便座用接着シートとその使用方法
【課題】 携帯に便利な便座用シートを提供する。
【解決手段】 トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有する。短尺の接着シートの場合、多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在している。長尺の接着シートの場合、帯状の接着シートと帯状のはく離シートとを重ねてロール状に巻き取っておき、使用時に、所望の長さに切りとって使う。
【解決手段】 トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有する。短尺の接着シートの場合、多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在している。長尺の接着シートの場合、帯状の接着シートと帯状のはく離シートとを重ねてロール状に巻き取っておき、使用時に、所望の長さに切りとって使う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーを洋式便器の便座に着脱可能に接着するのに適した便座用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が利用する洋式便器の便座は、眼には見えなくても汚れや雑菌が着いている可能性があるので、そこに直接肌を接して座ることに不快を感じることが少なくない。
【0003】
そのような不快感をなくすために、特許文献1〜3に示されているように、いろいろな便座用シートが提案されている。
【0004】
従来、この種の便座シートは、水溶性の材料からなり、洋式便器の便座上に敷いて使用する使い捨て式のものである。
【0005】
従来の便座用シートは、馬蹄形状やドーナツ形状になるように、中央部に開口部を形成して、洋式便座をカバーするように敷くものであり、サイズが大きい。そのため、携帯して使用しようとする場合、便座用シートを折りたたんだ状態でカバンなどに収納しておき、トイレで使用するときに、その便座用シートを広げて便座に載せ、その上にトイレ利用者が腰掛けていた。
【特許文献1】特開2000−139774号公報
【特許文献2】特開平5−130952号公報
【特許文献3】特開平10−108806号公報
【特許文献4】特開平11−286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の便座用シートは、携帯に不便なものであった。たとえば、大きなサイズの便座用シートを折りたたんで携帯せざるをえなかった。サイズの大きな便座用シートは、折りたたんだ状態でも、依然として縦と横のサイズがかなり大きく、しかも、全体の厚みが大きくなってします。
【0007】
このような大きなサイズの便座用シートは、携帯する便座用シートの枚数が増えると、嵩張りの問題が大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、携帯が便利な便座用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【0011】
(2)多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする前述の便座用シート。
【0012】
(3)重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする前述の便座用シート。
【0013】
(4)接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする前述の便座用シート。
【0014】
(5)長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする前述の便座用シート。
【発明の効果】
【0015】
本発明による便座用シートは、携帯に便利である。
【0016】
トイレに設置されているトイレットペーパーを利用して、それを適当なサイズに切りとって便座に接着することにすれば、携帯するのは、本発明の便座用シートのみで済む。それゆえ、多数回のトイレ利用に必要な量の便座用シートを携帯する場合であっても、あまり嵩張ることがない。
【発明を実施する最良の形態】
【0017】
本発明の1つの実施形態においては、便座用シートが、所望の長さに切りとられたトイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するために使用するものであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートに設けられた接着剤を有する。
【0018】
接着シートに加えて、はく離シートを使用する形態と、使用しない形態がある。
【0019】
はく離シートを使用する形態では、便座用シートが、短尺で矩形(好ましくは長方形)または円形のその他の形状の接着シートと、その接着シートの第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の両方に設けられた接着部とを有する場合、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在するようにすることが好ましい。
【0020】
はく離シートを使用しない形態では、接着シートの第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはく離部に接すようにするのが好ましい。
【0021】
接着シートは、前述のように短尺にして、多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられるようにしてもよいし、長尺で必要に応じて切りとるような形状にしてもよい。たとえば、帯状の接着シートと帯状のはく離シートとを重ねて芯の上にロール状に巻き取るようにすることができる。使用時に、そのような接着シートとはく離シートを適当な長さに切りとる。
【0022】
接着シートとして重要なことは、水溶性の材料で作ることである。そうすれば、接着シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0023】
はく離シートも、水溶性の材料で作ることが好ましい。そうすれば、使用すべき接着シートを取り出したあと、不要となったはく離シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0024】
水溶性の材料としては、水溶性の紙や、水溶性の樹脂、水溶性の不織布、その他の水溶性物質がある。これらをラミネートの形にすることも可能である。
【0025】
接着部は、接着シートを便座の所望表面に仮固定して、不用意に接着シートさらにはトイレットペーパーが位置ずれすることを防止するためのものである。たとえば、便座の表面に複数枚の小さな接着シートを仮固定して、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパーを載せて、そのトイレットペーパーの表面から手で押圧することにより、トイレットペーパーを便座に接着シートを介して仮固定することができる。トイレ利用後は、それらのトイレットペーパーと接着シートを便座表面から取り去って一緒に便器内に捨てて排水処理する。
【0026】
接着シートの接着部は、仮固定のための接着力を十分に有する必要があるが、あまり過度に接着力が強すぎて、トイレ利用後に接着シートを便座表面から除去するのが面倒にならない方がよい。接着部は、トイレ利用時の接着シートおよびトイレットペーパーの位置ずれを防止するとともに、トイレ利用後の除去(はがし)を容易にするような弱い接着力を有する感圧性の粘着剤が好ましい。接着剤の一例として、「ポスト・イット」(登録商標)としてスリーエム カンパニーによって市販されている、付箋に設けられている接着力の弱い接着剤を使用することができる。他の接着剤の一例として、軟質発泡合成樹脂材料からなる感圧貼着材を使用することができる。
【0027】
また、接着部は、接着シートの両面(第1面とそれとは反対側の第2面)に接着剤を塗布して形成するのが好ましい。
【0028】
はく離部は、単に接着剤を接着シートの所定の面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤を接着シートの所定表面に塗布して形成することもできる。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0030】
図1〜2は、本発明の実施例1を示している。
【0031】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2と、その接着シート2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部3、4とを有する。
【0032】
図2によく示されているように、多数の短尺の接着シート2が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シート5が介在している。さらに、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例2】
【0033】
図3〜4は、本発明の実施例2を示す。この実施例2においては、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シートが設けられない。
