説明

傾斜面における蓋受け枠の施工方法

【課題】 傾斜面において、高流動性充填材を、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に、最小限1回で充填することができ、それによって施工時間の短縮
と、高品質な施工を可能にする。またアスファルト系の材料を表層材として充填するような場合に、施工面において、表層を一様な厚さで形成することを可能にする。
【解決手段】 傾斜面に蓋受け枠を傾斜面とほぼ一致するように設置するための施工方法であって、蓋受け枠13の上端部14と、その蓋受け枠13の周囲を取り囲む傾斜面10の内壁11の上縁部12に、シール手段24を介して、覆い板23をかぶせることによ
り、蓋受け枠13とその周囲を取り囲む傾斜面10の内壁11との間の空間15を密閉
し、当該空間15に高流動性充填材22を充填し、傾斜面10とほぼ一致する傾斜を持った施工面20を得るものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜面に蓋受け枠を傾斜面とほぼ一致するように設置するための施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンホールなどの地下構造物を例えば道路に設置する場合、アスファルトのように転圧工程を必要としない施工方法として知られている、高流動性の充填材であるモルタルを使用することができれば、施工時間の短縮となり有利である。またそのような工法も、特開2004−3309号として公知である。しかし、道路が傾斜していればマンホールなどの地下構造物も傾斜面sの一部となるように傾斜させて設置することになる。このような場合に、上記の工法では、高低差によりモルタルmが低い方に流れるため、図13に示すように高い方では隙間gがより大きくなり、全体にモルタルmを行き渡らせることが困難である。
【0003】
これに対して特開2005−9265号のものは、モルタル充填空間に、最初高流動性の無収縮モルタルmを充填し(図14)、それが硬化した後で、表層用モルタルtを充填し、コテ仕上げによる手直し作業を行う工法を開示している(図15)。従って、後の工法では下層のモルタルmが硬化するまで上層のモルタルtを充填できず、またコテ仕上げも必要であるから、高流動性のモルタルmを用いたことによる、施工時間の短縮というメリットは余り生かされない。また、2種類のモルタルを用意しなければならないので面倒であり、上層のモルタルから成る表層材が2〜3cm以下では強度が不十分となり、車両通過時の衝撃で表層材にクラックが入るおそれがある。コンクリート系表層材の道路で
は、一般的に7〜10cm程度の厚さを必要とし、浅い多層打ちは好ましくないとされている(舗装設計施工便覧、平成15年8月6日初版第3刷、日本道路協会発行。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−3309号
【特許文献2】特開2005−9265号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、傾斜面において、高流動性充填材を、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に、最小限1回で充填することができ、それによって施工時間の短縮と、高品質な施工を可能にすることである。また本発明の他の課題は、例えばアスファルト系の材料を表層材として充填するような場合に、施工面において、表層を一様な厚さで形成することができる蓋受け枠の施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、本発明は、傾斜面に蓋受け枠を傾斜面とほぼ一致するように設置するための施工方法について、蓋受け枠の上端部と、その蓋受け枠の周囲を取り囲む傾斜面の内壁の上縁部に、シール手段を介して、覆い板をかぶせることにより、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉し、当該空間に高流動性充填材を充填し、傾斜面とほぼ一致する傾斜を持った施工面を得るという手段を講じたものである。
【0007】
本発明は地下構造物の蓋受け枠の施工のための工法であり、特に傾斜面に設置される蓋受け枠を、短い施工時間で、高い品質を保って施工するもので、そのために蓋受け枠の上端部とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を、覆い板を用いて密閉し、密閉されている空間に高流動性充填材を充填する、という方法を取る。本発明で想定している高流動性充填材は、J-14ロートで8秒内外のものであり、これは1mm程度の隙間にも流れ込む、ポタージュスープ程度の流動性がある。それを、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間にのみ行き渡らせ、他には漏れ出ないようにするため、本発明では、蓋受け枠の上端部と、傾斜面の内壁の上縁部にシール手段を介在させて覆い板をかぶせ空間を密閉する、という手段を用いている。
