説明

信号処理装置及び方法、並びにプログラム

【課題】画面分割表示数、及び子画面に表示可能とする信号切換装置内部信号の数が増えても回路規模の増大を抑制して多画面分割表示ができるようにする。
【解決手段】 信号処理部123は、入力信号変換部121により入力された複数の映像信号に対し、信号処理を施す。複数のサブ多画面分割表示信号生成部164は、信号処理が施された複数の映像信号、及び信号処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号を選択し合成することにより、1以上のサブ多画面分割表示信号を生成する。メイン多画面分割表示信号生成部202は、生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうちQ種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号を選択し合成することにより、多画面分割表示信号を生成する。本発明は、ミックスエフェクト処理部を備えた信号処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、画面分割表示数、及び子画面に表示可能とする信号切換装置内部信号の数が増えても回路規模の増大を抑制して多画面分割表示を実現可能にする、信号処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された、または内部で生成した複数の信号の中から、出力対象の信号を選択的に切り換える装置(以下、信号切換装置と称する)が、各種分野で利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、放送局や番組制作会社によって番組が制作される場合、その番組の制作者が映像を編集したり確認するために、信号切換装置が用いられている。なお、このような信号切換装置を、以下、特に、番組制作用の信号切換装置と称する。すなわち、番組制作用の信号切換装置は、入力される映像信号、自己または他装置によって編集された映像信号、編集中に生成される各種映像信号(以下、中間生成信号と称する)等、複数の映像信号の中から、出力対象の複数の映像信号を選択的に切り換える。
【0004】
従来、番組制作用の信号切換装置は、出力対象の複数の映像信号を、そのままの形態で外部に出力していた。即ち、従来の放送局や番組制作会社は、出力対象の複数の映像信号を、そのままの形態で取り扱っていた。しかしながら、近年、番組制作システムの小型化等に伴い、放送局や番組制作会社から、出力対象の複数の映像信号の各々に対応する複数の映像を、同一画面に一括して分割表示するための映像信号を取り扱いたいという要望が生じてきた。ここで、複数の映像を同一画面に一括して分割表示することを、以下、多画面分割表示と称する。また、多画面分割表示を実現する映像信号を、以下、多画面分割表示信号と称する。そこで、多画面分割表示信号の出力機能を備えた、番組制作用の信号切換装置の提供が望まれている。
【0005】
ここで、画面とは、装置が有する表示部または表示装置の表示領域全体をいう。多画面分割表示が行われる画面全体、すなわち表示領域全体のうち、複数の映像の各々が表示される部分的な表示領域を、以下、子画面と称する。すなわち、多画面分割表示においては、1つの画面が、複数の映像の各々を表示する複数の子画面に分割される。
【0006】
具体的には例えば、番組の製作過程で多画面分割表示が行われる場合、画面は、編集者の確認作業に必要な各種各様の映像をそれぞれ表示する子画面に分割される。すなわち、番組制作用の信号切換装置は、複数の映像信号の中から、このような多画面分割表示の対象になる複数の映像信号を適宜切り換えて、切り換えた複数の映像信号に基づいて多画面分割表示信号を生成して出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−23033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、子画面の総数(以下、画面分割表示数とも称する)や、選択的に切り換えられる元の映像信号の総数を増やして多画面分割表示をしたいという要望が存在するところ、番組制作用の従来の信号切換装置では、当該要望に充分に応えることができない。信号数や、多画面分割表示を実現するための回路規模が増大するため、現実的でないからである。以下、このことについて、図1を適宜参照しつつ、具体的に説明する。
【0009】
[従来の信号切換装置]
図1は、番組制作用の従来の信号切換装置1の構成例を示すブロック図である。
【0010】
図1に示されるように、従来の信号切換装置1は、入力信号変換部21、切換処理部22、信号処理部23、出力部24、出力信号変換部25−1、及び出力信号変換部25−2から構成されている。
【0011】
入力信号変換部21は、外部から入力された映像信号を、信号切換装置1の機器内で取り扱うことが可能な形態の信号(以下、機器内信号と称する)に変換して、切換処理部22に出力する。
【0012】
切換処理部22は、入力信号変換部21から入力された機器内信号、または信号処理部23から再入力された機器内信号を、選択的に切り換えて、所定の出力先に出力する。出力先としては、図1の例では、信号処理部23、及び出力部24が存在する。すなわち、切換処理部22から出力された機器内信号は、信号処理部23または出力部24に入力される。
【0013】
信号処理部23は、切換処理部22から入力される機器内信号に対して各種の信号処理を施す。信号処理部23により信号処理が施された機器内信号は、信号処理部23から出力されて切換処理部22に再入力される。なお、切換処理部22から信号処理部23に入力された機器内信号が信号処理部23で信号処理を施され、切換処理部22に再入力される一連の処理は、複数回連続して実行される場合もある。
【0014】
信号処理部23は、このような各種信号処理を実行すべくミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4を含むように構成されている。
【0015】
なお、図1においては、信号処理部23内には、ミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4しか図示されていないが、その他の各種信号処理を行う各種構成要素が存在し得る。例えば、フレームメモリ、モザイク処理等の特殊効果を施す特殊効果処理部、2次元画像を3次元画像に変換する効果処理を施す3次元効果処理部等の構成要素が、信号処理部23内に適宜設けられる。
【0016】
なお、以下、ミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめてミックスエフェクト処理部41と称する。
【0017】
ミックスエフェクト処理部41は、切換処理部22から入力される機器内信号としての2以上の映像をミックスしたり、映像にワイプ切換処理、キー処理等の各種エフェクトを付加してミックスする信号処理(以下、ミックスエフェクト処理と称する)を施す。ミックスエフェクト処理部41がミックスエフェクト処理を実行している最中には、複数の中間生成信号が生成される。そして、ミックスエフェクト処理部41は、ミックスエフェクト処理を全て施した最終形態の映像信号の他、これら複数の中間生成信号も併せて出力する。
【0018】
[ミックスエフェクト処理部41によって出力される各信号]
図2は、このようにしてミックスエフェクト処理部41から出力される各映像信号の例を説明する図である。
【0019】
図2の例では、PGM(Program)、PVW(Preview)、CLEAN、及びKPVW(Key Preview)の各映像信号がミックスエフェクト処理部41から出力される。
【0020】
すなわち、ミックスエフェクト処理部41は、シーンを切り換えながら1以上のオブジェクトを選択的に重畳させていく映像を、最終的に放送される番組の映像として、2つのシーンの映像信号に対してミックスエフェクト処理を施す。
【0021】
一定時間かけて、切り換え前後の2つのシーンを画面内で分割合成しながら徐々にシーンを切り換えていく処理が、ワイプ切換処理と称されている。このようなワイプ切換処理が施された後の映像が、映像CLEANと称されている。また、複数のオブジェクトの中から、選択した1以上のオブジェクトを映像に切り抜き合成する処理が、キー(key)処理と称されている。キー処理で選択対象となる全てのオブジェクトが映像CLEANに切り抜き合成された場合に得られる映像が、映像KPVWと称されている。
【0022】
ただし、最終的に放送される番組の映像は、上述したように、全てのオブジェクトではなく、キー処理により選択された1以上のオブジェクト(結果として、キー処理により全オブジェクトが選択される場合もあり得る)が映像CLEANに切り抜き合成された映像である。このような最終的に放送される番組のうち一定期間の映像信号、例えばワイプ切換処理の期間分の映像信号は、ほぼ同時期にミックスエフェクト処理部41により生成される。このようにしてミックスエフェクト処理部41により生成された映像信号に対応する番組の映像のうち、表示対象の映像が映像PGMと称されており、ワイプ切換処理後の次の映像が映像PVWと称されている。
【0023】
図1の例では、4つのミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4のそれぞれは、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号、すなわち4種類の映像信号を出力して、切換処理部22に再入力させる。すなわち、これらの4種類の映像信号を1組とすると、4つのミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4毎に1組の映像信号がそれぞれ出力されるので、全体として、合計16種類の映像信号が4つのミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4から出力されて、切換処理部22に再入力される。
【0024】
このようにして、切換処理部22に再入力された16種類の映像信号は、出力部24に出力される。この場合、出力部24は、切換処理部22から入力される合計16種類の映像信号に対して各種信号処理を施して、出力信号変換部25−1と25−2に出力する。
【0025】
出力部24は、このような各種信号処理を実行すべく、出力処理部61、及び多画面分割表示信号生成部62から構成されている。
【0026】
なお、切換処理部22から出力部24に入力される映像信号は、上述の16種類の映像信号に特に限定されず、当該16種類及び別の種類の映像信号のうち、任意の数の任意の種類の映像信号があり得る。ただし、以下の説明では、説明の便宜上、上述の16種類の映像信号、または、編集後の1種類の映像信号(映像信号PGMに相当)が、出力部24に入力されるものとして説明する。この場合、上述の16種類の映像信号は、多画面分割表示信号の生成に用いられ、編集後の1種類の映像信号は、最終的な番組放送用の映像信号として用いられるものとする。そこで、以下、上述の16種類の映像信号を、多画面分割表示生成用映像信号群と称し、編集後の1種類の映像信号を編集後映像信号と称する。
【0027】
出力処理部61は、切換処理部22から入力される編集後映像信号に、出力処理を適宜施した上で、出力信号変換部25−1に出力する。また、出力処理部61は、多画面分割表示生成用映像信号群を、それに出力処理を適宜施した上で、多画面分割表示信号生成部62に出力する。
【0028】
出力信号変換部25−1は、出力処理部61から出力された編集後映像信号を、機器内信号の形態から、図示せぬ表示装置等で取り扱える形態に変換して、表示装置等に出力する。これにより、表示装置等には、上述したように、編集後映像信号に対応する映像が表示される。