【0034】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2を有し、その接着シート2の第1面2aとそれとは反対の第2面2bの各々の互に相違する位置に、接着部7、8とはく離部9、10が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部7、8が他方の接着シート2のはく離部9、10に接している。
【0035】
はく離部9、10は、単に接着剤7、8を接着シート2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート2の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0036】
さらに、図4によく示されているように、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例3】
【0037】
図5〜6は、本発明の実施例3を示している。
【0038】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2と、その接着シート2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部10、11とを有する。
【0039】
図6によく示されているように、多数の短尺の接着シート2は、向きが交互に相違するように、1枚ずつ、はく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シートは介在していない。
【0040】
また、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例4】
【0041】
図7〜8は、本発明の実施例4を示す。
【0042】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる円形(円盤状)の接着シート12の第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの各々の互に相違する位置に、ドーナツ形の接着部13と、円形の接着部14と、円形のはく離部15と、ドーナツ形のはく離部16が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート12の接着部13、14が他方の接着シート12のはく離部15、16に接するようになっている。
【0043】
はく離部15、16は、単に接着剤を接着シート12の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0044】
図8によく示されているように、円形のはく離シート18が、一群の接着シート12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例5】
【0045】
図9〜10は、本発明の実施例5を示している。
【0046】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる円形の接着シート12と、その接着シート12の両面(第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの両方)の同じ位置に設けられた円形の接着部20、21とを有する。
【0047】
図10によく示されているように、多数の円形の接着シート12が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート12の間に、円形のはく離シート21が介在している。さらに、円形のはく離シート22が一群の接着シート12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例6】
【0048】
図11は、本発明の実施例6を示す。
【0049】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる長尺で帯状の接着シート25を有し、その接着シート25が芯26にロール状に巻きとられている。接着シート25の一方の第1面25aに接着部27が設けられ、他方の第2面25bは、はく離部として構成されていて、ロール状に巻いた状態で、接着部27がはく離部25bに接している。
【0050】
はく離部25は、単に接着剤を接着シート25の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シートの表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0051】
使用時には、接着シート25を適当な長さに切りとる。
【0052】
図11の(c)は、そのように切りとった1枚の短尺の便座用シート1を示している。接着シート25と接着部27の厚みが、見やすくする目的で、特別に誇大して示されている。
【実施例7】
【0053】
前述の実施例1〜6においては、接着部は、面状に隙間なく設けられていたが、小さなものを点在させてもよい。
【0054】
図12は、小さな接着部を数多く点在させた本発明の1つの実施例7を示す。
【0055】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる接着シート2の両面の各々の互に相違する位置に、小さな矩形の接着部28が点在していて(たとえば所定の間隔に配置されていて)、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部28が他方の接着シート2のはく離部29に接するようになっている。
【0056】
接着部28とはく離部29は、このような小さな矩形に限らず、他の形状(細長い形状など)にしてもよい。たとえば、細長い同じ筋状の接着部28とはく離部29を交互にくり返すように配置して縞模様にすることができる。そして、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部28が他方の接着シート2のはく離部29に接するようにする。
【0057】
このような形態において、はく離シートを介在させることもできる。
【0058】
いずれにしても、はく離部29は、単に接着剤を接着シート2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【実施例8】
【0059】
接着シートの使い方は、いろいろとあるが、典型例を実施例8として説明する。
【0060】
接着シート2を便座30の所望表面に仮固定して、不用意に接着シートが位置ずれすることを防止する。たとえば、便座30の表面に複数枚(図示例では6枚)の接着シート2を配置し、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパー31を載せて、そのトイレットペーパー31の表面から手で押圧することにより、トイレットペーパー31を便座30に仮固定する。
【0061】
トイレ利用後は、それらのトイレットペーパー31と接着シート2を便座30の表面から取り去って、一緒に便器32内に捨てて排水処理する。
【0062】
本発明は、前述の実施例に限定されるものではなく、各請求項の範囲内で種々の形態を採用しうる。
【0063】
なお、図1〜11において、接着シートとはく離部は、図を見えやすくする目的で、誇大して示されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例1による便座用シート基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図2】図1の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図3】本発明の実施例2による便座用シートを示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図4】図3の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの基本的な単体の一例を示す正面図。
【図5】本発明の実施例3による便座用シートを示し、(A)は、正面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図6】図5の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図7】本発明の実施例4による便座用シートを示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図8】図7の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図9】本発明の実施例5による便座用シートを示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図10】図9の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図11】本発明の実施例6による、接着シートをロール状に巻くタイプの便座用シートを示し、(A)は、その平面図、(B)はその正面図、(C)は、所望の長さに切りとった短尺状の接着シートを示している。
【図12】本発明の実施例7を示す。
【図13】本発明の実施例8を示す。
【符号の説明】
【0065】
1 便座用シート
2、12、25 接着シート
3、4、7、8、10、11、13、14、20、21、27、28 接着部
5、6、18、21、22 はく離シート
9、10、15、16、29 はく離部
26 芯管
30 便座
31 トイレットペーパー
