説明

保管品の管理代行システム

【課題】委託品の管理状況の確認、保管期間の延長依頼、保管期限日前の早期引取の指示時等を、委託者が所持する携帯電話機上から実行できるようにする。
【解決手段】委託者が所持するWebブラウザが実行可能な携帯電話機Qと、委託者の委託品を受付ける委託品取扱窓口に設置した窓口側パソコンPC1と、委託品を保管する保管庫場所に設置した保管庫側パソコンPC2と、これら機器を制御プログラムに基づいて管理する管理サーバSとがインターネット通信網ITを介して双方向通信可能に接続して成る保管品の管理代行システムであって、委託者の携帯電話機上で起動したWebブラウザ上から、委託者本人であることの認証を経て管理サーバS上の委託者専用サイトにログインを可能にすることで、当該委託者の委託品の管理状況の内容を前記Webブラウザ上に表示可能とした管理状況抽出確認処理部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば会員顧客から保管委託した例えば衣類、寝具、靴、バッグ、スポーツ用品等の管理状況の確認、そのクリーニング、メンテナンス等の指示、更には保管期限前の早期引取依頼指示その他をインターネット回線網を通じて行うことができる保管品の管理代行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、季節用品等の普段はあまり使用しない例えば冬物、夏物等の衣類、寝具、靴、バッグ、スポーツ用品等の被保管物は、一般家庭ではその屋内の納戸や押入れ等に保管しているのであるが、これら被保管物が多くなると、これらを保管するスペースが足りなくなるため、管理業者による屋外の貸ロッカー、貸トランクルーム、貸倉庫といった保管設備を一定期間だけ賃貸で利用することが多い。しかし、このような貸ロッカー、貸トランクルーム、貸倉庫等だと屋外に設置されているため、被保管品は湿気に晒されたり塵埃で汚されたりする等の悪条件が重なり、適切な環境の下での保管が非常に困難となることがある。しかも、貸ロッカー、貸トランクルーム、貸倉庫等に収容されている被保管品は常時密閉された状態となって外からは監視されないまま長期間収容されているため、被保管品の置かれている状況によっては引取時にメンテナンスが必要となる場合がある。
【0003】
そのため、近年では、委託者から保管品を一定期間預かり、所定の保管期日を迎えた時に返却する保管システムにおいて、例えば委託者から預かった保管品を当該委託者が引き取りに来るまでの間、必要があれば管理業者によってメンテナンスを行うようにしている。このような場合、委託者が保管品を引き取りに来るまでの期間が延びると、保管場所に保管すべき保管品の数が増えるため、保管のためのキーピングが困難となる。しかも、保管される保管品の数が増えると、委託者が保管品を引き取りに来た時に管理業者が目的の商品を探すのに要する時間が長くなり、その間、委託者を待たせることとなるため、サービスの低下にもつながってしまう。さらに、管理業者側においても、保管品の返却場所での滞留管理を現物管理によって行っている場合には、一定期間以上の滞留品を探し出すことも難しい。
【0004】
このような問題を解決するために、従来では、例えば特許文献1に開示されているように、委託者に対して積極的に引き取りを促すことにより、一時預かりした商品が受け取り期日を過ぎても引き渡されずに滞留するのを防止できる預かり品管理システムがある。すなわち、このシステムは、店舗に入庫して顧客に引渡し可能になっているにもかかわらず一定期間以上引き渡されていない預かり品について、一定期間以上滞留品データと顧客データに基づいて、電話・ファクシミリ・電子メール等による督促メッセージを送信するかまたは郵便物に督促メッセージを印刷して送付するものとなっている。
【0005】
また、特許文献2に開示されているように、製造現場においての保管製品の現在位置を正確に効率よく認識でき、効率よく確実にピッキング作業が可能な製品保管システムがある。すなわち、このシステムは、作業者や荷役搬送設備等に保持される作業端末と、保管される製品に取付けられ製品情報が記録された無線タグと、製品保管エリア内の作業端末および無線タグと情報を送受信する中継装置と、中継装置を介して作業端末および無線タグと送受信する管理サーバーとを備えている。そして、管理サーバーは、中継装置を通して送信される無線タグの情報に基づいて保管製品の位置を認識し、その保管製品の位置情報を、製品保管エリアを細分化した保管アドレスの情報と関連付けて、中継装置を通して作業端末へ送信するものとなっている。
【0006】
また、特許文献3に開示されているように、利便性が高いスポーツ用具の保管システムおよびスポーツ用具の保管システムがある。すなわち、このシステムは、保管センタに保管されたスポーツ用具を配送先に配送することを指示する配送指示情報、スポーツ用具にメンテナンスをすることを指示するメンテナンス指示情報それぞれをユーザ端末から受信する通信部と、スポーツ用具が配送先に配達されたことを示す配送結果情報を生成する配送結果情報生成部と、メンテナンスが終了したことを示すメンテナンス結果情報を生成するメンテナンス結果情報生成部とを具備している。ここで通信部は、配送結果情報とメンテナンス結果情報とをユーザ端末に対して送信するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−143156号公報
【特許文献2】特開2005−350222号公報
【特許文献3】特開2007−261765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した従来における特許文献1乃至特許文献3の各システムでは、店舗で受け付けた保管を伴うクリーニング委託品、または衣類、寝具、靴、バッグ、スポーツ用品等の管理対象アイテムの管理状況を、委託者の所持する携帯電話機やパソコン上から詳細に確認することはできない。すなわち、従来においては、委託者の携帯電話機やパソコンから店舗受付側のパソコンの管理情報データベースに自主的にログインすることができないので、委託者の保管品の管理状況を自由に確認することができない。しかも、委託者の携帯電話機やパソコンから店舗受付側のパソコンに対し、保管品の引取日の入力の他に、例えば保管品の早期引取指示、早期引取対象品の選択等の各種の操作も委託者自ら行えないのである。
【0009】
特に、特許文献3においては、保管センタ端末は、通信部を介して、ユーザ端末および販売センタ端末との間で情報の送受信を行うのであるが、入金検出部がユーザからの入金を検出し、配送伝票作成部が所定の用紙に配送先等の配送に関する情報を印刷して配送伝票を作成し、配達検出部は、配送品が配送先に配達されたことを検出する構成となっている。このように、通信部は、配送結果情報とメンテナンス結果情報とをユーザ端末に対して一方的に送信するだけである。
