保持具及び便座カバー保持具
【課題】粘着層によって洋式便器の便座に付着させて使用する便座カバーを、簡単な安定に保持することができる便座カバー保持具を提供する。
【解決手段】粘着層を一面に備えたシート状の便座カバー3を該粘着層により付着させる板状のシート付着部1と、該シート付着部1に取り付けられ他部材に係合する係合部2とを備えている。シート付着部1は、便座カバー3の形状に応じた形状に形成され、板の両面に便座カバー3を付着させる。
【解決手段】粘着層を一面に備えたシート状の便座カバー3を該粘着層により付着させる板状のシート付着部1と、該シート付着部1に取り付けられ他部材に係合する係合部2とを備えている。シート付着部1は、便座カバー3の形状に応じた形状に形成され、板の両面に便座カバー3を付着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被保持物を保持するための保持具、特に、粘着層を備えて便座の上面に装着して使用する便座カバーを保持するための便座カバー保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式便器の便座の上面形状に応じた形状のシートの一面に粘着層を設けた便座カバーが公知である(例えば特許文献1参照)。この便座カバーは粘着層を便座上面に付着させて便座に装着し、使用により汚れた場合は粘着層を便座上面からはがして取り外し、洗濯して反復使用することができる。
【特許文献1】特開平8−224192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記便座カバーは便座の形状に応じた形状であり、一面に粘着層が形成されているため、一般的な洗濯物干し台などの竿、紐等に掛けて干す場合、粘着層が他物に接着し、あるいは粘着層同士が接着することがあり、干しにくく不便であった。また、前記便座カバーを収納保存する場合にも、同様に粘着層同士が接着するようなことを避ける必要がある。
【0004】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、被保持物を付着させる付着部と該付着部に取り付けられた係合部とを備えることにより、被保持物、特に粘着層によって洋式便座に付着させて使用する便座カバーを安定に保持することができる保持具及び便座カバー保持具を提供することを第1の目的とする。
【0005】
また本発明は、シート付着部の両面に便座カバーを付着させること、あるいはシート付着部を便座カバーの形状に応じた形状に形成することにより、小型化された便座カバー保持具を提供することを第2の目的とする。
【0006】
さらに本発明は、半円環状の一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート付着部を備えることにより、便座カバーの形状に最も良く適合した便座カバー保持具を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る保持具は、被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする。
第1の発明においては、被保持物を保持具の付着部に付着させ、保持具の係合部を他部材に係合させる。これにより、被保持物が保持具にて確実に保持される。
【0008】
第2の発明に係る便座カバー保持具は、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを保持する便座カバー保持具において、前記便座カバーを前記粘着層により付着させる板状のシート付着部と、該シート付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする。
第2の発明においては、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを該粘着層によって便座カバー保持具のシート付着部に付着させ、便座カバー保持具の係合部を他部材に係合させる。これにより、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーが便座カバー保持具にて確実に保持される。
【0009】
第3の発明に係る便座カバー保持具は、第2の発明における前記シート付着部は、両面に前記便座カバーを付着させることを特徴とする。
第3の発明においては、板状のシート付着部の両面に便座カバーを付着させるので、シート付着部を便座カバーの全体の面積の半分程度の大きさに形成することができる。
【0010】
第4の発明に係る便座カバー保持具は、第2又は第3の発明における前記シート付着部は、前記便座カバーの形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする。
第4の発明においては、シート付着部を便座カバーの形状に応じた必要最小限の大きさに形成することができる。
【0011】
第5の発明に係る便座カバー保持具は、第4の発明における前記シート付着部は、所定の幅を有する半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状をなし、前記係合部は、前記シート付着部の直線状の縁部に取り付けられていることを特徴とする。
