説明

使い捨て着用物品

【課題】レッグ弾性体を着用者の鼠径部に沿って配置させることができ、かつ、ウエスト域を安定的に着用者の身体に密着させることのできる使い捨て着用物品の提供。
【解決手段】前後ウエスト域13,14のうちの少なくとも後ウエスト域14には横方向に伸縮可能な後ウエスト弾性体が配設されており、クロッチ域15には、縦方向へ延びる一対のレッグ弾性体51が配設されている。後ウエスト弾性体は、後ウエスト域14の外端縁18bに沿って直状に延びる後上方ウエスト弾性体38と、後ウエスト域の内端縁18a側に位置する後下方ウエスト弾性体37と含み、後下方ウエスト弾性体37は、後ウエスト域の前記横方向における中央部において縦方向の外方へ凸曲する中央部37Bを有し、後下方ウエスト弾性体37とレッグ弾性体51とが交差していない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て着用物品に関し、より詳しくは、ウエスト弾性体とレッグ弾性体とを有するパンツ型の使い捨ておむつ、使い捨てのトイレット・トレーニングパンツ、使い捨て失禁パンツ等の使い捨て着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエスト弾性体とレッグ弾性体とを有する使い捨て着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、弾性ウエストパネルと、弾性ウエストパネルの内面にその前後端部が固定された吸収シャーシと、前後ウエスト域において横方向へ収縮可能に配設されたウエスト弾性体と、クロッチ域において縦方向へ収縮可能に配設されたレッグ弾性体とを含む使い捨て着用物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−508082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発明に係る使い捨て着用物品は、ウエスト弾性体とレッグ弾性体とが配設されていることによって着用中におけるウエスト域の位置ずれ及び体液の横漏れを防止することができる。
【0005】
しかし、この種の使い捨ておむつ、すなわち、ウエスト弾性パネルに吸収シャーシが取り付けられた構成からなるおむつにおいて、横方向へ延びるウエスト弾性体と縦方向へ直状に延びるレッグ弾性体とが交差又は互いに近傍に位置する場合には、後ウエスト弾性体が収縮することによってレッグ弾性体がその収縮作用の影響を受けて内方へ引っ張られ、着用者の殿裂に食い込むような状態となる。その場合には、レッグ弾性体を着用者の鼠径部に沿って位置させることができず、臀部の一部が外部に露出して排泄物の横漏れを生じるおそれがあるとともに、クロッチ域の後ウエスト域側の部位が外方へ凸曲した形状となるので、見た目にも好ましくない。一方、かかる不利益を防止するために、後ウエスト弾性体の伸長力を低く設定する場合には、後ウエスト域が所定の位置で保持されず着用中に位置ずれを生じるおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、従来の使い捨て着用物品の改良であって、レッグ弾性体を着用者の鼠径部に沿って配置させることができ、かつ、後ウエスト域を安定的に着用者の身体に密着させることのできる使い捨て着用物品の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための、本発明は、縦方向及びそれに直交する横方向を有し、肌対向面及び非肌対向面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記前後ウエスト域を形成する環状の弾性ウエストパネルと、前記弾性ウエストパネルに取り付けられた吸収シャーシとを含む使い捨て着用物品を改良することにある。
【0008】
本発明に係る着用物品は、前記後ウエスト域には前記横方向Xに伸縮可能な後ウエスト弾性体が配設されており、前記クロッチ域の両側縁部には、前記縦方向へ延びるレッグ弾性体が配設されており、前記後ウエスト弾性体は、前記後ウエスト域の外端縁に沿って直状に延びる後上方ウエスト弾性体と、前記後ウエスト域の内端縁側に位置する後下方ウエスト弾性体とを含み、前記後下方ウエスト弾性体は、前記後ウエスト域の前記横方向における中央部において前記縦方向の外方へ凸曲する中央部を有し、前記後下方ウエスト弾性体と前記レッグ弾性体とが交差していないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の使い捨て着用物品によれば、後ウエスト域に配置された後下方ウエスト弾性体の中央部が縦方向の外方へ凸曲した形状を有することによって、レッグ弾性体と実質的に交差せず、レッグ弾性体が後下方ウエスト弾性体の収縮作用による影響を直接的に受けるおそれはない。したがって、後下方ウエスト弾性体が収縮することによってレッグ弾性体が横方向の内方へ引き寄せられてクロッチ域の一部が着用者の殿裂に食い込んで体液の漏れを生じたり、外観を損ねたりするおそれはない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る使い捨て着用物品の一例として示す、使い捨ておむつの斜視図。