32 便器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーを洋式便器の便座に着脱可能に接着する便座用接着シートとその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が利用する洋式便器の便座は、眼には見えなくても汚れや雑菌が着いている可能性があるので、そこに直接肌を接して座ることに不快を感じることが少なくない。
【0003】
そのような不快感をなくすために、特許文献1〜3に示されているように、いろいろな便座用シートが提案されている。
【0004】
従来、この種の便座用シートは、水溶性の材料からなり、洋式便器の便座上に敷いて使用する使い捨て式のものである。
【0005】
従来の便座用シートは、馬蹄形状やドーナツ形状になるように、中央部に開口部を形成して、洋式便座をカバーするように敷くものであり、サイズが大きい。そのため、携帯して使用しようとする場合、便座用シートを折りたたんだ状態でカバンなどに収納しておき、トイレで使用するときに、その便座用シートを広げて便座に載せ、その上にトイレ利用者が腰掛けていた。
【特許文献1】特開2000−139774号公報
【特許文献2】特開平5−130952号公報
【特許文献3】特開平10−108806号公報
【特許文献4】特開平11−286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の便座用シートは、携帯に不便なものであった。たとえば、大きなサイズの便座用シートを折りたたんで携帯せざるをえなかった。サイズの大きな便座用シートは、折りたたんだ状態でも、依然として縦と横のサイズがかなり大きく、しかも、全体の厚みが大きくなってしまう。
【0007】
このような大きなサイズの便座用シートは、携帯する便座用シートの枚数が増えると、嵩張りの問題が大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、携帯が便利な便座用接着シートとその使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するための接着シート単体が、水溶性の材料からなり、接着シート単体の第1面と第2面の両方に接着部が設けられており、しかも、携帯するのに便利な形に、多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする便座用接着シート。
(2)接着シート単体として多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に直接重ねて設けられていることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(3)接着シート単体の第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体の接着部が他方の接着シート単体のはく離部に接していることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(4)重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体の間に、はく離シートが介在していることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(5)水溶性の材料からなる接着シート単体と、その接着シート単体の第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有する便座用接着シートの使用方法であって、多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられて、携帯するのに便利な形になっており、トイレ利用時に所望枚数の接着シート単体をはく離し、切りとられたトイレットペーパーを接着シート単体によって便座に着脱可能に接着することを特徴とする便座用接着シートの使用方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明による便座用接着シートは、トイレ利用前に、トイレットペーパーに接着されていないので、携帯するのに便利である。
【0012】
トイレに設置されているトイレットペーパーを利用して、それを適当なサイズに切りとって便座に接着することにすれば、携帯するのは、本発明の便座用接着シートのみで済む。それゆえ、トイレットペーパーを持ち運ぶ必要がなく、多数回のトイレ利用に必要な枚数の便座用接着シートのみを携帯すればよく、あまり嵩張ることがない。
【発明を実施する最良の形態】
【0013】
本発明の1つの実施形態においては、便座用接着シートが、所望の長さに切りとられたトイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するために使用するものであって、水溶性の材料からなる接着シート単体と、その接着シート単体に設けられた接着剤を有する。
【0014】
接着シート単体に加えて、はく離シートを使用する形態と、使用しない形態がある。
【0015】
はく離シートを使用する形態では、便座用接着シートが、短尺で矩形(好ましくは長方形)または円形、その他の形状の接着シート単体と、その接着シート単体の第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の両方に設けられた接着部とを有する場合、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体の間に、はく離シートが介在するようにすることが好ましい。
【0016】
はく離シートを使用しない形態では、接着シート単体の第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体の接着部が他方の接着シート単体のはく離部に接すようにするのが好ましい。
【0017】
接着シート単体は、前述のように短尺にして、多数の短尺の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられる。
【0018】
接着シート単体として重要なことは、水溶性の材料で作ることである。そうすれば、接着シート単体を便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0019】
はく離シートも、水溶性の材料で作ることが好ましい。そうすれば、使用すべき接着シート単体を取り出したあと、不要となったはく離シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0020】
水溶性の材料としては、水溶性の紙や、水溶性の樹脂、水溶性の不織布、その他の水溶性物質がある。これらをラミネートの形にすることも可能である。
【0021】
接着部は、接着シート単体を便座の所望表面に仮固定して、不用意に接着シート単体さらにはトイレットペーパーが位置ずれすることを防止するためのものである。たとえば、便座の表面に複数枚の小さな接着シート単体を仮固定して、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパーを載せて、そのトイレットペーパーの表面から手で押圧することにより、トイレットペーパーを便座に接着シート単体を介して仮固定することができる。トイレ利用後は、それらのトイレットペーパーと接着シート単体を便座表面から取り去って一緒に便器内に捨てて排水処理する。
【0022】
接着シート単体の接着部は、仮固定のための接着力を十分に有する必要があるが、あまり過度に接着力が強すぎて、トイレ利用後に接着シート単体を便座表面から除去するのが面倒にならない方がよい。接着部は、トイレ利用時の接着シート単体およびトイレットペーパーの位置ずれを防止するとともに、トイレ利用後の除去(はがし)を容易にするような弱い接着力を有する感圧性の粘着剤が好ましい。接着剤の一例として、「ポスト・イット」(登録商標)としてスリーエム カンパニーによって市販されている、付箋に設けられている接着力の弱い接着剤を使用することができる。他の接着剤の一例として、軟質発泡合成樹脂材料からなる感圧貼着材を使用することができる。
【0023】
また、接着部は、接着シート単体の両面(第1面とそれとは反対側の第2面)に接着剤を塗布して形成するのが好ましい。
【0024】
はく離部は、単に接着剤を接着シート単体の所定の面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤を接着シート単体の所定表面に塗布して形成することもできる。
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1〜2は、本発明の実施例1を示している。
【0027】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2と、その接着シート単体2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部3、4とを有する。
【0028】
図2によく示されているように、多数の短尺の接着シート単体2が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シート5が介在している。さらに、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例2】
【0029】
図3〜4は、本発明の実施例2を示す。この実施例2においては、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シートが設けられない。
