説明

信号伝達天板

【課題】複数の通信装置を表面近傍や裏面の開孔・切り欠き近傍に配置することにより、通信装置の間の信号伝達を可能にする信号伝達天板を提供する。
【解決手段】通信シート101aは、天板301に接しない側に通信可能なメッシュ面を向けて配置し、通信シート101bは、開孔302を覆うように、天板301に接する側に通信可能なメッシュ面を向けて配置し、天板301の表面の通信シート101aの上に配置される通信装置と、天板301の裏面から開孔302を貫通して通信シート101bに近接されるインターフェース装置との間で通信を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信装置を表面近傍や裏面の開孔・切り欠き近傍に配置することにより、通信装置の間の信号伝達を可能にする信号伝達天板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2枚のシート状(布状、紙状、箔状、板状、メッシュ状(信号の電磁波長より細かい網目を持つものが典型的である。)など、面としての広がりを持ち、厚さが薄いもの。)導体でシート状の絶縁体を挟み、その間で電磁場を伝達可能にするとともに、シート状導体の一方をメッシュ状にして、その近傍に滲み出るエバネッセント場を介して、近傍に通信装置のインターフェース(異なる場所に2つの電極が配置されたもの)を配置するだけで、信号の出入を可能とするシート状の信号伝達装置が提案されている。たとえば、本願の発明者らによる技術は、以下の文献に開示されている。
【特許文献1】特開2007−082178号公報
【0003】
[特許文献1]に開示される技術においては、シート状導体と、メッシュシート状導体と、が、略平行に離間して配置された信号伝達装置において、メッシュシート状導体の外側近傍の電磁場(エバネッセント場)の変化を介して、インターフェースと通信し、シート状導体とメッシュシート状導体との間の電磁場は、メッシュシート状導体の外側近傍の電磁場にともなって変化し、インターフェースの2つの電極の間の電圧は、メッシュシート状導体の外側近傍の電磁場にともなって変化するようにして、信号伝達装置とインターフェースとの間、もしくは、信号伝達装置を介したインターフェース同士の間の通信が可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシート状の信号伝達装置を、天板を有する家具に設置するにあたっては、天板の上で作業をする際の利便を考慮して、平面性が要求される。一方で、信号伝達装置の設置コストをできるだけ低減したい、という要望も強い。
【0005】
本発明は、複数の通信装置を表面近傍や裏面の開孔・切り欠き近傍に配置することにより、通信装置の間の信号伝達を可能にする信号伝達天板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係る信号伝達天板は、表面から裏面へ貫通する開孔もしくは切り欠きを有する天板、天板の表面に設置される第1のシート状信号伝達装置、天板の表面に、当該開孔もしくは切り欠きを覆い、第1のシート状信号伝達装置の周縁に周縁が接するように設置される第2のシート状信号伝達装置を備え、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、は、いずれも、所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、第1のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、天板に接するように設置され、第2のシート状信号伝達装置は、当該メッシュシート状導体が、天板に接して当該裏面に露出するように設置され、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、の、メッシュシート状導体と、シート状導体と、の間の電磁場を変化させて信号を伝達し、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第1の通信装置が、当該近傍で電磁場を変化させると、当該変化を第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、が、当該メッシュシート状導体と当該シート状導体の間で伝達し、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第2の通信装置が、当該近傍の電磁場の変化を検出して、当該第1の通信装置と当該第2の通信装置との間で信号を伝達するように構成する。
【0008】
また、本発明の信号伝達天板において、天板の表面に、当該天板の所定の中心線に対して、第1のシート状信号伝達装置と対称に設置される第3のシート状信号伝達装置をさらに備え、当該開孔もしくは切り欠きは、当該中心線において表面から裏面へ貫通し、第3のシート状信号伝達装置は、当該所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、第3のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、天板に接するように設置され、第3のシート状信号伝達装置の周縁は、第2のシート状信号伝達装置の周縁に接するように設置され、当該第1の通信装置と、当該第2の通信装置と、の、いずれか少なくとも1つは、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置されるのにかえて、第3のシート状信号伝達装置の当該メッシュシート状導体の近傍に設置されるように構成することができる。
【0009】
