説明

使い捨て着用物品

【課題】着用者のウエストに適度に密着可能な使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】おむつ1を構成するシャーシ10の後ウエスト域12には、その両側縁16に一対のサイドパネル70が取り付けられる。サイドパネル70は、第1シート71と、第2シート72と、これらシートの間に取り付けられたサイドパネル弾性体73と、第1および第2シート71,72をシャーシ10に接合する連結シート74と、第1シート71に接合されるタブシート76とを有する。タブシート76の身体側には、フック要素77が固定されている。第1および第2シート71,72の間に、サイドパネル弾性体73が取り付けられ伸縮領域78が形成される。伸縮領域78の横方向X両外側には、弾性的に伸縮しない内外非伸縮領域79a,79bが形成される。伸縮領域78の最大伸長時における寸法B2は、収縮時における寸法B1に比較して約10〜40の伸び率を有する。サイドパネル70の横方向Xにおける伸張応力は、約1〜5N/50mmとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨て着用物品に関し、より詳しくは、前後ウエスト域をファスニングテープで連結して用いることができる大人用使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前後ウエスト域をファスニングテープで連結して用いる着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、後ウエスト域にフック部材が取り付けられたフラップが形成され、フック部材を前ウエスト域の外面シートに連結することによって、環状のウエスト開口が形成される使い捨ておむつが開示されている。フラップは、弾性部材が取り付けられることによって、横方向に伸縮可能に弾性化されている。フラップを弾性化することによって、おむつを着用者のウエストに密着させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−183364号公報(JP2009−183364A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような特許文献1において、使用者によってフラップを引っ張る力が異なるから、引っ張られた後のフラップの長さや伸縮力が異なる。したがって、同じサイズのおむつを着用する場合であっても、フラップを引っ張る力によって、着用者に対してウエスト開口が緩かったり、引き締まりまたは窮屈になりすぎたりする可能性がある。
【0005】
この発明では、ウエスト域、特にウエスト開口近傍が、着用者のウエストに適度に密着可能な使い捨て着用物品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、縦方向および横方向を有し、肌対向面およびその反対側である非肌対向面と、前後ウエスト域と、これら前後ウエスト域のいずれか一方である第1ウエスト域と、いずれか他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第1および第2ウエスト域を互いに連結するファスニング手段とを有し、前記ファスニング手段は、前記第1ウエスト域の前記非肌対向面に位置する第1連結要素と、前記第1連結要素に付着可能な第2連結要素とを有し、前記第2連結要素は、前記第2ウエスト域から前記横方向に延びるサイドパネルに取り付けられ、前記サイドパネルは、前記横方向に弾性的に伸縮可能にされている使い捨て着用物品の改良にかかわる。
この発明は、前記使い捨て着用物品において、前記サイドパネルは、少なくとも前記横方向に伸縮可能な伸縮領域と、前記伸縮領域の前記横方向両外側に位置する非伸縮領域とを備えるとともに、前記伸縮領域の最大伸長時の前記横方向における寸法の伸長率が、前記伸縮領域の収縮時の前記横方向における寸法に対して、10〜40%であるとともに、前記横方向における伸張応力が1〜5N/50mmであることを特徴とする。
【0007】
「最大伸長時」とは、サイドパネルを伸縮領域の伸縮力に抗して横方向に引っ張ったときに、伸縮領域が延びきって、それ以上伸びない状態のときのことをいい、いわゆる伸び止まりのことである。なお、サイドパネルが破断されるまで伸長させることを含まない。
【発明の効果】
【0008】
この発明の特にそのひとつ以上の実施態様によれば、着用物品のシャーシの両側縁から延びるサイドパネルに第2連結要素が取り付けられ、サイドパネルの伸長率が10〜40%であり、かつ、横方向における伸張応力が1〜5N/50mmであるので、サイドパネルを横方向に引っ張ったときに、それ以上引っ張ることができなくなる伸び止まりを、引っ張り始めてから比較的早く、しかも、軽い力で得られることができる。第2連結要素は、サイドパネルを伸び止まりまで引っ張って、第1連結要素に付着することができるので、窮屈になりすぎたり、緩すぎたりすることなく、着用者のウエストに適度に着用物品を密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】使い捨て着用物品の一実施形態である使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図。
