説明

個々の義歯の模型作成方法

本発明はアバットメントを含む個々の義歯の模型を作成する方法を含む。当該方法において検出装置により、第一の形状寸法が検出され、少なくとも一つの操作用インプラント/インプラント上に補助部材が取り付けられており、それにより第一のデータセットが確定される。少なくとも一つの操作用インプラント/インプラントを有し、補助部材を有さない形状寸法を表す、第二のデータセットが確定される。補助部材のデータを含まない第二のデータセットを用いてまたは第一および第二のデータセットを用いて、義歯部材をアバットメント上に押し込むべき挿入方向が確定される。本発明は個々の義歯を製造するための方法と、個々の義歯の模型を作成するシステムと、コンピュータにロードされると本発明に係る方法を実行する命令を含むコンピュータで読み取り可能な媒体とを含んでいる。本発明は義歯部材のための挿入方向を自動的に確定するための方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は個々の義歯の模型作成方法と、個々の義歯を製造するための方法と、個々の義歯の模型を作成するためのシステムおよびコンピュータで読み取り可能な媒体と、義歯部材のための挿入方向を自動的に確定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科医による治療の後に、直接患者の口内で行う光学的スキャニングによって、あるいは患者の口内の状態を表している模型を光学的にスキャンすることによって残存歯領域を測定することが、従来技術として知られている。また、義歯部材の模型をデジタル式に作成することが知られており、このとき残存歯領域のスキャンデータが考慮される。
【0003】
特許文献1から、顎の型取りによる作業用模型を製造することが知られている。当該作業用模型には、製造すべき義歯に応じて、一つまたは複数の操作用インプラントが埋入されており、当該操作用インプラントは顎内のインプラントの位置を再現している。操作用インプラントは作業用模型から突出しないか、またはほとんど突出しないので、個々の操作用インプラントには補助部材が取り付けられており、当該補助部材が作業用模型から突出している。補助部材は、作業用模型における操作用インプラントの埋め込み深さと、長手軸方向の向きと、角度位置とを表す。載置された補助体を用いて検知された作業用模型の幾何形状によって、さらなるデータが確定される。当該さらなるデータは、個々の義歯のさらなる構成部材を製造するため、および個々の義歯のさらなる構成部材の挿入方向を確定するために必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1062916号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、個々の義歯の模型作成方法と、個々の義歯を製造するための方法と、個々の義歯の模型を作成するためのシステムとを提供することであり、それによって義歯の模型作成の際に一つまたは複数の改良されたデータセットが提供され、その結果、義歯が良好に製造可能となる。
【0006】
本発明の課題はさらに、義歯部材のための挿入方向を自動的に確定するための方法を提供することであり、それによって挿入方向を確定する際に、使用者が挿入方向を確定する場合に比べて時間が節約される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題は、請求項1に記載の方法と、請求項11に記載の方法と、請求項15に記載のシステムと、請求項17に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体と、請求項18に記載の方法と、請求項32に記載のシステムと、請求項34に記載のコンピュータで読み取り可能な媒体と、請求項35に記載の方法と、によって解決される。
【0008】
好適な実施の形態は従属請求項に開示されている。
【0009】
アバットメントを含む個々の義歯の模型を作成するための方法では、義歯を設けるべき残存歯領域の模型に、当該残存歯領域におけるインプラントに対応する、少なくとも一つの操作用インプラントが取り付けられる。
【0010】
前記模型において、個々の操作用インプラントに補助部材が取り付けられ得る。当該補助部材は操作用インプラントと共に、残存歯領域におけるインプラントの位置を再現する。検出装置を用いて、少なくとも一つの補助部材を有する模型の第一の三次元的形状寸法を検出することができ、それによって、第一のデータセットを確定することができる。当該第一のデータセットは第一の三次元的形状寸法を表している。
【0011】
検出装置を用いて、少なくとも一つの操作用インプラントを有するが、補助部材を有さない模型の第二の三次元的形状寸法を検出することができる。それによって、第二のデータセットを確定することができる。当該第二のデータセットは第二の三次元的形状寸法を表している。第二の形状寸法は第一の形状寸法を検出する前に検出することもできる。
【0012】
補助部材が載置されていない残存歯領域の模型を検出すると、補助体によって生じ得る陰影効果を回避することができる。補助体が操作用インプラントに載置されている場合、当該補助体の位置はまた、操作用インプラントの位置によって決定されているのであるが、当該補助体の位置によっては、歯の隙間などの特定の領域が検出装置によって検出され得ないという結果を招く恐れがある。これは例えばアバットメントの外形を確定しなければならないときは、不利になり得る。そのような場合、対応する形状を規定することができないためである。補助部材が載置されていなければ、歯の隙間などの全ての領域を検出することができ、それに応じてアバットメントの外形を規定することができる。
【0013】
アバットメントの外形は、同一および/または対向する顎(上顎もしくは下顎)にある隣の歯までの距離に基づいて、および/または当該隣の歯の形もしくは軸に基づいて規定することができる。さらに一般的なアバットメントの外形を、例えばパラメータ化して、提案として用いることができ、このような提案を、(製造すべき)アバットメントの外形を規定するために用いることができる。使用に供される一般的なアバットメントの外形には、変化および/または加工がなされる。それによって得られる外形を、例えば(製造すべき)アバットメントのために用いることができる。一般的なアバットメントの外形は異なる歯の型式および/またはインプラントに対する、アバットメントの異なる接続幾何形状に応じて、分類されていてよい。それによって(製造すべき)アバットメントのための提案として、一般的なアバットメントの外形を容易および/または迅速に選択することができる。
【0014】
補助体としては、一般に大きな補助体が好適である。補助体が大きい場合、幾何学的形状および位置を、特にわずかな誤差で認識できるという理由による。しかしながら、まさにこのように大きな補助体が大きな陰影を生じさせ、それこそが望ましくない点である。
【0015】
第二のデータセットを用いて、義歯部材をアバットメント上に押し込むべき挿入方向を確定することができる。義歯部材の挿入方向は例えばアバットメントの外形および/または隣の歯によって規定され、それによって当該義歯部材を目標位置に良好に挿入することができる。このときアバットメントの外形とは、載置すべき義歯部材に向いているアバットメントの面のことである。第二のデータセットから挿入方向を確定することは、第一のデータセットを検出する前でも行うことができるが、その理由は、義歯部材をアバットメント上に押し込むべき挿入方向を確定する際、好適に第二のデータセットは用いられ得るが、第一のデータセットは用いられないということである。二つのデータセットの検出の順序も任意である。
【0016】
アバットメントの外形は、例えばそれ以前に確定された挿入方向に関連させて規定され得る。このとき挿入方向を確定する時点で、アバットメントがすでに部分的あるいは全体的に知られているか、あるいは確定されている必要はない。
【0017】
