倒産確率予測装置及び倒産確率予測システム
【課題】企業倒産確率の予測精度が優れた倒産確率予測装置及び倒産確率予測システムを提供する。
【解決手段】倒産確率予測用コンピュータは、カテゴリセット毎の区分データに対して、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、ロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する手段とを備えている。
【解決手段】倒産確率予測用コンピュータは、カテゴリセット毎の区分データに対して、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、ロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業の将来における倒産の確率を予測する技術に関し、特に企業の倒産確率に影響を与える数値化可能な企業内部情報などの数値型データと数値化困難な経済環境情報などの分類型データとに基づく一括同時分析に有効な企業の倒産確率予測装置及び倒産確率予測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来開発されている企業倒産確率予測技術は、数値化可能な企業内部情報などの数値型データのみを前提とする重回帰分析に基づく回帰分析等の理論式による予測であったため、数値化困難な経済環境情報などの分類型データは、企業倒産確率に重大な影響があるにもかかわらず、一括して同時に分析することはなかった。
【0003】
具体的には、財務情報などの数値型データに、経営者資質等の分類型データの構成要素を基準点数化して、加減算の結果を評点とすることで数値化し、企業倒産確率を予測していた(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−216804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の企業倒産確率予測技術では、一定の割り切りによって数値化可能な企業内部情報のみに基づいた回帰分析によって企業予測を行うため、数値化困難な経済環境情報を一括して同時に分析することができなかった。従って、倒産確率予測において、経済環境予測の反映がなされないことから、予測精度の最適化に限界があった。
【0006】
また、企業内部情報の基準点数化の過程においても、人為が介するため、統計解析による最適化がされているとは言い難く、予測精度が劣化する欠点をもっていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、企業倒産確率の予測精度が非常に優れた倒産確率予測装置及び倒産確率予測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、この倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数をカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えている。倒産確率予測用コンピュータは、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えている。第2のデータ記憶装置は、評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されている。倒産確率予測用コンピュータは、さらに、第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えている。
【0009】
通常の重回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の理論式により、企業内部情報の基準点数化の過程において人為的行為を介するが故に統計解析による最適化されていない歪みを補正すると共に、企業内部情報と経済環境情報とを共に説明変数として一括して同時に分析できるようにしたので、企業の倒産確率を精度よく予測することが可能となる。また、本発明では、ロジット変換によって目的変数をロジット化している。倒産確率実績値をそのまま目的変数とすると、導出される倒産確率理論値が実際にはあり得ない負値を持つ場合があるため、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値Pを求めている。
【0010】
第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることが好ましい。
【0011】
倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、この判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることも好ましい。この場合、
重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることがより好ましい。
【0012】
倒産確率予測用コンピュータが、倒産確率実績値が0又は1の場合は倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されている。倒産確率実績値が0の場合及び1の場合は、前述したロジット変換が定義不能であるため、このように構成される。
【0013】
評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることも好ましい。
【0014】
成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることも好ましい。
【0015】
本発明によれば、さらに、倒産確率予測システムは、クライアント側端末と、通信ネットワークを介してクライアント側端末に接続されたサーバ側の倒産確率予測装置とを備えている。この倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、サーバ側において倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数をカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えている。倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータは、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えている。倒産確率予測装置における第2のデータ記憶装置は、評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されている。倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータは、さらに、第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、クライアント側端末から指定されたアイテムカテゴリについて、第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えている。
【0016】
倒産確率予測装置における第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることが好ましい。
【0017】
倒産確率予測装置が、クライアント側端末又はサーバ側自体の指示から、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、この判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることも好ましい。この場合、倒産確率予測装置における重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることがより好ましい。
【0018】
倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータが、倒産確率実績値が0又は1の場合は倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されている。倒産確率実績値が0の場合及び1の場合は、前述したロジット変換が定義不能であるため、このように構成される。
【0019】
評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることも好ましい。
【0020】
成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることも好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、通常の重回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の理論式により、企業内部情報の基準点数化の過程において人為的行為を介するが故に統計解析による最適化されていない歪みを補正すると共に、企業内部情報と経済環境情報とを共に説明変数として一括して同時に分析できるようにしたので、企業の倒産確率を精度よく予測することが可能となる。また、本発明によれば、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値を求めているため、導出される倒産確率理論値が負値を持つことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態における倒産確率予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【0024】
同図に示すように、サーバ側の倒産確率予測装置10はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット又は専用ネットワーク回線等の通信ネットワーク11を介して複数のクライアント側端末12に接続されている。例えば、サーバをメインのパーソナルコンピュータ(PC)としクライアントをこれにLANを介して接続された端末としても良いし、サーバを本部のサーバコンピュータとしクライアントを各支店の端末としても良い。また、倒産確率予測装置10をネットワーク11に接続することなしに独立して動作させても良いことはもちろんである。
【0025】
クライアント側端末12は、コンピュータ、ユーザが操作するためのキーボードやマウス、ディスプレイ等の他に、通信ネットワーク11に接続可能な通信機能をも備えている。なお、クライアント側端末12が、サーバとの通信時に、WEBブラウザ等のプログラムによりユーザインタフェースを実現するものであっても良い。
【0026】
サーバ側の倒産確率予測装置10には、ネットワークを介する通信を制御する通信制御装置10aと、倒産確率予測用コンピュータ10bと、第1のデータ記憶装置10cと、第2のデータ記憶装置10dと、第3のデータ記憶装置10eとが少なくとも設けられている。
【0027】