【図2】展開したおむつの肌対向面から見た平面図。
【図3】おむつの分解斜視図。
【図4】図2のIV−IV線端面図。
【図5】(a)サイドパネルの収縮状態を示す図。 (b)サイドパネルの伸長状態を示す図。
【図6】サイドパネルの引張強度を示す表。
【図7】他の実施態様の使い捨ておむつを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、この発明にかかる使い捨て着用物品の一例として示す、使い捨ておむつの前後ウエスト域を連結したときの斜視図、図2は展開したおむつの肌対向面から見た平面図、図3はおむつの分解斜視図、図4は図2のIV−IV線端面図、図5(a)はサイドパネルの収縮状態を示す図、図5(b)はサイドパネルの伸長状態を示す図である。図2〜4において、各弾性体は、その収縮力に抗して伸長させた状態で示している。この実施形態において、おむつ1は、特に大人に好適に用いることができ、例えば寝たきりの人や、車椅子を使用している人など、排泄に介助が必要な人に対して用いることができる。
【0011】
図1に示したように、おむつ1は、縦方向Yおよび横方向Xを有し、前ウエスト域11および後ウエスト域12、これら前後ウエスト域11,12間に位置するクロッチ域13と、横方向Xに延びる前後端縁14,15と、縦方向Yに延びる両側縁16とを有する。おむつ1は、後ウエスト域12に備えるファスニングシステムのフック要素77を前ウエスト域11に連結することによって、ウエスト開口を形成するとともに、おむつ1を身体に固定することができる。
【0012】
図2に示したように、おむつ1は、横方向Xにおける寸法を二等分する仮想縦中心線P−Pを有し、仮想縦中心線P−Pにおいてほぼ対称にされている。対称にされた同様の構成要素については、図面においてその一部の符号を省略している。
【0013】
図2〜4に示したように、おむつ1は、肌対向面に位置する透液性の表面シート20と、その反対側である非肌対向面(着衣側)に位置する裏面シート30と、これら表裏面シート20,30の間に位置する体液の吸収体40と、吸収体40および裏面シート30の間に位置する難透液性または不透液性の防漏シート50とを含む。表面シート20の肌対向面には、横方向Xに離間し縦方向Yへ延びる一対の封じ込めシート60が配置されている。表面シート20と裏面シート30は、実施形態にかかるおむつのシャーシ10を形成している。
【0014】
表面シート20としては、例えば、質量約15〜35g/m、好ましくは約18〜23g/mの親水性スパンボンド繊維不織布またはポイントボンド繊維不織布を用いることができる。裏面シート30としては、例えば、質量約10〜30g/mのスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド(以下SMSとする)繊維不織またはスパンボンド繊維不織布を用いることができる。
【0015】
封じ込めシート60としては、例えば、質量約10〜30g/mのSMS繊維不織布を用いることができる。封じ込めシート60の前後端縁61,62は、表面シート20の前後端縁21,22と一致するように重ね合わせられ、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって互いに接合されている。封じ込めシート60の近位縁部63は、裏面シート30の両側縁部33に重なり、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって互いに接合されている。封じ込めシート60の遠位縁部64は、おむつ1の縦方向Yへ伸展状態では、表面シート20に重なっている。遠位縁部64には、縦方向Yに延びる弾性体65が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。この弾性体65の収縮によって、遠位縁部64が表面シート20から着用者の肌側へ離間してその肌に密着し、大便等の排泄物が封じ込めシート60の内側に封じ込められる。
【0016】
吸収体40は、少なくともクロッチ域13に位置していればその機能を奏するが、この実施形態では、クロッチ域13から前後ウエスト域11,12へと延出して、比較的広範囲で尿等の排泄物を吸収することができるようにしてある。吸収体40は、吸液性の芯材をティッシュペーパ等の液拡散性の被覆シートで覆うことによって形成されている。芯材として木材フラッフパルプ、高吸収性ポリマー粒子、またはこれらの混合物を用いることができる。芯材と被覆シートとは、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて互いに接合することができる。
【0017】
吸収体40と裏面シート30との間に配置されている防漏シート50は、難透液性、好ましくは、不透液性かつ通気性のプラスチックフィルムを用いることができる。防漏シート50は吸収体40よりもその面積が大きくされている。したがって、吸収体40で吸収された尿等の排泄物がおむつ1の外側に漏れるのを防止することができる。防漏シート50は、吸収体40の被覆シートと裏面シート30との間において、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いて接合することができる。
【0018】