【0029】
多画面分割表示信号生成部62は、切換処理部22または出力処理部61から入力される多画面分割表示生成用映像信号群の中から、多画面分割表示における分割表示数、すなわち子画面数の映像信号を選択的に切り換える。この場合の分割表示数は、任意の数が設定可能とされている。そして、多画面分割表示信号生成部62は、選択した映像信号の各々に対応する映像を各子画面に分割表示できるように、各映像信号を合成することによって、多画面分割表示信号を生成して出力信号変換部25−2に出力する。
【0030】
[多画面分割表示信号の一例]
図3は、多画面分割表示信号生成部62から出力される多画面分割表示信号の一例を示す図である。
【0031】
図3の例では、多画面分割表示信号生成部62は、ミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4から出力された多画面分割表示生成用映像信号群、すなわち16種類の映像信号の一部を選択しているのではなく、16種類の映像信号の全てを選択している。そして、多画面分割表示信号生成部62は、これらの16種類の映像信号の全てを合成することによって、多画面分割表示信号s16mixを生成する。多画面分割表示信号s16mix(より正確には、出力信号変換部25−2によって出力形態が変換された映像信号)とは、図3に示されるように、16種類の映像の各々が各子画面に分割表示される多画面分割表示を実現する映像信号をいう。
【0032】
図3の各子画面内の文字は、当該子画面に表示される映像の種類を表わしている。各子画面内に図示されている「#K」は、ミックスエフェクト処理部41−Kの符号の最後の「K」に対応している。すなわち、「#K」が図示されている子画面内には、ミックスエフェクト処理部41−Kから出力された4種類の映像信号に対応する映像のうち、当該子画面内に図示された種類の映像が表示される。
【0033】
具体的には、「#1」が図示された左上の4つの子画面の各々は、ミックスエフェクト処理部41−1から出力された4種類の映像信号の各々に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各々の映像が表示される。同様に、「#2」が図示された右上の4つの子画面の各々は、ミックスエフェクト処理部41−2から出力された4種類の映像信号の各々に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各々の映像が表示される。「#3」が図示された左下の4つの子画面の各々は、ミックスエフェクト処理部41−3から出力された4種類の映像信号の各々に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各々の映像が表示される。「#4」が図示された右下の4つの子画面の各々は、ミックスエフェクト処理部41−4から出力された4種類の映像信号の各々に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各々の映像が表示される。
【0034】
出力信号変換部25−2は、多画面分割表示信号生成部62から出力された多画面分割表示信号s16mixを、機器内信号の形態から、図示せぬ表示装置等で取り扱える形態に変換して、表示装置等に出力する。これにより、表示装置等には、上述したように、図3に示す16分割画面が表示される。
【0035】
以上説明したように、図1の信号切換装置1は、画面分割表示数(すなわち子画面の総数)が「16」の多画面分割表示を実現する。このために、信号切換装置1では、16個の各子画面の各々に対応する16種類の映像信号が、多画面分割表示生成用映像信号群として信号処理部23のミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4から出力されて、切換処理部22に再入力される。したがって、ミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4を有する信号処理部23においては、16種類の映像信号の各々を伝達する16本の信号線が必要になる。
【0036】
さらに、上述の例では、多画面分割表示信号生成部62に入力される多画面分割表示生成用映像信号群の信号数と、多画面分割表示信号生成部62内で選択される信号数とは「16」と一致していたが、常に一致しているとは限らない。すなわち、一般的には、多画面分割表示信号生成部62に入力される多画面分割表示生成用映像信号群の信号数の方が多く、多画面分割表示生成用映像信号群内の一部の映像信号のみが選択的に切り換えられて、多画面分割表示信号の生成に用いられる。
【0037】
より一般的にいえば、画面分割表示数(すなわち子画面の総数)がM個の多画面分割表示を実現する場合には、信号切換装置1では、ミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4を有する信号処理部23における信号線の数がM本以上必要になる。
【0038】
さらにまた、図1には図示しなったが、その他の信号処理の機能が信号処理部23に必要な場合、当該機能を実現するための構成要素が必要になり、その分だけ、信号線の数が増加する。
【0039】
したがって、上述した要望、すなわち、画面分割表示数(すなわち子画面の総数)や、選択的に切り換えられる元の映像信号の総数を増やして多画面分割表示をしたいという要望に応えるためには、従来の信号処理装置では、内部の信号線の数が増大することになる。また、そのような数多くの信号線を入出力する回路、例えば、切換処理部22、信号処理部23、多画面分割表示信号生成部62等を実現化する回路の規模も増大することになる。
【0040】
ミックスエフェクト処理部41の搭載数は、信号切換装置1全体の規模を表わす場合があり、ミックスエフェクト処理部41の搭載数がK個(Kは1以上の整数値)のときには、信号切換装置1の規模はK M/Eと表現される。図1の例では、4つのミックスエフェクト処理部41−1乃至41−4が図示されているので、信号切換装置1の規模は4M/Eである。
【0041】
多画面分割表示信号生成部62の機能と低コスト化とはトレードオフの関係であることから、従来は、3M/E以上の大規模な信号切換装置1には、多画面分割表示信号生成部62は内蔵されていない。
【0042】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画面分割表示数、及び子画面に表示可能とする信号切換装置内部信号の数が増えても回路規模の増大を抑制して多画面分割表示ができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明の一側面の信号処理装置は、複数の映像信号を入力する入力手段と、前記入力手段に入力された前記複数の映像信号に対して、信号処理を施す信号処理手段と、前記信号処理手段により前記信号処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記信号処理手段が前記信号処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号を生成する、1以上のサブ多画面分割表示信号生成手段と、1以上の前記サブ多画面分割表示信号生成手段の各々により生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうち、Q種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号を選択して合成することによって、多画面分割表示信号を生成する多画面分割表示信号生成手段とを備える。
【0044】
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記信号処理手段の構成要素とすることができる。
【0045】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号に対してエフェクトを付加してミックスするミックスエフェクト処理を施す、1以上のミックスエフェクト処理手段を備え、前記1以上のミックスエフェクト処理手段のそれぞれの構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記ミックスエフェクト処理手段により前記ミックスエフェクト処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記ミックスエフェクト処理手段が前記ミックスエフェクト処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成することができる。
【0046】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号を記憶するフレームメモリを備え、前記フレームメモリの構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記フレームメモリにより記憶された映像信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成することができる。
【0047】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号に対して特殊効果処理を施す特殊効果処理手段を備え、前記特殊効果処理手段の構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記特殊効果処理手段により前記特殊効果処理が施された前記映像信号、及び、前記特殊効果処理手段が前記特殊効果処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成することができる。
【0048】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号を、3次元画像表示のための映像信号に変換する3次元効果処理を実行する3次元効果処理手段を備え、前記3次元効果処理手段の構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記3次元効果処理手段により前記3次元効果処理が施された前記映像信号、及び、前記3次元効果処理手段が前記3次元効果処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成することができる。
【0049】
本発明の一側面の信号処理方法及びプログラムは、上述した本発明の一側面の信号処理装置に対応する方法及びプログラムである。
【0050】
本発明の一側面の信号処理装置及び方法並びにプログラムにおいては、複数の映像信号が入力され、入力された前記複数の映像信号に対して、信号処理が施される。前記信号処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記信号処理が施されている途中に生成される1以上の映像信号である中間信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号が選択されて合成されることによって、サブ多画面分割表示信号が生成される。生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうち、Q種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号が選択されて合成されることによって、多画面分割表示信号が生成される。
【発明の効果】
【0051】
以上のごとく、本発明によれば、画面分割表示数、及び子画面に表示可能とする信号切換装置内部信号の数が増えても回路規模の増大を抑制して多画面分割表示ができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来の信号切換装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】ミックスエフェクト処理部から出力される各映像信号の例を説明する図である。
