侵入防止具及び柵
【課題】侵入をより断念させる侵入防止具を提供することを目的とする。
【解決手段】外力により可動する可動パイプ2と、一方の端が可動パイプ2に固定され、他方の端が、可動パイプ2と隣接して設けられた縦格子103に固定され、縦格子103と可動パイプ2を連結するバネ部材4a、4bとを備え、可動パイプ2に加えられる外力によりバネ部材4a、4bが変形し、外力が取り除かれた場合、バネ部材4a、4bが弾性力によって変形する前の状態に戻ることにより、可動パイプ2は可動する前の状態に戻る、侵入防止具である。
【解決手段】外力により可動する可動パイプ2と、一方の端が可動パイプ2に固定され、他方の端が、可動パイプ2と隣接して設けられた縦格子103に固定され、縦格子103と可動パイプ2を連結するバネ部材4a、4bとを備え、可動パイプ2に加えられる外力によりバネ部材4a、4bが変形し、外力が取り除かれた場合、バネ部材4a、4bが弾性力によって変形する前の状態に戻ることにより、可動パイプ2は可動する前の状態に戻る、侵入防止具である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入防止具及び柵に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の周囲に設けられている柵には、侵入を防止するために、例えば、忍び返し等の侵入防止具が設けられていることが多い。このような侵入防止具としては、柵の外側に向かって反り返っているものや、先端が鋭利なものがよく用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、電柱を利用して住宅に侵入することを防いだり、電線による感電等の危険防止のために、電柱にも侵入防止具が、よく設けられている。
【特許文献1】特開2007−120216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の侵入防止具は柵や電柱にしっかり固定されていたため、侵入を企てる者は、侵入防止具の先端部を手で掴むことによって、それを手がかりとして、先端に気をつけながら慎重に乗り越えることも可能であった。
【0005】
本発明は、従来の侵入防止具の課題を考慮し、侵入を断念させることが可能な侵入防止具及び柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
外力により可動する可動部材と、
一方の端が前記可動部材に固定され、他方の端が、前記可動部材と隣接して設けられた支持部材に固定され、前記支持部材と前記可動部材を連結する連結部材とを備え、
前記可動部材に加えられる外力により前記連結部材が変形する、侵入防止具である。
【0007】
又、第2の本発明は、
前記連結部材は、弾性部材であり、
前記外力が取り除かれた場合、前記連結部材が弾性力によって前記変形する前の状態に戻ることにより、前記可動部材は前記可動する前の状態に戻る、第1の本発明の侵入防止具である。
【0008】
又、第3の本発明は、
前記弾性部材は、バネ部材又はゴム部材である、第2の本発明の侵入防止具である。
【0009】
又、第4の本発明は、
前記侵入防止具を取り付ける対象は柵であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、
前記柵の上部に取り付けるための取り付け部を有している、第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具である。
【0010】
又、第5の本発明は、
前記侵入防止具を取り付ける対象は電柱又は鉄塔であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、前記電柱又は鉄塔の外周に取り付けられるリング状の枠体であり、
前記可動部材は、前記リング状の枠体から前記連結部材を介して放射状に複数本設けられている、第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具である。
【0011】
又、第6の本発明は、
第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具を上部に備えた、柵である。
【0012】
又、第7の本発明は、
少なくとも2本の支柱と、前記支柱に渡って設けられた第1の柵部と、前記第1の柵部の上側に設けられた第2の柵部とを備え、
前記第2の柵部は、前記2本の支柱の実質上中央で分割されており、
外力により、前記分割されている第2の柵部のうち一方の柵部は、前記2本の支柱のうち一方の前記支柱を中心に可動し、前記分割されている第2の柵部のうち他方の柵部は、他方の前記支柱を中心に可動する、柵である。
【0013】
又、第8の本発明は、
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部と
前記一方の柵部と前記他方の柵部を前記中央で連結する第3の連結部を備え、
前記第3の連結部は、一端が前記一方の柵部の端部に固定され、他端が前記他方の柵部の端部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部と前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、第7の本発明の柵である。
【0014】
又、第9の本発明は、
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部とを備え、
前記第1の連結部は、一端が前記一方の支柱に固定され、他端が前記一方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記第2の連結部は、一端が前記他方の支柱に固定され、他端が前記他方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、それぞれの前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部及び前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、第7の本発明の柵である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、侵入を断念させることが可能な侵入防止具及び柵を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1における侵入防止具1を上部に備えた柵100を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、柵100は、地面に差し込まれた2本の支柱101と、2本の支柱101に渡って、水平に固定されている2本の横支持部材102とを備えている。又、2本の横支持部材102に固定されている複数の縦格子103が設けられている。この縦格子103の上端部に、本実施の形態の侵入防止具1が設けられている。尚、図1中、矢印C方向が、例えば住居の外側であり、矢印B方向が住居側となっている。
【0019】
図2は、図1の縦格子103の上部分の侵入防止具1の側面拡大図である。又、図3は、侵入防止具1の内部構成図である。
【0020】
図2に示すように、本実施の形態1の侵入防止具1は、縦格子103の上側に、縦格子103の長手方向に沿って直立して配置されている可動パイプ2を備えている。可動パイプ2の下端部2bと、縦格子103の上端部103aは直接接続されておらず、後述するバネ部材4a、4b等によって間接的に接続されている。又、本実施の形態の侵入防止具1は、縦格子103の上端部103aと可動パイプ2の下端部2bを覆うように設けられているゴムで形成されたバンド3を備えている。
【0021】
又、図3に示すように、侵入防止具1は、可動パイプ2の下端部2bと縦格子103の上端部103aを間接的に接続するために、可動パイプ2及び縦格子103の内側に、2つのバネ部材4a、4bを備えている。又、可動パイプ2及び縦格子103の内側には、バネ部材4a、4bを支持するための上支持ブロック5と下支持ブロック6が設けられている。この上支持ブロック5には、2つのバネ部材4a、4bの内側に挿入されるガイド51、52が設けられており、下支持ブロック6にも2つのバネ部材4a、4bの内側に挿入されるガイド61、62が設けられている。又、上支持ブロック5は、可動パイプ2の下部にネジ53によって固定されており、下支持ブロック6は縦格子103の上部にネジ63によって固定されている。
【0022】
又、ガイド51、61はバネ部材4aに固定されているが、ガイド52、62はバネ部材4bの内側に配置されているだけで、固定されていない。尚、バネ部材4aに代えて、バネ部材4bがガイドに固定されていてもよい。
【0023】
尚、本発明の可動部材の一例は、本実施の形態の可動パイプ2に相当し、本発明の連結部材の一例は、本実施の形態のバネ部材4a、4bに相当する。又、本発明の支持部材の一例は、本実施の形態の縦格子103の上端部103aに相当する。
【0024】
上記構成の侵入防止具1の動作について以下に説明する。
【0025】
本実施の形態1の侵入防止具1の可動パイプ2は、上端部103aとバネ部材4a、4bを介して連結されている。そのため、可動パイプ2に外力が加えられると、バネ部材4a、4bが変形し、可動パイプ2は縦格子103の上端部103a側を支点として動く。又、外力がなくなると、バネ部材4a、4bの弾性力により、可動パイプ2は、図2及び図3に示すような縦格子103の長手方向に沿って直立に配置されたもとの状態に戻る。
【0026】
図4は、本実施の形態の侵入防止具1の可動パイプ2の動きを説明するための模式的な側面図である。又、図5は、本実施の形態の侵入防止具1の可動パイプ2の動きを説明するための模式的な平面図である。
【0027】
図4に示すように、可動パイプ2の先端2aは、下端部2b側を中心に矢印D、E方向に可動する。又、図5の平面図に示すように、可動パイプ2の先端2aは、360°いずれの方向にも回転可能である。尚、動いた可動パイプ2は、2点鎖線で示されている。
【0028】
上述したような構成により、図6(a)の側面模式図に示すように、住居に侵入する侵入者が可動パイプ2を手で掴んで柵100を乗り越えようとした場合、図6(b)に示すように例えば矢印D、E方向に可動パイプ2が曲がることになる。このように意表をつく動きをするため、侵入者は、柵100から落下することもあり、また落下しない場合でも、可動パイプ2を手がかりに柵を上れなくなるため、侵入をあきらめる。それでも、さらに乗り越えようとしたとしても、バネ部材4a、4bの弾性力によって、複数の可動パイプ2が直立した状態に復元するため侵入の妨げとなる。
【0029】
以上のように、本実施の形態の侵入防止具を用いることによって、侵入に時間を要することになり、発見される確率が高くなるため、侵入者は侵入を断念せざるを得なくなるという効果を発揮することが出来る。
【0030】
又、本実施の形態では、バネ部材4a、4bのうち、バネ部材4aのみがガイドに固定されている。仮に、双方のバネをガイドに固定する場合、一方のバネを固定した後に、他方のバネを固定することになり、バネにねじれが発生しやすくなる。従って、本実施の形態のように、一方のバネ部材のみを固定するように構成した方が、組立が容易となり、コストも抑えることが出来る。
【0031】