防漏シート50の裏面シート30に対向する面とは反対側の面には、レッグ弾性体51が取り付けられている。レッグ弾性体51は、防漏シート50と封じ込めシート60との間において、少なくともいずれか一方に図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって接合されている。レッグ弾性体51は、クロッチ域13において、両側縁16に沿って縦方向Yに延びるとともに、前ウエスト域11側に位置する第1端縁51aは、前ウエスト域11にまで延在し、後ウエスト域12側に位置する第2端縁51bは、後ウエスト域12にまで延在し、縦方向Yに伸長状態で収縮可能に取り付けられている。レッグ弾性体51としては、複数本のストリング状またはストランド状の弾性体を用いることができる。
【0019】
シャーシ10の後ウエスト域12には、その両側縁16に一対のサイドパネル70が取り付けられている。サイドパネル70は、肌対向面に位置する第1シート71と、非肌対向面に位置する第2シート72と、これらシートの間に取り付けられた複数条のサイドパネル弾性体73とを含む。第1および第2シート71,72の内側縁71a,72aは、連結シート74を介してシャーシ10に接合されている。具体的には、第2シート72の内側縁72aは、連結シート74の一方の端部に接合され、連結シート74の他方の端部は、第2シート72に対向する面と反対の面が裏面シート30に接合されている。第1および第2シート71,72の外側縁71b,72bは、基材シート75とタブシート76との間において接合される。タブシート76の身体側には、フック要素77が固定されている。タブシート76とフック要素77との固定、または、各シート間における接合には、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段を用いることができる。
【0020】
第1および第2シート71,72は、ほぼ同形同大であり、例えば、質量約10〜30g/mのSMS繊維不織布を用いることができ、図示しないホットメルト接着剤等の公知の接合手段によって互いに接合されている。これら第1および第2シート71,72は、実質的に非伸長性の繊維不織布である。「実質的に非伸長性」とは、弾性的な伸縮性を有することなく、おむつ1の使用において、少なくとも横方向Xに通常の力で引っ張っても、おむつ1の着用時におけるウエスト開口の周り寸法の設定を左右するような寸法に変化を与えないものをいう。ちなみに、前記通常の力で不織布の繊維の絡みが僅かに解けて非弾性的に僅かに伸長することがあったとしても、これは実質的に非弾性の範囲に入るものとする。前記寸法設定を左右しないからである。
【0021】
第1および第2シート71,72の少なくともいずれか一方に、複数条のサイドパネル弾性体73が取り付けられている。サイドパネル弾性体73は、横方向Xにおいて伸長状態で収縮可能に、かつ、縦方向Yに離間して取り付けられる。このようにサイドパネル弾性体73を取り付けることによって、横方向Xに弾性的に伸縮可能な伸縮領域78が形成されている。伸縮領域78は、具体的には、サイドパネル弾性体73が伸縮可能な領域であって、その両端において、例えば、その取り付け工程においてカットバック等されている場合には、伸縮力が発揮されない両端部分を含まない。サイドパネル弾性体73としては、例えば、太さが約470〜700dtexのストリング状またはストランド状の弾性体を用いることができ、これら弾性体は、横方向Xに約2〜3倍に伸長されて、縦方向Yにおけるピッチを約5〜15mmとして取り付けられている。この実施形態におけるサイドパネル弾性体73は、約620dtexのものを用い、縦方向Yにおけるピッチが約10mmで配置されるとともに、横方向Xに約2.6倍に伸長されて取り付けられている。
【0022】
連結シート74および基材シート75は、例えば、質量約30〜50g/mのスパンボンド繊維不織布を用いることができる。タブシート76は、例えば、質量約30〜50g/mのスパンボンド繊維不織布を用いることができる。
【0023】
上記のようなサイドパネル70において、伸縮領域78の横方向X両外側には、弾性的に伸縮しない内外非伸縮領域79a,79bが形成されている。外非伸縮領域79bにおいて、フック要素77が縦方向Yに離間して2つ取り付けられている。このようなフック要素77を前ウエスト域11の裏面シート30の繊維不織布に引っかけることによって、前後ウエスト域11,12が連結され、パンツ型のおむつ1として着用者に着用させることができる。この実施形態のフック要素77が、この発明にかかる第2連結要素であり、前ウエスト域11における裏面シート30が、この発明にかかる第1連結要素である。第1連結要素として裏面シート30を用いることによって一方の側縁16から他方の側縁16まで、その横方向Xの全域において第1連結要素が形成され、フック要素77はシャーシ10の非肌対向面のいずれにも付着させることができる。フック要素77を前ウエスト域11の広い範囲で連結することができるので、着用者の体型や身体の状態に合わせて前後ウエスト域11,12を連結し、着用者に密着させることができる。また、第1連結要素として裏面シート30を用いることによって、別部材を要しないので、その分製造コストを低減することができる。第1連結要素は、前ウエスト域11においてその一部に対して取り付けることもできるし、前ウエスト域11のほぼ全面に位置させるように取り付けることもできる。