【図3】多画面分割表示信号の一例を示す図である。
【図4】本実施形態の信号切換装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】サブ多画面分割表示信号を示す図である。
【図6】多画面分割表示信号の一例を示す図である。
【図7】ミックスエフェクト処理部の構成例を示すブロック図である。
【図8】映像BGAの一例を示す図である。
【図9】映像BGBの一例を示す図である。
【図10】キー調整用信号及び合成キー調整用信号について説明する図である。
【図11】キー調整用信号の設定状態について説明する図である。
【図12】合成処理部により生成される各映像信号の映像を示す図である。
【図13】多画面分割表示信号生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図14】サブ多画面分割表示信号の他の例を示す図である。
【図15】多画面分割表示信号の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、3つの実施形態(以下、それぞれ第1実施形態乃至第3実施形態と称する)について、次の順序で説明する。
【0054】
1.第1実施形態(PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号からなる多画面分割表示信号の例)
2.第2実施形態(キー調整用信号からなる多画面分割表示信号の例)
3.第3実施形態(3次元画像の多画面分割表示信号の例)
【0055】
<1.第1実施形態>
[本実施形態の信号切換装置の構成例]
図4は、本発明が適用される信号処理装置の一実施形態としての番組制作用の信号切換装置101の構成例を示すブロック図である。
【0056】
図4に示されるように、本実施形態の信号切換装置101は、入力信号変換部121、切換処理部122、信号処理部123、出力部124、出力信号変換部125−1及び出力信号変換部125−2、操作部126、並びに制御部127から構成されている。
【0057】
入力信号変換部121は、外部から入力された映像信号を、信号切換装置101の機器内で取り扱うことが可能な形態の機器内信号に変換して、切換処理部122に出力する。例えば、本実施形態では、入力信号変換部121に入力される映像信号としては、SDI(serial digital interface)信号が採用されている。また、例えば、本実施形態では、機器内信号として、差動信号が採用されている。
【0058】
切換処理部122は、入力信号変換部121から入力された機器内信号、または信号処理部123から再入力された機器内信号を、選択的に切り換えて、所定の出力先に出力する。出力先としては、図4の例では、信号処理部123、及び出力部124が存在する。すなわち、切換処理部122から出力された機器内信号(以下、適宜映像信号とも称する)は、信号処理部123または出力部124に入力される。
【0059】
信号処理部123は、切換処理部122から入力される機器内信号に対して各種の信号処理を施す。信号処理部123が信号処理を施している途中で、各種映像信号が生成される。すなわち、本実施形態では、信号処理部123による信号処理中に中間生成信号が生成される。信号処理部123により信号処理が施された機器内信号は、信号処理部123から出力されて切換処理部122に再入力される。なお、切換処理部122から信号処理部123に入力された機器内信号が信号処理部123で信号処理を施され、切換処理部122に再入力される一連の処理は、複数回連続して実行される場合もある。
【0060】
信号処理部123には、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4が設けられている。ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4は、切換処理部122から入力される機器内信号に対してワイプ切換処理、キー処理等の各種エフェクトを付加しミックスするミックスエフェクト処理を施す。ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4がミックスエフェクト処理を施している途中には、中間生成信号が生成される。なお、以下、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめてミックスエフェクト処理部141と称する。
【0061】
ミックスエフェクト処理部141は、このようなミックスエフェクト処理を実行すべく、合成処理部161、ワイプ切換信号生成部162、キー調整部163、及びサブ多画面分割表示信号生成部164から構成されている。
【0062】
合成処理部161は、切換処理部122から入力される機器内信号に対して、ミックスエフェクト処理を施す。また、合成処理部161は、ミックスエフェクト処理を実行している最中に、複数の中間生成信号を生成する。
【0063】
例えば本実施形態では、切換処理部122から1つのミックスエフェクト処理部141に対しては、第1のシーンの映像(以下、映像BGAと称する)の映像信号(以下、映像信号BGAと称する)と、第2のシーンの映像(以下、映像BGBと称する)の映像信号(以下、映像信号BGBと称する)とが入力されるとする。
【0064】
この場合、合成処理部161は、映像信号BGAと映像信号BGBに基づいて、一定時間をかけて、切り換え前後の2つのシーン(映像BGA及び映像BGB)を画面内で分割合成しながら徐々にシーンを切り換えていく処理、すなわちワイプ切換処理を実行する。これにより、ワイプ切換処理が施された後の映像である映像CLEANの映像信号(以下、映像信号CLEANと称する)が生成される。
【0065】
このような合成処理部161によって実行されるワイプ切換処理の処理方法は、ワイプ切換信号によって特定される。換言すると、ワイプ切換信号とは、例えば、2つのシーンのどちらからどちらに切り換えるのかといった切換方法、2つのシーンの分割合成の比率等ワイプ切換処理の処理方法を特定する信号をいう。
【0066】
ワイプ切換信号生成部162は、このようなワイプ切換信号を生成し、合成処理部161に出力する。
【0067】
合成処理部161はまた、複数のオブジェクトの中から、選択した1以上のオブジェクトを映像CLEANに切り抜き合成する処理、すなわちキー処理を実行する。
【0068】
この場合、1つのオブジェクトを示す映像信号を、以下、キー調整用信号と称する。すなわち、合成処理部161は、複数のオブジェクトの中から、選択した1以上のオブジェクトのキー調整用信号を、映像信号CLEANに合成することによって、キー処理を実現する。
【0069】
キー調整部163は、このようなキー調整用信号を、切り抜き合成の対象となるオブジェクト毎に生成する。例えば、本実施形態では、8つのオブジェクトが切り抜き合成の対象とされており、8つのオブジェクトの各々に対応するキー調整用信号key1乃至key8が生成される。
【0070】
この場合、キー調整用信号key1乃至key8の各々は、オン状態またはオフ状態が設定される。オン状態とは、キー処理において利用されることを意味する一方、オフ状態とは、キー処理において利用が禁止されることを意味する。すなわち、キー調整用信号key1乃至key8のうち、オン状態のキー調整用信号に対応するオブジェクトが、キー処理で切り抜き合成される一方、オフ状態のキー調整用信号に対応するオブジェクトは、キー処理で切り抜き合成されない。
【0071】
このようにして、キー処理において、キー調整用信号key1乃至key8のうち、オン状態のキー調整用信号が映像信号CLEANに合成されることによって、最終的に放送される番組の映像信号(機器内信号)が得られる。ここで、本実施形態では、最終的に放送される番組のうち、ワイプ切換処理の期間分の映像信号が、ほぼ同時期に合成処理部161により生成されるとする。
【0072】
この場合、合成処理部161は、所定のタイミングでは、最終的に放送される番組の映像信号のうち、表示対象の映像PGM(Program)の映像信号(以下、PGM映像信号と称する)と、ワイプ切換処理後の次の映像PVW(Preview)の映像信号(以下、PVW映像信号と称する)とを生成したことになる。
【0073】
そして、映像信号PGMと映像信号PVWが生成された所定のタイミングでは、映像信号CLEAN、及び映像KPVW(Key Preview)の映像信号(以下、映像信号KPVWと称する)が得られている。
【0074】
ここで得られている映像信号KPVWとは、キー調整用信号key1乃至key8の全てがオン状態にされたとして、キー調整用信号key1乃至key8の全てが映像信号CLEANに合成された結果得られる信号と等価の映像信号である。具体的には、キー調整部163は、キー調整用信号key1乃至key8を合成することによって、合成キー調整用信号keyallを生成する。合成処理部161は、合成キー調整用信号keyallを映像信号CLEANに切り抜き合成することによって、映像信号KPVWを生成する。
【0075】
さらに、映像信号PGMと映像信号PVWが生成された所定のタイミングでは、キー調整用信号key1乃至key8や、ワイプ切換信号も得られている。
【0076】
そこで、合成処理部161は、ワイプ切換信号、キー調整用信号key1乃至key8及び合成キー調整用信号keyall、並びにPGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を、サブ多画面分割表示信号生成部164に出力する。なお、これらの信号のうちの幾つかの信号は、必要に応じて、切換処理部122にも再入力される。
【0077】
サブ多画面分割表示信号生成部164は、合成処理部161から入力された複数の信号の中から、任意の数の任意の種類の映像信号を選択的に切り換えて合成することによって、多画面分割表示信号を生成する。なお、合成処理部161から入力される複数の信号のうち、ワイプ切換信号、キー調整用信号key1乃至key8、映像信号CLEAN等は中間生成信号である。
【0078】
なお、サブ多画面分割表示信号生成部164により生成される多画面分割表示信号を、後述するメイン多画面分割表示信号生成部202により生成される多画面分割表示信号と明確に区別すべく、以下、サブ多画面分割表示信号と称する。
【0079】
本実施形態では、サブ多画面分割表示信号生成部164は、合成処理部161により生成されたPGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号(以下、特に符号s4mixを付す)を生成するものとする。
【0080】
[サブ多画面分割表示信号s4mix]
図5は、このようにして、サブ多画面分割表示信号生成部164によって生成されるサブ多画面分割表示信号s4mixを示す図である。
【0081】
サブ多画面分割表示信号s4mixは、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号で構成される。すなわち、サブ多画面分割表示信号s4mix(より正確には、出力形態が変換された映像信号)が仮に図示せぬ表示装置等に入力されたならば、図5に示されるように、4種類の映像の各々が各子画面に分割表示される。
【0082】
ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれのサブ多画面分割表示信号生成部164は、相互に独立してサブ多画面分割表示信号s4mixを生成する。すなわち、4つのミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれのサブ多画面分割表示信号生成部164毎に、1種類のサブ多画面分割表示信号s4mixがそれぞれ出力される。したがって、全体として、合計4種類のサブ多画面分割表示信号s4mixが4つのミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4から出力されて、切換処理部122に再入力される。
