説明

係止ピン

【課題】 従来の一体型の係止ピンでは中空材の途中でストッパーが突出して抜けなくなる問題点やストッパーが係止ピンと分離している分離型であると、作業や保管が面倒である課題があった。
【解決手段】 係止ピン1は、棒状部2とストッパー部3とを有し、棒状部2は棒状体に形成され、棒状部2の一端側にストッパー部3を設け、ストッパー部3は、棒状部2棒状方向に対して略直角方向に移動又は回動してストッパー30の一部が棒状部2の径より出る。実施形態としてストッパー部3が、棒状部2棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔31と、ストッパー孔31の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパー30からなり、ストッパー全長が、ストッパー孔31内に収まる状態から、棒状部2を略180度角回転させることにより、ストッパー30が略直角方向に移動してストッパー30の一部が棒状部2の径より出る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建築現場等において使用する係止ピン、特に足場材などの中空材と他部材との係り止め使用に適した係止ピンに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場等において、足場材等の中空材と他の部材を係合させ、互いに抜けないように係合状態を維持するために、相互の係止孔に係止ピンを挿入するようにして使用されていた。
【0003】
図17及び図18に示すストッパーが棒状部と不離一体である従来技術1の係止ピンPは、中空材C及び他部材の係止孔Hに挿入可能な棒状部の先端にバネにより直角三角状に突出するストッパーS1を有し、このストッパーS1は、挿入時にはその斜面辺を中空材Cの係止孔Hによって押されて凹み、先端が係止孔Hより出るとまたバネによって棒状体より突出して、中空材Cから係止ピンPが、戻って抜けないように構成されていた。そして、図17、図18に示されるストッパーS1とは逆側にフランジ部がない形状の従来の係止ピンPは、係止孔Hに挿入後ストッパーS1とは逆側端部を曲げる等して、係止孔Hよりどちら側からも引き抜けず確実に中空材と他部材を係止する構成であった。
【0004】
また、図19及び図20に示すような従来技術2の係止ピンPと分離されているスナップピンSPや割ピンをストッパーとして使用する構成のものも知られており、これらは中空材Cの径方向に設けた係止孔Hに係止ピンPを差し込んだ後に、係止孔Hより突出した係止ピンの先端の孔SP3にスナップピンSPの直線部SP1を差し込んで 直線部S1と波形部SP2で中空材Wを挟み付け、係止ピンP全体が係止孔Hから抜けないようにしていた。
【0005】
また、従来の係止ピンでは、ストッパー部とは逆端部側は止め部として形成する必要があるが、図19、図20のように最初に棒状部の径より径大なフランジ部を形成して止め部とする実施形態もあるが、また図17、図18のように棒状部がストレートなままの形状では、中空材Cの係止孔Hに係止後、その逆端部を曲げたり、また逆端部に孔がある場合その孔にワイヤー等を貫通させ縦枠に固定したりして止め部としていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術1のようにストッパーS1が、バネによって突出する構造であると、中空材の途中でストッパーS1が突出するように作動すると、逆方向には抜けない状態になる。そのため再使用が難しく、再使用するためには他端の止め部として曲げた部分を真っ直ぐに戻して、ストッパーS1側の方向へ移動させ係止ピンP自体を中空材Cの係止孔Hから抜くしか方法がなかった。また、図19、図20と同様な形状でストッパーが棒状部と不離一体である係止ピンPとしては、棒状部の先端の直角三角状に突出するストッパーが、バネによらないで突出する作用を有するものも知られていたが、そのような従来のストッパーは、180度回転させても自重で元に戻ることはなく、バネによるストッパーと同様、解体時など係止孔Hから抜く場合は、ストッパー方向へ引き抜いていた。
【0007】
また、従来技術2のようにストッパーが、係止ピンPとは分離しているスナップピンSPのような分離型であると、一々スナップピンSPを係止ピンPの小さな孔SP3に挿入する必要があり、その作業が面倒である課題があった。更に、分離しているため保管が面倒であり、使用時に係止ピンPかスナップピンSPのどちらかの数が足りなくなるなどの課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、少なくとも棒状部とストッパー部とを有し、棒状部は棒状体に形成され、棒状部の一端側にストッパー部を設け、ストッパー部は、棒状部棒状方向に対して略直角方向に移動又は回動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成したことを特徴とする係止ピンを提案する。
【0009】
