説明

健康器具

【課題】 脚部を閉じる筋肉を鍛えることが可能であり、また、骨盤、大腿骨の連鎖運動を改善する運動が可能な健康器具を提供する。
【解決手段】 この健康器具1は、両大腿部で挟持可能な挟持部2と、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟んだときに、両大腿部上に載置可能な箱状に形成された本体部3と、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せたときに、膝側から一方の大腿部上を通り、さらに腰側から他方の大腿部上を通って膝側に至る回転面に沿って回転可能に本体部内に収納された錘部と、この錘部を回転面に沿って回転させる駆動部と、この駆動部を制御する制御部とを備えている。この健康器具1を用いれば、この健康器具1が両大腿部からはずれないよう、両大腿部で挟持部2を挟み、錘部の回転を受け止めることで、両大腿部を閉じる筋肉を鍛えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康器具に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、脚部を閉じる筋肉を鍛えることが可能であり、また、骨盤、大腿骨の連鎖運動を改善する運動が可能な健康器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記目的を達成するための請求項1に記載した健康器具は、両大腿部で挟持可能な挟持部と、着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟んだときに、両大腿部上に載置可能な箱状に形成された本体部と、着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を両大腿部上に載せたときに、膝側から一方の大腿部上を通り、さらに腰側から他方の大腿部上を通って膝側に至る回転面に沿って回転可能に前記本体部内に収納された錘部と、この錘部を前記回転面に沿って回転させる駆動部と、この駆動部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0004】
この健康器具は、本体部を両大腿部の上に載せて、挟持部を両大腿部で挟み、錘部が回転するよう駆動部を制御部で制御すると、錘部が両大腿部上で回転する。このとき、錘部は遠心力により、膝側、両大腿部側、腰側に振られるので、両大腿部を閉じてしっかり挟持部を挟んでおかないと、健康器具が両大腿部から外れてしまう。
【0005】
したがって、この健康器具を用いれば、この健康器具が両大腿部からはずれないよう、両大腿部をしっかり閉じる運動をさせることで、両大腿部を閉じる筋肉を鍛えることができる。また、この健康器具を用いれば、骨盤、大腿骨の連鎖運動を改善する運動ができる。
【0006】
次に、請求項2に記載したように、本発明の健康器具の本体部は、着座状態で挟持部を両大腿部で挟み、本体部を両大腿部上に載せたときに、腰側から膝側を向く前後方向の幅や、腰側から膝側を向く方向を前後方向としたときの左右方向の幅に比べ、上下方向の幅が小さい形状に形成されていることが好ましい。本体部がこのように形成されていれば、円運動をする錘部をコンパクトに収納することができる。
【0007】
次に、請求項3に記載したように、錘部は、着座状態で挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を前記両大腿部上に載せたときに、腰側よりも膝側のほうが高くなるように傾いた回転面に沿って回転可能に前記本体部内に収納されている。両大腿部は膝側に向かって細くなる構造を有するとともに、腰を支点に可動するので、挟持部を挟むとき、挟持部の腰側よりも膝側部分に力を入れて挟むことができない。そのため、錘部を水平面に沿って回転させると、本発明の健康器具は膝側に倒れやすい。しかし、本発明のように、腰側よりも膝側のほうが高くなるように傾いた回転面に沿って錘部を回転させれば、膝側では遠心力が斜め上方にかかるようになり、遠心力の水平方向成分が小さくなるので、膝側に倒れることなく、挟持部を大腿部で安定的に挟みつけることができる。
【0008】
尚、請求項4に記載したように、錘部は、水平面に対して、8°〜28°傾斜した回転面に沿って回転するように本体部内に収納されていることが好ましい。
次に、請求項5に記載したように、挟持部が大腿部に挟持される挟付方向に沿った挟持部の幅は、握ったこぶしの指の配列方向に沿った方向の幅と略同じ幅の厚みで形成されていることが好ましい。上記のようなこぶし幅が、両大腿部でもっとも力を入れて挟持部を挟むことができるからである。尚、握ったこぶしの指の配列方向に沿った方向の幅と略同じ幅の厚みとは、具体的には約5cm〜10cmである。より好ましくは、約6.5cm〜8.5cmである。
【0009】