【0030】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2を有し、その接着シート単体2の第1面2aとそれとは反対の第2面2bの各々の互に相違する位置に、接着部7、8とはく離部9、10が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部7、8が他方の接着シート単体2のはく離部9、10に接している。
【0031】
はく離部9、10は、単に接着剤7、8を接着シート単体2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体2の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0032】
さらに、図4によく示されているように、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例3】
【0033】
図5〜6は、本発明の実施例3を示している。
【0034】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2と、その接着シート単体2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部10、11とを有する。
【0035】
図6によく示されているように、多数の短尺の接着シート単体2は、向きが交互に相違するように、1枚ずつ、はく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シートは介在していない。
【0036】
また、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例4】
【0037】
図7〜8は、本発明の実施例4を示す。
【0038】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる円形(円盤状)の接着シート単体12の第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの各々の互に相違する位置に、ドーナツ形の接着部13と、円形の接着部14と、円形のはく離部15と、ドーナツ形のはく離部16が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体12の接着部13、14が他方の接着シート単体12のはく離部15、16に接するようになっている。
【0039】
はく離部15、16は、単に接着剤を接着シート単体12の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0040】
図8によく示されているように、円形のはく離シート18が、一群の接着シート単体12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例5】
【0041】
図9〜10は、本発明の実施例5を示している。
【0042】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる円形の接着シート単体12と、その接着シート単体12の両面(第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの両方)の同じ位置に設けられた円形の接着部20、21とを有する。
【0043】
図10によく示されているように、多数の円形の接着シート単体12が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体12の間に、円形のはく離シート21が介在している。さらに、円形のはく離シート22が一群の接着シート単体12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例6】
【0044】
前述の実施例1〜5においては、接着部は、面状に隙間なく設けられていたが、小さなものを点在させてもよい。
【0045】
図11は、小さな接着部を数多く点在させた本発明の1つの実施例6を示す。
【0046】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる接着シート単体2の両面の各々の互に相違する位置に、小さな矩形の接着部28が点在していて(たとえば所定の間隔に配置されていて)、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部28が他方の接着シート単体2のはく離部29に接するようになっている。
【0047】
接着部28とはく離部29は、このような小さな矩形に限らず、他の形状(細長い形状など)にしてもよい。たとえば、細長い同じ筋状の接着部28とはく離部29を交互にくり返すように配置して縞模様にすることができる。そして、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部28が他方の接着シート単体2のはく離部29に接するようにする。
【0048】
このような形態において、はく離シートを介在させることもできる。
【0049】
いずれにしても、はく離部29は、単に接着剤を接着シート単体2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【実施例7】
【0050】
接着シートの使い方は、いろいろとあるが、典型例を実施例7として説明する。
【0051】
接着シート単体2を便座30の所望表面に仮固定して、不用意に接着シート単体が位置ずれすることを防止する。たとえば、便座30の表面に複数枚(図示例では6枚)の接着シート単体2を配置し、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパー31を載せて、そのトイレットペーパー31の表面から手で押圧することにより、トイレットペーパー31を便座30に仮固定する。
【0052】
トイレ利用後は、それらのトイレットペーパー31と接着シート単体2を便座30の表面から取り去って、一緒に便器32内に捨てて排水処理する。
【0053】
本発明は、前述の実施例に限定されるものではなく、各請求項の範囲内で種々の形態を採用しうる。
【0054】
なお、図1〜10において、接着シート単体とはく離部は、図を見えやすくする目的で、誇大して示されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図2】図1の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図3】本発明の実施例2による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図4】図3の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの基本的な単体の一例を示す正面図。
【図5】本発明の実施例3による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、正面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図6】図5の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図7】本発明の実施例4による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図8】図7の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図9】本発明の実施例5による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図10】図9の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図11】本発明の実施例6による便座用接着シートの一部を示す。
【図12】本発明の実施例7を示す。
【符号の説明】
【0056】
1 便座用接着シート
2、12 接着シート単体
3、4、7、8、10、11、13、14、20、21、28 接着部
5、6、18、21、22 はく離シート
9、10、15、16、29 はく離部
30 便座
31 トイレットペーパー
32 便器
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーを洋式便器の便座に着脱可能に接着するのに適した便座用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が利用する洋式便器の便座は、眼には見えなくても汚れや雑菌が着いている可能性があるので、そこに直接肌を接して座ることに不快を感じることが少なくない。
【0003】
そのような不快感をなくすために、特許文献1〜3に示されているように、いろいろな便座用シートが提案されている。
【0004】
従来、この種の便座シートは、水溶性の材料からなり、洋式便器の便座上に敷いて使用する使い捨て式のものである。
【0005】
従来の便座用シートは、馬蹄形状やドーナツ形状になるように、中央部に開口部を形成して、洋式便座をカバーするように敷くものであり、サイズが大きい。そのため、携帯して使用しようとする場合、便座用シートを折りたたんだ状態でカバンなどに収納しておき、トイレで使用するときに、その便座用シートを広げて便座に載せ、その上にトイレ利用者が腰掛けていた。
【特許文献1】特開2000−139774号公報
【特許文献2】特開平5−130952号公報
【特許文献3】特開平10−108806号公報
