説明

側方部を有する吸収性の失禁用使い捨ておむつ

本発明は、前側長手方向側縁(42)を有する前側領域(6)と、後側長手方向側縁(41)を有する後側領域(8)と、長手方向(28)で前述の2つの領域の間に在り、使用者の両脚の間に納まる股下領域(10)とから成る本体部(4)を備え、この本体部(4)は吸収性要素(12)を有する、展開型の吸収性失禁用使い捨てパンツ(2)に関する。このパンツは、後側領域(8)の両側に接合された後側側方部(20)と、前側領域(6)の両側に接合された前側側方部(22)も備え、これらの側方部は本体部(4)の前側および後側の長手方向側縁(42、41)から幅方向(30)に延びている。後側側方部(20)は、脚周り開口の近くに補助止着要素を有する第1の止着手段(32)を有し、この止着手段(32)は少なくとも前側側方部(22)の外面上に取り外し可能に連結されて、前側領域(6)と後側領域(8)とを相互結合することができる。股下領域に面する前側側方部(22)の横行端(55)は、幅方向(30)に対して実質的に平行である。後側の脚周り開口領域(51)を形成するために、側方部(20、22)は、少なくとも股下領域(10)に面する側が、長手方向(28)に対して斜め、または曲線状となっている。このパンツは、後側側方部(20)の脚周り開口領域の長さ対幅の比Rが0.1〜0.4であり、この側方部を形成する材料の裂け目の成長に対する抵抗Fmがパンツの長手方向に少なくとも4.0Nであり、脚周り開口の近くにある止着手段(32)の後側側方部下端からの最大距離Cが5cmであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開型の吸収性失禁用品であって、この失禁用品が本体部を備え、本体部は前側領域と、後側領域と、長手方向で前述の2つの部分の間に位置し使用者の両脚の間に納まる股下領域とからなり、本体部は吸収性パッドを有しており、かつこの失禁用品が分離された側方部も備え、側方部は後側領域および/または前側領域の両側に取り付けられ、止着手段を有し、本体部の長手方向側縁を超えて幅方向に延び、この用品の着用状態では前側領域と後側領域とを結合する形式の失禁用品に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の失禁用品は公知であり、例えば国際公開第2005/102241(A1)号パンフレットに記載されている。耳とも称される側方部は、好ましくは本体部すなわち衛生用品のシャーシにカット・アンド・プレイス法で直接取り付けられる。この製造技術により、側方部を衛生用品の中央本体部とは別の原材料で製造することが可能となる。例えば、側方部は通気性を持つように構成し、中央の本体部は実質的に不透湿性となるように形成することが可能である。
【0003】
製造の観点から見て、最も効率的、簡単でかつ最も費用効率が良い側方部の形状は、長方形である。この形状であれば、製造時に側方部を形成する材料を平坦材料の連続ウェブとして搬送し、流れ方向に直交して裁断することが可能となる。この場合には実質的に切れ端が出ない。
【0004】
しかし長方形形状はメリットが大きい一方で、特に側方部を形成する際に、または衛生用品を装着する際に、または着用している間に、取り付けられた後側側方部が本体部の長手方向側縁部においてたまに裂ける可能性があるという問題が明らかになってきた。特に、使用者が衛生用品を装着する際に、衛生用品の幅方向と長手方向に対して斜めに後側側方部を引っ張る傾向のあることが明らかになってきている。これは図1に斜め上方向を向いた矢印で示されている。このような場合、股下部に面する側方部の幅方向端部から裂け目が始まって、本体部の長手方向側縁に沿って側方部が引裂かれていく可能性がある。これまでに、国際公開第2004/017882(A2)号パンフレットおよび国際公開第02/17843(A2)号パンフレットに記載のように、このような側方部の衛生用品本体部への取り付けを、最適な接合パターンによって改善しようとする試みがなされてきている。
【0005】
従来技術で公知の別の提案では、側方部に補強手段が提供される。これは幅方向から見ると、各側方部よりも狭く形成されていて、少なくとも本体部の長手方向側縁にまたがる部分、すなわち本体部の長手方向側縁部分と側方部の幅方向の一部との重複する部分に設けられている(独国特許出願公開第102006050971(A1)号明細書)。
【0006】
本発明は、上述の問題をより効果的に解決することを目標としている。すなわち、前側と後側のそれぞれに2つの横方向に接合されて取り付けられた側方部を有し、そこではこの側方部の引裂き特性が著しく改良されている、吸収性の失禁用品を作製することである。
【0007】
最初に述べたようなタイプの吸収性失禁用品の場合には、次の発明によってこの目的は達成される。すなわちこの発明では、側方部の脚周りの開口領域を形成するために、後側側方部が、少なくとも股下領域に面する側で、長手方向に対して斜めまたは曲線状に延びるように形成される。その一方で、股下領域に面する前側側方部の横行端は、幅方向に対して実質的に平行に延びており、従って、前側側方部は特に長方形の輪郭を有する。さらには、後側側方部の各側方部脚周り開口領域が、長さ対幅の比R=A/Bが0.1〜0.4であり、また、更には後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗Fmが、おむつの長手方向で少なくとも4.0Nであり、また、脚部開口に近い止着手段の、後側側方部の股下部に面する下端からの間隔が、多くとも5.0cmである。この場合、R、Fm、Cは以下で更に説明するようにして決定される。
