説明

健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置

【課題】HRV値に変化が生じているかどうかを検知することで、簡易にして的確に健康の異常や回復又は医療検査の必要があるか否かを知ることで、早期に人間ドックや特定疾病の検査を促し、ひいては病気の早期発見や治療の有効性の確認を行える画期的な健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置を提供すること。
【解決手段】心拍間隔の微細な変動の周波数解析により交感神経と副交感神経との均衡状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)が、測定時の時間帯及び身体環境が同じ同一検査状態で、過去に測定し基準とする被測定者の前記HRV値に比して変化していることを検知する健康判定用のHRV変化検知方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律神経均衡検査(HRV)による交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し、この測定したHRV値の変化の有無を検知して、健康か否か、健康に異常を生じているか否か、医療検査が必要か否かを、簡易にして的確に知ることができる健康判定用のHRV変化検知方法並びにHRV変化検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自律神経は、交感神経と副交感神経とから成り、交感神経は、心拍数を増加させ、血圧を上昇させ、気管を拡張させ、消化運動を抑制させるなど人間が活動するに必要な身体条件を作るように働き、車に例えるとアクセルのような働きをし、副交感神経は、心拍数を減少させ、血圧を下降させ、気管を収縮させ、消化運動を高めるなど人間が休息するのに適切な身体状況を作るように働き、車に例えるとブレーキのような働きをしている。
【0003】
この相反する二つの神経機能のバランスを取りながら人間は活動と休息とを図っており、また、外界からのストレスが加わると交感神経の機能が強められることもわかっている。また、このバランス状態、即ち交感神経と副交感神経との均衡度によってストレス状態の有無を知ることができることも知られている(特開2008−155012号)。
【0004】
この交感神経と副交感神経との均衡度(交感神経の優位度)若しくはこれら自律神経活性度を検査するものとして自律神経均衡検査(Heart Rate Variability,HRVと略す)がある。
【0005】
このHRVは、一つの心臓周期から次の心臓周期間の微細な変異を示すもので、心拍数は洞房結節にある心拍調整細胞の固有自発性によって自律神経の影響を受けて決定する。
【0006】
健康な人の場合は心拍変異の幅が大きく複雑で、持病がある人やストレス状態な人の心拍変異の幅は小さく複雑さが減少し規則的となる。
【0007】
従って、心臓は一定に動いているようでも、その心拍間隔は微妙に変化し決して規則的でなく、この変化も複雑性を持っていて、不規則になるほど健康である。
【0008】
これは体内外環境の変化にともなう自律神経系の影響によるものであり、この不規則さの解析によって前記交感神経と副交感神経のバランス(均衡度)やこの変異の複雑さの度合いである変異度(自律神経活性度)を知ることができ、この均衡度(優位度)や活性度(HRV値)を測定することで現在どのくらいストレスを受けている状態かどうかなどを知ることができる。
【0009】
更に具体的に説明すると、心拍数は一般には1分間に心臓が何回収縮するかという回数で表している。しかし、心電図などで1拍ずつ収縮する時間を測定してみると、毎回少しずつかかる時間が違う。
【0010】
具体的には心電図のR波と呼ばれるもっとも大きなピーク波の間隔をコンピュータに取り込んで時間を計測すると、この心拍数のゆらぎとも言えるR−R間隔は変動していて、この変動には周期性がある。これを時間領域で解析してその不規則さを心拍変異度として数値化すれば自律神経の活性度が評価でき、これをHRV値として測定算出しこれが大きければより複雑に変異していてストレスを受けていないと評価できる。
【0011】
また、この周波数分析をしてみると、約0.1Hzと0.25Hz付近にパワーのピークが現れる。この0.1Hz付近をLF(Low Frequency)、0.25Hz付近をHF(High Frequency)と呼び、LFは交感神経と副交感神経の両方の働き具合、HFは副交感神経の働き具合を見ていると解釈される。従って、LF/HF比を計算し、これをもって交感神経活動指標と考え、この均衡度(優位度)をHRV値として測定算出したり、これから交感神経のみと副交感神経のみとの均衡度、例えば(LF−HF)/HFなどをHRV値として測定算出する場合などがあり、このようにして交感神経と副交感神経とのバランス(均衡度)を示す指標としてのHRV値は、一般に昼間は6/4であると正常(健康)であるとされていて、前述のように心電図や心拍数の測定からこのHRV値を測定表示して現在のHRV値(現HRV値)が正常であるか、あるいは一般値より変化していて現在強い精神的なストレスを受けている状態か、あるいは強い刺激(痛みなど)、あるいは興奮状態にあるか否かをチェックするストレスチェッカーや興奮度チェッカーとして用いるものなどが知られている。
【0012】
しかしながら、これらは一般に正常とされているHRV値と比較して現状態を判定する発想にすぎず、健康状態や健康に異常が生じていることを判定できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−155012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このHRV値の研究と健康との関係を更に追求し、このHRV値に基づいて簡易にして的確に健康の異常や回復を早期又は医療検査が必要であるか否か知ることができ、早期に人間ドックや特定疾病の検査を促し、ひいては病気の早期発見や治療の有効性の確認を行える画期的な健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置を提供することを目的としている。
【0015】
即ち、本発明者の研究によりこのHRV値は、人によって異なるものであり、性別・体格・年齢等によって異なり、また、測定する時間帯によっても異なるもので、言い換えると、このHRV値は同じ人でも1日において様々に変化するが、略そのパターンは決まっている反面、特別な負荷がかかっていない平静状態ではその人の同じ時間帯でのHRV値は同一であることを見い出した。
【0016】
起床の直後、食事の前後、立っているか寝ているか等の姿勢、また激しい運動の直後であるかどうか、それからどのくらいの時間が経過した後かなどの測定時の身体状態(病気の有無とは異なる)言い換えると測定時の身体環境によってHRV値は異なり、逆に同じ時間帯であったり、これら内外因の諸条件に対する身体状態とも言える身体環境が同じであれば、健常なときのHRV値は常に同一であることを見い出した。
【0017】
