説明

侵入検知システム

【課題】漏洩同軸伝送路を誤検知を抑制するように設置する為に必要な空間を減らし、侵入検知システムを適用できる対象範囲を拡大する。
【解決手段】侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路である侵入検知システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、漏洩同軸伝送路を使用して人などの侵入物体の有無および侵入位置を検知する侵入検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
漏洩同軸伝送路を使用した電波による侵入検知装置では、送信用の漏洩同軸ケーブルと受信用の漏洩同軸ケーブルを用い、送信用ケーブルから信号を発信し、受信ケーブルにて受信した信号の変化から侵入物体の有無と侵入位置を決定する。
従来の、漏洩同軸伝送路を使用した広域侵入検知システムでは、送信ケーブルと受信ケーブルは水平に並べた状態で地上または地中に設置して使用する。例えば、特開2009−252020、特開平5−143877、特開平6−222153、特開平9−292460を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−252020号公報(図7及びその説明)
【特許文献2】特開平5−143877号公報(図1及びその説明)
【特許文献3】特開平6−222153号公報(図1及びその説明)
【特許文献4】特開平9−292460号公報(図1及びその説明)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の漏洩同軸伝送路を用いた侵入監視装置は送信用の漏洩同軸ケーブルと受信用の漏洩同軸ケーブルを水平に並べて設置しなければならず、また、所定スペックの監視距離を実現するためには両ケーブルの間隔を少なくとも80cm以上は確保する必要がある。80cm以下の間隔とした場合、設置面積は少なくなるが、受信レベルが強くなりすぎる箇所が発生する為に送信電波の出力を落とさなければならず、ケーブル長手方向の監視距離の最大値が短くなるという弊害がある。また、周辺環境による電波の反射や散乱などの、侵入者以外の要因によって引き起こされ誤検知を誘発する電波の乱れを避ける為に、両ケーブルの外側は50cm〜数m程度の空間を確保する必要があった。従って、漏洩同軸伝送路を用いた
侵入監視装置が正常な検知性能を発揮する為には、漏洩同軸伝送路を設置する空間として、短手方向に2m以上、環境によっては5m以上もの空きエリア(敷地の構造物や通行車輌などが何もないエリア)を必要とする為、既存の敷地外周などに設置する場合に十分な設置エリアを確保できず導入できないケースが少なからずある、という改善した方が好ましい課題が存在する。
【0005】
この発明は前述のような課題を解決するためになされたものであり、漏洩同軸伝送路を誤検知を抑制するように設置する為に必要な空間を減らし、侵入検知システムを適用できる対象範囲を拡大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同
軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システムである。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に横に配設された複数個の窓の下側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の上側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システムである。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システム
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記複数個の窓の下側の窓の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであり、
前記下側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記下側の窓より上側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システムである。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記
受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知する
ことを特徴とする侵入検知システムである。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、
前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであるエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さより高いエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、塀の侵入検知領域側に前記塀に近接して設置され、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システムである。
また、この発明に係る侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、何れも漏洩伝送路を複数本連結して構成され、
前記漏洩伝送路を複数本連結して構成された前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路において通路と隣接する前記漏洩伝送路は表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記通路と隣接する前記漏洩伝送路以外の前記漏洩伝送路は放射型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システムである。
【発明の効果】
【0007】
この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であることを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に横に配設された複数個の窓の下側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の上側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知することを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知することを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、前記複数個の窓の下側の窓の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであり、前記下側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記下側の窓より上側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知することを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可