本発明のその他の観点に係る信号伝達天板は、天板、天板の表面に設置される第1のシート状信号伝達装置、天板の表面に、第1のシート状信号伝達装置の周縁に周縁が接するように設置される第2のシート状信号伝達装置を備え、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、は、いずれも、所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、は、当該シート状導体が、天板に接するように設置され、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、の、メッシュシート状導体と、シート状導体と、の間の電磁場を変化させて信号を伝達し、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第1の通信装置が、当該近傍で電磁場を変化させると、当該変化を第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、が、当該メッシュシート状導体と当該シート状導体の間で伝達し、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第2の通信装置が、当該近傍の電磁場の変化を検出して、当該第1の通信装置と当該第2の通信装置との間で信号を伝達するように構成する。
【0010】
また、本発明の信号伝達天板において、天板の表面に、当該天板の所定の中心線に対して、第1のシート状信号伝達装置と対称に設置される第3のシート状信号伝達装置をさらに備え、第3のシート状信号伝達装置は、当該所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、第3のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、天板に接するように設置され、第3のシート状信号伝達装置の周縁は、第2のシート状信号伝達装置の周縁に接するように設置され、当該第1の通信装置と、当該第2の通信装置と、の、いずれか少なくとも1つは、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置されるのにかえて、第3のシート状信号伝達装置の当該メッシュシート状導体の近傍に設置されるように構成することができる。
【0011】
また、本発明の信号伝達天板において、第1のシート状信号伝達装置と、第2のシート状信号伝達装置と、の、シート状導体は、いずれも、当該メッシュシート状導体と同形のメッシュであるように構成することができる。
【0012】
また、本発明の信号伝達天板において、信号伝達天板であって、第2のシート状信号伝達装置のシート状導体は、当該メッシュシート状導体と同形のメッシュであるように構成することができる。
【0013】
また、本発明の信号伝達天板において、当該天板は、第1のシート状信号伝達装置が配置された第1の小天板と、第3のシート状信号伝達装置が配置された第2の小天板と、の辺を接合してなり、当該第1の小天板と、当該第2の小天板と、の少なくとも一方は、当該接合辺に切り欠きを有し、第2のシート状信号伝達装置は、当該第1の小天板と、当該第2の小天板と、の、接合辺を跨いで、当該接合辺に有する切り欠きを覆うように設置されるように構成することができる。
【0014】
また、本発明の信号伝達天板において、第2のシート状信号伝達装置のメッシュシート状導体に近接される通信装置は、当該メッシュシート状導体に近接されるインターフェース部と、当該インターフェース部から延長されるケーブル部と、当該ケーブル部に接続されるアクセスポイント部と、を有し、インターフェース部にて検知された電圧の変化をケーブル部を介してアクセスポイント部に伝達し、アクセスポイント部により出力される電圧の変化をケーブル部を介してインターフェース部に伝達して、当該信号伝達天板を介した通信を行うように構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の通信装置を表面近傍や裏面の開孔・切り欠き近傍に配置することにより、通信装置の間の信号伝達を可能にする信号伝達天板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【実施例1】
【0017】
(通信シート)
図1は、本発明において利用される通信シートとインターフェース装置の構造を説明する断面図である。以下、本図を参照して説明する。
【0018】
通信シート101は、シート状導体102と、メッシュシート状導体103と、に、シート状絶縁体104が挟まれたシート状の形状をしている。ここで、「導体」および「絶縁体」とは、信号伝達に用いる周波数の電磁波に対して「導体」ならびに「絶縁体」として機能する、の意味である。したがって、「導体」は必ずしも金属でなくとも良い。
【0019】
また、「シート状」とは、布状、紙状、箔状、板状、メッシュ状など、面としての広がりを持ち、厚さが薄いものを意味する。「メッシュシート状」とは、信号の電磁波長より細かい網目を持つものが典型的であるが、必ずしも網に限るものではなく、たとえば金属箔に多数の孔を設ける等の手法によって構成することもできる。網目や孔は、シート状導体102とメッシュシート状導体103とに挟まれた領域の電磁波によるエバネッセント場が外部に生じる程度のサイズとすることになる。
【0020】
シート状導体102は、「メッシュシート状」とすることもできるが、理解を容易にするため、以下では、エバネッセント場が一方の面に生じる典型的な例を考え、シート状導体102は、「箔状」であり、開孔がないものとする。
【0021】
また、本図に示す通信シート101全体は、絶縁体膜105で覆われ、また、当該絶縁体膜105が、メッシュシート状導体102の開孔部分を充填して、シート状絶縁体104と接している。したがって、シート状導体102、メッシュシート状導体103とが互いに絶縁されているほか、外部とも絶縁されていることになる。絶縁体膜105の厚さは、2つの通信シート101の側面同士を密接させた場合に、両者が一体となって電磁場を構成する程度の薄いものとすることが望ましい。