【0010】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、例えば受付場所である取扱窓口・受付店舗等に預けた保管を伴うクリーニング委託品、または衣類、寝具、靴、バッグ、スポーツ用品等の対象アイテムである保管品の保管場所や管理状況の確認、保管期間の延長の依頼、保管期限前の早期引取の指示等を、委託者である会員が自分の所持する携帯電話機上から実行することが可能な保管品の管理代行システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明に係る保管品の管理代行システムにあっては、委託者が所持するWebブラウザが実行可能な携帯電話機Qと、委託者の委託品を受付ける委託品取扱窓口に設置された窓口側パソコンPC1と、委託品を保管する保管庫場所に設置された保管庫側パソコンPC2と、これら機器を制御プログラムに基づいて管理する管理サーバSとがインターネット通信網ITを介して双方向通信可能に接続されて成る保管品の管理代行システムであって、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザ上から、委託者本人であることの認証を経て管理サーバS上の委託者専用サイトにログインを可能にすることで、当該委託者の委託品の管理状況の内容を前記Webブラウザ上に表示可能とした管理状況抽出確認処理部5を備えているものである。
管理状況抽出確認処理部5は、ログインした携帯電話機QのWebブラウザ上に委託受付日、委託品取扱窓口、委託品名、保管期限、保管場所の管理状況を表示させ、保管品の保管期限日前の早期引取指示時には引取処理の登録を可能にしたものとできる。
管理サーバSは、データベースDBに委託者の会員情報を登録し、会員登録後は委託者によるログイン時に会員であることの認証を経ることで委託者は管理サーバS上のサイトにログイン可能とするよう会員登録処理部1を備えているものとできる。
管理サーバSは、ログインした携帯電話機QのWebブラウザ上から保管品の保管期限日前の早期引取の指示を受けることで早期引取の処理を可能とした早期引取処理部6を備えているものとできる。
管理サーバSは、保管期限の既定期日前に保管期限案内メールを会員情報に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに送信させ、保管期限間近の保管品の存否の確認を実行させる保管期限案内処理部7を備えているものとできる。
管理サーバSは、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上から当該管理サーバSに、委託された保管品に係る保管情報の受付の登録処理を行う委託品受付処理部2を備えているものとできる。
委託品受付処理部2は、会員ID・氏名・受付番号・保管品番号・保管期限、その他アイテムコード・委託受付日・納期・合計金額・引取指示日時の保管情報を管理サーバSに登録させ、利用伝票印刷物30の発行処理および利用代金の精算処理を可能にしたものとできる。
管理サーバSは、保管期限の満了日における保管品の引取依頼を委託者の携帯電話機Qのメールアドレスへ送信させる期限時返却処理部3を備えているものとできる。
管理サーバSは、保管庫側パソコンPC2のWebブラウザ上で全件数の保管品の保管場所の決定および所在情報の変更に係る保管情報処理を実行させる保管処理部4を備えているものとできる。
保管処理部4は、保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送を依頼する処理を可能にしたものとできる。
【0012】
以上のように構成された本発明に係る保管品の管理代行システムにあって、会員登録処理部1は、管理サーバSにログインした携帯電話機QのWebブラウザ上より管理サーバSに会員情報を登録させ、会員登録後には委託者によるログイン時に会員であることの認証により管理サーバSへのログインを可能にさせる。
管理状況抽出確認処理部5は、委託者本人であることの認証を経て管理サーバS上の委託者専用サイトにログインを可能にし、携帯電話機QのWebブラウザ上より、委託者本人に係る保管品の管理状況が抽出されて表示され、これを委託者のみに確認させると共に、返却時における保管品の引取指示を可能にさせる。
早期引取処理部6は、管理サーバSにログインした携帯電話機QのWebブラウザ上より保管期限日前の早期引取対象品の引取指示を可能にさせる。
保管期限案内処理部7は、保管期限が近づくと、既定期日前に保管期限案内メールを会員情報に登録されているメールアドレスに自動的に送信させる。
委託品受付処理部2は、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上より保管情報を管理サーバSに登録させ、登録保管情報に応じた利用伝票印刷物30を発行処理させ且つ利用代金を精算処理させる。
期限時返却処理部3は、保管期限の満了日における保管品の引取依頼を委託者の携帯電話機Qのメールアドレスへ送信させる。
保管処理部4は、全件数の保管品の保管場所の決定および所在情報の変更に係る保管処理を実行させ、また保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送依頼を処理させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、委託品取扱窓口に預けた保管を伴うクリーニング委託品、または衣類、寝具、靴、バッグ、スポーツ用品等の対象アイテムである保管品の保管場所や管理状況の確認、保管期間の延長の依頼、保管期限前の早期引取の指示時を、委託者である会員が自分の所持する携帯電話機Q上から実行することが可能となる。
【0014】
すなわち、これは本発明に係る保管品の管理代行システムが、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザ上から、委託者本人であることの認証を経て管理サーバS上の委託者専用サイトにログインを可能にすることで、当該委託者の委託品の管理状況の内容を前記Webブラウザ上に表示可能とした管理状況抽出確認処理部5を備えているからであり、これにより、保管品についての管理代行を行う管理サーバSの管理情報を、委託者に共有させることが可能となり、対象アイテムである保管品の保管場所や管理状況の確認を委託者側で容易に行うことができる。
【0015】
管理状況抽出確認処理部5は、ログインした携帯電話機QのWebブラウザ上に、委託受付日、委託品取扱窓口、委託品名、保管期限、保管場所の管理状況を表示させ、保管品の保管期限日前の早期引取指示時には引取処理の登録を可能にしたので、保管品の保管場所や管理状況の確認、さらには引取状況の確認を委託者側で容易に行うことができる。
【0016】
管理サーバSは、データベースDBに委託者の会員情報を登録する会員登録処理部1を備えているので、会員登録後には委託者によるログイン時に会員であることの認証により管理サーバSへのログインを可能にし、委託者以外の他人による委託者の会員情報の閲覧を未然に防止することができる。
【0017】
管理サーバSは、ログインした携帯電話機QのWebブラウザ上から保管品の保管期限日前の早期引取の指示を受けることで早期引取の処理を可能とした早期引取処理部6を備えているので、保管期限日前の早期引取の指示日時を委託者側で容易に指定でき、例えば急遽必要になった対象アイテムである早期引取を希望する保管品を早々に引き取ることができる。
【0018】
管理サーバSは、保管期限の既定期日前に保管期限案内メールを会員情報に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに送信させ、保管期限間近の保管品の存否の確認を実行させる保管期限案内処理部7を備えているので、保管期限が到来したときには、管理サーバSからの送信による告知によって委託者は事前に委託品取扱窓口等に出向いて委託品を引き取ることができる。しかも、管理サーバSから送信されてきた保管期限案内メールに対して、委託者が保管期間の延長(保管期限の更新)の申請メールを返信することも可能である。