【0083】
信号処理部123には、切換処理部122から入力される機器内信号に対して各種の信号処理を施す構成要素として、このようなミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4の他、さらに、フレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144も設けられている。
【0084】
フレームメモリ142は、切換処理部122から入力される機器内信号、または信号処理部123に含まれる他の構成要素による信号処理によって生成された機器内信号(すなわち、中間生成信号、サブ多画面分割表示信号を含む)をフレーム単位で記憶する。
【0085】
フレームメモリ142は、サブ多画面分割表示信号生成部171を含むように構成されている。サブ多画面分割表示信号生成部171は、記憶された複数フレーム分の機器内信号の中から、任意の数の任意の種類の機器内信号を選択的に切り換えて合成し、サブ多画面分割表示信号を生成して切換処理部122に再入力する。サブ多画面分割表示信号生成部171により生成されたサブ多画面分割表示信号が仮に図示せぬ表示装置等に入力されたならば、例えば、複数種類の映像の各々が各子画面に分割表示される。
【0086】
特殊効果処理部143は、切換処理部122から入力される複数の機器内信号、または信号処理部123に含まれる他の構成要素による信号処理によって生成された機器内信号(すなわち、中間生成信号、サブ多画面分割表示信号を含む)の少なくとも一部に対して、フィルター、拡大縮小、モザイク処理等の特殊効果処理を順次施す。特殊効果処理部143が特殊効果処理を実行している最中には、複数の中間生成信号が生成される。例えば、フィルター処理後であって拡大縮小処理及びモザイク処理前の信号、フィルター処理及び拡大縮小処理後であってモザイク処理前の信号等が中間生成信号となる。
【0087】
特殊効果処理部143は、サブ多画面分割表示信号生成部181を含むように構成されている。サブ多画面分割表示信号生成部181は、適宜特殊効果処理が施された複数の機器内信号、及び特殊効果処理を施している途中に生成される1以上の中間生成信号の中から、任意の数の任意の種類の機器内信号を選択的に切り換えて合成し、サブ多画面分割表示信号を生成して切換処理部122に再入力する。サブ多画面分割表示信号生成部181により生成されたサブ多画面分割表示信号が仮に図示せぬ表示装置等に入力されたならば、例えば、フィルター処理だけが施された映像、さらに拡大縮小処理が施された映像、さらにモザイク処理が部分的に施された映像等、複数種類の映像の各々が各子画面に分割表示される。
【0088】
3次元効果処理部144は、切換処理部122から入力される複数の機器内信号、または信号処理部123に含まれる他の構成要素によって生成された機器内信号(すなわち、中間生成信号、サブ多画面分割表示信号を含む)の各々から、3次元画像表示のための左眼用の機器内信号、及び右眼用の機器内信号を生成したり、加工したりする。3次元効果処理部144が3次元画像表示のための機器内信号を生成する処理をしている最中には、複数の中間生成信号が生成される。例えば、3次元画像表示をした場合に人の目に違和感のないように、表示されるオブジェクトの凹凸の度合いが様々に設定された左眼用の機器内信号、及び右眼用の機器内信号が中間生成信号として生成される。
【0089】
3次元効果処理部144は、サブ多画面分割表示信号生成部191を含むように構成されている。サブ多画面分割表示信号生成部191は、複数の左眼用の機器内信号、及び3次元画像表示のための機器内信号を生成する処理を施している途中に生成される1以上の中間生成信号の中から、任意の数の任意の種類の左眼用の機器内信号、及び複数の中間生成信号を選択的に切り換えて合成し、左眼用のサブ多画面分割表示信号を生成する。サブ多画面分割表示信号生成部191は、複数の右眼用の機器内信号、及び3次元画像表示のための機器内信号を生成する処理を施している途中に生成される1以上の中間生成信号の中から、任意の数の任意の種類の右眼用の機器内信号を選択的に切り換えて合成し、右眼用のサブ多画面分割表示信号を生成する。このようにして生成された左眼用と右眼用の各々のサブ多画面分割表示信号は、切換処理部122に再入力される。サブ多画面分割表示信号生成部191により生成されたサブ多画面分割表示信号が仮に図示せぬ表示装置等に入力されたならば、例えば、様々な凹凸の度合いでオブジェクトが表示された映像の各々が各子画面に分割表示される。
【0090】
なお、本実施形態では、サブ多画面分割表示信号生成部164,171,181,191の各々は、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4、フレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144の各々の構成要素として設けられている。ただし、サブ多画面分割表示信号生成部164,171,181,191の各々は、入力された複数の映像信号、及び中間生成信号の中から、任意の数の任意の種類の複数の信号を選択的に切り換えて合成し、サブ多画面分割表示信号を生成することができる機能を有していれば足りる。すなわち、サブ多画面分割表示信号生成部164,171,181,191の各々の配置位置は、図4の例に特に限定されず、任意の位置、例えば信号処理部123の外部でもよい。
【0091】
信号処理部123には、上述した構成要素、すなわち、ミックスエフェクト処理部141、フレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144以外に、その他の各種信号処理を行う各種構成要素が適宜設けられる。
【0092】
このようにして、信号処理部123から切換処理部122に各種各様の映像信号が入力される。切換処理部122に再入力された映像信号は、出力部124に適宜出力される。ここで、以下の説明では、説明の便宜上、図1の従来の信号切換装置1との比較を容易にすべく、切換処理部122から出力される信号は、多画面分割表示生成用映像信号群と、編集後映像信号とであるとする。
【0093】
ただし、図1の従来の信号切換装置1においては、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの何れかの単体に対応する映像信号が、16種類集まった集合体が、多画面分割表示生成用映像信号群として採用されていた。これに対して、本実施形態の信号切換装置101においては、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各々が合成された4分割画像に対応するサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4の集合体が、多画面分割表示生成用映像信号群として採用されている。
【0094】
出力部124は、切換処理部122から入力される多画面分割表示生成用映像信号群、または編集後映像信号に対して各種信号処理を施して、出力信号変換部125−1、または出力信号変換部125−2に出力する。
【0095】
出力部124は、出力処理部201、及びメイン多画面分割表示信号生成部202から構成されている。
【0096】
出力処理部201は、切換処理部122から入力される編集後映像信号に対して、必要に応じてセーフタイトル、スーパーインポーズ等の出力処理を施し、出力信号変換部125−1に出力する。また、出力処理部201は、切換処理部122から入力される多画面分割表示生成用映像信号群、すなわち、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4に対して、必要に応じてセーフタイトル、スーパーインポーズ等の出力処理を施し、メイン多画面分割表示信号生成部202に出力する。
【0097】
出力信号変換部125−1は、出力処理部201から入力される編集後映像信号を、機器内信号の形態から表示装置等に適した形態に変換し、具体的には本実施形態では差動信号をSDI信号に変換し、出力信号として図示せぬ表示装置等に出力する。
【0098】
メイン多画面分割表示信号生成部202は、切換処理部122または出力処理部201から入力される複数の映像信号の中から、多画面分割表示における分割表示数、すなわち子画面の総数の映像信号を選択的に切り換える。
【0099】
ただし、本実施形態では、多画面分割表示生成用映像信号群の全て、すなわち、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4が、そのまま選択される。
【0100】
メイン多画面分割表示信号生成部202は、選択したサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4の各々に対応する映像を各子画面に分割表示できるように、各サブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4を合成する。その結果、16分割の多画面分割表示信号が生成されて、出力信号変換部125−2に出力される。
【0101】
[多画面分割表示信号s16mixの一例]
図6は、メイン多画面分割表示信号生成部202から出力される多画面分割表示信号s16mixの一例を示す図である。
【0102】
図6の例では、メイン多画面分割表示信号生成部202は、上述したように、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4から出力されたサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4の全てを選択する。そして、メイン多画面分割表示信号生成部202は、これらのサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4を合成することによって、多画面分割表示信号s16mixを生成する。すなわち、多画面分割表示信号s16mix(より正確には、出力信号変換部125−2によって出力形態が変換された映像信号)が入力された図示せぬ表示装置等においては、図6に示されるように、16種類の映像の各々が各子画面に分割表示される。このようにして、16分割の多画面分割表示が実現される。
【0103】
図6の各子画面内の文字は、当該子画面に表示される映像の種類を表わしている。各子画面内に図示されている「♯K」は、ミックスエフェクト処理部141−Kの符号の最後の「K」に対応している。すなわち、「♯K」が図示されている子画面内には、ミックスエフェクト処理部141−Kから出力されたサブ多画面分割表示信号s4mixKに対応する映像のうち、当該子画面内に図示された種類の映像が表示される。
【0104】
具体的には、「#1」が図示された左上の子画面(すなわち2×2個の子画面の集合体)には、ミックスエフェクト処理部141−1から出力されたサブ多画面分割表示信号s4mix1に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像が上下左右に4分割配置された合成画像が表示される。以下同様に、「#2」が図示された右上の画面(すなわち2×2個の子画面の集合体)には、ミックスエフェクト処理部141−2から出力されたサブ多画面分割表示信号s4mix2に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像が上下左右に4分割配置された合成画像が表示される。「#3」が図示された左下の画面(すなわち2×2個の子画面の集合体)には、ミックスエフェクト処理部141−3から出力されたサブ多画面分割表示信号s4mix3に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像が上下左右に4分割配置された合成画像が表示される。「#4」が図示された右下の画面(すなわち2×2個の子画面の集合体)には、ミックスエフェクト処理部141−4から出力されたサブ多画面分割表示信号s4mix4に対応する、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像が上下左右に4分割配置された合成画像が表示される。