倒産確率予測用コンピュータ10bは、図示されていないが、オペレーティングシステム(OS)を格納するROM、各種プログラムを実行するためのCPU及び各種処理のワークエリアとして機能するRAM等を備えており、通信制御装置10aとの間で送受信データを処理したり、データベースである第1のデータ記憶装置10c、第2のデータ記憶装置10d及び第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されているデータの読み書きを行ったり、ROMに格納されているプログラムを実行する。
【0028】
図2は倒産確率予測用コンピュータ10bのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートであり、以下、同図を用いて倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容を説明する。
【0029】
まず、今年度のオリジナルデータを収録するか否かを判別し(ステップS1)、収録する場合(YESの場合)はそのオリジナルデータを第1のデータ記憶装置10cに記憶保存する(ステップS2)。これにより、第1のデータ記憶装置10cには、企業の事業内容を表す業種コード(1〜99)と、業歴、資本構成、規模、損益等の信用要素から企業の信用度を評価して得るとされる評点(1〜100)とを含むオリジナルデータが記憶保存される。
【0030】
なお、このオリジナルデータは、株式会社帝国データバンク(以下、帝国DB社)が有償にて提供しているデータであり、企業内部情報に基づいて帝国DB社が設定するものであるが、その設定基準や設定方法等については外部には一切公表されていない。通常は、1年毎に更新されたものが提供される。この更新は、サーバ管理者によりマニュアルで行われてもよく、あるいは、ネットワークを通じてリモートで自動更新されるようにしてもよい。また、それ以外の方法で更新してもよい。
【0031】
帝国DB社から提供されたオリジナルデータは、図3にその一部が示されているように、評価対象の年度(基準年)が同じであり、業種コードが同じであり、評点が同じであるカテゴリセットに属する何社かの企業についてまとめて1又は複数レコードで提供されるものである。即ち、第1のデータ記憶装置10cには、図3にその一部が示されているように、同一のカテゴリセット(基準年同一、業種コード同一、評点同一)における企業数と倒産企業実績数とが各カテゴリセット(レコード)毎に対応して記憶されている。
【0032】
次いで、各レコードにおける企業数を均質化するために、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して第1のデータ記憶装置10cに記憶保存する(ステップS3)。即ち、オリジナルデータは上述したように、複数企業をまとめて1レコードとして提供されるので、1企業で1レコードの場合もあれば、数千企業で1レコードの場合もある。これを統計処理すると、1レコード1標本データとして扱われるので、バランスが著しく損なわれることとなる。ここで、数千企業が1レコードとなっているものを、数千レコードに増殖することにより1企業1レコードに揃えれば、統計的に正しい結果を得ることができる。しかしながら、過去21年間(1984年〜2004年)の延べ約2000万企業について処理可能な統計演算ソフトウエアを入手することは現在不可能であるのみならず、そこまでの均質化は要求されないことから、本実施形態では、現在使用している統計演算処理ソフトウエアの制限から1万レコード以内とするため、2000企業で1レコード(端数四捨五入)となるようにレコード数の増殖を行って均質化を図っている。
【0033】
次いで、各レコードの評点及び業種コードを複数のカテゴリ(アイテムカテゴリ)に分類する(ステップS4)。このステップS4における分類処理は、ステップS1において、オリジナルデータを収録しない場合(NOの場合)にも実行される。
【0034】
評点については、図4に示すように1〜100点を17カテゴリに分類する。図5には評点とカテゴリとが対応して示されている。評点の分類処理は、具体的には、第1のデータ記憶装置10cに記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、その読出した評点に応じて17のうちの1つのアイテムカテゴリに分類し、分類した評点区分をそのカテゴリセットの評点区分データとして第2のデータ記憶装置10dに記憶保存するものである。なお、カテゴリの分類数は17に限定されるものではなく、これ以外であっても良い。図4からも分かるように、カテゴリ分類の視点として、本実施形態では、カテゴリスコア値のバランスを考慮して適宜にまとめた刻みで分類されている。
【0035】
業種コードについては、図4に示すように、1〜99の中分類コードを8カテゴリに分類する。本実施形態において、8カテゴリは、農林水産業・鉱業が1、建設業が2、製造業が3、卸売業が4、小売業が5、不動産業が6、運輸業・電気・ガス・水道業が7、サービス業・その他が8に設定されている。図6には業種コードとカテゴリとが対応して示されている。業種コードの分類処理は、具体的には、第1のデータ記憶装置10cに記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、その読出した業種コードに応じて8のうちの1つのアイテムカテゴリに分類し、分類した業種区分をそのカテゴリセットの業種区分データとして第2のデータ記憶装置10dに記憶保存するものである。業種区分とは、事業内容に基づく分類コードを示す説明変数となっている。カテゴリの分類数は8に限定されるものではなく、これ以外であっても良い。カテゴリ分類の視点として、本来、倒産リスクは評点に一元的に反映されるはずだが、人為を介した基準点化による歪みを統計解析的に補正するため、建設業、製造業、卸売業、小売業等の業態毎の特性に基づいて分類されている。
【0036】
次いで、カテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出する(ステップS5)。具体的には、全てのレコードについて、倒産確率実績値=倒産企業実績数/企業数で算出を行い、その結果が、第2のデータ記憶装置10dに倒産確率実績値として記憶保存される。図7は第2のデータ記憶装置10dに記憶保存されるこれら評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値の一部が示されている。
【0037】
次いで、経済環境情報として、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に第2のデータ記憶装置10dに記憶保存する(ステップS6)。
【0038】
図4に示すように、成長率区分データは、景気を反映させる分類コードを示しており、年間の実質経済成長率が3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている名目年間実質経済成長率に基づいて分類される。この成長率区分の3カテゴリは、本実施形態では、名目年間実質経済成長率の0%未満を1、0%以上3%未満を2、3%以上を3となるように設定されている。
【0039】
金利区分データは、金利水準を反映させるための分類コードを示しており、長期プライムレートが3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている長期プライムレートの年平均に基づいて分類される。この金利区分の3カテゴリは、本実施形態では、長期プライムレートの年平均の3%未満を1、3%以上6%未満を2、6%以上を3となるように設定されている。
【0040】
為替区分データは、為替水準を反映させるための分類コードを示す説明変数であり、対ドル為替レートが3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている対ドル為替レートの年平均に基づいて分類される。この為替区分の3カテゴリは、本実施形態では、対ドル為替の年平均の120円未満/ドルを1、120円/ドル以上140円/ドル未満を2、140円/ドル以上を3となるように設定されている。
【0041】
物価区分データは、物価水準を反映させるための分類コードを示しており、消費者物価指数が3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている消費者物価指数の年平均に基づいて分類される。この物価区分の3カテゴリは、本実施形態では、消費者物価指数の年平均の0%未満を1、0%以上3%未満を2、3%以上を3となるように設定されている。
【0042】
政権区分データは、政治環境を反映させるための分類コードを示しており、米国の政権党に基づいて分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の米国政権党で分類される。この政権区分の2カテゴリは、本実施形態では、米国政権党が共和党を1、民主党を2となるように設定されている。
【0043】
これら経済環境情報である成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データは、各年毎に、本システムの管理者によって定められ、第2のデータ記憶装置10dの各レコード毎に記憶保存されている。図7はこの状態を示している。なお、基準年が同じであれば、全てのレコードについて同じ成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データが収納されている。
【0044】
次いで、倒産確率実績値について数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析を行って、各アイテムカテゴリ毎のスコア値(カテゴリスコア)を算出する(ステップS7)。即ち、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、まず、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換し、ロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存する。ただし、倒産確率実績値が0又は1の場合は、ロジット変換が定義できないため、倒産確率実績値を倒産確率理論値とする。
【0045】
数量化理論1類は重回帰分析の変形であり、アイテムカテゴリのような質的な説明変数を0と1のみの値をとる数量型の説明変数に変換し、これを全カテゴリ型の説明変数に行って重回帰分析を行うものである。本実施形態では、評点区分が17カテゴリ、業種区分が8カテゴリ、成長率区分が3カテゴリ、金利区分が3カテゴリ、為替区分が3カテゴリ、物価区分が3カテゴリ、政権区分が2カテゴリであるため、説明変数が32個となる。このような膨大な数についてカテゴリスコア即ち回帰式の係数の求め方を説明することは不可能に近いため、以下では、説明変数が2個の場合の重回帰分析における回帰式の係数a、b及びcの求め方を説明する。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】
