説明

便座装置

【課題】便座の閉止時の衝撃音を抑制する衝撃緩衝手段を小型かつ低コスト提供すること。
【解決手段】便器110上に載置固定される本体200と、本体200に回動自在に枢支され、着座面411が略水平となる着座位置と、着座面411が略鉛直となる開放位置との間を回動可能な便座400とを含み、便座400の裏面には、低反発性と圧縮変形性を備えた材料で形成された複数の脚430が枢支軸402からの距離が異なる複数の位置に配置され、便座400を開放位置から着座位置に回動させた場合、複数の脚430は、枢支軸402の近くに配置されたものから遠くに配置されたものへ、順次異なるタイミングで便器110の上面に当接する高さに形成されたことにより、便座400と便器110の上面が当接することにより発生する衝撃音を緩和する小型で低コストの衝撃緩衝手段を備えた便座装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動時の衝撃緩衝手段を備えた便座装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の便座装置として一般的には、便座の回動軸にダンパーを設置し回動速度を低減することにより、便座を閉じる際に便座が便器に当たって発生する音を抑制し、便座がスムーズに閉成できるようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、空気口を備えたエアーバッグを便座下面に設置し、便座を閉じる際には、エアーバッグが便器上面に設置された台座に接触して押し付けられて圧縮され、空気口よりエアーバッグ内の空気が排出されることにより衝撃力を吸収し、便座の閉止時の衝撃を緩衝しているものもある(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
図7は、特許文献2に記載された従来の便座装置を示すものである。図7に示すように、便座1の後方下面にエアーバッグ2が設置されており、便器の上面には台座3が設置されている。便座1の閉止時には便座1の下面と台座3でエアーバッグ2が圧縮され、エアーバッグ2の空気口4より空気が排出されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−345684号公報
【特許文献2】特開平10−262866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、衝撃緩衝手段として、専用の緩衝装置を設置された構成であり、設置に際しては専用のスペースが必要となり便座装置全体の大型化に繋がるとともに、専用部品を使用することによるコストアップおよび組み立てに要する工数の増加という観点で改良の余地があった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、便座の閉止時の衝撃音を抑制する衝撃緩衝手段を小型かつ低コストで実施し、スムーズな閉止動作が可能とした便座装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の便座装置は、便器上に載置固定される本体と、本体に回動自在に枢支され、着座面が略水平となる着座位置と、着座面が略鉛直となる開放位置との間を回動可能な便座とを含み、便座の裏面には、低反発性と圧縮変形性を備えた材料で形成された複数の脚が枢支軸からの距離が異なる複数の位置に配置され、便座を開放位置から着座位置に回動させた場合、複数の脚は、枢支軸の近くに配置されたものから遠くに配置されたものへ、順次異なるタイミングで便器の上面に当接する高さに形成されたものである。
【0009】
これにより、便座を開放位置から着座位置に自重による回動をさせた場合、最初は枢支軸に最も近い脚が便器の上面と当接して脚は衝撃荷重により圧縮変形し、衝撃エネルギを吸収して便座の回動速度を減速させる。このとき枢支軸に最も近い脚の回動速度は遅いため小さい衝撃音が発生する。
【0010】
最も近い脚が圧縮変形して高さが低くなることにより、次に配置された脚が便器の上面に当接し、前記同様に圧縮変形することにより便座の回動速度がさらに減速する。このとき枢支軸に最も近い脚の当接により回動速度が既に低減されているため発生する衝撃音は抑制される。
【0011】
前記のように枢支軸からの距離が異なる複数の位置に配置された脚が便器の上面に順次当接することにより、便座と便器上面が当接することにより発生する衝撃音が抑制されスムーズに着座位置に停止させることができる。
【0012】