第5の発明においては、O型便座又はU型便座等の便座の形状に対応するように、所定の幅を有する半円環状であって一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート及び該シートに対して鏡面対称のシートからなる便座カバーの各シートを、同様に半円環状であって一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート付着部の板の両面に夫々付着させ、該シート付着部の直線状の縁部に取り付けられた係合部を他部材に係合させる。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明に係る保持具によれば、被保持物を保持具の付着部に付着させ、保持具の係合部を他部材に係合させることにより被保持物を保持するので、被保持物を保持具の付着部に付着するだけの簡易な操作により、被保持物を安定に保持することができる保持具が提供される。
【0013】
第2の発明に係る便座カバー保持具によれば、便座カバーの粘着層を便座カバー保持具のシート付着部に付着させ、便座カバー保持具の係合部を他部材に係合させるにより該便座カバーを保持するので、例えば、係合部を洗濯物干し台などの竿、紐等に他部材に係合させて該便座カバーを干す場合、あるいは係合部を収納用の金具に掛けて収納保存する場合に、便座カバーの粘着層が他物に接着し、あるいは粘着層同士が接着するような不都合が回避され、粘着層によって洋式便器の便座に付着させて使用する便座カバーを安定に保持することができる便座カバー保持具が提供される。
【0014】
第3の発明及び第4の発明に係る便座カバー保持具によれば、シート付着部を便座カバーの全体の面積の半分程度の大きさに形成することができ、あるいはシート付着部を便座カバーの形状に応じた必要最小限の大きさに形成することができるので、小型化された便座カバー保持具が提供される。
【0015】
第5の発明に係る便座カバー保持具によれば、シート付着部が半円環状の一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状に形成されているので、O型便座又はU型便座等の便座カバーの形状に最も良く適合した便座カバー保持具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図3は実施の形態1の便座カバー保持具の保持対象となる便座カバーを示す正面図(a)と、図(a)のIII−III位置における端面図(b)である。
本実施の形態1の便座カバー保持具が保持対象とする便座カバー3は、O型便座又はU型便座等の便座の形状に対応した不織布からなる一対のシート3a,3bを備えている。該一対のシート3a,3bは、概略、便座12の幅に対応する幅を有してOの字を上下方向に沿う中心線にて左右に分割したときの一方の如き半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート3a及び該シート3aに対して鏡面対称のシート3bからなる。各シート3a,3bの裏面には、例えばウレタン系の合成樹脂エマルジョン、発泡剤等を含む組成物を塗布して形成された粘着層3cが設けられている。図11は該便座カバーの装着状態を示す斜視図である。便座カバー3は、O型便座又はU型便座の上面に置き、上から押えることで各シート3a,3bの粘着層3cが便座12の上面に付着して固定される。
【0017】
図1は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態1の構成を示す正面図であり、図2は同便座カバー保持具の一部断面図である。
本実施の形態1の便座カバー保持具は、便座カバー3の形状に合わせて、便座カバー3を構成する一対のシート3a,3bの一方と同様の形状であり、各シート3a,3bの外形寸法よりも少し大きめに形成された板材からなるシート付着部1と、シート付着部1の一端部の直線状の縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。シート付着部1は、厚さが0.3mm程度のポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂板で構成しているが、該樹脂板の厚さにこれに限るものではない。
【0018】
係合部2は太さが2mm程度で所定長さの軟質の合成樹脂線材2eの中間部分を他の部分よりも太く(3mm程度に)形成し、該線材2eの両端部に星形の盤状部2a,2bを一体形成した部材からなるが、線材2eの太さはこれらの数値に限るものではない。一方の盤状部2aは支柱及び該支柱の断面径よりも大きい直径の頭部からなる突起2cを中央に備え、他方の盤状部2bは貫通孔2dを中央に有している。シート付着部1には取付孔1aが開成されている。突起2cの頭部の直径は取付孔1a及び貫通孔2dより大径に形成されている。他方の盤状部2bをシート付着部1の一方の面に貫通孔2dと取付孔1aとが位置合わせされた状態に配置し、シート付着部1の他方の面から一方の盤状部2aの突起2cの頭部を取付孔1aと貫通孔2dとに挿通させることにより、突起2cの頭部が貫通孔2dにて抜け止め機能を果たし、係合部2を構成するように環状に折り曲げられた合成樹脂線材の両端部がシート付着部1に連結固定される。
【0019】
図4は実施の形態1の便座カバー保持具による便座カバー保持状態を示す正面図(a)と、図(a)のIV−IV位置における端面図(b)である。
本発明に係る便座カバー保持具に便座カバー3を保持させる場合は便座に装着する場合と同様に、シート付着部1の一方の面に一対のシート3a,3bの一方を両方の形状を合わせた状態で置き、上から押えることで便座カバー3の粘着層3cがシート付着部1の一方の面に付着して固定保持される。またシート付着部1の他方の面(裏面)に一対のシート3a,3bの他方を同様に付着して固定保持させる。
【0020】
図5は、本発明に係る便座カバー保持具の使用状態の一例を示す斜視図である。環状の係合部2を洗濯物干し台の竿6に通して支持させて、便座カバー3をシート付着部1に付着した状態で干す例である。また、図示はしないが、受け用の金具に環状の係合部2を引っ掛けて便座カバー3をシート付着部1に付着した状態で収納保存することができる。
