使い捨て飲料コップの回収用具
【課題】回収対象物である使い捨て飲料コップ以外の異物を投入し難く抑制して、その異物による早期な目詰まり現象を予防する。
【解決手段】使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンド(1)と、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋(3)とから成り、上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成した。
【解決手段】使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンド(1)と、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋(3)とから成り、上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコーヒーやココア、ジュースなどの自動販売機の周辺に設置使用されることとなる使い捨て飲料コップの回収用具に関する。
【背景技術】
【0002】
各種飲料の使い捨て紙製コップや透明合成樹脂製コップを回収する用具として、その複数本のコップ投入ガイドをコップ収容ボックスの開閉蓋に据え立てたり、或いはその開閉蓋から垂下させたりした形態品が、下記の特許文献に開示されており、これらによれば使い捨て飲料コップを自づと順次積み重なる状態に効率良く収容できる共に、収集作業しやすい利点があると言える。
【特許文献1】特開2004−142931号公報
【特許文献2】特開2002−104601号公報
【特許文献3】特開平6−298301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記公知発明の構成では何れも使い捨て飲料コップを自づと順次積み重なる状態に落下させる必要上、そのコップ投入ガイドが単純な直管として、そのまま真上方向に開口しており、しかも大部分がコップ収容ボックスの内部へ、目視不能に埋没した状態にあるため、自動販売機からの本来的な回収対象物である使い捨て飲料コップ以外の異物が、抵抗感なく投入されてしまいやすく、その異物がコップ収容ボックスの満杯になるまでに、コップ投入ガイドの途中へ目詰まりすることとなる。
【0004】
殊更、行楽地やその他の屋外に設置されている自動販売機の場合、その使い捨て飲料コップの回収用具には、各種食物の残渣を包んだ合成樹脂フィルム袋や乳幼児のオムツ、その他の廃棄物さえも詰め込まれてしまいやすく、本来の回収対象物である飲料コップが周辺に散乱することとなる結果、自動販売機の管理業者にとって、その回収作業上悲鳴をあげている現状であり、上記公知発明の構成ではこのような問題を到底解決することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では使い捨て飲料コップの最大外径とほぼ対応する開口径の直管として、そのコップを自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンドと、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋とから成り、
【0006】
上記コップ収容スタンドの開口上端部をコップ投入エルボとして、その回収対象物である一定深さの上記コップだけが通過し得る屈曲角度に屈曲形成したことを特徴とする。
【0007】
又、請求項1に従属する請求項2では、複数本として並び立つコップ収容スタンドの開口下端部へ、その共通する1個の底蓋を着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
請求項1又は2に従属する請求項3では、コップ収容スタンドの底蓋に排水ドレーンを開口形成したことを特徴とする。
【0009】
他方、請求項4の構成では使い捨て飲料コップの最大外径とほぼ対応する開口径の直管として、そのコップを自づと受け入れるコップ落下シュートと、その開口下端部へ連通状態に据え付けられたコップ収容ボックスとから成り、
【0010】
上記コップ落下シュートの開口上端部をコップ投入エルボとして、その回収対象物である一定深さの上記コップだけが通過し得る屈曲角度に屈曲形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に従属する請求項5では、複数本として並び立つコップ落下シュートの開口下端部へ、その共通する1個のコップ収容ボックスを連通状態に据え付けると共に、そのコップ収容ボックスの開閉扉に施・解錠金具を取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1又は4に従属する請求項6では、コップ投入エルボをコップ収容スタンド又はコップ落下シュートの開口上端部へ連通状態に接続一体化された別個な固定エルボ管と、その固定エルボ管へ進退スライド自在に嵌合された可動エルボ管とから成る二重構造のエルボ管継手として、
【0013】
その可動エルボ管を固定エルボ管に対して進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボの屈曲角度を回収対象物であるコップの深さ変化に応じて大小調整できるように関係設定したことを特徴とする。
【0014】
又、請求項6に従属する請求項7では、コップ投入エルボを外側の固定エルボ管と内側の可動エルボ管とから嵌合された二重構造のエルボ管継手として、
【0015】
その可動エルボ管の円周面からネジ軸を外向き一体的に張り出す一方、そのネジ軸貫通用のスライドガイド長孔を固定エルボ管の円周面に切り欠くと共に、
【0016】
上記ネジ軸の先端部へ締結する固定ナットを特殊なキー形状として、これと適合する特殊な専用工具により回動操作しない限り、上記コップ投入エルボの屈曲角度を大小調整できないように施錠したことを特徴とする。
【0017】
更に、請求項1又は4に従属する請求項8では、コップ収容スタンド又はコップ落下シュートをその内部の透視可能な硬質合成樹脂から作成したことを特徴とする。
【0018】
同じく請求項1又は4に従属する請求項9では、コップ収容スタンド又はコップ落下シュートの上下方向に沿って、その内部の覗き窓用又は/及び異物の排除作業用となる長孔を切り欠いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の構成によれば、コップ収容スタンドが直管から成るとしても、その開口上端部は使い捨て飲料コップにおける一定深さとの相関上、その自動販売機での回収対象物となる飲料コップだけを通過させ得る屈曲角度に屈曲形成されているため、回収対象外の深い飲料コップや飲料コップと異なる各種廃棄物が、無造作に投入されることを抑制でき、冒頭に述べた従来技術の課題を解消し得る効果がある。
