説明

個人衛生用複合物品

部分的に中空の1つのホルダー部(2)と、1つの歯ブラシ部(6)と、1つの髭そり頭部(7)用の1つの取り付け手段(5)と、を有する個人用衛生物品が開示される。前記歯ブラシ部(6)は、前記歯ブラシ部(6)がホルダー部(2)に軸回転可能に取り付けられるように1つの蝶番手段(13,14)を備える、1つの第1の終端を有し,前記歯ブラシ部(6)は、1つの歯ブラシ頭部(23)を備える1つの第2の終端を有する。前記部分的に中空の1つのホルダー部(2)に、1つの壁(22)を備え、前記壁(22)は1つの第1の部屋(20)と1つの第2の部屋(21)との間の1つの物理的隔離を構成する。前記歯ブラシ頭部(23)を備える前記歯ブラシ部(6)の前記第2の終端が、前記第1の部屋(20)に折り込まれ、前記壁(22)が、同時に既知の充填具(25)に対する取り付け部分を構成する。好適には空気用および排水用孔が更に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の個人衛生用複合物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つの歯ブラシ部分と髭そり部分とを有する個人衛生用複合物品は、種々の形態で従来から知られており、例えば特許文献1−4に記載されている。
一般的に、これらの既知の物品は複雑な構造をしており、従って製造コストが高い。この製造コストを低減したいという課題があった。また、部品が紛失するのを防ぐため固定されない部品の数を最小化したいという要求もあった。
特許文献5からは折りたたみ可能な歯ブラシが開示され、それは折り畳まれた状態で歯磨き粉が貯蔵庫から供給可能である。この既知の文献は髭そりを固定する機能がなく、髭そりを固定出来る可能性は明確でない。
【0003】
特許文献6は1つの末端には1つの歯ブラシを備え、他の末端には1つの髭そりを備える衛生用品を開示している。歯磨き粉と髭そりスプレーの貯蔵庫はそれぞれ歯ブラシと髭そりに適用されるようになっている。この既知の物品は折り畳み不可能で、デザインからみて折り畳みできる可能性は明確でない。
【0004】
複数の機能を1つの物品に備える複合衛生用物品の特殊な問題は、異なる使用領域を分離することである。既知の歯ブラシと髭そりの複合では、水と髭そり手段の残存物が歯ブラシ部分と接触してしまう問題があった。この問題は本発明では解決されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ノルウェー特許出願19991855
【特許文献2】ノルウェー特許出願20044396
【特許文献3】米国特許5,832,940
【特許文献4】米国特許6,206,600
【特許文献5】WO 2005/087047
【特許文献6】米国特許4,760,642
【発明の概要】
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は請求項1の特徴部分に記載された特徴を有する物品により達成される。
さらなる特徴は従属する請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は付属の図面を参照して詳細に説明される。
【図1】折り畳まれた状態の本発明の物品の鳥瞰図である。
【図2】歯ブラシ部分の蓋が開いた状態での図1の実施形態を示す図である。
【図3】歯ブラシ部分が伸ばされた状態での図1の実施形態を示す図である。
【図4】歯ブラシ部分が伸ばされ、蓋が閉じた状態での図1の実施形態を示す図である。
【図5】髭そりの蓋が開いた状態での図1の実施形態を示す図である。
【図6】髭そりの蓋が閉じ、髭そりが固定された状態での図1の実施形態を示す図である。
【図7】髭そりと歯ブラシの両方の蓋が開いた状態の実施形態を示す断面図である。
【図8】髭そりと歯ブラシの両方の蓋がホルダーから外された状態の実施形態を示す断面図である。
【図9】髭そり頭部を有する第2の蓋の断面図である。
【図10】図10a,10bは充填具の実施形態を示す鳥瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明に基づく1つの複合衛生用物品1の実施形態を示す。この物品1は1つのホルダー部2、1つの第1の蓋3、及び1つの第2の蓋4からなる。
図2では第1の蓋は開かれている。この第1の蓋は長い形状をしており、好適には実質的にU字形の曲面の断面を有する。また第1の蓋はその端部でホルダー部2に軸回転可能に以下で記載されるように取り付けられている。
【0009】
第1の蓋3が閉じられている場合、蓋3はホルダー部2に適合するような形状を与えられ、両者が実質的に連続した表面を形成している。ホルダー部2は蓋3の外部スカートに適合する内部スカートを有する。
歯ブラシ部6は、第1の蓋3が閉じている時はホルダー部2に隠れている(基本位置)。歯ブラシ部6は1つの端部において軸回転可能にホルダー部2に取り付けられている。その取り付け場所はホルダー部の端部に近く、第1の蓋3が軸回転可能に取り付けられている場所と反対側にある。歯ブラシ部6は、完全に折り畳まれた位置から完全に開いた位置まで、軸を中心に145°回転可能である。
【0010】
一度歯ブラシ部6が完全に開かれると第1の蓋3は、ホルダー部2と第1の蓋3が使用者にとって良好なグリップを提供するように、所定の位置まで傾けられる。この状態を図4に示す。