挿入方向の確定は、例えば、確定されたデータセットに黙示的または明示的に含まれている異なる軸に基づいて行うことができる。当該軸は例えば、隣の歯の軸および/または上顎もしくは下顎のU字形によって規定される面に対する垂線および/または隣の歯の赤道面によって規定される面に対する垂線であってよく、当該赤道面は歯の水平方向の最大外周によって確定され得る。得られる閉じた歯の線も、さらなる基準であり得る。
【0018】
第二のデータセットは、少なくとも一つの操作用インプラントを有するが、当該操作用インプラントに補助部材が載置されていない、残存歯領域の模型の形状寸法に基づいている。そのため、補助部材による陰影を回避することができ、義歯部材の挿入方向は例えば隣の歯に注意しながら決定され得る。
【0019】
義歯部材をアバットメント上に押し込み得る挿入方向を確定するために、第一のデータセットおよび第二のデータセットを用いることによって、二つのデータセットの情報に含まれている有利点を組み合わせることができる。第一のデータセットを用いて、残存歯領域の模型における操作用インプラントの位置および、それとともに患者の残存歯領域におけるインプラントの位置を、載置された補助部材によって正確に決定することができる。第二のデータセットを用いると、残存歯領域の模型の全ての領域が確実にデータセットに再現され、例えば第一のデータセットにおけるように、残存歯領域の模型の特定の領域が補助部材によって遮蔽されることはない。
【0020】
操作用インプラントの位置はまた、義歯部材をアバットメント上に押し込み得る挿入方向に影響を及ぼし得る。義歯部材に含まれるアバットメントは、操作用インプラント上に設けられ得る。さらに、アバットメントは例えばネジによって操作用インプラントと結合され得る。当該結合を確実に行うために、アバットメントは特定の形を有していてよく、当該特定の形によって提供されるネジ溝によって、ネジは安定した方法でアバットメントを貫通し、操作用インプラントと結合され得る。アバットメントはそのために一定の領域において必要な材料の厚みを有しており、当該材料の厚みによってこのような安定した結合が保証される。このとき材料の厚みを決定するものでもあるアバットメントの外形は、以下のように選択される。すなわち、アバットメントが残存歯領域の模型に、例えば歯の隙間に問題なく挿入され得るように選択される。アバットメントの外形およびアバットメントの周囲の残存歯領域の環境、すなわち、例えば歯の隙間の隣の歯などが、義歯部材をアバットメント上に押し込む方向を決定し得る。
【0021】
すでに述べた通り、第二のデータセットを用いて、補助体によって生じ得る陰影を回避することができる。補助部材を載置しないことによって、全ての領域、例えば歯の隙間が検出され得、それに応じてアバットメントの外形を規定することができる。
【0022】
義歯部材は、オーバーレイ(overlay)、アンレイ(onlay)、キャップ、クラウン、一次クラウン、二次クラウン、ブリッジまたはフレームなどであり得、あるいはそれらを含み得る。
【0023】
本発明に係る方法はさらに、アバットメントを規定するアバットメントデータを確定するステップを含み得る。アバットメントデータを確定するステップは、残存歯領域における、インプラントに対するアバットメントの接続幾何形状を確定することを含み得る。例えばブリッジを固定するために設けられている複数のインプラントにおいて、アバットメントを載置すべきインプラントの上部の形体が、回転対称であるのが好適である。それによって歯科的な修復は幾何形状に関して過剰に規定されないようになる。同時にあるいは代替的に、義歯部材が載置されるアバットメントの外形が、回転対称であってよい。
【0024】
しかしながら、クラウンなどの単独の義歯部材のみが載置されるべきインプラントが設けられている場合、当該インプラントは対応する領域において回転対称でないことが好適である。それによって義歯部材の捩れが防止される。これに応じて、対応するアバットメントの、インプラントと接触する相応の部分も、回転対称でないことが好ましい。さらに、義歯部材と接触するアバットメントの外形も、回転対称ではないのが好ましい。
【0025】
インプラントに対するアバットメントの接続幾何形状を決定するために、接続領域におけるアバットメントの必要な/望ましい形状寸法、および/または接続領域におけるインプラントの形状寸法に関して、前もってコンピュータに保存された情報を使用することができる。前もって保存された情報は、ネジ溝を作成するために用いることもできる。(以下参照。)
【0026】
第一および/または第二のデータセットを用いて、アバットメントがインプラントに載置され得る方向を決定することができる。当該方向は隣の歯によって、またインプラントの位置によって確定され得る。アバットメントがインプラントに載置され得る方向は、単独の歯の修復においても、義歯部材をアバットメント上に挿入する方向と異なっていてもよい。しかしながら、前記の方向と挿入方向とは同じであってもよい。
【0027】
アバットメントにはネジ溝が形成され得る。当該ネジ溝の長手軸は残存歯領域におけるインプラントの軸と一致しており、このために好適に特に、あるいは専ら、第一のデータセットが利用され得る。第二のデータセットは任意で付加的に利用されてもよい。
【0028】
さらに、アバットメントが残存歯領域におけるインプラント上に、あるいは、模型における操作用インプラント上に載置されているとき、アバットメントのネジ溝にネジが装入され得るかどうか、好適なソフトウェアによって検査することができる。当該検査は例えば第二のデータセットを用いて行うこともできる。
【0029】
ネジ溝にネジが装入され得るかどうかの検査によって、アバットメントの使用が保証される。何故なら、例えば当該ネジ溝は、検査がなければ、隣の歯によって遮蔽されていたかもしれず、そのためにネジを用いてアバットメントをインプラント上に固定することができなかったかもしれないのである。そのような場合は新たなアバットメントを製造しなければならなかったはずである。検査を行うことにより、必要な場合は新たなアバットメントを製造する前に、当該アバットメントを設計することができる。
【0030】
アバットメントの外形は第二のデータセットを用いて決定することができる。第二のデータセットは少なくとも一つの操作用インプラントを有しているが、当該操作用インプラント上に補助部材が載置されていない模型の形状寸法を表している。補助部材が用いられないことによって、例えば歯の隙間があって当該歯の隙間に操作用インプラントが設けられているものを検出する際に、陰影の問題は生じない。アバットメントの外形は相応に決定され得るので、例えば載置すべき義歯部材に対して歯の隙間には十分な場所がある。
【0031】
残存歯領域におけるインプラント上にアバットメントが載置可能であるかどうか、検査することができる。それによって例えばアバットメントをインプラント上に載置すべき方向も、アバットメントの外形も、残存歯領域の条件に合致することが保証される。アバットメントが載置可能であるかどうかの検査は、例えば残存歯領域の模型においても行うことができる。
【0032】
アバットメントの外形を考慮しながら、義歯部材の内形を決定することができる。このとき義歯部材の内形とは、アバットメントの方を向いている義歯部材の面のことである。義歯部材の内形を決定する際、セメントまたは接着剤を導入するための領域も設けられ得る。セメントまたは接着剤は、アバットメントと義歯部材との結合手段として用いられる。
【0033】
アバットメントを含む個々の義歯を製造するための方法において、アバットメントおよび/または義歯部材の製造は、予備成形されたブランクから、例えばプレートなどの任意に成形されたブランクからフライス加工によって行われる。フライス加工においては、例えば鋼またはダイヤモンドのフライスカッターが用いられる。
【0034】
ブランクは完全に焼結されたセラミック、予備焼結(すでに焼結されているが、まだ完全には焼結されていない)セラミック、および焼結されていない(素地)セラミック、あるいは以下に挙げる材料であり得るか、または当該材料を含み得る。
【0035】