【0020】
そして、上記コップ収容スタンドの内部へ自づと順次積み重なる落下状態に受け入れ収容された回収対象物の飲料コップは、その底蓋の取りはずしによって、一挙に下方へ抜き出すことができるため、その収集作業も容易に便利良く行なえるのである。
【0021】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、複数本のコップ収容スタンドを共通の底蓋によって、接地面へ安定良く据え立てることができるほか、これからコップ収容スタンドを1本づつ引き抜くことにより、その飲料コップの回収作業も便利良く行なえる効果がある。
【0022】
又、請求項3の構成を採用するならば、飲料の残りや雨水などがコップ収容スタンドに溜まっても、これを底蓋の排水ドレーンから自づと排出できる効果がある。
【0023】
他方、請求項4の構成によれば、上記請求項1と同様に飲料コップ以外の異物・廃棄物が投入されることを抑制しつつも、その回収対象物である飲料コップを極力多量に収容できると共に、そのためのコップ投入エルボが屈曲形成されたコップ落下シュートを、大型のコップ収容ボックスによって安定良く据え立て得る効果もある。
【0024】
その際、請求項5の構成を採用するならば、請求項4の上記効果がますます昂まるほか、コップ収容ボックスの内部に異物が投入されるおそれを、その開閉扉の施・解錠金具によって防止できる効果もある。
【0025】
特に、請求項6の構成を採用するならば、自動販売機毎に回収対象物となる飲料コップの深さが相違変化しても、そのコップ投入エルボの屈曲角度を大小調整することにより対応でき、回収用具としての汎用性に著しく優れる。
【0026】
請求項7の構成を採用するならば、特殊な専用工具を使わない限り、そのネジ軸の固定ナットを緩めることができず、上記コップ投入エルボの屈曲角度を調整し得ないため、その第三者によるイタズラの予防に役立つ。
【0027】
更に、請求項8の構成を採用するならば、そのコップ収容スタンド又はコップ落下シュートに投入される飲料コップ以外の異物が、外部から誰にも目視できるため、その異物の投入に抵抗感を与え得る効果がある。
【0028】
請求項9の構成を採用するならば、そのコップ収容スタンド又はコップ落下シュートを透視できるか否かに拘らず、その内部に目詰まりした異物を長孔から確認して、その長孔へ挿入する板片などの用具により、これを押し下げ排除できる効果があり、利便性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜12はその本発明に係る回収用具の第1実施形態を示しており、(1)は一定な背丈(H)(望ましくは子供にも使いやすい約60〜100cm)のコップ収容スタンドであって、使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)(例えば約72〜77mm)とほぼ対応する開口径(S)(例えば約80mm)を備えた硬質合成樹脂の丸い直管から成り、その飲料コップ(2)を自づと順次積み重なる落下状態に受け入れる。
【0030】
(3)はそのコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋であって、これも硬質合成樹脂から成り、これを取りはずせば、上記飲料コップ(2)がコップ収容スタンド(1)から脱落するため、これを別に用意したゴミ袋(図示省略)へ収集することができる。
【0031】
この点、図示実施形態では底蓋(3)を言わば断面U字形の袋ナットとして、上記コップ収容スタンド(1)の外周面へ螺合締結しているが、これを取りはずして、飲料コップ(2)を抜き出せる限り、その他の各種取付手段を採用することができる。尚、飲料コップ(2)としては紙製コップのみならず、透明な合成樹脂製コップもあり得る。
【0032】
何れにしても、底蓋(3)には1個又は複数個の排水ドレーン(4)を開口形成して、上記コップ収容スタンド(1)の内部に万一溜まる飲料や雨水などを、ここから排出できるように定めることが好ましい。
【0033】
又、上記コップ収容スタンド(1)になる直管としては、これを透明又は半透明の硬質合成樹脂から作成することが望ましい。そうすれば、使い捨て飲料コップ(2)以外の異物を投入した時、これを外部から誰でも透視できるため、その異物の投入を心理的・感覚的に思いとどまらせることができる。
【0034】
更に、上記コップ収容スタンド(1)の上下方向に沿って、図1、2、4のような1個又は複数個の長孔(5)を切り欠き列設することが好ましい。そうすれば、コップ収容スタンド(1)が透視不能な合成樹脂の直管から成る場合でも、その長孔(5)を内部の覗き窓として活用できるほか、コップ収容スタンド(1)の内部に異物が目詰まりした時、その長孔(5)から適当な板材や工具(図示省略)などを挿入して、押し下げることにより、その異物を上記コップ収容スタンド(1)の開口下端部から排除できるからである。そのためには、上記長孔(5)を向かい合う一対として、平行に列設することが一層好ましい。
【0035】
他方、上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部はコップ投入エルボ(6)として、そのコップ収容スタンド(1)の開口上端部へ接着剤などにより、連通状態に被着一体化された別個な硬質合成樹脂の固定エルボ管(6a)と、その固定エルボ管(6a)の内側へ進退スライド自在に嵌合された同じく硬質合成樹脂の可動エルボ管(6b)とから二重構造のエルボ管継手をなしており、その可動エルボ管(6b)を固定エルボ管(6a)に対して長手方向へ進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を回収対象物である飲料コップ(2)の深さ変化に応じて、大小調整することができるようになっている。
【0036】