図5は開いた位置の第2の蓋4を示す。第2の蓋4の空洞の中には標準タイプの1つの髭そり頭部7が配置されている。異なるメーカーの髭そり頭部を使用することができる。取り付け手段5は1つの所定のメーカーの髭そり頭部7に適合するように設定されているが、それが調整可能であることは、本発明の範囲である。
【0011】
髭そり頭部7が第2の蓋4から取り出されると、第2の蓋4は閉じられ、髭そり頭部7は取り付け手段5の上に置かれる。これを図6に示す。髭そりは使用可能であり、ホルダー部2は良好なグリップを提供する。
図7において、1つの第1のピン8がホルダー部2に配置されている。第1の蓋3の上には、部分的に開いた円形断面を有する1つの第1のソケット9が備えられている。第1のソケット9の内径はピン8の直径と実質的に同じ寸法である。ソケット9の1つのスリット10はピン8の直径よりも幾分小さい孔を有する。
【0012】
第1の蓋3をホルダー部2に取り付ける場合、スリット10はピン8に対して押しつけられ、ピン8をクリック操作により包み込む。従って、第1の蓋3はホルダー部2から所望によりあるいは意図せず切り離される。いずれの場合も第1の蓋3とホルダー部2は再度容易に合体され、前のように配置されうる。このことは図8に示される。
望ましい実施形態では、第1の蓋3は、開いたときに、ホルダー部2に対して130°から160°、好適には144°の角度となるように調整される。この解放時の角度は歯ブラシ部6が使用位置まで伸ばされるのに十分な角度であると同時に、第1の蓋3が意図せずにピンから外れないことを確実にするのに十分な角度である。
【0013】
第2の蓋4はホルダー部2に第1の蓋3と同様に取り付けられる。即ち、第2のソケット12に適合する第2のピン11が配置される。第2のソケット12は第2のピン11の直径よりやや小さい寸法の1つのスリット13を有する。
特に図8に示すように、歯ブラシ部6も1つの孔15を有し、第2のピン11に取り付けられる1つのソケット14を備える。歯ブラシ部6のソケット14は2つの部分からなり、第2の蓋4のソケット12は2つの部分の間をスライドする。
【0014】
図3,7及び8で示される通り、ホルダー部2の孔は1つの壁22で少なくとも2つの部屋20、21に分割される。第1の部屋20は歯ブラシ部6の歯ブラシ頭部23を包むように意図されている。複合物品1が閉じられて使用されない場合は、歯ブラシ頭部23は隔離された部屋20に収納される。この第1の部屋20は、好適には歯ブラシ頭部23がバクテリアの繁殖なく乾燥するように、複数の空気/排水孔を有する。これらの孔は好適には外部に対して開いており、他の部屋21には開いていない。図示された事例では、第1の蓋3の端部には多数の吹き込み孔24が設けられている。吹き込み孔24の列の下にはさらに1つの孔33が設けられている。孔33と直近の吹き込み孔24との間に1つの薄い紐を取り付け、個人用複合衛生用物品1がその首のあたりで吊るされるようにしてもよい。
【0015】
吹き込み孔24の列は第1の蓋3の終端よりも多少高い終端面上にある。終端面の両側には排水溝34a,34bが配置される。これらの溝は物品が立てられている時、吹き込み孔24から流出する液体を排出する機能を果たす。
他の部屋21は、例えば、歯磨き粉の1つのチューブを収納し、或いは複合物品1に帰属する小さな付属品を収納してもよい。
第1の部屋20と第2の部屋21との間には、小さな壁22がある。この壁22は複合的な機能をもつ。それは、例えば髭そり用の水などの歯ブラシ頭部23への漏出に対する物理的境界として、またそれ以外に、反対側の充填具25に対する支持具/ホルダーとして、機能する。この充填具は、以下で詳述されるノルウェー特許出願20061062に記載されるようなタイプの充填具でもよい。
【0016】
ホルダー部2には第2の部屋21への空気スリット35が設けられている。空気スリット35は壁22の近くに設けられ、部屋21の換気と排水に関する機能を果たす。更に、ホルダー部2の第2の蓋4に近い終端の両側には、更に、吹き込み孔36が設けられている。
好ましい実施形態では、第2の蓋4は図9に示すように1つの部屋仕切りを備える。第2の蓋4は主に2つの部屋16と17に分かれている。部屋16は髭そり頭部7の収納場所として使用される。部屋16と17は、部屋16の形状が髭そり頭部7の形状に適合するように1つの壁18により分離される。好適には、部屋16の内部に向かって更に1つの拡張部分19を有する。部屋16が形作られる上記方法により、髭そり刃を有する髭そり頭部7は、部屋16のどの表面とも接触しない。このように、髭そり頭部7は部屋16に保管されている間乾燥する。
【0017】
充填具25は、図10a,10bに示すように、1つの第1のパイプ部26と、第2のパイプ部27とからなる。パイプ部26,27はそれぞれ1つの内部ネジ山28、29を有する。第1のパイプ部26は、例えば標準的な歯磨き粉のチューブに適合するネジ山28を有し、第2のパイプ部27は、より小さく第2の部屋21に収納できる1つのチューブに適合するネジ山29を有する。充填具25はこのように、標準寸法のチューブから、複合物品に収納される小さなチューブに充填するために使用される。
第1の部屋20と第2の部屋21との間の壁22は、充填具25の形状に適合した形状を有する。図示された実施形態では、壁22は第2の部屋21から見て、第2のパイプ部27の終端において、充填具25の外部形状と一致する内部形状を有する窪み30を有する。充填具25は壁22での締め付けから容易に引き出され、使用されない間はそこに保管される。図10a,10bはまた充填具25を適正な場所に維持するための複数のノブ31を示す。