また、上記0008欄のストッパー部が、棒状部棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔と、ストッパー孔の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパーからなり、ストッパー全長が、ストッパー孔内に収まる状態から、棒状部を略180度角回転させることにより、ストッパーが略直角方向に移動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した係止ピンを提案する。
【0010】
更に、上記0008欄のストッパー部が、棒状部棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔と、ストッパー孔の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパーからなり、ストッパー孔は、径大孔部と径小孔部の二つ以上の孔径による段差を中間に有して棒状部を貫通し、径大孔部の棒状部表面近くに孔を径小にするストッパー係止突起を設け、ストッパーは、ストッパー孔の径大孔部側に径大棒部を位置させ、径小孔部の方に径小棒部を位置させてストッパー孔に移動自在に設けてなり、棒状部を略180度角回転させることにより、ストッパーが略直角方向に移動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した係止ピンを提案する。
【0011】
更にまた、上記0008欄のストッパー部が、棒状部の端部から棒状方向近傍まで径に亘って形成されたストッパー溝部と、ストッパー溝部に角度変更移動可能に設けられるストッパーとからなり、ストッパー溝部には棒状部棒状方向に並ぶ2つの突起を設け、ストッパーは、棒状部の径より長辺と短辺とを有する矩形状板状体からなり、ストッパー溝部の2つの突起に係合する係合溝を有し、係合溝は長辺に開口するとともにほぼ直角方向に曲がって長辺方向に終端を有する鈎状の溝であるとともに、ストッパーは、長辺方向を棒状部棒状方向へ向けての棒状部棒状方向への移動及び棒状部棒状方向に対して回転して長辺方向を棒状部棒状方向と略直角方向をなす方向へ移動し、ストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した係止ピンを提案する。
【0012】
また、上記0008欄のストッパー部が、棒状部の端部から棒状方向近傍まで径に亘って形成されたストッパー溝部と、ストッパー溝部に角度変更移動可能に設けられるストッパーとからなり、ストッパー溝部には棒状部棒状方向に並ぶ回動中心軸と係合孔を設け、ストッパーは、棒状部の径より長辺と短辺とを有する矩形状板状体からなり、ストッパー溝部の回動中心軸を中心に回動するとともに係合孔に係合する係合突起を有するとともに、長辺方向を棒状部棒状方向へ向けて係合突起を係合孔に係止可能であるとともに、棒状部棒状方向に対して回転して長辺方向を棒状部棒状方向と略直角方向をなす方向へ回動し、ストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した係止ピンを提案する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、係止ピンにストッパー部が付属して一体化しているとともに、棒状部棒状方向に対して略直角方向に移動又は回動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成されているため、中空材の係合等における係止ピンの挿入、係止、引き抜きなどの作業が行いやすく、また、分離しないため保管や移動などの作業が容易にできるという効果がある。更に、係止ピンのストッパーと逆側にフランジ等の止め部を予め形成しておけば、解体時等に係止ピンにをストッパーとは逆側に容易に引き抜くことができ、係止ピンを曲げたり直したりして傷めずに繰り返しの使用が可能である。
【0014】
更に、請求項2及び請求項3に係る発明では、係止ピンを約180度角回転させることだけで容易にストッパーを係止ピンの径より出し入れができ、かつストッパーの突出状態及びストッパー孔内への収納状態が非常に安定しており、かつ容易に視認可能であるため、中空材と他部材との係合等における係止ピンの挿入作業、係止作業、引き抜き作業が非常に容易に行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次にこの発明について説明する。この発明の係止ピン1は、棒状部2と、ストッパー部3と、止め部4とからなる。係止ピン1の棒状部2は棒状体に形成され、棒状部2の一端側にストッパー部3を設け、ストッパー部3は、棒状部2の棒状方向に対して略直角方向に移動又は回動するストッパー30を有しており、ストッパー30の一部が棒状部2の径より出るように構成される。棒状部2のストッパー部3の逆端側に止め部4を形成している。
【0016】