【0024】
上記のようなおむつ1において、シャーシ10は、前ウエスト域11の横方向Xにおける寸法A1と、後ウエスト域12の横方向Xにおける寸法A2とが、ほぼ等しくされている。クロッチ域13において、その横方向Xにおける寸法は、寸法A1およびA2よりも小さくされている。寸法A1およびA2は約350〜650mmであり、この実施形態では約435mmとしている(図2参照)。
【0025】
図5(a)に示したように、伸縮領域78の収縮時におけるサイドパネル70の横方向Xにおける寸法B1は約80〜200mmであり、この実施形態では、約120mmである。サイドパネル70の横方向Xにおける寸法とは、タブシート76の外端縁76aからシャーシ10の側縁16までの寸法であり、伸縮領域78の収縮時というのは、伸長状態で取り付けたサイドパネル弾性体73が第1および第2シート71,72に皺を発生させながら縮んだ状態であって、サイドパネル弾性体73を横方向Xに引っ張ることなくその横方向Xの寸法を測定したものである。図5(b)に示したように、伸縮領域78の最大伸長時におけるサイドパネル70の横方向Xにおける寸法B2は約100〜300mmであり、この実施形態では約165mmである。伸縮領域78の最大伸長時とは、サイドパネル07を伸縮領域78の伸縮力に抗して横方向Xに引っ張ったときに、伸縮領域78が延びきって、それ以上伸びない状態のときのことをいい、いわゆる伸び止まりのことである。この実施形態では、サイドパネル弾性体73の収縮力によって第1および第2シート71,72に生じた皺がなくなるまで横方向Xに引っ張った時のことをいう。なお、「最大伸長時」というときには、サイドパネル70を形成する第1および第2シート71,72等が破断されるまで伸長させることを含まない。
【0026】
伸縮領域78の最大伸長時におけるサイドパネル70の寸法B2は、収縮時における寸法B1に比較して約10〜40%、好ましくは約15〜35%の伸び率を有する。伸び率は、(寸法B2−寸法B1)/寸法B2×100によって算出する。この実施形態における伸び率は約27%である。
【0027】
この実施形態において寸法A1とA2とはほぼ等しくされているが、寸法A1が、少なくとも(寸法A2+寸法B2)の約50%以上とすることが好ましい。前ウエスト域11の横方向Xにおける寸法が、後ウエスト域12のそれに比べて小さくなりすぎると、フック要素77が連結される領域が小さくなり、これを連結にくくなる。また、前後ウエスト域11,12によって形成されるウエスト開口のサイズ設定範囲が狭くなり、特にウエストの大きな着用者に着用させることができなくなる。しかし、寸法A1を上記の範囲にすることによって、フック要素77を連結することができる領域を広く確保することができ、さまざまなウエストサイズの着用者に対応することができる。
【0028】
寸法B2は、おむつ1の横方向Xにおける寸法の約15〜25%としている。おむつ1の横方向Xにおける寸法とは、(寸法A)+(寸法B2)×2である。すなわち、寸法B2/(寸法A+寸法B2×2)×100=15〜25%となるようにしている。この実施形態では、165mm/(435mm+165mm×2)×100=約21.6%である。
上記のようなサイドパネル70の横方向Xにおける伸張応力は、約1〜5N/50mm、好ましくは約1〜4N/50mmとしている。
【0029】
<伸張応力の測定方法>
サイドパネル70の伸張応力は、インストロンジャパンカンパニーリミテッド社製 INSTRON(型式:5564)を用いて測定した引っ張り試験結果から求めた。図5(a)に示したように、サンプルSとして収縮時のサイドパネルを横方向Xにおける寸法150mm、縦方向Yにおける寸法50mmに切断して用いる。サンプルSは、伸縮領域78および内外非伸縮領域79a,79bが含まれるように切断する。なお、サンプルSは、少なくとも非伸縮領域78および内外非伸縮領域79a,79bを含むこととするので、内外非伸縮領域79a,79bよりも横方向X外側で切断してもよい。サンプルSは、サイドパネル70の大きさ、おむつ1の大きさによって適宜変更して、引っ張り試験に供することができる。サンプルSは、測定機の一対のチャックにその端部が挟持される。チャックに挟持される部分は、伸縮領域78の外側、すなわち内外非伸縮領域79a,79bである。このようにサンプルSをセットした測定機において、チャックを速度300mm/分で互いに離間する方向に引っ張る。このときの測定結果を図6のような表に示す。図6の表において、縦軸が荷重、横軸が引張伸びである。
【0030】
図6に示したように、引張伸びが約45mmのところで、荷重の増加量が急激に大きくなり、すなわち、傾斜が急になり、この地点でいわゆる伸び止まりが発生していることが理解される。これは、図5(b)においてサイドパネル70を横方向Xに伸長させたときの寸法B2とほぼ一致する。なお、図6における伸長伸びが45mmを越えた場合には、サイドパネル70の第1及び第2シート71,72における繊維不織布の繊維の交絡または溶着が解けた状態にある。伸張応力(N/50mm)は、伸び止まりが発生した引張伸び(寸法B2)を100%としたときに、90%伸長時の荷重(N)を図6の表から求める。この実施形態においては、45mm×90%=40.5mmであるので、図6の表における引張伸び40.5mmのときの荷重を読み取ると約2.5であり、伸張応力は約2.5N/50mmとなる。