能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知することを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであるエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さより高いエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知することを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、塀の侵入検知領域側に前記塀に近接して設置され、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であることを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
また、この発明による侵入検知システムは、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、何れも漏洩伝送路を複数本連結して構成され、前記漏洩伝送路を複数本連結して構成された前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路において通路と隣接する前記漏洩伝送路は表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記通路と隣接する前記漏洩伝送路以外の前記漏洩伝送路は放射型漏洩同軸伝送路であることを特徴とするので、漏洩同軸伝送路設置する為に必要な空間を減らしても誤検知を抑制でき、これまでは設置が不可能であった場所への漏洩同軸伝送路の設置が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、侵入検知システムの概略構成の事例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、侵入位置の検知概念の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、送信信号の具体例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、侵入検知装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、実施の形態1の侵入検知システムの一例(c)を、従来方式の侵入検知システム(a)及び他の簡略型の従来方式の侵入検知システム(b)と比較して示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2を示す図で、侵入検知システムの他の例(b)を、この発明に至る過程で生まれ発明(a)と比較して示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態4を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態5を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態6を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態7を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態8を示す図で、侵入検知システムの更に他の(c)を、従来方式の侵入検知システム(a)及びこの発明に至る過程で生まれ発明(b)と比較して示す図である。
【図13】この発明の実施の形態9を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態10を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態11を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態12を示す図で、侵入検知システムの他の例(b)を、この発明に至る過程で生まれ発明(a)と比較して示す図である。
【図17】この発明の実施の形態13を示す図で、侵入検知システムの他の例(b)を、この発明に至る過程で生まれ発明(a)と比較して示す図である。
【図18】この発明の実施の形態14を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態15を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態16を示す図で、侵入検知システムの更に他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図5により説明する。図1は侵入検知システムの概略構成の事例を示す図、図2は侵入位置の検知概念の一例を示す図、図3は送信信号の具体例を示す図、図4は侵入検知装置の内部構成の一例を示すブロック図、図5は実施の形態1の侵入検知システムの一例(c)を、従来方式の侵入検知システム(a)及び他の簡略型の従来方式の侵入検知システム(b)と比較して示す図である。
【0010】
先ず、この発明の実施の形態1の動作原理を図1〜図4により説明する。
【0011】
図1は、侵入者検知装置16に、送信側の漏洩伝送路5および前記送信側の漏洩伝送路5と並設され前記送信側の漏洩伝送路5からの漏洩電波を受信する受信側の漏洩伝送路6が接続され、前記受信側の漏洩伝送路6で受信した電波が変化すれば侵入者があったものと判定する侵入者検知システムであり、前述のようにペアーを成す前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6は、夫々それら漏洩伝送路が延在する方向に沿って点在する複数個の漏洩箇所5TH,5TH,5TH,・・・,6TH,6TH,6TH,・・・を有し、各前記漏洩箇所5TH,5TH,5TH,・・・,6TH,6TH,6TH,・・・での漏洩電波による前記受信側の受信回路13での各受信信号の状態から侵入者の侵入位置を検知する侵入位置検知機能を有している。
【0012】
前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6は、例えば、市販の漏洩同軸ケーブル等を使用する。前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6の前記漏洩箇所5TH,5TH,5TH,・・・,6TH,6TH,6TH,・・・は、市販の漏洩同軸ケーブルでは数メートル間隔にその外皮を貫通する貫通スロットである。
【0013】
ここで、侵入位置の検知概念の一例を説明する。
【0014】
前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6として市販の漏洩同軸ケーブルを使用し、前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6との間隔を数メートル離間して敷設し、図2に示すように、例えば、前記送信回路12から1個の送信パルスを送信した場合、前記送信側の漏洩伝送路5の第1番目(最初)の孔を(貫通スロット)からの漏洩電波は前記受信側の漏洩伝送路6の第1番目(最初)の孔を(貫通スロット)を介して受信され前記受信回路である侵入検知部13に受信信号として到達するが、その到達時間は送信信号発信からΔT1後である。
同様に、前記送信回路12から1個の送信パルスを送信した場合、前記送信側の漏洩伝送路5の第2番目の孔からの漏洩電波は前記受信側の漏洩伝送路6の第2番目の孔を介して受信され前記受信回路である侵入検知部13に受信信号として到達するが、その到達時間は送信信号発信からΔT2後である。
同様に、第3番目の孔を経た受信信号の到達時間は送信信号発信からΔT3後である。
そして、これらΔT1,ΔT2,ΔT3・・・、つまり前記到達時間(遅延時間とも言う)ΔTは、信号伝送路の長さが分かれば、信号の伝播速度が30万km/秒であることから演算により容易に求められる。
【0015】
従って、前記侵入検知部13においては、システム構成から事前に演算した到達時間(遅延時間)ΔTのデータを保存しておくことにより、受信した実受信信号を当該保存データと照合すれば、どの孔(貫通スロット)を経由してきた受信信号であるか判別できる。
また、前記漏洩電波の存在領域に人が侵入した場合、侵入者により当該漏洩電波が、形状が変わるなど変化する。