【0019】
管理サーバSは、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上より管理サーバSに、委託された保管品に係る保管情報の受付の登録処理を行う委託品受付処理部2を備えているので、管理サーバSへの委託品受付の登録が例えば窓口側パソコンPC1によって容易に行える。
【0020】
委託品受付処理部2は、会員ID・氏名・受付番号・保管品番号・保管期限、その他アイテムコード・委託受付日・納期・合計金額・引取指示日時の保管情報を管理サーバSに登録させ、利用伝票印刷物30の発行処理および利用代金の精算処理を可能にしたので、管理サーバSへの保管情報の登録が委託者側の携帯電話機Qによって容易に行える。
【0021】
管理サーバSは、保管期限の満了日における保管品の引取依頼を委託者の携帯電話機Qのメールアドレスへ送信させる期限時返却処理部3を備えているので、委託者は保管品の保管期限日を遅滞なく了知でき、保管品を引き取ることができる。
【0022】
管理サーバSは、保管庫側パソコンPC2のWebブラウザ上で全件数の保管品の保管場所の決定および所在情報の変更に係る保管情報処理を実行させる保管処理部4を備えているので、委託者は管理サーバSを通じて保管処理に係る情報を的確に確認することができる。
【0023】
保管処理部4は、保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送を依頼する処理を可能にしたので、委託者は管理サーバSを通じてメンテナンスに係る情報を的確に確認することができる。
【0024】
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項それぞれにおいて付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を実施するための一形態における保管品の管理代行システムの一例を示す構成図である。
【図2】同じく管理サーバ、窓口側パソコン、委託者側携帯電話機、保管庫側パソコンの各部における接続構成の概念説明図である。
【図3】同じく本システムによる処理工程の一例を示すフローチャートである。
【図4】同じく本システムによる会員登録時の処理を示すフローチャートである。
【図5】同じく本システムによる会員認証を経た保管品一覧表示、保管品受付、保管品返却等の処理を示すフローチャートである。
【図6】委託者側の携帯電話機に会員登録画面を表示させた画面例図である。
【図7】同じく委託者側の携帯電話機に会員認証画面を表示させた画面例図である。
【図8】同じく委託者側の携帯電話機に管理状況確認画面を表示させた画面例図である。
【図9】同じく委託者側の携帯電話機に引取指示画面を表示させた画面例図である。
【図10】窓口側パソコンに会員認証画面を表示させた画面例図である。
【図11】同じく窓口側パソコンに委託依頼品受付入力画面を表示させた画面例図である。
【図12】同じく窓口側パソコンに利用伝票印刷画面を表示させた画面例図である。
【図13】同じく窓口側パソコンに返却一覧画面を表示させた画面例図である。
【図14】保管庫側パソコンに受付済保管品検索画面を表示させた画面例図である。
【図15】同じく保管庫側パソコンに保管品所在情報更新画面を表示させた画面例図である。
【図16】同じく保管庫側パソコンに保管品ステータス情報更新画面を表示させた画面例図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明すると、図において示される符号Pは、本発明に係る保管品の管理代行システムを構成するシステム構造であり、このシステム構造Pは、図1に示すように、会員顧客である委託者が所持するWebブラウザ、アクセスが実行可能な携帯電話機Qと、受付店舗等の委託品取扱窓口に設置された窓口側パソコンPC1と、保管庫場所に設置された保管庫側パソコンPC2と、これら機器を制御可能なアプリケーションプログラムに基づいて総合的にサービスを提供し管理する管理サーバSと、携帯電話機Qの通信経由となる基地局Tとが、インターネット通信網ITを介して双方向通信可能に接続されて成る。尚、本明細書において、「会員」は「委託者」として、保管が委託された「委託品」は「保管品」として表記されることもある。
【0027】
尚、委託者側は所持する携帯電話機Qに代えて、例えばモバイル型のノートパソコンやデスクトップ型のパソコン等を利用してもよい。
【0028】
管理サーバSはデータベースDBを備えており、このデータベースDBには、例えば会員ID・住所・氏名・電話番号・メールアドレス・パスワード等の会員情報ファイルと、受付番号・会員ID・店舗コード・集荷用バッグ番号・保管品番号・委託受付日・納期・合計金額・保管期限の変更等の保管情報ファイルと、受付番号・集荷用バッグ番号・保管庫フロアの棚番号等の保管品所在情報ファイルと、受付番号・集荷用バッグ番号・受付/入庫/メンテナンス/出庫/引取依頼/完了等のステータスコード・更新日時等の保管品ステータス情報ファイルと、アイテムコード・アイテム名・価格等の保管対象アイテム情報ファイルと、店舗(取扱窓口)コード・店舗(取扱窓口)名等の店舗情報ファイルとの各種情報ファイルを格納するようになっている(図1参照)。
【0029】
また、管理サーバSは、図2に示すように、会員登録処理部1、委託品受付処理部2、期限時返却処理部3、保管処理部4、管理状況抽出確認処理部5、早期引取処理部6、保管期限案内処理部7等の各処理部を備えている。
【0030】
管理サーバSは、その会員登録処理部1によって、インターネット通信網ITの通信回線を経て窓口側パソコンPC1、委託者側携帯電話機Qに接続されており、また、その保管処理部4によって、同じくインターネット通信網ITの通信回線を経て保管庫側パソコンPC2に接続されている。
【0031】
窓口側パソコンPC1における入力部101、QRコードリーダー103、表示部(ディスプレー)102によって会員に関する各種情報及び保管が委託される委託品に関する各種情報等の入力、その登録確認が管理サーバSとの双方向通信によって処理される。尚、取扱窓口において保管が委託される委託品は、管理サーバSのデータベースDB上の保管対象アイテム情報によって保管・委託可能なものが予め定められており、また、受付可能な取扱窓口の場所、取扱時間その他は、同様に管理サーバSのデータベースDB上の店舗情報にファイルされている。
【0032】
また、委託者側携帯電話機Qにおける入力部201、表示部(Webブラウザ)202を使用してアクセス操作によって当該委託者に係る委託品に関する保管状況、保管期限前の早期引取指示、保管期限案内等が管理サーバSとの双方向通信によって処理される。尚、これらの入力部201、表示部202はタッチパネルによって構成されていても良い。
【0033】