【0008】
より詳細を以下で説明するように、後側側方部の輪郭の取り方だけでも、側方部の引裂き強度を大きく向上させる結果となる。それは、輪郭取りした形状の場合、本体の側端が、側方部に対する一種の引裂き端形成に不向きとなるからである。さらに、おむつを装着する際に、脚周り開口に近い止着手段を介して側方部へ導入される引張り力が、比較的大きな面積に亘って分散され、その結果、問題となる個所にかかる力がかなり低減される。問題となる個所というのは、側方部の下端と本体部分の後側側縁とが会する点である。
【0009】
脚周り開口領域の側方部の、長さ対幅の比R=A/Bが非常に小さくても、この問題に関して十分に顕著なプラスの効果をもたらす。ただし、Rの値が0.4より大きいと、失禁用使い捨ておむつのぴったりした着具合と装着快適性とを損ね、またそれ以上に、廃棄する切れ端の量を増やしてしまう。
【0010】
後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗が僅かに4.0Nであっても、本発明の後側側方部の輪郭取りと組合わせることにより、止着手段を後側側方部の下端に非常に近く、つまり、多くとも5cmの場所に配置可能となることもわかった。本体部の長手方向側縁に沿って後側側方部が引裂かれるという前述のリスクは、止着手段が側方部下端から遠いほど減少することはわかったが、これは同時におむつ装着時の快適さにも関係していて、長手方向および幅方向に非常に遠くまで延びている側方部を有するおむつを、人にぴったりした着具合で装着させようとすると、快適さを相当に損なうことになってしまう。止着手段が側方部の下端に非常に近い場合には、おむつをぴったりした着具合で装着することがはるかに容易となる。それは、止着手段を通して、側方部のほぼ全長に亘って引張り力をかけることが可能となるからである。驚くべきことに、請求項1に特定された特徴の組合せによって、本発明はこれまでに未知の問題点を解決する。本発明は更に、後側側方部の材料選択に高度の柔軟性をあたえる。その結果、装着感は快適であっても引張り強度が小さかった材料でも利用可能となる。
【0011】
長手方向に対して斜め、または曲線状に延びるように形成された側方部を有する、一般的なおむつは公知(国際公開第2009/015746(A1)号パンフレット)であるが、国際公開第2009/015746(A1)号パンフレットには本発明の根底にある問題点もその解決策のいずれも開示されていない。
【0012】
特に好ましくは、本体部も同様に股下領域で輪郭取りされている。有利なことには、長手方向に対して斜め、または曲線状に延びるように形成された側方部の脚周り開口領域は、連続的または準連続的に案内された裁断工程、特には切断又は打ち抜きによって形成され、従って、連続的な縁が形成される。この場合、裁断工程の経路は、後側側方部および、好ましくは本体部も通る。輪郭取りされた脚周り開口領域は、こうして、1回の連続的または準連続的裁断工程での縁の切断又は分離だけで形成され、これにより当然、失禁用使い捨ておむつが経済的に製造され、望ましくない縁が排除されることになる。
【0013】
この裁断工程において、後側側方部と、適切な場合には本体部とで形成される一続きの切れ端は、工程から除去されなければならない。これは、独国特許出願公開第102008056220号明細書に記載の方法により、有利に遂行される。ただし、同公報に記載の方法とは異なり、切断は前側側方部にまでは案内されず、後側側方部と好ましくは本体部だけに行なわれる。好ましくは、後側側方部から裁断される領域の長手方向の最大長さlは、20〜180mmであり、特に30〜100mmである。
【0014】
好ましくは、後側側方部、および/または前側側方部から裁断される領域の長手方向の最大長さl、lは、20〜180mmであり、特に30〜100mmである。失禁用使い捨ておむつの長手方向における、本体部から裁断された切れ端の領域の長さlは、好ましくは110〜500mmであり、特に200〜450mmである。これに対し、本体部から裁断されるこの領域の幅方向の最大長さlは、むしろ小さくて、好ましくは5〜100mmであり、特に8〜70mmであり、更には特に10〜60mmである。
【0015】
この切れ端の幅方向の長さlは、特に150〜350mmであり、更には特に190〜300mmである。
【0016】
本発明の更なる改良において、後側側方部の脚周り開口領域の長さ対幅の比R=A/Bは、少なくとも0.15、好ましくは0.18〜0.35、特に好ましくは0.20〜0.32であることが提案される。
【0017】
本発明の更なる概念によれば、後側側方部の股下領域に面する下端からの止着手段の間隔Cは、多くとも4.0cmであり、好ましくは多くとも3.5cmであり、更に好ましくは多くとも3cmであり、更には特に少なくとも0.5cmである。