【0105】
出力信号変換部125−2は、メイン多画面分割表示信号生成部202から出力された多画面分割表示信号s16mixを、機器内信号の形態から表示装置等に適した形態に変換する。具体的には本実施形態では、多画面分割表示信号s16mixは、差動信号からSDI信号の形態に変換され、出力信号として図示せぬ表示装置等に出力される。これにより、表示装置等には、上述したように、図6に示す16分割画面が表示される。
【0106】
操作部126は、ユーザの操作を受け付け、操作に応じた信号を制御部127に出力する。操作部126は、例えば、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、フェーダーレバー等で構成される。
【0107】
制御部127は、操作部126から入力される信号に応じて切換処理部122、信号処理部123、及び出力部124の処理を制御する。
【0108】
以上、本実施形態の信号切換装置101の構成について説明した。次に、ミックスエフェクト処理部141によるミックスエフェクト処理の詳細を説明する。
【0109】
[ミックスエフェクト処理の詳細]
図7は、ミックスエフェクト処理部141の構成例を示すブロック図である。
【0110】
ミックスエフェクト処理部141は、合成処理部161、ワイプ切換信号生成部162、キー調整部163、及びサブ多画面分割表示信号生成部164から構成されている。
【0111】
合成処理部161は、切換処理部122から入力される機器内信号に対して、ミックスエフェクト処理を施す。
【0112】
合成処理部161には、切換処理部122から映像信号BGA、映像信号BGB、及びその他の映像信号が入力される。本実施形態では、このうち、映像信号BGAと映像信号BGBに対して、ミックスエフェクト処理が施されるとする。
【0113】
[BGAの例]
図8は、BGAの一例を示す図である。
【0114】
BGA1乃至BGA5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号BGAのフレームの映像である。
【0115】
ここで、時刻t1乃至t5とは、番組の映像が表示される所定の時刻を基準時刻とした場合における、基準時刻に対する相対的な時刻であり、符号tの後の数字の符号が増加する程基準時刻よりも時間が経過しているものとする。このことは、後述する他の図9、図11でも同様とする。
【0116】
すなわち、時刻t1乃至t5の各々において、BGA1乃至BGA5が図示せぬ表示装置等に表示された場合、図8に示されるように、丸印で示される物体が画面の上方で、左側から右側に移動する様子が表示される。
【0117】
[映像BGBの例]
図9は、映像BGBの一例を示す図である。
【0118】
映像BGB1乃至BGB5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号BGBのフレームの映像である。
【0119】
時刻t1乃至t5の各々において、映像BGB1乃至BGB5が図示せぬ表示装置等に表示された場合、図9に示されるように、三角印で示される物体が画面の下方において、右側から左側に移動する様子が表示される。
【0120】
合成処理部161は、ワイプ切換信号生成部162により生成されたワイプ切換信号にしたがって、映像信号BGAと映像信号BGBに対してワイプ切換処理を実行する。これにより、映像信号CLEANが生成される。
【0121】
ワイプ切換信号生成部162は、ワイプ切換処理の処理方法を規定するワイプ切換信号を生成し、合成処理部161に出力する。
【0122】
合成処理部161はまた、複数のオブジェクトの中から、選択した1以上のオブジェクトのキー調整用信号を、映像信号CLEANに合成する処理、すなわちキー処理を実行する。
【0123】
キー調整部163は、キー調整用信号生成部221−1乃至221−8を含むように構成される。キー調整用信号生成部221−1乃至221−8は、切り抜き合成の対象である8つのオブジェクトの各々に対応するキー調整用信号key1乃至key8をそれぞれ生成する。
【0124】
また、本実施形態では、キー調整部163は、キー調整用信号生成部221−1乃至221−8が生成したキー調整用信号key1乃至key8を合成することによって、合成キー調整用信号keyallを生成する。
【0125】
[キー調整用信号及び合成キー調整用信号の具体例]
図10は、キー調整用信号及び合成キー調整用信号について説明する図である。
【0126】
なお、本実施形態では、キー調整部163は、キー調整用信号生成部221−1乃至221−8を含むため、8種類のキー調整用信号key1乃至key8を生成することができる。ただし、図10においては、説明の簡略化のため、キー調整部163は、4種類のキー調整用信号key1乃至key4のみを生成するものとする。
【0127】
キー調整用信号key1は、キー調整用信号生成部221−1により生成される。図10の例では、キー調整用信号key1は、アルファベットの「S」をオブジェクトとして含む信号である。したがって、キー調整用信号key1を用いたキー処理が、映像信号CLEANに対して施された場合、「S」が映像CLEANに対して切り抜き合成される。
【0128】
キー調整用信号key2は、キー調整用信号生成部221−2により生成される。図10の例では、キー調整用信号key2は、アルファベットの「O」をオブジェクトとして含む信号である。したがって、キー調整用信号key2を用いたキー処理が、映像信号CLEANに対して施された場合、「O」が映像CLEANに対して切り抜き合成される。
【0129】
キー調整用信号key3は、キー調整用信号生成部221−3により生成される。図10の例では、キー調整用信号key3は、アルファベットの「N」をオブジェクトとして含む信号である。したがって、キー調整用信号key3を用いたキー処理が、映像信号CLEANに対して施された場合、「N」が映像CLEANに対して切り抜き合成される。
【0130】
キー調整用信号key4は、キー調整用信号生成部221−4により生成される。図10の例では、キー調整用信号key1は、アルファベットの「V」をオブジェクトとして含む信号である。したがって、キー調整用信号key4を用いたキー処理が、映像信号CLEANに対して施された場合、「V」が映像CLEANに対して切り抜き合成される。
【0131】
なお、キー調整部163によって、全てのキー調整用信号(図10の例の場合、4つのキー調整用信号key1乃至key4)が合成されて、合成キー調整用信号keyallが生成される。
【0132】
個々のキー処理では、キー調整用信号key1乃至key4の各々は、オン状態またはオフ状態が設定されて、一括してキー処理に用いられる。すなわち、キー処理では、キー調整用信号key1乃至key4のうち、オン状態のキー調整用信号に対応するオブジェクトが映像CLEANに切り抜き合成される一方、オフ状態のキー調整用信号に対応するオブジェクトは映像CLEANに切り抜き合成されない(禁止される)。
【0133】
[キー調整用信号の設定状態]
図11は、キー調整用信号の設定状態について説明する図である。
【0134】
具体的には例えば、図11の例では、キー調整用信号key1、及びキー調整用信号key2のそれぞれがオン状態に設定され、キー調整用信号key3、及びキー調整用信号key4のそれぞれがオフ状態に設定されている。このため、キー処理では、キー調整用信号key1に対応する「S」、及びキー調整用信号key2に対応する「O」が映像CLEANに対して切り抜き合成される。キー調整用信号key3に対応する「N」と、キー調整用信号key4に対応する「V」は、合成されない。すなわち、「S」及び「O」が映像CLEANの上に重畳された映像の映像信号が、映像信号PGMや映像信号PVWとして得られる。
【0135】
また、キー処理とは別に、合成キー調整用信号keyallと映像信号CLEANとを合成して、映像信号KPVWを生成する処理が実行される。すなわち、キー調整用信号key1乃至key4のオブジェクトの全て、図11の例では「S」、「O」、「N」、及び「V」の全てが映像CLEANに重畳された映像の映像信号が、映像信号KPVWとして得られる。換言すると、実際のキー処理におけるオン状態またはオフ状態の設定に関わらず、キー調整用信号key1乃至key4の全てがオン状態になったキー処理により得られる映像信号と等価の映像信号が、映像信号KPVWとして得られる。
【0136】
以上、図10と図11を参照して、説明の便宜上、キー調整用信号key1乃至key4のみのキー処理の例を説明したが、本実施形態では、キー調整用信号key1乃至key8がキー処理に用いられると共に、これらのキー調整用信号key1乃至key8が合成された結果得られる合成キー調整用信号keyallを用いて、映像信号KPVWが生成される。
【0137】
このようにして、合成処理部161には、ワイプ切換信号生成部162からのワイプ切換信号、並びに、キー調整部163からのキー調整用信号key1乃至key8及び合成キー調整用信号keyallが入力される。
【0138】
合成処理部161は、ワイプ切換信号、キー調整用信号key1乃至key8、及び合成キー調整用信号keyallを適宜用いて、ワイプ切換処理やキー処理等のミックスエフェクト処理を、映像信号BGA及び映像信号BGBに対して施す。その結果、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号が生成される。
【0139】
[PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像]
図12は、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像を示す図である。
【0140】
合成処理部161は、入力された映像信号BGA及び映像信号BGBに対して、ワイプ切換信号を用いてワイプ切換処理を施し、映像信号CLEANを生成する。ワイプ切換処理後の映像、すなわち、切り換え前後の2つのシーン、すなわち映像BGA及び映像BGBが分割合成された映像が、図12の一番左に示される映像CLEANである。
【0141】
映像CL1乃至CL5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号CLEANのフレームの映像である。時刻t1乃至t5の各々において、映像CL1乃至CL5が図示せぬ表示装置等に表示された場合、図12に示されるように、時刻t1乃至t5の間に、映像BGAから映像BGBに徐々に切り換えられる様子が表示される。
【0142】
映像CL1は、水平方向の合成比率が、映像BGA1については100%、映像BGB1については0%がそれぞれ設定されて、映像BGA1と映像BG12とが分割合成された結果得られる映像である。
【0143】
映像CL2は、水平方向の合成比率が、映像BGA2については80%、映像BGB2については20%がそれぞれ設定されて、映像BGA2と映像BGB2とが右下から左上方向に分割合成された結果得られる映像である。
【0144】
映像CL3は、水平方向の合成比率が、映像BGA3については50%、映像BGB3については50%がそれぞれ設定されて、映像BGA3と映像BGB3とが右下から左上方向に分割合成された結果得られる映像である。