尚、本実施の形態では、外力により複数本の可動パイプ2が別々に可動であるが、例えば、図7の斜視図に示すように、複数の可動パイプ2に渡って横支持部材106を設けることにより、複数の可動パイプ2同士が固定されていても良い。この場合、外力が加えられることにより、複数の可動パイプ2は一体として矢印B又はC方向に倒れることになる(図6(a)矢印D、E参照)。
【0032】
又、図8に示すように、支柱101の先端に連結して可動パイプ15を設け、縦格子103と可動パイプ2の間を連結しない構成であってもよい。尚、支柱101と可動パイプ15の連結は、上述したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、及び下支持ブロック6等で行われる。又、支柱101と可動パイプ15の接続部分は、バンド16で覆われている。
【0033】
(実施の形態2)
以下に、本発明にかかる実施の形態2における侵入防止具について説明する。
【0034】
本実施の形態2の侵入防止具20は、実施の形態1の侵入防止具1と基本的な構成は同じであるが、本実施の形態2の侵入防止具20は、既存の柵に取り付け可能に構成されている点が異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付している。
【0035】
図9は、本実施の形態2の侵入防止具20と柵200の部分拡大斜視図である。尚、柵200は、柵100と比較して、侵入防止具と一体となっていない点と、縦格子103の上端部103aにキャップ103bが被せられている点が異なっており、他の構成は同じである。
【0036】
図9に示すように、侵入防止具20は、実施の形態1の侵入防止具1と異なり、可動パイプ2の下側には、縦格子103の代わりに可動パイプ2を支持するための支持パイプ21が設けられている。この支持パイプ21と可動パイプ2の内側には、実施の形態1で説明したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等が設けられており、支持パイプ21と可動パイプ2が間接的に接続されている。又、可動パイプ2の下端部2bと支持パイプ21の上端部21aを覆うようにバンド3が設けられている。
【0037】
さらに、この支持パイプ21には、断面がL字形状の取り付け部材22が設けられており、取り付け部材22の水平部分22sには貫通孔22a、22bが形成されている。
【0038】
このような構成の侵入防止具20は、矢印Gに示すように、縦格子103の間の横支持部材102に配置され、柵100に取り付けられる。取り付けられた状態が、図9における左側の侵入防止具20に示されている。尚、取り付ける際には、侵入防止具20は、横支持部材102の上面に形成されたビス孔102aと貫通孔22a、22bを通してビス23によって横支持部材102の上面に固定される。
【0039】
上述した実施の形態1の侵入防止具1では、縦格子103と可動パイプ2がバネ部材4a、4b等を介して接続されているため、既存の柵に侵入防止具1を取り付けるのが困難であるが、本実施の形態2の侵入防止具20では、柵から着脱可能に構成されているため、既存の柵に取り付けることも可能となる。
【0040】
このように、柵毎取り替えなくても良く、既存の柵を利用できるため、住居のセキュリティを強化したい場合等にも、費用を安く抑えることが可能となる。又、柵だけでなくバルコニーの手摺、塀、門扉、門塀等に取り付けることが可能である。
【0041】
尚、本実施の形態2では、断面L字形状の取り付け部材22を用いて、既存の柵100に取り付けたが、このような構成に限らず、他の形状の金具であっても良く、要するに既存の柵200に取り付けることが出来る構成でありさえすればよい。
【0042】
又、本実施の形態2の侵入防止具20には、可動パイプ2と支持パイプ21の組が1組しか設けられていないが、図10に示すように、複数組設けられていても良い。図10は、可動パイプ2と支持パイプ21の組が複数組設けられた侵入防止具25の斜視図である。この侵入防止具25は、支持パイプ21及び可動パイプ2の組を複数組有しており、各組の支持パイプ21の下側が、板状の取り付け板26に固定されている。また、取り付け板26の両端には、貫通孔26a、26bが形成されている。尚、支持パイプ21及び可動パイプ2の内側には、実施の形態1、2と同様にバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等が設けられており、支持パイプ21と可動パイプ2が間接的に接続されている。
【0043】
この侵入防止具25が、貫通孔26a、26bを通してビスによって、柵100の横支持部材102の上面に取り付けられる。尚、図10に示す侵入防止具25では、可動パイプ2及び支持パイプ21の組が5組設けられているが、この数に限らない。
【0044】
又、図9に示す形状の侵入防止具20が複数個連接されていてもよい。図11に、複数個連接された侵入防止具20が、壁600に取り付けられている状態が示されている。図11に示す侵入防止具27は、図9の取り付け部材22が連接した取り付け部材29に、支持パイプ21及び可動パイプ2の組が6組設けられている。この取り付け部材29に予め形成されている貫通孔を介してビス28によって侵入防止具27は壁600に取り付けられている。又、図中、動いた可動パイプ2が一点鎖線で示されている。
【0045】
又、本実施の形態1、2の侵入防止具は、柵だけでなく門などにも適用可能である。
【0046】
又、上記実施の形態1、2では、2本のバネ部材が用いられているが、1本でもよく、3本以上であってもよい。
【0047】
又、実施の形態1、2では、本発明の弾性部材の一例としてバネ部材が用いられているが、ゴム部材であってもよい。例えば、ゴム部材の場合には、実施の形態1の侵入防止具に適用した場合を例に挙げて説明すると、図12に示すような構成となる。図12は、図3のバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、及び下支持ブロック6に代えて、ゴム部材11を設けた場合の侵入防止具10の内部構成図である。侵入防止具10は、直方体形状のゴム部材11が可動パイプ2と上端部103aの間に渡って内側に設けられている。図13(a)、(b)は、ゴム部材11の正面図と側面図である。図13(a)、(b)に示すように、ゴム部材11は、直方体形状であり、2つの貫通孔11a、11bが形成されている。ゴム部材11は、貫通孔11aを通して設けられたネジ111とナット112によって可動パイプ2と固定されており、貫通孔11bを通して設けられたネジ113とナット114によって縦格子103とも固定されている。また、可動パイプ2の下端と縦格子103の上端は、バンド13によって覆われている。
【0048】
以上のように、バネ部材4a、4bをゴム部材11に代えた構成であっても、バネ部材4a、4bと同様の効果を発揮することが出来る。
【0049】
さらに、図14(a)に示すような形状のゴム部材12であってもよい。図14(a)は、ゴム部材11を用いた際の縦格子103と可動パイプ2の接続を示す構成図である。図14(a)に示すように、ゴム部材12は、3つの直方体が結合した形状であり、中央の部材121とその上下に配置されている部材122、123から構成されている。部材121の上方から見た断面形状は、可動パイプ2と縦格子103の外壁までの断面形状と実質上一致している。又、部材122と部材123の、上方から見た断面形状は、可動パイプ2と縦格子103の内壁までの断面形状より若干大きく形成されている。
【0050】
矢印H方向に従って、縦格子103の内部に部材123を差込、可動パイプ2の内側に部材122を差し込むことによって、可動パイプ2と縦格子103はゴム部材12によって間接的に連結される。この連結された状態が、図14(b)に示されている。尚、上述のように、部材122、123の上から見た断面形状を若干大きく形成することによって、差し込んだ際に、ゴム部材12が可動パイプ2と縦格子103が抜けにくくなるため、連結を確実に行うことが出来る。
【0051】
又、既設の柵200の縦格子103は、図14(c)に示すように、縦格子103の上部にキャップ103bを付した構成が多く用いられているが、このキャップ103bが着脱可能である場合には、ユーザーは、ゴム部材12と可動パイプ2を侵入防止具として購入し、図14(d)に示すように既設の柵200のキャップ103bを外し、ゴム部材12及び可動パイプ2を装着することによって、既設の柵に簡便に侵入防止具を取り付けることが可能となる。
【0052】
尚、上記実施の形態1、2では、可動パイプ2は、その下側を中心にして、図5に示すように平面視360°の方向に回動可能であるが、少なくとも1方向に動くことが可能であればよい。但し、侵入者が手で掴んで柵を乗り越えることを防止する観点から、少なくとも住居の内側又は外側に向かって回動可能に構成される方が好ましい。
【0053】
(実施の形態3)
以下に、本発明にかかる実施の形態3について説明する。
【0054】
本実施の形態3の侵入防止具30は、実施の形態2の図10で説明した侵入防止具25と基本的な構成は同じであるが、取り付ける対象物が実施の形態2の柵と異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、図10の侵入防止具25と同一の構成要素については同一の符号を付している。
【0055】
図15は、本実施の形態3の侵入防止具30が電柱300に取り付けられた状態を示す外観斜視図である。又、図16は、本実施の形態3の侵入防止具30の平面図である。図15、及び図16に示すように、本実施の形態3の侵入防止具30は、放射状に配置された12本の可動パイプ2と、電柱300の側面に取り付けるためのリング状の枠体31とを備えている。このリング状の枠体31は、外側に向かって複数の支持突起32を有しており、支持突起32と可動パイプ2が、実施の形態1で説明したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等によって連結されている。又、可動パイプ2と支持突起32との連結部分は、バンド3によって覆われている。
【0056】
また、枠体31には、貫通孔31a等が設けられており、本実施の形態3の侵入防止具30は、貫通孔31aを通してビスなどによって電柱300の側面に取り付けられる(図15参照)。
【0057】
以上のように電柱300の側面に侵入防止具30を設けることにより、侵入防止具30の可動パイプ2を手がかりに電柱300を登ろうとしても、可動パイプ2が矢印L方向(図15参照)に動くため、電柱の上部への侵入を抑制することが可能となり、住居への不法侵入の抑制又は、感電などの危険防止に繋がる。
【0058】
尚、本実施の形態3においても、実施の形態1、2と同様に、可動パイプ2は全方位に動く必要なく、少なくとも下方に動けば、侵入を抑制することが出来る。
【0059】
又、本実施の形態3では、侵入防止具30を取り付ける対象物として電柱300を例に挙げて説明したが、鉄塔等であってもよい。
【0060】
又、本発明の可動部材の一例は、実施の形態1〜3の可動パイプ2に相当し、角型であるが、これに限らず、丸型のパイプでもよく、従来のように先端が尖っていても良い。
【0061】