従って、前記侵入検知部13が受信した信号の変化を検知すれば、前記送信側の漏洩伝送路5および前記受信側の漏洩伝送路6に沿ったどの位置に侵入したのか、検知し、報知することができる。
【0016】
尤も、信号速度は極めて速いので、また、受信回路の検出動作速度との関係もあり、実際には、送信信号は単一パルスを数秒に1度程度発信するのではなく、例えば図3に例示するようなPN符号と言われているスペクトル拡散信号、例えば数万個のランダムパルス列からなるコード化信号を使えば、検知精度を上げることができる。同一のPN符号を繰返し発信してもよいし、異なるPN符号を次々に発信してもよい。PN符号自体は一般的に知られている公知の符号である。
【0017】
図1に例示の侵入検知システムでPN符号を使う場合は、侵入者検知装置16は、スペクトル拡散信号を発生する送信回路12の出力で高周波の搬送波を位相変調し、送信側漏洩伝送路5に対して出力する。送信側漏洩伝送路5から出力された電波は、受信側漏洩伝送路6で前記漏洩箇所を介して受信され、侵入検知部13で受信される。侵入検知部13では、受信電波が、侵入距離に関連した参照スペクトル拡散符号と位相演算され、電界強度の変化により侵入距離に対応する侵入者検知が行われる。
【0018】
送信側の漏洩伝送路5および前記送信側の漏洩伝送路5と並設され前記送信側の漏洩伝送路5からの漏洩電波を受信する受信側の漏洩伝送路6を備え前記受信側の漏洩伝送路6で受信した電波が変化すれば侵入者があったものと判定する侵入者検知システムでは、発明者等の試験研究では、漏洩伝送路5,6を1500〜3000m前後敷設して漏洩伝送路5,6間への人の侵入の有無および侵入位置を、1500〜3000m前後の長距離に亘って検知できることが分かっている。なお、前記、侵入検知部13は、基板上に侵入検知機能を搭載してモジュール化したセンサーカードの製品形態に構成してあり、検知したい距離、例えば1000m,1500m,2000m,・・・に応じて、その枚数を増やして(増設して
)対応できるようにしてある。
【0019】
図4において、送信回路12は基準クロック発生手段1、スイッチ手段2、制御手段3、および送信スペクトル拡散信号発生手段4を有する。前記侵入検知部13は、検知手段11、参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150、および相関手段10-1〜10-150を有することで、例えば20mの精度で3000mの距離をケーブル延長方向の検知範囲とする。送信側漏洩伝送路5は、送信スペクトル拡散信号を伝送する。送信側ターミネータ7は、送信スペクトル拡散信号の反射によるエラーの発生を防止する。受信側漏洩伝送路6は、送信スペクトル拡散信号を受信し伝送する。受信側ターミネータ8は、送信スペクトル拡散信号を受信した送信スペクトル拡散信号の反射によるエラーの発生を防止する。
【0020】
また、前記侵入検知部13は設定手段17も有し、この設定手段17は、設定に基づいて、前記各参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150の機能を個別に機能停止及び機能開始させると共に、前記各相関手段10-1〜10-150の機能を個別に機能停止及び機能開始させる機能を有している。従って、この設定手段17の設定により、侵入者検知精度、侵入者検知距離(漏洩伝送路の延長方向の検知可能距離)を任意に選択設定できる。
【0021】
また、支障物検知装置とも言える侵入者検知装置16は、大綱的には、前記送信回路12と前記侵入検知部13とで構成されている。
【0022】
次に図4の動作について説明する。
【0023】
複数の参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150で侵入者の測定距離10m(±5m)間
隔で対応した遅延時間の参照用拡散符号を基準クロック発生手段1から生成し,参照用拡散符号で拡散変調された参照スペクトル拡散信号を出力し、参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150に対応した150個の相関手段10-1〜10-150で受信側漏洩伝送路6が受信した送信スペクトル拡散信号と参照スペクトル拡散信号との相関をとり、位相が一致したときに相関信号を出力し、参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150に設定された固有の各遅延時間に対する相関信号の信号レベルの変動量が設定値以上のときに検知手段11が工場や線路等の敷地内の10m(±5m)間隔のある場所に侵入者が存在することを検知する。
【0024】
なお、前述の実施の形態1では、測定距離10m(±5m)間隔で対応した遅延時間を設定
した150個の参照スペクトル拡散信号発生手段9-1〜9-150を実装とそれに対応した150個の相関手段10-1〜10-150を実装したことで、侵入者検知装置1台で検知精度±5mを維持し
たまま検知距離を相関数150個×検知距離10m(±5m)=1500mにでき、経済的に優れた高範囲の侵入者検知装置16を得ることができる。
【0025】
次に、図5によりこの発明の実施の形態1の侵入検知システムの一例(c)を、従来方式の侵入検知システム(a)及び他の簡略型の従来方式の侵入検知システム(b)と比較して説明する。
【0026】
この発明の実施の形態1の侵入検知システムの一例を例示する図5(c)は、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路である侵入検知システムであり、具体的には、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の一方61が、建物に横に配設された複数個の窓181,182,183の下側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の他方51が、前記複数個の窓181,182,183の上側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する侵入検知システムの事例である。
【0027】
複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する従来方式の事例を示す図5(a)は、赤外線式の発信器191と受信器201とによる侵入検知ユニット,赤外線式の発信器192と受信器202とによる侵入検知ユニット,赤外線式の発信器193と受信器203とによる侵入検知ユニットを、図示のように、
各窓181,182,183毎に設置し、しかも各ユニットと侵入検知装置16とを、窓181,182,183に跨って接続する配線が必要である。
【0028】
簡易型の従来方式の事例を示す図5(b)は、窓181の左端に赤外線式の発信器191を窓181の右端に受信器203を設け、侵入検知ユニット数、配線数を減らすことができる簡易型であるが、複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知することはできない。
【0029】
これに対し、この発明の実施の形態1の侵入検知システムの一例を例示する図5(c)は、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の一方の1本の漏洩伝送路52を、建物に横に配設された複数個の窓181,182,183の下側に当該複数個の窓181,182,183に跨って配設し、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の他方の一方の1本の漏洩伝送路51を、前記複数個の窓181,182,183の上側に当該複数個の窓181,182,183に跨って配設するだけで、従来方式のような窓181,182,183に跨った配線は不要であり、しかも、複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知することができる。
【0030】
実施の形態2.
