説明

健康回復装置

【課題】 各種の遠赤外線機器にあっては、免疫力を高めるために体の一面からの照射で、また長時間にわたって照射を受けるような構成になっていなかった。遠赤外線を体全体に、かつ体の必要な部分に集中的に照射するということはせずに、十分とは言えない状況にあった。
【解決手段】 遠赤外線を発生し、体に前記遠赤外線を照射するための第1遠赤外線発生マットと、該第1遠赤外線発生マットよりも小型形状をなし、かつその第1遠赤外線発生マットと対をなして、前記体を部分的に挟み込み、双方からその挟み込まれた部分に遠赤外線を集中的に照射するための第2遠赤外線発生マットと、断面が逆U字状の形状をなして、前記第1遠赤外線発生マット上に配置され、該第1遠赤外線発生マットとの間に前記体を部分的に囲む空間を形成するための囲い部材とを備えてなることを特徴とする健康回復装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遠赤外線を用いた健康回復装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとしては遠赤外線、ラジウム放射線、マイナスイオン等を浴びて医学的効果を得ることが特許文献に記載されている。
【特許文献】特開2005−245632号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献に記載されているような各種の遠赤外線機器を用いても健康を回復するのに十分な効果を得ることは難しいと言う問題点があった。
【0004】
そこで、この発明は、上記問題点を鑑みると共に、体温を上昇させることによって免疫力を向上させることが出来るという医学的視点を目標にしてなされたもので、遠赤外線を、体を挟むように複数の方向から照射することによって体温を逸散させずに確実に体温を上昇させることの出来るシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、この発明は、遠赤外線を発生し、体に前記遠赤外線を照射するための第1遠赤外線発生マットと、該第1遠赤外線発生マットと同一波長帯の遠赤外線を発生し、かつ前記第1遠赤外線発生マットよりも小型形状をなして、前記体を部分的に挟み込み、双方からその挟み込まれた部分に遠赤外線を集中的に照射するための第2遠赤外線発生マットと、断面が逆U字状の形状をなして、該第1遠赤外線発生マットと第2遠赤外線発生マットとの間に配置され、前記第1遠赤外線発生マットとの間に、前記体を部分的に囲む空間を形成するための囲い部材とを備えてなることを特徴とした。
【0006】
さらに、前記囲い部材は、内部空間に向けて遠赤外線を発生する機能を有することを特徴とする請求項1記載の健康回復装置とした。
【0007】
前記囲い部材から発生する遠赤外線の温度は、前記第1遠赤外線発生マット及び第2遠赤外線発生マットから発生する遠赤外線の温度よりも低く設定されてなることを特徴とする請求項2記載の健康回復装置とした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の健康回復装置では、遠赤外線発生マットの上で、例えば横になりながら、体全体への遠赤外線の照射を受けることを可能にする装置を提供できる。また、体の必要な部分に体温を逸散させずに体の周囲から集中的に照射することができる装置を提供できる。
【0009】
さらに、請求項2に記載の発明では、体の周囲全体に遠赤外線が行き渡るので、先端部の足等まで遠赤外線で十分に暖められる装置を提供できる。
【0010】
また、請求項3記載の発明では、体全体を弱い遠赤外線で包み、かつ必要箇所には集中的に遠赤外線を供給できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の健康回復装置は、遠赤外線を発生し、体に前記遠赤外線を照射するための第1遠赤外線発生マットと、該第1遠赤外線発生マットと同一波長帯の遠赤外線を発生し、かつ前記第1遠赤外線発生マットよりも小型形状をなして、前記体を部分的に挟み込み、双方からその挟み込まれた部分に遠赤外線を集中的に照射するための第2遠赤外線発生マットと、断面が逆U字状の形状をなして、該第1遠赤外線発生マットと第2遠赤外線発生マットとの間に配置され、前記第1遠赤外線発生マットとの間に、前記体を部分的に囲む空間を形成するための囲い部材とを備えてなることを特徴とする健康回復装置である。
【実施例1】
【0012】