つまり、回収対象物である飲料コップ(2)の深さ(L)には、自動販売機毎の相違変化があることを考慮し、その回収用具に汎用性を発揮させるため、上記構成を採用しており、例えば約8cmの浅い飲料コップ(2)を回収する用具として使う場合には、そのコップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を図4、10のように緩やかな大きい角度(θ1)(例えば約60度)として、又例えば約12cmの深い飲料コップ(2)を回収する用具として使う場合には、同じくコップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を図7、12のように鋭い小さな角度(θ2)(例えば約38度)として、その何れにしても回収対象物となる一定深さ(L)の飲料コップ(2)だけが通過し得るように調整セットするのである。
【0037】
(7)は上記可動エルボ管(6b)の円周面から外向き一体的に張り出すネジ軸であり、その頭部が可動エルボ管(6b)へ埋設状態にインサート成形されている。(8)はそのネジ軸(7)を貫通させるためのスライドガイド長孔であって、固定エルボ管(6a)の円周面に切り欠き延在されており、これを通じて固定エルボ管(6a)の円周面から露出する上記ネジ軸(7)の先端部には、固定ナット(9)が螺合締結されている。
【0038】
しかも、その固定ナット(9)は例えば楕円形や円錐形などの特殊なキー形状として造形されており、そのキー形状と適合する特殊な専用工具(T)を使って回動操作しなければ、その固定ナット(9)を緩めて、上記可動エルボ管(6b)を長手方向へ進退スライド操作することができず、そのコップ投入エルボ(6)における屈曲角度(θ)の大小調整状態を得られないようになっている。
【0039】
上記固定ナット(9)の施・解錠に使う特殊な専用工具(T)を、自動販売機の管理業者だけが保有することにより、その他の第三者がいたづらに上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を、変更できないように施錠されるのである。
【0040】
その場合、上記ネジ軸(7)とその貫通用スライドガイド長孔(8)並びに固定ナット(9)を、図3と対応する別な図8に示す如く、そのコップ投入エルボ(6)を形作る固定エルボ管(6a)と可動エルボ管(6b)における円周面のうち、特に入隅部へ設置することが好ましい。そうすれば、コップ投入エルボ(6)を通過する飲料コップ(2)が、万一にもネジ軸(7)の頭部へ係止するおそれはなく、その結果可動エルボ管(6b)に対するネジ軸(7)の取り付けを制約なく容易に行なえるからである。
【0041】
そして、上記構成を備えた第1実施形態の回収用具は、その使用状態を示す図10〜12から明白なように、そのコップ収容スタンド(1)を接地面(G)に据え立て、その中途高さ位置を開閉可能なクランプ金具(10)などの適当な取付用具により、自動販売機(A)やその近辺の壁面へ固定すれば良い。
【0042】
図1〜12の上記第1実施形態ではコップ収容スタンド(1)のコップ投入エルボ(6)として、固定エルボ管(6a)と可動エルボ管(6b)とから成る二重構造のエルボ管継手を説示したが、回収対象物となる一定深さ(L)の飲料コップ(2)だけを通過させ得る屈曲角度(θ)のコップ投入エルボ(6)である限り、これを図13の部分的な第1変形実施形態のように、コップ収容スタンド(1)と連続一体に屈曲形成したり、図14の部分的な第2変形実施形態のように、コップ収容スタンド(1)と別個な固定エルボ管(6a)だけとして、そのコップ収容スタンド(1)の開口上端部へ接続一体化したりして、飲料コップ(2)の深さ(L)と対応する予じめの一定な屈曲角度(θ)に造形してもさしつかえない。
【0043】
又、上記コップ収容スタンド(1)の底蓋(3)としても、図15の部分的な第3変形実施形態に示す張り出しフランジ(11)を備えた台板形態として、その張り出しフランジ(11)を図外のアンカーボルトなどにより、接地面(コンクリート床版)(G)へ据え付け固定しても良い。
【0044】
更には、図16、17の部分的な第4変形実施形態から明白なように、複数本として並び立つコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ、これらに共通する大きな1個の底蓋(3)を、着脱自在に取り付けると共に、その底蓋(3)をやはり接地面(G)へ据え付け固定したり、或いは複数本のコップ収容スタンド(1)を共通のクランプ金具(10)などによって、自動販売機(A)やその近辺の壁面へ取り付け固定したりしても良い。
【0045】
次に、図18、19は本発明の第2実施形態を示しており、この回収用具は上記第1実施形態のコップ収容スタンド(1)よりも背低いコップ落下シュート(12)と、その開口下端部へ連通状態に据え付けられた別個なコップ収容ボックス(13)とから成り、使い捨て飲料コップ(2)をその落下シュート(12)からコップ収容ボックス(13)へ受け入れ収容するようになっている。
【0046】
つまり、接地面(G)へ安定良く据え付け固定される大型のコップ収容ボックス(13)から、コップ落下シュート(12)が上向き一体的に植え立てられているのであり、その全体の背丈(H)が上記第1実施形態とほぼ同等に寸法化されている。(14)はそのコップ落下シュート(12)の開口下端部へコップ収容ボックス(13)の内側から螺合締結された固定ナットである。
【0047】
そして、コップ落下シュート(12)は上記第1実施形態のコップ収容スタンド(1)と同じく、飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)を備えた硬質な合成樹脂の丸い直管から成り、その開口上端部がやはりコップ投入エルボ(6)として、上記第1実施形態のそれと同じ構成のもとに屈曲形成されている。そのため、図18、19に図1〜12と対応する符号を記入するにとどめて、そのコップ投入エルボ(6)の詳細な説明を省略する。
【0048】
他方、第2実施形態のコップ収容ボックス(13)は硬質合成樹脂や金属板から作成されており、その開閉扉(15)には施・解錠金具(16)が取り付けられている。これを保有している自動販売機(A)の販売業者だけが、そのコップ収容ボックス(13)の開閉操作を行なえるように施錠されているのである。
【0049】
この点、図18、19ではコップ収容ボックス(13)へヒンジ(蝶番)(17)によって枢着された開閉扉(15)を示しているが、上記施・解錠できる天蓋(図示省略)を被着させても良く、その際コップ収容ボックス(13)の開口上縁部へ垂れ掛けたゴミ袋(図示省略)を、その天蓋によって押え付けることも考えられる。
【0050】