以下、実施の形態2を、図6により説明する。図6は通路脇の建物における複数の窓を対象にした具体的な侵入検知システムの事例(b)を、この発明に至る過程で生まれ発明(a)と比較して示す図である。
【0031】
漏洩伝送路の代表的な事例である漏洩同軸ケーブルには、放射型と表面波型の二種類のタイプがあり、漏洩同軸伝送路を使用した侵入検知システムの標準的な構成では放射型の漏洩同軸ケーブルが使用されている。放射型と表面波型の漏洩同軸ケーブルではケーブル短手方向の電波放射特性が異なっており、放射型を用いた場合の電波強度は漏洩同軸ケーブルからの距離に反比例し、表面波型の電波強度は漏洩同軸ケーブルからの距離に対し、指数関数的に減少する。従って、表面波型の漏洩同軸ケーブルを使用した場合の検知エリアはその検知エリア高さ及び漏洩同軸ケーブル外の検知エリア幅を含めた検知エリア幅が何れも、放射型の漏洩同軸ケーブルの検知エリア高さ及び検知エリア幅に比べ小さくなる。即ち、表面波型の漏洩同軸ケーブルを使用した場合の検知エリアは、放射型の漏洩同軸ケーブルを使用した場合の検知エリアより狭小となる。
【0032】
この発明に至る過程で生まれ発明(a)は、放射型の漏洩同軸ケーブルを使用した場合の事例であり、この発明の実施の形態2の事例(b)は、表面波型の漏洩同軸ケーブルを使用した場合の事例である。
【0033】
図示のように、この発明に至る過程で生まれ発明(a)は、通路25脇の建物23の通路の面した1階における横に配設された複数の窓181,182,183に跨ってその上側及び下側に延在している放射型の漏洩同軸伝送路5,6の検知エリア24は、その検知エリア高さが高いので、通路25を通行中の人26を、窓181,182,183からの侵入者であると誤検知する。
【0034】
これに対し、この発明の実施の形態2の事例(b)は、通路25脇の建物23の通路の面した1階における横に配設された複数の窓181,182,183に跨ってその上側及び下側に延在している表面波型の漏洩同軸伝送路51,61の検知エリア27は、放射型の漏洩同軸伝送路5,6の検知エリア24比べて狭小であるので、通路25を通行中の通行人26を検知することはなく、放射型の漏洩同軸伝送路5,6の場合のような誤検知をしなくなる。
【0035】
なお、この発明の実施の形態2の事例(b)は、複数個の窓181,182,183の高さが人26等の侵入物体の高さと同等の高さであり、送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路である事例である。また、送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61の何れも建物23の外側に配設されている事例であり、既存の建物23への送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61の取り付けが容易である。
【0036】
実施の形態3.
以下この発明の実施の形態3を、図7により説明する。
図7に例示のように、この発明の実施の形態3は、送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61の何れも建物23の内側に配設されている事例である。
【0037】
建物によっては、前述の図6のように送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61を建物23の外側に配設した場合には建物の外観を阻害することもあり得るが、図7のように送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61の何れも建物23の内側に配設すれば、送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61が建物の外観を阻害するようなことはなく、しかも、建物23の外から送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61が見えないので、送信側漏洩伝送路51および受信側漏洩伝送路61を使った侵入検知システムが設置されていることが視認されることがなく、侵入検知システムの存在の秘匿性が高くなる。
【0038】
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を、図8により説明する。
図8に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の一方51が、建物23に縦に配設された複数個の窓181,182,183の左側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の他方61が、前記複数個の窓181,182,183の右側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する侵入検知システムの事例であり、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の何れも前記建物23の外側に配設されている事例であり、前述の図6(b)と同等の効果を奏する。
【0039】
実施の形態5.