【0031】
このようなおむつ1は、例えば、寝たきりの大人に好適に着用させることができる。おむつ1のサイドパネル70の最大伸長時の横方向Xにおける寸法、すなわち、タブシート76の一方の外端縁76aから他方の外端縁76aまでの寸法は、寸法A+寸法B2であらわすことができ、約550〜1250mmであり、大人用おむつとして幅広いサイズの着用者に対して好適に着用することができる。おむつ1を着用者に着用させるときには、例えば、着用者を布団の上に横向きにして寝かせ、仰向けになったときに着用者の臀部におむつ1が位置するように、おむつ1を図2のように広げて布団の上に置く。さらに、着用者に寝返りさせて反対側に横向きにしておむつ1を整えてから、再び着用者を仰向けに寝せる。このように着用者に寝返りさせる際には、サイドフラップ70が曲がったり折れたりすることなく、横方向Xに真っ直ぐに伸びるように整えることが好ましい。おむつ1の両側縁16からはサイドパネル70が延出しているから、これが着用者の側部から延出しやすく、サイドパネル70を引っ張って着用者に対するおむつ1の位置を整えやすい。
【0032】
着用者の臀部におむつ1を配置したのち、おむつ1の前ウエスト域11を着用者の腹部にあてがい、サイドパネル70に形成されたフック要素77を、前ウエスト域11における裏面シート30に引っかける。このとき、サイドパネル70のタブシート76を横方向X外側に引っ張る。サイドパネル70の伸び率は、約10〜40%としているので、引っ張り始めてから比較的早い段階で、サイドパネル70が延びきってしまい、それ以上伸びなくなる。これは、サイドパネル弾性体73の伸長が実質的に非伸長性を有する第1および第2シート71,72によって規制されたためであり、いわゆる伸び止まりといわれるものである。このように引っ張り始めてから比較的早い段階で伸び止まりがあるので、使用者は、おむつ1の使用時には常に伸び止まりまでサイドパネル70を伸ばしてから、フック要素77を裏面シート30に付着させることになる。
【0033】
伸び止まりがない場合には、使用者は、どこまでサイドパネル70を引っ張っていいのかが分かり難く、引っ張りすぎておむつ1がきつくなったり、引っ張りが少なくておむつ1が緩くなったりすることがあった。特に、シャーシ10の横方向Xにおける寸法が大きくされている大人用おむつにおいては、サイドパネルの横方向Xにおける寸法も大きくされるのが一般的であり、サイドパネルも横方向Xに大きく伸びやすい。したがって、早い段階で延び止まり感が得られない場合には、いつまでもサイドパネルを横方向に引っ張ることになり、より一層、どこまで引っ張っていいのか分かり難く、使用し難い。しかし、この実施形態によれば、伸び止まりまでサイドパネル70を伸ばしてからフック要素77を付着させることができるから、前後ウエスト域11,12によって形成されるウエスト開口の大きさを一定範囲内に収めることができ、おむつを替えるたびに極端におむつ1がきつくなったり、緩くなったりすることがない。サイドパネル70の伸び率が10%よりも小さい場合には、おむつ1の着用者に対する密着性が低下する可能性があり、40%よりも大きい場合には、伸び止まり感が得られにくくなる可能性がある。
【0034】
上記のようなおむつ1は、伸縮性のサイドパネル70を取り付けることとしたので、さまざまなウエストサイズの着用者に対して使用することができる。乳幼児に比べて大人の場合には、着用者のウエストサイズが広範囲に亘る。大人の場合には、男女によっても、ウエストサイズが大きく異なり、また、個人によって体格差も大きく異なる。伸縮性のサイドパネル70を用いることによって、着用者のウエストに対する適用範囲を広く設定することができる。また、ウエストの細い着用者に対しても、太い着用者に対しても、サイドパネル70を伸び止まりまで引っ張ってから、フック要素77を付着させることができるので、例えば、病院や施設など、多くの着用者に対しておむつ1を着用させるような場合であっても、同じ動作で着用させることができる。すなわち、着用者によって、サイドパネルの引っ張り量を大きくしたり小さくしたりする必要がなく、容易に着用させることができる。
【0035】
サイドパネル70の伸張応力を5N/50mm以下としているので、伸び止まりまで伸縮領域78を容易に伸ばすことができる。伸張応力が1N/50mmよりも小さい場合には、おむつ1を着用したときの着用者に対する密着性が低下し、5N/50mmよりも大きい場合には、強い力でサイドパネルを引っ張って伸縮領域を延ばさなければならなので、これが使い難い。
【0036】
サイドパネル70の横方向Xにおける寸法B2は、おむつ1の横方向Xにおける寸法の約15〜25%とし、サイドパネル70において弾性的に伸縮するようにしている。すなわち、おむつ1における横方向Xの比較的狭い範囲で弾性的に伸縮するから、伸び止まりの調整をおこないやすい。また、おむつ1を着用させる際には、着用者が仰向けになって臀部がおむつ1に載り、その重さや摩擦によって弾性体の伸縮が規制されるから、おむつ1の広い範囲において横方向Xに弾性的に伸縮する場合には、弾性体の伸び止まりを制御することは容易ではない。しかし、サイドパネル70にのみ弾性体が取り付けられることによってこの不都合を解消することができる。
