説明

充電器、携帯型情報端末のデータ更新システム、方法およびプログラム

【課題】ネットワークに前もって接続しておくことで、携帯型情報端末へのソフトウェア等のデータの転送を短時間に済ませることのできる充電器、携帯型情報端末のデータ更新システム、方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】充電器23はネットワーク接続手段23cで更新サーバ22と接続したとき新しいレビジョンのデータが存在していれば特定データのそれぞれを受信してデータ・レビジョン保持手段23dに保持する。携帯型情報端末21が充電器23に接続されると特定データの改版があったかをレビジョン比較手段23eが判別し、新しいデータがあればこれを携帯型情報端末21に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電池を内蔵した携帯型情報端末の充電器、携帯型情報端末のデータ更新システム、方法およびプログラムに関する。本発明は特にソフトウェアやファイル等の必要な外部データを、携帯電話機等の携帯型情報端末に転送することのできる充電器、携帯型情報端末のデータ更新システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等の充電池を内蔵した携帯型情報端末は、ユーザが携行できる情報端末として広く使用されている。スマートフォン(smartphone)と呼ばれるPDA(Personal Digital Assistant)機能を充実させた携帯型情報端末の普及も著しい。
【0003】
このような携帯型情報端末は、インターネット等のネットワークに接続して、サーバからソフトウェアをダウンロードして、ソフトウェアを最新の状態に保つ必要がある。ところが携帯型情報端末はユーザが携行するので、ユーザが電波状況の悪い場所にいる場合にはサーバとの接続が難しい場合がある。また、ユーザが電車等の交通機関で移動しながら携帯型情報端末を使用すると、電波状況の変化によって携帯型情報端末がサーバとの接続を切断される場合がある。このような場合には、ソフトウェアのダウンロードができなかったり、ダウンロードの途中でサーバとの通信が切断される結果としてソフトウェアの更新に失敗するといった事態が発生する。
【0004】
また、携帯型情報端末の中には電話機能を持たずにメールの送受信やインターネットの閲覧に特化した製品がある。このような携帯型情報端末では、電源としての充電池を長持ちさせるためにメールの送受信やインターネットの閲覧といった装置の使用時のみ電源をオンにすることが通常行われている。したがって、ソフトウェアの自動更新の設定が行われている携帯型情報端末でソフトウェアのダウンロードが終了する前に、ユーザがこれに気付かずに電源を切る場合がある。この場合にもダウンロードが電源の切断によって中止されてしまうのでソフトウェアの更新に失敗してしまう。充電池の電源がソフトウェアの更新の途中でなくなってしまう場合も、同様に更新に失敗する。
【0005】
このような問題を解決するために、本発明に関連する第1の関連技術として、携帯型情報端末を充電しているときに、必要なソフトウェアを携帯型情報端末にダウンロードすることが提案されている(たとえば特許文献1参照)。この第1の関連技術では、充電器に接続された携帯型情報端末が、通信中ではないことややユーザによる操作が行われていないことを確認して、管理局端末にアップデートを要求する。そして、携帯型情報端末はアップデートのための更新情報を管理局端末から受信して、ソフトウェアをアップデートする。
【0006】
また、第2の関連技術として有線LAN(Local Area Network)に接続された充電器に携帯型情報端末が接続されている状態で、ファームウェアをこの充電器を介してダウンロードすることが提案されている(たとえば特許文献2参照)。ここでファームウェアとは、ハードウェアとしての携帯型情報端末の基本的な制御を行うためのソフトウェアをいう。ファームウェアは一般ユーザが自由に変更できないようになっているが、これを更新することによって、携帯型情報端末の機能を向上させることができる。
【0007】
第2の関連技術では、携帯型情報端末の充電を行う充電器がPLC(Power Line Communication)と接続されている。このため、充電器に携帯型情報端末を接続すると、サーバとの間で通信が可能になる。充電器は外部通信インタフェースとメモリを備えている。外部通信インタフェースはサーバから必要なファームウェアを含むソフトウェアをメモリに読み込む。充電器は、読み込んだソフトウェアを電子機器インタフェースを介して携帯型情報端末に伝達するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−222171号公報(第0064段落〜第0068段落、図9)
【特許文献2】特開2010−044500号公報(第0009段落〜第0012段落、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第1の関連技術では、充電器がサーバとの通信のための電波状況がよい場所に存在すれば、携帯型情報端末に対するソフトウェアのダウンロード自体は可能である。しかしながら、第1の関連技術では、携帯型情報端末が充電器に接続されても、このとき携帯型情報端末が通信中であったり、ユーザによる操作が行われていれば、これらが終了するまでソフトウェアのダウンロードが開始されない。したがって、ユーザが携帯型情報端末をソフトウェアの更新のために充電器に接続しても、ソフトウェアのダウンロードがいつから開始されるかが不明の場合がある。したがって、ユーザが充電器から携帯型情報端末を取り外すタイミングを誤ると、ソフトウェアのダウンロードが開始していない状態あるいはダウンロードが完了する前にサーバとの接続が切断されることになる。この場合には、ソフトウェアの更新が行われない。
【0010】
また、第2の関連技術では、充電器自体がPLC通信を行うモデムとしての機能を備える必要があるだけでなく、充電器を接続する電力線にインターネット等の外部のネットワークを接続しておく契約を行っておく必要がある。したがって、充電器自体が高価となるだけでなく、充電器を携帯型情報端末と共に持ち歩いてもその充電器を使用してソフトウェアを更新できる電力線のある場所が限られているという問題がある。
【0011】