【0048】
説明変数が32個の本実施形態における数量化理論1類に基づく回帰分析は、市販の統計処理演算ソフトウエア、例えば株式会社エスミの「EXCEL数量化理論」における数量化理論1類を用いて、カテゴリスコアを求めることができる。
【0049】
図8は本実施形態において数量化理論1類に基づく回帰分析を行って算出され、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されている各アイテムカテゴリ毎のスコア値(カテゴリスコア)の一例を示しており、図9はこのスコア値を棒グラフで示している。
【0050】
その後、このようにして得られた理論式に基づいて倒産確率理論値を算出するか否かを判別し(ステップS8)、算出しない場合(NOの場合)はこれで全ての処理を終了するか否かの判別を行って(ステップS9)、実際に処理を終えるか又は理論値算出の判別を繰り返す。
【0051】
倒産確率理論値を算出する場合(YESの場合)は、予測すべき企業に関して、年度別に予測者が設定して入力した成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分及び政権区分のアイテムカテゴリを受け取る(ステップS10)。例えば、来年は実質経済成長率が4%になると予測者が考えれば成長率区分=3と設定する。これは予測すべき企業の活動する地域によっても異なるかもしれない。例えば、北海道を主たる経済活動の拠点とする企業は成長率区分=2と設定するのが妥当であるかもしれない。この場合、評点区分及び業種区分については、通常は、前年度と変わらないとすることが妥当である。
【0052】
次いで、この受け取ったアイテムカテゴリに対応するスコア値を第3のデータ記憶装置10eから読出し、倒産確率理論値を算出する(ステップS11)。具体的には、倒産確率理論値のロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から求め、倒産確率理論値PをP=1/(1+e−L)で逆ロジット変換して算出する。このように、本実施形態では、倒産確率実績値をそのまま目的変数とすると、導出される倒産確率理論値が実際にはあり得ない負値を持つ場合があるため、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値Pを求めている。
【0053】
この算出した倒産確率理論値は、予測者に出力される(ステップS12)。なお、予測者がサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bから予測処理を求めている場合は、倒産確率理論値はこのコンピュータに出力される。一方、予測者がクライアント側端末12から予測処理を求めている場合は、倒産確率理論値は通信ネットワーク11を介してクライアント側端末12に出力される。さらに、このようにして求めた倒産確率理論値を第3のデータ記憶装置10eに記憶保存しておいても良い。
【0054】
図10はこのようにして算出された倒産確率のロジット値に関するサンプルスコア(理論値)と実績値と残差(誤差)とを例示しており、図11は本実施形態における倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの散布図である。この場合の倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの相関係数は、0.9364であり、本実施形態によれば、かなり精度の高い予測が可能となっている。
【0055】
なお、本実施形態では、評点区分、業種区分、成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分、政権区分を一例としてあげているが、他の区分、例えば帝国DB社の提供するオリジナルデータに含まれる規模コードを、業種コードと同様に、人為を介した基準点化の歪みの補正に用いても良いし、さらに他の区分、例えば株価区分、世相反映区分、原油価格区分等を付加的に用いることも可能である。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、企業内部情報(例えば帝国DB社が有償にて提供しているオリジナルデータ)に基づいてこれを修正した評点区分及び業種区分に、予測倒産確率に影響を与える数値化困難な経済環境情報から成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分及び政権区分を付加し、非数値化項目を一括して同時に回帰分析する。これにより、企業内部情報の基準点数化の過程においても人為が介するため、統計解析による最適化がされていない歪みが補正できると共に、重大な影響を与える経済環境情報も一括して同時に分析できるので、企業倒産確率を精度良く予測することができる。
【0057】
また、回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の論理式によって、企業内部情報及び経済環境情報を共に説明変数として取り込むことが可能である。さらに、予測倒産確率に対する説明変数(企業内部情報及び経済環境情報)の影響力を統計解析的に確認して不要な説明変数を除くことができる。
【0058】
このように、倒産確率予測において、統計解析的に最適な予測精度が得られ、また、予測倒産確率に対する説明変数(企業内部情報及び経済環境情報)の影響力を統計解析的に確認できるため、本当に必要な説明変数を選別できる。逆に、不要な説明変数、さらには説明変数間の干渉から常識的に説明困難な説明変数を排除することが可能である。
【0059】
図12は本発明の他の実施形態における倒産確率予測用コンピュータ10bのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートであり、以下、同図を用いて本実施形態の倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容を説明する。ただし、この実施形態における倒産確率予測システムの全体構成は、図1に示したものと同様である。また、図12に示した倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容も図2の処理内容に加えてステップS13〜S15の処理が付加されたのみでその他の処理内容は同じである。従って、以下は異なる処理内容部分のみに付いて説明するものとする。
【0060】
図12のステップS6において、経済環境情報として、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを、カテゴリセット毎に第2のデータ記憶装置10dに記憶保存した後、クライアント側端末12を操作することによるか又はサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bを操作することにより、重み付け処理する指示がなされたか否かを判別する(ステップS13)。ここで、重み付け処理とは、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで重み付けを異ならせて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する処理である。
【0061】
重み付け処理しない場合(NOの場合)は、ステップS7へジャンプして第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データから、数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する。
【0062】
重み付け処理をする場合(YESの場合)は、予測者が指定する重み係数を受取り(ステップS14)、その入力された重み付け係数が反映するように、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセットのレコード数を増殖する(ステップS15)。即ち、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合は、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合に比して重み係数に応じてレコード数を増殖して重み付け行う。例えば、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合を1としたときに倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合に2.5倍の重みを付ける重み付け係数のときは、前者のレコード数を2倍に増殖し、後者のレコード数を5倍に増殖する。このように、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているレコード数を変化させ標本数を変えた後、ステップS7において、カテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出して、数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、これらを重み付けを行ったスコア値として第3のデータ記憶装置10eに記憶格納する。レコード数の増殖が逆の変更態様、即ち、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合に、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合に比して重み係数に応じてレコード数を増殖して重み付け行う変更態様もあり得る。
【0063】
本実施形態におけるその他の処理内容は、図2の場合と同様であり、また、作用効果も、重み付けにより、より予測者にとって実用的な倒産確率予測ができる他は、図1の実施形態の場合と同様である。
【0064】
前述したように、予測者がサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bを操作して重み付け処理を指示すると共に重み係数を入力することができるのはもちろんであるし、予測者がクライアント側端末12を操作して重み付け処理を指示すると共に重み係数を入力することもできる。後者の場合、これによって最終的に算出された倒産確率理論値が通信ネットワーク11を介してクライアント側端末12に出力される。さらに、この過程で算出されたアイテムカテゴリ毎のスコア値及び倒産確率理論値が、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されるように構成しても良い。
【0065】
なお、上述した実施形態におけるアイテム及びアイテムカテゴリの設定は、単なる例示であり、その他の種々の設定が可能であることは言うまでもない。
【0066】