次に、請求項6に記載したように、回転数を指定する操作を受け付ける操作受付手段を備え、制御部は、操作受付手段が受け付けた操作で指定された回転数に従って錘部を回転させるよう、駆動部を制御することが好ましい。このようにすれば、ユーザーの操作に従って錘部の回転数を変えることで負荷を自由に変えることができるので、ユーザーの好みに合わせた運動を行うことができる。
【0010】
次に、請求項7に記載したように、制御部は、150〜250rpmの回転数で錘部を回転させるよう、駆動部を制御し、錘部は、制御部が回転数で回転したとき、3〜5Nの遠心力が働く重さで形成されていることが好ましい。両大腿部の筋肉を鍛えるには、この請求項7に記載されているパラメータで運転されることが好ましい。これ以上大きいと過負荷となって両大腿部の筋肉を痛め、小さいと負荷が小さすぎて両大腿部を効果的に鍛えることができない恐れがある。
【0011】
次に、請求項8に記載したように、挟持部は、大腿部に接する接触面に滑止手段を備えていることが好ましい。
次に、請求項9に記載したように、挟持部は、腰側から膝側に向かう方向に沿った幅が、13cmから15cmの幅で形成されていることが好ましい。これ以下の幅で挟持部を形成すると、大腿部で挟みにくく、これ以上の幅で挟持部を形成すると、挟持部を挟んでも錘部の回転による負荷を楽に保持できるので、両大腿部を効果的に鍛えることができない恐れがある。
【0012】
次に、請求項10に記載したように、両大腿部が当接する本体部の下面と、両大腿部が当接する挟持部の側面の形状が、大腿部に沿った形状に形成されていることが好ましい。このような形状に形成されていると、錘部が回転することによって生じる負荷を、ばらつきなく両大腿部に伝えることができる。
【0013】
次に、請求項11に記載したように、制御部は、所定時間ずつ段階的に回転数を変化させて錘部を回転させるよう駆動部を制御させてもよい。このようにすると、大腿部にかかる負荷に変化が生まれて、ユーザーを飽きさせることがない。
【0014】
次に、請求項12に記載したように、本体部は、着座状態で挟持部を両大腿部で挟み、本体部を両大腿部上に載せたときに平面視で見て視認できる上部側面に、円状に並べて配置された複数の発光部を備え、制御部は、錘部の回転速度に対応した速度で発光部の並び方向に発光部を順次点灯させてもよい。このようにすると、錘部の回転速度が速いときは、発光部が早い速度で順次点灯し、回転速度が遅いときは遅い速度で順次点灯して、ユーザーにわかり易く、錘部の回転によって大腿部にかかる負荷を表示することができる。
【0015】
次に、請求項13に記載したように、本体部は、着座状態で挟持部を両大腿部で挟み、本体部を両大腿部上に載せた本体部を平面視で見て、本体部の周辺部のうち両大腿部側に、取手部が形成されていてもよい。この健康器具は、取手部を両手で持つと、手に錘部の回転の負荷がかかるので、両腕の筋肉も鍛えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明が適用された実施形態について説明する。
ここで、図1は本実施形態の健康器具1の斜視図であり、図2は本実施形態の健康器具1の平面図、図3は本実施形態の健康器具1の背面図、図4は本実施形態の健康器具1の背面図であって図2中のA−A’断面図、図5は本実施形態の健康器具1の左側面図、図6は本実施形態の健康器具1の左側面図であって図2中のB−B’断面図である。
【0017】
尚、以下の説明では、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せたときに、腰側から膝側を向く方向に沿った方向を前後方向(膝側が前、腰側が後)、腰側から膝側を向く方向を前後方向としたときに右手側から左手側を向く方向に沿った方向を左右方向(左手側が左、右手側が右)、重力方向に沿った方向を上下方向(地面側を下、空側を上)と呼ぶ。
1.全体構成
本実施形態の健康器具1は、図1に示すように、人間の両大腿部で挟持可能な挟持部2と、正座した人間や、イスに腰掛けた人間が、着座状態で挟持部2を挟んだときに、両大腿部上に載置可能な箱状に形成された本体部3とからなる。
【0018】
このうち本体部3は、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に置いたときに、上下方向よりも、前後左右に幅広な箱状に形成され、また、前後方向よりも左右方向に幅広な形状に形成されている。
そして、挟持部2は、図3及び図5に示すように、この本体部3の下面3aの前方側、左右方向中央から略下方に向かって延設されるように、本体部3に対し一体に形成されている。また、この挟持部2は、図1に示すように、左右方向よりも、前後上下に幅広な形状に形成されている。
次に、各構成について、詳細に説明する。
2.挟持部
挟持部2は、図3に示すように、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に本体部3を置いたときに、両大腿部が当接する本体部3の下面3aと、両大腿部が当接する挟持部2の左右の各接触面2a,2aとは、当接する両大腿部に沿った連続する曲線形状に形成されている。