又、第2実施形態の構成にあっても、その図20の変形実施形態に示す如く、複数本のコップ落下シュート(12)を並び立つ状態として、これらに共通する1個の大きなコップ収容ボックス(13)から一体的に張り出すことができる。尚、先の図13、14に示した部分的な第1、2変形実施形態の構成は、図18、19の第2実施形態についても採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る回収用具の第1実施形態を示す斜面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線拡大断面図である。
【図6】コップ投入エルボの屈曲角度が小さく調整セットされた施錠状態を示す図1に対応する斜面図である。
【図7】図6の側断面図である。
【図8】図3に対応する好適な変形実施形態を示す正面図である。
【図9】図8の9−9線拡大断面図である。
【図10】コップ投入エルボの屈曲角度が大きく調整セットされた据え立て使用状態を示す断面図である。
【図11】図10の11−11線拡大断面図である。
【図12】コップ投入エルボの屈曲角度が小さく調整セットされた据え立て使用状態を示す断面図である。
【図13】上記第1実施形態の部分的な第1変形実施形態を示す断面図である。
【図14】上記第1実施形態の部分的な第2変形実施形態を示す断面図である。
【図15】上記第1実施形態の部分的な第3変形実施形態を示す断面図である。
【図16】上記第1実施形態の部分的な第4変形実施形態を示す断面図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】本発明に係る回収用具の第2実施形態を示す斜面図である。
【図19】図18の側断面図である。
【図20】図18の部分的な変形実施形態を示す一部破断の正面図である。
【符号の説明】
【0052】
(1)・コップ収容スタンド
(2)・飲料コップ
(3)・底蓋
(4)・排水ドレーン
(5)・長孔
(6)・コップ投入エルボ
(6a)・固定エルボ管
(6b)・可動エルボ管
(7)・ネジ軸
(8)・スライドガイド長孔
(9)・固定ナット
(10)・クランプ金具
(11)・張り出しフランジ
(12)・コップ落下シュート
(13)・コップ収容ボックス
(14)・固定ナット
(15)・開閉扉
(16)・施・解錠金具
(17)・ヒンジ
(A)・自動販売機
(D)・コップの最大外径
(G)・接地面
(H)・背丈
(L)・コップの深さ
(T)・専用工具
(S)・開口径
(θ)(θ1)(θ2)・屈曲角度
【技術分野】
【0001】
本発明はコーヒーやココア、ジュースなどの自動販売機の周辺に設置使用されることとなる使い捨て飲料コップの回収用具に関する。
【背景技術】
【0002】
各種飲料の使い捨て紙製コップや透明合成樹脂製コップを回収する用具として、その複数本のコップ投入ガイドをコップ収容ボックスの開閉蓋に据え立てたり、或いはその開閉蓋から垂下させたりした形態品が、下記の特許文献に開示されており、これらによれば使い捨て飲料コップを自づと順次積み重なる状態に効率良く収容できる共に、収集作業しやすい利点があると言える。
【特許文献1】特開2004−142931号公報
【特許文献2】特開2002−104601号公報
【特許文献3】特開平6−298301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記公知発明の構成では何れも使い捨て飲料コップを自づと順次積み重なる状態に落下させる必要上、そのコップ投入ガイドが単純な直管として、そのまま真上方向に開口しており、しかも大部分がコップ収容ボックスの内部へ、目視不能に埋没した状態にあるため、自動販売機からの本来的な回収対象物である使い捨て飲料コップ以外の異物が、抵抗感なく投入されてしまいやすく、その異物がコップ収容ボックスの満杯になるまでに、コップ投入ガイドの途中へ目詰まりすることとなる。
【0004】
殊更、行楽地やその他の屋外に設置されている自動販売機の場合、その使い捨て飲料コップの回収用具には、各種食物の残渣を包んだ合成樹脂フィルム袋や乳幼児のオムツ、その他の廃棄物さえも詰め込まれてしまいやすく、本来の回収対象物である飲料コップが周辺に散乱することとなる結果、自動販売機の管理業者にとって、その回収作業上悲鳴をあげている現状であり、上記公知発明の構成ではこのような問題を到底解決することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では使い捨て飲料コップの最大外径とほぼ対応する開口径の直管として、そのコップを自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンドと、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋とから成り、
【0006】
上記コップ収容スタンドの開口上端部をコップ投入エルボとして、その回収対象物である一定深さの上記コップだけが通過し得る屈曲角度に屈曲形成したことを特徴とする。
【0007】
又、請求項1に従属する請求項2では、複数本として並び立つコップ収容スタンドの開口下端部へ、その共通する1個の底蓋を着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【0008】
請求項1又は2に従属する請求項3では、コップ収容スタンドの底蓋に排水ドレーンを開口形成したことを特徴とする。
【0009】
他方、請求項4の構成では使い捨て飲料コップの最大外径とほぼ対応する開口径の直管として、そのコップを自づと受け入れるコップ落下シュートと、その開口下端部へ連通状態に据え付けられたコップ収容ボックスとから成り、
【0010】
上記コップ落下シュートの開口上端部をコップ投入エルボとして、その回収対象物である一定深さの上記コップだけが通過し得る屈曲角度に屈曲形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項4に従属する請求項5では、複数本として並び立つコップ落下シュートの開口下端部へ、その共通する1個のコップ収容ボックスを連通状態に据え付けると共に、そのコップ収容ボックスの開閉扉に施・解錠金具を取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項1又は4に従属する請求項6では、コップ投入エルボをコップ収容スタンド又はコップ落下シュートの開口上端部へ連通状態に接続一体化された別個な固定エルボ管と、その固定エルボ管へ進退スライド自在に嵌合された可動エルボ管とから成る二重構造のエルボ管継手として、