前記のように便座の必須部材である脚を使用して便座回動時の衝撃緩衝手段を小型かつ低コストで提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の便座装置は、便座回動時の衝撃緩衝手段を小型かつ低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における便座装置の外観を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における便座を開放位置に開放した状態の斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における便座が開放位置から着座位置に回動途中の状態を示す側面図
【図4】本発明の実施の形態1における便座を着座位置に閉止した状態の側面図
【図5】(a)は本発明の実施の形態2における便座が開放位置から着座位置に回動途中の状態を示す側面図、(b)は(a)に示すA部詳細を示す断面図
【図6】(a)は本発明の実施の形態2における便座に使用者が着座した状態を示す側面図、(b)は(a)に示すB部詳細を示す断面図
【図7】従来の便座装置の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、便器上に載置固定される本体と、前記本体に回動自在に枢支され、着座面が略水平となる着座位置と、前記着座面が略鉛直となる開放位置との間を回動可能な便座と、を含み、前記便座の裏面には、低反発性と圧縮変形性を備えた材料で形成された複数の脚が、枢支軸からの距離が異なる複数の位置に配置され、前記便座を開放位置から着座位置に回動させた場合、複数の前記脚は、前記枢支軸の近くに配置されたものから遠くに配置されたものへ、順次異なるタイミングで前記便器の上面に当接する高さに形成されたものである。
【0016】
これにより、便座を開放位置から着座位置に自重による回動をさせた場合、最初は枢支軸に最も近い脚が便器の上面と当接して脚は衝撃荷重により圧縮変形し、衝撃エネルギを吸収して便座の回動速度を減速させる。このとき枢支軸に最も近い脚の回動速度は遅いため小さい衝撃音が発生する。
【0017】
最も近い脚が圧縮変形して高さが低くなることにより、次に配置された脚が便器の上面に当接し、前記同様に圧縮変形することにより便座の回動速度がさらに減速する。このとき枢支軸に最も近い脚の当接により回動速度が既に低減されているため発生する衝撃音は抑制される。
【0018】
前記のように枢支軸からの距離が異なる複数の位置に配置された脚が便器の上面に順次当接することにより、便座と便器上面が当接することにより発生する衝撃音が抑制されス
ムーズに着座位置に停止させることができる。
【0019】
前記のように便座の必須部材である脚を使用して便座回動時の衝撃緩衝効果を小型かつ低コストで実現することができる。
【0020】
第2の発明は、特に第1の発明において、複数の前記脚の高さは、同一の高さに形成されたものである。
【0021】
これにより、便座が便器の上面に停止した状態において、便座の着座面は着座に適した略水平に維持されることとなり、使用者は楽に着座することができる。
【0022】
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記便座の裏面には、前記脚の変形を規制する規制手段を備え、使用者が前記便座に着座したときに、前記規制手段により、前記便座の着座面が略水平に維持されるように、前記脚の圧縮変形が規制されるものである。
【0023】
これにより、衝撃緩衝効果を発揮するために必要な低反発性と圧縮変形性を備えた脚に使用者の体重が加えられても脚の変形は所定の範囲で規制され、便座の着座面は着座に適した略水平に維持されるため安定した着座を維持することができる。また使用者の体重が加えられてから規制手段により規制されるまでは脚がクッションとして作用するため着座時の衝撃が緩和され快適に着座することができる。
【0024】
第4の発明は、特に第3の発明において、前記規制手段は、前記脚に近接させて設けたものである。
【0025】
これにより、脚と規制手段が略同一の場所に設置されるため、便座裏面の突起部の配置がシンプルになり、清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0026】
第5の発明は、特に第4の発明において、前記規制手段は、少なくとも前記枢支軸より最も遠い脚に近接させて設けたものである。
【0027】
これにより、便座の枢支軸に近い部分は枢支軸により所定の高さに維持され、枢支軸より遠い部分は規制手段により所定の高さに維持されるため、少ない規制手段で便座の着座面を略水平に維持することができる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態における便座装置を便器上に設置した状態の外観の斜視図を示し、図2は便座装置の便座を開放位置に開放した状態の斜視図を示すものである。