図1乃至図6は、この発明の第1実施形態の一つである係止ピン1aを示す。図1、図4は、平面を示し、図2、図5は、それぞれ図1,図4の正面断面説明図である。また、図3は図2の矢視A、図6は、図5の矢視Bを示す側面図である。
【0017】
この発明の第1実施形態を示す係止ピン1aは、棒状部2aと、ストッパー部3aと、止め部4aとからなる。係止ピン1aの棒状部2aは棒状体に形成され、棒状部2aの一端側にストッパー部3aを設けている。棒状部2aは、一定の径を有する円柱状棒であり、他端側にフランジ状の止め部4aを連続一体的に設けている。
【0018】
止め部4aは、一定の厚さと棒状部2aの径より大きく、少なくとも対象となる中空材Cの係止孔Hの径より大きい径を有するフランジ部であり、ストッパー部3aとは逆側の棒状部2a端部に一体的に形成されている。止め部4aのフランジ円板周面部の1個所に基準部40を設ける。基準部40の周面部の位置は、後述するストッパー孔31の開口部のいずれかと、棒状部及びフランジ部の周方向において位相角度が同一の位置に設けられる。この実施形態では、基準部40の位置は、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部と、同じ位相位置に設けられている。基準部40は、この実施例では深さのある孔からなるが、突起物、色別印など止め部4aの他部と識別可能な印であればよい。
【0019】
ストッパー部3aは、棒状部2aの棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔31と、ストッパー孔31の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパー30からなる。ストッパー30の全長は、ストッパー孔31の中、すなわち棒状部2aの直径の長さ以内の長さであり、ストッパー孔31内に収まる。ストッパー30は、ストッパー孔31内に収まった状態(図2、図3参照)から、棒状部2aを棒状体の径中心を回転軸として略180度角回転させることにより、ストッパー30が棒状部2aの略直角方向に移動してストッパー30の一部が、ストッパー孔31から突出して棒状部2aの径より出る状態(図5、図6参照)となるように構成されている。
【0020】
この第1実施形態のストッパー部3aのストッパー孔31は、径大孔部310と径小孔部311の二つの孔径の異なる孔を段差を中間に有して直線状に、かつ棒状部2aの径方向に貫通して設けられている。ストッパー孔31は、径大孔部310の開口部を径小にするストッパー係止突起312を開口部近傍に設けている。ストッパー係止突起312間の距離は、ストッパー20の径大棒部300の径より短く形成する。
【0021】
ストッパー部3aのストッパー30は、ストッパー孔31の径大孔部310側に径大棒部300を位置させ、径小孔部311の方に径小棒部301を位置させてストッパー孔31に移動自在に設けている。
【0022】
ストッパー30の径大棒部300の外径は、ストッパー孔31の径大孔部310の内径よりやや小さく形成するとともに、径小孔部311の内径より大きく形成する。ストッパー30の径大棒部300の長さは、ストッパー孔31の径大孔部310の長さより短く形成する。この実施例では、径大棒部300の長さは径大孔部310の長さの3倍以上の長さである。
【0023】
ストッパー30の径小棒部301の外径は、ストッパー孔31の径小孔部311の内径よりやや小さく形成し、径小棒部301の長さは径小孔部310の長さより長く形成する。この実施例では、径小棒部301の長さは径小孔部310の長さの2倍以上の長さである。
【0024】
ストッパー30は、棒状部2aを棒状体の径中心を回転軸として略180度角回転させることにより、ストッパー30が棒状部2aの略直角方向に移動してストッパー30の一部が、ストッパー孔31から突出して棒状部2aの径より出るように構成されている。
【0025】
次に、この発明の第1実施形態の係止ピン1aの作用について説明する。図1乃至図3に示すように止め部4aの基準部40を下を向きに位置させると、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部は同じ位相角度位置に設けられているため、下向き状態になる。同様に図4乃至図6に示すように係止ピン1を180度角回転させ、止め部4aの基準部40を上を向きに位置させると、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部は上向き状態になる。
【0026】
そして、図1乃至図3に示すように、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部が、下向き状態であると、ストッパー30は、径大棒部300が、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部にあるストッパー係止突起312に引っかかり下方に落下することなくストッパー30全体がストッパー孔31の中に位置して、棒状部2aから突出しない。
【0027】
