説明

保険契約調査システム及び方法

【課題】受取人が本来受け取るべき保険金を受け取れないケースが生じてしまう可能性を低減する。
【解決手段】複数の保険会社用の複数のコンピュータシステム(ローカルシステム)と中央コンピュータシステム(中央システム)が専用ネットワークに接続される。各ローカルシステムが、そのローカルシステムに対応する保険会社の保険の契約情報を記憶しているが、その保険会社以外の保険の契約情報を記憶していない。中央システムが、保険契約の情報の照会要求に応答して、対象者が契約者となっている保険の契約の存在を、複数のローカルシステムから専用ネットワークを介して調査し、その調査の結果を表す調査結果情報を記憶する。記憶された調査結果情報が、保険契約の情報の照会を希望したユーザの端末に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて保険の契約に関する調査を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
保険契約の情報提供に関する技術として、例えば特許文献1に開示の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−146338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、保険会社が、契約者に対して、その保険会社とその契約者との間で結ばれている全ての保険契約に関する情報をまとめて表示するサービスが知られている。
【0005】
しかし、一般に、或る保険会社の契約者は、別の保険会社と何らかの保険を契約しているケースが多い。そのようなケースの一例として、生命保険会社との間で生命保険を契約していて、損害保険会社との間で火災保険等の損害保険を契約しているケースがある。
【0006】
そのようなケースでは、契約者は、どの保険会社とどの保険を契約しているかを全て把握しているとは限らないし、むしろ、そのようなことを全て把握している契約者は少ないと考えられる。
【0007】
そのため、保険金の受取人(例えば、契約者本人或いはその家族のメンバー)が本来受け取るべき保険金を受け取れないケース、つまり、「意図しない不払い」が発生してしまうことになる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、受取人が本来受け取るべき保険金を受け取れないケースが生じてしまう可能性を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
専用ネットワークに、複数の保険会社用の複数のコンピュータシステムである複数のローカルシステムと、別のコンピュータシステムである中央システムとが接続される。各ローカルシステムが、そのローカルシステムに対応する保険会社の保険の契約情報を記憶するが、そのローカルシステムに対応する保険会社以外の保険会社の保険の契約情報を記憶しない。ローカルシステムと中央システムとの通信は可能であるが、ローカルシステム同士の通信は不可能である。中央システムが、保険の契約情報の照会要求に応答して、その照会要求から特定された者である対象者が契約者となっている保険の契約の存在(例えば、保険契約情報が有るか否か、及び/又は、保険契約の詳細を表す保険契約情報それ自体)を、専用ネットワークを介して各ローカルシステムから調査し、調査の結果を表す調査結果情報を記憶する。中央システムに記憶された調査結果情報が、保険の契約情報の照会を希望したユーザの情報処理端末に提供される。
【0010】
本発明は、様々な保険会社(生命保険会社、損害保険会社など)に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る保険契約調査システムの構成を示す。
【図2】システム間の関係を示す。
【図3】保険契約情報提供処理の流れの第1の部分を示す。
【図4】保険契約情報提供処理の流れの第2の部分を示す。
【図5】保険契約情報提供処理の流れの残りの部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を説明する。なお、以下の説明では、保険の契約情報を照会する者を「ユーザ」と言い、照会の対象となる者を「対象者」と言う。「ユーザ」は、例えば、或る保険会社の或る保険の契約者、受取人、或いは、契約者又は受取人の家族である。従って、ユーザと対象者が同一の者であることもある。
【0013】
本実施形態によれば、ユーザは、対象者が契約者となっている、全ての保険会社の保険の契約情報を、取得することができる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る保険契約調査システムの構成を示す。なお、以下の説明では、説明を分かり易くするため、保険会社は、A社、B社及びC社の3社であるとする(勿論、本実施形態に関わる保険会社の数は、3より多くても少なくても良い)。また、データベースを「DB」と略記する。
【0015】