又、上記実施の形態1〜3では、可動パイプ2が外力によって移動した場合であっても、バネ部材4a、4bの弾性力により可動パイプ2は基の状態に復元するが、復元しなくても良い。この場合であっても、手で掴んだ可動パイプ2が可動することによって侵入者が意表をつかれ、侵入を断念するという効果は発揮することが出来る。尚、もとの状態とは、実施の形態1では、縦格子103の長手方向に沿って可動パイプ2が直立している状態であり、実施の形態2では、支持パイプ21の長手方向に沿って可動パイプが直立している状態であり、実施の形態3では、可動パイプ2が電柱300の側面に対して実質上垂直な状態のことである。
【0062】
又、上記実施の形態1、2、3では、可動パイプ2と縦格子103又は支持パイプ21との間に、バンド3が設けられているが、設けられていなくても良い。但し、バンド3の素材として伸縮性のあるものを用いることによって可動パイプ2の復元力を増すことが出来る。
【0063】
(実施の形態4)
以下に、本発明にかかる実施の形態4の柵について説明する。
【0064】
図17は、本実施の形態4の柵40の斜視図である。柵40は、2本の支柱41a、bと、これらの2本の支柱41a、41bに渡って設けられた第1の柵部42と、第1の柵部42の上側に配置されている第2の柵部43とを備えている。
【0065】
第1の柵部41は、柵40の主たる部分であり、2本の支柱41a、bにわたって、水平に2本設けられている横支持部材44と、横支持部材44に固定されている複数の縦格子47とを有している。
【0066】
図18(a)は、第2の柵部43の拡大正面図であり、図18(b)は、第2の柵部43の平面図である。図18(a)、(b)に示すように、第2の柵部43は、並んで配置されている2つの柵部45、46から構成されている。この柵部45は、支柱41aに丁番70a(詳しくは後述する)を介して取り付けられた2本の横支持部材451a、451bと、この2本の横支持部材451a、451bに渡って設けられた複数本の縦格子472とを有している。又、柵部46は、支柱41bに丁番70bを介して取り付けられた2本の横支持部材461a、461bと、2本の横支持部材461a、461bに渡って設けられた複数本の縦格子462とを有している。又、横支持部材451aと横支持部材461aの間と、横支持部材451bと横支持部材461bの間は、それぞれゴム部材80によって連結されている。
【0067】
又、図18(b)の平面図に示すように、この柵部45、46は、夫々が取り付けられている支柱41a、41bを中心にして回転可能に構成されている。図18(b)の二点鎖線で描かれた柵部45、46は、回転した状態を示している。図19(a)は、支柱41aと柵部45の拡大平面図である。図19(a)に示すように柵部45の横支持部材451aと支柱41aを連結するための丁番70aが設けられている。尚、丁番70aの柵部45側には規制部材73が設けられており、図19(b)に示すように、柵部45が矢印I方向に回転すると、規制部材73の先端が丁番70aの支柱41a側に当接することによって、柵部45の回転が規制される。なお、図19ではゴム部材80を図示していない。
【0068】
図20(a)は、柵40の部分拡大平面図である。図20(b)は、図19(b)のように柵部45、46が回動した状態の部分拡大図である。図20(b)のように柵部45、46が外力により矢印方向に回転した場合、ゴム部材80の弾性力によってもとの状態に戻る(矢印K方向)ことが出来る。
【0069】
尚、本発明の一方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部45に相当し、本発明の他方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部46に相当する。また、本発明の一方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱41aに相当し、本発明の他方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱41bに相当する。又、本発明の第1の連結部の一例は、本実施の形態の丁番70aに相当し、本発明の第2の連結部の一例は、本実施の形態の丁番70bに相当する。又、本発明の第3の連結部の一例が、本実施の形態のゴム部材80に相当する。
【0070】
上記構成の本実施の形態の柵40の動作について説明する。
【0071】
住居内に侵入するために、侵入者が柵40を乗り越えようとすると、図21に示すように、柵40の上部に配置されている柵部45、柵部46が内側(矢印B方向である住居側)に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部45、46は、ゴム部材80の弾性力によって、第1の柵部41の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を抑制することが出来る。
【0072】
又、本実施の形態では、第3の連結部としてゴム部材80を用いたが、ゴム部材80の代わりに実施の形態1で説明したようなバネ部材を用いて連結されていてもよい。
【0073】
又、図17では、分かりやすくするために、第2の柵部43の縦格子452、462の下端と第1の柵部42の縦格子47の上端の間隔を開けているが、接触していてもよい。
【0074】
又、本実施の形態では、柵部45と柵部46はゴム部材80によって連結されていたが図22(a)の柵部43´の正面図及び図22(b)の柵部43´の平面図に示すように、柵部45の横支持部材451a、451bと、柵部46の横支持部材461a、461bが連結されていなくてもよい。この場合、丁番70aには、その軸部分に、図23(a)に示すようなコイルバネ71が設けられている方が好ましい。丁番70aにコイルバネ71が配置された状態の模式図が図23(b)に示されている。尚、本発明の弾性部材の一例は、本実施の形態のコイルバネ71に相当する。
【0075】
このコイルバネ71は、その中心軸71sと、その両端71a、71bが図23(b)のように、上方から見て実質上90度を形成する形状のものである。図23(b)に示す状態から矢印I方向に柵部45を回転させると、図23(c)に示す状態となるが、コイルバネ71の中心軸71sと両端71a、71bの間の角度が90度よりも小さくなり、弾性力によりもとの状態に戻ろうとする。すなわち、柵部45に矢印J方向に力が働き、外力により移動した柵部45が基の状態に戻ろうとする。このように回転する際、規制部材73が丁番70aの支柱41a側に当接することによって、柵部45の回転が所定の角度で規制される。
【0076】
柵部46側も同様の構成であり、柵部45、46が回転した状態が、図24の柵40´の全体図に示されている。尚、横支持部材451bと支柱41aの間の丁番70aにもコイルバネ71が設けられており、柵部46も同様に、支柱41bと横支持部材461a、461bのそれぞれの間の丁番70bにもコイルバネ71が設けられている。
【0077】
以上のような構成でも、上記と同様に、住居内に侵入するために、侵入者が柵40´を乗り越えようとすると、図24に示すように、柵40´の上部に配置されている柵部45、柵部46が内側(矢印B方向である住居側)に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部45、46は、コイルバネ71の弾性力によって、第1の柵部41の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を抑制することが出来る。そのため、侵入者は、侵入することに時間がかかり、近隣の住民などに発見されるおそれもあることから侵入を断念せざるを得なくなる。
【0078】
尚、丁番70a、70bに規制部材73を設けずに、柵部45、46が90度近く回転しても良いが、侵入者の動揺を誘うという観点からすれば、必ずしも大きな動きをする必要はない。
【0079】
又、本実施の形態では、柵部45、46が住居側に回転したが、外側(矢印C方向)に向けて回転するように、丁番を取り付けても良いし、自由丁番を用いることで、内側、外側の双方に回転可能な構成としても良い。
【0080】
又、本実施の形態では、柵部45、46には、横支持部材が2本設けられていたが、この数に限られるものではない。
【0081】
(実施の形態5)
以下に、本発明にかかる実施の形態5の柵について説明する。
【0082】
図25は、本実施の形態5の柵90の斜視図である。実施の形態4では、柵部45、46の端よりに支柱41a、41bが設けられていたが、本実施の形態5の柵90では、図25に示すように柵部95、96の中央近傍に支柱91a、91bが設けられている。
【0083】
図25に示すように、柵90は、2本の支柱91a、91bにわたって設けられた第1の柵部92と、第1の柵部92の上側に設けられた第2の柵部93とを備えている。尚、第1の柵部92は、支柱91a、91bの位置が異なる以外は、実施の形態4の第1の柵部42と同様であり、支柱91a、91bに渡って水平に設けられている2本の横支持部材94と、横支持部材94に固定されている複数の縦格子97とを有している。
【0084】
図26は、第2の柵部93の正面構成図である。図26において、柵部95は、支柱91aを中心にして左側に位置する柵部95aと右側に位置する柵部95bに分割されている。又、柵部96は、支柱91bを中心にして左側に位置する柵部96bと、右側に位置する柵部96aに分割されている。柵部95aは、上下に水平に配置された横支持部材505a、505bと、横支持部材505a、505bに配置された複数の縦格子952とを有している。又、柵部95bも、横支持部材515a、515bと、横支持部材515a、515bに配置された複数の縦格子952とを有している。同様に、柵部96aは、上下に水平に配置された横支持部材506a、506bと、横支持部材506a、506bに配置された複数の縦格子962とを有している。又、柵部96bは、横支持部材516a、516bと、横支持部材516a、516bに配置された複数の縦格子962とを有している。
【0085】
図26に示すように、支柱91a、91bの上部には支持筒97a、bが2箇所ずつ設けられている。支柱91aの支持筒97a、97bの一端が、横支持部材505a、505bとそれぞれゴム部材98を介して連結することによって柵部95aが第1の柵部92上に保持されている。同様に、支柱91aの支持筒97a、97bの他端が、横支持部材515a、515bとそれぞれゴム部材98を介して連結されている。さらに、支柱91bに設けられている支持筒97a、97bの一端が、横支持部材506a、506bとそれぞれゴム部材98を介して連結されており、他端が横支持部材516a、516bとそれぞれゴム部材98を介して連結されている。尚、ゴム部材98は、図14(a)(b)に示す形状であり、図14(a)(b)と同様に、ゴム部材98の両端側が支持筒と横支持部材の内側に挿入されることによって、支持筒と横支持部材は連結されている。
【0086】
図27は、柵部95の平面図である。図27に示すように、柵部95aと柵部95bはゴム部材98を介して支柱91aに支持されているため、外力によって矢印L、M方向に移動することが可能である。又、柵部95、96が外力によって移動した場合であっても、ゴム部材98の弾性力によって元の位置に戻る。
【0087】
以上のような構成の本実施の形態4の柵90によれば、住居内に侵入するために、侵入者が柵90を乗り越えようとすると、図27に示すように、柵90の上部に配置されている柵部95、柵部96が内側(住居側)か外側にゴム部材98を支点に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部95、96は、ゴム部材98の弾性力によって、第1の柵部92の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を断念させることが出来る。