【0021】
実施の形態2
図6は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態2の構成を示す正面図である。本実施の形態2の便座カバー保持具は、概略Oの字の如き形状を有し便座カバーの幅よりも広幅に形成された板材からなるシート付着部4と、シート付着部4のOの字の平面形状である板材の外周側縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。シート付着部4の材料は、実施の形態1と同様の合成樹脂板で構成され、係合部2は実施の形態1と同様の材料及びシート付着部4への取付構造に構成されている。
【0022】
図7及び図8は実施の形態2の便座カバー保持具による便座カバー保持状態を示す正面図である。図7は、Oの字を縦に2分割した如き平面形状を有し、裏面に粘着層を形成した一対のシート11a,11bからなる前述の便座カバー11をシート付着部4の板面に並べて付着固定させる場合を示す。図8は、概略Oの字の如き平面形状の不織布からなるシートと該シートの裏面に形成した粘着層とを備えた便座カバー5を保持対象として、該便座カバー5をシート付着部4の板面に両方の形状を合わせた状態で付着固定させる場合を示す。
【0023】
実施の形態3
図9は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態3の構成示す正面図である。本実施の形態3の便座カバー保持具は、シート付着部4を構成する概略Oの字の如き形状を有する楕円環の下部の一部分が欠落した形状のシート付着部7と、該欠落位置の対角方向に位置する楕円環の上部の外周縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。この便座カバー保持具のシート付着部7においても、シート付着部4の場合と同様に便座カバー11又は便座カバー5を板面に付着固定させることができる。
【0024】
前述の実施の形態1、2及び3では、係合部2を環状に形成したが、この形状に限るものではない。図10の(a)に示すように洗濯竿等の他部材に引っ掛けるフック形状の係合部2、あるいは(b)に示すように他部材を挟むタイプの係合部2でもよい。
【0025】
前述の実施の形態1、2及び3では、便座カバー保持具について説明したが、本発明に係る保持具は便座カバーを保持対象とする保持具に限るものではない。粘着層を備えた被保持物を保持対象として、該被保持物を粘着層により付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ他部材に係合する係合部とを備えた保持具であってもよい。あるいは、粘着層以外の手段にて被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ他部材に係合する係合部とを備えた保持具であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態1の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す便座カバー保持具の一部断面図である。
【図3】図1に示す便座カバー保持具の保持対象となる便座カバーの正面図と端面図である。
【図4】図1に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図と端面図である。
【図5】本発明に係る便座カバー保持具の使用状態の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態2の構成を示す正面図である。
【図7】図6に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図である。
【図8】図6に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図である。
【図9】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態3の構成を示す正面図である。
【図10】本発明に係る便座カバー保持具の係合部の変形例を示す図である。
【図11】便座カバーの装着状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 シート付着部
2 係合部
3 便座カバー
3a シート
3b シート
3c 粘着層
4 シート付着部
5 便座カバー
7 シート付着部
11 便座カバー
11a シート
11b シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、被保持物を保持するための保持具、特に、粘着層を備えて便座の上面に装着して使用する便座カバーを保持するための便座カバー保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式便器の便座の上面形状に応じた形状のシートの一面に粘着層を設けた便座カバーが公知である(例えば特許文献1参照)。この便座カバーは粘着層を便座上面に付着させて便座に装着し、使用により汚れた場合は粘着層を便座上面からはがして取り外し、洗濯して反復使用することができる。
【特許文献1】特開平8−224192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記便座カバーは便座の形状に応じた形状であり、一面に粘着層が形成されているため、一般的な洗濯物干し台などの竿、紐等に掛けて干す場合、粘着層が他物に接着し、あるいは粘着層同士が接着することがあり、干しにくく不便であった。また、前記便座カバーを収納保存する場合にも、同様に粘着層同士が接着するようなことを避ける必要がある。