一方、保管庫側パソコンPC2における入力部301、表示部(ディスプレー装置)302によって委託品の入出庫、メンテナンス手配等の要否・完了の有無等が管理サーバSとの双方向通信によって処理される。尚、この保管庫側パソコンPC2においては、委託品に関して保管場所(保管庫)に入庫されたことが入庫管理部303によって、メンテナンスの要否・完了の有無等がメンテナンス管理部304によって、保管場所から出庫されたことが出庫管理部305によって、それらの移動処理に伴なう保管状況が入力部301によって入力処理され、管理サーバSにおける保管処理部4に格納されるデータベースDB上の委託品それぞれの保管品情報、保管品所在情報、保管品ステータス情報等に反映され、更新されるようになっている。保管庫側パソコンPC2における入庫管理部303、メンテナンス管理部304、出庫管理部305によるデータ処理は、通信アクセスによって管理サーバSにおける保管処理部4内で更新処理されれば足りるから、これらの各部303,304,305は設けられないこともある。
【0034】
管理サーバSにおける会員登録処理部1は、管理サーバSのデータベースDBに委託者の会員情報を登録処理するものである。例えば管理サーバSにログインした携帯電話機Qあるいは窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上に、図6に示す会員登録画面を表示させ、この会員登録画面の登録情報入力欄11に、委託者の住所・氏名・電話番号・メールアドレス・パスワード等を入力し内容確認ボタン12を操作することで、会員登録処理部1により管理サーバSのデータベースDBに会員情報が登録される。会員情報が登録されると、会員(委託者)には管理サーバSで指定された会員IDを記録したQRコード付の会員カードが交付され、図7に示す会員認証画面のログイン入力欄13から登録済メールアドレス、パスワード、会員IDを入力してからログインボタン14を操作するか、あるいは委託者が所持している会員カード上のQRコードに記録されている会員IDをコードリーダーで読み込むかすることで管理サーバSにいつでもログインできるようになっている。
【0035】
この図6に示す会員登録画面によって会員となることを登録する具体的な処理フローを、会員となることを希望する顧客の携帯電話機Qを使用して会員登録される場合を例として図4によって具体的に説明する。先ず、取扱業者が用意している例えばホームページ上の所定頁・サイトにアクセスすることで、当該顧客の携帯電話機QのWebブラウザ上に会員登録フォームが表示され(ステップ101)、そのフォームにしたがって所定事項が入力される(ステップ102)。入力された所定の登録内容が管理サーバSで受信され(ステップ103)、更に入力された電話番号が登録され(ステップ104)、メールアドレスが登録されると(ステップ105)、管理サーバSにおいて会員IDが例えば自動的に付与され(ステップ106)た後に、以上のような入力された会員に関する会員情報が管理サーバSにおける会員情報ファイルに格納される(ステップ107)。
【0036】
こうした処理時に電話番号・メールアドレスの登録に際し、何らかのエラーがあるとそのエラー内容が表示され、会員登録フォームの表示画面に戻るようになっている(ステップ108)。会員情報ファイルに格納されると、この編集登録された会員の携帯電話機Qのメールアドレスに登録完了メールを送信する(ステップ109)。尚、登録完了メールには、管理サーバSにおいて生成された上記の会員IDに対応するQRコードの画像が含まれており(ステップ110)、これが会員の携帯電話機QのWebブラウザ上に表示される(ステップ111)ようになっており、このQRコードが携帯電話機Qにおけるメモとして格納されることで、保管品の委託受付時に携帯電話機Q上で確認できるようにしている。尚、このような会員登録は窓口側パソコンPC1によっても実施でき、会員となる顧客は、会員が所有する携帯電話機QによるQRコードの提示か、交付される会員カードに表示されるQRコードの提示かのいずれかを選択できるようにしている。
【0037】
委託品受付処理部2は、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上より管理サーバSに、保管が委託された委託品受付の登録処理を行うものである。例えば各地の受付店舗等における委託品取扱窓口にて委託品を受付けるに際し、インターネット通信網ITに接続された委託品取扱窓口の窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上に、図10に示す会員認証用の受付画面を表示させ、この受付画面の受付入力欄20に、会員登録時に設定した会員カードのQRコード(会員ID)をQRコードリーダー103で入力し、または電話番号等を入力し、認証ボタン21を操作することで会員認証が行われる。
【0038】
その一方で、取扱窓口側の受付対応者が委託品の目視による確認等を行ってから、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上に、図11に示す保管依頼品受付入力画面を表示させ、この保管依頼品受付入力画面の保管情報入力欄26に、例えば会員ID・氏名・受付番号・保管品番号・保管期限、その他アイテムコード・委託受付日・納期・合計金額・引取指示日時等の保管情報を入力し、登録ボタン27を操作することで、委託品受付処理部2により管理サーバSに委託品受付の登録処理が受注番号の付与と共に行われる。尚、この保管情報入力欄26への会員情報関連の入力は会員認証によって自動的に入力されるようにする。
【0039】
また、この保管依頼品受付入力画面において、その下部の合計点数と合計金額を含む入力済一覧ボックス28に追記し、画面下部の確定・伝票印刷ボタン29を操作することで、図12に示すような納品書形態の利用伝票印刷物30を発行させる他に、委託者控、メンテナンス工場控、店舗控、納品書控等の印刷を指示させる処理も行われる。尚、この保管依頼品受付入力画面においても、受付ボタン22、保管品検索ボタン23、お客様検索ボタン24を操作することで管理サーバSに会員情報や保管品情報等を問い合わせることもできる。さらに、保管依頼品受付入力画面には、利用代金の精算やキャッシュドロア等による現金決済、またはクレジットカードによる決済も可能である。
【0040】
委託品は、取扱窓口に備えられていて、保管庫との間で往復・循還等される集荷用バッグによって梱包されるとき、委託品に例えば集荷用バッグ識別用等のタグが取り付けられると同時に、同じタグを納品書控としてホルダに入れ、このホルダで集荷用バッグの口を括ったタグ情報付きの状態となって搬送されるものとなっている。
【0041】
また、図10に示す会員認証用の受付画面において、管理サーバSに会員情報を問い合わせるか、QRコードを提示させたり、QRコードリーダーでの読み取りを行ったりすることで対処してもよい。また、電話番号を受付入力欄20に入力してから、受付ボタン22、保管品検索ボタン23、お客様検索ボタン24を操作することで管理サーバSに会員情報を問い合わせることもできる。また会員認証用の受付画面の右欄には例えば料金清算のためのテンキーボタンによるPCレジ25が設けられている。
【0042】