以下この発明の実施の形態5を、図9により説明する。
図9に例示のように、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の何れも前記建物23の内側に配設されている事例であり、その他については、前述の図7と同じであり、前述の図7と同等の効果を奏する。
【0040】
実施の形態6.
以下この発明の実施の形態6を、図10により説明する。
図10(a)に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路5,51と、この送信側漏洩伝送路5,51から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路6,61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路6,61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の一方5,51が、建物23に縦に配設された複数個の窓181,182,183の左側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の他方6,61が、前記複数個の窓181,182,183の右側に当該複数個の窓181,182,183に跨って延在し、前記複数個の窓181,182,183の下側の窓181の高さが人26等の前記侵入物体の高さと同等の高さであり、前記下側の窓181の左右両側の前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記下側の窓181より上側の窓182,183の左右両側の前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、前記侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路6,61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓181,182,183のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する侵入検知システムを例示してある。
また、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の何れも前記建物23の外側に配設した事例でもある。
【0041】
表面波型漏洩同軸ケーブル等の表面波型漏洩同軸伝送路は、放射型漏洩同軸ケーブル等の放射型漏洩同軸伝送路より高価であるので、本実施の形態のように、下側の窓181の高さが人26等の前記侵入物体の高さと同等の高さである場合、前記下側の窓181の左右両側の前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路とし、前記下側の窓181より上側の窓182,183の左右両側の前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6が何れも放射型漏洩同軸伝送路とすれば、通路25を通っている人を誤検知しない侵入検知システムを安価に構成することができる。
なお、表面波型漏洩同軸ケーブルはその断面を図10(b)に例示し、放射型漏洩同軸ケーブルはその断面を図10(c)に例示してあり、何れも市販されているので、表面波型漏洩同軸ケーブル及び放射型漏洩同軸ケーブル自体の説明は割愛する。
【0042】
実施の形態7.
以下この発明の実施の形態7を、図11により説明する。
図11に例示のように、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の何れも前記建物23の内側に配設されている事例であり、その他については、前述の図10と同じであり、前述の図9、図10と同等の効果を奏する。
【0043】
実施の形態8.
以下この発明の実施の形態8を、図12により説明する。
図12(c)に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路51から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の一方51が、例えば建物231と建物232との間、或いは部屋231と部屋232との間の通路入り口28の一方の側(本実施の形態では左側)に延在し、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の他方61が、前記通路入り口28の当該入り口28を挟んだ他方の側(本実施の形態では右側)に延在し、前記侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口28から前記侵入物体が侵入したことを検知する侵入検知システムを例示してある。
また、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の何れも前記通路入り口28の壁の外側に配設されている事例を示してある。
【0044】
前記通路入り口28から前記侵入物体が侵入したことを検知するには、例えば、図12(a)に例示のように、赤外線方式の発信器191と受信器201との検知ユニット、・・・発信器194と受信器204との検知ユニット等、赤外線方式の複数の検知ユニットを上下に配設してもよいが、前述のように、各ユニットと前記侵入検知装置21との多数の配線が必要である。
【0045】
また、図12(b)に例示のように、一般的な放射型の送信側漏洩伝送路5および受信側漏洩伝送路6を設置してもよいが、放射型の送信側漏洩伝送路5および受信側漏洩伝送路6は、図示のように、検知エリア24が比較的広大であるので、例えば建物231と建物232との間、或いは部屋231と部屋232との間の通路入り口28が交わる通路25を通る通行人を誤検知する。
【0046】
これに対し、本実施の形態の事例である図12(c)では、表面波型の送信側漏洩伝送
路51および受信側漏洩伝送路61は、図示のように、検知エリア27が狭小であるので、例えば建物231と建物232との間、或いは部屋231と部屋232との間の通路入り口28が交わる通路25を通る通行人を誤検知するようなことがなくなる。
【0047】
実施の形態9.
以下この発明の実施の形態9を、図13により説明する。
本実施の形態9は、図13に例示のように、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の何れも、通路入り口28の両側の前記建物或いは部屋231,232の内側に配設されている事例を示してあり、前述の図12(c)の事例と同等の効果を奏すると共に、前述の図7、図9、図11と同様に、外観上、秘匿性の観点での効果も奏する。
【0048】
実施の形態10.
