説明

個人情報案内提示物および個人情報案内提示方法

【課題】個人情報が記載された緊急時連絡や持病通知などの個人情報カードなどを体の下着の間などに第3者に見られないように保持しながら、急な病気や事故などで第3者に意思表示できない状態の場合には、その個人情報を第3者に速やかに開示が可能な個人情報案内掲示物を提供する。
【解決手段】第3者が容易に目に付く場所に、個人情報を記載した報知体2を保持している意思を示した個人情報案内掲示物2を第3者に認識可能に提示し、その個人情報案内掲示物に個人情報を記載した報知体を何処に保持しているかを示すことで、緊急時に第3者が個人情報案内掲示物から、常に隠し持っている報知体に記載した個人情報を容易に見つけ易くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に装着している衣類、身に着ける各種装飾品など身体近辺にて、所持している個人情報を明記した報知体の在りかを第3者に容易に明示することが出来る個人情報の案内提示物および個人情報の案内提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3者に提示する目的の重要な個人情報を記録した緊急時連絡カードや持病通知カードなどは常に身に付けている人が多い中、とくに各種持病を持つ者は、各自自分が危険状態に至った時のために第3者に持病の詳細を知らせる目的も含めて、少なくとも氏名と連絡先、または氏名と持病内容などの個人情報は率先して緊急時連絡カードや持病通知カードなどに明記して常に身に付けるように心がけている。
通常日常生活の中においては、これら個人情報は詳細な情報までは第3者に常に提示するものではなく、着衣の中に意図的に隠して保持するとか、常に持ち歩く場合も鞄などの中に入れているのが現状である。
しかしながら、突然の事故や脳卒中などで本人の意識がない、または意識があっても自己主張手段が閉ざされた場合などの緊急時には第3者に手持ちの個人情報を伝達したくても、身に着けている個人情報の緊急時連絡カードや持病通知カードの存在を明示することが出来ない状態になる。
この場合、せっかく常に保持している個人情報も、常に第3者に見せることを避けている状態が災いして、個人情報を常に保持する意図の効果を生み出すことができない。
例えば、1995年(平成7年)1月17日(火曜日)に発生した大規模地震災害「阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)」の震災のとき、災害を受けた方々を目の前に見つけて助けようとする場合、その人の身寄りがわからず誰に連絡をすれば良いのか.応急処置をしたくとも、血液型やアレルギー体質の有無などのその人の情報が手元にないので、簡単な処置しかできず、所定の検査過程の行動をしなければ根本処置が出来ない場合が発生し、特に生命の危険にさらされている方を前にして迅速な処置を適格に行う必要性から、助けたい方の最低限の個人情報は知っておきたいものである。
そして、それらの災害にあった方々が個人情報を持ち歩いていたとしても、気付くのに手間取り効果を発揮できなかったであろうと推測される。
出来れば、その方の血液型や持病やアレルギー体質などの固体情報、および緊急連絡先や、かかりつけの病院や、その他伝えたいことなどの連絡情報を含む個人情報がその方を発見時に迅速に確認可能であれば、その方の生命を救える可能性が高くなる。
本発明は、少なくとも個人情報を常時身辺に保持する方々に、このような緊急状態に至ったときに個人情報の緊急時連絡カードや持病通知カードの存在を容易に第3者に身に着けていることを明示して、その個人情報を常時保持する目的を有効に機能させる手段を提供するものであります。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11−38881には、外から名前が見えないように重ね布を付して、通常は名前を人に見せずに、必要なときのみ重ねている布をめくって、名前が確認できるようにしたワッペンが開示されている。
外から見えない所に氏名を隠して持つ点では同じ考えであるが、この方式では表示する情報に文字数の限界があり、第3者に伝達したい個人情報の細部まで、重ね布部の下に表記することは伝達したい情報量から無理である。
つまり、特開平11−38881の場合、伝達したい情報量を表記しようとすると、形状を大きくするか、または記載文字の大きさを小さくしても、表記に限界があり実用的でなくなる。