即ち、HRV値はこのように人によって異なり、更には測定時の1日のうちの時間帯や測定時の身体環境によっても異なるが、もし同じ被測定者のHRV値を測定するにあたって、同じ時間帯若しくは同じ身体環境(もちろん双方が同じであることが望ましい)である同一検査状態で測定した場合には、同じ測定結果(同じHRV値)になることを見い出した。
【0018】
そこで本発明者は、これらの研究成果から同一検査状態で測定した同じ人の同じであるべきHRV値が相違した場合、即ち、もし先に測定した基準となる基準HRV値に対して今測定した現HRV値が変化した場合、正確に言えば測定時の身体環境などの多少の違いから生じるであろう変化許容範囲(誤差範囲)を超えて同一範囲になくこれ以上変化したHRV値となった場合には、健康に異常が生じているあるいは医療検査の必要があることを知ることができることを見い出し、これに基づいて簡易にして的確な健康判定用のHRV変化検知方法を発明した。
【0019】
つまり単に前記同一検査状態で測定したHRV値が変化したことを測定検知することで、健康に変化があり、以前の基準HRV値が健常での測定値とすれば、健康に異常が生じていることを知ることができる画期的な健康判定用のHRV変化検知方法及びこれを実施するためHRV検査装置を用いた健康判定用のHRV変化検知装置を発明した。
【0020】
また、本発明者は、医師として多数様々な症例を扱うなかで、このHRV値と健康・病気の関係を長年にわたって調査・研究を重ねると共に、背伸び運動によるダイエット方法から更には健康増進方法を研究しその成果を挙げ、この背伸び運動による健康増進方法も発明し確立した。
【0021】
この成果については本発明者の著書『「医者がすすめる背伸びダイエット」祥伝社新書162』で既に紹介し研究論文の発表も予定しているが、本発明者はこの背伸び運動と健康との関係の研究の中で、背伸び運動が即時にHRV値に影響を与える(変化させる)ことを見い出し、もし現在健康を害している場合は背伸び運動を行うと、あるいはわずかな回数だけ背伸び運動を繰り返すだけで、例えば1分間深呼吸を伴った背伸び運動を行うだけで、あるいは効果的で効率的な手法として一定期間1日1回以上、例えば1日3回食前に30秒程度の深呼吸を伴った背伸び運動を続けるだけで、このHRV値が変化することを見い出し、これに基づいてこの背伸び運動の前後でHRV値が変化したならば、健康ならば変化しないのだから現在健康を害しているかあるいは回復しつつあることを簡易にして的確に知ることができる健康判定用のHRV変化検知方法及びこれを実施するためのHRV検査装置を用いた健康判定用のHRV変化検知装置も発明した。
【0022】
即ち、例えば長時間運動を強いたり、数十分の激しい運動を強いることもなく、わずか数十秒あるいは数分の深呼吸を伴った背伸び運動を行った後、わずか数分後に再度HRV値を測定するだけで、健康かどうか、医療検査を行う必要があるかどうかを知ることができ、これまでのように医療検査を行って数日待たなければ判明しなかったことが簡易にして瞬時に的確に判明する画期的な発明をなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0024】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、過去に測定し基準とする被測定者の前記HRV値に比して変化しているか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0025】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、健康を害する前に測定し基準とする被測定者の前記HRV値と、同一又は健康を害していたときの値に比べて変化し前記基準としたHRV値に近づいた値であるか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0026】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定した後、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行い、この背伸び運動の後再度測定した前記HRV値が背伸び運動前の前記HRV値に比して変化するか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0027】
また、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った後に、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し、この背伸び運動の後に測定した前記HRV値が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、過去に測定し基準とする被測定者の前記HRV値に比して変化しているか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0028】
また、前記背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、前記背伸び運動の直後に行うことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0029】
また、前記背伸び運動は少なくとも延べ30秒以上3分以内行うものとし、この背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、この背伸びが運動後10分以内に行うことを特徴とする請求項5記載の健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0030】
また、前記背伸び運動は、背すじを伸ばして両手を上に上げた背伸び状態で深呼吸を行うこととしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知方法に係るものである。
【0031】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、前記基準HRV値として健常時のHRV値を記憶することで健康判定用のHRV値の変化の有無を検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0032】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値と前記現HRV値がとが同一又は先回測定した前記現在値記憶手段に記憶した先回の前記現HRV値に比して前記基準HRV値に近づいた値か否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、前記基準HRV値として健康を害する前のHRV値を記憶することで健康判定用のHRV値の変化の有無を検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0033】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、次に測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った前後に夫々測定した前記HRV値を前記基準HRV値と前記現HRV値としこれらを前記比較手段により比較して変化しているか否かを検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0034】