また、導出した理論式及びアイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータを記憶装置に記憶させておき、帝国DB社から毎年1年分のオリジナルデータが提供された際に、理論式及びこのアイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータ更新を行うようにしても良い。その際、アイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータと1年分の追加提供されたアイテムカテゴリ毎の倒産確率実績値のデータとの相関分析等を行い、予測精度の検証を行うことも可能である。
【0067】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、企業の倒産確率を精度よく予測することができるので、信用保証保険の保険料計算において特に有用である。また、企業の倒産リスクに係る与信業務を扱う業態にも広く活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態における倒産確率予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態における倒産確率予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図3】図1の実施形態において第1のデータ記憶装置に記憶されているオリジナルデータの一部を説明する図である。
【図4】図1の実施形態においてアイテムとアイテムカテゴリとを説明する図である。
【図5】図1の実施形態において評点とそのカテゴリとを対応する図である。
【図6】図1の実施形態において業種コードとそのカテゴリとを対応する図である。
【図7】図1の実施形態において第2のデータ記憶装置に記憶されている区分データを説明する図である。
【図8】図1の実施形態において第3のデータ記憶装置に記憶されている各アイテムカテゴリのスコア値を説明する図である。
【図9】図1の実施形態において第3のデータ記憶装置に記憶されている各アイテムカテゴリのスコア値を説明する図である。
【図10】図1の実施形態において算出したサンプルスコアと倒産確率の実績値との例を示す図である。
【図11】図1の実施形態において倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの散布図である。
【図12】本発明の他の実施形態における倒産確率予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
10 倒産確率予測装置
10a 通信制御装置
10b 倒産確率予測用コンピュータ
10c 第1のデータ記憶装置
10d 第2のデータ記憶装置
10e 第3のデータ記憶装置
11 通信ネットワーク
12 クライアント側端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業の将来における倒産の確率を予測する技術に関し、特に企業の倒産確率に影響を与える数値化可能な企業内部情報などの数値型データと数値化困難な経済環境情報などの分類型データとに基づく一括同時分析に有効な企業の倒産確率予測装置及び倒産確率予測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来開発されている企業倒産確率予測技術は、数値化可能な企業内部情報などの数値型データのみを前提とする重回帰分析に基づく回帰分析等の理論式による予測であったため、数値化困難な経済環境情報などの分類型データは、企業倒産確率に重大な影響があるにもかかわらず、一括して同時に分析することはなかった。
【0003】
具体的には、財務情報などの数値型データに、経営者資質等の分類型データの構成要素を基準点数化して、加減算の結果を評点とすることで数値化し、企業倒産確率を予測していた(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−216804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の企業倒産確率予測技術では、一定の割り切りによって数値化可能な企業内部情報のみに基づいた回帰分析によって企業予測を行うため、数値化困難な経済環境情報を一括して同時に分析することができなかった。従って、倒産確率予測において、経済環境予測の反映がなされないことから、予測精度の最適化に限界があった。
【0006】
また、企業内部情報の基準点数化の過程においても、人為が介するため、統計解析による最適化がされているとは言い難く、予測精度が劣化する欠点をもっていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、企業倒産確率の予測精度が非常に優れた倒産確率予測装置及び倒産確率予測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、この倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数をカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えている。倒産確率予測用コンピュータは、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えている。第2のデータ記憶装置は、評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されている。倒産確率予測用コンピュータは、さらに、第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えている。
【0009】
通常の重回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の理論式により、企業内部情報の基準点数化の過程において人為的行為を介するが故に統計解析による最適化されていない歪みを補正すると共に、企業内部情報と経済環境情報とを共に説明変数として一括して同時に分析できるようにしたので、企業の倒産確率を精度よく予測することが可能となる。また、本発明では、ロジット変換によって目的変数をロジット化している。倒産確率実績値をそのまま目的変数とすると、導出される倒産確率理論値が実際にはあり得ない負値を持つ場合があるため、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値Pを求めている。
【0010】
第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることが好ましい。
【0011】
倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、この判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることも好ましい。この場合、
重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることがより好ましい。
【0012】
倒産確率予測用コンピュータが、倒産確率実績値が0又は1の場合は倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されている。倒産確率実績値が0の場合及び1の場合は、前述したロジット変換が定義不能であるため、このように構成される。
【0013】
評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることも好ましい。
【0014】
成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることも好ましい。
【0015】
本発明によれば、さらに、倒産確率予測システムは、クライアント側端末と、通信ネットワークを介してクライアント側端末に接続されたサーバ側の倒産確率予測装置とを備えている。この倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、サーバ側において倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数をカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えている。倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータは、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えている。倒産確率予測装置における第2のデータ記憶装置は、評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されている。倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータは、さらに、第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、クライアント側端末から指定されたアイテムカテゴリについて、第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えている。
【0016】
倒産確率予測装置における第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることが好ましい。
【0017】
倒産確率予測装置が、クライアント側端末又はサーバ側自体の指示から、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、この判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることも好ましい。この場合、倒産確率予測装置における重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることがより好ましい。
【0018】
倒産確率予測装置における倒産確率予測用コンピュータが、倒産確率実績値が0又は1の場合は倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されている。倒産確率実績値が0の場合及び1の場合は、前述したロジット変換が定義不能であるため、このように構成される。
【0019】
評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることも好ましい。
【0020】
成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることも好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、通常の重回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の理論式により、企業内部情報の基準点数化の過程において人為的行為を介するが故に統計解析による最適化されていない歪みを補正すると共に、企業内部情報と経済環境情報とを共に説明変数として一括して同時に分析できるようにしたので、企業の倒産確率を精度よく予測することが可能となる。また、本発明によれば、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値を求めているため、導出される倒産確率理論値が負値を持つことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態における倒産確率予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【0024】