【0018】
後側側方部を形成する材料の坪量は、好ましくは14〜40g/mであり、特には16〜30g/mであり、更に特には17〜28g/mである。
【0019】
以下で詳細を説明する方法で測定され平均力Fmとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.0Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、更に特に好ましくは少なくとも6.5Nである。ただし、好ましくは多くとも10.0Nである。
【0020】
以下で詳細を説明する方法で測定され平均ピーク力Fm.spとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.5Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、非常に特に好ましくは少なくとも6.5Nであり、そして特に少なくとも7.0Nである。ただし、好ましくは多くとも12Nである。
【0021】
以下で詳細を説明する方法で測定され最大ピーク力Fspとして決定される、後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗は、好ましくは少なくとも5.5Nであり、特に好ましくは少なくとも6.0Nであり、非常に特に好ましくは少なくとも6.5Nであり、特には少なくとも7.0Nである。ただし、好ましくは多くとも12Nである。
【0022】
本発明の更なる展開において、前側側方部にも、後側側方部に対して前述したような、坪量を与えることが有利であることが判明した。好ましくは、前側側方部は更に、後側側方部に対して記述したような引裂き伝搬抵抗Fmおよび/またはFm.spおよび/またはFspも有する。
【0023】
本発明の好適な実施形態によれば、前側および/または後側の側方部の内端と外端とは相互に平行になっている。より好ましくは、内端および/または外端が少なくとも部分的に、失禁用使い捨ておむつの長手方向に平行になっている。好ましくは、後側側方部の内端は外端よりも長手方向により大きな長さDを有している。
【0024】
前側および/または後側の側方部を不織布材料で形成することが有利であることも判明した。特に、熱可塑性ポリマをベースとする少なくとも1つの組成の成分を含むすべての不織布材料が好適である。不織布材料としては、PE、PP、PET、レーヨン、セルロース、PAの繊維、およびそれらの繊維の混合物を含むことができる。2成分および多成分の繊維もまた可能であり、有利である。特に、カード不織布、スパンボンド不織布、ウォータジェット加工不織布、SM不織布、SMS不織布、SMMS不織布、またはこれらの不織布の1つまたは複数の積層体などが有利である。ここで、Sはスパンボンド不織布層、Mはメルトブロー不織布層を表す。さらには、前側および/または後側の側方部を不織布とフィルムの積層体で形成することも可能であり、有利である。その場合、柔らかい面を体に当てるために、外側にフィルム成分、内側に不織布成分を配置するようにする。本発明のこの概念を展開して、前側および/または後側の側方部を不織布−フィルム−不織布の積層体で形成することは有利である。ここで、フィルム成分は2つの不織布成分の間にサンドイッチされた形で配置される。
【0025】
更には、吸収パッドの長手方向の端部の横の本体部に、長手方向に部品を有する第1の弾性要素を取り付けると有利であることが判明した。これらの弾性要素は正確に、いわば直線状に長手方向に延びることができ、また特に有利には、脚周り開口に沿うある輪郭に従って与えることができる。その場合、弾性要素は脚周り開口に沿う曲線経路を取る。本発明のこの概念の特別な発展形態において、弾性要素は側方部へは延びないで、その位置が本体部内にとどまるようになっている。更に、第2の弾性要素がおむつの本体部のウェブに取り付けられてもよい。この第2の弾性要素は、第1の長手方向に延びていて、特に起立したカフ要素として、それ自体が例えば欧州特許出願公開第0263720(A1)号明細書で公知である形状を成している。これらの好ましくは起立した第2の弾性要素は、おむつの本体部、すなわち吸収パッドの中心をある程度両側から囲む。それは、吸収パッドの縁部分または、吸収パッドの縁の内側または、吸収パッドの縁の外側の領域に設けられてもよい。これにより、失禁用使い捨ておむつの横漏れガードが形成される。
【0026】
本発明の発展例において、失禁用使い捨ておむつを人の体に所望通りに固定するために、止着手段を、少なくとも本体部の外面と前側側方部の外面の両方に取り外し自在に固定することができるようになっている。この止着手段と前側側方部の外面との間の保持力は、好ましくは止着手段と本体部の外面との間の保持力よりも大きい。これにより、使用者は殆どの場合止着手段を前側側方部に固定する。特に機械的止着補助具である止着手段と本体部の外面との間の、腹上保持力として求められる保持力は、好ましくは20〜57N/25mm、特に25〜50N/25mmである。更に、止着手段と前側領域側方部の外面との間の腹上保持力は、好ましくは58〜90N/25mm、特に60〜80N/25mmである。更に、止着手段と後側側方部の外面との間の腹上保持力は、止着手段と前側側方部の外面との間の腹上保持力よりも小さい方が有利であることがわかっている。これによりまた、使用者は殆どの場合止着手段を前側側方部に固定する。本発明の記述において、腹上保持力は、国際公開第2008049546(A1)号パンフレットに記載の試験方法により測定される。