この状態で、作業者は、中空材Cの係止孔Hに挿入する。次に、係止ピン1aの止め部4aの基準部40を見て、係止ピン1aの棒状部2aを棒状軸心を中心にして約180度角回転させると、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部は上向き状態になる。この状態では、ストッパー30は、ストッパー孔31の中で落下し、径大棒部300が、径小孔部311と径大孔部310との段差に引っかかり、それ以上は落下しない。この状態では、図4乃至図6に示すように、ストッパー30の径小棒部301は、径小孔部311の開口部より外に突出する。
【0028】
このストッパー30の径小棒部301の棒状部2a表面からの突出により、係止ピン1aは、中空材Cの係止孔H内で引っ張っても係止孔Hから外れることはない。
【0029】
次に、係止ピン1aを中空材Cの係止孔Hから取り外す場合は、再び作業者は、係止ピン1aの止め部4aの基準部40を見て、係止ピン1aの棒状部2aを棒状軸心を中心にして約180度角回転させると、ストッパー孔31の径大孔部310の開口部は下向き状態、すなわち図1乃至図3に示す状態となり、この状態では、ストッパー30は、ストッパー孔31内に収納され棒状部2aの表面から突出しない。作業者は、この状態で係止ピン1aを係止孔Hから引き抜いて取り外す。
【0030】
次に図7乃至図11は、この発明の第2実施形態の一つである係止ピン1bを示す。図7は、平面を示し、図8乃至図11は、正面断面説明図であり、ストッパーの作動状態を示す。
【0031】
この発明の第2実施形態を示す係止ピン1bは、棒状部2bと、ストッパー部3bと、止め部4bとからなる。係止ピン1bの棒状部2bは棒状体に形成され、一端側にストッパー部3bを設けている。棒状部2bは、一定の径を有する円柱状棒であり、ストッパー部3bの逆端側に止め部4bを設けている。この実施例では止め部4bは、止め孔であり、挿入後ワイヤーなどを挿入するか、端部を曲げて抜けなくして止め部とする。また止め部4bの別の実施例としてはフランジ部を形成して止め部としてもよい。
【0032】
この発明の第2実施形態を示す係止ピン1bのストッパー部3bは、ストッパー溝部5と、ストッパー溝部5に角度変更移動可能に設けられるストッパー6とからなる。
【0033】
ストッパー溝部5は、棒状部2bの端部から棒状方向の端部近傍まで棒の径方向に亘って形成された幅数ミリ程度の溝である。ストッパー溝部5には、棒状部2bの棒状方向に並ぶ2つの突起50、51を設け、この突起50、51にストッパー6を回動可能に係止する。
【0034】
ストッパー6は、棒状部2bの径より長い長辺と、短い短辺とを有する矩形状板状体からなり、ストッパー溝部5の2つの突起50、51に移動及び回動可能に係合する係合溝60を有する。この係合溝60は、長辺に開口部60aを形成するとともにほぼ直角方向に曲がって長辺方向に終端を有する鈎状の溝に形成される。ストッパー6は、係合溝60を挟んで短い短片部61と曲がった曲片部62に分かれる。
【0035】
次に、この発明の第2実施形態の係止ピン1bの作用について説明する。図8は、係止ピン1bを中空材Cの係止孔Hに挿入した状態である。この図8の状態では係合溝60の開口部60aは上を向いており、短片部61が、突起50、51の上に係止されストッパー6の長辺が棒状部2bの棒方向と平行な状態であるので、ストッパー6全体が棒状部2bの径方向に突出していない。したがって、中空材Cの係止孔Hに挿入、取り出しが可能である。
【0036】
係止ピン1bは、中空材Cの係止孔Hに挿入後、図8の矢視方向に、すなわちストッパー6を係止ピン挿入方向へ移動させ、図9及び図10に示すように短片部61を回転させつつ、二つの突起50、51の間に入れる。そして図11に示すように、ストッパー6を約90度角回転後、ストッパー6を矢視方向である下方向へ落下させ、棒状部2bの端部側の突起50に係合溝60を奥まで挿入させる。するとストッパー6は、棒状部2bの径より長い長辺が、棒状部2bの径方向に向くので、棒状部2bの径よりストッパー6の一部が突出する。したがって図11に示すストッパー6の状態では、係止ピン1bは、係止孔Hから抜き取ることはできない。
【0037】
係止ピン1bを中空材Cの係止孔Hから抜き取る場合は、ストッパー6を図11から図10、図9と逆に動かし、棒状部2bの径より長い長辺が、棒状部2bの棒方向に向くように回転させ、図8の状態に戻す。この状態では、中空材Cの係止孔Hに挿入、取り出しが可能となる。
【0038】
次に、この発明の第3実施形態の1つである係止ピン1cを図12乃至図16に示す。図12及び図13は平面を示し、図14乃至図16は、正面断面説明図であり、ストッパーの作動状態を示す。
【0039】
この発明の第3実施形態を示す係止ピン1cは、棒状部2cと、ストッパー部3cと、止め部4cとからなる。係止ピン1cの棒状部2cは棒状体に形成され、棒状部2cの一端側にストッパー部3cを設けている。棒状部2cは、一定の径を有する円柱状棒であり、ストッパー部3cの逆端側に止め部4cを設けている。この実施例では止め部4cは、真っ直ぐな棒状体のままであり、中空材Cの係止孔Hの棒状部2c挿入後、曲げて止め部とする形状であるが、別の実施例としてはフランジ部を形成して止め部としてもよく、又止め孔を形成してもよい。