詳細には、両大腿部が当接する本体部3の下面3aから、両大腿部が当接する挟持部2の左右の各接触面2a,2aの上下方向中程までは、R60の曲面(健康器具1の外側の中心点を基準に60mmの半径で円を描いたときの円弧に沿った曲面)で形成されている。
また、この挟持部2は、図5に示すように、前後方向の幅が14cmで構成されている。さらに、この挟持部2は、図3に示すように、左右方向の幅のうちもっとも太い部分の幅2bが、人間がこぶしを握ったとき、そのこぶしの指の配列方向に沿った方向の幅と略同じ幅の厚み(具体的には7.5cm)で形成されている。またこの挟持部2は、図1に示すように、各大腿部に当接する左右方向の各接触面2a,2aに、滑止部20が形成されている。
3.本体部
本体部3は、図2に示すように、左右方向の両側に取手部30を備えている。この取手部30は前後方向に長尺な形状に形成されており、前方側と後方側がそれぞれ本体部3に対し固定され、その中央部を把持できるように取り付けられている。そして各取手部30の前方上側の側面には、複数の操作スイッチ32(操作受付手段に相当する)が設置されている。
【0019】
また、図1に示すように、本体部3の上面3bの中央には、中央部がくぼんだ(図1参照)円形の意匠34が施されており、この意匠34中の左側には、ランプ36が円形状に並べられた回転表示部36が設けられている。
【0020】
さらに、図5に示すように、本体部3の上面3bは、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に本体部3を置いたときに、後側よりも前側の方が高くなるように傾いた傾斜面を形成している。その傾斜角度は、下面3aを水平に配置したとき18°傾いた角度である。
4.内部構造
次に、本実施形態の健康器具1の内部構造について説明する。
【0021】
本実施形態の健康器具1は、図4に示すように、挟持部2及び本体部3が一体に形成されるとともに、中空形状に形成されている。
この健康器具1内には、図6に示すように、意匠34の円中心と同軸状にシャフト40aが配置されたモータ40(駆動部に相当する)と、このモータ40のシャフト40aから、このシャフト40aの軸方向に対し垂直な方向に延設されたクランク棒42と、このクランク棒42の遊端に取り付けられた錘44とを備えている。また、健康器具1内には、操作スイッチ32で受け付けた操作に従ってモータ40の回転数を制御する制御部46が備えられている。
【0022】
そして、モータ40、クランク棒42は、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に本体部3を置いたときに、後側よりも前側の方が高くなる回転面であって、本体部3の下面3aに対し18°傾いた回転面に沿って、錘44が回転するように、健康器具1の内部に設置されている。
【0023】
また、クランク棒42は、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に本体部3を置いたときに、錘44が、前側から一方の大腿部上を通り、後側から他方の大腿部上を通って前側に至る回転面上を錘44が通る長さに形成されている。具体的には、モータ40のシャフト40aの中心軸から、錘44の取付軸44aの中心(シャフト40aに取り付けられる部分)までの長さは9cmである。
【0024】
さらに、錘は、250gのものが取り付けられている。
5.制御部46で実行される本実施形態の特徴的な制御
5.1.マニュアル制御
次に、本実施形態の健康器具1で実行されるマニュアル制御について説明する。
【0025】
ここで、図7は、マニュアル制御のフローチャートである。
このマニュアル制御(S1)は、図7に示すように、マニュアル制御を実行する旨の操作が操作スイッチ32に対してなされたら実行される。
【0026】
そしてまず、低速運転、中速運転、高速運転のいずれかを行うよう指示する操作がなされているか否かが判定される(S10)。
この判定(S10)で、低速運転を行うよう指示する操作がなされたと判定されたら(S10:低速)、モータ40を150rpmで回転するよう制御する低速制御を実行する(S12)。また、この判定(S1)で、中速運転を行うよう指示する操作がなされたと判定されたら(S2:中速)、モータ40を210rpmで回転するよう制御する中速制御を実行する(S14)。さらに、この判定(S1)で、高速運転を行うよう指示する操作がなされたと判定されたら(S1:高速)、モータ40を230rpmで回転するよう制御する高速制御を実行する(S16)。
そして、低速制御(S12)が実行されたら、回転表示部36に対し、低速で回転しながら点滅する表示を行う低速点滅制御(S22)を実行し、S28の処理が実行される。また、中速制御(S14)が実行されたら、回転表示部36に対し、中速で回転しながら点滅する表示を行う中速点滅制御(S24)を実行し、S28の処理が実行される。さらに、高速制御(S16)が実行されたら、回転表示部36に対し、高速で回転しながら点滅する表示を行う高速点滅制御(S26)をも実行し、再び、S28の処理が実行される。