中央システム10と、3つの保険会社にそれぞれ対応した3つのローカルシステム20,30及び40と、中立機関システム805と、A社のWEBサーバ801と、ユーザ端末803とが備えられる。本実施形態の説明を分かり易くするため、A社についてのみWEBサーバが示されているが、実際には、各保険会社がWEBサーバを有していて良い。
【0016】
中立機関システム805及びWEBサーバ801は、インターネット900のようないわゆる開いた通信ネットワークに接続される。一方、中央システム10、ローカルシステム20,30及び40は、専用ネットワーク100といういわゆる閉じた通信ネットワークに接続される。中立機関システム805は、インターネット900だけでなく専用ネットワーク100にも接続されている。WEBサーバ801は、A社の共通サーバ24と通信可能に接続されている。
【0017】
中立機関システム805は、中立機関のコンピュータシステムである。ここで言う「中立機関」は、いずれの保険会社とも異なる機関のことである。中立機関システム805は、例えば、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))と記憶資源(例えばメモリ)を有し、プロセッサがコンピュータプログラムを実行することで、後述する種々の処理を行うことができる。
【0018】
ユーザ端末803は、ユーザが使用する情報処理端末であり、表示装置を有している。ユーザ端末803は、有線又は無線で、インターネット900を介して、WEBサーバ801及び中立機関システム805と通信することができる。
【0019】
ローカルシステム20,30及び40は、いずれも、コンピュータシステムであり、それぞれ、基幹システム21,31及び41と、基幹DB22,32及び42と、共通システム23,33及び43とを有する。以下、ローカルシステム20を例に採り、ローカルシステム20,30及び40が有する上記要素を説明する。なお、その説明において、ローカルシステム20を有する保険会社は、図1に示すように、A社である。
【0020】
基幹システム21は、A社に特有の機能及び/又は構造を有するコンピュータシステムである。基幹システム21は、基幹DB22を管理する。
【0021】
基幹DB22は、基幹システム21に接続されている記憶装置に格納されている。基幹DB22は、例えば、A社の顧客の保険契約情報を含み、他の保険会社の顧客の保険契約情報を含まない。保険契約情報は、顧客と結ばれた保険契約に関する情報であり、例えば、顧客の個人情報(例えば、氏名、住所、生年月日)や、顧客と結ばれた保険契約の詳細(例えば、商品名、満期、特約等)を表す情報を含む。
【0022】
基幹DB22に含まれている保険契約情報のフォーマットは、A社(厳密には、A社の基幹システム21)に特有のフォーマットである。例えば、A社の従業員が、基幹システム21に接続されている情報処理端末(図示せず)を用いて、基幹システム21に保険契約情報を入力すると、A社に特有のフォーマットの保険契約情報が、基幹DB22に格納される。
【0023】
共通システム23は、共通サーバ24と、共通DB25とを有する。
【0024】
共通サーバ24は、例えば、プロセッサと記憶資源を有する計算機である。共通サーバ24は、例えば、共通サーバ24内のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、後述の種々の処理を行うことができる。
【0025】
共通DB25は、共通サーバ24に接続されている記憶装置に格納されている。共通DB25は、基幹DB22から読み出されフォーマット変換された保険契約情報を有する。共通DB内の情報のフォーマットは、全ての保険会社で共通のフォーマットである。共通システム23は、中央システム10に対するインタフェースとしての役割も担う。共通サーバ24は、例えば、変換前のフォーマット(A社に特有のフォーマット)と変換後のフォーマット(全ての保険会社で共通のフォーマット)との対応関係を表す情報(以下、変換規則情報)を有していて、その変換規則情報を用いて、フォーマット変換を行って良い。例えば、A社に特有のフォーマットの保険契約情報において、「1」という値が第1の意味であって、共通フォーマットの保険契約情報では「3」という値が第1の意味である場合、A社の共通サーバ24が有する変換規則情報は、「1→3」の変換規則を表す情報が含まれていて、フォーマット変換では、その変換規則に従う変換が行われる。
【0026】
共通システム23,33及び43は、実質的に同じ機能及び構成を有するが、その機能及び/又は構成は、保険会社毎にカスタマイズされて良い。例えば、前述した変換規則情報が、共通サーバ毎に異なっていて良い。
【0027】
ローカルシステム20は、共通システム23(共通サーバ24)が、専用ネットワーク100を介して中央システム10(中央サーバ11)と接続されることにより、中央システム10とのみ通信可能となる。
【0028】
中央システム10は、保険会社以外の機関(中立機関又はそれとは別の機関)によって管理されている。中央システム10は、例えば、中央サーバ11と、管理DB12とを有する。
【0029】
中央サーバ11は、例えば、プロセッサ(例えばCPU)と記憶資源(例えばメモリ)を有する計算機である。中央サーバ11は、例えば、中央サーバ11内のプロセッサがコンピュータプログラムを実行することにより、後述の種々の処理を行うことができる。