【0037】
サイドパネル70は、後ウエスト域12において後端縁15からクロッチ域13まで連続して延び、前端縁70aから後端縁70bまでの縦方向Yにおける寸法が約180〜300mm、この実施形態では約240mmとされている(図2参照)。また、後ウエスト域12の縦方向Yにおける寸法が約260〜320mm、この実施形態では約281.8mmであり、前ウエスト域11の縦方向Yにおける寸法が約170〜240mm、この実施形態では約193.5mmである。前後ウエスト域11,12の縦方向Yの寸法は、シャーシ10の前後端縁14,15から、横方向Xの寸法が小さくされるクロッチ域13との境界までの寸法である。サイドパネル70は、後ウエスト域12においてその縦方向Yのほぼ全域に延びているから、前後端縁14,15によって形成されるウエスト開口のみならず、クロッチ域13の側縁16によって形成されるレッグ開口近傍においても、おむつ1を着用者に密着させることができる。さらに、サイドパネル70は、前ウエスト域11の縦方向Yにおける寸法よりも大きくされているから、前ウエスト域11の縦方向Yの全域においてサイドパネル70を連結することができ、前ウエスト域11全体を着用者に密着させることができる。なお、サイドパネル70は、後ウエスト域12において、その後端縁15側、または、クロッチ域13側にのみ配置されていてもよいし、縦方向Yに離間された複数のサイドパネルが配置されていてもよい。
【0038】
サイドパネル70の伸縮領域78の収縮時の横方向Xにおける寸法B1に対する、サイドパネル70の縦方向Yにおける寸法の比率は、約8.9〜9.6となるようにしている。このようにサイドパネル70は、縦方向Yにおける寸法に比較して、横方向Xにおける寸法が小さくされている。したがって、後ウエスト域12の縦方向Yのほぼ全域に位置するような縦方向Yに大きなサイドパネル70であっても、横方向Xにおける寸法が小さいから、横方向Xに引っ張りやすく、早い段階で伸び止まりに達し、かつ、ウエスト開口およびレッグ開口の両方で伸縮性が付与される。
【0039】
上記のように、後ウエスト域12において、その縦方向Yのほぼ全域にサイドパネル70が延びている場合には、サイドパネル70の縦方向Yの寸法が小さい場合に比べて、その取り扱いが煩わしく、前ウエスト域11への連結も困難となる。特に、サイドパネル70が横方向Xに広い範囲で伸長する場合には、サイドパネル70を掴んで腕を横方向に大きく広げなければならないので、より一層、連結し難くなる。しかし、この実施形態によれば、サイドパネル70において比較的早い段階で伸び止まりがあるので、サイドパネル70が縦方向Yに大きくなっても、これを前ウエスト域11に連結しやすい。
【0040】
おむつ1のクロッチ域13には、レッグ弾性体51が取り付けられているが、その第2端縁51bは、サイドパネル70の横方向X内側に位置されている。すなわち、一対のサイドパネル70の間で、レッグ弾性体51の第2端縁51bが挟まれ、一対のサイドパネル70の前端縁70aを結ぶ横方向Xに延びる仮想延長線と、レッグ弾性体51とが交差する。このような位置関係にすることによって、サイドパネル70を横方向X外側に引っ張って前ウエスト域11に連結させると、これに伴ってレッグ弾性体51の第2端縁51bも横方向X外側に引っ張られ、レッグ弾性体51が取り付けられたシャーシ10の両側縁16が、着用者の脚回りに密着する。
【0041】
この実施形態において、ストランド状またはストリング状の弾性体によってサイドパネル70に伸縮領域を形成しているが、伸縮性フィルムや伸縮性繊維不織布等を用いることによって伸縮領域を形成することができる。また、第1連結要素として、前ウエスト域11における裏面シート30を用いているが、別途、前ウエスト域11にループ要素等を取り付けることもできる。第1連結要素としてループ要素等を裏面シート30に取り付けた場合には、裏面シート30として、通気性のプラスチックシート等を用いることもできる。また、第2連結要素としてフック要素を用いているが、前ウエスト域11の非肌対向面との連結が可能であれば、粘着テープ等のこの種の分野において通常用いられているものを用いることができる。第2連結要素として粘着テープ等を用いた場合には、第1連結要素として、例えば、プラスチックシート等を用いることができる。
【0042】
図7は、この発明の他の実施態様を示すものである。この実施態様では、後ウエスト域12に横方向Xに延びるウエスト弾性体80が取り付けられることを特徴とする。この特徴以外の構成要素は、前述の実施態様と同様であるのでその詳細な説明を省略する。
【0043】
図示したように、おむつ1の後端縁15に沿って、複数本のウエスト弾性体80が取り付けられている。ウエスト弾性体80は、表面シート20と防漏シート50との間に横方向Xに伸長状態で収縮可能に取り付けられている。ウエスト弾性体80としては、940dtexの弾性糸を約2.5倍に伸長させて取り付けることができる。
【0044】