今回の発明は、既存の個人情報が書かれた表記体を外着衣の内側などに隠し持ち、外から見えるワッペンなどの個人情報案内提示物に表記体保持の場所のみを示すことで目的が達成できるので、多くの個人情報を隠し持つことが可能となる点で異なる。
特開2002−220702には、パスポートなどの個人情報カードを収納するポケットを設けた下着が開示されている。
しかしながら、このポケットの存在は、第3者に外観上即目に入るものではなく、意識の無い方を病院へ搬送した後、病院などで病院用の着衣に着替えをする時などになって初めて気付くものである。
これに対して本発明は、第3者の外観から個人情報カードの在りかを早く気付かせる工夫を施すものであり、単に下着に収納ポケットを持つことで得られる効果より、より目的に沿った高い効果が得られる点で異なる。
【特許文献1】特開平11−38881
【特許文献2】特開2002−220702
【非特許文献】
【0004】
非特許文献1には岡山県総社市の救急安心カードが公開されています。
これは総社市の消防署が救急現場で急病やけがをした人の日頃の様子をスムーズに把握するために用意したものであって、家族のだれもがいつでも見ることが出来る場所に常備するように提案されているものであって、本人の体への保持方法の指導まではなにも示唆されていません。
非特許文献2には厚生労働省が定めたマタニティマークが公開されています。
これは妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするものであり、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関等が、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するものとして妊産婦の方が周囲に自分の身体状況を訴えるために利用するものです。
このマークではより詳細な個人情報を第3者に示すものではありません。
【非特許文献1】[2010年9月27日検索]、インターネット. <http://www.city.soja.okayama.jp/mpsdata/web/1862/ansin_card.pdf>
【非特許文献2】[2010年9月27日検索]、インターネット.<http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0301-1.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の救急安心カードなどの第3者に伝達する目的の個人情報を明記した緊急時連絡カードや持病通知カードなどは体の下着の中などに紛失しないように、かつ常に第3者も見られないように保持しておきたい物ですが、急な病気や事故などで自分が第3者に意思表示できない状態の場合には、逆に自分が何者で、どのような持病を持っているかを出来るだけ早く知っていただきたくなります。
しかしながら、現状は意思表示できなくなった病気や事故にあった人に出会った場合、その人の手荷物や衣服のポケットの中などを闇雲に探すことで、その人が持っている個人情報を明記した緊急時連絡カードや持病通知カードや携帯電話などの電子端末を発見し、身元を確認して対処するために、緊急対応に時間を要する場合があり、他人の衣類の中まで探索することは、如何にその人の生命に緊急状態であっても、その人の人権を意識すれば行動しにくく、その人が救急安心カードや携帯電話などの電子端末を持っていても発見できない場合もある。
結果的に、緊急の時のために身に着けている個人情報の緊急時連絡カードや持病通知カードや携帯電話などの電子端末を第3者に知らす事無く、誤った処置が行われる結果となってしまう。
本発明は、このようなことにならないように、常には第3者に個人情報の緊急時連絡カードや持病通知カードや携帯電話などの電子端末の個人情報を見られないようにしながら、緊急時には即、第3者がその個人情報の緊急時連絡カードや持病通知カードや携帯電話などの電子端末を見つけられるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために、身辺に少なくとも個人特定情報、連絡先、個人の固体特性情報を含める個人情報を示した報知体(非特許文献1に相当する救急安心カードなどの個人情報を記載した緊急時連絡カードや持病通知カードや携帯電話などの電子端末の個人情報を報知するもの)を保持し、この個人情報を示した報知体が保持されていることを、身体外より第3者が容易に確認可能となる場所に個人情報案内提示物を提示して、この個人情報案内提示物にて報知体が保持されている保存場所を案内し、常に個人情報は本人の許しが無いと見ることは出来ないが、緊急の場合はその個人情報の保持場所が常に第3者に確認可能とすることで、本人の許しが無くとも個人情報を知ることが可能となります。これにて課題は解決出来ます。