以下に、図1乃至図5に基づいて、この発明の最良の実施の形態の実施例1の健康回復装置について、この装置を用いたシステムに基づいて説明する。
【0013】
図1において符号1は、患者の体に第1遠赤外線温度の遠赤外線(波長が6〜12ミクロンの育成光線)を起きている間、また就眠中、数日間連続的に照射することによって、該患者の基礎体温の上昇を図る基礎体温上昇工程(第1工程)で、温度調節手段1aを有し、前記患者が汗をかかない範囲の上限温度(第1遠赤外線温度)に前記第1遠赤外線温度を調整するものである。
そのためには、手動式のボリューム調整のものであってもよく、また皮膚の汗を検知して自動的に調整するものであってもよい。
【0014】
この基礎体温上昇工程1では、患者が図4及び図5に示す装置(詳細は、後述する)を使用するが、その使用に際しては上述のように患者自身が汗をかかない上限温度に常に設定されているように基礎体温上昇工程1の最中にも前記温度調節手段1aで温度調節を行なうものである。
【0015】
そして、前記基礎体温上昇工程1によって大凡数日間連続して遠赤外線の照射を浴びることによって、前記患者の基礎体温は、例えば34.5℃から徐々に上昇し、大凡36.8℃(第1基準温度)を超える体温に上昇させることができ(例えば図3の時刻T0〜時刻T1の間の曲線示される)、この体温上昇が体温計による体温測定によって確認されることによって、ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2(工程2)に進む。
【0016】
ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2は、前記第1遠赤外線温度よりも高い第2遠赤外線温度の遠赤外線を前記患者の患部を含む近傍の細胞(ガン細胞が全身に転移している場合には全身が患部になる)に集中的に照射するものである。
【0017】
なお、前記ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2では、前記基礎体温上昇工程1で使用される、カーボン等から放射される前記第1遠赤外線温度の遠赤外線よりも高い第2遠赤外線温度の遠赤外線を使用するために、アメジスト等の鉱石から放射される、波長が6〜12ミクロンの育成光線(遠赤外線)を使用する。
【0018】
このように、ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2では、患者が図6及び図7に示す装置(詳細は、後述する)を使用することによって、前記第1遠赤外線温度よりも高い、例えば40℃以上の第2遠赤外線温度の遠赤外線を前記患者の患部を含む近傍の細胞に集中的に照射する。
【0019】
その結果、このガン細胞活動弱体化温度上昇工程2では、例えば図3時刻T2〜時刻T4の曲線に示されるように第1遠赤外線温度よりも高い第2遠赤外線温度の遠赤外線の照射を受ける毎に基礎体温は徐々に上昇する。
【0020】
次に、図4及び図5に基づいて前記基礎体温上昇工程1で使用する装置について説明する。
この装置は、通常の敷き布団7と、その一端部A側に配置されて患者12の頭12aが乗せられる枕8と、他端部B側から前記一端部Aに延びるように配置される断面半円形のドーム状の囲い部材(第1遠赤外線発生装置)9とから構成されている。
【0021】
前記囲い部材9は、断面逆U字状の形状をなし、内壁面全体に、前記温度調整手段1aによって汗をかかない範囲の上限温度に設定された、カーボン等からなる遠赤外線発生装置が配置され、また長さ方向に2分割されており、患者12の身長に合わせて調整可能になっている。またさらに、その両端開口C,Dは布地10、11によって閉塞可能な状態にされ、前記囲い部材9内の暖まった空気が外部に漏れ出ないようにされている。
【0022】
従って、患者12は敷き布団7の上に横になり、かつ爪先12dから首までを、前記囲い部材9の中に入れた状態で遠赤外線の照射を連続的に長時間にわたって受けることになるが、囲い部材9の中には空間が形成されているので、体12を回転させたり、足を曲げたり、組んだりある程度自由に出来、拘束感を受けずに基礎体温を上昇させることが出来る。
【0023】
次に、図6及び図7に基づいて前記ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2で使用する装置について説明する。