また、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った後に測定した前記現HRV値が、前記基準HRV値と前記比較手段により比較して変化しているか否かを検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0035】
また、前記背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、前記背伸び運動の直後に行うことを特徴とする請求項10,11のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0036】
また、前記背伸び運動は少なくとも延べ30秒以上3分以内行うものとし、この背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、この背伸び運動後10分以内に行うことを特徴とする請求項12記載の健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【0037】
また、前記背伸び運動は、背すじを伸ばして両手を上に上げた背伸び状態で深呼吸を行うこととしたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知装置に係るものである。
【発明の効果】
【0038】
本発明は上述のように構成したから、自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(優位度)若しくは心拍変異度に基づく自律神経活性度としてのHRV値に基づいて、簡易にして的確に健康の異常や回復又は医療検査が必要であるか否かを知ることができ、早期に人間ドックや特定疾病の検査を促し、ひいては病気の早期発見や治療の有効性の確認を行える画期的な健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置となる。
【0039】
請求項1記載の発明においては、同一検査状態でHRV値を測定し、これが先に測定した値に比して変化したことを検知するだけで健康に異常が生じていることを知ることができる画期的な健康判定用のHRV変化検知方法となる。
【0040】
また、請求項2記載の発明においては、もし健康を害している、あるいはそのおそれがある場合に、それ以前の健常な時のHRV値を基準HRV値とし、これと同一検査状態で測定した現HRV値とを比較することで、同一に戻っていれば健康に戻っており、同一に近づいた値となっていれば健康が回復しつつあることを知ることができ、例えば治療や薬の効能の有効性の確認あるいは評価もできる画期的な健康判定用のHRV変化検知方法となる。
【0041】
また、請求項3,4記載の発明においては、もし現在健康を害している場合はわずかな時間背伸び運動を行うと、あるいはわずかな回数背伸び運動を繰り返すだけで、あるいは効果的で効率的な手法として一定期間1日1回以上、例えば1日3回食前に30秒程度の深呼吸を伴った背伸び運動を続けるだけで、このHRV値が変化することから、これに基づいて背伸び運動の前後でHRV値が変化したならば、健康ならば変化しないことを見い出したことから現在健康を害しているか回復しつつあることを簡易にして的確に知ることができる画期的な健康判定用のHRV変化検知方法となる。
【0042】
また、特に請求項5,6,7記載の発明においては、一層前記作用・効果が良好に発揮されるHRV変化検知方法となるもので、例えば請求項5記載の発明においては、背伸び運動後即時に再度測定を行うことで前記同一検査状態での測定となり、また即時の背伸び運動による健康増進作用が生じているため、たとえ即時でもこの変化を検知することで即時に健康の異常を知ることができる極めて画期的な健康判定用のHRV変化検知方法となる。
【0043】
また、請求項8〜14記載の発明においては、前記本発明の各健康判定方法を容易に実現でき、その変化検知判定が一見で表示視認あるいは報知される極めて画期的な健康判定用のHRV変化検知装置となる。
【0044】
従って、例えば長時間運動を強いたり、数十分の激しい運動を強いることもなく、わずか数十秒あるいは数分の深呼吸を伴った背伸び運動を行った後、わずか数分後に再度HRV値を測定するだけで、健康かどうか、医療検査を行う必要があるかどうかを知ることができ、これまでのように医療検査を行って数日待たなければ判明しなかったことが簡易にして瞬時に的確に判明する画期的な健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施例の健康判定用のHRV変化検知装置の説明図である。
【図2】本実施例の健康判定用のHRV変化検知装置の概略構成ブロック図である。
【図3】本実施例の背伸び運動の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0047】
市販のHRV値を測定するHRV検査装置、若しくは本発明の健康判定用のHRV変化検知方法を実施し健康に異常があるかどうか医療検査の必要があるかどうかなどを知ることができる健康判定専用装置として構成した本発明の(HRV検査装置を用いた)健康判定用のHRV変化検知装置によって、HRV値を測定し、基準とする基準HRV値と、これと比較する現在の現HRV値とを夫々測定して比較し、誤差範囲と推定できる許容範囲を超えて変化しているかどうかを検知し、これにより健康に異常が生じているかどうかなどを直ちに知ることができるものである。
【0048】
即ち、基準となる基準HRV値もこれと比較する現HRV値も、前述のように同じ時間帯若しくは同じ身体環境(もちろん双方が同じであることが望ましい)である同一検査状態で測定する。
【0049】
同じ人でも1日のうちの時間帯によってHRV値は変化し、また、激しい運動の有無・程度・経過時間、同様に食事・ストレス、その他測定姿勢や精神的な悩みや興奮度の有無・程度・経過時間などの測定時のこれら諸条件に対する身体状態ともいえる身体環境の状態が異なるとHRV値は変化する。従って、本来健常ならば同一となるように同一検査状態で測定する。
【0050】
請求項1記載の発明は、同じ測定者の過去に測定した基準となる基準HRV値とこれと同一検査状態で測定した現HRV値とを比較する。例えば1日のうちのいずれも同じ時間帯で測定することで、同一検査状態での測定値とする。
【0051】
即ち、例えば朝食と昼食との間の午前10時頃にベッドに寝て激しい運動後でもなく満腹でもなく強い精神的ストレスもないいわゆる平静状態で測定する場合には、この基準HRV値もこれと比較する現HRV値もこのようにして午前10時頃に平静状態で測定する。
【0052】
もしこの二つのHRV値が同一とみなされる許容範囲超えて変化していれば、健康に異常が生じていることを知ることができる。