【0027】
失禁用使い捨ておむつの本体部の外面は、少なくともいくつかの領域で、ただし特には全表面積に亘って、不織布材料で形成されることが好ましい。これによって、失禁用使い捨ておむつに、“織物のような”感触が与えられる。このような場合、本体部の背面シートを不織布とフィルムの積層体で形成し、不織布層を外面にして、フィルム層を吸収パッドに向かう内面に来るようにして、不織布層で本体部の外面を形成するようにすることが有利である。こうすることにより、本体の液体不透過性と、おむつの肌に優しい性質の両方が確保される。次に、この不織布−フィルム積層体のフィルム層は、液体は通さないが好ましくは通気性を有する単層または多層のフィルムで形成されることが望ましい。この時、前側および/または後側側方部の通気性は、失禁用使い捨ておむつの背面シートを形成する、不織布とフィルムの積層体の通気性よりも高くすることが好ましい。
本体部の吸収パッドは、好ましくは、繊維材料、特にセルロース繊維、更には特に木材パルプフラフ等の天然セルロース繊維を含む。有利には吸収パッドは、特に粒子又は繊維状の超吸収性材料(SAP)、すなわち、水溶液、特に塩化ナトリウム0.9%の溶液を、EDANA ERT 440.2−02による測定で、自重の複数倍、好ましくは少なくとも20倍、特には少なくとも30倍を吸収可能な材料を含んでいる。
【0028】
有利なことには、後側側方部は、前側側方部とは、材料の種類、坪量、通気性、密度、伸縮性、止着力、表面積、厚さ、および色から成る群から選択される基本的性質のうち、少なくとも1つ、特に少なくとも2つ、更には特に少なくとも3つ、また更には特に少なくとも4つに関して異なっている。これに関し、国際公開第2009015746号明細書の開示内容が明示的に引用される。
【0029】
本発明の発展例では、前側および/または後側の側方部の長さ、つまりおむつの長手方向への最大長さが、少なくとも10cmであり、特に少なくとも15cmであり、更には特に少なくとも18cmであり、更には特に少なくとも22cmであり、そして更には特に長くとも45cmであることが有利であることがわかっている。失禁用使い捨ておむつの全長は、50〜120cmであり、特に60〜110cmであり、更には特に70〜110cmであることが有利である。本発明の発展例では、前側および/または後側の側方部の幅、つまりおむつの本体部の側縁の外へ出ている側方部の最大長さが、10〜40cmであり、特に12〜30cmであり、更には特に13〜25cmであることが有利であることがわかっている。好ましくは、前側側方部は、後側側方部と同じ幅である。
【0030】
本発明は失禁用使い捨ておむつの製造方法にも関する。失禁用使い捨ておむつの両側に脚周り開口領域の輪郭を形成するために、既に止着手段が設けられている後側側方部と本体部とに対する連続的または準連続的に案内された裁断工程がそれぞれの側に対して別々に実行されて、除去されるべき切れ端が、後側側方部と本体部から一続きとなって形成され、結果として、後側側方部の下端からの止着手段の間隔Cが形成される。
【0031】
本方法の発展例では、切れ端は、ピン状、こぶ状、鉤状またはとげ状の機械要素が表面から突出している転写ロールによって、把持され、除去される。
【0032】
好ましくは、切れ端を把持するために、さらに、転写ロールにおいて負圧の補助手段が利用される。
【0033】
本発明による方法は更に有利に展開されて、切れ端の幅方向の長さl(図6参照)は150〜350mmであり、特に190〜300mmである。好ましくは本体部から裁断される切れ端の領域の長手方向の長さlは、110〜500mmであり、特に200〜450mmである。更に好ましくは、本体部から裁断される切れ端の領域の幅方向の長さlは、5〜100mmであり、特に8〜70mmであり、更には特に10〜60mmである。更に好ましくは、後側側方部から裁断される領域の長手方向の最大長さlは、20〜180mmであり、特に30〜100mmである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】両側に側方部を有する失禁用品の平面概略図である。
【図2a】図1による失禁用使い捨ておむつの部分拡大図である。
【図2b】図1による失禁用使い捨ておむつの部分拡大図である。
【図3】本発明による側方部の更なる形状を例示する図である。
【図4】引裂き伝搬抵抗の測定値を示すグラフである。
【図5】切れ端除去用の機械的突起要素を有する転写ロールへのウェブ案内を示す斜視図である。
【図6】裁断された切れ端の図である。
【図7】側方部引裂き強度試験の説明図である。