【0013】
その可動エルボ管を固定エルボ管に対して進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボの屈曲角度を回収対象物であるコップの深さ変化に応じて大小調整できるように関係設定したことを特徴とする。
【0014】
又、請求項6に従属する請求項7では、コップ投入エルボを外側の固定エルボ管と内側の可動エルボ管とから嵌合された二重構造のエルボ管継手として、
【0015】
その可動エルボ管の円周面からネジ軸を外向き一体的に張り出す一方、そのネジ軸貫通用のスライドガイド長孔を固定エルボ管の円周面に切り欠くと共に、
【0016】
上記ネジ軸の先端部へ締結する固定ナットを特殊なキー形状として、これと適合する特殊な専用工具により回動操作しない限り、上記コップ投入エルボの屈曲角度を大小調整できないように施錠したことを特徴とする。
【0017】
更に、請求項1又は4に従属する請求項8では、コップ収容スタンド又はコップ落下シュートをその内部の透視可能な硬質合成樹脂から作成したことを特徴とする。
【0018】
同じく請求項1又は4に従属する請求項9では、コップ収容スタンド又はコップ落下シュートの上下方向に沿って、その内部の覗き窓用又は/及び異物の排除作業用となる長孔を切り欠いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の構成によれば、コップ収容スタンドが直管から成るとしても、その開口上端部は使い捨て飲料コップにおける一定深さとの相関上、その自動販売機での回収対象物となる飲料コップだけを通過させ得る屈曲角度に屈曲形成されているため、回収対象外の深い飲料コップや飲料コップと異なる各種廃棄物が、無造作に投入されることを抑制でき、冒頭に述べた従来技術の課題を解消し得る効果がある。
【0020】
そして、上記コップ収容スタンドの内部へ自づと順次積み重なる落下状態に受け入れ収容された回収対象物の飲料コップは、その底蓋の取りはずしによって、一挙に下方へ抜き出すことができるため、その収集作業も容易に便利良く行なえるのである。
【0021】
その場合、請求項2の構成を採用するならば、複数本のコップ収容スタンドを共通の底蓋によって、接地面へ安定良く据え立てることができるほか、これからコップ収容スタンドを1本づつ引き抜くことにより、その飲料コップの回収作業も便利良く行なえる効果がある。
【0022】
又、請求項3の構成を採用するならば、飲料の残りや雨水などがコップ収容スタンドに溜まっても、これを底蓋の排水ドレーンから自づと排出できる効果がある。
【0023】
他方、請求項4の構成によれば、上記請求項1と同様に飲料コップ以外の異物・廃棄物が投入されることを抑制しつつも、その回収対象物である飲料コップを極力多量に収容できると共に、そのためのコップ投入エルボが屈曲形成されたコップ落下シュートを、大型のコップ収容ボックスによって安定良く据え立て得る効果もある。
【0024】
その際、請求項5の構成を採用するならば、請求項4の上記効果がますます昂まるほか、コップ収容ボックスの内部に異物が投入されるおそれを、その開閉扉の施・解錠金具によって防止できる効果もある。
【0025】
特に、請求項6の構成を採用するならば、自動販売機毎に回収対象物となる飲料コップの深さが相違変化しても、そのコップ投入エルボの屈曲角度を大小調整することにより対応でき、回収用具としての汎用性に著しく優れる。
【0026】
請求項7の構成を採用するならば、特殊な専用工具を使わない限り、そのネジ軸の固定ナットを緩めることができず、上記コップ投入エルボの屈曲角度を調整し得ないため、その第三者によるイタズラの予防に役立つ。
【0027】
更に、請求項8の構成を採用するならば、そのコップ収容スタンド又はコップ落下シュートに投入される飲料コップ以外の異物が、外部から誰にも目視できるため、その異物の投入に抵抗感を与え得る効果がある。
【0028】
請求項9の構成を採用するならば、そのコップ収容スタンド又はコップ落下シュートを透視できるか否かに拘らず、その内部に目詰まりした異物を長孔から確認して、その長孔へ挿入する板片などの用具により、これを押し下げ排除できる効果があり、利便性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、図1〜12はその本発明に係る回収用具の第1実施形態を示しており、(1)は一定な背丈(H)(望ましくは子供にも使いやすい約60〜100cm)のコップ収容スタンドであって、使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)(例えば約72〜77mm)とほぼ対応する開口径(S)(例えば約80mm)を備えた硬質合成樹脂の丸い直管から成り、その飲料コップ(2)を自づと順次積み重なる落下状態に受け入れる。
【0030】
(3)はそのコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋であって、これも硬質合成樹脂から成り、これを取りはずせば、上記飲料コップ(2)がコップ収容スタンド(1)から脱落するため、これを別に用意したゴミ袋(図示省略)へ収集することができる。
【0031】
この点、図示実施形態では底蓋(3)を言わば断面U字形の袋ナットとして、上記コップ収容スタンド(1)の外周面へ螺合締結しているが、これを取りはずして、飲料コップ(2)を抜き出せる限り、その他の各種取付手段を採用することができる。尚、飲料コップ(2)としては紙製コップのみならず、透明な合成樹脂製コップもあり得る。
【0032】
何れにしても、底蓋(3)には1個又は複数個の排水ドレーン(4)を開口形成して、上記コップ収容スタンド(1)の内部に万一溜まる飲料や雨水などを、ここから排出できるように定めることが好ましい。
【0033】
又、上記コップ収容スタンド(1)になる直管としては、これを透明又は半透明の硬質合成樹脂から作成することが望ましい。そうすれば、使い捨て飲料コップ(2)以外の異物を投入した時、これを外部から誰でも透視できるため、その異物の投入を心理的・感覚的に思いとどまらせることができる。
【0034】
更に、上記コップ収容スタンド(1)の上下方向に沿って、図1、2、4のような1個又は複数個の長孔(5)を切り欠き列設することが好ましい。そうすれば、コップ収容スタンド(1)が透視不能な合成樹脂の直管から成る場合でも、その長孔(5)を内部の覗き窓として活用できるほか、コップ収容スタンド(1)の内部に異物が目詰まりした時、その長孔(5)から適当な板材や工具(図示省略)などを挿入して、押し下げることにより、その異物を上記コップ収容スタンド(1)の開口下端部から排除できるからである。そのためには、上記長孔(5)を向かい合う一対として、平行に列設することが一層好ましい。