【0030】
<1>便座装置の構成
図1に示すように、便座装置100は、本体200、便蓋300、便座400により一体で構成され便器110の上面に設置される。
【0031】
なお、本実施の形態においては便座装置100の本体200の設置側を後方、便座400の設置側を前方とし、後方に向かって右側を右側、後方に向かって左側を左側として各構成要素の配置を説明する。
【0032】
本体200には、便蓋300および便座400が回動軸を介して回動自在に取り付けられている。図1に示すように便蓋300を開放した状態においては、便蓋300は便座装置100の最後部に位置するように起立する。また、便蓋300を閉成すると便座400の上面を隠蔽する。
【0033】
便座400は、図1に示すように使用者が着座するのに適したように着座面411が略水平となる着座位置と、図2に示すように着座面411が略鉛直となる開放位置の間を手動で開閉可能に構成されている。また、便座400は便座ヒータ(図示せず)を内蔵しており、便座400の着座面411が快適な温度になるように加熱する。
【0034】
本体200の前面中央部には着座センサ201が設置されている。この着座センサ201は反射型の赤外線センサであり、人体から反射された赤外線を検出することにより便座400上に使用者が存在することを検知する。
【0035】
本体200の左側には本体200と一体に袖部210が突出して形成されており、袖部210の上面には便座装置100の各機能を操作する複数の操作スイッチ211と表示装置212が設置されている。
【0036】
本体200の内部には、人体局部を洗浄する洗浄手段(図示せず)、洗浄後の局部を乾燥する乾燥装置(図示せず)、排便時の臭気を脱臭する脱臭装置(図示せず)、それらの機能を制御する制御部(図示せず)等が設置されており、制御部は着座センサ201の検知信号と操作スイッチ211の操作に基づいて各機能の制御を実施する。
【0037】
<2>便座の構成
図2は便座を開放位置に開放した状態の斜視図を示し、図3は本実施の形態における便座が開放位置から着座位置に回動途中の状態を示す側面図を示し、図4は便座を着座位置に閉止した状態の側面図を示すものである。
【0038】
図1および図2に示すように、便座400は略楕円形の環状をなしており、便座400の両側部には後端部より突出する回動支持部401が形成されており、枢支軸402を介して本体200に回動自在に枢支されている。
【0039】
便座400は上面側の上部便座ケーシング410と下面側の下部便座ケーシング420を結合した構成であり中空状をなしている。上部便座ケーシング410の表面側は使用者が着座する着座面411となっており、着座面411の裏面には便座ヒータ(図示せず)が粘着されており着座面411を適温に加熱することができる。着座面411は全周に亘り内周側が低くなる傾斜面で形成されている。また、図1に示すように便座400が着座位置に停止した状態においては、着座面411の基準となる傾斜面の中央部は略水平となっている。
【0040】
図2示すように、便座400の下部便座ケーシング420の表面には左右対称位置に4個の脚430が接着固定されている。4個の脚430は後方の2個は枢支軸402からの距離が約10cmの位置に、前方の2個は枢支軸402からの距離が約30cmの位置に設置されている。
【0041】
脚430はポリスチレンとビニルーポリイソプレンの重合体の樹脂材料を低発泡させて略楕円柱形状に成型されている。本実施の形態に使用した樹脂材料は低反発性と圧縮変形性を備えている。特に、等樹脂材料で形成した素材片上に錘を落下させた場合、反発時に錘が受ける加速度はクロロプレンゴムを使用した場合の約1/5であり、しかも加圧により圧縮された素材が元の形状に復帰する時間がクロロプレンゴムの約3倍であり、これら
の特性により衝撃を吸収する高レベルの低反発性を備えている。
【0042】
略楕円柱形状に成型された脚430の高さ寸法H1は、便座400が枢支軸402を介して本体200に枢支されている状態で、脚430が設置されている下部便座ケーシング420の表面と便器110の上面とが平行となる状態において、下部便座ケーシング420の表面と便器110の上面との間隙寸法H2より大きい寸法であり、本実施の形態においては約1.5倍とした。
【0043】
上記間隙寸法H2より脚430の高さ寸法H1を高くすることにより、便座400を開放位置から着座位置に回動させた場合、最初に枢支軸402からの距離が短い後方に設置した脚430が便器110の上面に当接し、次に枢支軸402からの距離が長い前方に設置した脚430が異なったタイミングで便器110の上面に当接して便座400が便器110の上面に停止する構成とすることができる。