【図2】おむつの一部破断展開図。
【図3】吸収シャーシの構成要素の一部を省略したおむつの展開平面図。
【図4】おむつの分解斜視図。
【図5】着用状態におけるおむつの側面図。
【図6】着用状態におけるおむつの背面図。
【図7】おむつの製造工程の一部を示す図。
【図8】おむつの他の実施例の一例を示す展開平面図。
【図9】おむつの他の実施例の一例を示す展開平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜4に示すとおり、おむつ10は、縦方向Y及びそれに直交する横方向Xを有し、肌対向面及びそれに対向する非肌対向面と、ウエスト回り方向へ延びる環状の弾性ウエストパネル11と、弾性ウエストパネル11の肌対向面側に取り付けられた吸収シャーシ12と、前ウエスト域13と、後ウエスト域14と、前後ウエスト域13,14間に位置するクロッチ域15とを含む。また、おむつ10は、縦軸P及び横軸Qを有し、縦軸Pに関して対称である。
【0012】
弾性ウエストパネル11は、弾性ベルト機能を有し、前ウエスト域13の一部を形成する前ウエストパネル17と、後ウエスト域14の一部を形成する後ウエストパネル18とを含む。前ウエストパネル17は、内端縁17aと、外端縁17bと、内端縁17aと外端縁17bとをつなぐ両側縁(前ウエスト域13の両側縁)17cとによって画定された横長方形状を有する。後ウエストパネル18は、内端縁18aと、外端縁18bと、外端縁18bから下方へ延びる外側縁(後ウエスト域14の両側縁)18cと、外側縁18cから内方へ斜めに延びる内側縁18dとによって画定された略台形状を有する。
【0013】
互いに対向する前ウエストパネル17の両側縁17cと後ウエストパネル18の外側縁18cどうしは、互いに重ね合わされ、縦方向Yへ間欠的に並ぶシーム部20において公知の手段、例えば、熱エンボス加工、ソニックなどによる各種の熱溶着手段によって連結され、ウエスト開口21と一対のレッグ開口22とが画定される。また、後ウエストパネル18のうちの内側縁18d間に形成された臀部フラップ19は、着用中に着用者の臀部を覆う可撓性を有する部分であって、臀部が外部に露出するのを防ぐとともに、横方向Xへ延びる弾性部材を配置した場合にはフリルのような形状を有し、おむつの外観を向上させることができる。
【0014】
前後ウエストパネル17,18は、それぞれ、肌対向面側に位置する内層シート23と、非肌対向面側に位置する外層シート24とを含む。
【0015】
前記内外層シート23,24は、質量約15〜30g/mのSMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、スパンボンド繊維不織布若しくはエアスルー繊維不織布、または、プラスチックシート、それらのラミネートシートなどを用いることができる。両シート23,24は、少なくとも一方の内面に塗布されたホットメルト接着剤又は前記熱溶着手段によって接合される。
【0016】
前ウエストパネル17の内外層シート23,24間には、ストリング状又はストランド状の複数条の前ウエスト弾性体28が横方向Xへ収縮可能に配設されている。よって、前ウエストパネル17は少なくとも横方向Xへ弾性化されている。
【0017】
前ウエストパネル17の外層シート24の非肌対向面側には、両側縁17c,17c間において横方向Xへ延びる伸縮性繊維不織布から形成された第1補助シート30が配置されている。第1補助シート30は、外層シート24よりも縦方向Yにおける寸法が小さく、その内外端縁30a,30bは前ウエストパネル17の内外端縁17a,17bよりも内方に位置している。
【0018】
前ウエスト弾性体28は、前ウエストパネル17の内端縁17aに沿って横方向Xへ直状に延びる複数条の前下方ウエスト弾性体31と、前ウエストパネル17の外端縁17bに沿って横方向Xへ直状に延びる複数条の前上方ウエスト弾性体32と、前上方ウエスト弾性体32と前下方ウエスト弾性体31との間において横方向Xへ直状に延びる複数条の前中間ウエスト弾性体33とを有する。前ウエスト弾性体28は、内層シート23と外層シート24との間に介在されてそれらシート23,24の内面に塗布されたホットメルト接着剤を介して固定されている。前ウエスト弾性体28には、太さ約400〜600dtex,伸長倍率約2.0〜3.0倍の弾性材料を用いることができる。
【0019】
後ウエストパネル18の内外層シート23,24間には、ストリング状又はストランド状の複数条の後ウエスト弾性体35が横方向Xへ収縮可能に配設されている。よって、後ウエストパネル18は少なくとも横方向Xへ弾性化されている。
【0020】
後ウエストパネル18の外層シート24の非肌対向面側には、両側縁18c,18c間において横方向Xへ延びる伸縮性繊維不織布から形成された第2補助シート36が配置されている。第2補助シート36は、外層シート24よりも縦方向Yにおける寸法が小さく、その内外端縁36a,36bは後ウエストパネル18の内外端縁18a,18bよりも内方に位置している。
【0021】
図3は、吸収シャーシ12の構成要素の一部を省略した図2と同様の展開平面である。図3では、吸収シャーシ12の外形と、吸収性コア45とレッグ弾性体51とを仮想線で示している。