【0007】
本発明の個人情報案内提示物の提示位置は、着衣の外に設けてもよく、身に着ける物品に設けられてもよく、外からは見えなくても、第3者が本人の着衣を触ることにて音や光や衣類以外の物体の存在が容易に物理的手段で確認可能であれば問題ありません。
【0008】
また、この個人情報案内提示物は予め定めた所定の形状図柄とし、その所定の図柄が個人情報の保持位置を示す個人情報案内提示物であるということを、あらゆる手段で一般に知らしめることで個人情報案内提示物の目的の効果をさらに高めることが可能となります。
【0009】
この個人情報案内提示物は外着衣や身に付ける物品に直接印刷したり、織り込んだりして報知体の在りかを明示する事も出来ますが、着衣の外などに設ける場合は、予め定めた所定の形状図柄(ロゴなど)をワッペンなどにして、貼り付け、または止め具を用いる、縫い付けるなどして第3者に確認可能にするものです。
【0010】
身に着ける物品にこの個人情報案内提示物を設ける場合は、帽子や鞄や腕時計や身に付ける各種装飾品(ネックレス)などの小物に設けて確認可能にする事も出来ます。
この場合も所定の形状図柄(ロゴなど)を印刷する、またはワッペンなどでそれら物品に貼付することで個人情報案内提示物の役割を担います。
【0011】
さらにこの個人情報案内提示物で報知体の保持位置を公表する際、個人情報案内提示物での報知体保持場所を明記した領域の上に容易に開けられるカバー物を設けたり、常は報知体保存場所の情報を隠して電子的な操作にて、その情報を表示内容や音声などで確認可能にしたりすることも可能であり、この個人情報案内提示物が予め定めた所定の形状図柄で構成されている限り、その提示物の目的に沿って、報知体の保持場所を知ることが可能となります。
【0012】
別な方法としては、本人の体を着衣の上から触ることにて音や光や衣類以外の物体の存在が容易に確認可能にすることも可能です。例えば着衣を触ることにて予め定めた所定の形状図柄(ロゴなど)の形状物の存在を物理的手段で第3者に認識させ、この動作(触ること)にて音や光で予め定めた物理的手段で所定の形状図柄(ロゴなど)が着衣の内側にあることを知らせることも可能です。
【0013】
つまり本発明は、個人情報を示した報知体の保持場所を着衣の外から予め定めた所定の形状図柄(ロゴなど)の個人情報案内提示物にて伝える考え方そのものに発明としての特徴があり、このように個人情報を示す報知体と個人情報案内提示物を分けて用いる方法が本発明の特徴であります。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、個人情報の提示を常時は第3者に示す事なく生活をし、不本意にも本人の意識が突然の事故や脳卒中などで遠のくとか、意識があっても自己主張手段が閉ざされた場合の緊急時において、速やかに第3者へ手持ちの個人情報を伝達できるようになります。
これによって、病院での手当てを正しく速やかに対処可能になると同時に、必要な連絡先にも何不自由なく状況を伝えることが可能となる効果が生まれます。
特に、個人情報案内提示物の形状を予め定めた所定の形状図柄(ロゴなど)に決めることにて、非引用文献2のマタニティマークのように周囲にその意味的存在を印象付け、緊急時に迅速に対処可能になると同時に、個人情報も非引用文献1の救急安心カードのように氏名、年齢、血液型、かかりつけの病院、今かかっている病気、常用している薬、アレルギーの有無、手術暦などを第3者に伝える、または親族などの緊急連絡先、職場連絡先なども報知体に明記する事で安全安心の情報を本人だけでなく、本人を助ける関係者および緊急連絡先への情報伝達を容易に実現できるので、関係者全員にかなりの情報提供が可能となり本来の目的を果たすという大きな効果が得られます。
当然のことながら、本人が正常時には本人の許可無くこの報知体の個人情報は見ることは出来ないので、日々の生活に何ら支障なく、安全安心のみ享受されながら生活を営む事が出来る効果も有ります。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の個人情報案内提示物と報知体の保持状態の例を示した図である。
