説明

備蓄倉庫などのプレハブ式建物の間仕切り装置

【課題】 建物に組立て式で固定でき、しかも、斬新な構造の、備蓄倉庫などのプレハブ式建物の間仕切り装置を提供する。
【解決手段】 間仕切りパネル3の上端部をプレハブ式建物に張設した支持杆7,8に重ね合わせ、該支持杆7,8に設けた透孔9を通じて前記上端部に設けたねじ穴13に接続ボルト14を螺合、締付ける。そして、前記間仕切りパネル3の下端は、該下端に突設した脚杆12を前記プレハブ式建物の床材1dに形成した透孔10に嵌挿する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、震災時に、プレハブ式の備蓄倉庫を小部屋に区画してトイレに転用するに際して適用する、備蓄倉庫などのプレハブ式簡易建物の間仕切り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天井面と床面にそれぞれ一対のL形金物の一片をビスで固着し、他片間で構成される間隙内に間仕切りパネルの上下の端部を係合するようにした構造のものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−129829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例は、間仕切りパネルを、上下の両端部においてL形金物で構成する間隙に単に係合させて支持させるようにしているので、外力を加えると、間仕切りパネルは幅方向に容易に動き、騒音を発生し、また、間隙の長手方向に摺動する虞もあり、いずれにしてもこれらの動きを規制する手段を別途施す必要がある。
【0005】
本発明は、このような欠点のない斬新な構造の、備蓄倉庫などのプレハブ式建物の間仕切り装置を提供することを目的として創案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
間仕切りパネルの上端部を備蓄倉庫などのプレハブ式建物に張設した支持杆に重ね合わせ、該支持杆に設けた透孔を通じて前記上端部に設けたねじ穴に接続ボルトを螺合、締付けると共に、前記間仕切りパネルの下端に突設した脚杆を前記プレハブ式建物の床材に形成した透孔に嵌挿した構成とするのである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、床材に設けた透孔に脚杆を嵌挿させ、上端部側は支持材に重ね合わせるだけで、間仕切りパネルを仮止め状態に置くことができ、従って、間仕切り形成作業を簡単に行え、パネル施工後は、間仕切りパネルは建屋側に固着され、外力の負荷による動きによる騒音の発生のない間仕切り状態を提供できる。また、パネル施工前は屋内に無用の突出物がなく、従って、物品を、備蓄する備蓄倉庫に適用するに好適である。
【実施例】
【0008】
図面は本発明に係る備蓄倉庫などのプレハブ式建物の間仕切り装置の一実施例を示し、図1は本発明を適用したトイレの略示平面図、図2は図1の一部拡大図、図3は図1の一部欠截拡大図、図4は図1のa−a線拡大断面図である。
【0009】
実施例は、震災に備えて物品を備蓄しておくために用いる備蓄倉庫A´を、震災時に集合トイレAに転用するに際し、備蓄倉庫A´の屋(庫)内を複数のトイレ室4に仕切るために本発明を適用したもので、前記備蓄倉庫A´は、前壁1a、後壁1b、左右の側壁1c,1cおよび床材1d並びに図示省略した屋根材を互いに組付けて構成し、前壁1a部に装置した開閉扉2を開放することにより出入して、適宜の物品を収納、備蓄し、震災に備えるために用いるのである。
【0010】
そして、震災時には、間仕切りパネル3によって前記前壁1a等で取り囲まれた空間域を複数個の前記トイレ室4,…に分ち、各室4に便器5および該便器5に連通させた排水ホース6を装置し、ホース6の先端を前記後壁1bを通じ外部(屋外)に導出し、前記集合トイレAを構成するようにしたものである。
【0011】
この集合トイレAのトイレ室4を構成する前記パネル3の設置位置に、両端を前記側壁1c,1cに図示省略した止着手段で止着した横支持杆7と、該横支持杆7と前記後壁1bに端部を止着して、側壁1c,1c間に複数本並べた縦支持杆8を張設してパネル支持枠78と成し、該パネル支持枠78の各支持杆7,8は、水平部片7a,8aと垂直部片7b,8bとで成る断面L形の形鋼で成り、垂直部片7b,8bの適所に設けた横長の長孔9を設けたものである。
【0012】
また、これら支持杆7,8(の水平部片7a,8a)の直下位置の前記床材1d部の適所には透孔10を設け、前記間仕切りパネル3の下端に突設した脚杆12を嵌挿するようにしてある。
【0013】
間仕切りパネル3は上端部側に支持杆7,8の前記垂直部片7b,8bに設けた長孔9に対応する位置に存するようにしてナット材11を埋め込んでねじ穴13を設け、下端には前記透孔10(床材1bに設けた)に対応するように前記脚杆12を設けたものである。
【0014】
横支持杆7と該支持杆7の長手方向に並設した複数本の縦支持杆8,…で成り、端部を前記の通り、後壁1bと側壁1c,1cとに止着して倉庫A´内に張設したパネル支持枠78の縦支持杆8に間仕切りパネル3を組付けるには、パネル3に設けた脚杆12を床材1bに設けた透孔10に嵌挿してパネル3を起立させ、縦支持杆8の垂直部片8bに設けた長孔9を通じて摘み付の接続ボルト14の先端をねじ穴13に螺合、締付けるようにすることにより行うことができ、間仕切りパネル3は前記支持杆8の直下に組付けられて備蓄倉庫A´を区画する。
【0015】
なお、パネル支持枠78の横支持枠7部には、トイレとしてのドア17を装置し、該ドア17以外の部分には前記間仕切りパネル3と同様の間仕切りパネル3´を配置して各トイレ室を密室状態におけるようにしてあるが、本件発明の説明(実施例の)としては前記縦支持杆8と間仕切りパネル3の関係を前記の通り述べれば充分なのでその説明は省略する(間仕切りパネル3を縦支持杆8と床材1bに組付けたと同様の構成で、間仕切りパネル3´は横支持杆7に組付けてあることは勿論である)。
【0016】
なお、横支持杆7と縦支持杆8は図示省略してあるが、互いにビス止めしてある。
【0017】
また、縦支持杆8の水平部片8aの末端には立上り部片8a´を設け、該立上り部片8a´は後壁1bとビス止め(図示省略)してある。
【0018】
間仕切りパネル3の前記後壁1b側の端末は、後壁1bに一片19aをボルト止め18した断面L形のコーナ部材19の他片19b,19b間に係合して組付け状態の補強としてある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用したトイレの略示平面図。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1の一部欠截拡大図。
【図4】図1のa−a線拡大断面図。
【符号の説明】
【0020】
1d 床材
3 間仕切りパネル
7 横支持杆
8 縦支持杆
9 長孔
10 透孔
12 脚杆
13 ねじ穴
14 接続ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間仕切りパネルの上端部を備蓄倉庫などのプレハブ式建物に張設した支持杆に重ね合わせ、該支持杆に設けた透孔を通じて前記上端部に設けたねじ穴に接続ボルトを螺合、締付けると共に、前記間仕切りパネルの下端に突設した脚杆を前記プレハブ式建物の床材に形成した透孔に嵌挿した、間仕切り装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−121106(P2009−121106A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295300(P2007−295300)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000005005)不二サッシ株式会社 (118)