【図8】側方部引裂き強度試験の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、吸収性の失禁用使い捨ておむつ2の広げた状態での内面、すなわち体に面する側の概略平面図である。ただし原寸通りではない。失禁用使い捨ておむつ2は、前側領域6と、後側領域8と、長手方向で前述の2つの領域の間にある股下領域10とを有する本体部を備える。また吸収パッド12も示されており、これは通常本体部4のシャーシを形成する材料の間、すなわち、本体部4における、不織布材料から形成された液体透過性のトップシート11と、フィルム材料で形成された実質的に液体不透過性のバックシート13との間に配置される。バックシート13は、液体不透過性の不織布材料または、外側に不織布層があり内側に吸収パッドの方に向いたフィルム層のある、不織布とフィルムの積層体で形成することができる。これによって、失禁用使い捨ておむつ2に、“織物のような”感触が与えられる。吸収パッド12の長手方向端部の横で、本体部4のトップシート11とバックシート13との間に、第1の弾性要素80が取り付けられる。弾性要素80は実質的に長手方向に延びる。すなわちかなりの部分が長手方向に沿っている。この場合、この弾性要素は、股下領域10に割り当てられる脚周り開口領域に沿って、曲線状の形態となっている。失禁用使い捨ておむつ2は更に前側側方部22と後側側方部20とを備え、これらは分離した不織布部品として本体部4の両側に取り付けられている。図1の部分拡大図(図2a)(原寸通りではない)に示すように、側方部20、22は、重複範囲18(ハッチングした部分)において本体部4のシャーシを形成する材料に、すなわち、例えばバックシート13および/またはトップシート11に、分離できないように接続されている。側方部20、22は、本体部の前側と後側の長手方向側縁42、41を超えて幅方向30に延びている。
【0036】
本体部の前側と後側の長手方向側縁42、41とは、本発明の説明から、側方部が取り付けられ、側方部がそこから延びる、本体部の長手方向の端部領域であることは理解されるであろう。
【0037】
こうして、本体部の前側と後側の側縁42、41の長手方向の長さは、失禁用使い捨ておむつ2の前側領域6と後側領域8の長さも画定する。
【0038】
これにより、“側縁”と“長手方向側縁”という用語は、本明細書を通して同じ意味に使用されていることが明らかであろう。
【0039】
側方部20、22は、失禁用使い捨ておむつ2の装着状態で相互に結合されるように設計されており、周方向に連続な、衛生用品の臀部領域を形成するようになっている。この時、本体4の片側に設けられた側方部20、22同士が互いに結合される。そのために、後側の側方部20には、脚周り開口に近い機械的止着手段32と、脚周り開口から遠い機械的止着手段33が設けられ、これらは特に面ファスナのような機械的止着補助具を有していて、前側と後側の側方部20、22の外面に取り外し可能に固定することができる。好ましくは、止着手段は本体部の外面にも取り外し可能に固定できる。前側の側方部22と後側の側方部20のいずれも不織布材料で形成されており、図示した例では、チェコ共和国ズノイモ、プリメチカ(Primeticka 86, 66904 Znojmo, Czech Republic)のぺガスa.s.社製のPPスパンボンド不織布Pegatex S(登録商標)で形成されている。前側側方部の不織布材料の坪量は、30g/mである。不織布材料を形成する繊維の太さは2デシテックス(dtex)である。止着手段32と前側側方部22の外面との間の腹上保持力は、好ましくは少なくとも58N/25mmである。
【0040】
図示した例の、後側側方部20の不織布材料の坪量は、27g/mである。
【0041】
後側側方部の不織布材料の引裂き伝搬抵抗は、長手方向28に測定して、
Fm:7.0N
Fm.sp:7.2N
Fsp:9.8N
である。
【0042】
止着手段32、33と後側側方部20の外面との間の腹上保持力は、止着手段32、33と前側側方部22の外面との間の腹上保持力より小さい。
【0043】
図1からわかるように、後側側方部20は前側側方部22よりも大きい表面積を有している。
【0044】
このように、前側と後側の側方部は、少なくとも3つの基本的性質において異なっている。すなわち、坪量と、止着力と、表面積である。
【0045】
止着力が前側と後側の側方部とで異なることは、好ましくは使用者に止着手段32、33を前側の側方部22で固定するようにさせ、これはおむつの着具合にとって都合がよい。図1から更にわかるように、脚周り開口部50は、股下領域に向かって曲線状となっていて後側側方部の脚周り開口領域51を形成する後側側方部20と、本体部の脚周り開口領域53を有する本体部の砂時計型の輪郭と、前側側方部の脚周り開口領域52を有する前側側方部22の、股下領域に面し幅方向30に平行に延びている横行端55とによって、形成されている。ここで、砂時計型の輪郭をした本体部4というのは、本体部4が股下領域10で任意の形状で狭まっていることを意味している。つまり、任意の曲線形状、および任意の非曲線すなわち曲線に限定されない形状によって、本体部4の股下領域10が、本体部の前側領域6および/または後側領域8よりも幅方向30に狭くなっていることを意味している。
【0046】