【0035】
他方、上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部はコップ投入エルボ(6)として、そのコップ収容スタンド(1)の開口上端部へ接着剤などにより、連通状態に被着一体化された別個な硬質合成樹脂の固定エルボ管(6a)と、その固定エルボ管(6a)の内側へ進退スライド自在に嵌合された同じく硬質合成樹脂の可動エルボ管(6b)とから二重構造のエルボ管継手をなしており、その可動エルボ管(6b)を固定エルボ管(6a)に対して長手方向へ進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を回収対象物である飲料コップ(2)の深さ変化に応じて、大小調整することができるようになっている。
【0036】
つまり、回収対象物である飲料コップ(2)の深さ(L)には、自動販売機毎の相違変化があることを考慮し、その回収用具に汎用性を発揮させるため、上記構成を採用しており、例えば約8cmの浅い飲料コップ(2)を回収する用具として使う場合には、そのコップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を図4、10のように緩やかな大きい角度(θ1)(例えば約60度)として、又例えば約12cmの深い飲料コップ(2)を回収する用具として使う場合には、同じくコップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を図7、12のように鋭い小さな角度(θ2)(例えば約38度)として、その何れにしても回収対象物となる一定深さ(L)の飲料コップ(2)だけが通過し得るように調整セットするのである。
【0037】
(7)は上記可動エルボ管(6b)の円周面から外向き一体的に張り出すネジ軸であり、その頭部が可動エルボ管(6b)へ埋設状態にインサート成形されている。(8)はそのネジ軸(7)を貫通させるためのスライドガイド長孔であって、固定エルボ管(6a)の円周面に切り欠き延在されており、これを通じて固定エルボ管(6a)の円周面から露出する上記ネジ軸(7)の先端部には、固定ナット(9)が螺合締結されている。
【0038】
しかも、その固定ナット(9)は例えば楕円形や円錐形などの特殊なキー形状として造形されており、そのキー形状と適合する特殊な専用工具(T)を使って回動操作しなければ、その固定ナット(9)を緩めて、上記可動エルボ管(6b)を長手方向へ進退スライド操作することができず、そのコップ投入エルボ(6)における屈曲角度(θ)の大小調整状態を得られないようになっている。
【0039】
上記固定ナット(9)の施・解錠に使う特殊な専用工具(T)を、自動販売機の管理業者だけが保有することにより、その他の第三者がいたづらに上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を、変更できないように施錠されるのである。
【0040】
その場合、上記ネジ軸(7)とその貫通用スライドガイド長孔(8)並びに固定ナット(9)を、図3と対応する別な図8に示す如く、そのコップ投入エルボ(6)を形作る固定エルボ管(6a)と可動エルボ管(6b)における円周面のうち、特に入隅部へ設置することが好ましい。そうすれば、コップ投入エルボ(6)を通過する飲料コップ(2)が、万一にもネジ軸(7)の頭部へ係止するおそれはなく、その結果可動エルボ管(6b)に対するネジ軸(7)の取り付けを制約なく容易に行なえるからである。
【0041】
そして、上記構成を備えた第1実施形態の回収用具は、その使用状態を示す図10〜12から明白なように、そのコップ収容スタンド(1)を接地面(G)に据え立て、その中途高さ位置を開閉可能なクランプ金具(10)などの適当な取付用具により、自動販売機(A)やその近辺の壁面へ固定すれば良い。
【0042】
図1〜12の上記第1実施形態ではコップ収容スタンド(1)のコップ投入エルボ(6)として、固定エルボ管(6a)と可動エルボ管(6b)とから成る二重構造のエルボ管継手を説示したが、回収対象物となる一定深さ(L)の飲料コップ(2)だけを通過させ得る屈曲角度(θ)のコップ投入エルボ(6)である限り、これを図13の部分的な第1変形実施形態のように、コップ収容スタンド(1)と連続一体に屈曲形成したり、図14の部分的な第2変形実施形態のように、コップ収容スタンド(1)と別個な固定エルボ管(6a)だけとして、そのコップ収容スタンド(1)の開口上端部へ接続一体化したりして、飲料コップ(2)の深さ(L)と対応する予じめの一定な屈曲角度(θ)に造形してもさしつかえない。
【0043】
又、上記コップ収容スタンド(1)の底蓋(3)としても、図15の部分的な第3変形実施形態に示す張り出しフランジ(11)を備えた台板形態として、その張り出しフランジ(11)を図外のアンカーボルトなどにより、接地面(コンクリート床版)(G)へ据え付け固定しても良い。
【0044】
更には、図16、17の部分的な第4変形実施形態から明白なように、複数本として並び立つコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ、これらに共通する大きな1個の底蓋(3)を、着脱自在に取り付けると共に、その底蓋(3)をやはり接地面(G)へ据え付け固定したり、或いは複数本のコップ収容スタンド(1)を共通のクランプ金具(10)などによって、自動販売機(A)やその近辺の壁面へ取り付け固定したりしても良い。
【0045】
次に、図18、19は本発明の第2実施形態を示しており、この回収用具は上記第1実施形態のコップ収容スタンド(1)よりも背低いコップ落下シュート(12)と、その開口下端部へ連通状態に据え付けられた別個なコップ収容ボックス(13)とから成り、使い捨て飲料コップ(2)をその落下シュート(12)からコップ収容ボックス(13)へ受け入れ収容するようになっている。
【0046】
つまり、接地面(G)へ安定良く据え付け固定される大型のコップ収容ボックス(13)から、コップ落下シュート(12)が上向き一体的に植え立てられているのであり、その全体の背丈(H)が上記第1実施形態とほぼ同等に寸法化されている。(14)はそのコップ落下シュート(12)の開口下端部へコップ収容ボックス(13)の内側から螺合締結された固定ナットである。