【0145】
映像CL4は、水平方向の合成比率が、映像BGA4については20%、映像BGB4については80%がそれぞれ設定されて、映像BGA4と映像BGB4とが右下から左上方向に分割合成された結果得られる映像である。
【0146】
映像CL5は、水平方向の合成比率が、映像BGA5については0%、映像BGB5については100%がそれぞれ設定されて、映像BGA5と映像BGB5とが右下から左上方向に分割合成された結果得られる映像である。
【0147】
映像CLEANにおける映像BGA、及び映像BGBの合成比率は、操作部126の一部を構成するフェーダーレバーが上下に操作されることによって、その動作量と連動して変化する。すなわち、フェーダーレバーが上から下に操作されることにより、その操作に対応するワイプ切換信号が合成処理部161に出力され、その結果、図12に示されるような映像BGAから映像BGBに徐々に切り換わっていく映像信号CLEANが得られる。一方、フェーダーレバーが下から上に操作されることにより、その操作に対応するワイプ切換信号が合成処理部161に出力され、その結果、逆方向の映像BGBから映像BGAに徐々に切り換わっていく映像信号CLEANが得られる。
【0148】
キー処理により、映像CLEANに対して、所定のオブジェクトが切り抜き合成された結果得られる映像が、最終的に放送される番組の映像である映像PGMである。図12の例では、説明の簡略上、図11の例のキー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト、すなわち、「S」、「O」、「N」、「V」のうちの「S」、「O」のオブジェクトが映像CLEANに切り抜き合成された結果得られる映像PGMが示されている。すなわち、図12の左から2番目に示される映像PG1乃至PG5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号PGMのフレームの映像である。
【0149】
図12の左から3番目に示される映像PV1乃至PV5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号PVWのフレームの映像である。
【0150】
映像PVWとは、ワイプ切換処理後の背景画像に対して、キー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト(図11の例では「S」と「O」)が切り抜き合成された映像である。ここで、時刻t1乃至t4において、ワイプ切換処理後の背景画像は、映像BGBである。より具体的には、時刻t1乃至t4におけるワイプ切換処理後の各背景画像は、図8の映像BGB1乃至BGB4の各々である。したがって、時刻t1乃至t4における映像PV1乃至PV4の各々は、映像BGB1乃至BGB4の各々に対して、キー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト(図11の例では「S」と「O」)が切り抜き合成された映像になる。なお、時刻t5におけるワイプ切換処理後の背景画像は、時刻t5で映像BGBに完全に切り換わっているので、次に切り換わる映像BGAになる。したがって、時刻t5における映像PV5とは、映像BGA5に対して、キー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト(図11の例では「S」と「O」)が切り抜き合成された映像になる。
【0151】
一方、図示はしないが、フェーダーレバーが下から上に操作された場合には、映像PVWは次のような映像となる。すなわち、時刻t1におけるワイプ切換処理後の背景画像は、映像BGBになる。したがって、時刻t1における映像PV1は、映像BGB1に対して、キー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト(図11の例では「S」と「O」)が切り抜き合成された映像になる。時刻t2乃至t5において、ワイプ切換処理後の背景画像は、映像BGAである。より具体的には、時刻t2乃至t5におけるワイプ切換処理後の各背景画像は、図8の映像BGA2乃至BGA5の各々である。したがって、時刻t2乃至t5における映像PV2乃至PV5の各々は、映像BGA2乃至BGA5の各々に対して、キー調整用信号key1乃至key4のうちオン状態のものに対応するオブジェクト(図11の例では「S」と「O」)が切り抜き合成された映像になる。
【0152】
図12の最も右側に示される映像KPVWは、キー調整用信号key1乃至key4の全てがオン状態にされたとして、キー調整用信号key1乃至key4の全てが映像信号CLEANに合成された結果得られる映像と等価の映像である。すなわち、キー調整用信号key1乃至key4の全てが合成された合成キー調整用信号keyallが、映像信号CLEANに合成された結果得られる映像信号が、映像信号KPVWである。
【0153】
映像KP1乃至KP5は、時刻t1乃至t5に表示対象となる映像信号KPVWのフレームの映像である。時刻t1乃至t5の各々において、映像KP1乃至KP5が図示せぬ表示装置等に表示された場合、図12に示されるように、映像CL1乃至CL5に対して、キー調整用信号key1乃至key4の各々に対応する全てのオブジェクト、すなわち「S」、「O」、「N」、及び「V」が切り抜き合成された様子が表示される。
【0154】
このようにして、合成処理部161によりPGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号が生成される。ただし、図12の例では、キー調整用信号key1乃至key4が用いられたが、本実施形態では、キー調整用信号key1乃至key8が用いられる。
【0155】
合成処理部161により生成されたPGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号は、サブ多画面分割表示信号生成部164に出力される。また、キー調整部163で生成されたキー調整用信号key1乃至key8及び合成キー調整用信号keyall、ワイプ切換信号生成部162で生成されたワイプ切換信号、並びにその他の映像信号等が、サブ多画面分割表示信号生成部164に出力される。なお、これらの映像信号のうちの幾つかの映像信号は、必要に応じて、切換処理部122にも再入力される。
【0156】
サブ多画面分割表示信号生成部164は、合成処理部161から入力された複数の映像信号の中から、任意の数の任意の種類の映像信号を選択的に切り換えて合成することによって、多画面分割表示信号を生成する。本実施形態では、サブ多画面分割表示信号生成部164は、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号s4mixを生成する。そして、サブ多画面分割表示信号生成部164は、生成したサブ多画面分割表示信号s4mixを切換処理部122に再入力する。
【0157】
以上説明したミックスエフェクト処理は、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4の各々において相互に独立して実行される。その結果、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4から、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4が、切換処理部122に再入力され、多画面分割表示生成用映像信号群として出力部124に入力される。また、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4の何れかから出力されて切換処理部122に再入力された映像信号PGMは、編集後映像信号として出力部124に入力される。この場合、メイン多画面分割表示信号生成部202は、多画面分割表示生成用映像信号群のうち任意の数の任意の種類の映像信号を選択して合成することによって、多画面分割表示信号を生成する。本実施形態では、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4が全て選択されて合成されることによって、多画面分割表示信号s16mixが生成される。
【0158】
以上、本実施形態の信号切換装置101の構成について説明した。
【0159】
次に、このような構成を有する信号切換装置101が実行する処理のうち、BGAとBGBの各映像信号を入力してから多画面分割表示信号s16mixを生成して外部に出力するまでの一連の処理の流れについて、図13を用いて説明する。なお、以下、このような一連の処理を、多画面分割表示信号生成処理と称する。
【0160】
[多画面分割表示信号生成処理]
図13は、多画面分割表示信号生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【0161】
ステップS1において、切換処理部122は、BGAとBGBの各映像信号を入力する。
【0162】
切換処理部122に入力されたBGAとBGBの各映像信号は、切換処理部122からミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれに入力される。その後、処理はステップS2に進む。
【0163】
ステップS2において、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれの合成処理部161は、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号をそれぞれ生成する。
【0164】
すなわち、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれの合成処理部161は、BGAとBGBの各映像信号に対してワイプ切換処理やキー処理等を施すことによって、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を相互に独立してそれぞれ生成する。ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれの内部において、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号は、合成処理部161からサブ多画面分割表示信号生成部164に入力される。その後、処理はステップS3に進む。
【0165】
ステップS3において、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれのサブ多画面分割表示信号生成部164は、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4のそれぞれを生成する。
【0166】
4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4は、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4から切換処理部122に再入力され、さらに、切換処理部122から多画面分割表示生成用映像信号群として出力部124に入力される。その後、処理はステップS4に進む。
【0167】
ステップS4において、メイン多画面分割表示信号生成部202は、多画面分割表示生成用映像信号群のうち、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4を全て選択して合成し、多画面分割表示信号s16mixを生成する。
【0168】
多画面分割表示信号s16mixは、メイン多画面分割表示信号生成部202から出力信号変換部125−2に入力される。
【0169】