アバットメントおよび/または義歯部材のための材料として、金属、セラミック、ガラスまたはプラスチックが用いられ得る。このとき例えばプラスチックまたはガラス繊維強化プラスチックを用いることができるとともに、金属または金属合金、例えばコバルト合金、クロムコバルト合金、チタンまたはチタン合金、金または金合金も用いられる。さらにセラミック、例えば酸化ジルコニウム、イットリア安定化酸化ジルコニウム、または酸化アルミニウムが用いられ得る。
【0036】
アバットメントを含む個々の義歯の模型を作成するためのシステムにおいて、手段が設けられており、それによって第一の三次元的形状寸法を表している第一のデータセットを検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき残存歯領域の模型と、補助部材が取り付けられている少なくとも一つの操作用インプラントとを含んでおり、前記手段によって第二の三次元的形状寸法を表している第二のデータセットを検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき残存歯領域の模型と、補助部材が取り付けられていない少なくとも一つの操作用インプラントとを含んでいる。第二のデータセットを用いるけれども、好適に第一のデータセットを用いることなく、あるいは、第一のデータセットと第二のデータセットとを用いて、義歯部材をアバットメント上に押し込み得る挿入方向を確定することができる。したがって本発明の装置は、補助体のデータを含んでいないデータセットからでも挿入方向を確定することができるように形成され得る。
【0037】
検出されたデータセットはさらに保存され、さらなる処理をされ、および/またはデータ通信によって送信され得る。
【0038】
本発明はまた、コンピュータで読み取り可能な媒体に関する。当該媒体は命令を含んでおり、当該命令はコンピュータにロードされると、前記の方法あるいは以下にさらに説明する方法の一つを実行する。
【0039】
アバットメントを含む個々の義歯の模型を作成するための方法において、義歯が設けられるべき患者の残存歯領域にある一つ、複数または個々のインプラント上に、補助部材が設けられ、当該補助部材はインプラントと共に、残存歯領域におけるインプラントの位置を再現する。検出装置を用いて、少なくとも一つの補助部材を有する残存歯領域の第一の三次元的形状寸法が検出され、当該第一の三次元的形状寸法から、第一の三次元的形状寸法を表している第一のデータセットが確定される。
【0040】
検出装置を用いて、少なくとも一つのインプラントを有しているが、補助部材を有していない残存歯領域の第二の三次元的形状寸法が検出され得る。当該第二の三次元的形状寸法から、第二の三次元的形状寸法を表している第二のデータセットが確定され得る。第二の形状寸法は第一の形状寸法を検出する前にも検出され得る。
【0041】
請求項1から14に記載の方法のステップと、上記または下記において説明される方法のステップは、従って、これらの検出されたデータセットによって実行することができる。このとき留意すべき点は、残存歯領域の模型および操作用インプラントの代わりに、残存歯領域自体とインプラントが用いられることである。
【0042】
本発明はさらに、義歯部材のための挿入方向を自動的に確定するための方法に関する。
【0043】
義歯が設けられるべき残存歯領域が存在する歯列弓にある歯、または歯肉の隆起部のうち、顎から最も遠くに突出している三つの点が選択され得る。これらの三点を介して平面が設定され、当該平面の垂直線によって挿入方向を確定することができる。歯列弓とはこの場合、患者の上顎もしくは下顎を意味する。
【0044】
歯列弓は切歯領域と、二つの臼歯領域とに分割され得る。これら三つの領域においてそれぞれ顎から最も遠くに突出している点が選択され、これらの三点を介して平面が設定され、当該平面の垂直線によって挿入方向を確定することができる。全ての歯があるわけではない、および/または全ての歯がない場合も三つの領域への分割をすることができるが、その場合、分割するために切歯および/または臼歯が存在しているはずの領域が用いられ得る。
【0045】
犬歯の領域は切歯領域および/またはそれぞれの臼歯領域にさらに含まれ得るが、犬歯の領域に関して独自の領域を設けること、および/または犬歯もしくは犬歯の領域を考慮しないことも可能である。
【0046】
歯列弓にある歯および歯肉の隆起部のうち、顎から突出している三つの点が選択され得る。このとき
a)第一の点として、顎から最も遠く突出している点が選択される。
b)第二の点として、当該第二の点が第一の点に対して最小距離を有している場合、顎から二番目に遠く突出している点が選択され、前記最小距離は1cm、1.5cm、2cm、2.5cmあるいはそれ以上である。
c)前記第一の点と前記第二の点との距離が前記最小距離よりも小さいとき、前記第二の点は却下され、第二の点が選択されるまでステップb)およびc)が繰り返され、このときステップb)およびc)においてそれぞれ、それ以前に用いられた点よりも顎からの突出が小さい点が用いられる。
d)ステップb)に応じて第二の点が選択された場合、第三の点が選択される。当該選択は、前記第三の点が前記第一の点に対して、および前記第二の点に対して、それぞれ最小距離を有している場合に行われ、第三の点として、それ以前に用いられた点よりも顎からの突出が小さい点が用いられる。
e)前記第三の点と前記第一の点との距離および/または前記第三の点と前記第二の点との距離が前記最小距離よりも小さいとき、前記第三の点は却下され、第三の点が選択されるまでステップd)およびe)が繰り返され、このときステップd)およびe)においてそれぞれ、それ以前に用いられた点よりも顎からの突出が小さい点が用いられる。
f)三つの点が選択されると、当該三つの点を介して平面が設定され、当該平面に対する垂直線が挿入方向を確定する。
【0047】
義歯が設けられるべき残存歯領域内にある磨り減った歯の縁および/またはアバットメントの縁に、三個あるいはそれ以上の接線を設けることができる。当該接線を介して磨り減った歯および/またはアバットメントの周囲に円錐周面を確定することができる。このとき当該円錐の開口角は挿入方向に対する角度領域を規定し得る。
【0048】
残存歯領域内には、さらなる磨り減った歯および/またはさらなるアバットメントがあり得る。当該さらなる磨り減った歯および/またはさらなるアバットメントには、さらなる義歯または同一の義歯が設けられるべきであり、前記さらなる磨り減った歯および/または前記さらなるアバットメントに、三個またはそれ以上の接線を設けることができる。当該接線を介して、前記さらなる磨り減った歯および/または前記さらなるアバットメントの周囲に、さらなる円錐周面を確定することができる。このとき挿入方向に対する角度領域は、二つの円錐の二つの開口角の交差から得られる。
【0049】
残存歯領域内にあるとともに、義歯が設けられるべき磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメントの軸の方向が、挿入方向を規定し得る。
【0050】
磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメントの軸の方向は、当該磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメントの容積データから決定され得る。
【0051】
軸の方向は、磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメント内の最長の線の方向に一致し得る、および/または軸の方向は、磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメントの容積が、平面に投影された際に、最小限の面積を有する投影方向に一致し得る。
【0052】
磨り減った歯の軸の方向は、当該磨り減った歯の赤道面を通る垂直線に一致し得る。当該赤道面は、磨り減った歯の水平方向の最大外周によって規定され得る。
【0053】
磨り減った歯の赤道線は、円、楕円、および/または多角形に適合され得る。軸の方向は円、楕円、および/または多角形の面に対する垂直線に一致し得る。当該赤道線は、磨り減った歯の水平方向の最大外周によって規定され得る。
【0054】