【0004】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、被保持物を付着させる付着部と該付着部に取り付けられた係合部とを備えることにより、被保持物、特に粘着層によって洋式便座に付着させて使用する便座カバーを安定に保持することができる保持具及び便座カバー保持具を提供することを第1の目的とする。
【0005】
また本発明は、シート付着部の両面に便座カバーを付着させること、あるいはシート付着部を便座カバーの形状に応じた形状に形成することにより、小型化された便座カバー保持具を提供することを第2の目的とする。
【0006】
さらに本発明は、半円環状の一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート付着部を備えることにより、便座カバーの形状に最も良く適合した便座カバー保持具を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る保持具は、被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする。
第1の発明においては、被保持物を保持具の付着部に付着させ、保持具の係合部を他部材に係合させる。これにより、被保持物が保持具にて確実に保持される。
【0008】
第2の発明に係る便座カバー保持具は、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを保持する便座カバー保持具において、前記便座カバーを前記粘着層により付着させる板状のシート付着部と、該シート付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする。
第2の発明においては、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを該粘着層によって便座カバー保持具のシート付着部に付着させ、便座カバー保持具の係合部を他部材に係合させる。これにより、粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーが便座カバー保持具にて確実に保持される。
【0009】
第3の発明に係る便座カバー保持具は、第2の発明における前記シート付着部は、両面に前記便座カバーを付着させることを特徴とする。
第3の発明においては、板状のシート付着部の両面に便座カバーを付着させるので、シート付着部を便座カバーの全体の面積の半分程度の大きさに形成することができる。
【0010】
第4の発明に係る便座カバー保持具は、第2又は第3の発明における前記シート付着部は、前記便座カバーの形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする。
第4の発明においては、シート付着部を便座カバーの形状に応じた必要最小限の大きさに形成することができる。
【0011】
第5の発明に係る便座カバー保持具は、第4の発明における前記シート付着部は、所定の幅を有する半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状をなし、前記係合部は、前記シート付着部の直線状の縁部に取り付けられていることを特徴とする。
第5の発明においては、O型便座又はU型便座等の便座の形状に対応するように、所定の幅を有する半円環状であって一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート及び該シートに対して鏡面対称のシートからなる便座カバーの各シートを、同様に半円環状であって一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート付着部の板の両面に夫々付着させ、該シート付着部の直線状の縁部に取り付けられた係合部を他部材に係合させる。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明に係る保持具によれば、被保持物を保持具の付着部に付着させ、保持具の係合部を他部材に係合させることにより被保持物を保持するので、被保持物を保持具の付着部に付着するだけの簡易な操作により、被保持物を安定に保持することができる保持具が提供される。
【0013】
第2の発明に係る便座カバー保持具によれば、便座カバーの粘着層を便座カバー保持具のシート付着部に付着させ、便座カバー保持具の係合部を他部材に係合させるにより該便座カバーを保持するので、例えば、係合部を洗濯物干し台などの竿、紐等に他部材に係合させて該便座カバーを干す場合、あるいは係合部を収納用の金具に掛けて収納保存する場合に、便座カバーの粘着層が他物に接着し、あるいは粘着層同士が接着するような不都合が回避され、粘着層によって洋式便器の便座に付着させて使用する便座カバーを安定に保持することができる便座カバー保持具が提供される。
【0014】
第3の発明及び第4の発明に係る便座カバー保持具によれば、シート付着部を便座カバーの全体の面積の半分程度の大きさに形成することができ、あるいはシート付着部を便座カバーの形状に応じた必要最小限の大きさに形成することができるので、小型化された便座カバー保持具が提供される。
【0015】
第5の発明に係る便座カバー保持具によれば、シート付着部が半円環状の一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状に形成されているので、O型便座又はU型便座等の便座カバーの形状に最も良く適合した便座カバー保持具が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図3は実施の形態1の便座カバー保持具の保持対象となる便座カバーを示す正面図(a)と、図(a)のIII−III位置における端面図(b)である。