【0030】
管理DB12は、中央サーバ11に接続されている記憶装置に格納されている。管理DB12には、後述するように、ローカルシステム20,30及び40から収集された全ての保険契約情報(以下、保険契約情報群)が格納される。
【0031】
図2は、システム間の関係を示す。
【0032】
図2(a)に示すように、ローカルシステム20,30及び40同士は、通信可能に接続されておらず、それ故、互いに通信できない。一方、図2(b)に示すように、中央システム10と各ローカルシステム20,30及び40同士は、通信可能に接続されていて、それ故、互いに通信できる。つまり、各ローカルシステム20,30及び40は、中央システム10とのみ通信可能であり、中央システム10は、全てのローカルシステム20,30及び40と通信可能である。このような制御は、例えば、グループVPN(Virtual Private Network)で実現可能である。
【0033】
以上のような保険契約調査システムにおいて、ユーザ所望の対象者の全ての保険契約の情報をユーザに提供する保険契約情報提供処理が行われる。以下、図3〜図5を参照して、その処理を説明する。なお、以下の説明では、ユーザ所望の対象者(又はユーザ自身)がA社の保険と契約している者であることから、A社のWEBサーバ801が利用されることとする。
【0034】
図3に示すように、まず、ユーザは、ユーザ端末803を使用して、A社のWEBサーバ801が提供する、A社のトップページ画面900にアクセスする。そして、ユーザは、その画面900上の「保険契約マイページ」のバナー801を指定(クリック)する。
【0035】
すると、ユーザ端末803には、WEBサーバ801から提供されるログイン画面910が表示される。
【0036】
ユーザは、ログイン画面9110に、ID及びパスワードといった、対象者のログイン情報を入力し、ログインボタン911を押す。
【0037】
WEBサーバ801は、それに応答して、入力されたログイン情報を用いて顧客DB899を参照し、ログイン情報に対応した対象者(個人情報)の有無を判断する。顧客DB899は、A社の顧客の個人情報及びログイン情報のセットが含まれているデータベースである。
【0038】
その判断の結果が肯定的であれば、対象者が認証されたことになる。その場合、WEBサーバ801が、マイページ画面920を表す情報をユーザ端末803に送信する。ユーザ端末803に、マイページ画面920が表示される。マイページ画面920は、ログイン情報に対応した対象者に専用のWEBページの画面である。
【0039】
マイページ画面920は、「契約情報の収集・照会」ボタン921を有している。ユーザは、「契約情報の収集・照会」ボタン921を押す。つまり、ユーザは、対象者の契約情報の収集及び照会を依頼する。本実施形態において、契約情報の収集は、バッチで行われる。このため、ユーザにとってはここで一旦処理が完了し、ユーザは、後の(例えば、数分後、数時間後、或いは数日後の)情報提供を待つことになる。
【0040】
「契約情報の収集・照会」ボタン921が押された場合、WEBサーバ801が、契約情報収集要求を共通サーバ24に送信する。共通サーバ24が、契約情報収集要求を受信し、その要求を、中央サーバ11に送信する。契約情報収集要求は、対象者が契約者となっている保険契約の情報を収集することの要求であり、その要求は、対象者の識別情報を有する。対象者の識別情報(例えば氏名及び生年月日)は、例えば、ログイン情報を基に顧客DB899から特定された個人情報に含まれている情報である。
【0041】
中央サーバ11は、WEBサーバ801から契約情報収集要求を受信する。そのとき、中央サーバ11は、例えば、中央サーバ11内の記憶資源(例えばメモリ)に、トランザクションID(例えば、受信した収集要求に割り振られた通し番号)と、ローカルシステム毎にステータス「未送出」及び契約情報提供要求とを記憶する。ステータス「未送出」は、そのステータスに対応するローカルシステムに契約情報提供要求が未だ送信されていないことを意味する。契約情報提供要求は、対象者が契約者となっている保険契約の情報を提供することの要求であり、WEBサーバ801からの契約情報収集要求が有する対象者識別情報と同じ識別情報を有する。
【0042】
図4に示すように、各共通サーバ24,34及び44が、システム起動時に又は定期的に、所定の記憶領域(例えば、フォルダ又はDB)をチェックし、その共通サーバを有する保険会社に対する照会依頼の有無を判断する。具体的には、例えば、各共通サーバ24,34及び44が、システム起動時に又は定期的に、その共通サーバに対応するステータスをチェックする。ステータスが「未送出」であり契約情報提供要求がれば、共通サーバは、照会依頼有りと判断する。その際、共通サーバは、ステータスを「未送出」から「回答待ち」に変え、且つ、契約情報提供要求を中央サーバ11から取得する(なお、これに代えて、中央サーバ11が、全てのローカルシステム20,30及び40内の共通サーバ24,34及び44に、契約情報提供要求を、専用ネットワーク100を介して送信しても良い)。