ここで、会員認証によって、当該会員である委託者に係る委託品である保管品一覧表示、会員登録、保管品受付入力、保管品返却入力等の各処理を実施させるときの処理フローを図5によって具体的に説明する。会員の携帯電話機Qあるいは窓口側パソコンPC1によって管理サーバSにアクセスされると、管理サーバSでは会員に対して会員側からの認証を要することを要求し(ステップ201)、Webブラウザ上あるいは窓口側パソコンPC1上にログインフォームが表示される(ステップ202)。そこで、会員あるいは取扱窓口の受付担当者によってこのログインフォームに会員ID、パスワードが入力されると(ステップ203)、それらの会員ID、パスワードが管理サーバSで受信されて会員情報ファイル中のデータと照合されることによってその存否が確認され(ステップ204)、会員ID、パスワードの合致が確認されると(ステップ205)、当該会員である委託者に係る保管品一覧表示処理がなされ(ステップ207)、後述の保管処理部4による受付済保管品検索画面にアクセス可能とされる。尚、会員ID、パスワードが合致しない場合には、エラー内容が表示され(ステップ206)、ログインフォームによる入力処理画面に戻るようになっている。
【0043】
また、管理サーバSによって会員に対して会員側からの認証を要することが要求され(ステップ201)、会員認証フォームが表示されると(ステップ210)、会員に予め付与されているQRコードの提示が要求され(ステップ211)、提示されたQRコードがQRコードリーダーで読み取られるか(ステップ212)、会員に確認した電話番号をフォームに入力するか(ステップ213)する。これらのQRコード、電話番号が管理サーバSで受信されて会員情報ファイル中のデータと照合されることでその存否が確認され(ステップ214)、その当該会員の会員情報に合致するデータ、例えば委託品に係るデータの存否の検索処理が行われる(ステップ215)。その後、当該委託者による新たな例えば追加の委託品の受け付けであるか、保管している保管品の返却であるかが当該委託者に対して確認され(ステップ216)、新たな委託品の受け付けであれば保管品として受付がなされて(ステップ217)、保管品受付入力処理がなされる(ステップ218)。もし、保管品の返却を当該会員が希望する場合には(ステップ217)、保管品返却入力処理がなされる(ステップ219)。
【0044】
尚、当該会員の会員情報に合致するデータの存否の検索処理が行われるとき(ステップ215)、会員情報に合致するデータが存在しない場合には、そのエラー内容が表示され(ステップ220)、このようなエラーが表示される場合は会員として登録されていない状態であると判断されるので、新規会員としての登録の希望の有無が確認される(ステップ221)。そして、会員としての登録を希望する場合には会員登録処理が行われ(ステップ222)、会員登録の終了後には委託品の保管品受付処理が行われる(ステップ216,同217)。
【0045】
期限時返却処理部3は、保管期限の満了日における保管品の引取依頼を、満了日以前の適当日に会員である委託者の携帯電話機Qのメールアドレスへ送信させるものである。例えば保管期限の満了日における委託品取扱窓口側から委託者への保管品の返却時において、窓口側パソコンPC1のWebブラウザ上の、図13に示す返却一覧画面上に表示された保管品検索欄31に会員ID・氏名・受注番号等を入力し、検索ボタン32を操作することで検索する。その後、引渡保管品検索欄37に会員ID・氏名・受注番号・タグ情報等を入力し、検索ボタン33を操作し、返却一覧ボックス34を確認する。そして、画面上に表示された集荷用バッグのタグ情報等を選択してこれにチェックを入れ、画面上の下欄に表示された引渡確定ボタン35を操作することで、期限時返却処理部3により引取対象となる保管品の確認登録の処理が行われると同時に保管品の引取依頼が委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに送信される。
【0046】
また、期限時返却処理部3は、保管品ステータス情報の更新登録の処理も行われ、さらに保管品新規受付の新規登録ボタン36を操作することで、期限時返却処理部3により画面上で新規登録が行えるようにしてある。この返却一覧画面においても、受付ボタン22、保管品検索ボタン23、お客様検索ボタン24を操作することで、管理サーバSに会員情報や保管品情報等を問い合わせる処理が行われる。さらに、返却一覧画面の右欄には新規登録時の料金清算のためのテンキーボタンによるPCレジ25が設けられている。
【0047】
保管処理部4は、保管庫側パソコンPC2のWebブラウザ上で全件数の保管品の保管処理を実行させるものである。例えばインターネット通信網ITに接続された保管庫側の保管庫側パソコンPC2の入庫管理部303によるWebブラウザ上に、図14に示す受付済保管品検索画面を表示させ、この受付済保管品検索画面の検索条件入力欄38に取扱窓口(店舗)・集荷用バッグ番号・タグ情報・伝票番号・委託受付日・納期・氏名(委託者名)・電話番号・住所・受付区分・出庫済か削除済かのチェックを入力し、検索ボタン39を操作することで保管情報を検索すれば、保管処理部4により、これらの検索条件に該当するものとして抽出された保管品のリストとして下部の検索結果表示欄40に全件数の検索結果が表示される。そして、保管庫側パソコンPC2のWebブラウザ上で図15に示す保管品所在情報更新画面を表示させ、この保管品所在情報更新画面の保管情報ボックス41より、保管場所を決定し、変更ボタン42を操作することで、保管処理部4より保管品の所在情報を変更できるものとなっている。尚、管理サーバSに登録されている保管情報に保管場所を追記処理することも可能である。
【0048】
さらに、保管処理部4は、保管庫側パソコンPC2のWebブラウザ上で、保管期限確認用の図14に示す受付済保管品検索画面を表示させ、この受付済保管品検索画面から保管期限間近の保管品の存在等を確認するのであり、更に、保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送を依頼する処理を行う。このような配送依頼の処理において、保管庫側パソコンPC2のメンテナンス管理部304により、図16に示す保管品ステータス情報更新画面を表示し、この保管品ステータス情報更新画面の下欄右側に設けた選択保管品の削除を指示する削除ボタン43、選択保管品の保管庫への入庫を指示する入庫ボタン44、選択保管品のメンテナンスを指示するメンテナンスボタン45、選択保管品の保管庫からの出庫を指示する出庫ボタン46の各ボタンの操作により、保管処理部4でもってメンテナンスステータス登録およびメンテナンス完了ステータス登録が行なえるものとなっている。この場合、管理サーバSに登録されている保管品ステータス情報に保管品の行先または戻り先の追記処理がなされるものとなっている。
【0049】
尚、この保管品ステータス情報更新画面にも上記受付済保管品検索画面と同様に検索条件入力欄38・検索ボタン39・検索結果表示欄40を備えている。このように保管品ステータス情報更新画面より受付番号・集荷用バッグ番号・タグ情報・受付/入庫/メンテナンス/出庫/引取依頼/完了等のステータスコード・更新日時等の保管品ステータス情報の更新が保管処理部4でもって行えるようになっている。
【0050】
保管庫からの保管品の出庫に際し、保管庫側パソコンPC2の出庫管理部305による前記した図14に示す受付済保管品検索画面より、保管期限の既定日数前のメンテナンス済保管品を確認した後には、当該メンテナンス済保管品を、委託者に返却するために、例えば委託品取扱窓口に配送するための依頼を保管処理部4によって行えるようになっている。この場合、保管処理部4では、前記保管品ステータス情報更新画面での出庫ステータス登録の処理が可能で、管理サーバSに登録されている保管品ステータス情報に保管庫からの出庫を追記処理することも可能である。尚、メンテナンス工場では、保管庫から配送された集荷用バッグの受け取り後に、例えば委託品に対応したクリーニング、修理等のメンテナンスが行われ、メンテナンス完了後には保管品を保管庫へ配送させるものとなっている。尚、委託品を受付けた先の取扱窓口において委託品を返却するものとせず、委託者が希望する他の店舗の取扱窓口を返却場所として登録設定できるようにもしておく。