後側側方部20と本体部4の輪郭取りは、本発明では、各場合において単一の裁断により形成される。つまり、それぞれの側を1回で裁断する。これは、後側側方部20と本体部4とにおいて行なわれ、分離される側縁部から本体部までの材料を連続的に案内されたプロセスで裁断する。こうして、脚周り開口50は、輪郭取りされた後側側方部の脚周り開口領域51と、輪郭取りをしないままの前側側方部の脚周り開口領域52と、輪郭取りされた本体部の脚周り開口領域53とで構成される(図2a)。
【0047】
図2aには、脚周り開口に近い、間隔Cにある止着手段32の位置と、長さ対幅の比R=A/Bも示されている。図2aが煩雑になるのを防ぐために、本発明によるパラメータを決定する上で必要な間隔A、B、Cを含む、後側側方部20を図2bに再度表示してある。後側の側方部20は、本体部の後側側縁41に対応する内端60と、外端61と、上端63と、後側側方部の脚周り開口領域の輪郭を成す下端64とに囲まれている。上端63と下端64は、内端60を外端61へ繋ぐ。内端60と外端61は好ましくは相互に平行になっている。より好ましくは、内端60および/または外端61は、失禁用使い捨ておむつの長手方向28に少なくとも部分的に平行となっている。内端60は、好ましくは外端61よりも長手方向28により大きな長さDを持っている。
【0048】
本発明においては、間隔Aは、下端64の長手方向28での最大長さとして定義される。間隔Bは、後側の側方部の幅方向30への最大長さとして定義される。すなわち、内端60と外端61との間の幅方向への最大距離であり、したがって、側方部の幅となる。間隔Cは、脚周り開口に近い止着手段32と下端64との間の長手方向28に測った最小距離として定義される。
【0049】
図3は、本発明による別の側方部の形状を示している。ここでは、下端64の最大長さAは、下端64の輪郭が実際の最大値となっている外端61と内端60の間の地点において、長手方向に計測される。
【0050】
図2a、2bに示す図の場合、Aは55mm、Bは225mmであり、したがって、Rは0.24である。内端50の長さDは350mmである。脚周り開口に近い止着手段32は、製造時に、後側側方部の下端54からの間隔C=16mmという非常に近い位置に固定されている。
【0051】
後側側方部の引裂き強度は、64.5Nである。比較のために、同一材料で製造され、同一の最大側方部長さと幅を持ち、側方部が長方形輪郭(国際公開第2005102241号パンフレットに図示されているような)を有する、比較用おむつの側方部の引裂き強度を測定した。後側側方部のPPスパンボンド不織布の坪量は30g/mmで、これのみが少しだけ、すなわち約3g/mm程、本発明による上記のおむつの側方部より重かった。この比較用おむつの側方部の引裂き強度は、僅かに38.8Nであった。このことは、Rの値が小さい僅かな曲線輪郭付けであっても、側方部の引裂き強度に対してははっきりとした効果を有することを示している。
【0052】
本発明においては、側方部の引裂き強度は後で述べる試験方法によって測定される。
【0053】
本発明においては、引裂き伝搬抵抗は、DIN EN ISO 13937−2で規定されている試験方法による引裂き伝搬強度として測定される。この規定から外れているものとして、試料長さは150mmであった。中央の切り込みは、深さ50mmである。変形速度は、200mm/minに設定された。計測には電子装置を用いた。DIN EN ISO 13937−2の規定とは違って、少なくとも0.2Nの力の上昇または降下のあるものをピーク値として評価した。このようにして、上ピーク力と下ピーク力とから、Fm.spを決定した。ピーク力の算術平均値Fm.spの他に、各試料のすべての上ピーク力の最大値Fspと、評価対象の力の特性曲線の全体から算出した平均力Fmも決定した。
【0054】
図4は、側方部を形成するスパンボンド不織布材料の引裂き伝搬抵抗の測定値をグラフで示したものであり、坪量のみが互いに異なる材料についての結果である。これらの材料で製造された、本発明による失禁用使い捨ておむつの側方部引裂き強度は、側方部材量の引裂き伝搬抵抗の低下と共に減少する。しかしながら、引裂き伝搬抵抗Fmの測定値が4.9である、坪量16g/mのスパンボンド不織布は、本発明による側方部の輪郭取りと組合せることにより、止着手段が製造時に側方部の下端から5cm未満の場所に固定されているにも拘らず、おむつとしての側方部の引裂き強度仕様を満たすことが判明した。ここで明らかに言えることは、坪量を少なくとも16g/mとするだけでは、必要な引裂き伝搬抵抗を確保するための十分条件に全くなりえないということである。むしろ、不織布材料の坪量を変えることが、それ以外の不織布の特性を変えないで、引裂き伝搬抵抗を変えるためのもっとも単純な方法である。不織布材料の強度に影響を与えるそれ以外の数少ない選択肢として、不織布を形成するプロセスの種類と、使用される高分子と、場合によって使用する結合剤とがあり、それ自体は当業者には良く知られている。
【0055】
図5は、本発明による失禁用使い捨ておむつの製造方法の詳細を模式的に示す。切れ端62を除去するために、ウェブが転写ロール1000へ案内される。このロールは、脚周り開口領域50の両側を輪郭取りするために場所74に配置された切断ロール(図示せず)の下流に配置される。このロールによって、後側の側方部と本体部からの一続きの切れ端62が工程ラインから排除される。このために、転写ロール1000は、ピン状の機械要素1020を有し、これがゾーンを形成するように配置されて、切れ端62を把持する。切れ端は、特に転写ロール1000で把持された後、表示のみが示されている吸引装置1010によって、吸引、除去される。