そこで本発明の目的は、ネットワークに前もって接続しておくことで、携帯型情報端末へのソフトウェア等のデータの転送を短時間に済ませることのできる充電器、携帯型情報端末のデータ更新システム、方法およびプログラムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、(イ)充電池を電源として使用する予め定めた端末としての携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、(ロ)前記した携帯型情報端末が自装置に対して前記した充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、(ハ)前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、(ニ)このネットワーク接続手段によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、(ホ)前記した携帯型情報端末が自装置に前記した充電が可能な状態で接続したとき前記したレビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記したデータ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、(へ)このレビジョン比較手段で前記したデータ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記したデータ・レビジョン保持手段から取り出して前記した携帯型情報端末に転送するデータ転送手段とを充電器が具備する。
【0013】
また、本発明では、(イ)充電池を電源として使用する携帯型情報端末と、(ロ)この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと、(ハ)前記した携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、前記した携帯型情報端末が自装置に対して前記した充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、前記した特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、前記した更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、このネットワーク接続手段によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、前記した携帯型情報端末が自装置に前記した充電が可能な状態で接続したとき前記したレビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記したデータ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、このレビジョン比較手段で前記したデータ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記したデータ・レビジョン保持手段から取り出して前記した携帯型情報端末に転送するデータ転送手段とを備える充電器とを携帯型情報端末のデータ更新システムが具備する。
【0014】
更に本発明では、(イ)充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会ステップと、(ロ)前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続ステップと、(ハ)このネットワーク接続ステップによって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持ステップと、(ニ)前記した携帯型情報端末が前記した充電可能な状態で接続したとき前記したレビジョン照会ステップで照会したレビジョンよりも前記したデータ・レビジョン保持ステップで保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較ステップと、(ホ)このレビジョン比較ステップで前記したデータ・レビジョン保持ステップにおいて保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記したデータ・レビジョン保持ステップにおいて保持している場所から取り出して前記した携帯型情報端末に転送するデータ転送ステップとを携帯型情報端末のデータ更新方法が具備する。
【0015】
更にまた本発明では、コンピュータに、携帯型情報端末のデータ更新プログラムとして、(イ)充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会処理と、(ロ)前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続処理と、(ハ)このネットワーク接続処理によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持処理と、(ニ)前記した携帯型情報端末が前記した充電可能な状態で接続したとき前記したレビジョン照会処理で照会したレビジョンよりも前記したデータ・レビジョン保持処理で保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較処理と、(ホ)このレビジョン比較処理で前記したデータ・レビジョン保持処理において保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記したデータ・レビジョン保持処理において保持している場所から取り出して前記した携帯型情報端末に転送するデータ転送処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、充電器側が更新サーバから前もって受信した新しいレビジョンのデータを携帯型情報端末に転送するようにした。これにより更新サーバを接続するネットワークの状況に係わらず信頼性の高いデータ通信が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の充電器のクレーム対応図である。
【図2】本発明の携帯型情報端末のデータ更新システムのクレーム対応図である。
【図3】本発明の携帯型情報端末のデータ更新方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の携帯型情報端末のデータ更新プログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の実施の形態による携帯型情報端末のデータ更新システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図6】本実施の形態の充電器に携帯型情報端末が接続された状態におけるこれらの機器の具体的な構成を表わしたブロック図である。
【図7】本実施の形態における充電器側に設けられたレビジョン管理テーブルの内容を表わした説明図である。
【図8】本実施の形態の携帯型情報端末側に設けられたレビジョン管理テーブルの内容を表わした説明図である。
【図9】本実施の形態で携帯型情報端末側のレビジョン管理テーブルの更新処理の様子を表わした説明図である。
【図10】本実施の形態の充電器側におけるソフトウェア更新確認部の処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態の携帯型情報端末が接続された場合の充電器側のソフトウェアの処理の様子を表わした流れ図である。