磨り減った歯の軸の方向は、当該磨り減った歯の治療線によって与えられている平面を通る垂直線によって規定され得る。
【0055】
磨り減った歯の治療線は、円、楕円、および/または多角形に適合され得る。前記磨り減った歯の軸の方向は円、楕円、および/または多角形の面に対する垂直線に一致し得る。
【0056】
義歯部材の装入方向は、義歯が設けられるべき残存歯領域に接続する隣の歯の側面を考慮しながら規定することができるが、このとき義歯に対向している側面のみが考慮される。
【0057】
使用者は、自動的に確定された装入方向を選択し、修正し、保存し、および/または修正された挿入方向を選択および/または保存することができる。
【0058】
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。図面に示すのは以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】操作用インプラントおよび補助部材を有する残存歯領域の模型を示す図である。
【図2】操作用インプラントを有するが、補助部材を有さない残存歯領域の模型を示す図である。
【図3】インプラントおよび補助部材を有する患者の残存歯領域を示す図である。
【図4】インプラントを有するが、補助部材を有さない患者の残存歯領域を示す図である。
【図5】操作用インプラントおよび載置されたアバットメントを有する残存歯領域の模型を示す図である。
【図6】二つの操作用インプラントと二つのアバットメントと義歯部材とを有する残存歯領域の模型を示す図である。
【図7】個々の義歯の模型を作成するためのシステムを示す図である。
【図8】歯の隙間を有する歯列弓を概略的に示す図である。
【図9】顎から突出する点の選択を表すフローチャートである。
【図10】円錐の開口角の交差から挿入方向を決定することを示す図である。
【図11】歯の赤道線および適合された円を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1には、複数の歯と、アバットメント3が載置されている操作用インプラント2とを含む残存歯領域1の模型が示されている。操作用インプラント2は模型1に対して、患者の顎内の相応のインプラント10の位置に対応する位置を占めている。操作用インプラントの長手軸4は、患者の口内のインプラントの長手軸11の向きに対応し得る。補助部材3は操作用インプラント2と共に、顎領域におけるインプラント10の位置を再現している。
【0061】
残存歯領域1の模型の形状寸法は、検出装置5、例えばスキャナーなどによって検出することができる。当該形状寸法のデータセット6はさらに、転送され、処理され、あるいは保存され得る。
【0062】
補助部材3はデータセット6において良好に認識され得る特徴的な形を有していてよい。それによって補助部材3の認識された位置から、操作用インプラント2および/またはインプラント10の位置を推測することができる。
【0063】
図2には、残存歯領域7の模型が示されているが、操作用インプラント2には補助部材が載置されていない。本図においても模型7の形状寸法を表すデータセット8を、検出装置5によって確定することができる。当該データセット8は転送され、処理され、あるいは保存され得る。当該データセット8から、操作用インプラントの上端部の位置がおおよそ確定され得る。通常、操作用インプラント2の正確な位置を決定するためには情報が足りないが、前記上端部の位置は十分な正確さを有して決定され得る。例えばこのような情報、および例えば残存歯領域の形のデータ、すなわち、例えば隣の歯の配置および/または大きさなどによって、例えば、義歯部材がアバットメント上に押し込まれ得る挿入方向を規定することができる。当該アバットメントはインプラント上に載置されていてよい。
【0064】
図3は患者の残存歯領域9を示しており、当該領域は本図において複数の歯とインプラント10とを含み、当該インプラント上に補助部材3が載置されている。残存歯領域9は検出ユニット5によって検出することができる。このとき当該検出ユニットは模型の検出を行うための検出ユニットと同一であってよいが、二つの検出ユニットは異なっていてもよい。確定されたデータセット12は転送され、処理され、および/または保存され得る。患者の顎内のインプラント10は長手軸11を有し得る。インプラントの位置は当該インプラントの上端部からおおよそ決定され得る。
【0065】
図4には患者の残存歯領域13が示されており、インプラント10上に補助部材は載置されていない。残存歯領域13の形状寸法は検出ユニット5によって検出することができる。このようにして得られたデータセット14は転送され、処理され、および/または保存され得る。
【0066】
図5には残存歯領域15の模型が示されており、当該残存歯領域の操作用インプラント2上にアバットメント16が載置されている。当該アバットメント16はネジ溝18を有し得る。それによってアバットメント16と(操作用)インプラント2,10とを例えばネジによって結合する。ネジ溝の長手軸は操作用インプラントの軸4およびインプラントの軸11に一致し得る。それによってアバットメント16と操作用インプラント2および/またはアバットメント16とインプラント10とを、例えば楔形のネジによって生じ得るような応力なしに、互いに結合させることができる。しかしながら、ネジ溝の長手軸とインプラントの軸11とは互いに傾斜して、あるいは互いにねじれの位置にあってもよい。そのために、インプラントとアバットメントの間にアダプタが挿入され得る。
【0067】
アバットメント16の外形はデータセット8を用いて確定することができる。当該データセットは補助部材が載置されていない対応する模型の形状寸法を表している(図2参照)。アバットメント16の可能な外形は、隣の歯の配置、アバットメント16を操作用インプラント2および/またはインプラント10上に載置すべき方向、あるいは、ネジをネジ溝18に装入する可能性および/または当該ネジの操作用インプラント2および/またはインプラント10における固定、によって限定され得る。アバットメント16の外形は、載置すべき義歯部材の一つまたは複数の特徴によって規定されていてもよい。このような特徴は例えば義歯部材の挿入方向、義歯部材の材料の最小の厚さ、あるいは義歯部材に設けられている添窩などであり得る。
【0068】
操作用インプラント2およびインプラント10と、アバットメント16とは、それらの端部に接続幾何形状17を有しており、当該接続幾何形状によって、部材が相応に対向して配置され、例えば操作用インプラント2および/またはインプラント10上でアバットメント16が捩れることが確実に防止され得る。
【0069】
図6には、二つの操作用インプラント2a,2bを有するとともに、アバットメント16a,16bが載置されている残存歯領域20の模型が示されている。アバットメント16a,16bには、ポンティックを有する三部分から成るブリッジ21が載置されている。操作用インプラント2a,2bは異なる向きを有して配置されている。アバットメント16a,16bの外形は、操作用インプラント2a,2bおよび/または対応するインプラントの向きと位置に注意しながら規定され得る。それによって当該操作用インプラントおよび/またはインプラントの長手軸によって与えられている二つの方向R1,R2が単一の挿入方向に変えられる。これによって複数部分から成る義歯部材21を、単一の挿入方向Eで対応するアバットメント16a,16b上に押し込むことが可能となる。義歯部材21には例えばさらにフェイシングを施すこともできる。それによって色や形の点で、患者の口内の歯に一致させる。
【0070】
図7は、個々の義歯の模型を作成するためのシステム22を示している。コンピュータによって、一つまたは複数のデータセット6,8,12,14,19が読み込まれ得る。例えば補助部材を有する残存歯領域および補助部材を有さない残存歯領域の模型の形状寸法を表すデータセットである。さらに患者の残存歯領域を表すデータセットも読み込むことができる。データセットは処理することができ、模型および/または残存歯領域の相応の面を画面23に表示することができる。データの加工が可能である。その際、加工のステップは使用者によって、キーボード、マウスを用いて、あるいは音声信号を介して選択および/または実行され得る。加工のステップは、使用すべき材料または確定された形状寸法などの前もって規定された特徴を用いて自動的に実行することもできる。加工されたデータセットは保存および/または送信され得る。それによってアバットメントおよび/または義歯部材の製造は加工現場で行われるか、あるいは当該製造は、製造センターで行われる。