【0044】
以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
便座400を図の矢印Dで示すように開放位置から着座位置に自重による回動をさせた場合、最初は枢支軸402に近い後方の2個の脚430が便器110の上面と当接して脚430は衝撃荷重により圧縮変形し、衝撃エネルギを吸収して便座400の回動速度を減速させる。このとき後方の脚430は、枢支軸402からの距離が前方の脚430に対して約1/3であるため、便器110上面に衝突する速度も約1/3となり、当接時に発生する衝撃音を抑制することができる。
【0046】
後方の脚430が圧縮変形して高さが低くなることにより、前方に配置された脚430が便器110の上面に当接し、前記同様に圧縮変形することにより便座400の回動速度がさらに減速する。このとき枢支軸402に近い後方の脚430の当接により回動速度が既に低減されているため発生する衝撃音は抑制される。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、枢支軸402からの距離が異なる複数の位置に配置された脚430が便器の上面に順次当接することにより、便座と便器上面が当接することにより発生する衝撃音が抑制されスムーズに着座位置に停止させることができる。
【0048】
また、本実施の形態においては便座の必須部材である脚を使用して便座回動時の衝撃緩衝効果を確立することにより、小型化かつ低コスト化を実現することができる。
【0049】
なお、本実施の形態においては、枢支軸からの2つの異なる距離にそれぞれ2個づつの脚を設置したがこれに限るものではなく、3つ以上の異なる距離にそれぞれ脚を配置しても同様の効果を得ることができる。また脚の配置は左右対象位置限定するものでもない。
【0050】
また、本実施の形態においては、脚の形状および高さを全て同一としたがこれに限るものではなく、異なる形状および異なる高さにしてもよい。特に枢支軸の近くに設置する脚の高さを高くすることにより緩衝効果を高めることが可能である。
【0051】
(実施の形態2)
図5(a)は実施の形態2における便座が開放位置から着座位置に回動途中の状態を示す側面図、(b)は(a)に示すA部の詳細を示す断面図であり、図6(a)は実施の形態2における便座に使用者が着座した状態の側面図、(b)は(a)に示すB部の詳細を示す断面図である。
【0052】
本実施の形態が実施の形態1と異なるところは、便座400の後方に設置する脚は実施
の形態1と同様の脚430を使用するが、枢支軸402からの距離が長い前方に配置された脚440の周囲を覆うように、脚440の変形を規制する規制手段となる規制部450を備えた点であり、便座装置の他の部分は実施の形態1と同様の構成であり詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施の形態において前方に設置する脚440は、図5(b)に示すように、元の部分が太く、先の方が細い2段構成の円柱形状をなしており、実施の形態1と同様の樹脂材料を使用して成型されている。脚440の高さは後方に配置される脚430の高さ寸法H1と同じ高さである。
【0054】
脚440の設置場所には円筒形の規制部450が下部便座ケーシング420と一体に形成されている。規制部450の内径は脚440の元の部分より僅かに大きい寸法に形成されており、内部に脚440を接着固定するときの位置決めが容易となっている。また、規制部450の高さは、実施の形態1で記載した下部便座ケーシング420の表面と便器110の上面とが平行となる状態における下部便座ケーシング420の表面と便器110の上面との間隙寸法H2と同じ寸法となっている。
【0055】
図5(b)に示すように、規制部450の内部に脚440を設置した状態では、脚440の細い部分と規制部450の内面との間には隙間が形成されており、この隙間は脚440が圧縮された場合、横方向に膨張する変形を収納するための変形スペース451を構成している。加重により脚440が圧縮変形した場合、図6(a)に示すように規制部450が便器110の上面に当接してそれ以上の圧縮変形が規制されるとともに、図6(b)に示すように変形スペース451はほとんど脚440で埋められる。その状態において規制部450の高さは間隙寸法H2であるため、便座400の着座面411は略水平に維持される。
【0056】
以上のように構成された便座装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0057】