【0018】
歯ブラシ頭部23は好適には取り換え可能で、例えば既知の戻り止めを備えてもよい。好適には1つのノブ32が充填具25の上部に配置される。このノブは交換可能な歯ブラシ頭部23の先端を外すのに使用される。
好適には第1の蓋3および第2の蓋4にそれぞれ摩擦面37a,37bが設けられる。これらは、とりわけ個人用複合衛生物品のグリップの改善のため、2部位構成で、ゴム状の表面である。
【符号の説明】
【0019】
1 複合衛生用物品 2 ホルダー部 3 第1の蓋
4 第2の蓋 5 取り付け手段 6 歯ブラシ部
7 髭そり頭部 20 第1の部屋 21 第2の部屋
22 壁 25 充填具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの部分的に中空なホルダー部(2)と、
1つの歯ブラシ部(6)と、
1つの髭そり頭部(7)用の1つの取り付け手段(5)と、
ここにおいて前記歯ブラシ部(6)は、前記歯ブラシ部(6)がホルダー部(2)に軸回転可能に取り付けられるように1つの蝶番手段(13,14)を備える、1つの第1の終端を有し、
前記歯ブラシ部(6)は、1つの歯ブラシ頭部(23)を備える1つの第2の終端を有し、
を有する個人用複合衛生物品であって、
前記部分的に中空のホルダー部(2)に、1つの壁(22)を備え、
前記壁(22)は1つの第1の部屋(20)と1つの第2の部屋(21)との間の1つの物理的隔離を構成し、
前記歯ブラシ頭部(23)を備える前記歯ブラシ部(6)の前記第2の終端が、前記第1の部屋(20)に折り込まれ、前記壁(22)が、同時に既知の充填具(25)に対する取り付け部分を構成する、
ことを特徴とする物品。
【請求項2】
1つの第1の実質的に長い蓋(3)が前記ホルダー部(2)に軸回転可能に取り付けられているため、前記歯ブラシ部(6)が折り込まれる時、及び前記歯ブラシ部(6)が伸長されている時の両方において、前記第1の蓋(3)が前記ホルダー部(2)の上を閉じるように設定され、ここにおいて前記ホルダー部(2)は、前記第1の蓋(3)の1つの外部スカートに適合する1つの内部スカートを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記髭そり頭部(7)用の前記取り付け手段(5)が1つの第2の蓋(4)の上に配置され、前記第2の蓋(4)は、
前記ホルダー部(2)の延長線上に適合するように配置され、前記ホルダー部(2)の形状に沿うような外形を有し、前記第2の蓋が中空な場所で主として2つの部屋(16,17)に分割され、
ここにおいて1つの部屋(16)が前記髭そり頭部(7)の収容のために配置され、髭そり刃を保持する前記髭そり頭部(7)の各部位が前記部屋(16)の表面に接触しないように、前記部屋(16)の形状が前記髭そり頭部(7)の形状に対し適合されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の物品。
【請求項4】
前記第2の部屋(21)への1つの空気スリット(35)が前記ホルダー部(2)に配置され、ここにおいて前記空気スリット(35)は好適には前記壁(22)に近く設けられる、ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも1つの吹き込み孔(24)、好適には一列の複数の吹き込み孔(24)が前記第1の蓋(3)の終端に設けられる、ことを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の物品。
【請求項6】
前記一列の複数の吹き込み孔(24)が前記第1の蓋(3)の終端より高い位置にある1つの終端面にあり、複数の排水用溝(34a,34b)が前記終端面の両側に設けられる、ことを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の物品。
【請求項7】
少なくとも数個の吹き込み孔(36)が、前記第2の蓋(4)に近い前記ホルダー部(2)の終端において、前記ホルダー部(2)のそれぞれの側面に設けられる、ことを特徴とする請求項1−6のいずれか1項に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の蓋(3)の両面に第1の摩擦面(37a)が設けられる、ことを特徴とする請求項1−7のいずれか1項に記載の物品。
【請求項9】
複数の第2の摩擦面(37b)が前記第2の蓋(4)の下方で、前記髭そり頭部(7)用の前記取り付け手段(5)が配置される側と反対側の面に設けられる、ことを特徴とする請求項1−8のいずれか1項に記載の物品。
【請求項10】
前記第1および第2の摩擦面(37a,37b)は2部位構成からなり、ゴム状の表面を有する、ことを特徴とする請求項8または9に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−505958(P2011−505958A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537885(P2010−537885)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/NO2008/000442
【国際公開番号】WO2009/075586
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510157683)
【Fターム(参考)】