【0071】
アバットメント16の模型を作成するための方法は従って以下のような流れで行われる。模型1,7は、補助部材3を有するものと有さないものがそれぞれスキャンされる(図1および2参照)。このとき順序は任意である。補助部材3を有さないデータ8,14から、すでに述べたように、挿入方向Eが決定され得る。そのためにデータは、例えば線として表される可能な挿入方向Eとともに、簡単に表示され得る。データはまた、挿入方向Eの視点から見た表面として、すなわち挿入方向に沿って模型の表面に視線を向けた状態で表示され得る。挿入方向Eもしくはデータへの視線はその後、使用者の入力によって、当該使用者が選択された挿入方向Eに同意するまで、修正される。
【0072】
アバットメント16の模型を作成するための方法は、データセット12,14を用いて実施することもできる。当該データセットは、インプラントを有するとともに補助部材が載置された残存歯領域の三次元的な形状寸法、もしくは、インプラントを有するが補助部材を有さない残存歯領域の三次元的な形状寸法を含む。挿入方向Eは、当該データセット12,14を用いて決定することもできる。
【0073】
その後、当該挿入方向Eを援用して、あるいは援用せずに、アバットメント16の外部領域の模型を作成することができる。そのために例えば円錐台外周面を挿入方向Eの周囲に設けることが提案される。このような提案は、データに対応する模型において好適な手段を用いて、使用者によってさらに修正されてよい。アバットメント16の模型はこの場合、補助部材を有さないデータセットを考慮して修正され、それによってアバットメントは他の隣の歯もしくは一般的に残存歯領域に適合される。このとき補助部材3を有さないデータセット8,14から得られた、(操作用)インプラント2,10の上端部の位置に関するおおよその情報が十分に利用され、それによってアバットメント16は、当該アバットメントが(操作用)インプラント2,10上に固定され得るように形成される。
【0074】
アバットメント16を表すデータセットを作り出すために、さらに下側と、ネジ溝18が作成される。このために例えばすでに作成されているアバットメント16のデータセットを、補助部材3を有するデータセットの表示に重ね合わせることができる。例えば、隣の歯もしくは残存歯領域との比較による、計画されたアバットメント16の相対的な位置をそのために用いることができる。これらのデータは、二つのデータセット6,8,12,14(補助部材を有するものと有さないもの)において同様に存在するからである。補助部材3を有するデータセット6,12から、(操作用)インプラント2,10の正確な位置が分かる。それによってネジ溝18は好適にインプラント軸に沿って形成され、(操作用)インプラント2,10の正確な位置に関する情報は、アバットメント16の下側を相応に形成するために用いられる。それによって外形が最適に形成され得るアバットメント16が作成される。その理由は、対応するデータセット8,14において、障害となる補助部材によって陰影が生じない一方で、補助部材を有するデータセットが使用に供されるために、必要とされる正確さを有して下側を形成できるというものである。
【0075】
このように模型が作成されたアバットメントのデータセットは、その後、当該アバットメントを製造するために、製造ステーションもしくは製造センターに宛てて、例えばデータ転送によって送られ得る。
【0076】
図8は歯の隙間29を有する歯列弓の概略図である。歯列弓24は3つの領域、例えば本図のように二つの臼歯の領域25,26と、切歯の領域27とに分割され得る。犬歯28は本図の場合、三つの領域のいずれにも従属していないが、例えば切歯の領域、あるいは、相応の臼歯の領域に配属されていてよい。犬歯に対して、それぞれ独自の領域を割り当てることも可能である。歯の隙間にインプラントとアバットメントとが装入され得る、および/または装入されており、当該インプラントとアバットメントの上にその後、義歯部材を載置することができる。当該義歯部材に対する可能な挿入方向は以下のように決定することができる。すなわち、顎から突出する三つの点が選択され、当該三つの点を介して平面が設定され、当該平面に対する垂直線が可能な挿入方向を規定し得る。
【0077】
前記の点の選択は、以下のように行われる。
・図に示す三つの領域のそれぞれから、それぞれ一つの点が選択される。当該それぞれの点は、顎から最も遠く突出している点であってよい。当該最も遠く突出している点は、歯の先端によって提供されてよい。あるいは、顎または顎の領域に歯がなくなっている場合には歯肉の隆起部によって提供されてよい。
・選択された三つの点は、互いにそれぞれ最小距離を有している。
【0078】
図9は顎から突出している点を選択するためのフローチャートを示している。顎から突出しているこのような点の座標を含むデータベースが使用に供され得る(図に示されていない)。点のソートは例えば以下のように行われ得る。すなわち、より大きな指標値iを有する点Cは、より高い指標値iを有する点Cよりも、顎からの突出が小さいように行われる。ステップ100において、第一の点Pとして、顎から最も遠く突出している点Ci=1が選択される。
【0079】
次の点Ci=2に対して、ステップ101において、第一の点Pと点Ci=2との距離dが決定される。ステップ102において、第一の点Pと点Ci=2との距離dが、最小距離mよりも大きいか、あるいは最小距離mと等しいか、検査される。当該最小距離は、例えば1cm、1.5cm、2cm、2.5cmあるいはそれ以上であり得る。当該最小距離は、しかしながらより小さくてもよい。
【0080】
dが、mよりも大きいか、あるいは等しい場合、ステップ103において、第二の点Pとして、点Ci=2が選択される。距離dが最小距離mよりも小さいとき、ステップ101および102は、dが最小距離mよりも大きいか、あるいは最小距離mと等しい点Cが見出されるまで繰り返される。そのような点が見つからなかった場合、自動的な通知がなされる。当該通知は、例えば、第二の点が選択できなかったために、点の選択を終了すべきであったことを内容とする。
【0081】
ステップ103において、第二の点Pに対して点Cが割り当てられた場合、次の点Cj=i+1に対して、ステップ104において、第一の点Pに対する距離d’と、第二の点Pに対する距離d”とがそれぞれ計算される。ステップ105において、距離d’とd”とが、最小距離mよりも大きいか、あるいは最小距離mと等しいか、検査される。
【0082】
このような場合、ステップ106において、第三の点Pとして点Cが選択される。距離d’ および/またはd”が、最小距離mよりも小さいとき、ステップ104および105は、距離d’とd”とが、最小距離mよりも大きいか、あるいは最小距離mと等しい点Cが見出されるまで繰り返される。そのような点が見つからなかった場合、自動的な通知がなされる。当該通知は、例えば、第三の点が選択できなかったために、点の選択を終了すべきであったことを内容とする。
【0083】
図10は、磨り減った二つの歯32,33の上に義歯部材を挿入する方向を決定することを概略的に示している。このとき円錐34,34’,35,35’の二つの開口角の交差36が考慮される。磨り減った歯32,33の周囲に円錐を設定するために、当該磨り減った歯の縁に三個あるいはそれ以上の接線が設けられ、それによって当該磨り減った歯を囲む円錐周面が確定される。研磨された二つの歯の場合、相応に、異なる開口角および/または異なる円錐軸の方向を有する二つの円錐周面が生じ得る。その後、二つの開口角34,34’,35,35’の交差36から、義歯部材に対する挿入方向が得られる。
【0084】