【0047】
そして、コップ落下シュート(12)は上記第1実施形態のコップ収容スタンド(1)と同じく、飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)を備えた硬質な合成樹脂の丸い直管から成り、その開口上端部がやはりコップ投入エルボ(6)として、上記第1実施形態のそれと同じ構成のもとに屈曲形成されている。そのため、図18、19に図1〜12と対応する符号を記入するにとどめて、そのコップ投入エルボ(6)の詳細な説明を省略する。
【0048】
他方、第2実施形態のコップ収容ボックス(13)は硬質合成樹脂や金属板から作成されており、その開閉扉(15)には施・解錠金具(16)が取り付けられている。これを保有している自動販売機(A)の販売業者だけが、そのコップ収容ボックス(13)の開閉操作を行なえるように施錠されているのである。
【0049】
この点、図18、19ではコップ収容ボックス(13)へヒンジ(蝶番)(17)によって枢着された開閉扉(15)を示しているが、上記施・解錠できる天蓋(図示省略)を被着させても良く、その際コップ収容ボックス(13)の開口上縁部へ垂れ掛けたゴミ袋(図示省略)を、その天蓋によって押え付けることも考えられる。
【0050】
又、第2実施形態の構成にあっても、その図20の変形実施形態に示す如く、複数本のコップ落下シュート(12)を並び立つ状態として、これらに共通する1個の大きなコップ収容ボックス(13)から一体的に張り出すことができる。尚、先の図13、14に示した部分的な第1、2変形実施形態の構成は、図18、19の第2実施形態についても採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る回収用具の第1実施形態を示す斜面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図2の5−5線拡大断面図である。
【図6】コップ投入エルボの屈曲角度が小さく調整セットされた施錠状態を示す図1に対応する斜面図である。
【図7】図6の側断面図である。
【図8】図3に対応する好適な変形実施形態を示す正面図である。
【図9】図8の9−9線拡大断面図である。
【図10】コップ投入エルボの屈曲角度が大きく調整セットされた据え立て使用状態を示す断面図である。
【図11】図10の11−11線拡大断面図である。
【図12】コップ投入エルボの屈曲角度が小さく調整セットされた据え立て使用状態を示す断面図である。
【図13】上記第1実施形態の部分的な第1変形実施形態を示す断面図である。
【図14】上記第1実施形態の部分的な第2変形実施形態を示す断面図である。
【図15】上記第1実施形態の部分的な第3変形実施形態を示す断面図である。
【図16】上記第1実施形態の部分的な第4変形実施形態を示す断面図である。
【図17】図16の17−17線断面図である。
【図18】本発明に係る回収用具の第2実施形態を示す斜面図である。
【図19】図18の側断面図である。
【図20】図18の部分的な変形実施形態を示す一部破断の正面図である。
【符号の説明】
【0052】
(1)・コップ収容スタンド
(2)・飲料コップ
(3)・底蓋
(4)・排水ドレーン
(5)・長孔
(6)・コップ投入エルボ
(6a)・固定エルボ管
(6b)・可動エルボ管
(7)・ネジ軸
(8)・スライドガイド長孔
(9)・固定ナット
(10)・クランプ金具
(11)・張り出しフランジ
(12)・コップ落下シュート
(13)・コップ収容ボックス
(14)・固定ナット
(15)・開閉扉
(16)・施・解錠金具
(17)・ヒンジ
(A)・自動販売機
(D)・コップの最大外径
(G)・接地面
(H)・背丈
(L)・コップの深さ
(T)・専用工具
(S)・開口径
(θ)(θ1)(θ2)・屈曲角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンド(1)と、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋(3)とから成り、
上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成したことを特徴とする使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項2】
複数本として並び立つコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ、その共通する1個の底蓋(3)を着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項3】
コップ収容スタンド(1)の底蓋(3)に排水ドレーン(4)を開口形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項4】
使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと受け入れるコップ落下シュート(12)と、その開口下端部へ連通状態に据え付けられたコップ収容ボックス(13)とから成り、
上記コップ落下シュート(12)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成したことを特徴とする使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項5】
複数本として並び立つコップ落下シュート(12)の開口下端部へ、その共通する1個のコップ収容ボックス(13)を連通状態に据え付けると共に、そのコップ収容ボックス(13)の開閉扉(15)に施・解錠金具(16)を取り付けたことを特徴とする請求項4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項6】
コップ投入エルボ(6)をコップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)の開口上端部へ連通状態に接続一体化された別個な固定エルボ管(6a)と、その固定エルボ管(6a)へ進退スライド自在に嵌合された可動エルボ管(6b)とから成る二重構造のエルボ管継手として、
その可動エルボ管(6b)を固定エルボ管(6a)に対して進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を回収対象物であるコップ(2)の深さ変化に応じて大小調整できるように関係設定したことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項7】