次に、S28では、運転を停止することを指示する操作が操作スイッチ32に対してなされたか否かを判定し、この判定(S28)で、運転を停止する操作がなされたと判定されたら(S28:YES)、本処理(S1)を終了する。一方、運転を停止する操作がなされていないと判定されたら(S28:NO)、再びS10の処理を実行し、運転の切り替え操作がなされると、切り替え後の速度で運転がなされる。
5.2.自動制御
次に、本実施形態の健康器具1で実行される自動制御について説明する。
【0027】
ここで図8は、本実施形態の健康器具1で実行される自動制御のフローチャートである。
この自動制御(S5)は、この制御を実行する旨の操作が操作スイッチ32に対して行われると実行される。
この自動制御(S5)が実行されると、S12と同様の低速制御を実行し(S52)、S22と同様の低速点滅制御(S54)を実行する。その後、所定時間経過したか否かが判定され(S56)、所定時間経過していないと判定されたら(S56:NO)、S52及びS54の処理を継続する。一方、所定時間経過したと判定されたら(S56:YES)、S62の処理を実行する。
次に、S62ではS14と同様の中速制御が実行され、次いでS24と同様の中速点滅制御(S64)が実行される。その後、所定時間経過したか否かが判定され(S66)、所定時間経過していないと判定されたら(S66:NO)、S60及びS62の処理を継続する。一方、所定時間経過したと判定されたら(S66:YES)、S72の処理を実行する。
次に、S72ではS16と同様の高速制御が実行され、次いでS26と同様の高速点滅制御(S74)が実行される。その後、所定時間経過したか否かが判定され(S76)、所定時間経過していないと判定されたら(S76:NO)、S70及びS72の処理を継続する。一方、所定時間経過したと判定されたら(S76:YES)、S80の処理を実行する。
そして、S80では、自動制御を終了する操作が操作スイッチ32に対してなされたか否かが判定され、終了する操作がなされたと判定されたら(S80:YES)、本処理(S5)を終了する。一方、終了する操作がなされていないと判定されたら(S80:NO)、再びS52の処理からS80までの処理が実行される。
6.本実施形態の特徴的な効果
この健康器具1は、本体部3を両大腿部の上に載せて、挟持部2を両大腿部で挟み、錘44が回転するようモータ40を制御部46で制御すると、錘44が両大腿部上で回転する。このとき、錘44は遠心力により、膝側、両大腿部側、腰側に振られるので、両大腿部を閉じてしっかり挟持部2を挟んでおかないと、健康器具1が両大腿部から外れてしまう。
【0028】
したがって、この健康器具1を用いれば、この健康器具1が両大腿部からはずれないよう、両大腿部をしっかり閉じる運動をさせることで、両大腿部を閉じる筋肉を鍛えることができる。また、この健康器具1を用いれば、骨盤、大腿骨の連鎖運動を改善する運動ができる。
【0029】
また、本実施形態の健康器具1の本体部3は、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せたときに、前後方向の幅や、左右方向の幅に比べ、上下方向の幅が小さい形状に形成されている。そのため本体部3がこのように形成されていれば、円運動をする錘44をコンパクトに収納することができる。
【0030】
また、本実施形態の健康器具1では、錘44は、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せたときに、腰側よりも膝側のほうが高くなるように水平面に対して18°傾いた回転面に沿って回転可能に本体部3内に収納されている。両大腿部は膝側に向かって細くなる構造を有するとともに、腰を支点に可動するので、挟持部2を挟むとき、挟持部2の腰側よりも膝側部分に力を入れて挟むことができにくい。そのため、錘44を水平面に沿って回転させると、本実施形態の健康器具1は膝側に倒れやすい。しかし、本実施形態のように、腰側よりも膝側のほうが高くなるように傾いた回転面に沿って錘44を回転させれば、膝側では遠心力が斜め上方にかかるようになり、遠心力の水平方向成分が小さくなるので、膝側に倒れることなく、挟持部2を大腿部で安定的に挟みつけることができる。
【0031】
また、本実施形態の健康器具1では、挟持部2が大腿部に挟持される挟付方向に沿った挟持部の幅2bが、握ったこぶしの指の配列方向に沿った方向の幅と略同じ幅の厚みの7.5cmで形成されている。このようなこぶし幅が、両大腿部でもっとも力を入れて挟持部2を挟むことができるからである。
【0032】
また、本実施形態の健康器具1では、マニュアル操作を実行すると、操作スイッチ32に対し回転数を指定する操作をすると、制御部46は、その指定された回転数に従って錘44を回転させるよう、モータ40を制御している。このようにすれば、ユーザーの操作に従って錘44の回転数を変えることで負荷を自由に変えることができるので、ユーザーの好みに合わせた運動を行うことができる。
【0033】