【0088】
尚、本発明の一方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部95に相当し、本発明の他方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部96に相当する。また、本発明の一方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱91aに相当し、本発明の他方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱91bに相当する。
【0089】
尚、上記実施の形態の構成に限らず、要するに柵部95,96が外力によって可動すればよいため、図28の斜視図に示す柵90´のような構成であってもよい。図29は第2の柵部93´の拡大構成図である。図28及び図29に示す構成の柵90´では、支柱91aが柵部92の支柱部分91a2と第2の柵部93´の支柱部分91a3で分割されており、その分割部分がゴム部材99によって連結されている。又、横支持部材905a、905bは、支柱部分91a3に固定されており、横支持部材905a、905bに渡って縦格子952が設けられている。すなわち、柵部95´は図25のように、柵部95aと柵部95bに分割されていない。又、ゴム部材99の構成も、図14(a)に示したゴム部材12と同様の構成である。
【0090】
尚、柵部96´も同様に、支柱91bが柵部92の支柱部分91b2と第2の柵部93´の支柱部分91b3で分割されており、その分割部分がゴム部材99によって連結されている。さらに、横支持部材906a、906bは支柱部分91b3に固定されており、横支持部材905a、905bに渡って縦格子952が設けられている。
【0091】
以上の構成では、上記ゴム部材99を中心にして、図4、5の可動パイプ2と同様に、柵部95、96が可動であるため、侵入を断念させる効果を発揮することが出来る。
【0092】
尚、本実施の形態では、ゴム部材98、99が用いられていたが、実施の形態1で説明したようなバネ部材を用いてもよい。
【0093】
又、本実施の形態4、5の縦格子452、462、952、962は、角型のパイプであったが、丸型のパイプであってもよく、従来の忍び返し等のように先端が尖っていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の侵入防止具及び柵は、侵入をより断念させる効果を有し、住居の周囲や、電柱などに用いる収入防止具及び柵等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における柵100の斜視図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の側面図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の内部構成図
【図4】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための側面図
【図5】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための平面図
【図6(a)】本発明にかかる実施の形態1における柵100を侵入者が乗り越える状態を説明するための側面模式図
【図6(b)】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための平面図
【図7】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具の変形例を説明するための図
【図8】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具の変形例を説明するための図
【図9】本発明にかかる実施の形態2における侵入防止具20の斜視図
【図10】本発明にかかる実施の形態2の侵入防止具20の変形例である侵入防止具25の構成斜視図
【図11】本発明にかかる実施の形態2の侵入防止具20の変形例を説明するための図
【図12】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例を説明するための内部構成図
【図13】(a)本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材11の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材11の側面図
【図14(a)】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材12の構成を説明するための図
【図14(b)】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例の構成を説明するための図
【図14(c)】本発明にかかる実施の形態2の縦格子103の上端部に設けられているキャップ103bを説明するための図
【図14(d)】本発明にかかる実施の形態2の縦格子103の上端部からキャップ103bを取り外した状態を説明するための図
【図15】本発明にかかる実施の形態3の侵入防止具30を電柱300に取り付けた状態を説明するための斜視図
【図16】本発明にかかる実施の形態3の侵入防止具30の平面図
【図17】本発明にかかる実施の形態4の柵40の斜視図
【図18】(a)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43の平面図
【図19】(a)(b)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための平面図
【図20】(a)(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の柵部45及び柵部46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図21】本発明にかかる実施の形態4の柵40の柵部45及び柵部46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図22】(a)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43´の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43´の平面図
【図23】(a)本発明にかかる実施の形態4のコイルバネ71の斜視図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための部分拡大平面図、(c)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図24】本発明にかかる実施の形態4の柵40´の柵部45、46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図25】本発明にかかる実施の形態5の柵90の構成斜視図
【図26】本発明にかかる実施の形態5の第2の柵部93の正面図
【図27】本発明にかかる実施の形態5の第2の柵部93の可動状態を説明する平面図
【図28】本発明にかかる実施の形態5の柵90´の変形例の構成斜視図
【図29】本発明にかかる実施の形態5の柵90´の柵部93´の正面構成図
【符号の説明】
【0096】
1、20、25、30 侵入防止具
2 可動パイプ
3 バンド
4a、4b バネ部材
5 上支持ブロック
6 下支持ブロック
40 柵
41a、41b 支柱
42 第1の柵部
43 第2の柵部
44 横支持部材
45、46 柵部
47 縦格子
51、52、61、62 ガイド
53、63 ビス
100、200 柵
101 支柱
102、106 横支持部材
103 縦格子
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入防止具及び柵に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の周囲に設けられている柵には、侵入を防止するために、例えば、忍び返し等の侵入防止具が設けられていることが多い。このような侵入防止具としては、柵の外側に向かって反り返っているものや、先端が鋭利なものがよく用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、電柱を利用して住宅に侵入することを防いだり、電線による感電等の危険防止のために、電柱にも侵入防止具が、よく設けられている。
【特許文献1】特開2007−120216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の侵入防止具は柵や電柱にしっかり固定されていたため、侵入を企てる者は、侵入防止具の先端部を手で掴むことによって、それを手がかりとして、先端に気をつけながら慎重に乗り越えることも可能であった。
【0005】
本発明は、従来の侵入防止具の課題を考慮し、侵入を断念させることが可能な侵入防止具及び柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
外力により可動する可動部材と、
一方の端が前記可動部材に固定され、他方の端が、前記可動部材と隣接して設けられた支持部材に固定され、前記支持部材と前記可動部材を連結する連結部材とを備え、
前記可動部材に加えられる外力により前記連結部材が変形する、侵入防止具である。
【0007】
又、第2の本発明は、
前記連結部材は、弾性部材であり、
前記外力が取り除かれた場合、前記連結部材が弾性力によって前記変形する前の状態に戻ることにより、前記可動部材は前記可動する前の状態に戻る、第1の本発明の侵入防止具である。
【0008】
又、第3の本発明は、
前記弾性部材は、バネ部材又はゴム部材である、第2の本発明の侵入防止具である。
【0009】
又、第4の本発明は、
前記侵入防止具を取り付ける対象は柵であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、
前記柵の上部に取り付けるための取り付け部を有している、第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具である。
【0010】
又、第5の本発明は、
前記侵入防止具を取り付ける対象は電柱又は鉄塔であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、前記電柱又は鉄塔の外周に取り付けられるリング状の枠体であり、
前記可動部材は、前記リング状の枠体から前記連結部材を介して放射状に複数本設けられている、第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具である。
【0011】
又、第6の本発明は、
第1〜3のいずれかの本発明の侵入防止具を上部に備えた、柵である。
【0012】
又、第7の本発明は、
少なくとも2本の支柱と、前記支柱に渡って設けられた第1の柵部と、前記第1の柵部の上側に設けられた第2の柵部とを備え、
前記第2の柵部は、前記2本の支柱の実質上中央で分割されており、