ウエスト弾性体80を取り付けることによって、より一層おむつ1が着用者の動きに順応してウエストに対して密着することができる。ウエスト弾性体80の伸張応力を、サイドパネル弾性体73の伸張応力よりも大きくすることによって、おむつ1の着用時において、サイドパネル70に伸び止まりが生じてから、ウエスト弾性体80が伸長するようにすることができる。サイドパネル70に伸び止まり感があることによって、おむつ1を着用者に着用させやすいという効果を維持し、かつ、ウエスト弾性体80によって着用中にはおむつ1が着用者のウエストに密着し易くすることができる。
【0045】
ウエスト弾性体80は、後ウエスト域12の横方向X中央に取り付けているので、おむつ1の着用時には、着用者の臀部または腰部がウエスト弾性体80に重なる。したがって、着用者の重さによってウエスト弾性体80の伸長が抑制され、より確実にサイドパネル70の伸び止まりが生じてからウエスト弾性体80が伸長させることができる。
【0046】
ウエスト弾性体80とサイドパネル70の伸縮領域78に取り付けられたサイドパネル弾性体73とは、内非伸縮領域79a等によって分断されている。すなわち、ウエスト弾性体80とサイドパネル弾性体73とが連続することなく、それらが別々に伸縮する。これら弾性体が連続している場合には、サイドパネル70を横方向Xに引っ張った際に、サイドパネル弾性体73とウエスト弾性体80との両方が伸長されることとなるから、伸び止まり感を得られにくくなる。これに対して、この実施形態では、ウエスト弾性体80とサイドパネル弾性体73とが非伸縮性領域等によって分断されることによって、サイドパネル弾性体73による伸び止まり感を得られやすい。
【0047】
なお、ウエスト弾性体80が取り付けられた領域の伸張応力と、サイドパネル弾性体73が取り付けられた領域の伸張応力とが、等しくなるようにすることもできる。このように伸張応力を等しくした場合には、ウエスト弾性体80が取り付けられた領域と、サイドパネル70の伸縮領域78とをほぼ均等に伸長させることができる。
【0048】
以上に記載したこの発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
この発明は、以下の使い捨て着用物品1の改良にかかわる。使い捨て着用物品1は、縦方向Yおよび横方向Xを有し、肌対向面およびその反対側である非肌対向面と、前後ウエスト域11,12と、これら前後ウエスト域11,12のいずれか一方である第1ウエスト域と、いずれか他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域13とを含むシャーシ10と、前記第1および第2ウエスト域を互いに連結するファスニング手段とを有する。
前記ファスニング手段は、前記第1ウエスト域の前記非肌対向面に位置する第1連結要素と、前記第1連結要素に連結可能な第2連結要素77とを有し、前記第2連結要素は、前記第2ウエスト域から前記横方向Xに延びるサイドパネル70に取り付けられ、前記サイドパネル70は、前記横方向Xに弾性的に伸縮可能にされている。
【0049】
この発明は、上記使い捨て着用物品1において、以下の点を特徴とする。前記サイドパネル70は、少なくとも前記横方向Xに伸縮可能な伸縮領域78と、前記伸縮領域78の前記横方向X両外側に位置する非伸縮領域79a,79bとを備える。前記サイドパネル70は、前記伸縮領域78の最大伸長時の前記横方向Xにおける寸法B2の伸長率が、前記伸縮領域78の収縮時の前記横方向Xにおける寸法B1に対して、10〜40%であるとともに、前記横方向Xにおける伸張応力が1〜5N/50mmである。
【0050】
上記の発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(1)前記伸縮領域78の最大伸長時の前記サイドパネル70の前記横方向Xにおける寸法B2が、前記着用物品1の前記横方向Xにおける寸法Aの15〜25%である
(2)前記伸縮領域78は、非伸長性の繊維不織布71,72と、前記繊維不織布71,72に前記横方向Xに伸長状態で収縮可能に取り付けられるとともに、前記縦方向Yに離間して並ぶ複数のサイドパネル弾性体73とを有する。
(3)前記シャーシ10は、前記第2ウエスト域において、前記横方向Xに伸縮可能なウエスト弾性体80を有する。
(4)前記サイドパネル70の前記伸縮領域78の伸張応力は、前記ウエスト弾性体80が取り付けられた領域のそれよりも小さい。
(5)前記シャーシ10は、前記縦方向Yに延びる両側縁16を有し、前記第1連結要素は、一方の前記側縁16から他方の前記側縁16まで前記横方向Xに延びる。
(6)前記第2連結要素77は、フック要素であり、前記第1連結要素は、フック要素が連結可能な繊維不織布である。
(7)前記伸縮領域78の最大伸長時において、前記着用物品1の前記横方向Xにおける寸法は、550〜1250mmである。
(8)前記サイドパネル70の前記縦方向Yにおける寸法は、前記1ウエスト域の前記縦方向Yにおける寸法よりも大きくされる。
(9)前記クロッチ域13には、レッグ弾性体51が、前記縦方向Yに伸長状態で収縮可能に取り付けられ、前記レッグ弾性体51は、前記第1ウエスト域側に位置する第1端縁51aと、前記第2ウエスト域側に位置する第2端縁51bとを有し、前記第2端縁51bは、前記第2ウエスト域に位置するとともに、前記サイドパネル70の前記横方向X内側に位置する。
(10)前記サイドパネル弾性体73は、太さが470〜700dtexであり、前記横方向Xに2〜3倍に伸長されて、前記縦方向Yにおけるピッチが5〜15mmとして取り付けられる。