また、本実施形態の健康器具1では、150〜250rpmの回転数で錘44を回転させるよう、モータ40を制御しているが、このとき錘44は、3〜5N程度の遠心力が働く重さで形成されている。両大腿部の筋肉を鍛えるには、このような遠心力で運転されることが好ましい。これ以上大きいと過負荷となって両大腿部の筋肉を痛め、小さいと負荷が小さすぎて両大腿部を効果的に鍛えることができない恐れがあるからである。
【0034】
また、本実施形態の健康器具1では、両大腿部が当接する本体部3の下面と、両大腿部が当接する挟持部2の側面の形状が、大腿部に沿った形状に形成されている。このような形状に形成されていると、錘44が回転することによって生じる負荷を、ばらつきなく両大腿部に伝えることができる。
【0035】
また、本実施形態の健康器具1では、制御部46は、自動制御(S5)を実行すると、所定時間ずつ段階的に回転数を変化させて錘44を回転させることができる。このようにすると、大腿部にかかる負荷に変化が生まれて、ユーザーを飽きさせることがない。
【0036】
また、本実施形態の健康器具1では、本体部3は、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せたときに平面視で見て視認できる上部側面に、回転表示部36を備え、制御部は、錘44の回転速度に対応した速度で回転表示部36を点灯させている。このようにすると、錘44の回転速度が速いときは、回転表示部36が早い速度で順次点灯し、回転速度が遅いときは遅い速度で順次点灯して、ユーザーにわかり易く、錘44の回転によって大腿部にかかる負荷を表示することができる。
【0037】
また、本実施形態の健康器具1では、本体部3は、着座状態で挟持部2を両大腿部で挟み、本体部3を両大腿部上に載せた本体部3を平面視で見て、本体部3の周辺部のうち両大腿部側に、取手部20が形成されている。この健康器具1は、取手部20を両手で持つと、手に錘44の回転の負荷がかかるので、両腕の筋肉も鍛えることができる。
7.他の実施態様
上記実施形態では、モータ40、クランク棒42は、挟持部2を人間の両大腿部で挟んで両大腿部上に本体部3を置いたときに、腰側(後側)よりも膝側(前側)の方が高くなる回転面であって、本体部3の下面3aに対し18°傾いた回転面に沿って、錘44が回転するように、健康器具1の内部に設置されている。しかし、回転面の傾きはこれに限るものではなく、例えば、8°〜28°の範囲であれば、どのような角度でもよい。
【0038】
上記実施形態では、錘44を150、210、230rpmで回転させたが、150〜250rpmの回転数で錘44を回転させてもよい。このとき、錘44は、上記実施形態では250gとしたが、回転したとき、3〜5Nの遠心力が働く重さであればどのような重さでもよい。
【0039】
上記実施形態では、挟持部2は、腰側から膝側に向かう方向に沿った幅が、14cmとなるように形成したが、13cmから15cmの幅で形成されていればよい。13cm以下の幅で挟持部を形成すると、大腿部で挟みにくく、15cm以上の幅で挟持部2を形成すると、挟持部2を挟んでも錘44の回転による負荷を楽に保持できるので、両大腿部を効果的に鍛えることができない恐れがあるからである。
【0040】
上記実施形態では、挟持部2の左右方向の幅のうちもっとも太い部分の幅2bは、7.5cmとしたが、これに限るものではなく、5cm〜10cm、より好ましくは、約6.5cm〜8.5cmで形成されていればよい。
【0041】
上記実施形態では、回転表示部36として、点状のランプを用いたが、例えば、図9に示すように、棒状のランプ36aを用いてもよい。この場合、棒状のランプ36aは、円中心36bから放射状上に配置してもよい。
【0042】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態の健康器具の斜視図である。
【図2】本実施形態の健康器具の平面図である。
【図3】本実施形態の健康器具の背面図である。
【図4】本実施形態の健康器具の背面図であってA−A’断面図である。
【図5】本実施形態の健康器具の左側面図である。
【図6】本実施形態の健康器具の左側面図であってB−B’断面図である。
【図7】本実施形態のマニュアル制御のフローチャートである。
【図8】本実施形態の自動制御のフローチャートである。
【図9】本実施形態の変形例の説明図であって、健康器具の平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1…健康器具、2…挟持部、3…本体部、3a…下面、3b…上面、20…滑止部、30…取手部、32…操作スイッチ、34…意匠、36…回転表示部、40…モータ、40a…シャフト、42…クランク棒、44…錘、46…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両大腿部で挟持可能な挟持部と、
着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟んだときに、両大腿部上に載置可能な箱状に形成された本体部と、