【0056】
図6は、好ましくは150〜350mmであり、特に190〜300mmである、切れ端62の幅方向の長さlを模式的に示す。ここで縮尺は正確ではない。本体部から裁断される切れ端の領域62cの長さlは、好ましくは長手方向に110〜500mmであり、特に200〜450mmである。更に好ましくは、本体部から裁断される切れ端の領域62cの幅方向の長さlは、5〜100mmであり、特に8〜70mmであり、更には特に10〜60mmである。更に好ましくは、後側および/または前側の側方部から裁断される領域62aの長手方向の最大長さlは、20〜180mm、特に30〜100mmである。
【0057】
本発明はこのように、本体部に取り付けられた前側と後側の側方部を有し、その使用に十分な側方部の引裂き強度を有し、また装着と着用に十分な快適性が考慮された、失禁用使い捨ておむつを初めて提供することに成功した。
側方部引裂き強度試験方法
【0058】
失禁用使い捨ておむつを、本体部を幅方向で破断して、後側の側方部の下60cmで(切断又は穿孔により)分離する。下側部分を含む試験片を引張り試験装置(図7、8を参照)に固定する。
【0059】
測定時に試験片は、使用者の背中部分の丸みを模擬した曲面100(曲率半径19cm)の上に内側面を載せて引張り試験器(図7、8参照)に固定される。図に示したのは、右側の後側側方部の試験である。左側の後側側方部の試験を行なう場合には、試験装置および配置を鏡面対称の構成にする。
【0060】
試験片が、側方部20の内端から(幅方向に)60mmの距離でその全長に亘って固定クランプ101で固定されるように、製品を装置内に固定する。可動クランプ102を、側方部20の外端の下端で、長さ60mm、幅30mmの領域で固定する。曲面100は前傾(傾斜)させて、側方部がこの後の引張り試験の間、曲面上に載っているようにする(図8参照)。可動クランプ102を制御して矢印104の方向に移動させることにより、引張り試験を遂行する。可動クランプ102が失禁用製品の本体部から離れる方向に機械的に移動する試験速度は、1800mm/minである。この場合、0.2N(ニュートン)の初期力がかけられる。側方部が少なくとも長さ5cmほど裂けると試験は終了する。全体としては、最小でn=5回の試験が行なわれなければならない。評価のために、各引張り試験で測定されたNを単位とする最大力が平均化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開型の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)であって、
前側長手方向側縁(42)を有する前側領域(6)と、後側長手方向側縁(41)を有する後側領域(8)と、長手方向(28)でその中間にあり、使用者の脚の間に入る股下領域(10)と、を備える本体部(4)と、
前記後側領域(8)の両側に取り付けられた後側の側方部(20)と、
前記前側領域(6)の両側に取り付けられた前側の側方部(22)と、
を備え、
前記本体部(4)は、吸収パッド(12)を備え、
前記後側の側方部と前側の側方部は、前記本体部(4)の前記前側および後側長手方向側縁(42、41)を越えて幅方向(30)に延び、
前記後側側方部(20)は、脚周り開口の近くにあって止着補助具を有する第1の止着手段(32)を有し、前記止着手段(32)は少なくとも前記前側側方部(22)の外面に取り外し可能に固定することができ、その結果前記前側領域(6)と前記後側領域(8)とを結合することが可能であり、
前記前側側方部(22)の前記股下領域(10)に面する横行端(55)は、前記幅方向(30)に対して実質的に平行に延び、後側側方部の脚周り開口領域(51)を形成するために前記後側側方部(20)が、少なくとも前記股下領域(10)に面する側において前記長手方向(28)に対して斜めに延びた形、または曲線状に形成され、
前記後側側方部(20)の側方部脚周り開口領域(51)の長さ対幅の比Rは、0.1〜0.4であり、前記後側側方部を形成する材料の引裂き伝搬抵抗Fmは、前記おむつの長手方向で少なくとも4.0Nであり、前記脚周り開口に近い前記止着手段(32)の前記後側側方部の下端からの間隔Cは、多くとも5cmである、
ことを特徴とする、吸収性の失禁用使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記後側側方部(20)の側方部脚周り開口領域の前記長さ対幅の比Rは、少なくとも0.15であり、特に0.18〜0.35であり、更に特に0.20〜0.32であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項3】
前記脚周り開口に近い前記止着手段(32)の前記後側側方部の下端からの間隔Cは、多くとも4cmであり、特に多くとも3.5cmであり、更には特に多くとも3.0cmであり、かつ更には特に少なくとも0.5cmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項4】