【0022】
図3に示すとおり、後ウエスト弾性体35は、湾曲形状を有する複数条の後下方ウエスト弾性体37と、後ウエストパネル18の外端縁18bに沿って横方向Xへ直状に延びる複数条の後上方ウエスト弾性体38と、後上方ウエスト弾性体38と後下方ウエスト弾性体37との間において横方向Xへ直状に延びる複数条の後中間ウエスト弾性体39とを有する。後下方ウエスト弾性体37は、吸収シャーシ12の両側において横方向Xへ延びる両側部37A,37Aと、両側部37A間に位置し、縦方向Yの外方へ凸曲する中央部37Bとを有する。後中間ウエスト弾性体39と後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bとは、後ウエスト域14の中央部において実質的に互いに交差しており、交差部位(中央高弾性域)40が形成されている。また、後下方ウエスト弾性体37の両側部37Aは、その中央部37B側の部位が縦方向Yの内方へ凹曲した形状を有している。
【0023】
後ウエスト弾性体35は、内層シート23と外層シート24との間に介在されてそれらシート23,24の内面に塗布されたホットメルト接着剤を介して固定されている。後下方ウエスト弾性体37は他の後ウエスト弾性体38,39に比して伸長力が大きくなるように設定されており、具体的には、後上方ウエスト弾性体38と後中間ウエスト弾性体39とには、太さ約400〜600dtex,伸長倍率2.0〜3.0倍の弾性材料、後下方ウエスト弾性体37には、太さ約650〜850dtex、伸長倍率2.0〜3.0倍の弾性材料を用いることができる。
【0024】
本実施形態では、前後ウエスト弾性体28,35はストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されているが、後記の本願発明の効果を奏する限りにおいて、第1及び第2補助シート30,36と同様に伸縮性繊維不織布シートから形成されていてもよい。
【0025】
また、おむつ10の各種寸法について言えば、おむつ10の縦方向Yにおける寸法は約450〜500mm、前ウエスト域13の両側縁17cの縦方向Yにおける寸法(後ウエスト域14の両側縁18cの縦方向Yにおける寸法も同じ)L1は約100〜120mmであって、前ウエスト域13の内端縁17aから前下方ウエスト弾性体31の最外に位置する弾性部材31aまでの縦方向Yにおける離間寸法L2は約20〜30mm、前下方ウエスト弾性体31の弾性部材31aから前ウエスト域13の外端縁17bまでの縦方向Yにおける離間寸法L3は約80〜100mmである。また、後ウエスト域14の側縁18cの下端から後中間ウエスト弾性体39の最内の弾性部材39aまでの縦方向Yにおける離間寸法L4は約30〜50mm、後中間ウエスト弾性体39の縦方向Yにおける寸法L5は約20〜30mm、後中間ウエスト弾性体39の最外の弾性部材39bから後ウエスト域14の外側縁18bまでの縦方向Yにおける離間寸法L6は約20〜30mmである。なお、交差部位40の最外端(後下方ウエスト弾性体37の中央部37Aの最外端)40aは、ほぼ縦軸P上において後中間ウエスト弾性体39の弾性部材39bの近傍に位置している。
【0026】
図3に示すとおり、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bが縦方向Yの外方へ凸曲していることによって、後下方ウエスト弾性体37とレッグ弾性体51とは実質的に交差していない。一方、前下方ウエスト弾性体31は横方向Xに直状に延びる形状を有しているので、レッグ弾性体51と実質的に交差している。なお、本実施形態における、「弾性部材どうしが実質的に交差している」とは、弾性部材どうしの実質的に伸縮性を発現している部分が平面的及び立体的に互いに重なるように配置されていることを意味し、また、例えば、後ウエスト弾性体35とそれが固定された内層シート23又は外層シート24と、レッグ弾性体51が固定された被覆シート46とが互いに接合されて、互いのシート相互間においてそれらの弾性体の伸長力が及ぶことをいう。したがって、例えば、レッグ弾性体51のいわゆるカットバック処理によって存在する実質的に伸縮性を発現しない部分と後下方ウエスト弾性体37とが立体的に互いに重なる場合であっても、内外層シート23,24にはレッグ弾性体51の伸長力が及ばないので、本実施形態では、それらが実質的に交差しているとはいえない。
【0027】
第1及び第2補助シート30,36には、伸縮性繊維不織布を用いることができる。伸縮性繊維不織布としては、例えば、スパンボンド繊維不織布、メルトブローン繊維不織布、ヒートロール繊維不織布、SMS繊維不織布、エアレイド繊維不織布及びエアスルー繊維不織布など公知の繊維不織布を単独で又はそれらを組み合わせたものを用いることができる。また、伸縮性繊維不織布は、例えば、ポリスチレン系、ポリウレタン系等からなるエラストマー樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等からなる熱可塑性樹脂、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレートによる芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維などから構成される。本実施形態において、第1及び第2補助シート30,36は、横方向Xへ約1.5〜2.0倍に伸長された状態で、内外層シート23,24間に固定されている。