【図12】本実施の形態の充電器に接続した状態における携帯型情報端末のソフトウェア処理を表わした流れ図である。
【図13】本実施の形態の充電器の表示制御部のインジケータ点灯制御の様子を表わした流れ図である。
【図14】本発明の変形例における携帯型情報端末のデータ更新システムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図15】変形例の充電器に携帯型情報端末が接続された状態における充電器および携帯型情報端末の具体的な構成を表わした。
【図16】変形例における充電器側のレビジョン管理テーブルの内容を表わした説明図である。
【図17】変形例における携帯型情報端末側に設けられたレビジョン管理テーブルの内容を表わした説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の充電器のクレーム対応図を示したものである。本発明の充電器10は、充電用電源11と、レビジョン照会手段12と、ネットワーク接続手段13と、データ・レビジョン保持手段14と、レビジョン比較手段15と、データ転送手段16を備えている。ここで、充電用電源11は、充電池を電源として使用する予め定めた端末としての携帯型情報端末を充電するためのものである。レビジョン照会手段12は、前記した携帯型情報端末が自装置に対して充電用電源11による充電が可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会する。ネットワーク接続手段13は、前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続する。データ・レビジョン保持手段14は、ネットワーク接続手段13によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持する。レビジョン比較手段15は、前記した携帯型情報端末が自装置に前記した充電が可能な状態で接続したときレビジョン照会手段12の照会したレビジョンよりもデータ・レビジョン保持手段14に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較する。データ転送手段16は、レビジョン比較手段15でデータ・レビジョン保持手段14に保持しているレビジョンが新しいとされたデータをデータ・レビジョン保持手段14から取り出して前記した携帯型情報端末に転送する。
【0019】
図2は、本発明の携帯型情報端末のデータ更新システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の携帯型情報端末のデータ更新システム20は、携帯型情報端末21と、更新サーバ22と、充電器23を備えている。ここで、携帯型情報端末21は充電池を電源として使用する。更新サーバ22は、携帯型情報端末21の使用している更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する。充電器23は、充電用電源23aと、レビジョン照会手段23bと、ネットワーク接続手段23cと、データ・レビジョン保持手段23dと、レビジョン比較手段23eと、データ転送手段23fを備えている。充電用電源23aは、携帯型情報端末21を充電するためのものである。レビジョン照会手段23bは、携帯型情報端末21が自装置に対して充電用電源23aによる充電が可能な状態で接続するたびに、前記した特定データのそれぞれについて改版の状態を照会する。ネットワーク接続手段23cは、更新サーバ22と接続する。データ・レビジョン保持手段23dは、ネットワーク接続手段23cによって更新サーバ22と接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に更新サーバ22から受信して保持する。レビジョン比較手段23eは、携帯型情報端末21が自装置に前記した充電が可能な状態で接続したときレビジョン照会手段23bの照会したレビジョンよりもデータ・レビジョン保持手段23dに保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較する。データ転送手段23fは、レビジョン比較手段23eでデータ・レビジョン保持手段23dに保持しているレビジョンが新しいとされたデータをデータ・レビジョン保持手段23dから取り出して携帯型情報端末21に転送する。
【0020】
図3は、本発明の携帯型情報端末のデータ更新方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の携帯型情報端末のデータ更新方法30は、レビジョン照会ステップ31と、ネットワーク接続ステップ32と、データ・レビジョン保持ステップ33と、レビジョン比較ステップ34と、データ転送ステップ35を備えている。ここで、レビジョン照会ステップ31では、充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会する。ネットワーク接続ステップ32では、前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続する。データ・レビジョン保持ステップ33では、ネットワーク接続ステップ32によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持する。レビジョン比較ステップ34では、前記した携帯型情報端末が前記した充電可能な状態で接続したときレビジョン照会ステップ31で照会したレビジョンよりもデータ・レビジョン保持ステップ33で保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較する。データ転送ステップ35では、レビジョン比較ステップ34でデータ・レビジョン保持ステップ33において保持しているレビジョンが新しいとされたデータをデータ・レビジョン保持ステップ33において保持している場所から取り出して前記した携帯型情報端末に転送する。
【0021】
図4は、本発明の携帯型情報端末のデータ更新プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の携帯型情報端末のデータ更新プログラム40は、コンピュータに、レビジョン照会処理41と、ネットワーク接続処理42と、データ・レビジョン保持処理43と、レビジョン比較処理44と、データ転送処理45を実行させるようにしている。ここで、レビジョン照会処理41では、充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会する。ネットワーク接続処理42では、前記した更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続する。データ・レビジョン保持処理43では、ネットワーク接続処理42によって前記した更新サーバと接続したとき前記した特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記した更新サーバから受信して保持する。レビジョン比較処理44では、前記した携帯型情報端末が前記した充電可能な状態で接続したときレビジョン照会処理41で照会したレビジョンよりもデータ・レビジョン保持処理43で保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較する。データ転送処理45では、レビジョン比較処理44でデータ・レビジョン保持処理43において保持しているレビジョンが新しいとされたデータをデータ・レビジョン保持処理43において保持している場所から取り出して前記した携帯型情報端末に転送する。