【0040】
この発明の第3実施形態を示す係止ピン1cのストッパー部3cは、棒状部2cの端部から棒状方向に端部近傍まで径に亘って形成されたストッパー溝部7と、ストッパー溝部7に角度変更移動可能に設けられるストッパー8とからなる。ストッパー8は、棒状部2cの径より長辺と短辺とを有する矩形状板状体からなり、その厚さは、ストッパー溝部7の幅よりやや間隔を開けて薄い板状体である。
【0041】
ストッパー溝部7には、棒状部2cの棒状方向に並ぶ回動中心軸70と係合孔71を設ている。ストッパー8は、ストッパー溝部7の回動中心軸70を中心に回動するとともに係合孔71に係合する係合突起80を有する。この係合突起80は、球状で出没可能である。またストッパー溝7の回動中心軸70にはバネ72が設けられ、ストッパー8を係合孔71側へバネの付勢力で押圧している。
【0042】
ストッパー8は、長辺方向を棒状部棒状方向へ向けて係合突起80がストッパー溝7の係合孔71に係止可能であるので、ストッパー8は、この係止した状態で棒状部2cの径方向には突出していない。そして、ストッパー8を棒状部棒状体方向から径方向へ回転させる場合は、図12から図13へ回転中心軸70を中心にストッパー8をストッパー溝7内で係止突起80を係止孔71から外す方向に捻る。図13示すように係止突起80が係止孔71から外されると、ストッパー8は、回動中心軸70を中心に回動可能状態になる。次に、ストッパー8を回動中心軸70を中心に棒状部棒状方向に対して回動して長辺方向を棒状部棒状方向と略直角方向をなす状態にする。この作動は図14乃至図16に示される。図16の状態では、ストッパー8は、棒状部棒状体方向とは、ほぼ直角状態になり、ストッパー8の一部が棒状部2cの径より出ており、更に係合突起80も棒状部2cの径より出ており棒状部2cに当接するため元に戻りにくい状態を作っている。このようにストッパー8が、棒状部2cと直角状態になることにより、第3実施形態の係止ピン1cは、中空材Cの係止孔Hに係合される。
【0043】
また、この係止ピン1cを係止孔Hから離脱させるときは、逆に作動させればよい。すなわち、ストッパー8を棒状部棒状方向に対して直角状態から回動させつつ係止突起80を溝端部となるべく接しないように回転中心軸70を中心にストッパー8をストッパー溝7内で捻る。そしてストッパー8が棒状部棒状方向と平行状態になりストッパー溝7内に入り込む。この状態で作業者が手を放すと、ストッパー8の係合突起80が、バネ72の付勢力で係合孔71側へ押されるので係合突起80は、係合孔71に係合した状態になる。この状態で、係止ピン1cは、中空材Cの係止孔Hに挿入、取り出しが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
建築現場等の足場材などの部材同士の孔に挿入して係止する係止ピンとして利用可能性が高い。特に少なくとも一方が中空材等の係止用ピンに使用して利用される可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の第1実施形態の一つである係止ピンの平面図
【図2】同じくこの発明の第1実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図3】同じく図2の矢視A図
【図4】この発明の第1実施形態の一つである係止ピンの平面図
【図5】同じくこの発明の第1実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図6】同じく図5の矢視B図
【図7】この発明の第2実施形態の一つである係止ピンの平面図
【図8】同じくこの発明の第2実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図9】同じくこの発明の第2実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図10】同じくこの発明の第2実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図11】同じくこの発明の第2実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図12】この発明の第3実施形態の一つである係止ピンの平面図
【図13】同じくこの発明の第3実施形態の一つである係止ピンの平面図
【図14】同じくこの発明の第3実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図15】同じくこの発明の第3実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図16】同じくこの発明の第3実施形態の一つである係止ピンの正面断面説明図
【図17】係止ピンの第1従来技術を示す正面説明図