【特許文献4】特開平11−286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の便座用シートは、携帯に不便なものであった。たとえば、大きなサイズの便座用シートを折りたたんで携帯せざるをえなかった。サイズの大きな便座用シートは、折りたたんだ状態でも、依然として縦と横のサイズがかなり大きく、しかも、全体の厚みが大きくなってします。
【0007】
このような大きなサイズの便座用シートは、携帯する便座用シートの枚数が増えると、嵩張りの問題が大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、携帯が便利な便座用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【0011】
(2)多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする前述の便座用シート。
【0012】
(3)重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする前述の便座用シート。
【0013】
(4)接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする前述の便座用シート。
【0014】
(5)長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする前述の便座用シート。
【発明の効果】
【0015】
本発明による便座用シートは、携帯に便利である。
【0016】
トイレに設置されているトイレットペーパーを利用して、それを適当なサイズに切りとって便座に接着することにすれば、携帯するのは、本発明の便座用シートのみで済む。それゆえ、多数回のトイレ利用に必要な量の便座用シートを携帯する場合であっても、あまり嵩張ることがない。
【発明を実施する最良の形態】
【0017】
本発明の1つの実施形態においては、便座用シートが、所望の長さに切りとられたトイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するために使用するものであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートに設けられた接着剤を有する。
【0018】
接着シートに加えて、はく離シートを使用する形態と、使用しない形態がある。
【0019】
はく離シートを使用する形態では、便座用シートが、短尺で矩形(好ましくは長方形)または円形のその他の形状の接着シートと、その接着シートの第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の両方に設けられた接着部とを有する場合、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在するようにすることが好ましい。
【0020】
はく離シートを使用しない形態では、接着シートの第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはく離部に接すようにするのが好ましい。
【0021】
接着シートは、前述のように短尺にして、多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられるようにしてもよいし、長尺で必要に応じて切りとるような形状にしてもよい。たとえば、帯状の接着シートと帯状のはく離シートとを重ねて芯の上にロール状に巻き取るようにすることができる。使用時に、そのような接着シートとはく離シートを適当な長さに切りとる。
【0022】
接着シートとして重要なことは、水溶性の材料で作ることである。そうすれば、接着シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0023】
はく離シートも、水溶性の材料で作ることが好ましい。そうすれば、使用すべき接着シートを取り出したあと、不要となったはく離シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0024】
水溶性の材料としては、水溶性の紙や、水溶性の樹脂、水溶性の不織布、その他の水溶性物質がある。これらをラミネートの形にすることも可能である。
【0025】
接着部は、接着シートを便座の所望表面に仮固定して、不用意に接着シートさらにはトイレットペーパーが位置ずれすることを防止するためのものである。たとえば、便座の表面に複数枚の小さな接着シートを仮固定して、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパーを載せて、そのトイレットペーパーの表面から手で押圧することにより、トイレットペーパーを便座に接着シートを介して仮固定することができる。トイレ利用後は、それらのトイレットペーパーと接着シートを便座表面から取り去って一緒に便器内に捨てて排水処理する。
【0026】
接着シートの接着部は、仮固定のための接着力を十分に有する必要があるが、あまり過度に接着力が強すぎて、トイレ利用後に接着シートを便座表面から除去するのが面倒にならない方がよい。接着部は、トイレ利用時の接着シートおよびトイレットペーパーの位置ずれを防止するとともに、トイレ利用後の除去(はがし)を容易にするような弱い接着力を有する感圧性の粘着剤が好ましい。接着剤の一例として、「ポスト・イット」(登録商標)としてスリーエム カンパニーによって市販されている、付箋に設けられている接着力の弱い接着剤を使用することができる。他の接着剤の一例として、軟質発泡合成樹脂材料からなる感圧貼着材を使用することができる。
【0027】
また、接着部は、接着シートの両面(第1面とそれとは反対側の第2面)に接着剤を塗布して形成するのが好ましい。
【0028】
はく離部は、単に接着剤を接着シートの所定の面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤を接着シートの所定表面に塗布して形成することもできる。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0030】
図1〜2は、本発明の実施例1を示している。
【0031】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2と、その接着シート2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部3、4とを有する。
【0032】
図2によく示されているように、多数の短尺の接着シート2が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シート5が介在している。さらに、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例2】
【0033】
図3〜4は、本発明の実施例2を示す。この実施例2においては、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シートが設けられない。
【0034】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2を有し、その接着シート2の第1面2aとそれとは反対の第2面2bの各々の互に相違する位置に、接着部7、8とはく離部9、10が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部7、8が他方の接着シート2のはく離部9、10に接している。
【0035】
はく離部9、10は、単に接着剤7、8を接着シート2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート2の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0036】
さらに、図4によく示されているように、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例3】
【0037】
図5〜6は、本発明の実施例3を示している。
【0038】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート2と、その接着シート2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部10、11とを有する。
【0039】
図6によく示されているように、多数の短尺の接着シート2は、向きが交互に相違するように、1枚ずつ、はく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート2の間に、はく離シートは介在していない。
【0040】
また、はく離シート6が一群の接着シート2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例4】
【0041】
図7〜8は、本発明の実施例4を示す。
【0042】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる円形(円盤状)の接着シート12の第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの各々の互に相違する位置に、ドーナツ形の接着部13と、円形の接着部14と、円形のはく離部15と、ドーナツ形のはく離部16が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート12の接着部13、14が他方の接着シート12のはく離部15、16に接するようになっている。