【0022】
<発明の実施の形態>
【0023】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図5は、本発明の実施の形態による携帯型情報端末のデータ更新システムの概要を表わしたものである。この携帯型情報端末のデータ更新システム100は、インターネット101にルータ102と端末更新サーバ103を接続した構成となっている。ルータ102にはLAN(Local Area Network)ケーブル104が接続されており、企業あるいは家庭内でのLANを構成している。
【0025】
LANケーブル104は、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3afとして標準化されたケーブルであり、LANポートから電源の供給を受けるようになっている。このLANケーブル104にはパーソナルコンピュータ105等の通信端末が適宜接続されている。また、LANケーブル104には充電器106も接続されている。充電器106には携帯接続ケーブル107を用いて携帯型情報端末108を接続することができる。LANケーブル104がLANポートから電源の供給を受けることができないケーブルの場合、充電器106はその使用時に図示しない商用電源に接続する。
【0026】
この充電器106には、インジケータ106Iと、リセットボタン106Rが配置されている。インジケータ106Iは充電器106に携帯型情報端末108を接続すると赤色に点灯して、充電が必要か否かの確認と充電器106から携帯型情報端末108へデータの転送が必要か否かの確認と、データの転送が必要な場合にはその転送中であることが示される。インジケータ106Iが赤色に点灯するのは警告表示である。すなわち赤色の点灯状態のとき充電器106をLANケーブル104から取り外すとデータの転送をやり直さなければならなくなる可能性が高いので、その間は接続状態を保つべきことが警告される。
【0027】
携帯型情報端末108へのデータの転送が必要でない場合で充電も必要とされない場合、インジケータ106Iの色は緑色に変更される。この場合、ユーザは携帯型情報端末108を充電器106から取り外すことができる。データの転送が終了して、この時点で充電が必要と判別された場合にはインジケータ106Iの色が赤色から橙色に変更される。充電が完了した場合にはインジケータ106Iの色が橙色から緑色に変更される。ただし、充電中に充電器106から携帯型情報端末108に新たなデータの転送が行われる場合、その期間は表示ランプが橙色から赤色に変更される。
【0028】
リセットボタン106Rは、ユーザが所持する携帯型情報端末108にインストールしている更新対象となるソフトウェアを入れ換えたような場合にソフトウェアの登録を強制的にリセット(クリア)する場合に使用する。充電器106は後に詳しく説明するが携帯型情報端末108にインストールしている更新対象となるソフトウェアを登録する不揮発性メモリが備えられている。ユーザが携帯型情報端末108にソフトウェアを追加していくと不揮発性メモリには自動的にこれらのソフトウェアが登録されて端末更新サーバ103から最新のレビジョン(版数)のソフトウェアがダウンロードされるようになっている。
【0029】
ただし、携帯型情報端末108のソフトウェアを全面的に入れ換えたり携帯型情報端末108自体を交換したような場合には、現在使用していないソフトウェアが不揮発性メモリに登録されたままとなる場合があり得る。このような場合、ユーザはリセットボタン106Rを押して不揮発性メモリに登録されているソフトウェアの種類等に関するデータを強制的に消去することができる。
【0030】
図6は、充電器に携帯型情報端末が接続された状態におけるこれらの機器の具体的な構成を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0031】
充電器106は、CPU(Central Processing Unit)111と、このCPU111の実行する制御プログラムを格納したメモリ112を備えた制御部113を有している。制御部113は、充電器106の全体を制御すると共に、制御プログラムを実行することによって各種の機能部をソフトウェア的に実現するようになっている。ソフトウェアから構成される機能部品とハードウェアで構成される電子部品の仕分けは必ずしも明確ではなく、部品によってはハードウェアとソフトウェアのどちらで構成することもできる。また、ハードウェアとソフトウェアを混在させて1つの部品が概念的に構成されることもある。本実施の形態の充電器106は以下の部品を備えている。
【0032】
LAN接続部114は、LANケーブル104と接続し、インターネット101を介して端末更新サーバ103とパケットの送受信を行う。ソフトウェア更新確認部115は、LAN接続部114、タイマ部116、ソフトウェアレビジョン管理部117およびソフトウェア受信部118と接続している。
【0033】
ここで、タイマ部116は、充電器106に内蔵の図示しない充電池によって現在時刻を計時する時計回路を備えると共に、端末更新サーバ103からソフトウェアをダウンロードした最新の日時を起点とした日時の経過時間を測定するタイマ回路を備えている。そして、ユーザが予め設定したソフトウェア確認間隔(たとえば1日とか10日間あるいは1週間等の間隔)を計時するたびにソフトウェアの更新のチェックの日時が到来したことを判別するようになっている。ソフトウェアの更新のチェックの日時が到来すると、インターネット101に接続されている場合、充電器106のソフトウェアレビジョン管理部117はこれに格納されているソフトウェアの種類について、最新のレビジョンを端末更新サーバ103に要求する。そして、取得した各ソフトウェアについてのレビジョンをソフトウェアレビジョン管理部117に格納されている現時点のレビジョンと比較する。
【0034】
この結果、充電器106に格納されているソフトウェアの現時点のレビジョンが端末更新サーバ103のそれよりも古い場合にはソフトウェア受信部118に指示して該当するソフトウェアを端末更新サーバ103から受信させる。端末更新サーバ103から受信したソフトウェアは、ソフトウェア受信部118に接続されたソフトウェア一時記憶部119に格納されるようになっている。このソフトウェア一時記憶部119は初期状態でいずれのソフトウェアも格納していない。