外力により、前記分割されている第2の柵部のうち一方の柵部は、前記2本の支柱のうち一方の前記支柱を中心に可動し、前記分割されている第2の柵部のうち他方の柵部は、他方の前記支柱を中心に可動する、柵である。
【0013】
又、第8の本発明は、
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部と
前記一方の柵部と前記他方の柵部を前記中央で連結する第3の連結部を備え、
前記第3の連結部は、一端が前記一方の柵部の端部に固定され、他端が前記他方の柵部の端部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部と前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、第7の本発明の柵である。
【0014】
又、第9の本発明は、
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部とを備え、
前記第1の連結部は、一端が前記一方の支柱に固定され、他端が前記一方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記第2の連結部は、一端が前記他方の支柱に固定され、他端が前記他方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、それぞれの前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部及び前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、第7の本発明の柵である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、侵入を断念させることが可能な侵入防止具及び柵を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1における侵入防止具1を上部に備えた柵100を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、柵100は、地面に差し込まれた2本の支柱101と、2本の支柱101に渡って、水平に固定されている2本の横支持部材102とを備えている。又、2本の横支持部材102に固定されている複数の縦格子103が設けられている。この縦格子103の上端部に、本実施の形態の侵入防止具1が設けられている。尚、図1中、矢印C方向が、例えば住居の外側であり、矢印B方向が住居側となっている。
【0019】
図2は、図1の縦格子103の上部分の侵入防止具1の側面拡大図である。又、図3は、侵入防止具1の内部構成図である。
【0020】
図2に示すように、本実施の形態1の侵入防止具1は、縦格子103の上側に、縦格子103の長手方向に沿って直立して配置されている可動パイプ2を備えている。可動パイプ2の下端部2bと、縦格子103の上端部103aは直接接続されておらず、後述するバネ部材4a、4b等によって間接的に接続されている。又、本実施の形態の侵入防止具1は、縦格子103の上端部103aと可動パイプ2の下端部2bを覆うように設けられているゴムで形成されたバンド3を備えている。
【0021】
又、図3に示すように、侵入防止具1は、可動パイプ2の下端部2bと縦格子103の上端部103aを間接的に接続するために、可動パイプ2及び縦格子103の内側に、2つのバネ部材4a、4bを備えている。又、可動パイプ2及び縦格子103の内側には、バネ部材4a、4bを支持するための上支持ブロック5と下支持ブロック6が設けられている。この上支持ブロック5には、2つのバネ部材4a、4bの内側に挿入されるガイド51、52が設けられており、下支持ブロック6にも2つのバネ部材4a、4bの内側に挿入されるガイド61、62が設けられている。又、上支持ブロック5は、可動パイプ2の下部にネジ53によって固定されており、下支持ブロック6は縦格子103の上部にネジ63によって固定されている。
【0022】
又、ガイド51、61はバネ部材4aに固定されているが、ガイド52、62はバネ部材4bの内側に配置されているだけで、固定されていない。尚、バネ部材4aに代えて、バネ部材4bがガイドに固定されていてもよい。
【0023】
尚、本発明の可動部材の一例は、本実施の形態の可動パイプ2に相当し、本発明の連結部材の一例は、本実施の形態のバネ部材4a、4bに相当する。又、本発明の支持部材の一例は、本実施の形態の縦格子103の上端部103aに相当する。
【0024】
上記構成の侵入防止具1の動作について以下に説明する。
【0025】
本実施の形態1の侵入防止具1の可動パイプ2は、上端部103aとバネ部材4a、4bを介して連結されている。そのため、可動パイプ2に外力が加えられると、バネ部材4a、4bが変形し、可動パイプ2は縦格子103の上端部103a側を支点として動く。又、外力がなくなると、バネ部材4a、4bの弾性力により、可動パイプ2は、図2及び図3に示すような縦格子103の長手方向に沿って直立に配置されたもとの状態に戻る。
【0026】
図4は、本実施の形態の侵入防止具1の可動パイプ2の動きを説明するための模式的な側面図である。又、図5は、本実施の形態の侵入防止具1の可動パイプ2の動きを説明するための模式的な平面図である。
【0027】
図4に示すように、可動パイプ2の先端2aは、下端部2b側を中心に矢印D、E方向に可動する。又、図5の平面図に示すように、可動パイプ2の先端2aは、360°いずれの方向にも回転可能である。尚、動いた可動パイプ2は、2点鎖線で示されている。
【0028】
上述したような構成により、図6(a)の側面模式図に示すように、住居に侵入する侵入者が可動パイプ2を手で掴んで柵100を乗り越えようとした場合、図6(b)に示すように例えば矢印D、E方向に可動パイプ2が曲がることになる。このように意表をつく動きをするため、侵入者は、柵100から落下することもあり、また落下しない場合でも、可動パイプ2を手がかりに柵を上れなくなるため、侵入をあきらめる。それでも、さらに乗り越えようとしたとしても、バネ部材4a、4bの弾性力によって、複数の可動パイプ2が直立した状態に復元するため侵入の妨げとなる。
【0029】
以上のように、本実施の形態の侵入防止具を用いることによって、侵入に時間を要することになり、発見される確率が高くなるため、侵入者は侵入を断念せざるを得なくなるという効果を発揮することが出来る。
【0030】
又、本実施の形態では、バネ部材4a、4bのうち、バネ部材4aのみがガイドに固定されている。仮に、双方のバネをガイドに固定する場合、一方のバネを固定した後に、他方のバネを固定することになり、バネにねじれが発生しやすくなる。従って、本実施の形態のように、一方のバネ部材のみを固定するように構成した方が、組立が容易となり、コストも抑えることが出来る。
【0031】
尚、本実施の形態では、外力により複数本の可動パイプ2が別々に可動であるが、例えば、図7の斜視図に示すように、複数の可動パイプ2に渡って横支持部材106を設けることにより、複数の可動パイプ2同士が固定されていても良い。この場合、外力が加えられることにより、複数の可動パイプ2は一体として矢印B又はC方向に倒れることになる(図6(a)矢印D、E参照)。
【0032】
又、図8に示すように、支柱101の先端に連結して可動パイプ15を設け、縦格子103と可動パイプ2の間を連結しない構成であってもよい。尚、支柱101と可動パイプ15の連結は、上述したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、及び下支持ブロック6等で行われる。又、支柱101と可動パイプ15の接続部分は、バンド16で覆われている。
【0033】
(実施の形態2)
以下に、本発明にかかる実施の形態2における侵入防止具について説明する。
【0034】
本実施の形態2の侵入防止具20は、実施の形態1の侵入防止具1と基本的な構成は同じであるが、本実施の形態2の侵入防止具20は、既存の柵に取り付け可能に構成されている点が異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と同一構成については同一の符号を付している。
【0035】
図9は、本実施の形態2の侵入防止具20と柵200の部分拡大斜視図である。尚、柵200は、柵100と比較して、侵入防止具と一体となっていない点と、縦格子103の上端部103aにキャップ103bが被せられている点が異なっており、他の構成は同じである。
【0036】
図9に示すように、侵入防止具20は、実施の形態1の侵入防止具1と異なり、可動パイプ2の下側には、縦格子103の代わりに可動パイプ2を支持するための支持パイプ21が設けられている。この支持パイプ21と可動パイプ2の内側には、実施の形態1で説明したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等が設けられており、支持パイプ21と可動パイプ2が間接的に接続されている。又、可動パイプ2の下端部2bと支持パイプ21の上端部21aを覆うようにバンド3が設けられている。
【0037】
さらに、この支持パイプ21には、断面がL字形状の取り付け部材22が設けられており、取り付け部材22の水平部分22sには貫通孔22a、22bが形成されている。
【0038】
このような構成の侵入防止具20は、矢印Gに示すように、縦格子103の間の横支持部材102に配置され、柵100に取り付けられる。取り付けられた状態が、図9における左側の侵入防止具20に示されている。尚、取り付ける際には、侵入防止具20は、横支持部材102の上面に形成されたビス孔102aと貫通孔22a、22bを通してビス23によって横支持部材102の上面に固定される。
【0039】
上述した実施の形態1の侵入防止具1では、縦格子103と可動パイプ2がバネ部材4a、4b等を介して接続されているため、既存の柵に侵入防止具1を取り付けるのが困難であるが、本実施の形態2の侵入防止具20では、柵から着脱可能に構成されているため、既存の柵に取り付けることも可能となる。
【0040】
このように、柵毎取り替えなくても良く、既存の柵を利用できるため、住居のセキュリティを強化したい場合等にも、費用を安く抑えることが可能となる。又、柵だけでなくバルコニーの手摺、塀、門扉、門塀等に取り付けることが可能である。
【0041】
尚、本実施の形態2では、断面L字形状の取り付け部材22を用いて、既存の柵100に取り付けたが、このような構成に限らず、他の形状の金具であっても良く、要するに既存の柵200に取り付けることが出来る構成でありさえすればよい。
【0042】
又、本実施の形態2の侵入防止具20には、可動パイプ2と支持パイプ21の組が1組しか設けられていないが、図10に示すように、複数組設けられていても良い。図10は、可動パイプ2と支持パイプ21の組が複数組設けられた侵入防止具25の斜視図である。この侵入防止具25は、支持パイプ21及び可動パイプ2の組を複数組有しており、各組の支持パイプ21の下側が、板状の取り付け板26に固定されている。また、取り付け板26の両端には、貫通孔26a、26bが形成されている。尚、支持パイプ21及び可動パイプ2の内側には、実施の形態1、2と同様にバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等が設けられており、支持パイプ21と可動パイプ2が間接的に接続されている。
【0043】