以下この発明の実施の形態10を、図14により説明する。
本実施の形態10は、図14に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路5,51と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路6,61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路6,61に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の一方5,51が、通路入り口28の一方の側(本実施の形態では左側)に上下に延在し、前記送信側漏洩伝送路5,51および前記受信側漏洩伝送路6,61の他方6,61が、前記通路入り口28の当該入り口28を挟んだ他方の側(本実施の形態では右側)に上下に延在し、前記通路入り口28の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであるエリアでは前記両側の漏洩伝送路51,61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記通路入り口28の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さより高いエリアでは前記両側の漏洩伝送路5,6が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、前記侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口28から前記侵入物体が侵入したことを検知する侵入検知システムを例示してある。
また、前記表面波型漏洩同軸伝送路51,61および前記放射型漏洩同軸伝送路5,6の何れも前記通路入り口28の両側の建物或いは部屋231,232の壁の外側に配設されている事例を示してある。
従って、図12(c)と同等の効果を奏すると共に、図10と同様なコストの観点での効果も奏する。
【0049】
実施の形態11.
以下この発明の実施の形態11を、図15により説明する。
本実施の形態11は、図15に例示のように、表面波型漏洩同軸伝送路51,61および放射型漏洩同軸伝送路5,6の何れも通路入り口28の両側の建物或いは部屋231,232の壁の内側に配設されている事例であり、前述の図14と同等の効果を奏すると共に、前述の図7、図9、図11、図13と同様に、外観上、秘匿性の観点での効果も奏する。
【0050】
実施の形態12.
以下この発明の実施の形態12を、図16により説明する。
本実施の形態12は、図16(b)に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路51と、この送信側漏洩伝送路51から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路61とが離間して設置され、侵入検知装置16により、前記受信側漏洩伝送路61に受信された前記検知用信号の変化に基
づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61が、塀29の侵入検知領域側に前記塀29に近接して設置され、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61が何れも表面波型漏洩同軸伝送路である侵入検知システムを例示してある。
また、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61との相対的設置位置関係が、前記塀29に沿って水平方向に平行に並設されている関係にある事例を示してある。
【0051】
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路との相対的設置位置関係が、前記塀29に沿って水平方向に平行に並設されている関係にある場合、図16(a)に例示のように、前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6の何れも放射型の漏洩同軸伝送路としても侵入検知は可能であるが、前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6の何れも放射型の漏洩同軸伝送路とした場合の検知エリア24は比較的広大であり、その検知高さ30hが、図16(b)の表面波型の漏洩同軸伝送路51,61の場合の検知高さ30h1より高いだけではなく、その検知幅が漏洩伝送路5,6間の幅L1と漏洩伝送路5,6の外側の検知幅L2,L3であり合計L1+L2+L3と、表面波型の漏洩同軸伝送路51,61の場合の漏洩伝送路51,61間の幅L1と漏洩伝送路51,61の外側の検知幅L21,L31の合計L1+L21+L31との関係は、L1+L2+L3>L1+L21+L31となる。また、図示のようにL2>L21,L3>L31となる。
【0052】
従って、塀29の侵入検知領域と反対の側に、通路31が塀29と隣接して存在する場合、通路31の車32の脇をとおる通行人が検知エリア24内に入り誤検知する場合があり得る。車32を誤検知する場合もある。
【0053】
これに対し、本実施の形態である図16(b)では、漏洩伝送路51,61の外側の検知幅L21,L31が狭いので、塀29の侵入検知領域と反対の側に、通路31が塀29と隣接して存在する場合でも、通路31の車32の脇をとおる通行人が検知エリア27内に入りことは殆どなくなり、通路31の車32や通行人に起因する誤検知を抑制あるいは防止することができる。
【0054】
なお、放射型の漏洩同軸ケーブルを用いて、従来の標準的な設置方法である、地表面に送信用漏洩同軸ケーブルおよび受信用漏洩同軸ケーブルの2本のケーブルを水平方向に並べて設置する方式を採用する場合、送信用漏洩同軸ケーブルと受信用漏洩同軸ケーブルとの間隔は80cm以上を必要とする。また、侵入物体以外による送受信信号波の撹乱を避ける為に、周辺の固定された構造物から50cm以上、通行車輌からは5m以上を離すことが望ましいので、放射型の漏洩同軸ケーブルの設置には幅2m〜数mものスペースが必要となる。こ
の時、検知エリアの高さは2m程度となる。
【0055】
表面波型の漏洩同軸ケーブルを用いて、従来の標準的な設置方法である、地表面に送信用漏洩同軸ケーブルおよび受信用漏洩同軸ケーブルの2本のケーブルを水平方向に並べて設置する方式を採用する場合、送信用漏洩同軸ケーブルと受信用漏洩同軸ケーブルと間隔は放射型の場合と同程度であるものの、両ケーブルの外側に放射される電波の到達距離が短くなっているため、ケーブルの設置に必要なスペースは幅およそ1m〜1.5m程度となる。なお、表面波型の場合、垂直方向に放射される電波の到達距離も短くなるため、検知エリアの高さは放射型の場合にくらべ半分以下となり、高さ方向の侵入物体に対する検知能力は低下するが、通常は地上を通る人、ほかが検知対象であるので、実質的には、当該高さ方向の侵入物体に対する検知能力の低下は、侵入検知上特段の問題はない。
【0056】
実施の形態13.