【0008】
このためのシール手段は、覆い板と、蓋受け枠の上端部又は傾斜面の内壁の上縁部との間をシールするもので、施工時、薄ければ薄いほど良い。何故なら、シール手段の厚さ
は、覆い板と、蓋受け枠の上端部又は傾斜面の内壁の上縁部との間隔となるため、その厚さ分だけ充填材の厚さが増し、蓋受け枠の上端部或いは傾斜面の内壁の上縁部よりも高くなり、脱形後段差を生じて好ましくないからである。このような高流動性充填材の漏れ止めを行うシール手段としては、例えば発泡性樹脂を発泡させたスポンジ状部材を使用することができる。スポンジ状部材には連続気泡を持ったものと、独立気泡から成るものとがあるが、後者の方がより適当であり、その高圧縮性及び弾性を利用して目的とする密閉性を得る。スポンジ状部材の具体的な例では、障子の隙間テープや、粘着層の厚いテープなどを使用することができる。
【0009】
覆い板は、高流動性充填材の充填圧力に耐える剛性と、傾斜面が波打っているような場合にそれに追従する可撓性(変形追従性)との二つの性質を有しているものであることが望まれる。この目的を満たす覆い板の材質としては、プラスチックや木材及び紙があり、プラスチックの場合には塩化ビニル製のもの或いはアクリル製のものが適当である。さらに透明であれば充填材の充填状況も外部から観察することができるので、漏れの発見や予見も容易である。プラスチックシートの場合、板厚は数ミリもあれば十分である。また木材についてはベニヤ板、紙材については段ボールを使用可能である。
【0010】
本発明に係る蓋受け枠の施工方法では、蓋受け枠とそれを取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を、シール手段を用いて覆い板により密閉することにより、最少で一層の充填材を打設し、施工を完了することができる。さらに、必要がある場合には、2層又はそれ以上の多層打ちも可能である。その場合、本発明では、覆い板をかぶせることにより蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉する際に、覆い板の内側にスペーサーを配置し、当該空間に高流動性充填材を充填することにより、スペーサー相当分の空所を形成し、その後スペーサー相当分の空所に所望の充填材を充填し、傾斜面とほぼ一致する傾斜を持った施工面を得るという工法を取ることが望ましい。施工面は、覆い板を取り除くことにより現れる、ということは施工面に覆い板の表面が転写されるということであるので、プラスチックシートに普通に見られる平滑な表面を持つ材料を使用した場合には、施工面がつるつるとなることが予想される。そこで本発明では、脱形後つるつるの施工面を、粗面化する工程を加えることができる。また、粗面が形成されている覆い板を使用して施工し、粗面から成る施工面を得ることも勿論可能である。粗面化により、スリップ防止対策を施すことができる。
【0011】
さらに本発明は、多層打ちを、スペーサーを用いて行うことも特徴とする。スペーサーは覆い板の内側に配置することが条件であるが、どのように配置するか、は自由である。スペーサーは、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に、充填材を打設したときに充填材によって押し上げられ、覆い板の内側に移動する浮動式スペーサー又は移動式スペーサーを使用することも可能である。浮動式は浮力に依存し、移動式は浮力に依存せず圧力で押し上げられるものも含む。また、スペーサーとして、覆い板の内側に固定され、蓋受け枠とその周囲の空間の最上位に配置される部材を、覆い板と一体に設けたものを使用することも可能である。
【0012】
このような変化例の必要性は、例えばアスファルト舗装された道路に蓋受け枠を施工する場合に生ずる。アスファルト舗装道路に蓋受け枠を設置する場合、埋め戻しにはモルタルを使用し、表層材にアスファルト系の材料を使用するのが一般的であるが、埋め戻し部の高流動性充填材は、傾斜面とは無関係に水平となる。故に、図14に示したように傾斜面の低い方では表層材は薄くなり、高い方では厚くなり、本来、均一な厚さで施工されることを前提に配給されている表層材の性能が十分には発揮されず、アスファルト系表層材でも割れや剥離、沈下が発生することとなる。このような問題を除くために、本発明で