【図2】本発明の個人情報案内提示物の保持位置の例を示した図である。
【図3】本発明の個人情報案内提示物にて報知体の保持場所情報を隠す第1の例を示す図である。
【図4】本発明の個人情報案内提示物にて報知体の保持場所情報を隠す第2の例を示す図である。
【図5】本発明の個人情報案内提示物を着衣内に保持した時の例を示した図である。
【図6】図5の個人情報案内提示物の簡略回路構成を説明した図である。
【図7】図5の個人情報案内提示物の動作フローを説明した図である。
【図8】図5の個人情報案内提示物の断面構造を説明した図である。
【図9】本発明で示す報知体の保持場所の例を示した図である。
【図10】本発明の個人情報案内提示物の所定の形状図柄の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、非特許文献1の救急安心カードなどの個人情報が記載された緊急時連絡カード(緊急時に案内したい連絡先を明記したカード)や持病通知カード(持病を持っている場合、第3者にその自分の持病の内容を知らせたいカード)や携帯電話などの電子端末(電子的に緊急時連絡の情報や持病の内容を明記した情報が報知できるもの)を体の下着の間やカバンの中など第3者に見られないように保持しておき、急な病気や事故などで第3者に意思表示できない状態の場合には、その個人情報を第3者に速やかに開示することで、生命に影響する緊急事態に速やかな対応を願いたいとの希望から生まれたものであり、第3者が容易に目に付く場所に、個人情報を保持している意思表示をした個人情報案内掲示物を提示し、その個人情報案内掲示物に個人情報が何処に保持しているかを示すことで、緊急時に第3者が個人情報案内掲示物から、常に隠し持っている個人情報を容易に見つけ易くするものであります。
さらに、個人情報案内掲示物の形状を所定の形状図柄で統一しておき、その形状をあらゆる手段で一般大衆に宣伝しておくと、一般への個人情報案内掲示物の認知度が高まり、本発明の個人情報案内掲示物を個人情報と共に保持し、急な病気や事故などで第3者に意思表示できない状態の場合に至った場合に、近辺にいる第3者に速やかに個人情報を開示して、生命に影響する緊急事態に速やかな対応を第3者に促せるものであります。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の個人情報案内提示物と報知体の保持状態の例を示した図であります。
図1において、(1)は個人情報の保持を意思表示している人であり、(2)は本発明の個人情報案内提示物であります。そして(3)はその人が保持している個人情報を記載した物品であります。
図1ではこの個人情報案内提示物(2)は胸にワッペン形状のもので提示し、下着シャツのポケットに安心カードなど緊急時連絡カードや持病通知カードの個人情報、携帯電話など個人情報を記憶した電子端末などの報知体(3)を保持している例を示しています。
ここで、個人情報案内提示物(2)には個人情報を記載した物品の保持場所(21)を明記しており、第3者はこの個人情報案内提示物の記載内容(21)から個人情報(3)の保持場所を容易に知る事が可能になります。
特にこの個人情報案内提示物の形状を所定の形状図柄にすれば、非引用文献2のマタニティマークと同様に一般にこの所定の形状図柄を周知すれば、さらに効果が上がるものです。
実施例では携帯電話や電子メモ帳などの電子端末に個人情報を記録しておき、それを第3者が操作することで個人情報を知ることも可能でありますが、実施例ではこれら電子手段による個人情報の報知装置も報知体の一例として、説明は省略していますが、個人情報案内提示物の記載内容(21)から個人情報(3)の保存場所を用意に知る方法は、報知体(1)が個人情報を文章で書いたカードなどであっても、電子端末から個人情報を表示面や音声などで報知しても、個人情報案内提示物(2)に個人情報を記載(報知)した物品の保持場所(21)を示すことでは同じであります。
【0018】
図2は本発明の個人情報案内提示物の保持位置の例を示した図であります。
この図では帽子や胸や腕や鞄に個人情報案内提示物を第3者に見える状況で提示している例を示しています。提示場所は1箇所でも複数場所でも何ら問題ありません。
また、その提示方法は着衣や身辺の物品に直接印刷したり、模様として縫い込んだり、他の方法としてワッペンを貼り付けたり、止め具を用いたり、縫い込んだりしても全く問題ありませんし、衣類の下に隠しいれて、衣類を手で触ることで、光や音で、ここに個人情報案内提示物があることを意思表示する方法でも実現可能です。