【0022】
なお、あらかじめ絶縁体膜105を皮膜とした構成を採用するのが典型的であるが、施工の手法によっては、必ずしも絶縁体膜105は必要ではない。たとえば、通信シート101が設置される場所(本実施形態では、机の天板を想定している)が絶縁体であり、通信シート101の上に絶縁体からなる化粧板を載せる場合等である。
【0023】
このような通信シート101のメッシュシート状導体103側の面に対してインターフェース装置111を近接させる。本図では、見易さを考慮して両者を少々離間させて図示しているが、実際には、密着させるのが典型的である。
【0024】
インターフェース装置111は、2つの電極112a、112bを有し、エバネッセント場を通信シート101から引き出す役割を果たす。2つの電極112a、112bは、同軸ケーブル113等のケーブルを経由して、各種のコンピュータに接続される。
【0025】
ここで、電極112a、112bの間の電圧を変化させれば、通信シート101内のシート状導体102とメッシュシート状導体103の間に電磁波が生じるし、通信シート101内のシート状導体102とメッシュシート状導体103の間に電磁波が生じれば、電極112a、112bの間の電圧が変化する。
【0026】
インターフェース装置111は、持ち運び可能なコンピュータの下面側に埋め込んでコンピュータと一体としても良いし、単独のコネクタとして、USB(Universal Serial Bus)経由やPC(Personal Computer)カード経由でネットワーク接続を実現することとしても良いし、各種のネットワークケーブルを介してコンピュータ内のネットワークインターフェース装置と接続し、通信可能とするのでも良い。
【0027】
インターフェース装置111は、これを制御するコンピュータ等と一体となって、通信装置として機能することとなる。これによって、通信シート101を介した通信装置同士の情報伝達が可能となる。これらは[特許文献1]に開示される技術に関連するものであり、当該文献に開示される技術を、適宜、本発明に適用することもできる。
【0028】
図2は、複数の通信シートを連結する手法を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
【0029】
本図(a)は、2枚の面積の異なる通信シート101a、101bの側面を接触させて、その上面は同一平面上にあり、全体として平面状となっている。通信シート101aでは、上面側をメッシュシート状導体103としており(本図では白色で示す。以下同様)、通信シート101bは、上面側をシート状導体102としている(本図では灰色で示す。以下同様)。
【0030】
したがって、通信をするためには、インターフェース装置111は、通信シート101aの上面、もしくは、通信シート101bの下面に配置すれば良いことになる(上記のように、シート状導体102としてメッシュシート状のものを利用した場合には、いずれの面でも通信可能である)。
【0031】
本図に示す例では、通信シート101aが大きく通信シート101bが小さいから、電源コード等のケーブルを通過させるための開孔や切り欠きが設けられている天板においては、当該開孔や切り欠きを覆うように通信シート101bを配置し、通信シート101aは天板の大半を覆うように配置し、インターフェース装置111を天板の開孔や切り欠きを通じて露出している通信シート101bのメッシュシート状導体103付近に設置して、LAN(Local Area Network)に接続しておく。
【0032】
通信シート101a、101bは側面が接しており、絶縁体膜105が存在する場合であっても、その厚さがエバネッセント場の漏れ出しの程度に比べて十分に薄ければ、通信シート101aのシート状導体102と通信シート101bのメッシュシート状導体103は実質的に一つの導体板として機能し、通信シート101bのシート状導体102と通信シート101bのメッシュシート状導体103は実質的に一つの導体板として機能する。したがって、通信シート101a、101bの全体は、「1つの通信シート」として機能する、と考えることができる。
【0033】
そこで、インターフェース装置111を内蔵した持ち運び可能なコンピュータを通信シート101aの上面側に近接させると、当該コンピュータを、LANに接続することが可能になるのである。
【0034】
本図(b)は、通信シート101a、101bの位置関係を変更した形態である。両者の側面が接していれば、天板に設けられた開孔や切り欠きの位置に応じて両者の位置を変更することができる。
【0035】
本図(c)は、3枚の通信シート101a、101b、101cを「1つの通信シート」として機能させる例を示すものである。通信シート101aと通信シート101cは略同形で面の向きは同じになっている。その間を通信シート101bが接続している形となっており、全体としては、H字形になっている。
【0036】
本図(d)は、長方形型の通信シートの端部を切り欠き状に切断して残余部分と切断部分から2枚の通信シート101a、101bを作り、一方を裏返して嵌め込むことで、全体としては長方形型としたものである。
【0037】
本図(e)は、長方形型の通信シートの中央部に開孔を設けるように切断して、残余部分と切断部分から2枚の通信シート101a、101bを作り、全体としては長方形型としたものである。
【0038】
一般に、切断形状を表裏対称にしておけば、1枚の通信シートを2つのパーツに分割して、一方を裏返して接合することができる。
【0039】