【0053】
言い換えれば、同一とみなされる値であれば、健康に変わりがなく、変化していれば健康に何らかの異常が生じ病気が生じていることを知ることができる。
【0054】
もちろん、この測定時に何か強い精神的ストレスや外因としての負荷や痛みなどが加わっていて身体環境が大きく異なっていたのでは、健康に異常がなくても変化が生じる。
【0055】
従って、同じ時間帯で、または特別激しいストレスを担った後でなく、また特に強い精神的ストレスも感じていない情況下の前記平静状態で寝そべるなどして常に同じ身体環境で測定する。
【0056】
そしてこの二つのHRV値に変化が生じていることを検知したとき、健康に異常が生じているあるいは医療検査が必要であることを瞬時に知ることができることとなる。
【0057】
肥満症又は糖尿病が進むにつれて、また臓器疾患(例えば肝機能障害)、精神疾患であるそううつ病などが進む程、前記HRV値の変化が大きいことが数多くの症例で既に本発明者は確認しており、この変化によってこれらの何らかの病気(病気の原因となる症状・現象を含む)が発生し進んでいることを知ることができる。
【0058】
これにより人間ドックなどの医療検査や、症状や簡易検査数値などから見て可能性のある病気に対する精密検査などを即刻促し、その病気の早期発見に寄与できることとなる。
【0059】
また、正確に言えば過去の基準となる基準HRV値自体が正常値でなくその時既に病気となっていたが現在これが正常値に変化し既に完治した健康状態であるという可能性もないわけではないが、健常だと思っていたが実は病気であって気付かないうちにこの病気が完治することはまれであることから、健常と考えられる時に測定したHRV値を基準として、これが変化していたら病気が発生進行しているか、あるいは既に回復に向かっているかのいずれであって、同一検査状態でのHRV値が変化したことを検知したときは、健康に異常が生じていることを知ることができる。
【0060】
また請求項2記載の発明は、健康を害していた場合、それ以前の健常時のHRV値を測定しておき、これを基準HRV値とすることで、これと同一検査状態で現HRV値を測定し比較することによって、同一となれば病気は治り健康となったことを知ることができ、この健常時の基準HRV値に測定後除々に近づいていけば回復していることを知ることができる。
【0061】
これにより治療方法や薬の効能の有効性の評価・判定・確認などにも資することになる。
【0062】
また請求項3記載の発明においては、背伸び運動がもたらす健康増進作用と、これによるHRV値との関係により発明したものである。
【0063】
即ち、背伸び運動を行うと健康増進作用によりHRV値が適正なHRV値に近づき、わずか1分行っても病気の人(症状のある人を含む)のHRV値はそのバランスが逆転する程大きく変化する。
【0064】
従って、もともと健康であるならば背伸び運動をしてもこのHRV値には変化なく健常なときの正常値を示すが、背伸び運動を行うことでHRV値が変化したことを検知したときは、そもそも基準となる先のHRV値は健常な値でなく健康を害しているために背伸び運動により変化したか、あるいは前述のように健常な値でない故に大きく変化することになる。即ち、HRV値が先のHRV値に比して背伸び運動によって変化したということは、健康に異常があることあるいは医療検査が必要であることを知ることができることになる。
【0065】
言い換えると、HRV検査装置や本発明に基づく健康判定用のHRV変化検知装置によって、背伸び運動の前後でのHRV値が変化したら健康に異常があることを知ることができ、直ちに前述のように精密検査を行って病気の早期発見に寄与できることとなる。
【0066】
また請求項4記載の発明においては、この背伸び運動を行った後の現測定値を直近に測定した基準HRV値でなく過去に同一検査状態で測定した基準HRV値と比較して同様に健康の異常を知ることができるものである。
【0067】
この背伸び運動は、例えば1日複数回継続して行うとこの背伸び運動だけで明確な健康増進作用があることを本発明者は確認しているが、健康でなく病気の人は1回でも行うと、例えば深呼吸を伴った背伸び運動ならば1回でも延べで数十秒あるいは数分行うだけで、わずか数分後にはHRV値が明瞭に変化することを見い出した。即ち、病気の人はわずかな背伸び運動の前後でHRV値が変化するが健康な人は変化しないことを見い出し数多くの症例でこれを確認した。
【0068】
例えば、様々な病気の人に対して、深呼吸を伴った背伸び運動を延べ1分程度行って5分後に測定すると、このわずかな背伸び運動だけでいずれも明確にHRV値が変化し、健康な人に同様に行ってもHRV値はほとんど全く変化しないことを確認した。
【0069】
また1日複数回一定期間続けることでHRV値が前記同一検査状態で測定した基準HRV値に比して変化することも確認した。
【0070】
従って、背伸びの運動による健康増進作用が現れるあるいは即時にHRV値が変化する作用が現れる病気(ほとんどすべての病気を推定している)に対しては、背伸び運動の前後でHRV値を測定して比較することで、即時にこの病気の有無(健康の異常)が判明でき、また即時でなくても、同一検査状態で測定した基準HRV値と比較することで変化した時点で健康に異常があることが判明し、早期検査による病気の早期発見に寄与できることとなる。
【0071】
尚、最も効果的な背伸び運動は、後述するが深くゆっくりとした深呼吸を伴って背すじを伸ばしながら両手を高く上に上げて30秒程度行うもので、このように行うことでこれを1分程度1日3回行うだけで健康増進作用が効果的に効率良く生じ、これを継続して長期に行うことでその効果は持続増大する。
【0072】
しかも前述のようにこの背伸び運動を数十秒あるいは1分間程度行うだけでも病気の人のHRV値はこの交感神経と副交感神経のバランスが逆転した数値となる程大きく変化する。
【0073】
従って、例えば長時間運動を強いたり、数十分の激しい運動を強いることもなく、わずか数十秒あるいは数分の深呼吸を伴った背伸び運動を行った後、わずか数分後に再度HRV値を測定するだけで、健康かどうか、医療検査を行う必要があるかどうかを知ることができ、これまでのように医療検査を行って数日待たなければ判明しなかったことが簡易にして瞬時に的確に判明する画期的な健康判定用のHRV変化検知方法並びに健康判定用のHRV変化検知装置となる。
【実施例】
【0074】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0075】
本実施例の健康判定方法に用いるHRV検査装置は、一般に次のような構成である。
【0076】
例えば指をさし入れて心拍を計測する心拍測定手段としての心電図計と、この心電図計により得られた心拍変動を周波数解析する解析器と、0.04−0.15Hz帯域のパワー値(LF値)及び0.15−0.4Hz帯域のパワー値(HF値)から例えばLF:HFあるいは(LF−HF):HFの比を算出して一般に6:4が正常とされている交感神経と副交感神経との均衡度(交感神経の優位度)としてのHRV値を算出する算出器とから成るHRV値測定算出手段と、このHRV値測定算出手段により算出したHRV値を表示するHRV値表示手段とから成る構成としている。