【0043】
共通サーバ24,34及び44は、契約情報収集要求に応答して、その要求が有する対象者識別情報に適合する個人情報を有した保険契約情報を、共通DB22,32及び42から検索する。共通サーバ24,34及び44は、見つかった保険契約情報(前述のフォーマット変換によって、各社個別の仕様に基づく契約情報が、標準化された統一のデータ様式とされた契約情報)を、中央サーバ11に送信する。なお、共通サーバ24,34及び44は、該当する保険契約情報が見つからなかった場合には、契約情報無しを表す情報を中央サーバ11に送信する。
【0044】
中央サーバ11は、共通サーバ24,34及び44から回答情報(該当する保険契約情報、又は、契約情報無しを表す情報)を受信する。中央サーバ11は、その回答情報を、一旦管理DB12に格納し、且つ、その回答情報の送信元ローカルシステムに対応したステータスを「回答待ち」から「回答済み」に変える。なお、ステータスを「回答待ち」から「回答済み」に変えるのは、回答情報の送信元の共通サーバであっても良い。
【0045】
中央サーバ11は、或るトランザクションIDについて全てのステータスが「回答済み」になったことを検出した場合、そのトランザクションIDに対応した全ての回答情報を基に、保険契約一覧情報を作成し、保険契約一覧情報を管理DB12に格納する。保険契約一覧情報は、該当する保険契約情報の集合である。
【0046】
図5に示すように、管理DB12に格納された保険契約一覧情報は、中立機関システム805が有するDB(中立機関DB)601に格納される。例えば、中央サーバ11が、中立機関システム805に、保険契約一覧情報が生成されたことの通知を送り、中立機関システム805が、その通知に応答して、中央サーバ11に保険契約一覧情報を要求することで、保険契約一覧情報を中央サーバ11から受信し中立機関DB601に格納する。
【0047】
中立機関システム805は、ユーザ端末803に、電子メール621を送信する。その電子メール621は、保険契約情報の一覧を見るための画面(WEBページ)のURLを有する。なお、電子メール621の宛先のアドレスは、ユーザが対象者の契約情報の収集及び照会を依頼する際に手で入力したアドレスとすることができる。
【0048】
ユーザ端末803は、そのURLにアクセスする。それにより、ユーザ端末803に、中立機関システム805から保険契約一覧画面850が提供され表示される。その画面850には、中立機関DB601に格納されている保険契約一覧情報に従って、保険契約情報の一覧が表示される。その一覧には、例えば、保険会社の会社名や商品名などが表示される。なお、ユーザは、所望の保険契約について詳細を知りたい場合には、所望の保険契約をユーザ端末803に対して指定する(例えば、所望の保険契約の行をクリックする)。その場合、その保険契約のより詳細な情報が、中立基幹システム805からユーザ端末803に提供され表示される。その詳細な情報も、中立基幹DB601内の保険契約一覧情報に含まれている。
【0049】
以上の通り、本実施形態によれば、ユーザは、対象者が契約している全ての保険契約情報を把握することができる。また、契約者のログイン情報が契約者以外の他人(例えば、受取人、契約者の家族)と共有されれば、例えば、契約者が死亡した場合でも、契約者が契約していた全ての保険をその他人が知ることができる。このように、本実施形態では、「意図しない不払い」が発生してしまうことを防ぐことができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、中央サーバ11によって収集された保険契約情報は、中立機関システム805に取得され、中立機関システム805から、ユーザ端末803に提供される。これにより、A社のWEBページを介して保険契約情報の収集が要求されても、A社以外の保険会社の保険契約情報がA社に参照されてしまわないようにすることができる。
【0051】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をその実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施できる。
【0052】
例えば、ローカルシステムに共通システムが無くても良い。その場合、中央システムが、基幹システムに契約情報提供要求を送信し、基幹システムが、その要求に応答して基幹DBから該当する保険契約情報を取得し、取得した情報を中央システムに提供することができる。
【0053】
また、例えば、保険契約情報それ自体に代えて、どの保険会社に保険契約情報が有るかという情報(つまり、どの保険会社と保険契約がされたかを表す情報)が、中央システム10に収集され、ユーザに提供されても良い。この場合、ユーザは、対象者についての保険契約が存在する可能性のある保険会社を知ることができるので、その保険会社に別途連絡を取って、保険契約が存在するかどうか、現在も有効かどうか等の詳細な情報を問い合わせても良い。
【0054】