また、本図(d)(e)の例では、切断部分をそのまま嵌め込んでいるが、本図(f)のように、切断部分をさらに小さくカットして、その一部だけを嵌め込むこととしても良い。このようにすると、開孔201が得られることになるが、この開孔201は、たとえば電源ケーブルなどを通過させたり、電源等のコンセントや各種ソケットなどを取り付けるために利用することができる。
【0040】
また、本図(f)では、小さい通信シート101bを図中右に寄せて、開孔201を1つだけ図中左に設けているが、たとえば中央に通信シート101bを配置して、開孔を2つ設けることとし、左右にコンセントを設けるなどの変形を行うことも可能である。
【0041】
本図(a)〜(f)に示す例では、いずれも、通信シートの上面が平面状となっているから、天板の上に設置したとしても、机として利用する場合の作業効率は維持されることになる。
【0042】
(通信シートを設置した天板)
以下では、上記の通信シート(信号伝達装置)を設置した天板(信号伝達天板)について説明する。この天板は、通常の天板同様に、脚をとりつけることによって机やテーブル、炬燵等の家具にすることができるほか、その表面や裏面開孔・裏面切り欠きの近傍にインターフェース装置111を近接させるだけで信号の伝達ができる機能を有する。
【0043】
図3は、通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【0044】
本図(a)は、図2(a)に示す通信シート101a、101bを天板301に設置しようとする位置関係を示すものである。天板301には、通信シート101bに対応する位置に、小さい開孔302が設けられている。本図(b)は、通信シート101a、101bを天板301の表面に設置した後の位置関係を示すものである。通信シート101bは、開孔302を覆っている。
【0045】
図4は、通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【0046】
本図(a)は、図2(c)に示す通信シート101a、101b、101cを天板301に設置しようとする位置関係を示すものである。天板301には、通信シート101bに対応する位置に、小さい開孔302が設けられている。開孔302は、天板301の中心線303の途中にある。本図(b)は、通信シート101a、101b、101cを天板301の表面に設置した後の位置関係を示すものである。通信シート101bは、開孔302を覆っている。
【0047】
本例は、1枚の天板をユーザが向かい合うように座って利用する場合に好適な例であり、天板301の中心線303の両端近くには、パーティション用部材401(本図では点線で示す)を支持するための連結孔402も設けられている。
【0048】
図5は、通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【0049】
本図(a)は、図2(f)に示す通信シート101a、101bを天板301に設置しようとする位置関係を示すものである。天板301には、通信シート101bに対応する位置に、小さい開孔302が設けられている。開孔302は、天板301の中心線303の途中にある。本図(b)は、通信シート101a、101bを天板301の表面に設置した後の位置関係を示すものである。通信シート101bは、開孔302を覆っており、通信シート101aは、天板301の略全体を覆っている。
【0050】
本図(c)は、天板301にさらに追加天板501a、501bを接続して、図4に示す態様に類似する天板を構成する手法を示すものである。
【0051】
ここで、天板301に通信シート101a、101bを載せた厚さと、追加天板501a、501bの厚さと、を等しくしておくと、その表面は略平面となり、各種の作業効率がより一層向上すると考えられる。
【0052】
また、この態様では、通信シート101a、101bは絶縁体膜105を有しない構成としておき、絶縁化粧板で、追加天板501a、501bおよび通信シート101a、101bの上面全面を覆うようにすることも可能である。この際には、天板301の裏面開孔302には、メッシュシート状導体103の導体がそのまま露出することとなるが、開孔302のサイズをインターフェース装置111がちょうど嵌合するようにしておくことで、導体をカバーすることができる。
【0053】
天板301としては、一枚の板を利用することができるほか、各種の開孔や切り欠きを設けた家具の天板を利用することも可能である。また、通信シート101bを裏返さずに、メッシュシート状導体103の面を上面にするように設置して、LANに接続されるインターフェース装置111が机上に見えるような形で設置するような態様を採用しても良い。また、シート状導体102としてメッシュシート状のものを利用する場合には、天板の表面からも裏面からも、いずれにインターフェース装置111を近接させても、通信が可能となる。
【0054】
このほか、天板301や、天板301に追加天板501a、501bを組み合わせたものに対しては、適宜公知の技術によって、支持梁や脚を連結することによって机を構成することができる。また、通信シート101bに覆われる開孔や切り欠きの裏側には、インターフェース装置111やケーブル類を設置するための樋を設けることで、装置の設置や引き回しの煩雑さを低減することができるようになる。
【0055】
なお、会社の社屋等では、机を隣り合わせて配置することが広く行われているが、この際に、机の天板301上の通信シート101aの側面が互いに接し、高さが一致するように配置するだけで、複数の天板301上の通信シート101aを連結して、全体として「1つの通信シート」として利用することも可能である。
【0056】
また、机の高さに差がある場合には、通信シート101aの絶縁体膜105を、その端部で除去できるようにしておき、通信シート101aの対応するシート状導体102同士、メッシュシート状導体103同士を接続するように通信シート101aを挟み込むコネクタを利用しても良い。