【0043】
はく離部15、16は、単に接着剤を接着シート12の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0044】
図8によく示されているように、円形のはく離シート18が、一群の接着シート12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例5】
【0045】
図9〜10は、本発明の実施例5を示している。
【0046】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる円形の接着シート12と、その接着シート12の両面(第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの両方)の同じ位置に設けられた円形の接着部20、21とを有する。
【0047】
図10によく示されているように、多数の円形の接着シート12が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート12の間に、円形のはく離シート21が介在している。さらに、円形のはく離シート22が一群の接着シート12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例6】
【0048】
図11は、本発明の実施例6を示す。
【0049】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる長尺で帯状の接着シート25を有し、その接着シート25が芯26にロール状に巻きとられている。接着シート25の一方の第1面25aに接着部27が設けられ、他方の第2面25bは、はく離部として構成されていて、ロール状に巻いた状態で、接着部27がはく離部25bに接している。
【0050】
はく離部25は、単に接着剤を接着シート25の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シートの表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0051】
使用時には、接着シート25を適当な長さに切りとる。
【0052】
図11の(c)は、そのように切りとった1枚の短尺の便座用シート1を示している。接着シート25と接着部27の厚みが、見やすくする目的で、特別に誇大して示されている。
【実施例7】
【0053】
前述の実施例1〜6においては、接着部は、面状に隙間なく設けられていたが、小さなものを点在させてもよい。
【0054】
図12は、小さな接着部を数多く点在させた本発明の1つの実施例7を示す。
【0055】
便座用シート1が、水溶性の材料からなる接着シート2の両面の各々の互に相違する位置に、小さな矩形の接着部28が点在していて(たとえば所定の間隔に配置されていて)、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部28が他方の接着シート2のはく離部29に接するようになっている。
【0056】
接着部28とはく離部29は、このような小さな矩形に限らず、他の形状(細長い形状など)にしてもよい。たとえば、細長い同じ筋状の接着部28とはく離部29を交互にくり返すように配置して縞模様にすることができる。そして、重ねた状態で対面する一方の接着シート2の接着部28が他方の接着シート2のはく離部29に接するようにする。
【0057】
このような形態において、はく離シートを介在させることもできる。
【0058】
いずれにしても、はく離部29は、単に接着剤を接着シート2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【実施例8】
【0059】
接着シートの使い方は、いろいろとあるが、典型例を実施例8として説明する。
【0060】
接着シート2を便座30の所望表面に仮固定して、不用意に接着シートが位置ずれすることを防止する。たとえば、便座30の表面に複数枚(図示例では6枚)の接着シート2を配置し、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパー31を載せて、そのトイレットペーパー31の表面から手で押圧することにより、トイレットペーパー31を便座30に仮固定する。
【0061】
トイレ利用後は、それらのトイレットペーパー31と接着シート2を便座30の表面から取り去って、一緒に便器32内に捨てて排水処理する。
【0062】
本発明は、前述の実施例に限定されるものではなく、各請求項の範囲内で種々の形態を採用しうる。
【0063】
なお、図1〜11において、接着シートとはく離部は、図を見えやすくする目的で、誇大して示されている。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施例1による便座用シート基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図2】図1の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図3】本発明の実施例2による便座用シートを示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図4】図3の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの基本的な単体の一例を示す正面図。
【図5】本発明の実施例3による便座用シートを示し、(A)は、正面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図6】図5の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図7】本発明の実施例4による便座用シートを示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図8】図7の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図9】本発明の実施例5による便座用シートを示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図10】図9の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用シートの一例を示す正面図。
【図11】本発明の実施例6による、接着シートをロール状に巻くタイプの便座用シートを示し、(A)は、その平面図、(B)はその正面図、(C)は、所望の長さに切りとった短尺状の接着シートを示している。
【図12】本発明の実施例7を示す。
【図13】本発明の実施例8を示す。
【符号の説明】
【0065】
1 便座用シート
2、12、25 接着シート
3、4、7、8、10、11、13、14、20、21、27、28 接着部
5、6、18、21、22 はく離シート
9、10、15、16、29 はく離部
26 芯管
30 便座
31 トイレットペーパー
32 便器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパーを洋式便器の便座に着脱可能に接着する便座用接着シートとその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が利用する洋式便器の便座は、眼には見えなくても汚れや雑菌が着いている可能性があるので、そこに直接肌を接して座ることに不快を感じることが少なくない。
【0003】
そのような不快感をなくすために、特許文献1〜3に示されているように、いろいろな便座用シートが提案されている。
【0004】
従来、この種の便座用シートは、水溶性の材料からなり、洋式便器の便座上に敷いて使用する使い捨て式のものである。
【0005】
従来の便座用シートは、馬蹄形状やドーナツ形状になるように、中央部に開口部を形成して、洋式便座をカバーするように敷くものであり、サイズが大きい。そのため、携帯して使用しようとする場合、便座用シートを折りたたんだ状態でカバンなどに収納しておき、トイレで使用するときに、その便座用シートを広げて便座に載せ、その上にトイレ利用者が腰掛けていた。
【特許文献1】特開2000−139774号公報
【特許文献2】特開平5−130952号公報
【特許文献3】特開平10−108806号公報
【特許文献4】特開平11−286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の便座用シートは、携帯に不便なものであった。たとえば、大きなサイズの便座用シートを折りたたんで携帯せざるをえなかった。サイズの大きな便座用シートは、折りたたんだ状態でも、依然として縦と横のサイズがかなり大きく、しかも、全体の厚みが大きくなってしまう。
【0007】
このような大きなサイズの便座用シートは、携帯する便座用シートの枚数が増えると、嵩張りの問題が大きくなる。
【0008】
本発明の目的は、携帯が便利な便座用接着シートとその使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決手段を例示すると、次のとおりである。
【0010】
(1)トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するための接着シート単体が、水溶性の材料からなり、接着シート単体の第1面と第2面の両方に接着部が設けられており、しかも、携帯するのに便利な形に、多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする便座用接着シート。