この装置は、前記基礎体温上昇工程1で使用した装置の敷き布団7に替えて、上面全体から前記第1遠赤外線温度よりも高い第2遠赤外線温度の遠赤外線を放出する敷き布団(第1遠赤外線発生マット)13に替わっている点と、この敷き布団13を座布団形状にした小型布団(第2遠赤外線発生マット)14が追加されている点が異なる所で、他の点は同一である。
【0024】
なお、この小型布団14から放出される遠赤外線の温度は、前記敷き布団13と同じ遠赤外線温度を有するものであるので、例えば前記囲い部材9の中に入れた場合には囲い部材9の内部が閉空間であるために温度の高い空気が籠もってしまい、患者12の体温が高くなり過ぎて長時間の使用に耐えられなくなってしまう。
【0025】
また、患部やその近傍の細胞には高い温度の遠赤外線を照射する必要があるため、すなわち局部的に集中して遠赤外線を照射しなくてはならないので、外側で使用するものである。
【0026】
そのために、遠赤外線を照射したい患部を上から覆うように体の上に乗せることによって、敷き布団13と前記小型布団14とで患部及びその近傍の細胞を周囲から挟み込むことができる。
【0027】
なお、この敷き布団13および小型布団14は、複数種類の鉱石(例えば、アメジスト、ブラックトルマリン、ヒスイ等)や、炭素カーボン等の遠赤外線発生素材を内部に均等分散させられた状態で内部に包含し、外部から与えられた熱エネルギーを波長が6〜12ミクロンの遠赤外線に変換して出力している。
【0028】
このように体の周囲から遠赤外線を照射することによって患部及びその近傍の細胞に集中して遠赤外線を照射することが可能になり、その集中させられた遠赤外線によって発生した熱は、大気中に逸散しずらくなる。
一方で暖められた血流によって体全体が暖められる。その結果、その挟まれた患部及びその近傍の細胞の体温を集中的に高めることが出来、ガン細胞等を弱体化できる一方で、転移したガン細胞等も弱体化でき、かつ免疫力が高められることによって、ガン細胞等を撲滅できる。
【0029】
次に、上記構成の作用説明を図2に示すフローチャートに基づいて行なう。
まず、図1における基礎体温上昇工程1を、ステップST110〜ステップST150までのステップで説明する。
【0030】
まず、スタートステップST100からステップST110に進み、患者は基礎体温測定を行なう。その結果、測定された基礎体温が、例えば図3に示す34℃(時刻T0での基礎体温)であったとする。
そして、図4に示す装置に図5に示すように患者12は、首から爪先までを第2遠赤外線発生装置である囲い部材9の中に入れて横になり、ステップST120に進む。ステップST120では、患者12は汗をかかない範囲での上限温度まで温度調節手段1aを調整して、囲い部材9内の温度を上昇させる。
【0031】
そして、ステップST130で基礎体温の測定を行ない、かつステップST140で基礎体温が37℃以上になったか否かが判断され、基礎体温が37℃を超えると、更にステップST150で36.8℃〜37℃の範囲の基礎体温が連続16時間以上継続している否かが判断され、継続していると判断されるまで連続して囲い部材9の中で遠赤外線の照射を受ける。
【0032】
このステップを繰り返すことによって、例えば図3に示すように基礎体温がT1時点で37℃を超え、T2時点で37℃以上の基礎体温が16時間以上連続したと判断され、次のガン細胞弱体化工程2に進む。
【0033】
なお、このように遠赤外線の照射を長時間にわたって受けている間、患者12は、退屈してしまうので、囲い部材9の空間の中で、患者12は足を自由に動かしてもよく、また寝返りを打ってもよく、それによる遠赤外線の照射に悪影響を及ぼすことはない。
【0034】
次に、ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2をステップST160〜ステップST200までのステップで説明する。
【0035】
まず、ステップST160に進み、体温測定を行ない、その結果基礎体温が、例えば図3のT2時点に示す37.2℃であったとする。
そして、図6に示す装置に図7に示すように患者12の患部を囲い部材9の外に位置せしめた状態にして、爪先までを第3遠赤外線発生装置である囲い部材9の中に入れて横になり、さらに患部を上側から覆うように小型布団14を被せる。布団13と小型布団14とは囲い部材9から発せられる遠赤外線の第1遠赤外線温度よりも高い第2遠赤外線温度の遠赤外線を患者12に対して照射する(ステップST170)。
【0036】