は、スペーサーを用いて、本来の均一な厚さで表層材を充填可能にする方法を取るものである。
【0013】
これまでの例では、覆い板は、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉するとのみ説明し、蓋受け枠の開口部についてはこれを覆うかどうかまで言及していないが、この点はどちらを選択しても良い。蓋受け枠の開口部を覆う場合、覆い板は1枚の平板状のもので良いが、蓋受け枠の開口部を覆わずに、その内部を露出させる場合には、そのための開口が必要となる。開口を設けることにより、高流動性充填材が漏れていないかどうかなどの状態をより観察し易くなる。
【0014】
覆い板は、シール手段を介して蓋受け板の上端部及びその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉する。そのために、密閉した状態を、充填材充填完了まで保持して置く手段が必要である。この保持手段は、最も単純には、覆い板を要所で押さえて置く重錘の形態を取る。その他、シール手段に接着性を持たせて接着保持の形態を併用することも可能であり、更には蓋受け枠にフックボルトなどを引っ掛け、フックボルトの他端を覆い板にナット等を用いて締め付けるような方法も取り得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、傾斜面において、高流動性充填材を、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に、最少1層の充填材を充填することができるものであるから、施工時間を最短に短縮することができ、かつまた高流動性の充填材について、仕様通りの作業を実施することができるので、高品質な施工が行えるという効果を奏する。また、本発明によれば、スペーサーを用いて上部空間を形成し、そこに、例えばアスファルト系の材料による表層材を充填することもできるから、一様な厚さの表層を形成する施工が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。図1ないし図4は、本発明に係る傾斜面における蓋受け枠の施工方法1の実施形態に関し、工程を、順を追って示すものである。
【0017】
<装置的構成>
図1において、10は傾斜面、11は蓋受け枠を囲む内壁、12はその上縁部、13は上記の蓋受け枠、14はその上端部を示しており、蓋受け枠13とそれを取り囲む内壁11との間には、空間15が形成されている。蓋受け枠13は、下枠16及び高さ調整枠17にボルト18、ナット19を用いて締結され、その上端部14が、傾斜面10とほぼ一致する状態に据え付けられている。従って、空間15の底21も傾斜させてあり、この空間15に高流動性充填材22を満たして蓋受け枠13の周囲を埋め戻すには、覆い板23によって空間15を密閉する必要がある。
【0018】
この例の場合、覆い板23は透明な塩化ビニルの板材で厚さ3mmのものを使用しており、シール手段24には市販のスポンジ状部材から成る所謂隙間テープを使用している。従って、覆い板23は、シール手段24を加圧して十分に圧縮させた状態になっており、この状態が傾斜面10の内壁全周において続いていて、また蓋受け枠13の上端部14においてもシール手段24により同様の密閉状態が得られている。高流動性充填材22としては、転圧の必要のない高流動性の無収縮モルタルを使用する。
【0019】
<施工方法1>
図1は、空間15を、シール手段24を介して密閉し、空間15に通じる漏斗25を覆い板23に取り付け、さらに覆い板23を充填材充填完了まで保持しておく手段26として土のうを要所に乗せて覆い板23の配置を完了した状態を示す。なお、27は内型枠を示す。このような準備完了状態にある施工部について、図2に示すように、無転圧の高流動性充填材22を、漏斗25を通して充填する。空間15は密閉されており、漏斗25にはその空間15の最上位付近から高流動性充填材22が空間内に導入され、ほぼ完全な条件のもとで充填が行われる。なお、空気抜きは特に設けなくても良いし、又必要であれば設けても良い。
【0020】
その後、高流動性充填材22の流動性がなくなり、ほぼ硬化したなら、覆い板13の保持手段26である土のう及び覆い板13を取り出すと施工面20が露出する(図3)。さらに、シール手段24を取り除きコテを用いて傾斜面10との境界部分のすり合わせや、充填材投入口の余剰充填材を除去し、仕上げを行う。なお、余剰充填材で硬化を直接確認できるので、覆い板13を取り外しても充填材22が流動するようなことはない。施工面20を粗面化する必要がある場合には、この段階で実施することができる。例えば、箒等を用いて凹凸を付ける表面仕上げはこのための手段として好適である。