【0035】
一方、ソフトウェアレビジョン管理部117は、充電器106に携帯型情報端末108が接続されるたびに携帯型情報端末108にその時点でインストールされている各ソフトウェアの種類とこれらソフトウェアのレビジョンをチェックする。そして、その結果を用いて携帯型情報端末108を最新の内容に更新する。
【0036】
図7は、充電器側のレビジョン管理テーブルの内容を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0037】
ソフトウェアレビジョン管理部117は、不揮発性メモリから構成されたレビジョン管理テーブル117Tを有している。レビジョン管理テーブル117Tには、管理の対象となる携帯型情報端末108にインストールされているソフトウェアの種類と、端末更新サーバ103におけるそれらのレビジョンが記録されている。充電器106のタイマ部116がソフトウェアの更新のチェックの時刻が到来したことを判別するたびに端末更新サーバ103に格納されている該当するソフトウェアのレビジョンが確認され、最新の内容がレビジョン管理テーブル117Tに反映されることになる。
【0038】
図5に戻って説明を続ける。タイマ部116の指示によってソフトウェア更新確認部115が、充電器106を端末更新サーバ103に接続すると、ソフトウェアレビジョン管理部117がレビジョン管理テーブル117Tに登録されているソフトウェアのそれぞれについて端末更新サーバ103側のレビジョンをチェックする。そして、最新のレビジョンのソフトウェアがあった場合には、ソフトウェア受信部118が該当するソフトウェアとそのレビジョンを受信する。
【0039】
ソフトウェア受信部118は、ソフトウェア一時記憶部119と接続されている。ソフトウェア一時記憶部119は、端末更新サーバ103からダウンロードしたソフトウェアを少なくとも携帯型情報端末108に送信するまでの間、格納する。ソフトウェア一時記憶部119に格納されたソフトウェアは、充電器106に携帯型情報端末108が接続されたとき、レビジョンの比較によって充電器106側の方が新しいと判別された場合に限ってソフトウェア送信部120がデータ転送インタフェース部121を介して携帯型情報端末108に送信する。
【0040】
ソフトウェアレビジョン管理部117にはリセットボタン106Rが接続されている。リセットボタン106Rがユーザによって押されると、図7に示したレビジョン管理テーブル117Tの内容が初期化される。
【0041】
充電器106には、その本来の機能としての充電部122が備えられている。充電部122はLAN接続部114と接続されており、LANケーブル104から充電用の電源の供給を受けるようになっている。充電部122には携帯接続ケーブル107を構成する一部のケーブルの一端が接続されており、このケーブルの他端は第1のコネクタ部131に接続されるようになっている。これにより、携帯型情報端末108の充電を行うことができる。
【0042】
データ転送インタフェース部121には携帯接続ケーブル107を構成する残りのケーブルの一端が接続されており、このケーブルの他端は第2のコネクタ部132に接続することで携帯型情報端末108とのデータ通信を行うことができる。第1のコネクタ部131と第2のコネクタ部132は本実施の形態の場合に1つの物理的なコネクタに纏められており、携帯接続ケーブル107の一端を接続する。もちろん、携帯接続ケーブル107が充電用とデータ転送用の2つに分かれ、第1のコネクタ部131と第2のコネクタ部132が別々のコネクタを構成することも可能である。また、携帯型情報端末108側に第2のコネクタ部132に代わる無線通信手段を備えることで、第2のコネクタ部132を省略することも可能である。
【0043】
表示制御部123は、ソフトウェア更新確認部115、ソフトウェア受信部118、データ転送インタフェース部121および充電部122と接続されている。この表示制御部123は、既に説明したようにインジケータ106Iの点灯時の色を赤色、橙色、緑色の3色に切り替える制御を行う。表示制御部123の表示制御については、後に詳しく説明する。
【0044】
次に携帯型情報端末108側の回路構成を説明する。携帯型情報端末108も充電器106と同様にCPU133と、このCPU133の実行する制御プログラムを格納したメモリ134を備えた制御部135を有する。制御部135は、この携帯型情報端末108の全体を制御すると共に制御プログラムの実行によって各種の機能部をソフトウェア的に実現するようになっている。携帯型情報端末108についても、ソフトウェアから構成される機能部品とハードウェアで構成される電子部品の仕分けは必ずしも明確ではなく、部品によってはハードウェアとソフトウェアのどちらで構成することもできる。また、ハードウェアとソフトウェアを混在させて1つの部品が概念的に構成されることもある。本実施の形態の携帯型情報端末108は、携帯電話機としての一般的な機能をまとめて示した一般機能部136の他に以下の部品を備えている。
【0045】
充電池(バッテリ)137は、携帯型情報端末108の電源であり、第1のコネクタ部131を経て充電器106の充電部122から充電用の電力の供給を受ける。充電器接続検出部138は、充電池137の電極の電圧をチェックすることで充電器106が充電可能な電圧状態で携帯型情報端末108と接続しているかを判別する。LANケーブル104と未接続であったり、LANケーブル104と接続していても、このLANケーブル104から電源が供給されておらず、かつ図示しない電源アダプタによっても充電器106が充電用の電源と接続されていないときは充電可能な状態ではない。
【0046】
ソフトウェア更新確認部139は、携帯型情報端末108が充電器106に接続された時点で充電器106からソフトウェアの種類とレビジョンの照会があると、携帯型情報端末108にその時点でインストールされている各ソフトウェアの種類とソフトウェアごとのレビジョンを読み出す。ソフトウェアレビジョン管理部140を使用して読み出された各ソフトウェアの種類とレビジョンは、データ転送インタフェース部141に送られる。
【0047】
データ転送インタフェース部141は、送られてきた各ソフトウェアの種類とこれらのレビジョンを携帯接続ケーブル107によって充電器106側に送り、ソフトウェアレビジョン管理部117に格納された端末更新サーバ103側のデータと比較させるようになっている。このとき、レビジョン管理テーブル117Tに登録されていないソフトウェアが判別された場合には、そのソフトウェアの種類と現時点のレビジョンをレビジョン管理テーブル117Tに登録する。これは、ユーザが携帯型情報端末108に新たにインストールしたソフトウェアを次回の更新の対象にするためである。
【0048】