【0028】
本実施形態において、前後ウエストパネル17,18の非肌対向面に伸縮性繊維不織布から形成された第1及び第2補助シート30,36が配置されていることによって、前後ウエスト域13,14の全体に伸縮性が付与されるので、おむつ10全体を着用者の身体にフィットさせることができる。ただし、前後ウエスト弾性体28,35が所要の伸長応力を有し、かつ、後記の本願発明の効果を有する限りにおいて、第1及び第2補助シート30,36は、いずれか一方又はその両方が省略されていてもよい。
【0029】
図2及び3に示すとおり、吸収シャーシ12は、前後端部12E,12Fと、少なくともクロッチ域15において縦方向Yへ延びる吸収性コア45と、吸収性コア45の非肌対向面側の全体を覆う被覆シート46とを有する。吸収シャーシ12は、前後端縁12a,12bと両側縁12c,12dとによって画定された縦長の略矩形である。吸収性コ45の肌対向面側には、透液性の繊維不織布から形成された吸収性ライナー48が配置されている。
【0030】
吸収シャーシ12の前後端部12E、12Fは、それぞれ、前後ウエストパネル17,18の非肌対向面側に取り付けられ、前後ウエストパネル17,18と第1及び第2補助シート30,36との間に介在されている。このように、吸収シャーシ12の前後端部12E,12Fが第1及び第2補助シート30,36に被覆されていることによって、おむつ10の着用時において、前後端部12E,12Fに指を引っ掛けて吸収シャーシ12が弾性ウエストパネル11から取り外れるようなおそれはない。ただし、吸収シャーシ12の前後端部12E,12Fが弾性ウエストパネル11に安定的に固定されている限りにおいて、前後端部12E,12Fがそれぞれ前後ウエストパネル17,18の肌対向面に固定されていてもよい。
【0031】
吸収性コア45は、縦方向Yへほぼ矩形状に延びるパネル形状であって、全体が液拡散性のティッシュ等(図示せず)などで被包されている。被覆シート46は、吸収性コア45の周縁部から外方へ延出しており、該延出部どうしが互いに重ね合わされてホットメルト接着剤(図示せず)を介して接合されることによって、エンドフラップ49とサイドフラップ50とが形成される。また、吸収性コア46の存在領域における被覆シート46の下面には、不透液性のプラスチックフィルムから形成された防漏シート(図示せず)が配置されている。
【0032】
吸収性コア45は、フラッフパルプと、超吸収性ポリマー粒子(SAP)と、オプションとして含まれる熱溶着性ステープル繊維との混合から形成することができる。被覆シート46は、質量約10〜30g/mの疎水性のSMS繊維不織布、若しくは、質量約15〜30g/mのスパンボンド繊維不織布、またはプラスチックシート、それらのラミネートシートなどを用いることができる。
【0033】
吸収シャーシ12のサイドフラップ50には、縦方向Yへ延びるストリング状又はストランド状の複数条のレッグ弾性体51が縦方向Yへ伸縮可能に固定されている。サイドフラップ50を形成する被覆シート46の両側部は、その一部が内方へ向かって折り返されており、縦方向Yへ延びる一対のスリーブが形成されている。スリーブ内にはストリング状又はストランド状の複数条のカフ弾性体52がホットメルト接着剤を介して縦方向Yへ伸縮可能に固定されている。スリーブは、おむつ10の着用時においてカフ弾性体52の伸長力によって着用者の身体に向かって起立し、防漏壁を形成する。
【0034】
レッグ弾性体51及びカフ弾性体52には、太さ約300〜900dtex、伸長倍率が約2.2〜3.5倍の天然ゴム又は合成ゴムから作られた弾性材料を好適に用いることができる。本実施形態では、レッグ弾性体51は3本の弾性材料から形成され、カフ弾性体52は2本の弾性材料から形成されているが、単数又はそれらの本数よりも多い複数条の弾性材料から形成されていてもよい。
【0035】
なお、本実施形態においては、前後ウエストパネル17,18の内面に前後ウエスト弾性体28,35が配設されているが、前後ウエスト弾性体28,35の一部を第1及び第2補助シート30,36の内面に固定してもよい。例えば、前後ウエストパネル17,18を本実施形態よりも縦方向Yの寸法の大きな1枚のシート部材のみから形成し、その前後端部を折り返して固定することによって形成された上下折り返し部内に前後上方ウエスト弾性体32,38と前後下方ウエスト弾性体31,37とをそれぞれ配置して、第1及び第2補助シート30,36の内面に前後中間ウエスト弾性体33,39を配置してもよい。
【0036】
図5は、着用状態におけるおむつ10の側面図、図6は、着用状態におけるおむつ10の背面図である。説明の便宜上、着用者の身体を仮想線で示し、前後ウエスト弾性体28,35とレッグ弾性体51とを破線で示している。
【0037】