【図18】係止ピンの第1従来技術を示す正面説明図
【図19】係止ピンの第2従来技術を示す正面説明図
【図20】係止ピンの第2従来技術を示す側面説明図
【符号の説明】
【0046】
1 係止ピン
2 棒状部
3 ストッパー部
30 ストッパー
4 止め部
1a 係止ピン(第1実施形態)
2a 棒状部(第1実施形態)
3a ストッパー部(第1実施形態)
30 ストッパー
300 径大棒部
301 径小棒部
31 ストッパー孔
310 径大孔部
311 径小孔部
312 ストッパー係止突起
4a 止め部(第1実施形態)
40 基準部
1b 係止ピン(第2実施形態)
2b 棒状部(第2実施形態)
3b ストッパー部(第2実施形態)
4b 止め部(第2実施形態)
5 ストッパー溝
50 突起
51 突起
6 ストッパー
60 係合溝
60a 溝の開口部
61 短片部
62 曲片部
1c 係止ピン(第3実施形態)
2c 棒状部(第3実施形態)
3c ストッパー部(第3実施形態)
4c 止め部(第3実施形態)
7 ストッパー溝
70 回動中心軸
71 係合孔
72 バネ
8 ストッパー
80 係合突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも棒状部とストッパー部とを有し、棒状部は棒状体に形成され、棒状部の一端側にストッパー部を設け、ストッパー部は、棒状部棒状方向に対して略直角方向に移動又は回動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成したことを特徴とする係止ピン。
【請求項2】
ストッパー部が、棒状部棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔と、ストッパー孔の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパーからなり、ストッパー全長が、ストッパー孔内に収まる状態から、棒状部を略180度角回転させることにより、ストッパーが略直角方向に移動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成したことを特徴とする請求項1の係止ピン。
【請求項3】
ストッパー部が、棒状部棒状方向に対して直角方向に設けられたストッパー孔と、ストッパー孔の孔長以内の長さでかつ移動自在に設けてなるストッパーからなり、ストッパー孔は、径大孔部と径小孔部の二つ以上の孔径による段差を中間に有して棒状部を貫通し、径大孔部の棒状部表面近くに孔を径小にするストッパー係止突起を設け、ストッパーは、ストッパー孔の径大孔部側に径大棒部を位置させ、径小孔部の方に径小棒部を位置させてストッパー孔に移動自在に設けてなり、棒状部を略180度角回転させることにより、ストッパーが略直角方向に移動してストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した請求項1記載の係止ピン。
【請求項4】
ストッパー部が、棒状部の端部から棒状方向近傍まで径に亘って形成されたストッパー溝部と、ストッパー溝部に角度変更移動可能に設けられるストッパーとからなり、ストッパー溝部には棒状部棒状方向に並ぶ2つの突起を設け、ストッパーは、棒状部の径より長辺と短辺とを有する矩形状板状体からなり、ストッパー溝部の2つの突起に係合する係合溝を有し、係合溝は長辺に開口するとともにほぼ直角方向に曲がって長辺方向に終端を有する鈎状の溝であるとともに、ストッパーは、長辺方向を棒状部棒状方向へ向けての棒状部棒状方向への移動及び棒状部棒状方向に対して回転して長辺方向を棒状部棒状方向と略直角方向をなす方向へ移動し、ストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した請求項1に記載の係止ピン。
【請求項5】
ストッパー部が、棒状部の端部から棒状方向近傍まで径に亘って形成されたストッパー溝部と、ストッパー溝部に角度変更移動可能に設けられるストッパーとからなり、ストッパー溝部には棒状部棒状方向に並ぶ回動中心軸と係合孔を設け、ストッパーは、棒状部の径より長辺と短辺とを有する矩形状板状体からなり、ストッパー溝部の回動中心軸を中心に回動するとともに係合孔に係合する係合突起を有するとともに、長辺方向を棒状部棒状方向へ向けて係合突起を係合孔に係止可能であるとともに、棒状部棒状方向に対して回転して長辺方向を棒状部棒状方向と略直角方向をなす方向へ回動し、ストッパーの一部が棒状部の径より出るように構成した請求項1に記載の係止ピン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−45828(P2006−45828A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225932(P2004−225932)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000210883)中央ビルト工業株式会社 (9)