【0021】
かくして蓋受け枠13は、傾斜面10にその傾斜とほぼ一致した状態で打設されている高流動性充填材22によって固定され、図外の蓋体を用いて閉じることにより、その表面は傾斜面10の一部となる(図4)。打設されている高流動性充填材22は、蓋受け枠13と内型枠等で囲まれた内周側と、傾斜面10の内壁11で囲まれた空間15に余す所なく入り込んで固結し、一体化して強固な環状構造を形成している。よって、施工時間は短く、施工品質も高品質となる。
【0022】
上記の施工方法1では、表層まで無転圧の高流動性充填材を用いた施工例について説明した。これに対し、例えばアスファルト道路に本発明に係る施工方法を実施する場合、下層材にはモルタルを使用し、表層材にはアスファルト系の材料を使用するのが一般的であるので、次に後の例について施工方法2として説明する。
【0023】
<施工方法2>
図5は、覆い板23をかぶせて、蓋受け枠13とその周囲を取り囲む傾斜面10の内壁11との間の空間15を密閉する際に、覆い板23の内側(下側)に、浮動式のスペーサー28を配置した状態を示す。この浮動式スペーサー28は、高流動性充填材22のそれよりも小さい比重を持ち、高流動性充填材22の充填により浮いて押し上げられ、覆い板23の下面に押し付けられる状態となるもので、図5ないし図9に示す例では、内周が円形蓋受け枠13の外周に、また外周は傾斜面10の内壁11の内側に夫々嵌まり込んで、上下に摺動可能な形態を有している。
【0024】
図5の場合、蓋受け枠13とその周囲を取り囲む、傾斜面10の内壁11との間の空間15を上下に分け、その上部空間15″を形成すべき上部に、上記の如く浮動式スペーサー28を配置し、その上で、図1におけるのと同様に、空間15をシール手段24を介して密閉し、下部空間15′に通じる漏斗25を覆い板23に取り付け、さらに保持手段26の土のうを要所に乗せて覆い板23を固定した状態を示している。漏斗25のパイプ部分は浮動式スペーサー28を貫いてその下に達している。
【0025】
従って、漏斗25を通して高流動性充填材22を充填すると、同充填材22は浮動式スペーサー28の下部空間15′を満たして行き(図5)、浮動式スペーサー28に充填材上面が達するとこれを押し上げて、下部空間15′に充満する(図6)。その後高流動性充填材22の流動性がなくなり、ほぼ硬化したなら覆い板23を取り外し、かつまた浮動式スペーサー28も撤去する(図7)。高流動性充填材22の硬化時期を、漏斗部の余剰充填材の状態で判断できることは、前記施工方法1の場合と全く同様である。そして浮動式スペーサー28を撤去すると、硬化している高流動性充填材22の上には上部空間15″を生じる(同じく図7)。
【0026】
本発明に係る施工方法2の例では、高流動性充填材22の上の上部空間15″に、アスファルト系の材料29を充填する。高流動性充填材22の充填が無転圧で行われるのに対して、アスファルト系の材料29は転圧によって充填しても良い(図8)。いずれの場合でも、アスファルト系の材料29によって表層を形成した施工面30から成る仕上げ状態を得ることができる(図9)。同図に見るように、本発明によれば、表層材を全体として均一な深さにすることが可能となり、仕様として必要な条件を容易に満たすことができるので、割れや剥離、沈下などの発生を防止し、高品質の施工が保証される。
【0027】
図10は、覆い板23として、蓋受け枠13の開口部内を露出させる開口31を設けたものを使用して、本発明に係る方法2を施工する例を示す。このような覆い板23を使用することにより、蓋受け枠内を良く観察することが可能になり、特に高流動性充填材22などの漏れの有無や量、状態等を把握しやすくなるので、工程の管理をより容易かつ正確に行えることになる。
【0028】
図11、図12は、スペーサー28の他の例として、覆い板23の内側(下側)に固定して設けられ、覆い板23をセットすると、蓋受け枠13とその周囲の空間15の最上位に配置される、スペーサー部材32を使用した例を示す。同部材32は覆い板23と一体であるから、浮動式スペーサー28のように上方移動せず、また覆い板23を取り外した後で、あらためて浮動式スペーサー28のように取り除く必要がない。上記図10ないし図11は、本発明に使用する器具類のバリエーションの例であり、蓋受け枠の施工方法の内、工程状態の把握の容易化及び、工程の簡易化という面において、本発明のより良い実施形態に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る傾斜面における蓋受け枠の施工方法の1を示す断面図。
【図2】高流動性充填材の充填工程を示す断面図。
【図3】覆い板を取り外す脱型工程を示す断面図。