【0019】
図3は本発明の個人情報案内提示物にて報知体の保持場所情報を隠す第1の例を示す図であります。
図3では所定の形状図柄の中に報知体の保持場所を明記した文面(報知体の保持場所情報)を記載した例を示しているものですが、人によってはそれさえも常時人の目にさらしたくない方がおられても不思議ではありません。
本例では、このような方に対して、引用文献1のように隠しカバーを設けて、カバーを捲れば報知体の保存場所情報が読み取れるようにしたものです。
図3の(3−A)は通常状態を示しており(3−B)は隠しカバーである上カバーを捲った状態を示したものです。このようにする事で、常は報知体の保存場所を周囲に知らせなくても良くなります。
このようにワッペンに隠しカバーを設けることは既に引用文献1で公知でありますが、本願の特徴はその下に報知体の保存場所を明示してある点にあります。
この上カバーはめくっても、はがしても実現可能であります。
緊急時に行う操作でありますので、最悪一度しか機能できない場合でも、剥がすという行為によっても、何ら問題はないからです。
剥がす行為が何度でも出来る仕様でワッペンが作られる場合は、保存場所の書き直しの点から、汎用性があるのでさらに商品性は高まります。
また、この所定の形状図柄が一般的に周知された後においては、この所定の形状図柄のワッペンなどを見た時点で報知体の保存場所を第3者が容易に報知体の保存場所を知ることが可能となりますので、上カバーには何ら操作説明の文面を記載しなくても目的は果たせるようになります。
さらに持病の緊急度にあわして相当の色や図柄で差別化することも可能です。(例えばインシュリン投与の必要な方は赤色の上カバーを付けておくとか、心臓病の方は黄色の上カバーを付けておくとかなど)
【0020】
図4は本発明の個人情報案内提示物にて報知体の保持場所情報を隠す第2の例を示す図であります。
図4では、図3が隠しカバーで報知体の保持場所を常時は隠しているのに対して、電子回路にて常時は報知体の保持場所の提示を避けようとするものであります。
つまり、図4の21,23の領域は液晶や電子ペーパなどで構成される表示画面であって、常は個人情報の保持場所を表示せず(4−A)、例えば24の画面切り替えスイッチが押された時のみ、個人情報の保持場所を表示する(4−B)ようにした例であります。
ここでは24の画面切り替えスイッチをトリガとして表示内容の切り替えを行っていますが、表示画面をタッチパネルにするとか、他の電子的な信号をトリガにして表示画面を切り替えることも可能であります。
詳しい電子回路での動作説明回路の図面はここでは省略いたしていますが、入力として画面切り替えスイッチ(24)などの信号をマイクロコンピュータの入力回路に入れ、所定時間そのスイッチが入ったと判断すれば、マイクロコンピュータの出力側に液晶や電子ペーパなどの表示部に報知体の保持場所の文章を表示すれば実現可能です。
このようにすれば、常時人目に入る場所に提示している個人情報案内提示物で常に個人情報の保存場所を明示することなく、緊急の時に第3者の操作にて個人情報を保持していることと、その保持場所を知らすことが可能となります。
特に、図4の(4−A)では「緊急時に押して下さい」と操作方法を常時させていますが、この個人情報案内提示物の所定の形状図柄が一般に広く定着した後には、そのような操作方法を説明することなく第3者が操作できますので、操作方法などの余分な表記も不要になります。
この場合も、持病の緊急度にあわして相当の色や図柄表現などで差別化することも可能です。(例えばインシュリン投与の必要な方は赤色の上カバーを付けておくとか、心臓病の方は黄色の上カバーを付けておくとかなど)
ここで、報知体の保持場所情報は保持場所を示す文字表示でも音声で保持場所を知らすことも可能でありますので、あえてそれらを保持場所情報と定義しております。
【0021】
図5は本発明の個人情報案内提示物を着衣内に保持した時の例を示した図であります。
これは、個人情報案内提示物であっても第3者に常に提示しておきたくないと思われる人々が違和感なく使えるように着衣の下に隠して使用する個人情報案内提示物の説明図であります。
ここで、個人情報案内提示物(2)は着衣の身体側に隠して保持しており、その保持者の緊急時に第3者が体を触る際に触れると、音または光で、ここに個人情報案内提示物(2)が有るよと知らしめるものであります。