円錐周面は例えばアバットメントの周囲に設けることもできる。このとき円錐の開口角は、義歯部材に対する挿入方向を決定することができる。複数のアバットメント、および/あるいは、一つおよび/または複数のアバットメントおよび/あるいは一つおよび/または複数の磨り減った歯との組み合わせにおいて、義歯部材の挿入方向は、対応する円錐の開口角の交差から決定され得る。
【0085】
義歯部材の挿入方向は、例えば磨り減った歯の軸の方向によって規定され得る。このとき磨り減った歯の軸の方向は、例えば磨り減った歯の赤道面に対する垂直線によって与えられてよく、当該赤道面は磨り減った歯の最大かつ、ほぼ水平方向の外周の線によって規定されている。赤道線および、それに対応して赤道面は、一般に平面に設けられているのではなく、例えば波状の形を有するものと思われる。当該波状の形は磨り減った歯の外部構造を再現する。
【0086】
図11には、歯の赤道線37および当該赤道線に適合された円形曲線38が示されている。円形曲線を適合させることによって、円形面が得られ、当該円形面は赤道線の走行を概ね表すとともに、平面に設けられている。この場合、当該円形面に対する垂直線39は
義歯部材に対する可能な挿入方向として用いられ得る。
【符号の説明】
【0087】
1 残存歯領域
2,2a,2b 操作用インプラント
3 アバットメント、補助部材
4 長手軸
5 検出装置、検出ユニット
6 第一のデータセット
7 残存歯領域
8 第二のデータセット
9 残存歯領域
10 インプラント
11 長手軸
12 第一のデータセット
13 残存歯領域
14 第二のデータセット
15 残存歯領域
16,16a,16b アバットメント
17 接続幾何形状
18 ネジ溝
19 データセット
20 残存歯領域
21 義歯部材
22 システム
23 画面
24 歯列弓
25 臼歯領域
26 臼歯領域
27 切歯領域
28 犬歯
32 磨り減った歯
33 磨り減った歯
34,34' 円錐、開口角
35,35' 円錐、開口角
36 交差
37 赤道線
38 円形曲線
39 垂直線
100 ステップ
101 ステップ
102 ステップ
103 ステップ
104 ステップ
105 ステップ
106 ステップ
E 挿入方向
P1 第一の点
P2 第二の点
P3 第三の点
R1,R2 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アバットメント(16,16a,16b)を含む個々の義歯の模型を作成するための方法であって、
a)前記義歯を設けるべき残存歯領域(1,7)の模型において、前記残存歯領域(9,13)におけるインプラント(10)に対応する少なくとも一つの操作用インプラント(2)が設けられるステップと、
b)前記模型(1)において、一つの、複数の、または個々の操作用インプラント(2)上に、当該操作用インプラント(2)と共に、前記残存歯領域(9,13)における前記インプラント(10)の位置を再現する補助部材(3)が設けられるステップと、
c)検出装置(5)によって、少なくとも一つの前記補助部材(3)を有する前記模型(1)の第一の三次元的な形状寸法が検出され、それによって、前記第一の三次元的な形状寸法を表す第一のデータセット(6)が確定されるステップと、
d)前記検出装置(5)によって、前記少なくとも一つの操作用インプラント(2)を有するが、前記補助部材を有さない前記模型(7)の第二の三次元的な形状寸法が検出され、それによって、前記第二の三次元的な形状寸法を表す第二のデータセット(8)が確定されるステップと、を有する方法において、
前記第二のデータセット(8)を用いて、または前記第一のデータセット(6)と前記第二のデータセット(8)とを用いて、義歯部材(21)を前記アバットメント(16,16a,16b)上に押し込むべき挿入方向が確定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記義歯部材(21)は、オーバーレイ、アンレイ、キャップ、クラウン、一次クラウン、二次クラウン、ブリッジ、または、フレームであり、あるいはそれらを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
e)前記アバットメント(16,16a,16b)を規定するアバットメントデータを確定するステップを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アバットメントデータを確定するステップは、前記残存歯領域(9,13)における前記インプラント(10)および/または前記模型における前記操作用インプラント(2)に対する前記アバットメント(16,16a,16b)の接続幾何形状(17)を確定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一のデータセット(6)を用いて、前記アバットメント(16,16a,16b)を、前記インプラント(10)および/または前記模型における前記操作用インプラント(2)上に載置する方向が決定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アバットメント(16,16a,16b)内にネジ溝(18)が形成され、当該ネジ溝の長手軸は、前記残存歯領域(9,13)における前記インプラント(10)および/または前記模型における前記操作用インプラント(2)の軸(11)と一致し、そのために好適に特に、または専ら、前記第一のデータセット(6)が利用されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アバットメント(16,16a,16b)が前記残存歯領域(9,13)における前記インプラント(10)上に、および/または、模型における前記操作用インプラント(2)上に載置されているとき、前記アバットメント(16,16a,16b)の前記ネジ溝(18)にネジが装入され得るかどうか、さらに検査されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アバットメント(16,16a,16b)の外形は前記第二のデータセット(8)を用いて決定されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記アバットメント(16,16a,16b)が前記残存歯領域(9,13)における前記インプラント(10)上に、および/または前記模型における前記操作用インプラント(2)上に載置可能であるかどうか、検査されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記アバットメント(16,16a,16b)の前記外形を考慮して、前記義歯部材(21)の内形が決定されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
アバットメント(16,16a,16b)を含む個々の義歯を製造するための方法において、前記個々の義歯の模型の作成は、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法によって行われることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記アバットメント(16,16a,16b)および/または前記義歯部材(21)の製造は、予備成形されたブランクから、および/または、例えばプレートなどの任意に成形されたブランクから、フライス加工によって行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブランクは、焼結されていないセラミックブランク、予備焼結されたセラミックブランク、または、完全に焼結されたセラミックブランク、金属ブランク、または、プラスチックブランクであるか、あるいはこれらを含んでいることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アバットメント(16,16a,16b)および/または前記義歯部材(21)の材料として、金属、セラミック、ガラス、またはプラスチックが用いられることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