【0057】
(位置推定装置)
通信シート101aのメッシュシート状導体103に近接させるインターフェース装置111は、上記のような、持ち運び可能なコンピュータや、自身が電源を持っているようなアクティブ型のIC(Integrated Circuit)カードのほか、通信シート101aのエバネッセント場の変化によって充電を行い、通信シート101aを介しての問い合わせに対して返答を行うようなパッシブ型のRFID(Radio Frequency IDentification)などの通信装置とすることができる。
【0058】
このような通信装置は、社員証や、各種書類をまとめておくドキュメントボックスの底面などに埋め込むことが可能である。したがって、社員証やドキュメントボックスの底面に埋め込まれたRFIDを検知して、誰がログインしているのか、どの文書が使用されているのか、を検知することができる。
【0059】
通信シート101bに近接されるインターフェース装置111およびこれに接続されるコンピュータは、いわゆるアクセスポイントとして機能するため、社員やドキュメントボックスの所在は、アクセスポイント単位で同定することができる。すなわち、どの天板(机)に誰がいるのか、どの天板(机)でどの文書が閲覧されているのか、を同定することができる。
【0060】
一方、上記実施形態では、通信シート101aの形状としては、多くの場合、帯状の長い長方形を採用しており、天板のサイズについても、複数人で利用するようなものを用意することがありうる。また、机同士を隣接させて、複数の通信シート101aを連結し、これを1つのインターフェース装置111(すなわち、一つのアクセスポイント)で管理することがありうる。
【0061】
そこで、本実施形態では、このような場合に対応して、RFID等のより細かい位置の推定を行うものとする。
【0062】
一般に、RFID等を利用する場合には、アクセスポイントが定期的に存在を問い合わせる信号を出力する。そして、RFIDが、これに応答することによって、アクセスポイントにその存在を通知し、アクセスポイントとRFIDとの通信路が確立される。
【0063】
本実施形態では、アクセスポイントからRFIDへ存在確認要求信号を送信し、RFIDがこれを受信すると、直ちに存在確認応答信号をアクセスポイントへ送信する、という態様を採用する。
【0064】
アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111と、RFIDを構成するインターフェース装置111との間で、通信シート101a、101bにより挟まれる領域を伝搬する電磁波によって通信が行われるから、アクセスポイントが存在確認要求信号を送信してから、存在確認応答信号を受信するまでの経過時間は、2つのインターフェース装置111同士の距離に1次関数的な関係にあるものと考えられる。
【0065】
一方、上記のように、通信シート101aの形状は、略長方形であるから、通信シート101bが通信シート101aに接触する位置を、通信シート101aの端部とすれば(たとえば、図2(d)のような場合が典型的である)、アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111は通信シート101aの端部となる。したがって、RFIDを構成するインターフェース装置111の、通信シート101aの長手方向に対する位置が推定できるのである。
【0066】
以下のような実測による準備を行う。すなわち、通信シート101aにおけるRFIDの位置候補を複数通り想定する。典型的には、通信シート101aの長手方向に、複数箇所等間隔に設定する。
【0067】
そして、その位置候補のそれぞれに対して、RFIDを配置して、アクセスポイントとRFIDとの間の通信を確立させる。
【0068】
その後に、両者の間で何回か、存在確認要求信号と存在確認応答信号のやりとりを行って、上記の経過時間の平均を計測する。
【0069】
すると、経過時間とRFID位置との組み合わせが複数得られることになる。このようにして、組み合わせのデータが得られた後に、運用を開始する。
【0070】
すなわち、アクセスポイントがRFIDの存在を検知したら、両者の間で何回か、存在確認要求信号と存在確認応答信号のやりとりを行って、上記の経過時間の平均を計測する。
【0071】
そして、組み合わせデータと計測された経過時間の平均とを対比して、最も近いデータにおける位置を、当該RFIDの位置と推定する。あるいは、組み合わせのデータから、計測された経過時間平均における位置を補間(もともとの誤差を考慮すると、線形補間で十分であると考えられるが、その他の補間手法を採用しても良い。)して、当該補間値を推定位置としても良い。
【0072】
このようにして、RFIDの位置が推定できることとなった場合には、RFIDが埋め込まれる社員証や持ち運び可能なコンピュータ、ドキュメントボックスが利用されている状況を監視することができるようになる。
【0073】
一般に、コンピュータの制御や機械的な設定によって向きを変化させながら撮影を行う監視カメラを利用すると、注目したい場所以外の画像が大量に撮影されてしまい、注目したい場所がその中に埋もれてしまう、という問題が生じる。また、必要性が低い画像をハードディスクなどに保存することになるため、記憶域を圧迫する、という問題も生じる。
【0074】
上記のように、RFIDの位置が推定できれば、
(1)監視カメラの向きをソフトウェア的な制御によって変化させることができるのであれば、積極的にRFIDの位置の方向にカメラの向きを変化させて撮影を行う。複数RFIDがある場合には、一定の時間おきに、順にRFIDの位置を辿るように、カメラの向きを制御する。あるいは、