同図に示すように、サーバ側の倒産確率予測装置10はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット又は専用ネットワーク回線等の通信ネットワーク11を介して複数のクライアント側端末12に接続されている。例えば、サーバをメインのパーソナルコンピュータ(PC)としクライアントをこれにLANを介して接続された端末としても良いし、サーバを本部のサーバコンピュータとしクライアントを各支店の端末としても良い。また、倒産確率予測装置10をネットワーク11に接続することなしに独立して動作させても良いことはもちろんである。
【0025】
クライアント側端末12は、コンピュータ、ユーザが操作するためのキーボードやマウス、ディスプレイ等の他に、通信ネットワーク11に接続可能な通信機能をも備えている。なお、クライアント側端末12が、サーバとの通信時に、WEBブラウザ等のプログラムによりユーザインタフェースを実現するものであっても良い。
【0026】
サーバ側の倒産確率予測装置10には、ネットワークを介する通信を制御する通信制御装置10aと、倒産確率予測用コンピュータ10bと、第1のデータ記憶装置10cと、第2のデータ記憶装置10dと、第3のデータ記憶装置10eとが少なくとも設けられている。
【0027】
倒産確率予測用コンピュータ10bは、図示されていないが、オペレーティングシステム(OS)を格納するROM、各種プログラムを実行するためのCPU及び各種処理のワークエリアとして機能するRAM等を備えており、通信制御装置10aとの間で送受信データを処理したり、データベースである第1のデータ記憶装置10c、第2のデータ記憶装置10d及び第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されているデータの読み書きを行ったり、ROMに格納されているプログラムを実行する。
【0028】
図2は倒産確率予測用コンピュータ10bのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートであり、以下、同図を用いて倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容を説明する。
【0029】
まず、今年度のオリジナルデータを収録するか否かを判別し(ステップS1)、収録する場合(YESの場合)はそのオリジナルデータを第1のデータ記憶装置10cに記憶保存する(ステップS2)。これにより、第1のデータ記憶装置10cには、企業の事業内容を表す業種コード(1〜99)と、業歴、資本構成、規模、損益等の信用要素から企業の信用度を評価して得るとされる評点(1〜100)とを含むオリジナルデータが記憶保存される。
【0030】
なお、このオリジナルデータは、株式会社帝国データバンク(以下、帝国DB社)が有償にて提供しているデータであり、企業内部情報に基づいて帝国DB社が設定するものであるが、その設定基準や設定方法等については外部には一切公表されていない。通常は、1年毎に更新されたものが提供される。この更新は、サーバ管理者によりマニュアルで行われてもよく、あるいは、ネットワークを通じてリモートで自動更新されるようにしてもよい。また、それ以外の方法で更新してもよい。
【0031】
帝国DB社から提供されたオリジナルデータは、図3にその一部が示されているように、評価対象の年度(基準年)が同じであり、業種コードが同じであり、評点が同じであるカテゴリセットに属する何社かの企業についてまとめて1又は複数レコードで提供されるものである。即ち、第1のデータ記憶装置10cには、図3にその一部が示されているように、同一のカテゴリセット(基準年同一、業種コード同一、評点同一)における企業数と倒産企業実績数とが各カテゴリセット(レコード)毎に対応して記憶されている。
【0032】
次いで、各レコードにおける企業数を均質化するために、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して第1のデータ記憶装置10cに記憶保存する(ステップS3)。即ち、オリジナルデータは上述したように、複数企業をまとめて1レコードとして提供されるので、1企業で1レコードの場合もあれば、数千企業で1レコードの場合もある。これを統計処理すると、1レコード1標本データとして扱われるので、バランスが著しく損なわれることとなる。ここで、数千企業が1レコードとなっているものを、数千レコードに増殖することにより1企業1レコードに揃えれば、統計的に正しい結果を得ることができる。しかしながら、過去21年間(1984年〜2004年)の延べ約2000万企業について処理可能な統計演算ソフトウエアを入手することは現在不可能であるのみならず、そこまでの均質化は要求されないことから、本実施形態では、現在使用している統計演算処理ソフトウエアの制限から1万レコード以内とするため、2000企業で1レコード(端数四捨五入)となるようにレコード数の増殖を行って均質化を図っている。
【0033】
次いで、各レコードの評点及び業種コードを複数のカテゴリ(アイテムカテゴリ)に分類する(ステップS4)。このステップS4における分類処理は、ステップS1において、オリジナルデータを収録しない場合(NOの場合)にも実行される。
【0034】
評点については、図4に示すように1〜100点を17カテゴリに分類する。図5には評点とカテゴリとが対応して示されている。評点の分類処理は、具体的には、第1のデータ記憶装置10cに記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、その読出した評点に応じて17のうちの1つのアイテムカテゴリに分類し、分類した評点区分をそのカテゴリセットの評点区分データとして第2のデータ記憶装置10dに記憶保存するものである。なお、カテゴリの分類数は17に限定されるものではなく、これ以外であっても良い。図4からも分かるように、カテゴリ分類の視点として、本実施形態では、カテゴリスコア値のバランスを考慮して適宜にまとめた刻みで分類されている。
【0035】
業種コードについては、図4に示すように、1〜99の中分類コードを8カテゴリに分類する。本実施形態において、8カテゴリは、農林水産業・鉱業が1、建設業が2、製造業が3、卸売業が4、小売業が5、不動産業が6、運輸業・電気・ガス・水道業が7、サービス業・その他が8に設定されている。図6には業種コードとカテゴリとが対応して示されている。業種コードの分類処理は、具体的には、第1のデータ記憶装置10cに記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、その読出した業種コードに応じて8のうちの1つのアイテムカテゴリに分類し、分類した業種区分をそのカテゴリセットの業種区分データとして第2のデータ記憶装置10dに記憶保存するものである。業種区分とは、事業内容に基づく分類コードを示す説明変数となっている。カテゴリの分類数は8に限定されるものではなく、これ以外であっても良い。カテゴリ分類の視点として、本来、倒産リスクは評点に一元的に反映されるはずだが、人為を介した基準点化による歪みを統計解析的に補正するため、建設業、製造業、卸売業、小売業等の業態毎の特性に基づいて分類されている。
【0036】
次いで、カテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出する(ステップS5)。具体的には、全てのレコードについて、倒産確率実績値=倒産企業実績数/企業数で算出を行い、その結果が、第2のデータ記憶装置10dに倒産確率実績値として記憶保存される。図7は第2のデータ記憶装置10dに記憶保存されるこれら評点区分データ、業種区分データ及び倒産確率実績値の一部が示されている。
【0037】
次いで、経済環境情報として、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に第2のデータ記憶装置10dに記憶保存する(ステップS6)。
【0038】
図4に示すように、成長率区分データは、景気を反映させる分類コードを示しており、年間の実質経済成長率が3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている名目年間実質経済成長率に基づいて分類される。この成長率区分の3カテゴリは、本実施形態では、名目年間実質経済成長率の0%未満を1、0%以上3%未満を2、3%以上を3となるように設定されている。
【0039】
金利区分データは、金利水準を反映させるための分類コードを示しており、長期プライムレートが3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている長期プライムレートの年平均に基づいて分類される。この金利区分の3カテゴリは、本実施形態では、長期プライムレートの年平均の3%未満を1、3%以上6%未満を2、6%以上を3となるように設定されている。
【0040】
為替区分データは、為替水準を反映させるための分類コードを示す説明変数であり、対ドル為替レートが3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている対ドル為替レートの年平均に基づいて分類される。この為替区分の3カテゴリは、本実施形態では、対ドル為替の年平均の120円未満/ドルを1、120円/ドル以上140円/ドル未満を2、140円/ドル以上を3となるように設定されている。
【0041】
物価区分データは、物価水準を反映させるための分類コードを示しており、消費者物価指数が3カテゴリに分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の公表されている消費者物価指数の年平均に基づいて分類される。この物価区分の3カテゴリは、本実施形態では、消費者物価指数の年平均の0%未満を1、0%以上3%未満を2、3%以上を3となるように設定されている。
【0042】
政権区分データは、政治環境を反映させるための分類コードを示しており、米国の政権党に基づいて分類される。カテゴリ分類の視点として、1984年以降の米国政権党で分類される。この政権区分の2カテゴリは、本実施形態では、米国政権党が共和党を1、民主党を2となるように設定されている。
【0043】
これら経済環境情報である成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データは、各年毎に、本システムの管理者によって定められ、第2のデータ記憶装置10dの各レコード毎に記憶保存されている。図7はこの状態を示している。なお、基準年が同じであれば、全てのレコードについて同じ成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データが収納されている。