アバットメント(16,16a,16b)を含む個々の義歯の模型を作成するためのシステムであって、手段が設けられており、
当該手段によって第一の三次元的形状寸法を表している第一のデータセット(6)を検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき残存歯領域の模型(1)と、補助部材(3)が取り付けられている少なくとも一つの操作用インプラント(2)とを含んでおり、
前記手段によって第二の三次元的形状寸法を表している第二のデータセット(8)を検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき前記残存歯領域(7)の前記模型と、補助部材が取り付けられていない少なくとも一つの操作用インプラント(2)とを含んでいる、システムにおいて、
手段、特にソフトウェアが設けられており、当該手段によって、前記第二のデータセット(8)を用いて、あるいは、前記第一のデータセット(6)と前記第二のデータセット(8)とを用いて、義歯部材(21)を前記アバットメント(16,16a,16b)上に押し込むべき挿入方向が確定され得ることを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記システムは、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法のステップを実施できる製造装置を含んでいることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
コンピュータにロードされると、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、あるいは、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法を実行する命令を含んでいるコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項18】
アバットメントを含む個々の義歯の模型を作成するための方法であって、
a)前記義歯を設けるべき患者の残存歯領域(9)において、一つの、複数の、または個々のインプラント(10)上に、当該インプラント(10)と共に、前記残存歯領域(9)における前記インプラントの位置を再現する補助部材(3)が設けられるステップと、
b)検出装置(5)によって、少なくとも一つの前記補助部材(3)を有する前記残存歯領域(9)の第一の三次元的な形状寸法が検出され、それによって、前記第一の三次元的な形状寸法を表す第一のデータセット(12)が確定されるステップと、
c)前記検出装置(5)によって、前記少なくとも一つのインプラント(10)を有するが、前記補助部材を有さない前記残存歯領域の第二の三次元的な形状寸法が検出され、それによって、前記第二の三次元的な形状寸法を表す第二のデータセット(14)が確定されるステップと、を有する方法において、
前記第二のデータセット(14)を用いて、または前記第一のデータセット(12)と前記第二のデータセット(14)とを用いて、義歯部材(21)を前記アバットメント(16,16a,16b)上に押し込むべき挿入方向が確定されることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記義歯部材(21)は、オーバーレイ、アンレイ、キャップ、クラウン、一次クラウン、二次クラウン、ブリッジ、または、フレームであり、あるいはそれらを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
d)前記アバットメント(16,16a,16b)を規定するアバットメントデータを確定するステップを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記アバットメントデータを確定するステップは、前記残存歯領域における前記インプラント(10)に対する前記アバットメント(16,16a,16b)の接続幾何形状(17)を確定することを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第一のデータセット(12)を用いて、前記アバットメント(16,16a,16b)を、前記インプラント(10)上に載置する方向が決定されることを特徴とする請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記アバットメント(16,16a,16b)内にネジ溝(18)が形成され、当該ネジ溝の長手軸は、前記残存歯領域における前記インプラントの軸と一致し、そのために好適に特に、または専ら、前記第一のデータセット(12)が利用されることを特徴とする請求項18から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記アバットメント(16,16a,16b)が前記残存歯領域における前記インプラント(10)上に載置されているとき、前記アバットメント(16,16a,16b)の前記ネジ溝(18)にネジが装入され得るかどうか、さらに検査されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アバットメント(16,16a,16b)の外形は、前記第二のデータセット(14)を用いて決定されることを特徴とする請求項18から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記アバットメント(16,16a,16b)が前記残存歯領域における前記インプラント(10)上に載置可能であるかどうか、検査されることを特徴とする請求項18から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アバットメント(16,16a,16b)の前記外形を考慮して、前記義歯部材(21)の内形が決定されることを特徴とする請求項18から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
アバットメント(16,16a,16b)を含む個々の義歯を製造するための方法において、前記個々の義歯の模型の作成は、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法によって行われることを特徴とする方法。
【請求項29】
前記アバットメント(16,16a,16b)および/または前記義歯部材(21)の製造は、予備成形されたブランクから、例えばプレートなどの任意に成形されたブランクからフライス加工によって行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ブランクは、焼結されていないセラミックブランク、予備焼結されたセラミックブランク、または、完全に焼結されたセラミックブランク、金属ブランク、または、プラスチックブランクであるか、あるいはこれらを含んでいることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アバットメントおよび/または前記義歯部材の材料として、金属、セラミック、ガラス、またはプラスチックが用いられることを特徴とする請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
アバットメント(16,16a,16b)を含む個々の義歯の模型を作成するためのシステムであって、手段が設けられており、
当該手段によって第一の三次元的形状寸法を表している第一のデータセット(12)を検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき残存歯領域(9)と、補助部材(3)が取り付けられている少なくとも一つのインプラント(10)とを含んでおり、
前記手段によって第二の三次元的形状寸法を表している第二のデータセット(14)を検出し、当該形状寸法は義歯が設けられるべき前記残存歯領域(13)と、補助部材が取り付けられていない少なくとも一つのインプラント(10)とを含んでいる、システムにおいて、