コップ投入エルボ(6)を外側の固定エルボ管(6a)と内側の可動エルボ管(6b)とから嵌合された二重構造のエルボ管継手として、
その可動エルボ管(6b)の円周面からネジ軸(7)を外向き一体的に張り出す一方、そのネジ軸貫通用のスライドガイド長孔(8)を固定エルボ管(6a)の円周面に切り欠くと共に、
上記ネジ軸(7)の先端部へ締結する固定ナット(9)を特殊なキー形状として、これと適合する特殊な専用工具(T)により回動操作しない限り、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を大小調整できないように施錠したことを特徴とする請求項6記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項8】
コップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)をその内部の透視可能な硬質合成樹脂から作成したことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項9】
コップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)の上下方向に沿って、その内部の覗き窓用又は/及び異物の排除作業用となる長孔(5)を切り欠いたことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項1】
使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと積み重なる落下状態に受け入れるコップ収容スタンド(1)と、その開口下端部へ着脱自在に取り付けられた底蓋(3)とから成り、
上記コップ収容スタンド(1)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成したことを特徴とする使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項2】
複数本として並び立つコップ収容スタンド(1)の開口下端部へ、その共通する1個の底蓋(3)を着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項3】
コップ収容スタンド(1)の底蓋(3)に排水ドレーン(4)を開口形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項4】
使い捨て飲料コップ(2)の最大外径(D)とほぼ対応する開口径(S)の直管として、そのコップ(2)を自づと受け入れるコップ落下シュート(12)と、その開口下端部へ連通状態に据え付けられたコップ収容ボックス(13)とから成り、
上記コップ落下シュート(12)の開口上端部をコップ投入エルボ(6)として、その回収対象物である一定深さ(L)の上記コップ(2)だけが通過し得る屈曲角度(θ)に屈曲形成したことを特徴とする使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項5】
複数本として並び立つコップ落下シュート(12)の開口下端部へ、その共通する1個のコップ収容ボックス(13)を連通状態に据え付けると共に、そのコップ収容ボックス(13)の開閉扉(15)に施・解錠金具(16)を取り付けたことを特徴とする請求項4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項6】
コップ投入エルボ(6)をコップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)の開口上端部へ連通状態に接続一体化された別個な固定エルボ管(6a)と、その固定エルボ管(6a)へ進退スライド自在に嵌合された可動エルボ管(6b)とから成る二重構造のエルボ管継手として、
その可動エルボ管(6b)を固定エルボ管(6a)に対して進退スライド操作することにより、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を回収対象物であるコップ(2)の深さ変化に応じて大小調整できるように関係設定したことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項7】
コップ投入エルボ(6)を外側の固定エルボ管(6a)と内側の可動エルボ管(6b)とから嵌合された二重構造のエルボ管継手として、
その可動エルボ管(6b)の円周面からネジ軸(7)を外向き一体的に張り出す一方、そのネジ軸貫通用のスライドガイド長孔(8)を固定エルボ管(6a)の円周面に切り欠くと共に、
上記ネジ軸(7)の先端部へ締結する固定ナット(9)を特殊なキー形状として、これと適合する特殊な専用工具(T)により回動操作しない限り、上記コップ投入エルボ(6)の屈曲角度(θ)を大小調整できないように施錠したことを特徴とする請求項6記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項8】
コップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)をその内部の透視可能な硬質合成樹脂から作成したことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【請求項9】
コップ収容スタンド(1)又はコップ落下シュート(12)の上下方向に沿って、その内部の覗き窓用又は/及び異物の排除作業用となる長孔(5)を切り欠いたことを特徴とする請求項1又は4記載の使い捨て飲料コップの回収用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−96623(P2009−96623A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272043(P2007−272043)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(391066180)株式会社地主共和商会 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(391066180)株式会社地主共和商会 (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]