そして、ステップST180で体温の測定を行ない、かつステップST190で体温が38℃〜39.8℃の範囲になったか否かが判断され、38℃〜39.8℃の範囲以上にならないと上記ステップを繰り返す。例えば、1時間の遠赤外線照射を一日あたり1〜2回繰り返す。
体温が38℃〜39.8℃の範囲を超えると、更にステップST200でガン腫瘍マーカーが正常値以下であるか否が判断され、正常値以下になっていない場合にはステップST170に戻り、また正常値以下と判断されると、時刻T4でこのステップは終了する。
【0037】
なお、この工程2では工程1よりも温度の高い遠赤外線の照射を長時間にわたって受けるので、患者12は、苦痛を感じ、工程1よりもさらに体を動かしたくなるため、囲い部材9の中の空間を利用して患者12は、足を自由に動かしてもよく、また寝返りを打ってもよく、それによる遠赤外線の照射に悪影響を及ぼすことはない。
【0038】
次に、ステップST200が終了した後、ステップST220に進み、工程を終了させても良い。
しかし、再発等の不安のある場合には必要に応じてではあるが、ステップST210の再発防止工程(図2において、ガン細胞活動弱体化温度上昇工程2とステップST220との間のステップで示される)に進み、例えば、1時間の遠赤外線照射を一日あたり1〜2回繰り返すことを行っても良い。
【0039】
なお、この場合、患者12に遠赤外線を照射する装置としては、上記のガン細胞活動弱体化温度上昇工程2で使用した装置と次の点で異なる。
すなわち、上記の囲い部材9は遠赤外線を発生するものであったが、この囲い部材9に替えて、遠赤外線を発生しない、木枠等で形成され、壁面に複数の孔を設けたドーム形状、角形状等の囲い部材の外側壁面、例えば上壁面に、小型布団14(第2遠赤外線発生装置)と同一機能を有する別体の小型布団を配置したものである。
これによって、患者12は全身にわたってアメジスト等の鉱石から放射される波長が6〜12ミクロンの育成光線の遠赤外線を照射することになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明のシステム構成説明図である
【図2】図1のシステムの作用を説明するためのフローチャートである。
【図3】基礎体温および体温の変化状態を説明するためのグラフである。
【図4】基礎体温上昇工程で使用する装置の分解説明図である。
【図5】図4に示す装置の使用状態を説明する説明図である。
【図6】ガン細胞活動弱体化温度上昇工程で使用する装置の分解説明図である。
【図7】図6に示す装置の使用状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1 基礎体温上昇工程
1a 温度調節手段
2 ガン細胞活動弱体化温度上昇工程
3 入力手段
4 マイクロコンピュータ
5 メモリ
6 表示器
7 敷き布団
8 枕
9 囲い部材
10 11 布地
12 患者
12a 頭
12d 爪先
14 小型布団

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線を発生し、体に前記遠赤外線を照射するための第1遠赤外線発生マットと、該第1遠赤外線発生マットと同一波長帯の遠赤外線を発生し、かつ前記第1遠赤外線発生マットよりも小型形状をなして、前記体を部分的に挟み込み、双方からその挟み込まれた部分に遠赤外線を集中的に照射するための第2遠赤外線発生マットと、断面が逆U字状の形状をなして、該第1遠赤外線発生マットと第2遠赤外線発生マットとの間に配置され、前記第1遠赤外線発生マットとの間に、前記体を部分的に囲む空間を形成するための囲い部材とを備えてなることを特徴とする健康回復装置。
【請求項2】
前記囲い部材は、内部空間に向けて遠赤外線を発生する機能を有することを特徴とする請求項1記載の健康回復装置。
【請求項3】
前記囲い部材から発生する遠赤外線の温度は、前記第1遠赤外線発生マット及び第2遠赤外線発生マットから発生する遠赤外線の温度よりも低く設定されてなることを特徴とする請求項2記載の健康回復装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−411(P2011−411A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164224(P2009−164224)
【出願日】平成21年6月20日(2009.6.20)
【出願人】(502065664)株式会社日本免疫活性医学研究所 (2)
【Fターム(参考)】