着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を両大腿部上に載せたときに、膝側から一方の大腿部上を通り、さらに腰側から他方の大腿部上を通って膝側に至る回転面に沿って回転可能に前記本体部内に収納された錘部と、
この錘部を前記回転面に沿って回転させる駆動部と、
この駆動部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
請求項2に記載の健康器具において、
前記本体部は、着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を両大腿部上に載せたときに、腰側から膝側を向く前後方向の幅や、腰側から膝側を向く方向を前後方向としたときの左右方向の幅に比べ、上下方向の幅が小さい形状に形成されていることを特徴とする健康器具。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載の健康器具において、
前記錘部は、着座状態で前記挟持部を前記両大腿部で挟み、前記本体部を前記両大腿部上に載せたときに、腰側よりも膝側のほうが高くなるように傾いた回転面に沿って回転可能に前記本体部内に収納されていることを特徴とする健康器具。
【請求項4】
請求項3に記載の健康器具において、
前記錘部は、前記水平面に対して、8°〜28°傾斜した回転面に沿って回転するように前記本体部内に収納されていることを特徴とする健康器具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の健康器具において、
前記挟持部が大腿部に挟持される挟付方向に沿った前記挟持部の幅は、握ったこぶしの指の配列方向に沿った方向の幅と略同じ幅の厚みで形成されていることを特徴とする健康器具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の健康器具において、
回転数を指定する操作を受け付ける操作受付手段を備え、
前記制御部は、前記操作受付手段が受け付けた操作で指定された前記回転数に従って前記錘部を回転させるよう、前記駆動部を制御することを特徴とする健康器具。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の健康器具において、
前記制御部は、150〜250rpmの回転数で前記錘部を回転させるよう、前記駆動部を制御し、
前記錘部は、前記制御部が前記回転数で回転したとき、3〜5Nの遠心力が働く重さで形成されていることを特徴とする健康器具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の健康器具において、
前記挟持部は、前記大腿部に接する接触面に滑止手段を備えることを特徴とする健康器具。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の健康器具において、
前記挟持部は、
前記腰側から前記膝側に向かう方向に沿った幅が、13cmから15cmの幅で形成されていることを特徴とする健康器具。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の健康器具において、
前記両大腿部が当接する前記本体部の下面と、前記両大腿部が当接する前記挟持部の側面の形状が、大腿部に沿った形状に形成されていることを特徴とする健康器具。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の健康器具において、
前記制御部は、
所定時間ずつ段階的に回転数を変化させて錘部を回転させるよう前記駆動部を制御することを特徴とする健康器具。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の健康器具において、
前記本体部は、着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を両大腿部上に載せたときに平面視で見て視認できる上部側面に、円状に並べて配置された複数の発光部を備え、
前記制御部は、前記錘部の回転速度に応じた速度で前記発光部の並び方向に前記発光部を順次点灯させることを特徴とする健康器具。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の健康器具において、
前記本体部は、着座状態で前記挟持部を両大腿部で挟み、前記本体部を前記両大腿部上に載せた当該本体部を平面視で見て、前記本体部の周辺部のうち前記両大腿部側に、取手部が形成されていることを特徴とする健康器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−188346(P2008−188346A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28139(P2007−28139)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(596030634)株式会社ドリーム (5)