以下この発明の実施の形態13を、図17により説明する。
本実施の形態13は、図17(b)に例示のように、表面波型の送信側漏洩伝送路51および表面波型の受信側漏洩伝送路61との相対的設置位置関係が、前記塀29に沿って垂直方向に平行に並設されている関係にある事例を示してあり、また、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の少なくとも一方が、前記塀29に当該塀の前記侵入検知領域側に取り付けられている事例を示してある。なお、図17(b)では前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の双方が、前記塀29に当該塀の前記侵入検知領域側に取り付けられている事例を代表的に示してある。
【0057】
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路との相対的設置位置関係が、前記塀29に沿って垂直方向に平行に並設されている関係にある場合、図17(a)に例示のように、前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6の何れも放射型の漏洩同軸伝送路としても侵入検知は可能であるが、前記送信側漏洩伝送路5および前記受信側漏洩伝送路6の何れも放射型の漏洩同軸伝送路とした場合の検知エリア24は比較的広大であり、その検知高さ30hが、図17(b)の表面波型の漏洩同軸伝送路51,61の場合の検知高さ30h1より高いだけではなく、その検知幅が漏洩伝送路5,6の水平方向の設置幅l1と漏洩伝送路5,6の水平方向外側の検知幅l2,l3であり合計l1+l2+l3と、表面波型の漏洩同軸伝送路51,61の場合の漏洩伝送路51,61の水平方向の設置幅l1と漏洩伝送路51,61の水平方向外側の検知幅l21,l31の合計l1+l21+l31との関係は、l1+l2+l3>l1+l21+l31となる。また、図示のようにl2>l21,l3>l31となる。
【0058】
つまり、図17(a)(b)に対比的に示すように、表面波型の漏洩同軸伝送路51,61を使用した場合の検知エリア27は、放射型の漏洩同軸伝送路5,6を使用した場合の検知エリア24比べて狭小となる。従って、侵入検知システムとして利用する2本の漏洩同軸ケーブルの内、1本または2本を表面波型の漏洩同軸ケーブルとすることにより、漏洩同軸ケーブルから離れた位置の物体は検知せずにケーブル近傍の物体のみを検知することが可能となる。すなわち誤検知を抑制することが可能となる。
また、侵入検知システムの検知性能が、漏洩同軸ケーブルから離れた位置にある物体からの影響を受けなくなることは、漏洩同軸ケーブル設置上の利点として、既存の構造物との間隔を狭くできることを意味する。
【0059】
実施の形態14.
以下この発明の実施の形態14を、図18により説明する。
本実施の形態14は、図18に例示のように、前記送信側漏洩伝送路51および前記受信側漏洩伝送路61の一方(本実施の形態では前記送信側漏洩伝送路51)が、前記塀29に当該塀29の前記侵入検知領域側に取り付けられ、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方(本実施の形態では前記受信側漏洩伝送路61)が、地中に所定深さに埋設されている事例を示してある。
【0060】
本実施の形態によれば、侵入物体の横断時に下側の同軸漏洩伝送路61が破損するのを防ぐと共に、侵入者が地面を掘って塀29の下から潜り抜ける場合も検知可能となる。また、表面に出る同軸漏洩伝送路が1本51となる為、威圧感を抑制することができる。更にまた、下側の漏洩伝送路を放射型の漏洩同軸伝送路6とすることで、地中方向の検知エリアを広げることができ、より深い位置からの潜り抜けの検知を可能とする。
【0061】
実施の形態15.
以下この発明の実施の形態15を、図19により説明する。
本実施の形態15は、図19に例示のように、侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記
検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、何れもその長手方向(延在方向)に漏洩伝送路を複数本5,51,52、6,61,62連結して構成され、前記漏洩伝送路を複数本複数本5,51,52、6,61,62連結して構成された前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路において通路311,312と隣接する前記漏洩伝送路51,61は表面波型漏洩同軸伝送路であり、前記通路311,312と隣接する前記漏洩伝送路51,61以外の前記漏洩伝送路は放射型漏洩同軸伝送路5,52,6,62である比較的大規模な侵入検知システムを例示してある。
【0062】
本実施の形態によれば、比較的大規模な侵入検知システムにおいて、通路311,312が隣接する領域では表面波型漏洩同軸伝送路を敷設して誤検知を防止し、通路311,312が隣接していない領域では放射型漏洩同軸伝送路を敷設することで、安価なシステム構成で誤検知を防止できるシステムを実現できる。
【0063】
実施の形態16.