【0077】
本実施例では、このように心拍変動を周波数解析してパワースペクトル解析によって交感神経と副交感神経とのバランス評価あるいは優位度評価を行う均衡度としてのHRV値を測定算出し(この比の値や比を示すものとしても良い)、これに基づいて基準値と比較検知し変化の有無を検知しているが、時間領域解析により心拍度数分布解析して心拍間隔の複雑さとしての心拍変異度を自律神経活性度としこれをHRV値として測定算出しこれに基づいて比較し変化の有無を検知することとしても良い。
【0078】
また本実施例では、このような既存の装置により比較検知することができるが、本実施例ではこの装置に更に各構成を追加して本発明の健康判定専用装置としての健康判定用のHRV変化検知装置を構成し、これにより比較検知し変化の有無を検知する構成としている。
【0079】
即ち、前記既存のHRV検査装置を利用して以下のようなHRV変化検知装置に構成しているもので、本実施例では、前述のようにして心拍間隔の微細な変動の周波数解析により交感・副交感均衡度(HRV値)を測定算出し、これを表示する前記HRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、1日のうちの測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化しているか否か(変化しているときのみこれを表示若しくは報知する構成としても良い)を表示する判定表示手段とを設けて、前記基準HRV値として健常時のHRV値を記憶することで健康に変わりがないか異常が生じているかが判定表示されるように構成している。
【0080】
本実施例では、このような健康判定用のHRV変化検知装置を用いて、例えば同じ時間常に同じ平静状態で測定したHRV値が変化しているか否かを単に心拍計測するだけで知ることができ、これにより変化していると判定表示手段による表示若しくは報知によって認知することで、健康に異常が生じていることや医療検査が必要であることが簡単にわかることとなる。
【0081】
また、このような変化検知による健康の異常が表示されるように基準値HRV値と現HRV値を比較視認できるように表示したり、変化していた場合にこれが変化していると警告するように表示したり、また、健康に異常ありとしての異常警告表示や注意表示としたり、判定結果によって健康異常のおそれ有りとして表示されるように判定表示手段を構成しても良い。
【0082】
また本実施例では、この健康判定用のHRV変化検知装置を用いて、同一検査状態で、健康を害する前に測定し基準とする被測定者の前記HRV値と比較するようにして、これと同一、又は健康を害していたときの値に比べて変化しこの基準としたHRV値に近づいた値になっていれば、健康となった又は健康を回復しつつあることを知ることもできる。
【0083】
このような変化検知による判定が容易に判定表示できるように、比較手段により前記基準HRV値と前記現HRV値がとが同一又は先回測定した前記現在値記憶手段に記憶した先回の前記現HRV値に比して前記基準HRV値に近づいた値となったならば、健康になった又は健康を回復しつつあると表示するように前記判定表示手段を構成し、前述のような健康に異常有りとわかるような判定表示とこのような健康回復判定表示の双方が行えるように構成しても良い。
【0084】
また、背伸び運動によって健康の異常を判定する場合には、以下のような健康判定用のHRV変化検知装置を用いる。
【0085】
前記HRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、次に測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記現HRV値が変化していれば、この変化していると視認できるあるいは報知される又は更に健康に異常が生じていることを警告表示するなどの前述のような構成とした判定表示手段とを設けた構成とし、背すじを伸ばして両手を高く上に上げる背伸び運動を行った前後に夫々測定した前記HRV値を前記基準HRV値と前記現HRV値としこれらを前記比較手段により比較して同一でなく変化していればこの変化したことが視認できるように、又は更にこの変化した場合には健康に異常が生じていることを判定表示できるように構成している。
【0086】
即ち、この場合にはHRV値を測定した後、背すじを伸ばして両手を高く上に上げる背伸び運動を行い、この背伸び運動の後再度測定した前記HRV値が背伸び運動前の前記HRV値に比して変化したとき、健康に異常が生じていると判定できるもので、これを表示若しくは報知する装置としている。
【0087】
また、比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化していれば、やはり健康に異常が生じていると表示する判定表示手段となるように構成し、前述のような背伸び運動の前後での変化による異常判定だけでなく、このように一定期間背伸び運動を1日数回繰り返し行った後に同一検査状態での先の基準HRV値を比較することで変化したかどうかを検知し健康に異常があると判定できるように構成している。
【0088】
更に説明すると、繰り返しになるが、本発明者は、背伸び運動に健康増進作用があり、この背伸び運動を毎日繰り返すだけで明確な健康増進作用があり、しかも様々な病気に対して回復効果があることを見い出した。
【0089】
このような数多くの回復症例と共に、簡単な運動で短時間に行へしかも身体への負担もほとんどない前記背伸び運動をわずか行っただけで、健康な人でない病気や症状のある人はHRV値に明瞭な変化が生じることを見い出した。この変化は即時に現れ、しばらくすると元に戻るが、このようなわずかな背伸び運動だけでHRV値が変化する作用があることを見い出した。
【0090】
即ち、繰り返しとなるが、既に数多くの症例でこのことを確認することができ、その一部は後述するが、健康な人が背伸び運動を行ってもHRV値に変化がほとんど全く生じないが、病気の人がわずかに背伸び運動を行うだけでその直後にはHRV値が明確に変化することを見い出したのである。
【0091】
このことから、背伸び運動の前後でのHRV値を測定算出し、これを比較することで変化しなければ健康で、誤差範囲以上変化していれば健康に異常があるおそれがある又は医療検査を受けるべきである又は何らかの病気が生じている可能性有りと判定でき、このHRV値が変化したことあるいは変化したかどうかわかるように表示するあるいはこの変化したことにより健康に異常ありなどとわかるように表示若しくは報知するように判定表示手段を前記比較手段と共にHRV検知装置に設けることで、健康判定装置として使用できる健康判定用のHRV変化検知装置を発明したものである。
【0092】
しかも、例えば背伸び運動の直後で再度HRV値を測定することで常に同一検査状態でのHRV値を測定できるし、またこのように医療検査を行ったり、数日その判定結果を待つこともなく、また大きな負担を与えることも無く、例えば1分程度後述する深呼吸を伴った背伸び運動を行って5分程度待って再度測定するだけで良く、本装置による比較結果表示によって変化の有無があったかどうかを視認またその結果表示を待つだけで、簡単にして瞬時に的確な健康判定表示がなされることになる装置となるものである。