この侵入防止具25が、貫通孔26a、26bを通してビスによって、柵100の横支持部材102の上面に取り付けられる。尚、図10に示す侵入防止具25では、可動パイプ2及び支持パイプ21の組が5組設けられているが、この数に限らない。
【0044】
又、図9に示す形状の侵入防止具20が複数個連接されていてもよい。図11に、複数個連接された侵入防止具20が、壁600に取り付けられている状態が示されている。図11に示す侵入防止具27は、図9の取り付け部材22が連接した取り付け部材29に、支持パイプ21及び可動パイプ2の組が6組設けられている。この取り付け部材29に予め形成されている貫通孔を介してビス28によって侵入防止具27は壁600に取り付けられている。又、図中、動いた可動パイプ2が一点鎖線で示されている。
【0045】
又、本実施の形態1、2の侵入防止具は、柵だけでなく門などにも適用可能である。
【0046】
又、上記実施の形態1、2では、2本のバネ部材が用いられているが、1本でもよく、3本以上であってもよい。
【0047】
又、実施の形態1、2では、本発明の弾性部材の一例としてバネ部材が用いられているが、ゴム部材であってもよい。例えば、ゴム部材の場合には、実施の形態1の侵入防止具に適用した場合を例に挙げて説明すると、図12に示すような構成となる。図12は、図3のバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、及び下支持ブロック6に代えて、ゴム部材11を設けた場合の侵入防止具10の内部構成図である。侵入防止具10は、直方体形状のゴム部材11が可動パイプ2と上端部103aの間に渡って内側に設けられている。図13(a)、(b)は、ゴム部材11の正面図と側面図である。図13(a)、(b)に示すように、ゴム部材11は、直方体形状であり、2つの貫通孔11a、11bが形成されている。ゴム部材11は、貫通孔11aを通して設けられたネジ111とナット112によって可動パイプ2と固定されており、貫通孔11bを通して設けられたネジ113とナット114によって縦格子103とも固定されている。また、可動パイプ2の下端と縦格子103の上端は、バンド13によって覆われている。
【0048】
以上のように、バネ部材4a、4bをゴム部材11に代えた構成であっても、バネ部材4a、4bと同様の効果を発揮することが出来る。
【0049】
さらに、図14(a)に示すような形状のゴム部材12であってもよい。図14(a)は、ゴム部材11を用いた際の縦格子103と可動パイプ2の接続を示す構成図である。図14(a)に示すように、ゴム部材12は、3つの直方体が結合した形状であり、中央の部材121とその上下に配置されている部材122、123から構成されている。部材121の上方から見た断面形状は、可動パイプ2と縦格子103の外壁までの断面形状と実質上一致している。又、部材122と部材123の、上方から見た断面形状は、可動パイプ2と縦格子103の内壁までの断面形状より若干大きく形成されている。
【0050】
矢印H方向に従って、縦格子103の内部に部材123を差込、可動パイプ2の内側に部材122を差し込むことによって、可動パイプ2と縦格子103はゴム部材12によって間接的に連結される。この連結された状態が、図14(b)に示されている。尚、上述のように、部材122、123の上から見た断面形状を若干大きく形成することによって、差し込んだ際に、ゴム部材12が可動パイプ2と縦格子103が抜けにくくなるため、連結を確実に行うことが出来る。
【0051】
又、既設の柵200の縦格子103は、図14(c)に示すように、縦格子103の上部にキャップ103bを付した構成が多く用いられているが、このキャップ103bが着脱可能である場合には、ユーザーは、ゴム部材12と可動パイプ2を侵入防止具として購入し、図14(d)に示すように既設の柵200のキャップ103bを外し、ゴム部材12及び可動パイプ2を装着することによって、既設の柵に簡便に侵入防止具を取り付けることが可能となる。
【0052】
尚、上記実施の形態1、2では、可動パイプ2は、その下側を中心にして、図5に示すように平面視360°の方向に回動可能であるが、少なくとも1方向に動くことが可能であればよい。但し、侵入者が手で掴んで柵を乗り越えることを防止する観点から、少なくとも住居の内側又は外側に向かって回動可能に構成される方が好ましい。
【0053】
(実施の形態3)
以下に、本発明にかかる実施の形態3について説明する。
【0054】
本実施の形態3の侵入防止具30は、実施の形態2の図10で説明した侵入防止具25と基本的な構成は同じであるが、取り付ける対象物が実施の形態2の柵と異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、図10の侵入防止具25と同一の構成要素については同一の符号を付している。
【0055】
図15は、本実施の形態3の侵入防止具30が電柱300に取り付けられた状態を示す外観斜視図である。又、図16は、本実施の形態3の侵入防止具30の平面図である。図15、及び図16に示すように、本実施の形態3の侵入防止具30は、放射状に配置された12本の可動パイプ2と、電柱300の側面に取り付けるためのリング状の枠体31とを備えている。このリング状の枠体31は、外側に向かって複数の支持突起32を有しており、支持突起32と可動パイプ2が、実施の形態1で説明したバネ部材4a、4b、上支持ブロック5、下支持ブロック6等によって連結されている。又、可動パイプ2と支持突起32との連結部分は、バンド3によって覆われている。
【0056】
また、枠体31には、貫通孔31a等が設けられており、本実施の形態3の侵入防止具30は、貫通孔31aを通してビスなどによって電柱300の側面に取り付けられる(図15参照)。
【0057】
以上のように電柱300の側面に侵入防止具30を設けることにより、侵入防止具30の可動パイプ2を手がかりに電柱300を登ろうとしても、可動パイプ2が矢印L方向(図15参照)に動くため、電柱の上部への侵入を抑制することが可能となり、住居への不法侵入の抑制又は、感電などの危険防止に繋がる。
【0058】
尚、本実施の形態3においても、実施の形態1、2と同様に、可動パイプ2は全方位に動く必要なく、少なくとも下方に動けば、侵入を抑制することが出来る。
【0059】
又、本実施の形態3では、侵入防止具30を取り付ける対象物として電柱300を例に挙げて説明したが、鉄塔等であってもよい。
【0060】
又、本発明の可動部材の一例は、実施の形態1〜3の可動パイプ2に相当し、角型であるが、これに限らず、丸型のパイプでもよく、従来のように先端が尖っていても良い。
【0061】
又、上記実施の形態1〜3では、可動パイプ2が外力によって移動した場合であっても、バネ部材4a、4bの弾性力により可動パイプ2は基の状態に復元するが、復元しなくても良い。この場合であっても、手で掴んだ可動パイプ2が可動することによって侵入者が意表をつかれ、侵入を断念するという効果は発揮することが出来る。尚、もとの状態とは、実施の形態1では、縦格子103の長手方向に沿って可動パイプ2が直立している状態であり、実施の形態2では、支持パイプ21の長手方向に沿って可動パイプが直立している状態であり、実施の形態3では、可動パイプ2が電柱300の側面に対して実質上垂直な状態のことである。
【0062】
又、上記実施の形態1、2、3では、可動パイプ2と縦格子103又は支持パイプ21との間に、バンド3が設けられているが、設けられていなくても良い。但し、バンド3の素材として伸縮性のあるものを用いることによって可動パイプ2の復元力を増すことが出来る。
【0063】
(実施の形態4)
以下に、本発明にかかる実施の形態4の柵について説明する。
【0064】
図17は、本実施の形態4の柵40の斜視図である。柵40は、2本の支柱41a、bと、これらの2本の支柱41a、41bに渡って設けられた第1の柵部42と、第1の柵部42の上側に配置されている第2の柵部43とを備えている。
【0065】
第1の柵部41は、柵40の主たる部分であり、2本の支柱41a、bにわたって、水平に2本設けられている横支持部材44と、横支持部材44に固定されている複数の縦格子47とを有している。
【0066】
図18(a)は、第2の柵部43の拡大正面図であり、図18(b)は、第2の柵部43の平面図である。図18(a)、(b)に示すように、第2の柵部43は、並んで配置されている2つの柵部45、46から構成されている。この柵部45は、支柱41aに丁番70a(詳しくは後述する)を介して取り付けられた2本の横支持部材451a、451bと、この2本の横支持部材451a、451bに渡って設けられた複数本の縦格子472とを有している。又、柵部46は、支柱41bに丁番70bを介して取り付けられた2本の横支持部材461a、461bと、2本の横支持部材461a、461bに渡って設けられた複数本の縦格子462とを有している。又、横支持部材451aと横支持部材461aの間と、横支持部材451bと横支持部材461bの間は、それぞれゴム部材80によって連結されている。
【0067】
又、図18(b)の平面図に示すように、この柵部45、46は、夫々が取り付けられている支柱41a、41bを中心にして回転可能に構成されている。図18(b)の二点鎖線で描かれた柵部45、46は、回転した状態を示している。図19(a)は、支柱41aと柵部45の拡大平面図である。図19(a)に示すように柵部45の横支持部材451aと支柱41aを連結するための丁番70aが設けられている。尚、丁番70aの柵部45側には規制部材73が設けられており、図19(b)に示すように、柵部45が矢印I方向に回転すると、規制部材73の先端が丁番70aの支柱41a側に当接することによって、柵部45の回転が規制される。なお、図19ではゴム部材80を図示していない。
【0068】
図20(a)は、柵40の部分拡大平面図である。図20(b)は、図19(b)のように柵部45、46が回動した状態の部分拡大図である。図20(b)のように柵部45、46が外力により矢印方向に回転した場合、ゴム部材80の弾性力によってもとの状態に戻る(矢印K方向)ことが出来る。
【0069】
尚、本発明の一方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部45に相当し、本発明の他方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部46に相当する。また、本発明の一方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱41aに相当し、本発明の他方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱41bに相当する。又、本発明の第1の連結部の一例は、本実施の形態の丁番70aに相当し、本発明の第2の連結部の一例は、本実施の形態の丁番70bに相当する。又、本発明の第3の連結部の一例が、本実施の形態のゴム部材80に相当する。
【0070】
上記構成の本実施の形態の柵40の動作について説明する。
【0071】
住居内に侵入するために、侵入者が柵40を乗り越えようとすると、図21に示すように、柵40の上部に配置されている柵部45、柵部46が内側(矢印B方向である住居側)に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部45、46は、ゴム部材80の弾性力によって、第1の柵部41の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を抑制することが出来る。
