説明

使用済みの垂れ幕または横断幕の再利用方法

【課題】使用済みの垂れ幕や横断幕を廃棄することなく、これを適宜の大きさにカットして袋物を製作して再利用する。
【解決手段】垂れ幕や横断幕1に遠くから視認できるように大きく表示された文字や模様等の表示部2以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示3を、遠くからでは視認できないように、小さく、且つ前記表示部2よりは目立たない薄い色で着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕1の使用後に、使用済み垂れ幕または横断幕1に型紙に基づいてカットライン5を形成すると共に、該カットライン5に沿ってカット片6を切り離し、該カットされたカット片6を洗浄し、然る後、前記カット片6を接合して袋物4として使用済み垂れ幕または横断幕1を再利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告や宣伝、あるいは案内表示等の目的で、屋外のビル等の壁面や、道路の横断歩道橋の橋桁等に取付けられる垂れ幕や横断幕に、遠くから視認できるように、大きく表示された文字や模様等の表示部以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示を、遠くからでは視認できないように、小さく着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕の使用後に、これら使用済みの垂れ幕や横断幕を廃棄することなく、これを適宜の大きさにカットしてかばん、手提げバッグ、財布、カードケース等の袋物を製作すると共に、前記製作された袋物を所有者が持ち歩くことにより、前記垂れ幕や横断幕の使用時には単なる着色として見えなかった前記宣伝表示を、第三者が目視して認識することができ、動く広告体として機能し、また所有者も常に前記宣伝表示を視認することにより、企業の宣伝効果を上げることができるようにした使用済みの垂れ幕または横断幕の再利用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用済みの垂れ幕または横断幕は、再利用されることなく、廃棄物として処理されていた。そして、使用済みの垂れ幕または横断幕の再利用方法につき過去の特許文献を遡及検索しても、1件の特許文献をも発見することができなかった。そして、下記の2件の特許文献に開示された横断幕が公知であるが、いずれも分別処理をしないですべて焼却処理ができるということが、その効果として記載されている。しかしながら、下記の特許文献に記載の発明には、使用済みの横断幕を再利用するということについては全く記載されておらず、またそれを示唆する記載も全くない。そして、当然ながら、再利用して製作された前記2次製品によって、企業の広告効果を大ならしめるという記載も全くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3105616号公報
【特許文献2】実用新案登録第3113898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のように、従来は使用済みの垂れ幕または横断幕を再利用するという発想は全くなく、また前記各特許文献に記載の横断幕も使用済みとなった場合は、焼却処理することを目的としているため、再利用を図ることを全く考慮にいれていないので、強靭で、防水性および耐熱性に優れている素材により形成された垂れ幕や横断幕が、使用後に廃棄されるのは、資源の無駄使いであって、「エコ」とか「再利用(リユース)」、あるいは「リサイクル」など、声高に叫ばれている昨今の状況には全くそぐわないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、垂れ幕や横断幕に遠くから視認できるように、大きく表示された文字や模様等の表示部以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示を、遠くからでは視認することが出来ないように、小さく着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕の使用後は、該使用済みの垂れ幕または横断幕を全く廃棄することなく、これを適宜の大きさにカットして袋物を製作すると共に、前記製作された袋物を所有者が持ち歩くことにより、前記垂れ幕や横断幕の使用時には単なる着色としてしか見えなかった前記宣伝表示を第三者が目視して認識することができ、動く広告体として機能し、また所有者も常に広告表示を視認することにより、企業の宣伝効果を上げることができるようにしたものであって、最初から再利用することを意図して垂れ幕または横断幕が製作され、使用後は垂れ幕または横断幕を再利用する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、垂れ幕や横断幕に遠くから視認できるように大きく表示された文字や模様等の表示部以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示を、遠くからでは視認できないように、小さく、且つ前記表示部よりは目立たない薄い色で着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕の使用後に、使用済み垂れ幕または横断幕に型紙に基づいてカットラインを形成すると共に、該カットラインに沿ってカット片を切り離し、該カットされたカット片を洗浄し、然る後、前記カット片を接合して袋物とするという手段を採用することにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0007】