【0051】
管理状況抽出確認処理部5は、委託者の携帯電話機Qの入力部201、表示部202によって起動させたWebブラウザから、委託者本人であることの認証を経て、管理サーバS上の例えば「マイページ」と称する委託者専用サイトにログインを可能とすることで、全保管品の中から抽出された委託者本人に係る保管品の管理状況の内容が前記Webブラウザ上に表示され、検索・一覧表示による管理状況の確認処理を実行させるものである。例えば管理サーバSに委託者の会員情報による認証を経て管理サーバSにログインされると、携帯電話機QのWebブラウザ上に、図8に示す管理状況確認画面が表示される。この管理状況確認画面の内容表示ボックス15には、管理状況抽出確認処理部5によって例えば委託受付日、委託品取扱窓口、保管品名、保管期限、保管場所等の保管状況の内容が表示される。
【0052】
このように上記会員認証後に管理サーバSにログイン可能とされると、委託者の携帯電話機Qの表示部202に、図8に示す委託者の管理状況確認画面が表示される。このとき画面には他のユーザーからの保管品も含めた全保管品の情報が表示されてしまうため、管理状況抽出確認処理部5によって、全保管品の中からその委託者に係わるものが抽出されて表示されるよう処理が行われる。こうして管理状況確認画面に委託者本人のみに係る認証時の預入・引渡状況等の委託者関連情報が表示され、これによって保管品それぞれの個別管理状況が確認できる。尚、非表示ボタン17を操作することで保管情報の内容が非表示とされる。
【0053】
早期引取処理部6は、管理サーバSにログインした携帯電話機QのWebブラウザ上で選択された早期引取対象品の保管期限日前での早期引取指示を実行可能にさせるものである。これは、携帯電話機Qの入力部201、表示部202により、図8に示す委託者の管理状況確認画面において、表示される引取指示ボタン16を操作することで行われる。すなわち委託者が、保管品の保管期限前に早期の引取を希望するときには委託者のみが、管理状況確認画面に表示されている全保管品の中から引取対象の保管品を抽出して管理状況確認画面の引取指示ボタン16を操作することで管理状況抽出確認処理部5による早期引取指示登録が行われる。引取指示ボタン16を操作すると、図9に示す引取指示画面に切り換わり、この引取指示画面の内容表示ボックス15から早期引取対象品を選択すべく一覧から対象のものにチェックを入れ、引取予定日入力欄18に入力した後、画面上の引取指示確定ボタン19を操作することで早期引取処理部6によって早期引取対象品の引取指示の処理が行われるものとなっている。
【0054】
また、早期引取処理部6には、引取日を入力して確定した際の管理サーバSにメールを送信する処理、保管情報の保管期限を更新する処理等の各処理機能を有している。具体的には、急遽必要になったアイテムである保管品があれば、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザから、管理サーバS上に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレス、パスワードを用いてサイトにログインし、該当する集荷用バッグを指定して引取依頼を電子メールにて管理サーバSに出すことで、委託者は既定日に例えば委託品取扱窓口に出向いて保管品を引取ることができるものとなっている。
【0055】
保管期限案内処理部7は、委託者の携帯電話機Qに対する保管期限案内として、例えば毎日定刻に保管期限間近の保管品の存否の確認を時限的に実行し、該当する保管品を抽出するものである。また、委託者の携帯電話機Qから管理サーバSに問い合わせられることで保管情報としての保管期限の既定日数前の保管品を確認可能にしている。さらに、保管期限案内処理部7は、該当する委託品に係る委託者の会員情報毎に、保管品を梱包する集荷用バッグの番号、保管品のアイテム名、保管期限、店舗名等の編集を実行し、委託者の携帯電話機Qのメールアドレス宛に、編集した期限間近保管情報の送信を実行可能にしている。
【0056】
具体的には、保管期限案内処理部7は、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザから、管理サーバS上に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレス、パスワードを用いてサイトにログインすることで、保管品の現在の預入内容である例えば預入日、点数、保管期限等を確認することができ、保管期限が近づくと、既定期日前に保管期限案内メールが会員情報に登録されている携帯電話機Qのメールアドレスに自動的に送信される機能を有している。さらに、保管期限案内処理部7は、委託者が受信した管理サーバSからの保管期限案内メールに対して、保管期間の延長の依頼メールの返信による延長処理登録を実行させることも可能である。
【0057】
次に、以上のように構成された保管品の管理代行システムの処理工程の一例について図3に示すフローチャートに基づき説明すると、先ず、委託者の会員登録に際し、ステップS1において、会員となる委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザに、図6に示す会員登録画面を表示させるか、あるいはステップS2において、窓口側パソコンPC1のWebブラウザに、図10に示す受付画面を表示させるかして、例えば住所・氏名・電話番号・メールアドレス・パスワード等の個人情報を入力して管理サーバSに送信されると、管理サーバSの会員登録処理部1によりデータベースDBの会員情報ファイルに格納されることで会員登録が完了する。このとき、委託者側には、管理サーバSで指定された会員IDおよびQRコードが付与され、会員カードが交付される。
【0058】
ステップS3において、委託者は保管対象となる所定の保管希望物品の保管委託依頼を委託品取扱窓口に出向いて行う。委託受付時には、予め委託品取扱窓口側で会員認証が行われる。すなわち、窓口側パソコンPC1の入力部101、QRコードリーダー103により、また表示部102にて入力内容を確認しながらWebブラウザに、図10に示す受付画面を表示させて会員IDとパスワードを入力するか、あるいは委託者が所持している会員カード上のQRコードに記録されている会員IDをコードリーダーで読み込むかして、管理サーバSに記録されている委託者の会員情報と照合させることで認証が完了する。
【0059】
会員認証が終了すると、ステップ4において、管理サーバSの委託品受付処理部2により、窓口側パソコンPC1のWebブラウザに起動させた図11に示す保管依頼品受付入力画面より管理サーバSに委託品受付の登録が行われ、管理サーバSのデータベースDBに会員情報、受付けた保管品の保管情報等の各種情報が格納される。
【0060】
ステップS5において、窓口側パソコンPC1の前記保管依頼品受付入力画面の合計点数と合計金額とを含む入力済一覧ボックス28に保管依頼品情報を追記し、画面下部の確定・伝票印刷ボタン29を操作することで、図12に示すような納品書形態の利用伝票印刷物30が発行される。このとき利用料金の精算が実行され、上記した登録情報に基づく保管品の預かり伝票が窓口側パソコンPC1のプリンタから図12に示す利用伝票印刷物30として出力され、この利用伝票印刷物30を委託者に渡す。