(2)監視カメラの向きが機械的な設定によって定められ、変更できない場合には、カメラの向きが一定の周期で変化することになる。そこで、その周期の中で、撮影される対象となる位置がどこであるかの情報、をあらかじめ用意しておく。そして、カメラが撮影した画像のうち、RFIDが検出された位置の方向にカメラが向いていた時刻に撮影されたもののみを、ハードディスク等に保存する。
のような制御が可能となる。
【0075】
図6は、上記のような処理を行う監視装置の概要構成を示す模式図である。当該監視装置は、上記の信号伝達天板およびRFID等の通信装置と組み合わせて使うことで、全体として、位置推定装置として機能する。
【0076】
監視装置601において、インターフェース装置111は、天板301の開孔内で、メッシュシート状導体103に近接されて配置される。
【0077】
また、当該インターフェース装置111から伸びる同軸ケーブル113は、つかさどるNIC(Network Interface Card)602に接続されている。
【0078】
送受信部603は、NIC 602を介してRFIDとの通信を確立するとともに、存在確認要求信号の送信と存在確認応答信号の受信を行う。
【0079】
時間差計測部604は、存在確認要求信号の送信と存在確認応答信号の受信の時間差の平均を計測する。
【0080】
位置情報記憶部605には、時間差の代表値と位置との組が複数記憶されている。
【0081】
位置推定部606は、時間差計測部604が計測した時間差の平均と、位置情報を記憶部605に記憶される情報とを対比して、RFIDの位置を推定する。
【0082】
撮影制御部607は、推定されたRFIDの位置にカメラ608の向きを移動させて撮影させ、もしくは、カメラ608の向きが推定されたRFIDの位置に向いている瞬間に撮影を行わせて、撮影された画像を画像情報記憶部609に記憶させる。
【0083】
ここで、送受信部603、時間差計測部604、位置推定部606、撮影制御部607は、CPU(Central Processing Unit)が所定のプログラムを実行することにより実現されるのが一般的である。
【0084】
また、位置情報記憶部605および画像情報記憶部609は、ハードディスク等により実現されるのが一般的である。
【0085】
図7は、監視システムのイメージ図である。以下、本図を参照して説明する。
【0086】
机の天板301の上には、帯状の通信シート101aと通信シート101bが設置されており、通信シート101bは、天板301の端部の開孔(図示せず)を通じて、監視装置601に接続されている。
【0087】
通信シート101aの上には、通信シート101bから見て、社員証701、ドキュメントボックス702、コンピュータ703の順に遠ざかるような位置に置かれている。したがって、存在確認要求信号の送信と存在確認応答信号の受信の時間差は、この順に長くなる。
【0088】
監視装置601のカメラ608は、上空に設置されており、天板301の上を撮影する。
【0089】
このような実施形態を採用することにより、ハードディスクの使用量を抑えつつ、適切に利用状況の監視を行うことができる。
【0090】
なお、このほかの利用権限管理システムと本システムとを同時利用することも可能である。
【0091】
たとえば、ドキュメントボックスを入れておくロッカーの棚板に、本実施形態の信号伝達天板を利用することで、ロッカーの中にドキュメントボックスが入っているか、それとも持ち出されたか、を監視することができる。
【0092】
また、ある社員がドキュメントボックスを閲覧したい場合には、社員証を用いて利用の届出を利用権限管理システムに対して行った後に、当該ドキュメントボックスをロッカーから持ち出し、自分の机の上に置く。
【0093】
この際に、自分の社員証、もしくは、自分が利用していることが利用権限管理システムに登録されているコンピュータが、ドキュメントボックスの近くに置かれているか否かを、上記の位置推定によって確認し、もしこれらの場所が離れていれば、社員の利用状況が不適切であると判断して、警告メッセージや警告メールを発することとする。
【実施例2】
【0094】
以下では、上記実施例の種々の変形例について説明する。
【0095】
上記実施形態では、主として通信シート101a、101bが貼付される天板301は1枚の板から構成されているが、天板301を通信シートが貼付される複数の小天板をその辺で接合することによって構成することも可能である。
【0096】
図8は、通信シートが貼付される複数の小天板をその辺で接合することにより構成される信号伝達天板の構成を説明する説明図である。以下、本図を参照して説明する。なお、本図においては、理解を容易にするため、通信シートの厚さは無視して図示している。
【0097】
本図(a)は、接合前の様子を示す。小天板801aには、これよりも面積が小さい通信シート101aが、メッシュシート状導体103の側の面を露出するように貼付されている。
【0098】
小天板801cには、これよりも面積が小さい通信シート101cが、メッシュシート状導体103の側の面を露出するように貼付されている。
【0099】
小天板801a、801cには、両者が接合する側の辺に切り欠き802a、802cが設けられている。
【0100】
本図(b)は、両者を接合した様子を示す。小天板801a、801cが一体となって天板301を構成し、切り欠き802a、802cが開孔302を構成する。なお、切り欠き802a、802cは、いずれか一方のみを用意することとしても、開孔302を構成することが可能である。
【0101】
また、切り欠き802aを有する小天板801aとこれに貼付される通信シート101a、ならびに、切り欠き802cを有する小天板801cとこれに貼付される通信シート101cは、互いに同形としておけば、大量生産が可能であり、製造コストを低下させることが可能である。この場合には、切り欠き802a、802cは、これらが設けられる辺の中央に配置することが望ましい。