【0044】
次いで、倒産確率実績値について数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析を行って、各アイテムカテゴリ毎のスコア値(カテゴリスコア)を算出する(ステップS7)。即ち、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出し、まず、倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換し、ロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存する。ただし、倒産確率実績値が0又は1の場合は、ロジット変換が定義できないため、倒産確率実績値を倒産確率理論値とする。
【0045】
数量化理論1類は重回帰分析の変形であり、アイテムカテゴリのような質的な説明変数を0と1のみの値をとる数量型の説明変数に変換し、これを全カテゴリ型の説明変数に行って重回帰分析を行うものである。本実施形態では、評点区分が17カテゴリ、業種区分が8カテゴリ、成長率区分が3カテゴリ、金利区分が3カテゴリ、為替区分が3カテゴリ、物価区分が3カテゴリ、政権区分が2カテゴリであるため、説明変数が32個となる。このような膨大な数についてカテゴリスコア即ち回帰式の係数の求め方を説明することは不可能に近いため、以下では、説明変数が2個の場合の重回帰分析における回帰式の係数a、b及びcの求め方を説明する。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】
【0048】
説明変数が32個の本実施形態における数量化理論1類に基づく回帰分析は、市販の統計処理演算ソフトウエア、例えば株式会社エスミの「EXCEL数量化理論」における数量化理論1類を用いて、カテゴリスコアを求めることができる。
【0049】
図8は本実施形態において数量化理論1類に基づく回帰分析を行って算出され、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されている各アイテムカテゴリ毎のスコア値(カテゴリスコア)の一例を示しており、図9はこのスコア値を棒グラフで示している。
【0050】
その後、このようにして得られた理論式に基づいて倒産確率理論値を算出するか否かを判別し(ステップS8)、算出しない場合(NOの場合)はこれで全ての処理を終了するか否かの判別を行って(ステップS9)、実際に処理を終えるか又は理論値算出の判別を繰り返す。
【0051】
倒産確率理論値を算出する場合(YESの場合)は、予測すべき企業に関して、年度別に予測者が設定して入力した成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分及び政権区分のアイテムカテゴリを受け取る(ステップS10)。例えば、来年は実質経済成長率が4%になると予測者が考えれば成長率区分=3と設定する。これは予測すべき企業の活動する地域によっても異なるかもしれない。例えば、北海道を主たる経済活動の拠点とする企業は成長率区分=2と設定するのが妥当であるかもしれない。この場合、評点区分及び業種区分については、通常は、前年度と変わらないとすることが妥当である。
【0052】
次いで、この受け取ったアイテムカテゴリに対応するスコア値を第3のデータ記憶装置10eから読出し、倒産確率理論値を算出する(ステップS11)。具体的には、倒産確率理論値のロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から求め、倒産確率理論値PをP=1/(1+e−L)で逆ロジット変換して算出する。このように、本実施形態では、倒産確率実績値をそのまま目的変数とすると、導出される倒産確率理論値が実際にはあり得ない負値を持つ場合があるため、倒産確率実績値をロジット変換したロジット値を目的変数として回帰分析を行い、導出されたロジット値の理論値に対して逆ロジット変換により倒産確率理論値Pを求めている。
【0053】
この算出した倒産確率理論値は、予測者に出力される(ステップS12)。なお、予測者がサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bから予測処理を求めている場合は、倒産確率理論値はこのコンピュータに出力される。一方、予測者がクライアント側端末12から予測処理を求めている場合は、倒産確率理論値は通信ネットワーク11を介してクライアント側端末12に出力される。さらに、このようにして求めた倒産確率理論値を第3のデータ記憶装置10eに記憶保存しておいても良い。
【0054】
図10はこのようにして算出された倒産確率のロジット値に関するサンプルスコア(理論値)と実績値と残差(誤差)とを例示しており、図11は本実施形態における倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの散布図である。この場合の倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの相関係数は、0.9364であり、本実施形態によれば、かなり精度の高い予測が可能となっている。
【0055】
なお、本実施形態では、評点区分、業種区分、成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分、政権区分を一例としてあげているが、他の区分、例えば帝国DB社の提供するオリジナルデータに含まれる規模コードを、業種コードと同様に、人為を介した基準点化の歪みの補正に用いても良いし、さらに他の区分、例えば株価区分、世相反映区分、原油価格区分等を付加的に用いることも可能である。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、企業内部情報(例えば帝国DB社が有償にて提供しているオリジナルデータ)に基づいてこれを修正した評点区分及び業種区分に、予測倒産確率に影響を与える数値化困難な経済環境情報から成長率区分、金利区分、為替区分、物価区分及び政権区分を付加し、非数値化項目を一括して同時に回帰分析する。これにより、企業内部情報の基準点数化の過程においても人為が介するため、統計解析による最適化がされていない歪みが補正できると共に、重大な影響を与える経済環境情報も一括して同時に分析できるので、企業倒産確率を精度良く予測することができる。
【0057】
また、回帰分析の上位概念である数量化理論1類に基づくロジスティック回帰分析の論理式によって、企業内部情報及び経済環境情報を共に説明変数として取り込むことが可能である。さらに、予測倒産確率に対する説明変数(企業内部情報及び経済環境情報)の影響力を統計解析的に確認して不要な説明変数を除くことができる。
【0058】
このように、倒産確率予測において、統計解析的に最適な予測精度が得られ、また、予測倒産確率に対する説明変数(企業内部情報及び経済環境情報)の影響力を統計解析的に確認できるため、本当に必要な説明変数を選別できる。逆に、不要な説明変数、さらには説明変数間の干渉から常識的に説明困難な説明変数を排除することが可能である。
【0059】
図12は本発明の他の実施形態における倒産確率予測用コンピュータ10bのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートであり、以下、同図を用いて本実施形態の倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容を説明する。ただし、この実施形態における倒産確率予測システムの全体構成は、図1に示したものと同様である。また、図12に示した倒産確率予測用コンピュータ10bの処理内容も図2の処理内容に加えてステップS13〜S15の処理が付加されたのみでその他の処理内容は同じである。従って、以下は異なる処理内容部分のみに付いて説明するものとする。
【0060】
図12のステップS6において、経済環境情報として、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを、カテゴリセット毎に第2のデータ記憶装置10dに記憶保存した後、クライアント側端末12を操作することによるか又はサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bを操作することにより、重み付け処理する指示がなされたか否かを判別する(ステップS13)。ここで、重み付け処理とは、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで重み付けを異ならせて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する処理である。
【0061】
重み付け処理しない場合(NOの場合)は、ステップS7へジャンプして第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データから、数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出する。
【0062】
重み付け処理をする場合(YESの場合)は、予測者が指定する重み係数を受取り(ステップS14)、その入力された重み付け係数が反映するように、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているカテゴリセットのレコード数を増殖する(ステップS15)。即ち、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合は、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合に比して重み係数に応じてレコード数を増殖して重み付け行う。例えば、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合を1としたときに倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合に2.5倍の重みを付ける重み付け係数のときは、前者のレコード数を2倍に増殖し、後者のレコード数を5倍に増殖する。このように、第2のデータ記憶装置10dに記憶されているレコード数を変化させ標本数を変えた後、ステップS7において、カテゴリセット毎の評点区分データ、業種区分データ、倒産確率実績値、成長率区分データ、金利区分データ、為替区分データ、物価区分データ及び政権区分データを読出して、数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、これらを重み付けを行ったスコア値として第3のデータ記憶装置10eに記憶格納する。レコード数の増殖が逆の変更態様、即ち、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合に、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合に比して重み係数に応じてレコード数を増殖して重み付け行う変更態様もあり得る。