図5及び6に示すとおり、後ウエスト域14において、レッグ弾性体51は後下方ウエスト弾性体37と実質的に交差していない。通常、レッグ弾性体51と後ウエスト弾性体35の一部とが実質的に交差する場合には、後ウエスト弾性体35が収縮することによってレッグ弾性体51がおむつ10の内方へ引き寄せられ、レッグ開口縁部が着用者の殿裂に食い込むおそれがある。かかる場合には、着用者に不快感を与えるのみならず、排泄物の漏れを生じるおそれがあり、また、後ウエスト域14の一部が外方へ凸曲状に膨らんで臀部の一部が露出するので見た目にも好ましくない。本実施形態のおむつ10では、後ウエスト域14の横方向Xの中央部において、後下方ウエスト弾性体37が縦方向Yの外方へ向かって凸曲していることから、レッグ弾性体51と後下方ウエスト弾性体37とが所与寸法離間しており、レッグ弾性体51が後ウエスト弾性体35の収縮作用による影響を受けず、横方向Xの内方へ引き寄せられてかかる不利益を生じるおそれはない。
【0038】
また、交差部位40では後下方ウエスト弾性体37と後中間弾性体39とが交差して他の領域よりも高い弾性領域が形成されており、後下方ウエスト弾性体37が収縮するときに両側部37Aが中央部37Bに向かって収縮し、全体として湾曲状ではなく横方向Xに直線状になるように収縮力が作用する。それにより、クロッチ域15のレッグ開口縁部は下方に押し下げられて、着用者の殿裂への食い込みが阻止される。
【0039】
具体的には、前記のとおり、レッグ弾性体51と後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bとは、縦方向Yにおいて約20〜50mm離間している。なお、かかる離間寸法L7が、20mm以下の場合には、レッグ弾性体51が後下方ウエスト弾性体37の収縮作用による影響を受けて、内方へ引き寄せられるおそれがある。一方、離間寸法L7が50mm以上の場合には、レッグ弾性体51と後ウエスト弾性体37との間にそれらの収縮力が作用しない領域が比較的に広い範囲において形成されるので、該部位において後ウエスト域14が着用者の身体から離間し易くなり、フィット感が低下し、かつ、排泄物の漏れの原因ともなり得る。
【0040】
前ウエスト域13では、前下方ウエスト弾性体31が横方向Xへ直状に延びていることによって、レッグ弾性体51と実質的に交差している。このように、前ウエスト域13では、レッグ弾性体51と前ウエスト弾性体28とが実質的に交差していることによって、おむつ10の着用時において、前ウエスト域13が引き上げられた際に、レッグ弾性体51もそれとともに引き上げられて、レッグ開口部を着用者の鼠径部にフィットさせることができる。また、おむつ10の着用者が乳幼児の場合には、成人に比べて腹部と臀部とが外方に膨らんだような体型であるところ、前下方ウエスト弾性体31は横方向Xへ直状に延びていることから、着用者の臍から下方に位置する下腹部に当接しているので、それが後下方ウエスト弾性体37のように上方へ凸曲して腹部の中央及び上方側に当接する場合に比して圧迫感を与えることはない。
【0041】
一方、後ウエスト域14では、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bは外方へ凸曲する形状を有し、交差部位40は、着用者の臀部の上方に位置する、腰部の括れた部位と対向している。該部位は、腹部と臀部とに比べて動きが少なく、かつ、平らであるので後ウエスト域14の一部を身体に安定的に密着させることができる。また、該部位は、括れ形状を有しているので、後ウエスト域14と身体との間に隙間が形成され易いといえるが、後ウエスト域14の他の領域に比して高い伸長応力を有する交差部位40を腰部に配置することによって、後ウエスト域14をより安定的に着用者の身体に密着させることができる。なお、交差部位40では、前記のとおり、後中間ウエスト弾性体39と後下方ウエスト弾性体37とが交差することによって他の領域比べて伸長応力が高くなっているといえるが、たとえ他の領域とその伸長応力において大きな差異がないとしても、弾性材料が局所的に配置されることによって他の領域に比して高剛性であって、それにより着用者の身体に密着させることができるといえる。
【0042】
また、後ウエスト域14では、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bが外方へ凸曲した湾曲形状を有していることから、吸収性コア45と実質的に交差していない。後下方ウエスト弾性体37の一部が吸収性コア45と実質的に交差する場合には、その収縮力が吸収性コア45に作用して、吸収性コアの一部に皺が寄ったり段差が生じたりして、その吸収性能が著しく低下するおそれがあるが、本実施形態の場合には、後下方ウエスト弾性体37の収縮力が吸収性コア45に直接作用することはないので、かかる不利益を生じるおそれはない。
【0043】