この場合も、個人情報案内提示物(2)は所定の形状図柄であれば如何に衣類の外から触っても、形状判断で個人情報案内提示物(2)を見つけ易いが、音または光で知らしめる手段を持った場合には所定の形状図柄に拘る必要はない。
【0022】
図6は図5の個人情報案内提示物の簡略回路構成を説明した図であります。
この個人情報案内提示物の回路構成はマイクロコンピュータ(マイコン)の入力側にスイッチを設け、出力側にLEDやスピーカをつなぐ事で実現可能であります。LEDやスピーカは両方必要ではなく片方だけ、つまりLEDで光だけで知らすとか、スピーカで音のみで知らすなども可能なので出力手段が少なくとも一つあれば何ら問題ありません。
【0023】
図7は図5の個人情報案内提示物の動作フローを説明した図であります。
この電子回路の動作フローを説明したものです。図7にてステップS1でスイッチ状態を常に監視し、チャタリングでの誤動作を除いた状態でのスイッチONを確認の後、ステップS2で所定時間経過後、再度ステップS3にてスイッチの状態を確認し、所定の時間スイッチが押下されON状態が続いていると判断された場合に、予め設定されている状態でLEDをステップ4で点滅などさせたり、予め設定されているSOS音(例えばピーの短い音だけでも良いし、「助けて」との音声でも良い)をステップ5で発生させたりして、ここに個人情報案内提示物がある事を第3者に知らしめるものであります。
S4、S5の動作は一方だけでも良く両方動作させても何ら問題ありません。
【0024】
図8は図5の個人情報案内提示物の断面構造を説明した図であります。
図7の動作は図8の構造物で実現可能です。図8は図5にて着衣の下に設けた個人情報案内提示物の断面図を示しております。
図7において、上ケースと下ケースの間に電子回路一式が格納されており、上ケースと下ケースの周囲は弾性材で仕切られ、上ケースの中央内側にはスイッチが設けられ、上ケースを押した時にこのスイッチが入る構成になっています。
そして、このケースの中にはスピーカとマイコン電子回路とLED、そして駆動源になる電池が格納されております。
さらに、この上ケースの上側にはラベルが貼られており、ここに個人情報を示した報知体の保持場所が明記されております。
よって、第3者は衣類の上から触る事にて、この個人情報案内提示物の存在を知り、この個人情報案内提示物を見ることにて個人情報を示した報知体の保持場所を知る事が可能と成ります。
【0025】
図9は本発明で示す報知体の保持場所の例を示した図であります。
図9において、緊急時連絡カードや持病通知カードなどの個人情報カードを記載した報知体(電子端末なども含む)は上着の内側のポケットに設け、下着のポケットやベストや腹巻に挟み込んだりポケットを設けて付けたりする事も出来ますが、ネックレスの先のペンダントトップに報知体の機能を持たすことも出来ます。
ベストへのポケットは公知技術として開示しています特許文献2に相当致します。
また、個人情報カードは非特許文献1に示しています岡山県総社市の緊急安心カードなどに相当致します。
【0026】
図10は本発明の個人情報案内提示物の所定の形状図柄の例を示した図であります。
図10において、(10−A)はハート形状で個人情報案内提示物の所定の形状図柄を表したものであって、安心を図案化した例であって、本発明が示す報知体の保持場所を「下着ポケットに」と記載しています。(10−B)は国際的なモールス符号に使われるSOS(Save Our Souls または Save Our Shipの略)のアルファベットを図案化した例であって、本発明が示す報知体(電子端末なども含む)の保持場所として「腹巻中に」と記載しています。(10−C)は「助けて」のHELPのアルファベットを図案化した例であって、本発明が示す報知体(電子端末なども含む)の保持場所として「ズボン中に」と表記しています。
そして、たとえば(10−A)の図案は「安心マーク」、(10−B)の図案は「SOSマーク」、(10−C)の図案は「HELPマーク」とでも、図案に対してネーミングを付け、一般にこの図案を広めれば、一般への認知度は高まりますので、非特許文献2のマタニティマークのように個人情報案内提示物はこれら今後提案される所定の形状図柄も含めての何れかのマークに最適ネーミングを与えて一般に広めることを推奨いたします。
また、このマークが一般的に認知される場合には、図1の個人情報案内提示物(2)の(21)や図3の(3−B)の(21)、および図4の(4−B)の(21)のように長い文章「下着(シャツ)のポケットに緊急個人情報を持っています」で報知する必要はなく、図10の(10−A)に記載しています「下着ポケットに」、(10−B)に記載しています「腹巻中に」、(10−C)に記載しています「ズボン中に」程度の短い文章でも問題ありません。