【0063】
本実施形態におけるその他の処理内容は、図2の場合と同様であり、また、作用効果も、重み付けにより、より予測者にとって実用的な倒産確率予測ができる他は、図1の実施形態の場合と同様である。
【0064】
前述したように、予測者がサーバ側の倒産確率予測用コンピュータ10bを操作して重み付け処理を指示すると共に重み係数を入力することができるのはもちろんであるし、予測者がクライアント側端末12を操作して重み付け処理を指示すると共に重み係数を入力することもできる。後者の場合、これによって最終的に算出された倒産確率理論値が通信ネットワーク11を介してクライアント側端末12に出力される。さらに、この過程で算出されたアイテムカテゴリ毎のスコア値及び倒産確率理論値が、第3のデータ記憶装置10eに記憶保存されるように構成しても良い。
【0065】
なお、上述した実施形態におけるアイテム及びアイテムカテゴリの設定は、単なる例示であり、その他の種々の設定が可能であることは言うまでもない。
【0066】
また、導出した理論式及びアイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータを記憶装置に記憶させておき、帝国DB社から毎年1年分のオリジナルデータが提供された際に、理論式及びこのアイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータ更新を行うようにしても良い。その際、アイテムカテゴリ毎の倒産確率理論値のデータと1年分の追加提供されたアイテムカテゴリ毎の倒産確率実績値のデータとの相関分析等を行い、予測精度の検証を行うことも可能である。
【0067】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、企業の倒産確率を精度よく予測することができるので、信用保証保険の保険料計算において特に有用である。また、企業の倒産リスクに係る与信業務を扱う業態にも広く活用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態における倒産確率予測システムの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態における倒産確率予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【図3】図1の実施形態において第1のデータ記憶装置に記憶されているオリジナルデータの一部を説明する図である。
【図4】図1の実施形態においてアイテムとアイテムカテゴリとを説明する図である。
【図5】図1の実施形態において評点とそのカテゴリとを対応する図である。
【図6】図1の実施形態において業種コードとそのカテゴリとを対応する図である。
【図7】図1の実施形態において第2のデータ記憶装置に記憶されている区分データを説明する図である。
【図8】図1の実施形態において第3のデータ記憶装置に記憶されている各アイテムカテゴリのスコア値を説明する図である。
【図9】図1の実施形態において第3のデータ記憶装置に記憶されている各アイテムカテゴリのスコア値を説明する図である。
【図10】図1の実施形態において算出したサンプルスコアと倒産確率の実績値との例を示す図である。
【図11】図1の実施形態において倒産確率実績値そのものと倒産確率理論値そのものとの散布図である。
【図12】本発明の他の実施形態における倒産確率予測用コンピュータのプログラムの一部を概略的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
10 倒産確率予測装置
10a 通信制御装置
10b 倒産確率予測用コンピュータ
10c 第1のデータ記憶装置
10d 第2のデータ記憶装置
10e 第3のデータ記憶装置
11 通信ネットワーク
12 クライアント側端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倒産確率予測用コンピュータと、該倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数を該カテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えており、
前記倒産確率予測用コンピュータは、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、該第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えており、
前記第2のデータ記憶装置は、前記評点区分データ、前記業種区分データ及び前記倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されており、
前記倒産確率予測用コンピュータは、さらに、前記第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の前記評点区分データ、前記業種区分データ、前記倒産確率実績値、前記成長率区分データ、前記金利区分データ、前記為替区分データ、前記物価区分データ及び前記政権区分データを読出し、該倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、前記第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、該第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えていることを特徴とする倒産確率予測装置。
【請求項2】
前記第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることを特徴とする請求項1に記載の倒産確率予測装置。
【請求項3】
倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、該判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、前記カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の倒産確率予測装置。
【請求項4】
前記重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の倒産確率予測装置。
【請求項5】
前記倒産確率予測用コンピュータが、前記倒産確率実績値が0又は1の場合は該倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項6】
前記評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、前記業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項7】
前記成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項8】
クライアント側端末と、通信ネットワークを介して該クライアント側端末に接続されたサーバ側の倒産確率予測装置とを備えており、
該倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、該倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数を該カテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えており、
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータは、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、該第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えており、
前記倒産確率予測装置における前記第2のデータ記憶装置は、前記評点区分データ、前記業種区分データ及び前記倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されており、
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータは、さらに、前記第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の前記評点区分データ、前記業種区分データ、前記倒産確率実績値、前記成長率区分データ、前記金利区分データ、前記為替区分データ、前記物価区分データ及び前記政権区分データを読出し、該倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、前記第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、クライアント側端末から指定されたアイテムカテゴリについて、該第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えていることを特徴とする倒産確率予測システム。
【請求項9】
前記倒産確率予測装置における前記第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることを特徴とする請求項8に記載の倒産確率予測システム。
【請求項10】
前記倒産確率予測装置が、前記クライアント側端末又はサーバ側自体の指示から、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、該判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、前記カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の倒産確率予測システム。
【請求項11】
前記倒産確率予測装置における前記重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の倒産確率予測システム。
【請求項12】
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータが、前記倒産確率実績値が0又は1の場合は該倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されていることを特徴とする請求項8から11に記載の倒産確率予測システム。
【請求項13】
前記評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、前記業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の倒産確率予測システム。
【請求項14】
前記成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の倒産確率予測システム。
【請求項1】