以下この発明の実施の形態16を、図20により説明する。
本実施の形態16は、図19おける通路312が存在していない場合は、図20に例示のように、通路311が存在している側の漏洩伝送路51を表面波型漏洩同軸伝送路とし、通路が存在していない側の漏洩伝送路63を放射型漏洩同軸伝送路とすることで、誤検知を抑制でき、しかも安価なシステム構成とする事例を示してある。
【0064】
なお、図1〜図20の各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
【符号の説明】
【0065】
5 放射型の送信側の漏洩伝送路、
51 表面波型の送信側の漏洩伝送路、
52 放射型の送信側の漏洩伝送路、
6 放射型の受信側の漏洩伝送路、
61 表面波型の受信側の漏洩伝送路、
62 放射型の受信側の漏洩伝送路、
63 放射型の受信側の漏洩伝送路、
16 侵入検知装置、
181,182,183 窓、
23 建物、
231 建物(部屋)、
232 建物(部屋)、
24 放射型の漏洩同軸伝送路の検知エリア、
25 通路、
26 通行人、
27 表面波型の漏洩同軸伝送路の検知エリア、
28 通路入り口、
29 塀、
31 通路、
311 通路、
312 通路、
32 車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項2】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に横に配設された複数個の窓の下側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の上側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の侵入検知システムにおいて、
前記複数個の窓の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項4】
請求項3に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の外側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項5】
請求項3に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の内側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項6】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複
数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項7】
請求項6に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の外側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項8】
請求項6に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の内側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項9】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、建物に縦に配設された複数個の窓の左側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記複数個の窓の右側に当該複数個の窓に跨って延在し、
前記複数個の窓の下側の窓の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであり、
前記下側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記下側の窓より上側の窓の左右両側の前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記複数個の窓のうちのどの窓から前記侵入物体が侵入したのか検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項10】
請求項9に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の外側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項11】
請求項9に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記建物の内側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項12】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項13】
請求項12に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記通路入り口の壁の外側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項14】
請求項12に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の何れも前記通路入り口の壁の内側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項15】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、通路入り口の一方の側に延在し、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、前記通路入り口の当該入り口を挟んだ他方の側に延在し、
前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さであるエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記通路入り口の両側の漏洩伝送路の高さが前記侵入物体の高さと同等の高さより高いエリアでは前記両側の漏洩伝送路が何れも放射型漏洩同軸伝送路であり、
前記侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記通路入り口から前記侵入物体が侵入したことを検知する
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項16】
請求項15に記載の侵入検知システムにおいて、
前記表面波型漏洩同軸伝送路および前記放射型漏洩同軸伝送路の何れも前記通路入り口の壁の外側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項17】
請求項15に記載の侵入検知システムにおいて、
前記表面波型漏洩同軸伝送路および前記放射型漏洩同軸伝送路の何れも前記通路入り口の壁の内側に配設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項18】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、塀の侵入検知領域側に前記塀に近接して設置され、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が何れも表面波型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項19】
請求項18に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路との相対的設置位置関係が、前記塀に沿って水平方向に平行に並設されている関係にある
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項20】
請求項18に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路との相対的設置位置関係が、前記塀に沿って垂直方向に平行に並設されている関係にある
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項21】
請求項20に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の少なくとも一方が、前記塀に当該塀の前記侵入検知領域側に取り付けられている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項22】
請求項20に記載の侵入検知システムにおいて、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の一方が、前記塀に当該塀の前記侵入検知領域側に取り付けられ、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路の他方が、地中に所定深さに埋設されている
ことを特徴とする侵入検知システム。
【請求項23】
侵入監視エリア内に、侵入を検知するための検知用信号を送信する送信側漏洩伝送路と、この送信側漏洩伝送路から漏洩した前記検知用信号を受信する受信側漏洩伝送路とが離間して設置され、侵入検知装置により、前記受信側漏洩伝送路に受信された前記検知用信号の変化に基づいて前記侵入監視エリアへの侵入物体の有無を検知する侵入検知システムであって、
前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路が、何れも漏洩伝送路を複数本連結して構成され、
前記漏洩伝送路を複数本連結して構成された前記送信側漏洩伝送路および前記受信側漏洩伝送路において通路と隣接する前記漏洩伝送路は表面波型漏洩同軸伝送路であり、
前記通路と隣接する前記漏洩伝送路以外の前記漏洩伝送路は放射型漏洩同軸伝送路である
ことを特徴とする侵入検知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−123453(P2012−123453A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271377(P2010−271377)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】