手段、特にソフトウェアが設けられており、当該手段によって、前記第二のデータセット(14)を用いて、あるいは、前記第一のデータセット(12)と前記第二のデータセット(14)とを用いて、義歯部材(21)を前記アバットメント(16,16a,16b)上に押し込むべき挿入方向が確定され得ることを特徴とするシステム。
【請求項33】
前記システムは、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法のステップを実施できる製造装置を含んでいることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
コンピュータにロードされると、請求項18から27のいずれか一項に記載の方法あるいは請求項28から31のいずれか一項に記載の方法を実行する命令を含んでいるコンピュータで読み取り可能な媒体。
【請求項35】
義歯部材のための挿入方向を自動的に確定するための方法。
【請求項36】
義歯が設けられるべき歯列弓(24)にある歯および/または歯肉の隆起部のうち、顎から最も遠くに突出している三つの点が選択され、当該三点を介して平面が設定され、当該平面に対する垂直線によって前記挿入方向が確定されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記歯列弓(24)は切歯領域(27)と、二つの臼歯領域(25,26)とに分割され、当該三つの領域においてそれぞれ前記顎から最も遠くに突出している点が選択され、これらの三点を介して平面が設定され、当該平面に対する垂直線によって前記挿入方向が確定されることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記歯列弓(24)にある歯および/または歯肉の隆起部のうち、前記顎から突出している三つの点が選択されることを特徴とする請求項35に記載の方法であって、
g)第一の点として、前記顎から最も遠く突出している点が選択されるステップと、
h)第二の点として、当該第二の点が前記第一の点に対して最小距離を有している場合、前記顎から二番目に遠く突出している点が選択され、前記最小距離は1cm、1.5cm、2cm、2.5cmあるいはそれ以上であるステップと、
i)前記第一の点と前記第二の点との距離が前記最小距離よりも小さいとき、前記第二の点は却下され、第二の点が選択されるまでステップb)およびc)が繰り返され、このときステップb)およびc)においてそれぞれ、それ以前に用いられた点よりも前記顎からの突出が小さい点が用いられるステップと、
j)ステップb)に応じて第二の点が選択された場合、第三の点が選択され、当該選択は、前記第三の点が前記第一の点に対して、および前記第二の点に対して、それぞれ最小距離を有している場合に行われ、第三の点として、それ以前に用いられた点よりも前記顎からの突出が小さい点が用いられるステップと、
k)前記第三の点と前記第一の点との距離および/または前記第三の点と前記第二の点との距離が前記最小距離よりも小さいとき、前記第三の点は却下され、第三の点が選択されるまでステップd)およびe)が繰り返され、このときステップd)およびe)においてそれぞれ、それ以前に用いられた点よりも前記顎からの突出が小さい点が用いられるステップと、
l)三つの点が選択されると、当該三つの点を介して平面が設定され、当該平面に対する垂直線が挿入方向を確定するステップと、を有する方法。
【請求項39】
前記義歯が設けられるべき残存歯領域内にある磨り減った歯(32,33)および/またはアバットメントの縁に、三個あるいはそれ以上の接線が設けられ、当該接線を介して前記磨り減った歯および/または前記アバットメントの周囲に円錐周面が確定され、当該円錐(34,35)の開口角は、前記挿入方向に対する角度領域を規定することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記残存歯領域内には、さらなる磨り減った歯(32,33)および/またはさらなるアバットメントがあり、当該さらなる磨り減った歯および/またはさらなるアバットメントには、さらなる義歯および/または同一の義歯が設けられるべきであり、前記さらなる磨り減った歯(32,33)および/または前記さらなるアバットメントに、三個またはそれ以上のさらなる接線が設けられ、当該接線を介して、前記さらなる磨り減った歯および/または前記さらなるアバットメントの周囲に、さらなる円錐周面が確定され、前記挿入方向に対する角度領域は、前記二つの円錐の前記二つの開口角の交差(36)から得られることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
残存歯領域内にあるとともに、義歯が設けられるべき磨り減った歯および/またはインプラントと共にあるアバットメントの軸の方向は、前記義歯に対する前記挿入方向を規定することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記磨り減った歯および/または前記インプラントと共にある前記アバットメントの前記軸の前記方向は、前記磨り減った歯および/または前記インプラントと共にある前記アバットメントの容積データから決定されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記軸の前記方向は、前記磨り減った歯および/または前記インプラントと共にある前記アバットメント内の最長の線の方向に一致する、および/または前記軸の前記方向は、前記磨り減った歯および/または前記インプラントと共にある前記アバットメントの前記容積が、平面に投影された際に、最小限の面積を有する投影方向に一致することを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記磨り減った歯の前記軸の前記方向は、当該磨り減った歯の赤道面を通る垂直線に一致し、当該赤道面は、前記磨り減った歯の水平方向の最大外周によって規定されていることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記磨り減った歯の赤道線は、円、楕円、および/または多角形に適合され、前記軸の前記方向は前記円、楕円、および/または多角形の面に対する垂直線に一致し、前記赤道線は、前記磨り減った歯の水平方向の最大外周によって規定されていることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記磨り減った歯の前記軸の前記方向は、前記磨り減った歯の治療線によって与えられている平面を通る垂直線によって規定されていることを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記磨り減った歯の治療線は、円、楕円、および/または多角形に適合され、前記軸の前記方向は前記円、楕円、および/または多角形の面に対する前記垂直線に一致することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記挿入方向は、前記義歯が設けられるべき残存歯領域に接続する隣の歯の側面を考慮しながら規定され、このとき前記義歯に対向している側面のみが考慮されることを特徴とする請求項35から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
使用者は、前記自動的に確定された挿入方向を選択し、修正し、および/または前記修正された挿入方向を選択し得ることを特徴とする請求項35から48のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−509776(P2011−509776A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543442(P2010−543442)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000478
【国際公開番号】WO2009/092613
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506427727)シュトラウマン ホールディング アーゲー (7)
【Fターム(参考)】