【0093】
具体的には、例えば以下のように深呼吸を伴った背伸び運動を30秒程度複数回例えば延べ1分間行って直ちに例えば10分以内(5分後)に再度測定するだけで健康な人はHRV値が変化せず、少なくとも、肥満症,アトピー性皮膚炎,アレルギー鼻炎,気管支喘息,高血圧,ストレス性の高血圧,更年期障害,うつ病などの症状や病気が進んでいる人は、交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)のバランスが逆転する数値になるほど明瞭に変化するから、これらの異常が身体にあることが瞬時に簡単に判定表示されることとなる。
【0094】
即ち、例えば後述する症例やその他うつ病などの場合も、交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が真逆に逆転した数値に変化する。
【0095】
しばらくすると再び異常値を示す値に戻ることになるが、少なくとも背伸び運動の前後で真逆に変化したならば、例えばうつ病の症状がある人は、そのうつ病である可能性が高いことが簡単にして瞬時に判明することとなる。
【0096】
通常これ程HRV値を変化させることは難しく、激しい運動を数十分続けるかなどかなりのストレスを与え続けなければ起こり得ないが、これ程の変化を背伸び運動をわずかに行うだけで実現させることができ、本発明者はこれを見い出したからこそ、この変化を検知表示する装置を構成することで健康判定装置を実現できたものである。
【0097】
また、背伸び運動について説明する。
【0098】
私たちの背中には、背骨に沿って、上体の姿勢を保つ脊柱起立筋という筋群があり、その中には、基礎代謝量を上げて、脂肪の燃焼を促す褐色脂肪細胞という特殊な細胞が多く存在している。背伸びをすると、脊柱起立筋が伸びてこの細胞が刺激されるので、ダイエット効果が得られる。
【0099】
また背伸びをすると、深い腹式呼吸と胸式呼吸が自然とできるようになる。
【0100】
腹式呼吸は、横隔膜(呼吸を補助し、胸部と腹部を隔てる膜状の筋肉)の動きで、腹部の臓器のマッサージ効果を発揮する。そのため、肝臓や胃腸の働きが高まり、便秘の解消効果も得られる。一方胸式呼吸は呼吸器の働きを高める。どちらも、臓器の活発な働きを促すことで、結果的に基礎代謝量を上げる。
【0101】
背伸びは簡単な動作であるが、全身の筋肉を使う。背伸びを始めると、最初のうちは筋肉痛になる人もいるくらいに腹筋の引き締め効果も得られる。
【0102】
全身を伸ばすと、骨盤のゆがみを取る効果もあり、骨盤のゆがみは、血行や代謝全般を悪くして肥満のもとになる。従って、背伸びで骨盤のゆがみが取れ、ダイエット効果に結びつく。
【0103】
また、背骨の中には、自律神経(内蔵や血管の働きを調整する神経)をつかさどる脊髄神経が走っている。普段、猫背気味になりやすい現代人は、この神経を知らず知らず圧迫している。
【0104】
背伸びで、その圧迫が解除されると、自律神経のバランスがとれて自律神経の働きがよくなる。
【0105】
また緊張時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経のバランスがとれダイエット効果のみならず健康増進効果も発揮し、例えば前述のような様々な病気の改善が期待できる。このような背伸び運動の最も効果的なやり方は、1日3回食前に気持ち良く伸びるだけで良く、これを継続することでその効果が持続増大する。
【0106】
具体的には、最も有効で効果の高い背伸び運動は、図3に示すA・B二種類の背伸びの双方を腹式あるいは胸式呼吸を伴って30秒ずつ合計1分間、これを1日3回行うことである。
【0107】
A 手を組まない背伸び
両腕をまっすぐ上に上げて背伸びをする。顔も上に向けることが望ましい。
【0108】
更に効率の良いやり方を具体的に説明すると、両足は肩幅に開き、足先を45度の角度で外側に向ける。膝は少しゆるめ、自然な感じで立つ。
【0109】
両腕をまっすぐ上げ、両手のひらを向かい合わせ、指はまっすぐ伸ばす。両腕はなるべく耳に近づける。
【0110】
ここから背伸びを始める。両腕を伸ばし、無理のない範囲で、できるだけ顔を上に向け、背中をうしろに反らせる。このとき、腰が曲がらないように注意すること。かかとは床につけたままにする。
【0111】
鼻からゆっくり息を吸い(5秒)、口からゆっくり息を吐く(5秒)。このとき、自然に腹式呼吸になる。これで1セット。これを3セット(トータル30秒)行う。
【0112】
B 手を組んで行う背伸び
両腕をまっすぐ上に上げて手を組み、組んだ手を返し、手のひらを上に向けた状態で背伸びをする。顔も上に向けることが望ましい。
【0113】
更に効率の良いやり方を具体的に説明すると、両足は肩幅に開き、足先を45度の角度で外側に向ける。膝は少しゆるめ、自然な感じで立つ。
【0114】
両腕をまっすぐ上げ、両手の指を組み、手のひらを上に向ける。両腕はなるべく耳に近づける。
【0115】
ここから背伸びを始める。両腕を伸ばし、無理のない範囲で、できるだけ顔を上に向け、背中をうしろに反らせる。このとき、腰が曲がらないように注意すること。かかとは床につけたままにする。
【0116】
鼻からゆっくり息を吸い(5秒)、口からゆっくり息を吐く(5秒)。このとき、自然に胸式呼吸になる。これで1セット。これを3セット(トータル30秒)行う。
【0117】
このように通常は、このA・B二種類の背伸びを組み合わせて、一度に各1回ずつ行う。
【0118】
このようにA・Bいずれも、背伸びをしている間は、ゆっくり深呼吸をする。鼻から吸って、口から細く長く吐くようにする。30秒間で2〜3回のペースが目安だが、できる範囲でゆっくり呼吸すれば良い。前述のように普通に深呼吸するだけで、Aは腹式呼吸に、Bは胸式呼吸になり、それぞれの効用が得られる。
【0119】
また、これに加え、朝起きた時にも、布団の中で背伸びをすると効果的である。
【0120】
以上の背伸び運動を、1日に少なくとも3回、食前に行うことで前記変化検知による判定が可能となる十分な健康増進効果が得られ、前述のように健康に異常がある人のHRV値に明瞭な変化をもたらす。
【0121】
本実施例では、このような背伸び運動を行うものであるが、前記A,B二種の背伸び運動を前記深くゆっくりな深呼吸と共に30秒ずつ合計1分間行うことで、HRV値はこの直後でも例えばわずか5分後の測定でも病気の人は大きく変化し、健康な人はほとんど変化しない。
【0122】
以下に数多くの症例のうちその一部を紹介する。
【0123】
いずれも前記深呼吸を伴ったA,B合計で1分間の背伸び運動を行ってその後5分後にHRV値を測定し、この背伸び運動の前後でこのHRV値を比較し変化の有無を確認したものである。
【0124】
<症例1>
・肥満症 女性 53歳
身長:151cm BMI:28.2 体重:64.4kg
血圧:89−145 体脂肪:40.1 腹囲:98cm
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前14/86,背伸び運動後には71/29に変化した。