さらに、後ウエスト域14では、吸収性コア45の後端縁45bが後下方ウエスト弾性体37の両側部37Aの下端縁60よりも上方に位置している。したがって、着用時におむつ10の両側部を手で掴んで引き上げる際に、両側部37Aとともに吸収性コア45の後端部が引き上げられるので、吸収性コア45の後端部を着用者の臀部の下方部位にフィットさせることができる。また、このように吸収性コア45の後端部の両側に両側部37Aが位置することによって、吸収性コア45は、体液を吸収した後であっても、大きく位置ずれするおそれはない。なお、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bが外方へ凸曲することによるこれらの効果を奏するために、交差部位40の最上端40aはおむつ10の両側縁部の縦方向Yにおける寸法を2等分する中央ライン65(図5において仮想線で示す)よりも上方に位置していることが好ましい。
【0044】
本実施形態においては、オプションとして、伸縮性繊維不織布から形成された第1及び第2補助シート30,36が前後ウエスト域13,14に配置されているので、前後ウエスト弾性体28,35の伸長力を比較的に低く設定しても、前後ウエスト域13,14において所望のフィット性を付与することができる。したがって、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成された前後ウエスト弾性体28,35によって局所的に肌を圧迫することによるゴム痕が肌に付くおそれはない。
【0045】
前後ウエスト域13,14全体の伸長応力については、具体的には、前ウエスト域13の伸長率150%での伸長応力は6.1N/120mm、後ウエスト域14の伸長率150%での伸長応力は、5.1N/120mmである。
【0046】
<前後ウエスト域13,14の伸長応力の測定方法>
前後ウエスト域13,14の所定幅における伸長応力は、引張試験機(島津製作所株式会社製オートグラフ試験機、品番:AG−X10plus)を用いて下記の方法によって測定することができる。具体的には、まず、おむつ10の両側縁部のシーム部20を剥離して前後ウエストパネル17,18を分離する。次に、前ウエスト域13の伸長応力を測定する場合には、前ウエストパネル17の両側縁部をそれぞれ引張試験機のチャックに装填し(チャック間の離間寸法は約120mm、前後ウエスト域13、14の横方向Xの寸法は約200mm)、移動速度100mm/min,反転距離をその150%伸長時の長さ(約300mm)にした2サイクル試験を行う。かかる測定を後ウエストパネル18についても同様に行い、それぞれ、前後ウエスト域13,14の150%伸張時の伸長応力とする。
【0047】
なお、本実施形態のおむつ10と異なり、前後ウエスト域13,14とクロッチ域15とが一連のシート部材から形成され、かつ、レッグ弾性体51がレッグ開口縁部に沿った湾曲状を有する場合には、その構成上、レッグ弾性体51が後ウエスト弾性体35から離間するので、後ウエスト弾性体35の収縮によってレッグ弾性体51が内方へ引き寄せられることによる不利益を生じるおそれはない。したがって、本実施形態における課題及びそれによる効果は、弾性ウエストパネル11と吸収シャーシ12とが別体からなる構成を有するおむつ10について特に生じ得るものといえる。
【0048】
図7は、おむつ10の製造工程の一部を示す図であって、具体的には、外層シート24の素材である繊維不織布シートから形成された連続ウエブ70に後ウエスト弾性体35に相当する各連続弾性部材71,72,73を配設する工程を示すものである。ただし、かかる製造工程は一例であって、他の方法によって外層シート24に後ウエスト弾性体35を配設してもよい。
【0049】
図7に示すとおり、機械方向MDに搬送される連続ウエブ70は、第1及び第2側縁70a,70bを有する。第1側縁70aの近傍には、機械方向MDに直状に延びる、上方後ウエスト弾性体38に相当する第1連続弾性部材71が配設される。また、第1連続弾性部材71の第2側縁70b側には、第1連続弾性部材71と並行して機械方向MDに延びる、後中間ウエスト弾性体39に相当する第2連続弾性部材72が配設される。さらに、連続ウエブ70には、機械方向MDと直交する交差方向CDに揺動する揺動ガイドを備えたトラバース手段(図示せず)によって、後下方ウエスト弾性体37に相当する第3連続弾性部材73が配設される。
【0050】
第3連続弾性部材73は、トラバース手段によって交差方向CDに振幅を繰り返してなるサインカーブ状の軌跡を描き、連続ウエブ70上に配置される。このように、一定の振幅によって第3連続弾性部材73は配置されるので、機械方向MDにおいて隣り合う山部75と谷部76とはほぼ同一の湾曲度合いを有するものである。連続ウエブ70を切断ライン78に沿って切断することによって、後ウエスト弾性体35が固定された状態における外層シート24を形成することができる。また、このように形成した外層シート24に内面シート23を重ね併せて互いに接合してパネル部材を形成し、パネル部材の一方側縁側の両端を切断することによって、略台形状を有する後ウエストパネル18を形成することができる。
【0051】