【0072】
又、本実施の形態では、第3の連結部としてゴム部材80を用いたが、ゴム部材80の代わりに実施の形態1で説明したようなバネ部材を用いて連結されていてもよい。
【0073】
又、図17では、分かりやすくするために、第2の柵部43の縦格子452、462の下端と第1の柵部42の縦格子47の上端の間隔を開けているが、接触していてもよい。
【0074】
又、本実施の形態では、柵部45と柵部46はゴム部材80によって連結されていたが図22(a)の柵部43´の正面図及び図22(b)の柵部43´の平面図に示すように、柵部45の横支持部材451a、451bと、柵部46の横支持部材461a、461bが連結されていなくてもよい。この場合、丁番70aには、その軸部分に、図23(a)に示すようなコイルバネ71が設けられている方が好ましい。丁番70aにコイルバネ71が配置された状態の模式図が図23(b)に示されている。尚、本発明の弾性部材の一例は、本実施の形態のコイルバネ71に相当する。
【0075】
このコイルバネ71は、その中心軸71sと、その両端71a、71bが図23(b)のように、上方から見て実質上90度を形成する形状のものである。図23(b)に示す状態から矢印I方向に柵部45を回転させると、図23(c)に示す状態となるが、コイルバネ71の中心軸71sと両端71a、71bの間の角度が90度よりも小さくなり、弾性力によりもとの状態に戻ろうとする。すなわち、柵部45に矢印J方向に力が働き、外力により移動した柵部45が基の状態に戻ろうとする。このように回転する際、規制部材73が丁番70aの支柱41a側に当接することによって、柵部45の回転が所定の角度で規制される。
【0076】
柵部46側も同様の構成であり、柵部45、46が回転した状態が、図24の柵40´の全体図に示されている。尚、横支持部材451bと支柱41aの間の丁番70aにもコイルバネ71が設けられており、柵部46も同様に、支柱41bと横支持部材461a、461bのそれぞれの間の丁番70bにもコイルバネ71が設けられている。
【0077】
以上のような構成でも、上記と同様に、住居内に侵入するために、侵入者が柵40´を乗り越えようとすると、図24に示すように、柵40´の上部に配置されている柵部45、柵部46が内側(矢印B方向である住居側)に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部45、46は、コイルバネ71の弾性力によって、第1の柵部41の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を抑制することが出来る。そのため、侵入者は、侵入することに時間がかかり、近隣の住民などに発見されるおそれもあることから侵入を断念せざるを得なくなる。
【0078】
尚、丁番70a、70bに規制部材73を設けずに、柵部45、46が90度近く回転しても良いが、侵入者の動揺を誘うという観点からすれば、必ずしも大きな動きをする必要はない。
【0079】
又、本実施の形態では、柵部45、46が住居側に回転したが、外側(矢印C方向)に向けて回転するように、丁番を取り付けても良いし、自由丁番を用いることで、内側、外側の双方に回転可能な構成としても良い。
【0080】
又、本実施の形態では、柵部45、46には、横支持部材が2本設けられていたが、この数に限られるものではない。
【0081】
(実施の形態5)
以下に、本発明にかかる実施の形態5の柵について説明する。
【0082】
図25は、本実施の形態5の柵90の斜視図である。実施の形態4では、柵部45、46の端よりに支柱41a、41bが設けられていたが、本実施の形態5の柵90では、図25に示すように柵部95、96の中央近傍に支柱91a、91bが設けられている。
【0083】
図25に示すように、柵90は、2本の支柱91a、91bにわたって設けられた第1の柵部92と、第1の柵部92の上側に設けられた第2の柵部93とを備えている。尚、第1の柵部92は、支柱91a、91bの位置が異なる以外は、実施の形態4の第1の柵部42と同様であり、支柱91a、91bに渡って水平に設けられている2本の横支持部材94と、横支持部材94に固定されている複数の縦格子97とを有している。
【0084】
図26は、第2の柵部93の正面構成図である。図26において、柵部95は、支柱91aを中心にして左側に位置する柵部95aと右側に位置する柵部95bに分割されている。又、柵部96は、支柱91bを中心にして左側に位置する柵部96bと、右側に位置する柵部96aに分割されている。柵部95aは、上下に水平に配置された横支持部材505a、505bと、横支持部材505a、505bに配置された複数の縦格子952とを有している。又、柵部95bも、横支持部材515a、515bと、横支持部材515a、515bに配置された複数の縦格子952とを有している。同様に、柵部96aは、上下に水平に配置された横支持部材506a、506bと、横支持部材506a、506bに配置された複数の縦格子962とを有している。又、柵部96bは、横支持部材516a、516bと、横支持部材516a、516bに配置された複数の縦格子962とを有している。
【0085】
図26に示すように、支柱91a、91bの上部には支持筒97a、bが2箇所ずつ設けられている。支柱91aの支持筒97a、97bの一端が、横支持部材505a、505bとそれぞれゴム部材98を介して連結することによって柵部95aが第1の柵部92上に保持されている。同様に、支柱91aの支持筒97a、97bの他端が、横支持部材515a、515bとそれぞれゴム部材98を介して連結されている。さらに、支柱91bに設けられている支持筒97a、97bの一端が、横支持部材506a、506bとそれぞれゴム部材98を介して連結されており、他端が横支持部材516a、516bとそれぞれゴム部材98を介して連結されている。尚、ゴム部材98は、図14(a)(b)に示す形状であり、図14(a)(b)と同様に、ゴム部材98の両端側が支持筒と横支持部材の内側に挿入されることによって、支持筒と横支持部材は連結されている。
【0086】
図27は、柵部95の平面図である。図27に示すように、柵部95aと柵部95bはゴム部材98を介して支柱91aに支持されているため、外力によって矢印L、M方向に移動することが可能である。又、柵部95、96が外力によって移動した場合であっても、ゴム部材98の弾性力によって元の位置に戻る。
【0087】
以上のような構成の本実施の形態4の柵90によれば、住居内に侵入するために、侵入者が柵90を乗り越えようとすると、図27に示すように、柵90の上部に配置されている柵部95、柵部96が内側(住居側)か外側にゴム部材98を支点に回転するため、手がかりが不安定となるため侵入し難くなる。又、侵入者の意表をつく動きであるため、侵入者が柵から落下する場合もある。それでも、乗り越えようと試みたとしても、柵部95、96は、ゴム部材98の弾性力によって、第1の柵部92の上側に戻るため、侵入者が乗り越えることを妨害し、侵入を断念させることが出来る。
【0088】
尚、本発明の一方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部95に相当し、本発明の他方の柵部の一例は、本実施の形態の柵部96に相当する。また、本発明の一方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱91aに相当し、本発明の他方の支柱の一例は、本実施の形態の支柱91bに相当する。
【0089】
尚、上記実施の形態の構成に限らず、要するに柵部95,96が外力によって可動すればよいため、図28の斜視図に示す柵90´のような構成であってもよい。図29は第2の柵部93´の拡大構成図である。図28及び図29に示す構成の柵90´では、支柱91aが柵部92の支柱部分91a2と第2の柵部93´の支柱部分91a3で分割されており、その分割部分がゴム部材99によって連結されている。又、横支持部材905a、905bは、支柱部分91a3に固定されており、横支持部材905a、905bに渡って縦格子952が設けられている。すなわち、柵部95´は図25のように、柵部95aと柵部95bに分割されていない。又、ゴム部材99の構成も、図14(a)に示したゴム部材12と同様の構成である。
【0090】
尚、柵部96´も同様に、支柱91bが柵部92の支柱部分91b2と第2の柵部93´の支柱部分91b3で分割されており、その分割部分がゴム部材99によって連結されている。さらに、横支持部材906a、906bは支柱部分91b3に固定されており、横支持部材905a、905bに渡って縦格子952が設けられている。
【0091】
以上の構成では、上記ゴム部材99を中心にして、図4、5の可動パイプ2と同様に、柵部95、96が可動であるため、侵入を断念させる効果を発揮することが出来る。
【0092】
尚、本実施の形態では、ゴム部材98、99が用いられていたが、実施の形態1で説明したようなバネ部材を用いてもよい。
【0093】
又、本実施の形態4、5の縦格子452、462、952、962は、角型のパイプであったが、丸型のパイプであってもよく、従来の忍び返し等のように先端が尖っていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の侵入防止具及び柵は、侵入をより断念させる効果を有し、住居の周囲や、電柱などに用いる収入防止具及び柵等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明にかかる実施の形態1における柵100の斜視図
【図2】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の側面図
【図3】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の内部構成図
【図4】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための側面図
【図5】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための平面図
【図6(a)】本発明にかかる実施の形態1における柵100を侵入者が乗り越える状態を説明するための側面模式図
【図6(b)】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具1の可動パイプ2の可動状態を説明するための平面図
【図7】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具の変形例を説明するための図
【図8】本発明にかかる実施の形態1における侵入防止具の変形例を説明するための図
【図9】本発明にかかる実施の形態2における侵入防止具20の斜視図
【図10】本発明にかかる実施の形態2の侵入防止具20の変形例である侵入防止具25の構成斜視図
【図11】本発明にかかる実施の形態2の侵入防止具20の変形例を説明するための図
【図12】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例を説明するための内部構成図
【図13】(a)本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材11の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材11の側面図