(2)接着シート単体として多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に直接重ねて設けられていることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(3)接着シート単体の第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体の接着部が他方の接着シート単体のはく離部に接していることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(4)重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体の間に、はく離シートが介在していることを特徴とする前述の便座用接着シート。
(5)水溶性の材料からなる接着シート単体と、その接着シート単体の第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有する便座用接着シートの使用方法であって、多数の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられて、携帯するのに便利な形になっており、トイレ利用時に所望枚数の接着シート単体をはく離し、切りとられたトイレットペーパーを接着シート単体によって便座に着脱可能に接着することを特徴とする便座用接着シートの使用方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明による便座用接着シートは、トイレ利用前に、トイレットペーパーに接着されていないので、携帯するのに便利である。
【0012】
トイレに設置されているトイレットペーパーを利用して、それを適当なサイズに切りとって便座に接着することにすれば、携帯するのは、本発明の便座用接着シートのみで済む。それゆえ、トイレットペーパーを持ち運ぶ必要がなく、多数回のトイレ利用に必要な枚数の便座用接着シートのみを携帯すればよく、あまり嵩張ることがない。
【発明を実施する最良の形態】
【0013】
本発明の1つの実施形態においては、便座用接着シートが、所望の長さに切りとられたトイレットペーパーを便座に着脱可能に接着するために使用するものであって、水溶性の材料からなる接着シート単体と、その接着シート単体に設けられた接着剤を有する。
【0014】
接着シート単体に加えて、はく離シートを使用する形態と、使用しない形態がある。
【0015】
はく離シートを使用する形態では、便座用接着シートが、短尺で矩形(好ましくは長方形)または円形、その他の形状の接着シート単体と、その接着シート単体の第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の両方に設けられた接着部とを有する場合、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体の間に、はく離シートが介在するようにすることが好ましい。
【0016】
はく離シートを使用しない形態では、接着シート単体の第1面と第2面(たとえば表面と裏面)の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体の接着部が他方の接着シート単体のはく離部に接すようにするのが好ましい。
【0017】
接着シート単体は、前述のように短尺にして、多数の短尺の接着シート単体が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられる。
【0018】
接着シート単体として重要なことは、水溶性の材料で作ることである。そうすれば、接着シート単体を便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0019】
はく離シートも、水溶性の材料で作ることが好ましい。そうすれば、使用すべき接着シート単体を取り出したあと、不要となったはく離シートを便器内に投入して、簡単に排水処理をすることができる。
【0020】
水溶性の材料としては、水溶性の紙や、水溶性の樹脂、水溶性の不織布、その他の水溶性物質がある。これらをラミネートの形にすることも可能である。
【0021】
接着部は、接着シート単体を便座の所望表面に仮固定して、不用意に接着シート単体さらにはトイレットペーパーが位置ずれすることを防止するためのものである。たとえば、便座の表面に複数枚の小さな接着シート単体を仮固定して、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパーを載せて、そのトイレットペーパーの表面から手で押圧することにより、トイレットペーパーを便座に接着シート単体を介して仮固定することができる。トイレ利用後は、それらのトイレットペーパーと接着シート単体を便座表面から取り去って一緒に便器内に捨てて排水処理する。
【0022】
接着シート単体の接着部は、仮固定のための接着力を十分に有する必要があるが、あまり過度に接着力が強すぎて、トイレ利用後に接着シート単体を便座表面から除去するのが面倒にならない方がよい。接着部は、トイレ利用時の接着シート単体およびトイレットペーパーの位置ずれを防止するとともに、トイレ利用後の除去(はがし)を容易にするような弱い接着力を有する感圧性の粘着剤が好ましい。接着剤の一例として、「ポスト・イット」(登録商標)としてスリーエム カンパニーによって市販されている、付箋に設けられている接着力の弱い接着剤を使用することができる。他の接着剤の一例として、軟質発泡合成樹脂材料からなる感圧貼着材を使用することができる。
【0023】
また、接着部は、接着シート単体の両面(第1面とそれとは反対側の第2面)に接着剤を塗布して形成するのが好ましい。
【0024】
はく離部は、単に接着剤を接着シート単体の所定の面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤を接着シート単体の所定表面に塗布して形成することもできる。
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1〜2は、本発明の実施例1を示している。
【0027】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2と、その接着シート単体2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部3、4とを有する。
【0028】
図2によく示されているように、多数の短尺の接着シート単体2が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シート5が介在している。さらに、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例2】
【0029】
図3〜4は、本発明の実施例2を示す。この実施例2においては、重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シートが設けられない。
【0030】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2を有し、その接着シート単体2の第1面2aとそれとは反対の第2面2bの各々の互に相違する位置に、接着部7、8とはく離部9、10が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部7、8が他方の接着シート単体2のはく離部9、10に接している。
【0031】
はく離部9、10は、単に接着剤7、8を接着シート単体2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体2の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0032】
さらに、図4によく示されているように、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例3】
【0033】
図5〜6は、本発明の実施例3を示している。
【0034】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる短尺で長方形の接着シート単体2と、その接着シート単体2の両面(第1面2aとそれとは反対側の第2面2bの両方)の同じ位置に設けられた接着部10、11とを有する。
【0035】
図6によく示されているように、多数の短尺の接着シート単体2は、向きが交互に相違するように、1枚ずつ、はく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体2の間に、はく離シートは介在していない。
【0036】
また、はく離シート6が一群の接着シート単体2の最も外側の位置に設けられている。
【実施例4】
【0037】
図7〜8は、本発明の実施例4を示す。
【0038】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる円形(円盤状)の接着シート単体12の第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの各々の互に相違する位置に、ドーナツ形の接着部13と、円形の接着部14と、円形のはく離部15と、ドーナツ形のはく離部16が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体12の接着部13、14が他方の接着シート単体12のはく離部15、16に接するようになっている。