かかる工程によって後ウエスト弾性体37を外層シート24に配設することができ、第3連続弾性部材73の山部75が後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bに対応するものであって、谷部76が両側部37Bに対応するものとなる。したがって、後ウエスト弾性体35の両側部37Aは、中央部37B側の部位が内方へ凹曲した形状を有しており、両側部37Aと中央部37Bとは、ほぼ同じ湾曲度合いを有している。また、かかる工程によれば、第1〜3連続弾性部材71,72,73を同一の工程、装置によって配置することができ、かつ、第3連続部材73の軌跡を変えることによって、他の連続弾性部材と実質的に交差させて局所的に他の領域に比して伸長応力の高い高弾性域を形成することができるので、他の工程において他の弾性材料を配置することによってかかる高弾性域を形成する場合に比して、製造工程が簡易であるといえる。なお、各連続弾性部材71,72,73は、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されたものであって、その形状、伸長倍率、本数等は、所望の伸長力に合せて、自由に設定変更することができる。
【0052】
図8は、おむつの他の実施例の一例を示す、図3と同様の展開平面図である。なお、おむつ10の基本的な構成については本実施形態と同様であるので、相違する点についてのみ以下に述べる。
【0053】
本実施例では、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bと両側部37Aとの湾曲度合いが異なるものであって、中央部37Bが両側部37Aに比べて緩やかにかつ大きくカーブしている。かかる形態では、交差部位40がより広範囲に形成されるので、後ウエスト域14を着用者の腰部により安定的に密着させることができる。なお、第1及び第2実施形態の他に、例えば、図7に示す製造工程において第3連続弾性部材73の振幅度合いを調整することによって、後下方ウエスト弾性体37の中央部37Bを両側部37Aのそれに比して小さくかつ急なカーブ形状とすることもできるが、その場合には、交差部位40がより小さくなり、後ウエスト域14の中央部を着用者の腰部に面状にフィットさせることができず、着用中に後ウエスト域14の位置ずれを生じるおそれがある。
【0054】
図9は、おむつ10のさらに他の実施例の一例を示す、図3と同様の平面図である。なお、おむつ10の基本的な構成については本実施形態と同様であるので、相違する点についてのみ以下に述べる。
【0055】
本実施例では、前ウエストパネル17において、内層シート23が伸縮性繊維不織布から形成されており、外層シート24が非伸縮性繊維不織布から形成されている。外層シート24は、内層シート23よりも縦方向Y
における寸法が大きく、外層シート24のうちの、内層シート23の外端縁からさらに外方へ延出する部位を内方へ折り返して固定することによって形成された折り返し部80内に前上方ウエスト弾性体32が固定されている。このように、ストリング状又はストランド状の弾性材料からなる前下方ウエスト弾性体31と前中間弾性体33とを配設しないことによって、前ウエスト域13の中央部及び下方側を着用者の身体に対してよりソフトにフィットさせることができるので、着用者の腹部に圧迫痕を付くのを防止するとともに、着用者の腹部に対する圧迫感を軽減することができる。なお、内層シート23には、第1及び2補助シート30,36と同様の伸縮性繊維不織布を使用することができる。また、内外層シート23,24を伸縮性繊維不織布で形成することによって、前ウエスト域13全体に伸縮性を付与することもできるが、伸縮性繊維不織布から形成された内層シート23と非伸縮性繊維不織布から形成された外層シート24とを積層することによって、伸縮性繊維不織布どうしを積層して形成した場合に比して、所要の引張強度を確保でき、使用時のシートの破れ等を防止することができるとともに、シートの毛羽立ちを抑制することができる。
【0056】
本発明の使い捨ておむつを構成する各構成部材には、本明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種の公知の材料を制限なく用いることができる、また、本発明の明細書及び特許請求の範囲において、「第1」および「第2」の用語は、同様の要素、位置などを単に区別するために用いられている。
【0057】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0058】
縦方向Y及びそれに直交する横方向Xを有し、肌対向面及び非肌対向面と、前ウエスト域13と、後ウエスト域14と、前記前後ウエスト域13,14間に位置するクロッチ域15と、前記前後ウエスト域13,14を形成する環状の弾性ウエストパネル11と、前記弾性ウエストパネル11に取り付けられた吸収シャーシ12とを含む使い捨て着用物品10において、前記後ウエスト域14にはストリング状又はストランド状の後ウエスト弾性体35が配設されており、前記クロッチ域15の両側縁部には、前記縦方向Yへ延びるレッグ弾性体51が配設されており、前記後ウエスト弾性体35は、前記後ウエスト域14の外端縁18bに沿って直状に延びる後上方ウエスト弾性体38と、前記後ウエスト域14の内端縁18a側に位置する後下方ウエスト弾性体37とを含み、前記後下方ウエスト弾性体37は、前記後ウエスト域14の前記横方向Xにおける中央部において前記縦方向Yの外方へ凸曲する中央部37Bを有し、前記後下方ウエスト弾性体37と前記レッグ弾性体51とが交差していないことを特徴とする前記着用物品10。