【0051】
使い捨て着用物品の一例である使い捨ておむつ1を構成する各構成部材には、この明細書に記載されている材料のほかに、この種の分野において通常用いられている、各種の公知の材料を制限なく用いることができる。また、この発明の明細書において、用語「第1」および「第2」は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられている。
【符号の説明】
【0052】
1 使い捨て着用物品(おむつ)
10 シャーシ
11 前ウエスト域
12 後ウエスト域
13 クロッチ域
16 両側縁
51 レッグ弾性体
51a 第1端縁
51b 第2端縁
70 サイドパネル
71 第1シート(繊維不織布)
72 第2シート(繊維不織布)
73 サイドパネル弾性体
77 フック要素(第2連結要素)
78 伸縮領域
79a 内非伸縮領域(非伸縮領域)
79b 外非伸縮領域(非伸縮領域)
80 ウエスト弾性体
X 横方向
Y 縦方向
P−P 仮想縦中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向および横方向を有し、肌対向面およびその反対側である非肌対向面と、前後ウエスト域と、これら前後ウエスト域のいずれか一方である第1ウエスト域と、いずれか他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第1および第2ウエスト域を互いに連結するファスニング手段とを有し、
前記ファスニング手段は、前記第1ウエスト域の前記非肌対向面に位置する第1連結要素と、前記第1連結要素に連結可能な第2連結要素とを有し、前記第2連結要素は、前記第2ウエスト域から前記横方向に延びるサイドパネルに取り付けられ、前記サイドパネルは、前記横方向に弾性的に伸縮可能にされた使い捨て着用物品において、
前記サイドパネルは、少なくとも前記横方向に伸縮可能な伸縮領域と、前記伸縮領域の前記横方向両外側に位置する非伸縮領域とを備えるとともに、前記伸縮領域の最大伸長時の前記横方向における寸法の伸長率が、前記伸縮領域の収縮時の前記横方向における寸法に対して、10〜40%であるとともに、前記横方向における伸張応力が1〜5N/50mmであることを特徴とする前記使い捨て着用物品。
【請求項2】
前記伸縮領域の最大伸長時の前記サイドパネルの前記横方向における寸法が、前記着用物品の前記横方向における寸法の15〜25%である請求項1記載の使い捨て着用物品。
【請求項3】
前記伸縮領域は、非伸長性の繊維不織布と、前記繊維不織布に前記横方向に伸長状態で収縮可能に取り付けられるとともに、前記縦方向に離間して並ぶ複数のサイドパネル弾性体とを有する請求項1または2記載の使い捨て着用物品。
【請求項4】
前記シャーシは、前記第2ウエスト域において、前記横方向に伸縮可能なウエスト弾性体を有する請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項5】
前記サイドパネルの前記伸縮領域の伸張応力は、前記ウエスト弾性体が取り付けられた領域のそれよりも小さい請求項4記載の使い捨て着用物品。
【請求項6】
前記シャーシは、前記縦方向に延びる両側縁を有し、
前記第1連結要素は、一方の前記側縁から他方の前記側縁まで前記横方向に延びる請求項1〜5のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項7】
前記第2連結要素は、フック要素であり、前記第1連結要素は、フック要素が連結可能な繊維不織布である請求項1〜6のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項8】
前記伸縮領域の最大伸長時において、前記着用物品の前記横方向における寸法は、550〜1250mmである請求項1〜7のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項9】
前記サイドパネルの前記縦方向における寸法は、前記1ウエスト域の前記縦方向における寸法よりも大きくされる請求項1〜8のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項10】
前記クロッチ域には、レッグ弾性体が、前記縦方向に伸長状態で収縮可能に取り付けられ、前記レッグ弾性体は、前記第1ウエスト域側に位置する第1端縁と、前記第2ウエスト域側に位置する第2端縁とを有し、前記第2端縁は、前記第2ウエスト域に位置するとともに、前記サイドパネルの前記横方向内側に位置する請求項1〜9のいずれかに記載の使い捨て着用物品。
【請求項11】
前記サイドパネル弾性体は、太さが470〜700dtexであり、前記横方向に2〜3倍に伸長されて、前記縦方向におけるピッチが5〜15mmとして取り付けられる請求項3〜10のいずれかに記載の使い捨て着用物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−63183(P2013−63183A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203740(P2011−203740)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】