【0039】
はく離部15、16は、単に接着剤を接着シート単体12の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【0040】
図8によく示されているように、円形のはく離シート18が、一群の接着シート単体12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例5】
【0041】
図9〜10は、本発明の実施例5を示している。
【0042】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる円形の接着シート単体12と、その接着シート単体12の両面(第1面12aとそれとは反対側の第2面12bの両方)の同じ位置に設けられた円形の接着部20、21とを有する。
【0043】
図10によく示されているように、多数の円形の接着シート単体12が1枚ずつはく離可能に重ねて設けられている。重ねた状態で隣接する各2枚の接着シート単体12の間に、円形のはく離シート21が介在している。さらに、円形のはく離シート22が一群の接着シート単体12の最も外側の位置に設けられている。
【実施例6】
【0044】
前述の実施例1〜5においては、接着部は、面状に隙間なく設けられていたが、小さなものを点在させてもよい。
【0045】
図11は、小さな接着部を数多く点在させた本発明の1つの実施例6を示す。
【0046】
便座用接着シート1が、水溶性の材料からなる接着シート単体2の両面の各々の互に相違する位置に、小さな矩形の接着部28が点在していて(たとえば所定の間隔に配置されていて)、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部28が他方の接着シート単体2のはく離部29に接するようになっている。
【0047】
接着部28とはく離部29は、このような小さな矩形に限らず、他の形状(細長い形状など)にしてもよい。たとえば、細長い同じ筋状の接着部28とはく離部29を交互にくり返すように配置して縞模様にすることができる。そして、重ねた状態で対面する一方の接着シート単体2の接着部28が他方の接着シート単体2のはく離部29に接するようにする。
【0048】
このような形態において、はく離シートを介在させることもできる。
【0049】
いずれにしても、はく離部29は、単に接着剤を接着シート単体2の表面に塗布しないだけで形成することが製造コストの点で有利であるが、水溶性のはく離剤(図示せず)を接着シート単体12の表面の所定領域に塗布して形成することもできる。
【実施例7】
【0050】
接着シートの使い方は、いろいろとあるが、典型例を実施例7として説明する。
【0051】
接着シート単体2を便座30の所望表面に仮固定して、不用意に接着シート単体が位置ずれすることを防止する。たとえば、便座30の表面に複数枚(図示例では6枚)の接着シート単体2を配置し、それらの上に所望の寸法に切りとったトイレットペーパー31を載せて、そのトイレットペーパー31の表面から手で押圧することにより、トイレットペーパー31を便座30に仮固定する。
【0052】
トイレ利用後は、それらのトイレットペーパー31と接着シート単体2を便座30の表面から取り去って、一緒に便器32内に捨てて排水処理する。
【0053】
本発明は、前述の実施例に限定されるものではなく、各請求項の範囲内で種々の形態を採用しうる。
【0054】
なお、図1〜10において、接着シート単体とはく離部は、図を見えやすくする目的で、誇大して示されている。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例1による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図2】図1の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図3】本発明の実施例2による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は底面図。
【図4】図3の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの基本的な単体の一例を示す正面図。
【図5】本発明の実施例3による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、正面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図6】図5の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図7】本発明の実施例4による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図8】図7の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図9】本発明の実施例5による便座用接着シートの基本的な単体を示し、(A)は、その中心を通る断面図、(B)は、その基本的な単体の平面図、(C)は、同じ単体の底面図。
【図10】図9の基本的な単体を数多く重ねた状態の便座用接着シートの一例を示す正面図。
【図11】本発明の実施例6による便座用接着シートの一部を示す。
【図12】本発明の実施例7を示す。
【符号の説明】
【0056】
1 便座用接着シート
2、12 接着シート単体
3、4、7、8、10、11、13、14、20、21、28 接着部
5、6、18、21、22 はく離シート
9、10、15、16、29 はく離部
30 便座
31 トイレットペーパー
32 便器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【請求項2】
多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【請求項3】
重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項4】
接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項5】
長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着する便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【請求項2】
多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【請求項3】
重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項4】
接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項5】
長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【請求項1】
トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着しうる便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【請求項2】
多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【請求項3】
重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項4】
接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項5】
長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパーを便座に着脱可能に接着する便座用シートであって、水溶性の材料からなる接着シートと、その接着シートの第1面と第2面の両方に設けられた接着部とを有することを特徴とする便座用シート。
【請求項2】
多数の短尺の接着シートが1枚ずつはく離可能に重ねて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【請求項3】
重ねた状態で隣接する各2枚の接着シートの間に、はく離シートが介在していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項4】
接着シートの第1面と第2面の各々の互に相違する位置に、接着部とはく離部が配置されていて、重ねた状態で対面する一方の接着シートの接着部が他方の接着シートのはくり部に接していることを特徴とする請求項2に記載の便座用シート。
【請求項5】
長尺帯状の接着シートが長尺帯状のはく離シートと重ねてロール状に巻き取られていることを特徴とする請求項1に記載の便座用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−198301(P2006−198301A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15384(P2005−15384)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(505029322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(505029322)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]