【0102】
本図(c)は、信号伝達装置の完成図である。通信シート101bは、この開孔302を覆い、通信シート101a、101cと辺を接するように、通信シート101bを天板301aに貼付する。すなわち、通信シート101bは、小天板801a、801cの接合辺を跨ぎ、切り欠き802a、802cを覆うことになる。本例では、通信シート101bは、メッシュシート状導体103側の面は切り欠き802a、802cに露出するように貼付されているので、アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111は、天板301の下面から当該切り欠き802a、802cを貫通して通信シート101bは、メッシュシート状導体103に近接されるのが典型的である。
【0103】
なお、通信シート101bのシート状導体102をメッシュシート状としておけば、天板301の表面(上面)と裏面(下面)のいずれにも、アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111を配置することができる。この場合には、ケーブルの接続状況を容易に変更することが可能となるため、たとえば、ネットワークの構成が頻繁に変更されうるオフィスなどに好適である。
【0104】
また、アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111が近接される通信シート101bは、通信シート101a、101c等と同様に、天板301に貼付されない側の面をメッシュシート状導体103としても良い。この場合は、アクセスポイントに接続されるインターフェース装置111は、天板301により構成される机の表面(上面)に配置されることになる。これは、天板301に切り欠きや開孔を設けたくない場合等に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上説明したように、本発明によれば、複数の通信装置を表面近傍や裏面の開孔・切り欠き近傍に配置することにより、通信装置の間の信号伝達を可能にする信号伝達天板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明において利用される通信シートとインターフェース装置の構造を説明する断面図である。
【図2】複数の通信シートを連結する手法を示す説明図である。
【図3】通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【図4】通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【図5】通信シートを設置した天板の実施例を示す説明図である。
【図6】監視装置の概要構成を示す模式図である。
【図7】監視システムのイメージ図である。
【図8】他の構成に係る信号伝達天板の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0107】
101 通信シート
102 シート状導体
103 メッシュシート状導体
104 シート状絶縁体
105 絶縁体膜
111 インターフェース装置
112 電極
113 同軸ケーブル
201 開孔
301 天板
302 開孔
303 中心線
401 パーティション用部材
402 連結孔
501 追加天板
601 監視装置
602 NIC
603 送受信部
604 時間差計測部
605 位置情報記憶部
606 位置推定部
607 撮影制御部
608 カメラ
609 画像情報記憶部
701 社員証
702 ドキュメントボックス
703 コンピュータ
801 小天板
802 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面から裏面へ貫通する開孔もしくは切り欠きを有する天板、
前記天板の表面に設置される第1のシート状信号伝達装置、
前記天板の表面に、当該開孔もしくは切り欠きを覆い、前記第1のシート状信号伝達装置の周縁に周縁が接するように設置される第2のシート状信号伝達装置
を備える信号伝達天板であって、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、は、いずれも、所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、
前記第1のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、前記天板に接するように設置され、
前記第2のシート状信号伝達装置は、当該メッシュシート状導体が、前記天板に接して当該裏面に露出するように設置され、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、の、メッシュシート状導体と、シート状導体と、の間の電磁場を変化させて信号を伝達し、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第1の通信装置が、当該近傍で電磁場を変化させると、当該変化を前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、が、当該メッシュシート状導体と当該シート状導体の間で伝達し、前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第2の通信装置が、当該近傍の電磁場の変化を検出して、当該第1の通信装置と当該第2の通信装置との間で信号を伝達する
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項2】
請求項1に記載の信号伝達天板であって、