【0059】
上記段落0058に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1)前記後ウエスト弾性体35は、前記後上方ウエスト弾性体38と前記後下方ウエスト弾性体37との間において前記横方向Xへ直状に延びる後中間ウエスト弾性体39とをさらに含み、前記後下方ウエスト弾性体37の前記中央部37Bが前記後中間ウエスト弾性体39と交差する態様。
(2)前記前ウエスト域13には、前記横方向Xへ延びるストリング状又はストランド状の前ウエスト弾性体28が配設されており、前記レッグ弾性体51は前記前ウエスト弾性体28と交差している態様。
(3)前記前後ウエスト域13,14のうちの少なくとも一方には、少なくとも前記横方向Xに伸縮可能な補助シート30,36が配置されている態様。
(4)前記後下方ウエスト弾性体37は、前記中央部37B側の部位が縦方向の内方へ凹曲する両側部37Aを有しており、前記中央部37Bの湾曲度合いと前記両側部37Aの湾曲度合いとがほぼ同等である態様。
(5)前記後下方ウエスト弾性体37は、前記中央部37B側の部位が縦方向の内方へ凹曲する両側部37Aを有し、前記中央部37Bの湾曲度合いが前記両側部37Aの湾曲度合いよりも大きくなっている態様。
(6)前記前後ウエスト弾性体28,35は、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されている態様。
(7)前記前ウエスト域13は、伸縮性繊維不織布から形成された内層シート23と、非伸縮性繊維不織布から形成された外層シート24とを含む態様。
【符号の説明】
【0060】
10 使い捨て着用物品(使い捨ておむつ)
11 弾性ウエストパネル
12 吸収シャーシ
13 前ウエスト域
14 後ウエスト域
15 クロッチ域
18a 後ウエスト域の内端縁(後ウエストパネルの内端縁)
18b 後ウエスト域の外端縁(後ウエストパネルの外端縁)
30 第1補助シート
35 後ウエスト弾性体
36 第2補助シート
37 後下方ウエスト弾性体
37A 後下方ウエスト弾性体の両側部
37B 後下方ウエスト弾性体の中央部
38 後上方ウエスト弾性体
39 後中間ウエスト弾性体
51 レッグ弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向及びそれに直交する横方向を有し、肌対向面及び非肌対向面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域間に位置するクロッチ域と、前記前後ウエスト域を形成する環状の弾性ウエストパネルと、前記弾性ウエストパネルに取り付けられた吸収シャーシとを含む使い捨て着用物品において、
前記後ウエスト域には前記横方向に伸縮可能な後ウエスト弾性体が配設されており、
前記クロッチ域の両側縁部には、前記縦方向へ延びるレッグ弾性体が配設されており、
前記後ウエスト弾性体は、前記後ウエスト域の外端縁に沿って直状に延びる後上方ウエスト弾性体と、前記後ウエスト域の内端縁側に位置する後下方ウエスト弾性体とを含み、
前記後下方ウエスト弾性体は、前記後ウエスト域の前記横方向における中央部において前記縦方向の外方へ凸曲する中央部を有し、前記後下方ウエスト弾性体と前記レッグ弾性体とが交差していないことを特徴とする前記着用物品。
【請求項2】
前記後ウエスト弾性体は、前記後上方ウエスト弾性体と前記後下方ウエスト弾性体との間において前記横方向へ直状に延びる後中間ウエスト弾性体とをさらに含み、前記後下方ウエスト弾性体の前記中央部が前記後中間ウエスト弾性体と交差する請求項1に記載の着用物品。
【請求項3】
前記前ウエスト域には、前記横方向へ延びる前ウエスト弾性体が配設されており、前記レッグ弾性体は前記前ウエスト弾性体と交差している請求項1に記載の着用物品。
【請求項4】
前記前後ウエスト域のうちの少なくとも一方には、少なくとも前記横方向に伸縮可能な補助シートが配置されている請求項1に記載の着用物品。
【請求項5】
前記後下方ウエスト弾性体は、前記中央部側の部位が前記縦方向の内方へ凹曲する両側部を有しており、前記中央部の湾曲度合いと前記両側部の湾曲度合いとがほぼ同等である請求項1に記載の着用物品。
【請求項6】
前記後下方ウエスト弾性体は、前記中央部側の部位が前記縦方向の内方へ凹曲する両側部を有し、前記中央部の湾曲度合いが前記両側部の湾曲度合いよりも大きい請求項1に記載の着用物品。
【請求項7】
前記前後ウエスト弾性体は、ストリング状又はストランド状の弾性材料から形成されている請求項1に記載の着用物品。
【請求項8】
前記前ウエスト域は、伸縮性繊維不織布から形成された内層シートと、非伸縮性繊維不織布から形成された外層シートとを含む請求項1に記載の着用物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−31535(P2013−31535A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168791(P2011−168791)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】