レビジョン管理テーブル117Tに登録されているソフトウェアでそのレビジョンがレビジョン管理テーブル117Tに登録されている方が新しい場合、データ転送インタフェース部141は充電器106からその新しいレビジョンのソフトウェアの転送を受ける。この処理はソフトウェア受信部142が行う。ソフトウェア更新部143は、ソフトウェア受信部142の受信したソフトウェアの更新を行う。このとき、レビジョン管理テーブル140Tにおける該当するソフトウェアのレビジョンが新しいものに書き換えられる。
【0049】
図8は、携帯型情報端末側に設けられたレビジョン管理テーブルの内容を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0050】
携帯型情報端末108側のソフトウェアレビジョン管理部140は、不揮発性メモリから構成されたレビジョン管理テーブル140Tを有している。レビジョン管理テーブル140Tには、携帯型情報端末108自体にインストールされているソフトウェアの種類と、その最新のレビジョンが記録されている。ソフトウェア更新部143がソフトウェアの更新を行うと、そのときの携帯型情報端末108における最新のレビジョンがレビジョン管理テーブル140Tに反映される。また、ユーザが一般機能部136を操作して、インストールされているソフトウェアのいずれかを削除した場合には、該当するソフトウェアの種類とそのレビジョンに関するデータがレビジョン管理テーブル140Tから削除される。
【0051】
図9は、以上のような構成の携帯型情報端末のデータ更新システムにおける携帯型情報端末側のレビジョン管理テーブルの更新処理の様子を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0052】
携帯型情報端末108の制御部135は、ユーザが携帯型情報端末108に対してソフトウェアをインストールしたり、削除した場合、あるいはソフトウェア更新部143がソフトウェアの更新を完了する場合を監視している(ステップS201〜ステップS203)。ユーザが携帯型情報端末108に対してソフトウェアをインストールした場合には(ステップS201:Y)、ソフトウェアが新規に追加されたので、そのソフトウェアの種類(名称)と現在のレビジョンをレビジョン管理テーブル140Tに登録して(ステップS204)、処理をステップS201に戻す(リターン)。
【0053】
また、ユーザが携帯型情報端末108にインストールされているソフトウェアを削除した場合には(ステップS201:N、ステップS202:Y)、その削除したソフトウェアの種類(名称)とレビジョンをレビジョン管理テーブル140Tから削除する(ステップS205)。そして、処理をステップS201に戻す(リターン)。
【0054】
更に、ソフトウェア更新部143がソフトウェアの更新を完了すると(ステップS201:N、ステップS202:N、ステップS203:Y)、そのソフトウェアのレビジョンを取得して、レビジョン管理テーブル140Tに記載されていた前のレビジョンに上書きする(ステップS206)。このようにしてレビジョン管理テーブル140Tの更新が終了したら、処理をステップS201に戻す(リターン)。
【0055】
以上のようにして携帯型情報端末108側のレビジョン管理テーブル140Tは、たとえ携帯型情報端末108が充電器106に接続されていない状態でも、インストールされている各ソフトウェアの種類とこれらのレビジョンが常に最新の状態に保たれる。また、携帯型情報端末108を充電器106に接続すると、レビジョン管理テーブル140Tに登録されている各ソフトウェアの中で充電器106側のレビジョン管理テーブル117Tに記録されているレビジョンよりも古いレビジョンのソフトウェアがあれば、そのソフトウェアの更新が携帯型情報端末108側で完了した時点で携帯型情報端末108側のレビジョン管理テーブル140Tのレビジョンが新しいものに書き改められることになる。
【0056】
図10は、充電器側におけるソフトウェア更新確認部の処理の様子を表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0057】
ソフトウェア更新確認部115は、端末更新サーバ103に対するソフトウェアのレビジョンについて確認する日時が到来したかをチェックする(ステップS221)。ここで端末更新サーバ103に対する確認日時は、タイマ部116の指示する日時だけではなく、チェックを延長した場合の延長後の日時を含んでいる。これについては後に説明する。
【0058】
該当する日時が到来したら(ステップS221:Y)、ソフトウェア更新確認部115はLAN接続部114がLANケーブル104を介してインターネット101に接続可能であるかを判別する(ステップS222)。インターネット101に接続可能であれば(Y)、ソフトウェア更新確認部115は充電器106側のレビジョン管理テーブル117Tに記録されているソフトウェアの種類をすべて読み出して(ステップS223)、端末更新サーバ103側に収容されているこれらのソフトウェアのレビジョンを照会する(ステップS224)。
【0059】
端末更新サーバ103は、図示しないが携帯型情報端末108がインストールする対象となるソフトウェアを格納すると共に、それらのレビジョンを管理している。そして、充電器106からソフトウェアを指定してレビジョンの照会があると最新のレビジョンをその充電器106に返答するようになっている。
【0060】
このため、端末更新サーバ103は携帯型情報端末108がインストールする可能性のあるソフトウェアを常に収集し、また、これらのレビジョンが変更された際には変更後のソフトウェアを保持するようになっている。もちろん、少なくとも一部のソフトウェアについてはそれらを作成者側あるいは販売者側のサーバに保持させておき、端末更新サーバ103がダウンロードの仲介あるいは中継を行うようになっていてもよい。
【0061】
ソフトウェア更新確認部115は端末更新サーバ103に照会を行った後にこれから返答が得られたら(ステップS225:Y)、返答内容としての端末更新サーバ103側のレビジョンと充電器106のレビジョン管理テーブル117Tに記録されているレビジョンをソフトウェアごとに比較する(ステップS226)。そして、端末更新サーバ103側に新しいレビジョンがあるソフトウェアが存在したら(Y)、ソフトウェア受信部118に指示して該当するソフトウェアをそれぞれダウンロードさせる(ステップS228)。この後、ステップS221の処理に戻る(リターン)。新しいレビジョンのソフトウェアがない場合には(ステップS227:N)、そのままステップS221の処理に戻ることになる(リターン)。
【0062】