【0061】
ステップS6において、会員情報に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに、預かり点数・保管期限等を記載した保管受付メールが管理サーバSから自動送信される。
【0062】
ステップS7において、委託品取扱窓口にて受付けられて保管が委託された保管品は、集荷用バッグによって梱包され、例えば納品書控のタグラベルを収納したホルダを付して保管庫に移動され、管理サーバSの保管処理部4により保管庫側パソコンPC2にて保管品を例えばバッグ単位毎に登録する。具体的には、保管品の入庫に際し、保管庫側パソコンPC2において、委託品取扱窓口から配送されてきた集荷用バッグに付いている番号およびホルダの内容、タグ情報を確認してから、入庫管理部303により、これらの内容を図14に示す受付済保管品検索画面で入力する。そして、保管場所を決定し、その内容を図15に示す保管品所在情報更新画面より登録する。このとき管理サーバSに登録されている保管情報に保管場所を追記することで保管品ステータス情報の更新を行う。
【0063】
ステップS8においては、ステップS7の保管処理部4における保管品の所在情報の登録に加え、PCレジ25の入力によって設定された保管期日にて生産計画を確認し、保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送を依頼する処理が行われる。また、メンテナンス依頼時には、保管庫側パソコンPC2において、メンテナンス管理部304により、保管期限間近の保管品を受付済保管品検索画面より確認する。すなわち、管理サーバSに保管情報を問い合わせて保管期限の既定日数前の保管品を確認しておく。さらに、図16に示す保管品ステータス情報更新画面よりメンテナンスステータス登録を行う。このとき管理サーバSに登録されている保管品ステータス情報に保管品の行先を追記しておき、保管品所在情報、保管品ステータス情報の更新を行っておく。
【0064】
ステップ9では、前記入庫のための保管品またはメンテナンス済の保管品を所定の保管庫に移動する。この移動は、保管品ステータス情報更新画面にて更新登録される。
【0065】
ステップS10では、保管庫に配送されてきた保管品の保管情報登録が保管庫側パソコンPC2で管理サーバSの保管処理部4によって行なわれる。また、メンテナンス完了品の受領に際しては、図16に示す保管品ステータス情報更新画面よりメンテナンス完了ステータス登録を行う。このとき管理サーバSに登録されている保管品ステータス情報に保管品の戻り先を追記しておき、保管品所在情報、保管品ステータス情報の更新を行っておく。
【0066】
委託者による保管品の管理状況確認の問い合わせ時では、ステップS16乃至ステップS18の処理が実行される。すなわち、上記したステップS5における利用伝票印刷物30の発行と利用料金の精算が実行された後の保管受付処理が終了していれば、ステップS16において、委託者によって管理サーバSにアクセスされるときに予め委託者の会員認証が行われる。すなわち、委託者の携帯電話機Q上の入力部201、表示部202により起動させたWebブラウザの図7に示す会員認証画面に会員IDとパスワードを入力し、管理サーバSに記録されている委託者の会員情報と照合させることで認証が完了すると、管理サーバSへのログインが可能となる。
【0067】
ステップS17において、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザから管理サーバSにおける管理状況抽出確認処理部5によって保管期間中における当該委託者に係る保管品の管理状況の確認を行うことができる。すなわち、上記会員認証後に管理サーバSにログイン可能になると、当該委託者専用の「マイページ」における図8に示す委託者の管理状況確認画面が表示され、この管理状況確認画面に委託時の預入・引渡状況等の保管者関連情報が表示される。これによって委託者本人に係る保管品の各管理状況が確認できる。
【0068】
また、ステップS17における委託者側での管理状況の確認後には、ステップS18に移行して委託者側から管理サーバS側に保管品の早期引取の指示があったかどうかを判定する。すなわち、委託者が保管期限日前の引取を希望する場合には、図8に示す管理状況確認画面に表示されている全保管品の中から保管期限日前の引取対象の保管品を抽出して管理状況確認画面の引取指示ボタン16を操作し、また、切り換わった後の図9に示す取扱指示画面によって確定することで管理状況抽出確認処理部5による引取処理指示の登録が行われる。指示がなければ、後述するステップS11に移行し、ステップS12以降のフローが実行される。
【0069】
一方、早期引取指示があった場合には、保管庫側パソコンPC2の出庫管理部305により、ステップS13に移行して保管品が出庫され、ステップS14の委託品取扱窓口あるいは指示された特定の取扱窓口等への移動、ステップ15の引取り確認が行われる。このように、管理サーバSにログインすることで管理サーバSの管理状況抽出確認処理部5によって保管品の管理状況を所在情報と共に確認することができる。
【0070】
具体的には、委託者の携帯電話機Q上に起動させたWebブラウザから、管理サーバS上に登録されている委託者の会員情報の登録済メールアドレス、パスワード、会員IDを用いて管理サーバS上の例えば「マイページ」と称する委託者専用サイトにログインすることで、現在の保管品の預入内容である例えば預入日、点数、保管期限等を確認する。そして、保管期限が近づくと、既定期日前に保管期限案内メールが会員情報に登録されている委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに自動的に送信される。すなわち、管理サーバSの期限時返却処理部3により引取対象となる保管品の確認登録が行われると同時に引取期限が近づいた保管品の引取依頼が委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに送信される。また、保管品の引取期限が到来したときには、管理サーバSの期限時返却処理部3により該当保管品を指定して委託者の携帯電話機Qのメールアドレスに引取依頼が送信されることで、既定日に委託品取扱窓口にて引取可能となる。
【0071】
ステップS11において、保管品に対して保管期限に近づいたか否かを判定し、未だ保管期限に達していない場合には、ステップS10に戻って保管品をそのまま保管庫に収容しておく。一方、保管期限に近づいた場合には、ステップS12に移行し、委託者側から保管期間の延長の申し出があったかどうかを判定する。延長の申し出があった場合には、ステップS10に戻って保管品をそのまま保管庫に収容しておく。
【0072】
一方、延長の申し出がなかった場合は、ステップS13に移行して、保管期限に近づいた保管品を出庫する。この保管品の出庫に際し、保管庫側パソコンPC2において、メンテナンス管理部304により、保管期限間近のメンテナンス済の図14に示す保管品を受付済保管品検索画面より確認する。すなわち、管理サーバSに保管情報、保管品ステータス情報を問い合わせて保管期限の既定日数前のメンテナンス済保管品を確認する。保管期限が近づくと、管理サーバSの保管期限案内処理部7により既定期日前に保管期限案内メールが会員情報に登録されている委託者の携帯電話機Qに自動的にメール送信される。