前記後側側方部は、臀部から離れた場所にあり、止着補助具を備えた、少なくとももう1つの止着手段(33)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項5】
前記後側側方部を形成する材料の前記引裂き伝搬抵抗Fmは、前記おむつの長手方向で少なくとも5.0N、特にすくなくとも6.0Nであり、特に少なくとも6.5Nであり、かつ更には特に多くとも10Nであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項6】
前記後側側方部を形成する材料の前記引裂き伝搬抵抗Fm.spは、前記おむつの長手方向で少なくとも5.5Nであり、特に少なくとも6.0Nであり、特に少なくとも6.5Nであり、更には特に少なくとも7.0Nであり、かつ更には特に多くとも12Nであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項7】
前記後側側方部を形成する材料の前記引裂き伝搬抵抗Fspは、前記おむつの長手方向で少なくとも5.5Nであり、特に少なくとも6.0Nであり、特に少なくとも6.5Nであり、更には特に少なくとも7.0Nであり、かつ更には特に多くとも12Nであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項8】
前記後側および/または前側の側方部(20、22)は、不織布材料で形成されているか、不織布材料を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項9】
前記後側および/または前側の側方部(20、22)の、前記おむつの前記本体部の側縁を越えて前記幅方向に延びる長さは、10〜40cmであり、特に12〜30cmであり、更には特に13〜25cmであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項10】
前記後側側方部(20)の長さ、すなわち前記おむつの長手方向への前記後側側方部の長さは、少なくとも10cmであり、特に少なくとも15cmであり、更には特に少なくとも18cmであり、更には特に少なくとも22cmであり、かつ更には特に多くとも45cmであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項11】
前記前側側方部(22)が長方形の輪郭を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の吸収性の失禁用使い捨ておむつ(2)。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の失禁用使い捨ておむつ(2)の製造方法であって、
前記失禁用使い捨ておむつ(2)の両側に脚周り開口領域(50)の輪郭を形成するために、既に止着手段(32)が設けられた前記後側側方部(20)と前記本体部(4)に対して連続的または準連続的に案内された裁断工程がそれぞれの側に対して別々に実行されて、除去されるべき切れ端(62)が、前記後側側方部(20)と前記本体部(4)から一続きとなって形成され、結果として、前記脚周り開口に近い止着手段(32)の前記後側側方部(20)の下端からの間隔Cが形成される方法。
【請求項13】
前記切れ端(62)は、ピン状、こぶ状、鉤状、またはとげ状の機械要素(1020)が表面から突出している転写ロール(1000)によって、把持され、かつ除去されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記切れ端(62)を把持するために、前記転写ロール(1000)に負圧補助手段を利用することを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記切れ端(62)の幅方向の長さlは、150mm〜350mmであり、特に190mm〜300mmであり、
前記本体部から裁断される前記切れ端の領域62cの長手方向の長さlは、110mm〜500mmであり、特に200mm〜450mmであり、
前記本体部から裁断される前記切れ端の領域62cの幅方向の長さlは、5mm〜100mmであり、特に8mm〜70mmであり、更には特に10mm〜60mmであり、
前記後側側方部から裁断される領域62aの長手方向の最大長さlは、20mm〜180mmであり、特に30mm〜100mmである、
ことを特徴とする、請求項12、13、又は14に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−521230(P2012−521230A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501182(P2012−501182)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001820
【国際公開番号】WO2010/108661
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】