一方、ステップS221でチェック日時が到来したものの(Y)、充電器106がLANケーブル104から外されているようにインターネット101に接続できない状態である場合(ステップS222:N)、ソフトウェア更新確認部115は現在の日時を延長した形で次のチェックのための日時を設定する(ステップS229)。たとえば現在の日時が6月6日であれば、これに1時間とか1日あるいは10日といった予め設定した時間を加算してチェック日時を再設定する。これにより、端末更新サーバ103に一時的に接続できない状態が発生してもソフトウェア更新確認部115はできるだけ早く接続を行うことができる。延長されたチェック日時でインターネット101に接続できない場合には、チェック日時がそのたびに延長されることになる。
【0063】
以上のようにしてソフトウェア更新確認部115が時間を置いて端末更新サーバ103にアクセスする結果として、充電器106のソフトウェア一時記憶部119には、まだ携帯型情報端末108に格納されていないレビジョンのソフトウェアが最新の状態で格納されることになる。また、レビジョン管理部117のレビジョン管理テーブル117Tには、充電器106が格納する各ソフトウェアの最新のレビジョンが上書きされることになる。
【0064】
図11は、携帯型情報端末が接続された場合の充電器側のソフトウェアの処理の様子を表わしたものである。図5〜図8と共に説明する。
【0065】
データ転送インタフェース部121は携帯接続ケーブル107によって携帯型情報端末108が充電器106に接続されるのを待機している(ステップS251)。携帯型情報端末108が充電器106に接続されると(Y)、充電器106側のソフトウェア更新確認部115が携帯型情報端末108側のソフトウェア更新確認部139に対して現在インストールしているソフトウェアの種類とレビジョンを照会する(ステップS252)。そして、携帯型情報端末108側のソフトウェア更新確認部139から両データ転送インタフェース部141、121を介して送られてくる返答を待機する(ステップS253)。
【0066】
携帯型情報端末108側のソフトウェア更新確認部139から返答が送られてきたら(ステップS253:Y)、ソフトウェアレビジョン管理部117はこれを充電器106側のレビジョン管理テーブル117Tの格納内容と対比する(ステップS254)。この結果、ソフトウェアの変更があったことが判別された場合には(ステップS255)、充電器106側のレビジョン管理テーブル117Tのソフトウェアを追加するか削除する(ステップS256)。すなわち、携帯型情報端末108側で新たにソフトウェアのインストールが行われた場合には、そのソフトウェアの種類とレビジョンがレビジョン管理テーブル117Tに追加記載される。また、携帯型情報端末108側でソフトウェアの削除が行われた場合にはそのソフトウェアの種類とレビジョンがレビジョン管理テーブル117Tから削除される。
【0067】
本実施の形態の場合、携帯型情報端末108側でソフトウェアが追加された場合に、充電器106側で端末更新サーバ103に追加的にアクセスしてレビジョンを調べたり、新しいレビジョンのソフトウェアをダウンロードすることは行わない。ユーザが新規にソフトウェアをインストールした場合、通常は最新のレビジョンに対応しているので、わざわざ端末更新サーバ103に最新のレビジョンのソフトウェアがあるかをチェックに行っても、その処理が無駄に終わる場合が多いのが第1の理由である。また、タイマ部116に設定したソフトウェア確認間隔を経れば次回から充電器106がそのソフトウェアを含めてレビジョンのチェックを行うので、端末更新サーバ103に対するトラヒックを軽減させる点からも適切であるとするのが、新たなソフトウェアのレビジョンをチェックしない第2の理由である。更に、本実施の形態の場合にはソフトウェア一時記憶部119に予め必要なソフトウェアを格納しておいて、ユーザが携帯型情報端末108を充電器106に接続して比較的短時間にそのソフトウェアの転送を終了させるようにしているので、その利点を失わないようにするのが第3の理由である。
【0068】
もちろん、携帯型情報端末108側でソフトウェアが追加されたことが分かったときには、端末更新サーバ103に追加的にアクセスするようにすることを禁ずるものではない。ステップS255でソフトウェアの変更がなかったと判別された場合(Y)、ステップS256の処理は省略され、ステップS257の処理に進む。
【0069】
ステップS257では、充電器106側のレビジョン管理テーブル117Tに記載されたレビジョンの方が新しいソフトウェアが存在するかのチェックが行われる。たとえば、図7のレビジョン管理テーブル117Tと図8のレビジョン管理テーブル140Tを対比してみると、「SOFTA」というソフトウェアのレビジョンが「5.01」から「5.05」に変更されている。「SOFTB」と「SOFTE」についてはレビジョンの変更はない。
【0070】
この例の場合、「SOFTA」というソフトウェアが新しいレビジョンとなっている。このような場合には(ステップS257:Y)、ソフトウェア送信部120が該当するソフトウェアをソフトウェア一時記憶部119から読み出して、これをデータ転送インタフェース部121から携帯型情報端末108に送信する(ステップS258)。そして、該当するソフトウェアの転送が終了したら、その送信済みのソフトウェアをソフトウェア一時記憶部119から削除して(ステップS259)、処理をステップS251に戻す(リターン)。ステップS257で新しいレビジョンとなっているソフトウェアが存在しなかった場合には、ステップS258およびステップS259の処理を行うことなく、処理をステップS251に戻すことになる(リターン)。
【0071】
図12は、充電器に接続した状態における携帯型情報端末のソフトウェア処理を表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0072】
携帯型情報端末108のデータ転送インタフェース部141は充電器106からソフトウェアの種類とレビジョンの照会と、ソフトウェアの受信を待機している(ステップS281、ステップS282)。ソフトウェアの種類とレビジョンの照会があった場合(ステップS281:Y)、データ転送インタフェース部141はソフトウェア更新確認部139に要求してレビジョン管理部140のレビジョン管理テーブル140Tの内容を読み出させる。そして、携帯型情報端末108に現時点でインストールされているソフトウェアの種類とこれらのレビジョンを充電器106側に返答する(ステップS283)。この後、充電器106はステップS281の処理に戻る(リターン)。
【0073】
一方、充電器106のソフトウェア送信部120からソフトウェアがそのレビジョンと共に送信されてきた場合(ステップS282:Y)、データ転送インタフェース部141はソフトウェア受信部142にこれを受信させて、ソフトウェア更新部143で更新させる(ステップS284)。ソフトウェアの更新が完了すると、ソフトウェア更新部143はソフトウェアレビジョン管理部140にこれを通知して更新を行ったソフトウェアのレビジョンを更新させる。この後、充電器106はステップS281の処理に戻る(リターン)。
【0074】