次に、ステップS5において、出力信号変換部125−2は、多画面分割表示信号s16mixの形態を変換して、外部に出力する。具体的には本実施形態では、多画面分割表示信号s16mixは、差動信号からSDI信号の形態に変換され、出力信号として外部の図示せぬ表示装置等に出力される。これにより、図示せぬ表示装置等には、上述したように、図6に示す16分割画面が表示される。
【0170】
以上のようにして、多画面分割表示信号生成処理は終了する。
【0171】
なお、多画面分割表示信号生成処理のステップS1乃至S4の各ステップの処理単位は、本実施形態では、時刻t1乃至t5までに相当する期間に含まれるフレームであるものとする。ただし、ステップS1乃至S4の各ステップの処理単位は、これに限定されず、例えばフレームまたはフィールドを単位とする等、任意に設定することが可能である。
【0172】
このように、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれのサブ多画面分割表示信号生成部164は、予め、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を相互に独立して合成し、4分割画面のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4を生成する。そして、メイン多画面分割表示信号生成部202は、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4を全て選択して合成することにより、16分割画面の多画面分割表示信号s16mixを生成する。
【0173】
すなわち、従来においては、16分割画面を可能にする多画面分割表示信号s16mixは、多画面分割表示信号生成部62における1段階の処理のみで生成されていた。
【0174】
具体的には、映像信号PGM、映像信号PVW、映像信号CLEAN、または映像信号KPVWといった、それぞれが1画面分の大きさの映像信号の16種類の集合体が、多画面分割表示生成用映像信号群として、1つの多画面分割表示信号生成部62に入力されていた。このため、16種類の映像信号は、1つの多画面分割表示信号生成部62において合成されて、多画面分割表示信号s16mixが生成されていた。
【0175】
これに対して、本実施形態では、16分割画面を可能にする多画面分割表示信号s16mixは、メイン多画面分割表示信号生成部202のみならず、複数のサブ多画面分割表示信号生成部164も用いられて、2段階の処理で生成される。
【0176】
具体的には、1段階目の処理では、映像信号PGM、映像信号PVW、映像信号CLEAN、または映像信号KPVWといった、それぞれが1画面分の大きさの映像信号の16種類の集合体は、映像信号PGM、映像信号PVW、映像信号CLEAN、及び映像信号KPVWの4種類の映像信号を処理単位として、複数のサブ多画面分割表示信号生成部164の各々に入力される。そして、複数のサブ多画面分割表示信号生成部164の各々は、処理単位の4種類の映像信号を合成する。これにより、1段階目の処理としては、1画面の1/4の大きさである4分割画面の大きさのサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4が生成される。2段階目の処理では、これら4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4がメイン多画面分割表示信号生成部202に入力される。そして、メイン多画面分割表示信号生成部202において、4種類のサブ多画面分割表示信号s4mix1乃至s4mix4が1画面の大きさの映像信号に合成されることにより、1画面の1/16の大きさである16分割画面を1画面の大きさに合成した多画面分割表示信号s16mixが生成される。
【0177】
従来の信号切換装置1と本実施形態の信号切換装置101との内部の信号線の本数を比較すると、16分割画面の多画面分割表示信号s16mixを生成するためには、従来では16本必要であったところ、本実施形態では4本で済むようになる。
【0178】
このため、16分割画面の多画面分割表示信号s16mixを生成するためには、従来では、信号切換装置1の構成要素は、16本の入出力を有する回路で実現する必要が生じ、回路規模が増大してしまうため、16分割の多画面分割表示の実現化が困難であった。これに対して、本実施形態では、信号切換装置101の構成要素は、4本の入出力を有する回路で実現することが可能になるため、回路規模の増大を抑制することが可能になり、16分割の多画面分割表示を容易に実現することが可能になる。
【0179】
また、切換処理部122から入力される機器内信号に対して各種の信号処理を施す構成要素としてのフレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144の各々には、サブ多画面分割表示信号生成部171,181,及び191が設けられている。これにより、フレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144で生成された信号、または中間生成信号がそのままの形態で出力されるのではなく、複数の信号が合成されたサブ多画面分割表示信号として出力されるので、出力に必要な信号線の数を減らすことができる。したがって、信号切換装置101の回路規模の増大を抑制することが可能となる。
【0180】
また、本実施形態の信号切換装置101では、信号処理を施す構成要素、すなわち、ミックスエフェクト処理部141、フレームメモリ142、特殊効果処理部143、及び3次元効果処理部144の中、またはその外部にサブ多画面分割表示信号生成部を配置させる。これにより、信号処理を施す構成要素内で生成された信号、及び信号処理の途中で生成される中間生成信号を表示させることができるようになる。
【0181】
さらに、複数の信号を合成したサブ多画面分割表示信号s4mixを1つの信号として取り扱うことができるので、制御部127による制御が容易になる。
【0182】
<2.第2実施形態>
第1実施形態のサブ多画面分割表示信号生成部164は、切換処理部122から入力された各種映像信号のうち、合成処理部161により生成されたPGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号を選択して合成していた。すなわち、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像が上下左右に4分割表示されるサブ多画面分割表示信号s4mixが生成された。
【0183】
しかしながら、サブ多画面分割表示信号生成部164が選択して合成する映像信号は、第1実施形態の例に特に限定されない。そこで、第2実施形態では、キー調整部163で生成されたキー調整用信号key1乃至key8、及び合成キー調整用信号keyallが選択されて合成されて、後述する図14に示す構造のサブ多画面分割表示信号が生成される。なお、第2実施形態で生成されるサブ多画面分割表示信号を、第1実施形態で生成されるサブ多画面分割表示信号s4mixと明確に区別すべく、以下、サブ多画面分割表示信号sKmixと称する。
【0184】
以下さらに、第2実施形態の信号切換装置の構成は第1実施形態の信号切換装置101と同様であるものとして、サブ多画面分割表示信号sKmixの詳細について説明する。
【0185】
[サブ多画面分割表示信号sKmix]
図14は、第2実施形態のサブ多画面分割表示信号生成部164によって生成されるサブ多画面分割表示信号のsKmixを示す図である。
【0186】
第2実施形態では、サブ多画面分割表示信号生成部164は、キー調整部163で生成されたキー調整用信号key1乃至key8、及び合成キー調整用信号keyallを合成し、サブ多画面分割表示信号sKmixを生成する。
【0187】
したがって、編集者は、サブ多画面分割表示信号sKmixに基づく映像を見ることによって、番組の映像に合成されるオブジェクト、すなわちキー調整用信号に対応するオブジェクトを確認しながら、編集作業の確認を行うことができるようになる。
【0188】
ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれのサブ多画面分割表示信号生成部164は、9分割画面のサブ多画面分割表示信号sKmixを相互に独立してそれぞれ生成して出力する。そこで、以下、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4のそれぞれから出力されるサブ多画面分割表示信号sKmixを、以下、サブ多画面分割表示信号sKmix1乃至sKmix4のそれぞれと称する。
【0189】
ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4を含む信号処理部123からは、合計4種類のサブ多画面分割表示信号sKmix1乃至sKmix4が出力され、切換処理部122に再入力される。
【0190】
このため、第2実施形態の信号切換装置101においては、4種類のサブ多画面分割表示信号sKmix1乃至sKmix4の集合体が、多画面分割表示生成用映像信号群として切換処理部122から出力されて、出力部124に入力される。
【0191】
出力部124のメイン多画面分割表示信号生成部202は、多画面分割表示生成用映像信号群の全て、すなわち、4種類のサブ多画面分割表示信号sKmix1乃至sKmix4の全てを選択して合成する。その結果、図示はしないが、36分割画像の多画面分割表示信号が生成されて、出力信号変換部125−2に出力される。
【0192】
出力信号変換部125−2は、メイン多画面分割表示信号生成部202から出力された多画面分割表示信号を、機器内信号の形態から表示装置等に適した形態に変換する。具体的には本実施形態では、多画面分割表示信号は、差動信号からSDI信号の形態に変換され、出力信号として図示せぬ表示装置等に出力される。すると、表示装置等には、図示はしないが、各種キー調整用信号等に対応する36種類のオブジェクトが分割表示された、36分割画面が表示される。
【0193】
<3.第3実施形態>
第1実施形態、及び第2実施形態では、メイン多画面分割表示信号生成部202は、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4内で生成された4種類のサブ多画面分割表示信号の集合体を、多画面分割表示生成用映像信号群として多画面分割表示信号を生成した。
【0194】
しかしながら、多画面分割表示生成用映像信号群は、ミックスエフェクト処理部141−1乃至141−4内で生成されたサブ多画面分割表示信号である必要は特にない。第3実施形態では、多画面分割表示生成用映像信号群として、3次元効果処理部144により生成されたサブ多画面分割表示信号の集合体が採用される。
【0195】
以下さらに、第3実施形態の信号切換装置の構成は第1実施形態の信号切換装置101と同様であるものとして、第3実施形態のサブ多画面分割表示信号、及び、当該サブ多画面分割表示信号から生成される多画面分割表示信号の詳細について説明する。
【0196】
[多画面分割表示信号s3Dmix]
図15は、第3実施形態の信号切換装置により生成される多画面分割表示信号を示す図である。
【0197】
図15に示されるように、多画面分割表示信号s3Dmixは、4種類のサブ多画面分割表示信号sL4mix,sR4mix,sLKmix,sRKmixが合成された結果得られる映像信号である。
【0198】
例えば、PGM、PVW、CLEAN、及びKPVWの各映像信号が、ミックスエフェクト処理部141−1から切換処理部122に再入力されて、さらに、切換処理部122から3次元効果処理部144に入力されたとする。
【0199】
この場合、3次元効果処理部144は、左眼用PGM及び右眼用PGM、左眼用PVW及び右眼用PVW、左眼用CLEAN及び右眼用CLEAN、並びに、左眼用KPVW及び右眼用KPVWの各映像信号を生成する。