本実施の形態1の便座カバー保持具が保持対象とする便座カバー3は、O型便座又はU型便座等の便座の形状に対応した不織布からなる一対のシート3a,3bを備えている。該一対のシート3a,3bは、概略、便座12の幅に対応する幅を有してOの字を上下方向に沿う中心線にて左右に分割したときの一方の如き半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状のシート3a及び該シート3aに対して鏡面対称のシート3bからなる。各シート3a,3bの裏面には、例えばウレタン系の合成樹脂エマルジョン、発泡剤等を含む組成物を塗布して形成された粘着層3cが設けられている。図11は該便座カバーの装着状態を示す斜視図である。便座カバー3は、O型便座又はU型便座の上面に置き、上から押えることで各シート3a,3bの粘着層3cが便座12の上面に付着して固定される。
【0017】
図1は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態1の構成を示す正面図であり、図2は同便座カバー保持具の一部断面図である。
本実施の形態1の便座カバー保持具は、便座カバー3の形状に合わせて、便座カバー3を構成する一対のシート3a,3bの一方と同様の形状であり、各シート3a,3bの外形寸法よりも少し大きめに形成された板材からなるシート付着部1と、シート付着部1の一端部の直線状の縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。シート付着部1は、厚さが0.3mm程度のポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂板で構成しているが、該樹脂板の厚さにこれに限るものではない。
【0018】
係合部2は太さが2mm程度で所定長さの軟質の合成樹脂線材2eの中間部分を他の部分よりも太く(3mm程度に)形成し、該線材2eの両端部に星形の盤状部2a,2bを一体形成した部材からなるが、線材2eの太さはこれらの数値に限るものではない。一方の盤状部2aは支柱及び該支柱の断面径よりも大きい直径の頭部からなる突起2cを中央に備え、他方の盤状部2bは貫通孔2dを中央に有している。シート付着部1には取付孔1aが開成されている。突起2cの頭部の直径は取付孔1a及び貫通孔2dより大径に形成されている。他方の盤状部2bをシート付着部1の一方の面に貫通孔2dと取付孔1aとが位置合わせされた状態に配置し、シート付着部1の他方の面から一方の盤状部2aの突起2cの頭部を取付孔1aと貫通孔2dとに挿通させることにより、突起2cの頭部が貫通孔2dにて抜け止め機能を果たし、係合部2を構成するように環状に折り曲げられた合成樹脂線材の両端部がシート付着部1に連結固定される。
【0019】
図4は実施の形態1の便座カバー保持具による便座カバー保持状態を示す正面図(a)と、図(a)のIV−IV位置における端面図(b)である。
本発明に係る便座カバー保持具に便座カバー3を保持させる場合は便座に装着する場合と同様に、シート付着部1の一方の面に一対のシート3a,3bの一方を両方の形状を合わせた状態で置き、上から押えることで便座カバー3の粘着層3cがシート付着部1の一方の面に付着して固定保持される。またシート付着部1の他方の面(裏面)に一対のシート3a,3bの他方を同様に付着して固定保持させる。
【0020】
図5は、本発明に係る便座カバー保持具の使用状態の一例を示す斜視図である。環状の係合部2を洗濯物干し台の竿6に通して支持させて、便座カバー3をシート付着部1に付着した状態で干す例である。また、図示はしないが、受け用の金具に環状の係合部2を引っ掛けて便座カバー3をシート付着部1に付着した状態で収納保存することができる。
【0021】
実施の形態2
図6は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態2の構成を示す正面図である。本実施の形態2の便座カバー保持具は、概略Oの字の如き形状を有し便座カバーの幅よりも広幅に形成された板材からなるシート付着部4と、シート付着部4のOの字の平面形状である板材の外周側縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。シート付着部4の材料は、実施の形態1と同様の合成樹脂板で構成され、係合部2は実施の形態1と同様の材料及びシート付着部4への取付構造に構成されている。
【0022】
図7及び図8は実施の形態2の便座カバー保持具による便座カバー保持状態を示す正面図である。図7は、Oの字を縦に2分割した如き平面形状を有し、裏面に粘着層を形成した一対のシート11a,11bからなる前述の便座カバー11をシート付着部4の板面に並べて付着固定させる場合を示す。図8は、概略Oの字の如き平面形状の不織布からなるシートと該シートの裏面に形成した粘着層とを備えた便座カバー5を保持対象として、該便座カバー5をシート付着部4の板面に両方の形状を合わせた状態で付着固定させる場合を示す。
【0023】
実施の形態3
図9は本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態3の構成示す正面図である。本実施の形態3の便座カバー保持具は、シート付着部4を構成する概略Oの字の如き形状を有する楕円環の下部の一部分が欠落した形状のシート付着部7と、該欠落位置の対角方向に位置する楕円環の上部の外周縁部に取り付けられた係合部2とを備えている。この便座カバー保持具のシート付着部7においても、シート付着部4の場合と同様に便座カバー11又は便座カバー5を板面に付着固定させることができる。
【0024】