【0125】
コメント:この方は防風通聖散という交感神経を活性化するエクドリン(ノルアドレナリン)の漢方薬を飲んでも痩せないが、背伸び運動をすると交感神経/副交感神経のバランスが逆転するほど変化した。
【0126】
<症例2>
・肥満症 女性 66歳
身長:155cm BMI:27.69 体重:66.3kg
血圧:65−103 体脂肪:40.1 腹囲:94cm
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前22/78,背伸び運動後には71/29に変化した。
【0127】
コメント:この方は肥満の典型で、1分間この背伸び運動をすることで、やはり交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が逆転するほど変化した。食欲を増進して脂肪を蓄える副交感神経78%から食欲を減少して脂肪を燃焼する交感神経71%に逆転した。尚、痩せてくるとこの交感神経/副交感神経の均衡度が6/4に近づいてくる。
【0128】
<症例3>
・アトピー 女性 36歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前21/79,背伸び運動後には85/15に変化した。アトピーの場合もバランスが逆転するほど変化した。
【0129】
コメント:採血すると顆粒球が高いと言われ、交感神経優位のはずであるが、これは採血刺激がかなり痛いからで、実際は免疫学的には副交感神経優位となっている。アトピーの典型例である。
【0130】
<症例4>
・アレルギー鼻炎 女性 28歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前14/86,背伸び運動後には71/29に変化した。やはりバランスが逆転するほど変化した。
【0131】
コメント:抗アレルギー剤も効かないが、この1分間の背伸び運動で鼻水が一時止まった。
【0132】
<症例5>
・気管支喘息 女性 68歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前36/64,背伸び運動後には64/36に変化した。これもバランスが逆転するほど変化した。
【0133】
コメント:抗アレルギー剤を飲んでいるが効かず、1秒率38%だったのが1分間の背伸び運動後は64%まで改善し、具合も良くなった。
【0134】
<症例6>
・気管支喘息 女性 67歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前36/64,背伸び運動後には64/36に変化した。これもバランスが逆転するほど変化した。
【0135】
コメント:気管支喘息で多数の薬を使用するが改善なかったが、1分間の背伸び運動後は1秒率48%から72%まで改善した。
【0136】
<症例7>
・高血圧 男性 47歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前82/18,背伸び運動後には43/57に変化した。やはり大きく変化した。
【0137】
コメント:喫煙者=血圧上がる=交感神経優位であるが、1分間の背伸び運動で交感神経優位が低下し、ドパーミンも分泌した。
【0138】
<症例8>
・ストレス性の高血圧 男性 61歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前71/29,背伸び運動後には55/45に変化した。やはり大きく変化した。
【0139】
コメント:ストレス性の高血圧(動脈硬化は正常)で、1分間の背伸び運動で均衡度が正常型に近づき、1カ月後は正常化(背伸び運動後でも不変)。血圧の薬は半分になった。
【0140】
<症例9>
・更年期障害 女性 51歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前15/85,背伸び運動後には75/25に変化した。バランスが逆転するほど変化した。
【0141】
コメント:更年期障害の典型例で、背伸び運動開始から2カ月後にはすっかり改善し、交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)も6/4前後で安定した。
【0142】
<症例10>
・更年期障害 女性 49歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前7/93,背伸び運動後には43/57に変化した。大きく変化した。
【0143】
コメント:更年期障害の重症の方で、だるい、めまいなどの症状があり、なかなか交感神経の優位度が伸びず低いままであったが、背伸び運動を開始後2カ月で除々に改善している。
【0144】
<症例11>
・健常者 女性 61歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前57/43,背伸び運動後には54/46に変化した。変化しなかった。以下合計3例とも同じであった。
【0145】
コメント:正常例を30調べたが、正常な方は交感神経/副交感神経の均衡動(HRV値)の割合が6/4に近く、正常な方は背伸び運動前も後もほとんど数値は変化しないことがわかった。中には背伸び運動前と後でまったく同一数値の方もいた。
【0146】
<症例12>
・健常者 女性 13歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前61/39,背伸び運動後には57/43でした。
【0147】
<症例13>
・健常者 男性 65歳
交感神経/副交感神経の均衡度(HRV値)が背伸び運動前64/36,背伸び運動後には64/36でした。
【0148】
以上は一例であり数多くの症例からも同様に実証されることを確認している。
【0149】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、過去に測定し基準とする被測定者の前記HRV値に比して変化しているか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項2】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、健康を害する前に測定し基準とする被測定者の前記HRV値と、同一又は健康を害していたときの値に比べて変化し前記基準としたHRV値に近づいた値であるか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項3】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定した後、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行い、この背伸び運動の後再度測定した前記HRV値が背伸び運動前の前記HRV値に比して変化するか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項4】