【図4】施工方法1の施工完了状態を示す断面図。
【図5】本発明の施工方法2を示す断面図。
【図6】浮動式スペーサーが充填材によって押し上げられた状態を示す断面図。
【図7】浮動式スペーサーを取り外す工程を示す断面図。
【図8】表層のアスファルト系材料の充填工程を示す断面図。
【図9】施工方法2の施工完了状態を示す断面図。
【図10】覆い板の変形例を示す断面図。
【図11】スペーサーの変形例を示す断面図。
【図12】図11のスペーサーの使用状態を示す断面図。
【図13】高流動性充填材を空間に充填した状態を示す断面図。
【図14】従来方法において下層モルタルを充填した状態を示す断面図。
【図15】従来方法において上層モルタルを充填した状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0030】
10 傾斜面
11 内壁
12 上縁部
13 蓋受け枠
14 上端部
15 空間
15′ 下部空間
15″ 上部空間
20、30 施工面
21 空間の底
22 高流動性充填材
23 覆い板
24 シール手段
25 漏斗
26 保持手段
27 内型枠
28 浮動式スペーサー
29 アスファルト系材料
31 開口
32 スペーサー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜面に蓋受け枠を傾斜面とほぼ一致するように設置するための施工方法であって、蓋受け枠の上端部と、その蓋受け枠の周囲を取り囲む傾斜面の内壁の上縁部に、シール手段を介して、覆い板をかぶせることにより、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉し、当該空間に高流動性充填材を充填し、傾斜面とほぼ一致する傾斜を持った施工面を得ることを特徴とする傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項2】
シール手段として、高圧縮性のスポンジ状部材を使用する請求項1記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項3】
覆い板として、プラスチック製の透明な板状部材を使用する請求項1記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項4】
蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に高流動性充填材を充填し、その後覆い板を取り外し、得られた傾斜面とほぼ一致する傾斜を持った施工面の柔軟な内に粗面を形成するか、或いは、予め粗面を形成した覆い板を使用し、覆い板を取り外すことにより、施工面に粗面を転写することを特徴とする請求項1記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項5】
覆い板をかぶせることにより蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間を密閉する際に、覆い板の内側にスペーサーを配置し、当該空間に高流動性充填材を充填することにより、スペーサー相当分の空所を形成し、その後スペーサー相当分の空所に所望の充填材を充填し、傾斜面とほぼ一致する傾斜を持った施工面を得ることを特徴とする請求項1記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項6】
スペーサーとして、蓋受け枠とその周囲を取り囲む傾斜面の内壁との間の空間に、充填材を打設したときにそれによって浮上し、覆い板の内側に移動する浮動式スペーサー又は移動式スペーサーを使用する請求項5記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項7】
スペーサーとして、覆い板の内側に固定され、蓋受け枠とその周囲の空間の最上位に配置される部材を、覆い板と一体に設けたものを使用する請求項5記載の傾斜面における蓋受け枠の施工方法。
【請求項8】
覆い板として、蓋受け枠の開口部内を露出させる開口を設けたものを使用する請求項1又は5記載の蓋受け枠の傾斜面における施工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−283360(P2006−283360A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103830(P2005−103830)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000214696)長島鋳物株式会社 (38)
【Fターム(参考)】