前記天板の表面に、当該天板の所定の中心線に対して、前記第1のシート状信号伝達装置と対称に設置される第3のシート状信号伝達装置
をさらに備え、
当該開孔もしくは切り欠きは、当該中心線において表面から裏面へ貫通し、
前記第3のシート状信号伝達装置は、当該所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、
前記第3のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、前記天板に接するように設置され、
前記第3のシート状信号伝達装置の周縁は、前記第2のシート状信号伝達装置の周縁に接するように設置され、
当該第1の通信装置と、当該第2の通信装置と、の、いずれか少なくとも1つは、前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置されるのにかえて、前記第3のシート状信号伝達装置の当該メッシュシート状導体の近傍に設置される
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項3】
天板、
前記天板の表面に設置される第1のシート状信号伝達装置、
前記天板の表面に、前記第1のシート状信号伝達装置の周縁に周縁が接するように設置される第2のシート状信号伝達装置
を備える信号伝達天板であって、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、は、いずれも、所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、は、当該シート状導体が、前記天板に接するように設置され、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、の、メッシュシート状導体と、シート状導体と、の間の電磁場を変化させて信号を伝達し、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第1の通信装置が、当該近傍で電磁場を変化させると、当該変化を前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、が、当該メッシュシート状導体と当該シート状導体の間で伝達し、前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置された第2の通信装置が、当該近傍の電磁場の変化を検出して、当該第1の通信装置と当該第2の通信装置との間で信号を伝達する
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項4】
請求項3に記載の信号伝達天板であって、
前記天板の表面に、当該天板の所定の中心線に対して、前記第1のシート状信号伝達装置と対称に設置される第3のシート状信号伝達装置
をさらに備え、
前記第3のシート状信号伝達装置は、当該所定厚のシート状絶縁体を挟むシート状導体と、メッシュシート状導体と、を有し、
前記第3のシート状信号伝達装置は、当該シート状導体が、前記天板に接するように設置され、
前記第3のシート状信号伝達装置の周縁は、前記第2のシート状信号伝達装置の周縁に接するように設置され、
当該第1の通信装置と、当該第2の通信装置と、の、いずれか少なくとも1つは、前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、のうち、いずれかのメッシュシート状導体の近傍に設置されるのにかえて、前記第3のシート状信号伝達装置の当該メッシュシート状導体の近傍に設置される
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項5】
請求項1または3に記載の信号伝達天板であって、
前記第1のシート状信号伝達装置と、前記第2のシート状信号伝達装置と、の、シート状導体は、いずれも、当該メッシュシート状導体と同形のメッシュである
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の信号伝達天板であって、
前記第2のシート状信号伝達装置のシート状導体は、当該メッシュシート状導体と同形のメッシュである
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項7】
請求項2または4に記載の信号伝達天板であって、
当該天板は、前記第1のシート状信号伝達装置が配置された第1の小天板と、前記第3のシート状信号伝達装置が配置された第2の小天板と、の辺を接合してなり、
当該第1の小天板と、当該第2の小天板と、の少なくとも一方は、当該接合辺に切り欠きを有し、
前記第2のシート状信号伝達装置は、当該第1の小天板と、当該第2の小天板と、の、接合辺を跨いで、当該接合辺に有する切り欠きを覆うように設置される
ことを特徴とする信号伝達天板。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の信号伝達天板であって、
前記第2のシート状信号伝達装置のメッシュシート状導体に近接される通信装置は、当該メッシュシート状導体に近接されるインターフェース部と、当該インターフェース部から延長されるケーブル部と、当該ケーブル部に接続されるアクセスポイント部と、を有し、前記インターフェース部にて検知された電圧の変化を前記ケーブル部を介して前記アクセスポイント部に伝達し、前記アクセスポイント部により出力される電圧の変化を前記ケーブル部を介して前記インターフェース部に伝達して、当該信号伝達天板を介した通信を行う
ことを特徴とする信号伝達天板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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