本発明方法によれば、使用済みの垂れ幕または横断幕を、これを適宜の大きさにカットして袋物を製作すると共に、前記製作された袋物を所有者が持ち歩くことにより、垂れ幕や横断幕の使用時には単なる着色として見えなかった企業の宣伝表示を目視して認識することができ、これにより企業の宣伝効果を上げることができるので、宣伝効果を期待する企業からの使用済み垂れ幕または横断幕の処理依頼が増えるし、また、購入者にとっても前記再利用製品を購入することで、資源の無駄使いをなくすということに協力するという意欲を高めて、購入者の購入意欲をそそり、前記宣伝表示に係る企業にとっても宣伝費がかからず、メリットが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明使用済みの垂れ幕または横断幕の再利用方法において、使用済みの横断幕にカットラインを形成した状態を示す平面図である。
【図2】本発明使用済みの垂れ幕または横断幕の再利用処理方法を用いて製作された袋物(手提げバッグ)の正面図である。
【実施例】
【0009】
汎用されている垂れ幕または横断幕の生地は、該垂れ幕または横断幕が屋外において長期間に亘って、風雨や太陽光に曝されるものであるため、これら風雨や太陽光に耐え得る防水性や耐熱性を有する強靭な素材により形成されており、特にビニール系のターポリン、テトロン系化繊であるトロマット、綿系の帆布が一般に使用されている。
【0010】
本発明者は、長期間に亘って風雨や太陽光に曝されても破損することのない、前記防水性や耐熱性を有する強靭な生地により形成された垂れ幕または横断幕の使用後、廃棄処分されるのは資源の無駄使いであるという観点から、特に最近、一般の素材を使用することなく、今迄にない変った素材を使用することが、若者に受け入れられる傾向にあることに鑑み、垂れ幕や横断幕に遠くから視認できるように大きく表示された文字や模様等の表示部以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示を、遠くからでは視認できないように、小さく、且つ前記表示部よりは目立たない薄い色で着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕の使用後に、使用済み垂れ幕または横断幕を適宜カットして、該表示部の文字や色彩をそのまま利用して、袋物を製作すると共に、完成した袋物として販売し、前記製作された袋物を所有者が持ち歩くことにより、垂れ幕や横断幕の使用時には、遠くからでは単なる着色として見えなかった前記宣伝表示を、近くから第三者および所有者が目視して認識することができ、これにより企業の宣伝効果を上げ、従来は廃棄処分していた使用済みの垂れ幕または横断幕を再利用して、資源の有効利用を図ることを目的として発明したものである。
【0011】
本発明で再利用する使用済みの垂れ幕または横断幕の生地は、前記ターポリン、トロマット、あるいは帆布の外、垂れ幕または横断幕として使用されたものはすべて利用する。以下、本発明における使用済み垂れ幕または横断幕の再利用方法について詳細に説明する。
【0012】
本発明においては、ビルの壁面や横断歩道橋等の高い所に取付けられる垂れ幕または横断幕1は、文字や模様の表示部2が、歩行者、ドライバー等が、歩行中または運転中の車内等、離れた位置からでも視認することができるよう、大きく表示されると共に、該表示部2以外の空白部分に、歩行中または運転中の車内等、遠く離れた位置からでは視認できないように、企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示3を、小さく、且つ前記表示部3より目立たない色で着色表示して形成されている。
【0013】
そして、前記垂れ幕または横断幕1の掲示期間が終った後、使用済みの垂れ幕または横断幕1は、その掲示者より処理を依頼されると、該使用済みの垂れ幕または横断幕1の大きさ、表示部2の文字や模様あるいは色彩、および宣伝表示3の表示内容によって、デザイナー等がどの部分をカットして、かばん、手提げバッグ、財布、カードケース等の袋物4を製作するための型紙(図示せず)を作成する。その際、デザイナー等は、前記使用済みの垂れ幕または横断幕1の表示部2の外に、宣伝表示が必ず含まれるよう、前記型紙を作成する。
【0014】
そして、前記作成された型紙に沿って前記使用済みの垂れ幕または横断幕1にカットライン5を形成すると共に、該カットライン5に沿ってカット片6を切り離し、該カットされたカット片6を洗濯機等の洗浄装置に投入して洗浄し、前記カット片6に付着した汚れを落して乾燥させ、清浄なカット片6とする。
【0015】
次に、前記カット片6を前記型紙に基づいて接合して、袋物4を製作する。その際、ファスナー、ボタンや持ち手等の補助部材7を使用してもよい。なお、前記袋物4は、使用済みの垂れ幕または横断幕1の大きさによって、その製作される数は制約される。
【符号の説明】
【0016】
1 使用済みの垂れ幕または横断幕
2 表示部
3 宣伝表示
4 袋物
5 カットライン
6 カット片
7 補助部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂れ幕や横断幕に遠くから視認できるように大きく表示された文字や模様等の表示部以外の部分に、予め企業のロゴマークや宣伝文言等の宣伝表示を、遠くからでは視認できないように、小さく、且つ前記表示部よりは目立たない薄い色で着色表示しておき、前記垂れ幕や横断幕の使用後に、使用済み垂れ幕または横断幕に型紙に基づいてカットラインを形成すると共に、該カットラインに沿ってカット片を切り離し、該カットされたカット片を洗浄し、然る後、前記カット片を接合して袋物とすることを特徴とする使用済み垂れ幕または横断幕の再利用方法。











【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−123084(P2012−123084A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272299(P2010−272299)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(505389695)首都高速道路株式会社 (47)