【0073】
ステップS14において、確認したメンテナンス済保管品を選んで、委託品を受付けた取扱窓口あるいは委託者によって指示されている別の特定の取扱窓口に配送する。尚、搬送交通手段や地理的条件等の状況によっては、委託者によって指示されていない他の委託品取扱窓口に配送する場合があっても、委託者に確実に返却されるように処理する。保管品の搬送完了後には、図16に示す保管品ステータス情報更新画面より出庫ステータス登録を行っておく。また、管理サーバSに登録されている保管品ステータス情報にメンテナンス済保管品の出庫を追記し、保管品所在情報、保管品ステータス情報の更新が行なわれる。
【0074】
ステップS15において、委託品取扱窓口側は、保管庫より搬送されてきた保管期日到来の保管品の確認を行い、保管品を委託品取扱窓口にてキーピングする。このとき、窓口側パソコンPC1の入力部101、表示部102により、図13に示す返却一覧画面に表示された引渡保管品検索欄37に会員ID・氏名・受注番号・タグ情報等を入力し、検索ボタン33を操作し、返却一覧ボックス34を確認する。そして、画面上に表示されたタグ情報等を選択してこれにチェックを入れ、画面上の下欄に表示された引渡確定ボタン35を操作することで、引取対象となる保管品の確認登録を行うと同時に保管品ステータス情報の更新登録が行なわれる。
【0075】
委託者が来店した際には、委託品取扱窓口の窓口側パソコンPC1で管理サーバSの会員登録処理部1にアクセスして会員認証を行い、図13に示す返却一覧画面に表示された返却一覧のタグ情報および精算金額を確認し、必要な追加費用の請求があれば精算を行い、引渡対象の保管品を委託者に引き渡す。その際、保管期限延長等で最終精算が必要な場合は併せて対応する。そして、引渡後には返却一覧画面上に表示された引渡確定ボタン35を操作することで完了処理が行なわれ、引渡済確認後にはその旨が登録され、必要に応じて返却一覧画面より引渡対象の保管情報の非表示、削除等が行なわれる。
【符号の説明】
【0076】
PC1…窓口側パソコン PC2…保管庫側パソコン
Q…携帯電話機 S…管理サーバ
T…基地局 IT…インターネット通信網
DB…データベース
1…会員登録処理部 2…委託品受付処理部
3…期限時返却処理部 4…保管処理部
5…管理状況抽出確認処理部 6…早期引取処理部
7…保管期限案内処理部
11…登録情報入力欄 12…内容確認ボタン
13…ログイン入力欄 14…ログインボタン
15…内容表示ボックス 16…引取指示ボタン
17…非表示ボタン 18…引取予定日入力欄
19…引取指示確定ボタン 20…受付入力欄
21…認証ボタン 22…受付ボタン
23…保管品検索ボタン 24…お客様検索ボタン
25…PCレジ 26…保管情報入力欄
27…登録ボタン 28…入力済一覧ボックス
29…確定・伝票印刷ボタン 30…利用伝票印刷物
31…保管品検索欄 32…検索ボタン
33…引渡保管品検索欄 34…返却一覧ボックス
35…引渡確定ボタン 36…新規登録ボタン
37…引渡保管品検索欄 38…検索条件入力欄
39…検索ボタン 40…検索結果表示欄
41…保管情報ボックス 42…更新ボタン
43…削除ボタン 44…入庫ボタン
45…メンテナンスボタン 46…出庫ボタン
101…入力部 102…表示部
103…QRコードリーダー
201…入力部 202…表示部
301…入力部 302…表示部
303…入庫管理部 304…メンテナンス管理部
305…出庫管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者が所持するWebブラウザが実行可能な携帯電話機と、委託者の委託品を受付ける委託品取扱窓口に設置された窓口側パソコンと、委託品を保管する保管庫場所に設置された保管庫側パソコンと、これら機器を制御プログラムに基づいて管理する管理サーバとがインターネット通信網を介して双方向通信可能に接続されて成る保管品の管理代行システムであって、委託者の携帯電話機上に起動させたWebブラウザ上から、委託者本人であることの認証を経て管理サーバ上の委託者専用サイトにログインを可能にすることで、当該委託者の委託品の管理状況の内容を前記Webブラウザ上に表示可能とした管理状況抽出確認処理部を備えていることを特徴とした保管品の管理代行システム。
【請求項2】
管理状況抽出確認処理部は、ログインした携帯電話機のWebブラウザ上に委託受付日、委託品取扱窓口、保管品名、保管期限の管理状況を表示させ、保管品の保管期限日前の早期引取指示時には引取処理の登録を可能にした請求項1記載の保管品の管理代行システム。
【請求項3】
管理サーバは、データベースに委託者の会員情報を登録し、会員登録後は委託者によるログイン時に会員であることの認証を経ることで委託者は管理サーバ上のサイトにログイン可能とするよう会員登録処理部を備えている請求項1または2記載の保管品の管理代行システム。
【請求項4】
管理サーバは、ログインした携帯電話機のWebブラウザ上から保管品の保管期限日前の早期引取の指示を受けることで早期引取の処理を可能とした早期引取処理部を備えている請求項1乃至3のいずれか記載の保管品の管理代行システム。
【請求項5】
管理サーバは、保管期限の既定期日前に保管期限案内メールを会員情報に登録されている委託者の携帯電話機のメールアドレスに送信させ、保管期限間近の保管品の存否の確認を実行させる保管期限案内処理部を備えている請求項1乃至4のいずれか記載の保管品の管理代行システム。
【請求項6】
管理サーバは、窓口側パソコンのWebブラウザ上から当該管理サーバに、委託された保管品に係る保管情報の受付の登録処理を行う委託品受付処理部を備えている請求項1乃至5のいずれか記載の保管品の管理代行システム。
【請求項7】
委託品受付処理部は、会員ID・氏名・受付番号・保管品番号・保管期限、その他アイテムコード・委託受付日・納期・合計金額・引取指示日時の保管情報を管理サーバに登録させ、利用伝票印刷物の発行処理および利用代金の精算処理を可能にした請求項6記載の保管品の管理代行システム。
【請求項8】
管理サーバは、保管期限の満了日における保管品の引取依頼を委託者の携帯電話機のメールアドレスへ送信させる期限時返却処理部を備えている請求項1乃至7のいずれか記載の保管品の管理代行システム。
【請求項9】
管理サーバは、保管庫側パソコンのWebブラウザ上で全件数の保管品の保管場所の決定および所在情報の変更に係る保管処理を実行させる保管処理部を備えている請求項1乃至8のいずれか記載の保管品の管理代行システム。
【請求項10】
保管処理部は、保管期限間近の保管品でメンテナンスが必要とされた保管品のメンテナンス工場への配送を依頼する処理を可能にした請求項9記載の保管品の管理代行システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−236655(P2012−236655A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104976(P2011−104976)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(397051461)株式会社喜久屋 (1)
【Fターム(参考)】