そして、これら文章は図3や図4にて説明したように常時は見えないようにすることも可能でありますので、安心して第3者が見える場所に個人情報案内提示物(2)を提示することが可能となります。
【0027】
本発明の特徴部分は緊急時連絡カードや持病通知カードなどの個人情報を報知する報知体の仕様ではなく、この報知体の保持場所を本発明の個人情報案内提示物(2)を通して確認可能にするものであります。
よって、報知体の詳細仕様(緊急時連絡カードや持病通知カードの個人情報カードや携帯電話などの電子端末での文字表示、音声表示など)に関しては説明を割愛いたしますが、本人が緊急事態に至った場合の情報開示を速やかに行う事を目的とする情報を記載したものであれば全て対象になります。
個人情報案内提示物(2)は直接的に第3者に識別可能に提示するか、図5で記載していますように緊急事態の方の体を外部から触ることで、個人情報案内提示物(2)が確認出来ればよく、直接的に第3者に識別可能に提示する場合も、身体外から着衣に提示するか、帽子や鞄や腕時計や身に付ける各種装飾品などの小物に設けて確認可能にしたり、その具体的方法として、対象物に印刷したり編み込んだり、貼り付けたり、止め具を用いたり縫い付けたりしても良く、その形状は所定の形状図柄で提示するのが一般人へ周知願うためにも好ましい。
【0028】
ここで、個人情報の報知体として最低限必要なものは、少なくとも氏名と連絡先、または氏名と持病内容など、表記体保持者が緊急時に参考になる情報として、氏名以外の情報をも含むものであります。
【符号の説明】
【0029】
1=人
2=個人情報案内提示物
21=報知体保持位置提示
22=報知体保持位置隠しカバー
23=常時表示画面
24=画面切り替えスイッチ
3=報知体




















【特許請求の範囲】
【請求項1】
身辺に少なくとも個人特定情報、連絡先、個人の固体特性情報を含める個人情報を示した報知体を保持し、該報知体が保持されていることを、身体外より確認可能に示した個人情報案内提示物。
【請求項2】
前記個人情報案内提示物の提示位置は、着衣の外に設けられるか、または身に着ける物品に設けられるか、または着衣を触ることで、物理的手段で確認可能に設けられるか、の少なくともいずれか一つである請求項1に記載の個人情報案内提示物。
【請求項3】
前記個人情報案内提示物には、所定の形状図柄と、前記報知体の保持場所を案内している請求項1または請求項2に記載の個人情報案内提示物。
【請求項4】
前記個人情報案内提示物は、貼り付け、止め具を用いる、縫い付ける、印刷する、の少なくともいずれか一つにて確認可能に提示する請求項3に記載の個人情報案内提示物。
【請求項5】
前記個人情報案内提示物は、帽子や鞄や腕時計や身に付ける各種装飾品などの小物に設けて確認可能に提示する請求項3に記載の個人情報案内提示物。
【請求項6】
前記個人情報案内提示物における前記報知体の保存場所の案内は、上カバーをめくるか、上カバーをはがし取るか、電気的トリガ操作を行うかの何れか一つの操作にて、前記報知体の保存場所の案内が確認できる請求項3に記載の個人情報案内提示物。
【請求項7】
前記個人情報案内提示物は、着衣より内側に設けられた提示物であって、該提示物を着衣外部より触る事で、形状または音または光の少なくとも物理的な一つの手段を使って確認可能に提示する請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の個人情報案内提示物。
【請求項8】
身辺に少なくとも個人特定情報、連絡先、個人の固体特性情報を含める個人情報を示した報知体を保有し、該報知体が保有されていることを、身体外より確認可能に示した個人情報案内提示方法。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−68553(P2012−68553A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214728(P2010−214728)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(592113197)
【出願人】(510256595)
【Fターム(参考)】