【図14(a)】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例のゴム部材12の構成を説明するための図
【図14(b)】本発明にかかる実施の形態1、2の侵入防止具の変形例の構成を説明するための図
【図14(c)】本発明にかかる実施の形態2の縦格子103の上端部に設けられているキャップ103bを説明するための図
【図14(d)】本発明にかかる実施の形態2の縦格子103の上端部からキャップ103bを取り外した状態を説明するための図
【図15】本発明にかかる実施の形態3の侵入防止具30を電柱300に取り付けた状態を説明するための斜視図
【図16】本発明にかかる実施の形態3の侵入防止具30の平面図
【図17】本発明にかかる実施の形態4の柵40の斜視図
【図18】(a)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43の平面図
【図19】(a)(b)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための平面図
【図20】(a)(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の柵部45及び柵部46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図21】本発明にかかる実施の形態4の柵40の柵部45及び柵部46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図22】(a)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43´の正面図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵40の第2の柵部43´の平面図
【図23】(a)本発明にかかる実施の形態4のコイルバネ71の斜視図、(b)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための部分拡大平面図、(c)本発明にかかる実施の形態4の柵部45の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図24】本発明にかかる実施の形態4の柵40´の柵部45、46の可動状態を説明するための部分拡大平面図
【図25】本発明にかかる実施の形態5の柵90の構成斜視図
【図26】本発明にかかる実施の形態5の第2の柵部93の正面図
【図27】本発明にかかる実施の形態5の第2の柵部93の可動状態を説明する平面図
【図28】本発明にかかる実施の形態5の柵90´の変形例の構成斜視図
【図29】本発明にかかる実施の形態5の柵90´の柵部93´の正面構成図
【符号の説明】
【0096】
1、20、25、30 侵入防止具
2 可動パイプ
3 バンド
4a、4b バネ部材
5 上支持ブロック
6 下支持ブロック
40 柵
41a、41b 支柱
42 第1の柵部
43 第2の柵部
44 横支持部材
45、46 柵部
47 縦格子
51、52、61、62 ガイド
53、63 ビス
100、200 柵
101 支柱
102、106 横支持部材
103 縦格子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外力により可動する可動部材と、
一方の端が前記可動部材に固定され、他方の端が、前記可動部材と隣接して設けられた支持部材に固定され、前記支持部材と前記可動部材を連結する連結部材とを備え、
前記可動部材に加えられる外力により前記連結部材が変形する、侵入防止具。
【請求項2】
前記連結部材は、弾性部材であり、
前記外力が取り除かれた場合、前記連結部材が弾性力によって前記変形する前の状態に戻ることにより、前記可動部材は前記可動する前の状態に戻る、請求項1記載の侵入防止具。
【請求項3】
前記弾性部材は、バネ部材又はゴム部材である、請求項2記載の侵入防止具。
【請求項4】
前記侵入防止具を取り付ける対象は柵であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、
前記柵の上部に取り付けるための取り付け部を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の侵入防止具。
【請求項5】
前記侵入防止具を取り付ける対象は電柱又は鉄塔であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、前記電柱又は鉄塔の外周に取り付けられるリング状の枠体であり、
前記可動部材は、前記リング状の枠体から前記連結部材を介して放射状に複数本設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の侵入防止具。
【請求項6】
請求項1〜3記載のいずれかに記載の侵入防止具を上部に備えた、柵。
【請求項7】
少なくとも2本の支柱と、前記支柱に渡って設けられた第1の柵部と、前記第1の柵部の上側に設けられた第2の柵部とを備え、
前記第2の柵部は、前記2本の支柱の実質上中央で分割されており、
外力により、前記分割されている第2の柵部のうち一方の柵部は、前記2本の支柱のうち一方の前記支柱を中心に可動し、前記分割されている第2の柵部のうち他方の柵部は、他方の前記支柱を中心に可動する、柵。
【請求項8】
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部と
前記一方の柵部と前記他方の柵部を前記中央で連結する第3の連結部を備え、
前記第3の連結部は、一端が前記一方の柵部の端部に固定され、他端が前記他方の柵部の端部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部と前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、請求項7記載の柵。
【請求項9】
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部とを備え、
前記第1の連結部は、一端が前記一方の支柱に固定され、他端が前記一方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記第2の連結部は、一端が前記他方の支柱に固定され、他端が前記他方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、それぞれの前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部及び前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、請求項7記載の柵。
【請求項1】
外力により可動する可動部材と、
一方の端が前記可動部材に固定され、他方の端が、前記可動部材と隣接して設けられた支持部材に固定され、前記支持部材と前記可動部材を連結する連結部材とを備え、
前記可動部材に加えられる外力により前記連結部材が変形する、侵入防止具。
【請求項2】
前記連結部材は、弾性部材であり、
前記外力が取り除かれた場合、前記連結部材が弾性力によって前記変形する前の状態に戻ることにより、前記可動部材は前記可動する前の状態に戻る、請求項1記載の侵入防止具。
【請求項3】
前記弾性部材は、バネ部材又はゴム部材である、請求項2記載の侵入防止具。
【請求項4】
前記侵入防止具を取り付ける対象は柵であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、
前記柵の上部に取り付けるための取り付け部を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の侵入防止具。
【請求項5】
前記侵入防止具を取り付ける対象は電柱又は鉄塔であり、
前記支持部材を備え、
前記支持部材は、前記電柱又は鉄塔の外周に取り付けられるリング状の枠体であり、
前記可動部材は、前記リング状の枠体から前記連結部材を介して放射状に複数本設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の侵入防止具。
【請求項6】
請求項1〜3記載のいずれかに記載の侵入防止具を上部に備えた、柵。
【請求項7】
少なくとも2本の支柱と、前記支柱に渡って設けられた第1の柵部と、前記第1の柵部の上側に設けられた第2の柵部とを備え、
前記第2の柵部は、前記2本の支柱の実質上中央で分割されており、
外力により、前記分割されている第2の柵部のうち一方の柵部は、前記2本の支柱のうち一方の前記支柱を中心に可動し、前記分割されている第2の柵部のうち他方の柵部は、他方の前記支柱を中心に可動する、柵。
【請求項8】
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部と
前記一方の柵部と前記他方の柵部を前記中央で連結する第3の連結部を備え、
前記第3の連結部は、一端が前記一方の柵部の端部に固定され、他端が前記他方の柵部の端部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部と前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、請求項7記載の柵。
【請求項9】
前記一方の柵部と前記一方の支柱を連結する第1の連結部と、
前記他方の柵部と前記他方の支柱を連結する第2の連結部とを備え、
前記第1の連結部は、一端が前記一方の支柱に固定され、他端が前記一方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記第2の連結部は、一端が前記他方の支柱に固定され、他端が前記他方の柵部に固定された弾性部材を有し、
前記外力が取り除かれた場合、それぞれの前記弾性部材の弾性力によって、前記一方の柵部及び前記他方の柵部は、前記可動する前の状態に戻る、請求項7記載の柵。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図14(c)】
【図14(d)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(a)】
【図6(b)】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図14(c)】
【図14(d)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2009−125023(P2009−125023A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305102(P2007−305102)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(507389163)
【出願人】(507389244)
【出願人】(507389222)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(507389163)
【出願人】(507389244)
【出願人】(507389222)
【Fターム(参考)】
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