【0200】
そして、3次元効果処理部144のサブ多画面分割表示信号生成部191は、左眼用PGM、左眼用PVW、左眼用CLEAN、及び、左眼用KPVWの映像信号を選択して合成することによって、左眼用のサブ多画面分割表示信号sL4mixを生成する。また、サブ多画面分割表示信号生成部191は、右眼用PGM、右眼用PVW、右眼用CLEAN、及び、右眼用KPVWの映像信号を選択して合成することによって、右眼用のサブ多画面分割表示信号sR4mixを生成する。
【0201】
換言すると、ミックスエフェクト処理部141−1によって生成されるサブ多画面分割表示信号s4mix1に対して3次元効果を施された場合に得られる映像信号と等価な映像信号が、左眼用のサブ多画面分割表示信号sL4mixと右眼用のサブ多画面分割表示信号sR4mixとの組である。したがって、切換処理部122から3次元効果処理部144に入力される映像信号は、ミックスエフェクト処理部141によって生成されるサブ多画面分割表示信号s4mixであってもよい。
【0202】
また例えば、キー調整用信号key1乃至key4の各映像信号が、ミックスエフェクト処理部141−1から切換処理部122に再入力されて、さらに、切換処理部122から3次元効果処理部144に入力されたとする。
【0203】
この場合、3次元効果処理部144は、左眼用キー調整用信号key1及び右眼用キー調整用信号key1、左眼用キー調整用信号key2及び右眼用キー調整用信号key2、左眼用キー調整用信号key3及び右眼用キー調整用信号key3、並びに、左眼用キー調整用信号key4及び右眼用キー調整用信号key4の各映像信号を生成する。
【0204】
そして、3次元効果処理部144のサブ多画面分割表示信号生成部191は、左眼用キー調整用信号key1、左眼用キー調整用信号key2、左眼用キー調整用信号key3、及び、左眼用キー調整用信号key4の映像信号を選択して合成することによって、左眼用のサブ多画面分割表示信号sLKmixを生成する。また、サブ多画面分割表示信号生成部191は、右眼用キー調整用信号key1、右眼用キー調整用信号key2、右眼用キー調整用信号key3、及び、右眼用キー調整用信号key4の映像信号を選択して合成することによって、右眼用のサブ多画面分割表示信号sRKmixを生成する。
【0205】
このようにして3次元効果処理部144により生成された、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sL4mix,sR4mix、並びに、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sLKmix,sRKmixは、切換処理部122に再入力される。
【0206】
このため、第3実施形態の信号切換装置101においては、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sL4mix,sR4mix、並びに、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sLKmix,sRKmixの集合体が、多画面分割表示生成用映像信号群になる。このような多画面分割表示生成用映像信号群は、切換処理部122から出力されて、出力部124に入力される。
【0207】
出力部124のメイン多画面分割表示信号生成部202は、多画面分割表示生成用映像信号群の全てを選択して合成する。すなわち、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sLmix,sRmix、並びに、左眼用及び右眼用のサブ多画面分割表示信号sLKmix,sRKmixの全てが選択して合成される。その結果、図15に示される多画面分割表示信号s3Dmixが生成されて、出力信号変換部125−2に出力される。
【0208】
出力信号変換部125−2は、メイン多画面分割表示信号生成部202から出力された多画面分割表示信号s3Dmixを、機器内信号の形態から表示装置等に適した形態に変換する。具体的には本実施形態では、多画面分割表示信号は、差動信号からSDI信号の形態に変換され、出力信号として図示せぬ表示装置等に出力される。これにより、図15に示されるように、表示装置等の画面の左半分には、左眼用の8種類の各種映像が各子画面に分割表示される一方、表示装置等の画面の右半分には、右眼用の8種類の各種映像が各子画面に分割表示される。
【0209】
なお、上述した第1乃至第3実施形態で、サブ多画面分割表示信号の選択のもとになる映像信号は、サブ多画面分割表示信号生成部が配置されるそれぞれの構成要素に入力された複数の映像信号、及び、それぞれの構成要素が信号処理を施している途中に生成される中間生成信号であれば足りる。つまり第1乃至第3実施形態であげた映像信号は例示にすぎない。
【0210】
なお、上述した第1乃至第3実施形態では、サブ多画面分割表示信号生成部は、1の信号切換装置に対して複数設けられたが、特にこれに限定されない。例えば、1の信号切換装置に対して1のサブ多画面分割表示信号生成部を設けるようにしてもよい。また、上述した第1乃至第3実施形態では、ミックスエフェクト処理部は、1の信号切換装置に対して複数設けられたが、特にこれに限定されない。例えば、1の信号切換装置に対して1のミックスエフェクト処理部を設けるようにしてもよい。
【0211】
本発明は、ミックスエフェクト処理部を備えた信号処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0212】
101 信号切換装置, 121 入力信号変換部, 122 切換処理部, 123 信号処理部, 124 出力部, 125−1,125−2 出力信号変換部, 141−1乃至141−4 ミックスエフェクト処理部, 142 フレームメモリ, 143 特殊効果処理部, 144 3次元効果処理部, 161 合成処理部, 162 ワイプ切換信号生成部, 163 キー調整部, 164,171,181,191 サブ多画面分割表示信号生成部, 201 出力処理部, 202 メイン多画面分割表示信号生成部, 221−1乃至221−8 キー調整用信号生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像信号を入力する入力手段と、
前記入力手段に入力された前記複数の映像信号に対して、信号処理を施す信号処理手段と、
前記信号処理手段により前記信号処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記信号処理手段が前記信号処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号を生成する、1以上のサブ多画面分割表示信号生成手段と、
1以上の前記サブ多画面分割表示信号生成手段の各々により生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうち、Q種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号を選択して合成することによって、多画面分割表示信号を生成する多画面分割表示信号生成手段と
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記信号処理手段の構成要素である
請求項1の信号切換装置。
【請求項3】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号に対してエフェクトを付加してミックスするミックスエフェクト処理を施す、1以上のミックスエフェクト処理手段を備え、
前記1以上のミックスエフェクト処理手段のそれぞれの構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記ミックスエフェクト処理手段により前記ミックスエフェクト処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記ミックスエフェクト処理手段が前記ミックスエフェクト処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号を記憶するフレームメモリを備え、
前記フレームメモリの構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記フレームメモリにより記憶された映像信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号に対して特殊効果処理を施す特殊効果処理手段を備え、
前記特殊効果処理手段の構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記特殊効果処理手段により前記特殊効果処理が施された前記映像信号、及び、前記特殊効果処理手段が前記特殊効果処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記信号処理手段は、前記信号処理として、前記入力手段に入力された複数の前記映像信号、並びに、前記信号処理手段から出力される前記信号処理が施された前記複数の映像信号、前記中間生成信号、及び前記サブ多画面分割表示信号のうち、少なくとも一部の映像信号を、3次元画像表示のための映像信号に変換する3次元効果処理を実行する3次元効果処理手段を備え、
前記3次元効果処理手段の構成要素として、前記サブ多画面分割表示信号生成手段が設けられており、
前記サブ多画面分割表示信号生成手段は、前記3次元効果処理手段により前記3次元効果処理が施された前記映像信号、及び、前記3次元効果処理手段が前記3次元効果処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類の映像信号を選択して合成することによって、前記サブ多画面分割表示信号を生成する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項7】
複数の映像信号を入力する入力ステップと、
前記入力ステップの処理により入力された前記複数の映像信号に対して、信号処理を施す信号処理ステップと、
前記信号処理ステップの処理により前記信号処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記信号処理ステップにより前記信号処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号を生成する、1以上のサブ多画面分割表示信号生成ステップと、
1以上の前記サブ多画面分割表示信号生成ステップの処理の各々により生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうち、Q種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号を選択して合成することによって、多画面分割表示信号を生成する多画面分割表示信号生成ステップと
を含む信号処理方法。
【請求項8】
複数の映像信号を入力し、
入力された前記複数の映像信号に対して、信号処理を施し、
前記信号処理が施された前記複数の映像信号、及び、前記信号処理を施している途中に生成される1以上の映像信号である中間生成信号の中から、P種類(Pは2以上の整数値)の映像信号を選択して合成することによって、サブ多画面分割表示信号を生成し、
生成された1以上のサブ多画面分割表示信号のうち、Q種類(Qは1以上の整数値)のサブ多画面分割表示信号を選択して合成することによって、多画面分割表示信号を生成する
ステップを含む制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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