い捨てオムツ。
【請求項4】
前記切欠き又は切抜きが横断方向に細長い、請求項3に記載の使い捨てオムツ。
【請求項5】
前記切欠き又は切抜きの横断方向長さがオムツの横断方向長さの3分の1以下である、請求項3又は4に記載の使い捨てオムツ。
【請求項6】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、少なくとも2方向に伸長性を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項7】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、少なくとも2方向に伸縮性を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項8】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分が互いに別の部材から構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項9】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分が単一の部材から構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項1】
一つの胴回り開口及び一対の脚回り開口を備えるパンツ型の使い捨てオムツであって、
前側部分と後側部分と股部分とを備え、
前側部分及び後側部分はオムツ展開時に縦方向に互いに離間され、
股部分は横断方向中間位置を縦方向に延びて前側部分及び後側部分に接合され、
前記オムツは更に、伸長性又は伸縮性を有する脚回りシートを備え、
脚回りシートは、股部分の一側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第1の脚回りシート部分と、股部分の他側において前側部分と後側部分との間の間隙に配置された第2の脚回りシート部分とを含み、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、前側部分及び後側部分よりも伸度が高い材料から構成され、
第1の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の一側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、
第2の脚回りシート部分の縦方向両周縁領域及び内方側縁領域は股部分の他側においてそれぞれ、前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域並びに股部分の側縁領域に、非伸長状態又は低伸長状態でもって接合され、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ伸長可能領域を備え、一対の脚周り開口はそれぞれ、第1の脚回りシート部分の伸長可能領域及び第2の脚回りシート部分の伸長可能領域によって囲まれており、
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口周りにおいてシワを有していない、
使い捨てオムツ。
【請求項2】
第1の脚回りシート部分の縦方向周縁領域がそれぞれ前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域に、横断方向にほぼ沿って接合され、第1の脚回りシート部分の内方側縁領域が股部分の側縁領域に、縦方向にほぼ沿って接合され、第2の脚回りシート部分の縦方向周縁領域がそれぞれ前側部分の下縁領域及び後側部分の下縁領域に、横断方向にほぼ沿って接合され、第2の脚回りシート部分の内方側縁領域が股部分の側縁領域に、縦方向にほぼ沿って接合される、請求項1に記載の使い捨てオムツ。
【請求項3】
第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、脚回り開口を形成するための切欠き又は切抜きを備え、
第1の脚回りシート部分の切欠き又は切抜きの縁は、第1の脚回りシート部分と前側部分、後側部分及び股部分との間の接合領域から離れており、
第2の脚回りシート部分の切欠き又は切抜きの縁は、第2の脚回りシート部分と前側部分、後側部分及び股部分との間の接合領域から離れている、
請求項1又は2に記載の使い捨てオムツ。
【請求項4】
前記切欠き又は切抜きが横断方向に細長い、請求項3に記載の使い捨てオムツ。
【請求項5】
前記切欠き又は切抜きの横断方向長さがオムツの横断方向長さの3分の1以下である、請求項3又は4に記載の使い捨てオムツ。
【請求項6】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、少なくとも2方向に伸長性を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項7】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分はそれぞれ、少なくとも2方向に伸縮性を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項8】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分が互いに別の部材から構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【請求項9】
前記第1の脚回りシート部分及び第2の脚回りシート部分が単一の部材から構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の使い捨てオムツ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−213487(P2012−213487A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80354(P2011−80354)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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