また、例えば、様々な保険会社のバックに中立機関システム805が存在していても良い。具体的には、例えば、どの保険会社のマイページ(個人用のWEBページ)を介して照会依頼が出されても、その照会依頼を中立機関システム805で受け付け、中立機関システム805が、照会要求(対象者の保険契約の存在のチェックの要求であって、対象者の識別情報を含んだ要求)を、中央サーバ11に送信して良い。この場合、中央サーバ11が、その照会要求に応答して、複数のローカルシステムから、対象者の保険契約の存在を調査し、調査の結果を表す調査結果情報を管理DB12に書き込んで良い。中立機関システム805が、管理DB12から調査結果情報を取得し、その調査結果情報をユーザ端末803に送信して良い。
【0055】
また、例えば、中立機関システム805のバックに様々な保険会社が存在しても良い。具体的には、例えば、中立機関システム805が、様々な保険会社に共通のマイページ(個人用のWEBページ)をユーザ端末803に提供し、共通のマイページを介して、照会依頼を受けて良い。中立機関システム805が、その照会依頼に応答して、照会要求(対象者の保険契約の存在のチェックの要求であって、対象者の識別情報を含んだ要求)を、中央サーバ11に送信して良い。
【符号の説明】
【0056】
10 中央システム
11 中央サーバ
20,30,40 ローカルシステム
801 WEBサーバ
803 ユーザ端末
805 中立機関システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
専用ネットワークに接続された、複数の保険会社用の複数のコンピュータシステムである複数のローカルシステムと、
前記専用ネットワークに接続されたコンピュータシステムである中央システムと
を有し、
各ローカルシステムが、そのローカルシステムに対応する保険会社の保険の契約情報を記憶しているが、そのローカルシステムに対応する保険会社以外の保険会社の保険の契約情報を記憶しておらず、
前記各ローカルシステムと前記中央システムとの通信は可能であるが、ローカルシステム同士の通信は不可能であり、
前記中央システムが、保険の契約情報の照会要求に応答して、その照会要求から特定された者である対象者が契約者となっている保険の契約の存在を、前記専用ネットワークを介して前記複数のローカルシステムから調査し、その調査の結果を表す調査結果情報を記憶し、
前記中央システムに記憶された調査結果情報が、保険の契約情報の照会を希望したユーザが使用する情報処理端末であるユーザ端末に提供される、
保険契約調査システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記中央システムは、保険の契約の存在の調査として、前記対象者が契約者となっている保険の契約情報を有するローカルシステムから、その保険の契約情報を取得し、
前記調査結果情報は、前記取得された保険の契約情報を有する、
保険契約調査システム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、
前記中央システムに記憶された調査結果情報は、いずれの保険会社のシステムからも参照不可能である、
保険契約調査システム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、
前記ユーザ端末が、所定のWEBページを介して、ログイン情報を用いてログインして、保険の契約情報の照会を希望し、
その希望に応答して、前記照会要求が、前記中央システムに入力され、
前記照会要求は、前記対象者の識別情報を有し、
前記対象者の識別情報は、前記ログイン情報を基に特定される情報であり、
前記中立機関システムが、前記中央システムに記憶された調査結果情報を、前記中央システムから取得し、取得した調査結果情報を前記ユーザ端末に提供する、
保険契約調査システム。
【請求項5】
中央システムが、保険の契約情報の照会要求に応答して、複数の保険会社用の複数のコンピュータシステムである複数のローカルシステムから、前記照会要求から特定された者である対象者が契約者となっている保険の契約の存在を調査し、その調査の結果を表す調査結果情報を記憶するステップと、
前記中央システムに記憶された調査結果情報を、保険の契約情報の照会を希望したユーザが使用する情報処理端末であるユーザ端末に提供するステップと
を有し、
前記専用ネットワークに、前記複数のローカルシステム及び前記中央システムが接続されており、
前記各ローカルシステムが、そのローカルシステムに対応する保険会社の保険の契約情報を記憶しているが、そのローカルシステムに対応する保険会社以外の保険会社の保険の契約情報を記憶しておらず、
前記ローカルシステムと前記中央システムとの通信は可能であるが、ローカルシステム同士の通信は不可能である、
保険契約調査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−203998(P2011−203998A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70551(P2010−70551)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)