背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った後に、心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し、この背伸び運動の後に測定した前記HRV値が、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で、過去に測定し基準とする被測定者の前記HRV値に比して変化しているか否かを検知することを特徴とする健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項5】
前記背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、前記背伸び運動の直後に行うことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項6】
前記背伸び運動は少なくとも延べ30秒以上3分以内行うものとし、この背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、この背伸びが運動後10分以内に行うことを特徴とする請求項5記載の健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項7】
前記背伸び運動は、背すじを伸ばして両手を上に上げた背伸び状態で深呼吸を行うこととしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知方法。
【請求項8】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、前記基準HRV値として健常時のHRV値を記憶することで健康判定用のHRV値の変化の有無を検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項9】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値と前記現HRV値がとが同一又は先回測定した前記現在値記憶手段に記憶した先回の前記現HRV値に比して前記基準HRV値に近づいた値か否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、前記基準HRV値として健康を害する前のHRV値を記憶することで健康判定用のHRV値の変化の有無を検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項10】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、次に測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った前後に夫々測定した前記HRV値を前記基準HRV値と前記現HRV値としこれらを前記比較手段により比較して変化しているか否かを検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項11】
心拍間隔の微細な変動の周波数解析若しくは時間領域解析により交感神経と副交感神経との均衡状態若しくは心拍変異度に基づく自律神経の活性状態を検査する自律神経均衡検査(HRV)における交感・副交感均衡度(HRV値)若しくは自律神経活性度(HRV値)を測定し表示するHRV検査装置に、測定した前記HRV値を基準HRV値として記憶する基準値記憶手段と、この記憶されている基準HRV値と、測定時の時間帯が同じ若しくは運動・食事・ストレスの有無等の測定時の身体環境が同じ同一検査状態で測定した前記HRV値を現HRV値として記憶する現在値記憶手段と、前記基準HRV値と前記現HRV値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記基準HRV値に比して前記同一検査状態で測定した前記現HRV値が変化しているか否かを表示若しくは報知する変化表示手段とを設けて、背すじを伸ばして両手を上に上げる背伸び運動を行った後に測定した前記現HRV値が、前記基準HRV値と前記比較手段により比較して変化しているか否かを検知表示若しくは報知できるように構成したことを特徴とする健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項12】
前記背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、前記背伸び運動の直後に行うことを特徴とする請求項10,11のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項13】
前記背伸び運動は少なくとも延べ30秒以上3分以内行うものとし、この背伸び運動の後の前記HRV値の測定は、この背伸び運動後10分以内に行うことを特徴とする請求項12記載の健康判定用のHRV変化検知装置。
【請求項14】
前記背伸び運動は、背すじを伸ばして両手を上に上げた背伸び状態で深呼吸を行うこととしたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の健康判定用のHRV変化検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−104102(P2011−104102A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262030(P2009−262030)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【特許番号】特許第4637963号(P4637963)
【特許公報発行日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「医者がすすめる背伸びダイエット」(2009年6月5日)祥伝社発行全ページに発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「暮らし役立ちナビ、9月号、vol.31」(2009年8月20日)有限会社アミックス発行第2−5ページに発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「安心、第27巻、第10号」(2009年9月2日)株式会社マキノ出版発行第35−51ページに発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「日経ヘルスプルミエ、第2巻、第12号、通巻20号」(2009年10月20日)日経BP社発行第12−21ページに発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「健康、第34巻、第12号」(2009年11月2日)株式会社主婦の友インフォス情報社発行第147−158ページに発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 「週刊女性、第53巻、第44号」(2009年11月17日)主婦と生活社発行第89ページに発表
【出願人】(504157301)医療法人社団万燦会 (1)
【Fターム(参考)】