倒産確率予測用コンピュータと、該倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数を該カテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えており、
前記倒産確率予測用コンピュータは、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、該第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えており、
前記第2のデータ記憶装置は、前記評点区分データ、前記業種区分データ及び前記倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されており、
前記倒産確率予測用コンピュータは、さらに、前記第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の前記評点区分データ、前記業種区分データ、前記倒産確率実績値、前記成長率区分データ、前記金利区分データ、前記為替区分データ、前記物価区分データ及び前記政権区分データを読出し、該倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、前記第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、指定されたアイテムカテゴリについて、該第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えていることを特徴とする倒産確率予測装置。
【請求項2】
前記第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることを特徴とする請求項1に記載の倒産確率予測装置。
【請求項3】
倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、該判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、前記カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の倒産確率予測装置。
【請求項4】
前記重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の倒産確率予測装置。
【請求項5】
前記倒産確率予測用コンピュータが、前記倒産確率実績値が0又は1の場合は該倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項6】
前記評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、前記業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項7】
前記成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の倒産確率予測装置。
【請求項8】
クライアント側端末と、通信ネットワークを介して該クライアント側端末に接続されたサーバ側の倒産確率予測装置とを備えており、
該倒産確率予測装置は、倒産確率予測用コンピュータと、該倒産確率予測用コンピュータに接続されており、企業の信用度を評価して得られた評点及び企業の業種を表す業種コードが同一である各カテゴリセットの企業数及び倒産企業実績数を該カテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成された第1のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されている第2のデータ記憶装置と、前記倒産確率予測用コンピュータに接続されており、アイテムカテゴリ毎のスコア値を記憶保存するように構成された第3のデータ記憶装置とを備えており、
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータは、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の評点を読み出し、各カテゴリセットをその読出した評点に応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して評点区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存すると共に、該第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の業種コードを読み出し、各カテゴリセットをその読出した業種コードに応じてあらかじめ定めたアイテムカテゴリに分類して業種区分データを得、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する分類区分手段と、前記第1のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の企業数及び倒産企業実績数から倒産確率実績値を算出し、これを前記第2のデータ記憶装置に記憶保存する倒産確率実績値算出手段とを備えており、
前記倒産確率予測装置における前記第2のデータ記憶装置は、前記評点区分データ、前記業種区分データ及び前記倒産確率実績値をカテゴリセット毎に対応して記憶保存すると共に、景気があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す成長率区分データ、金利があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す金利区分データ、為替があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す為替区分データ、物価があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す物価区分データ及び政権があらかじめ定めたどのアイテムカテゴリに属するかを表す政権区分データをカテゴリセット毎に対応して記憶保存するように構成されており、
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータは、さらに、前記第2のデータ記憶装置に記憶されているカテゴリセット毎の前記評点区分データ、前記業種区分データ、前記倒産確率実績値、前記成長率区分データ、前記金利区分データ、前記為替区分データ、前記物価区分データ及び前記政権区分データを読出し、該倒産確率実績値をln(倒産確率実績値/(1−倒産確率実績値))によってロジット変換して得られたロジット変換後倒産確率実績値を目的変数とする数量化理論1類に基づく回帰分析を行って各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出し、前記第3のデータ記憶装置に記憶保存するカテゴリスコア算出手段と、クライアント側端末から指定されたアイテムカテゴリについて、該第3のデータ記憶装置に記憶されているスコア値を読出してロジット値LをL=評点区分スコア値+業種区分スコア値+成長率区分スコア値+金利区分スコア値+為替区分スコア値+物価区分スコア値+政権区分スコア値+定数から算出し、倒産確率PをP=1/(1+e−L)から算出する倒産確率理論値算出手段とを備えていることを特徴とする倒産確率予測システム。
【請求項9】
前記倒産確率予測装置における前記第1のデータ記憶装置が、あらかじめ定めた数の企業数毎に1レコードとなるようにレコード数を増殖して記憶保存していることを特徴とする請求項8に記載の倒産確率予測システム。
【請求項10】
前記倒産確率予測装置が、前記クライアント側端末又はサーバ側自体の指示から、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とで異なる重み付け処理を行うか否かを判別する手段と、該判別手段が重み付け処理を行うと判別した場合は、前記カテゴリスコア算出手段に、入力された重み付け係数を反映させて各アイテムカテゴリ毎のスコア値を算出させる重み係数反映手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載の倒産確率予測システム。
【請求項11】
前記倒産確率予測装置における前記重み係数反映手段が、倒産しない予測であるのに実際には倒産した場合と、倒産する予測であるのに実際には倒産しなかった場合とでレコード数が異なるように、前記入力された重み係数に応じてレコード数の増殖を調整するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の倒産確率予測システム。
【請求項12】
前記倒産確率予測装置における前記倒産確率予測用コンピュータが、前記倒産確率実績値が0又は1の場合は該倒産確率実績値を倒産確率理論値とするように構成されていることを特徴とする請求項8から11に記載の倒産確率予測システム。
【請求項13】
前記評点区分データのアイテムカテゴリ数が17であり、前記業種区分データのアイテムカテゴリ数が8であることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の倒産確率予測システム。
【請求項14】
前記成長率区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記金利区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記為替区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記物価区分データのアイテムカテゴリ数が3であり、前記政権区分データのアイテムカテゴリ数が2であることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の倒産確率予測システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−250466(P2008−250466A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88535(P2007−88535)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【特許番号】特許第4128605号(P4128605)
【特許公報発行日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(592018320)あいおい損害保険株式会社 (21)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【特許番号】特許第4128605号(P4128605)
【特許公報発行日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(592018320)あいおい損害保険株式会社 (21)
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