前述の実施の形態1、2及び3では、係合部2を環状に形成したが、この形状に限るものではない。図10の(a)に示すように洗濯竿等の他部材に引っ掛けるフック形状の係合部2、あるいは(b)に示すように他部材を挟むタイプの係合部2でもよい。
【0025】
前述の実施の形態1、2及び3では、便座カバー保持具について説明したが、本発明に係る保持具は便座カバーを保持対象とする保持具に限るものではない。粘着層を備えた被保持物を保持対象として、該被保持物を粘着層により付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ他部材に係合する係合部とを備えた保持具であってもよい。あるいは、粘着層以外の手段にて被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ他部材に係合する係合部とを備えた保持具であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態1の構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す便座カバー保持具の一部断面図である。
【図3】図1に示す便座カバー保持具の保持対象となる便座カバーの正面図と端面図である。
【図4】図1に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図と端面図である。
【図5】本発明に係る便座カバー保持具の使用状態の一例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態2の構成を示す正面図である。
【図7】図6に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図である。
【図8】図6に示す便座カバー保持具の便座カバー保持状態を示す正面図である。
【図9】本発明に係る便座カバー保持具の実施の形態3の構成を示す正面図である。
【図10】本発明に係る便座カバー保持具の係合部の変形例を示す図である。
【図11】便座カバーの装着状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 シート付着部
2 係合部
3 便座カバー
3a シート
3b シート
3c 粘着層
4 シート付着部
5 便座カバー
7 シート付着部
11 便座カバー
11a シート
11b シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする保持具。
【請求項2】
粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを保持する便座カバー保持具において、前記便座カバーを前記粘着層により付着させる板状のシート付着部と、該シート付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする便座カバー保持具。
【請求項3】
前記シート付着部は、両面に前記便座カバーを付着させる構成としてあることを特徴とする請求項2に記載の便座カバー保持具。
【請求項4】
前記シート付着部は、前記便座カバーの形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の便座カバー保持具。
【請求項5】
前記シート付着部は、所定の幅を有する半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状をなし、前記係合部は、前記シート付着部の直線状の縁部に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の便座カバー保持具。
【請求項1】
被保持物を付着させる付着部と、該付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする保持具。
【請求項2】
粘着層を一面に備えたシート状の便座カバーを保持する便座カバー保持具において、前記便座カバーを前記粘着層により付着させる板状のシート付着部と、該シート付着部に取り付けられ、他部材に係合する係合部とを備えたことを特徴とする便座カバー保持具。
【請求項3】
前記シート付着部は、両面に前記便座カバーを付着させる構成としてあることを特徴とする請求項2に記載の便座カバー保持具。
【請求項4】
前記シート付着部は、前記便座カバーの形状に応じた形状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の便座カバー保持具。
【請求項5】
前記シート付着部は、所定の幅を有する半円環状であって、一端部の外周側縁部を直線状になし、該直線状の縁部から遠い側ほど幅狭で他端部が丸みを有する形状をなし、前記係合部は、前記シート付着部の直線状の縁部に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の便座カバー保持具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−61117(P2009−61117A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231790(P2007−231790)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(596060594)株式会社サンコー (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(596060594)株式会社サンコー (65)
【Fターム(参考)】
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