実施の形態1と同様に、便座400を開放位置から着座位置に自重による回動をさせた場合、最初は後方の2個の脚430が便器110の上面と当接して脚430は衝撃荷重により圧縮変形し、衝撃エネルギを吸収して便座400の回動速度を減速させる。次に前方に配置された脚440が便器110の上面に当接して圧縮変形することにより便座400の回動速度がさらに減速して停止する。
【0058】
便座400が便器110上に停止した状態においては、脚430および脚440の反発力により、便座400は前方が僅かに上がった状態になっている、この状態で使用者が便座400に着座すると、脚430および脚440は圧縮変形し、規制部450が便器110の上面に当接して便座400は所定の高さに維持される。このとき便座400の前方は規制部450により高さが維持され、便座400の後方は回動支持部401と枢支軸402により所定の高さが維持されるため、便座400の着座面411を着座に最適な略水平に維持することができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態においては、衝撃緩衝効果を発揮するために必要な低反発性と圧縮変形性を備えた脚に使用者の体重が加えられても脚の変形は所定の範囲で規制され、便座の着座面は着座に適した略水平に維持されため、安定した着座を維持することができる。また、使用者の体重が加えられてから規制部により規制されるまでは脚がクッションとして作用するため着座時の衝撃が緩和され快適に着座することができる。更に、脚と規制部が略同一の場所に設置されるため、便座裏面の突起部の配置がシンプルになり、清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0060】
また、規制部は、少なくとも枢支軸より最も遠い脚に近接させて設けたことにより、便座の枢支軸に近い部分は枢支軸により所定の高さに維持され、枢支軸より遠い部分は規制部により所定の高さに維持されるため、少ない規制部で便座の着座面を略水平に維持することができる。
【0061】
なお、本実施の形態は、枢支軸より遠い脚を覆うように規制部を設けたが、これに限るものではなく、全ての脚に規制部を設けてもよい。
【0062】
また、本実施の形態においては脚の全周覆うように規制部を設けたがこれに限るものではなく、例えば脚の一部を覆うように設ける構成や、脚とは離れた部分に独立して設ける構成等でも便座の水平維持の効果を発揮させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明にかかる便座装置は、回動時の衝撃を緩衝することが可能となるので、回動機能を備えた各種機器等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0064】
100 便座装置
110 便器
200 本体
400 便座
402 枢支軸
411 着座面
430 脚
440 脚
450 規制部(規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器上に載置固定される本体と、
前記本体に回動自在に枢支され、着座面が略水平となる着座位置と、前記着座面が略鉛直となる開放位置との間を回動可能な便座と、を含み、
前記便座の裏面には、低反発性と圧縮変形性を備えた材料で形成された複数の脚が、枢支軸からの距離が異なる複数の位置に配置され、
前記便座を開放位置から着座位置に回動させた場合、複数の前記脚は、前記枢支軸の近くに配置されたものから遠くに配置されたものへ、順次異なるタイミングで前記便器の上面に当接する高さに形成された、
便座装置。
【請求項2】
複数の前記脚の高さは、同一の高さに形成された、
請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記便座の裏面には、前記脚の変形を規制する規制手段を備え、
使用者が前記便座に着座したときに、前記規制手段により、前記便座の着座面が略水平に維持されるように、前記脚の圧縮変形が規制される、
請求項1または2に記載の便座装置。
【請求項4】
前記規制手段は、前記脚に近接させて設けた、
請求項3に記載の便座装置。
【請求項5】
前記規制手段は、少なくとも前記枢支軸より最も遠い脚に近接させて設けた、
請求項4に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−157418(P2012−157418A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17541(P2011−17541)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】