図13は、充電器の表示制御部のインジケータ点灯制御の様子を表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0075】
充電器106の表示制御部123は充電部122がLAN接続部114によって給電されているかを判別する(ステップS301)。先に説明したように本実施の形態の携帯型情報端末のデータ更新システム100ではLANポートから電源の供給を受けるようになっている。このため、充電部122がLANケーブル104によってルータ102に正常に接続されていれば、インターネット101経由で端末更新サーバ103にアクセス可能であり、携帯型情報端末108にインストールされているソフトウェアのアップデートが可能である。充電部122がLAN接続部114によって給電されていなければ(Y)、ユーザはこのような特典を得ることができない。そこで、この場合、表示制御部123はインジケータ106Iを消灯させる(ステップS302)。
【0076】
一方、充電部122がLAN接続部114によって給電されている場合(ステップS301:N)、表示制御部123はデータ転送インタフェース部121をチェックして充電器106と携帯型情報端末108の間でソフトウェアのダウンロード等の何らかの通信が行われているかを判別する(ステップS303)。通信が行われている場合(Y)、表示制御部123はインジケータ106Iを赤色に点灯させる(ステップS304)。先に説明したように本実施の形態による携帯型情報端末のデータ更新システム100ではソフトウェア一時記憶部119に更新すべきソフトウェアが一度格納された後に充電器106と携帯型情報端末108の通信が行われる。したがって、携帯型情報端末108が充電器106を経由して端末更新サーバ103にソフトウェアを要求してこれをダウンロードするよりもソフトウェアの転送に要する通信時間は短時間で済むことが多い。このため、通信中はインジケータ106Iを赤色に点灯させて、この期間はユーザが充電器106と携帯型情報端末108の接続を保持させるようにしている。
【0077】
ステップS303で充電器106と携帯型情報端末108が通信中でないと判別した場合(N)、表示制御部123は充電部122が充電池137を充電中であるかのチェックを行う(ステップS305)。充電中であると判別した場合(Y)、インジケータ106Iを橙色に点灯させる(ステップS306)。充電が完了したと判別した場合(ステップS305:N)、表示制御部123はインジケータ106Iを緑色に点灯させる(ステップS307)。
【0078】
ステップS302、ステップS304、ステップS306およびステップS307の各点灯制御が行われたら、表示制御部123は処理を再びステップS301に戻す(リターン)。これにより、表示制御部123は充電器106と携帯型情報端末108の状況の変化に応じてユーザに適切な表示制御を行うことができる。
【0079】
なお、ステップS302ではインジケータ106Iを消灯させたが、ユーザがLANポートから電源の供給を受けない形態でLANケーブル104を使用し、充電器106の電源は電源アダプタによって得るような場合もある。このような場合には、充電器106にLANケーブル104が接続されていない状態あるいは充電器106がインターネット101にアクセスできない状態でインジケータ106Iを消灯させるようにしてもよい。このような場合には、充電器106への充電が電源アダプタによって行われるのであれば、充電の状態に応じてインジケータ106Iの表示色を変えるようにしてもよいことは当然である。
【0080】
また、実施の形態では充電器106が携帯型情報端末108の充電を開始するタイミングについては特に規定せず、充電器106に携帯型情報端末108が接続された時点から充電を開始する通常の手法を採ったが、これに限るものではない。たとえばステップS303の判別で通信が終了あるいは不要と判別された時点で、あるいはこれから一定の短時間が経過した時点から充電部122が充電池137の充電を開始するようにしてもよい。これにより、ユーザは充電器106と携帯型情報端末108の通信が終了した時点で携帯型情報端末108を充電器106から取り外すことで無駄な充電動作を開始させず、履歴現象(ヒステリシス現象)による充電池137の劣化を防止することができる。
【0081】
更に、以上説明した実施の形態では、充電器106がソフトウェアのレビジョンを対比して端末更新サーバ103側にダウンロードの対象となるソフトウェアを知らせたが、これに限るものではない。たとえば充電器106側が携帯型情報端末108のインストールしているソフトウェアとこれらのレビジョンを通知して、端末更新サーバ103がこれを基にして対象となるソフトウェアを充電器106側に送信するようにしてもよい。
【0082】
また、同様に実施の形態では充電器106が携帯型情報端末108の接続を検知してそのインストールしているソフトウェアの種類とレビジョンを要求したが、これに限るものではない。たとえば携帯型情報端末108が充電器106に接続した時点で充電器106側にその格納している最新のソフトウェアのレビジョンを要求し、充電器106がこれを返答したら携帯型情報端末108側のデータと比較して、必要なソフトウェアを充電器106に要求するようにしてもよい。
【0083】
この場合、携帯型情報端末108は充電器106に知らせていないソフトウェアを最近インストールした場合には充電器106から得られたソフトウェアの種類に関するデータと対比することで、これを判別することができる。そこでこの場合には充電器106に今回あるいは次回以降に、そのソフトウェアの最新版があればソフトウェア一時記憶部119に格納しておくように指示を行っておけばよい。
【0084】
以上説明した携帯型情報端末のデータ更新システム100では、次のような効果がある。
【0085】
まず、本実施の形態による第1の効果としてユーザが携帯型情報端末108の使用中であっても、必要なソフトウェアを端末更新サーバ103からダウンロードすることができる点を挙げることができる。充電器106が端末更新サーバ103に接続されていれば、ユーザが着信に応答するために携帯型情報端末108を充電器106から一時的に取り外したとしても、これに無関係に充電器106に対してダウンロードが継続するからである。充電器106と携帯型情報端末108の間に充電用の経路とデータ転送インタフェース部121、141を別に設けた点も第1の効果を有効なものとしている。
【0086】
本実施の形態による第2の効果として、携帯型情報端末108の電源をオフにしたり、あるいは何らかの理由でオフになっても、端末更新サーバ103からソフトウェアをダウンロードする動作がキャンセルされることがない点を挙げることができる。端末更新サーバ103からのソフトウェアのダウンロードは充電器106に対して行われるからである。この結果、端末更新サーバ103はソフトウェアの転送処理を効率的に行うことができる。
【0087】
本実施の形態による第3の効果として、携帯型情報端末108が必要なソフトウェアをダウンロードするときに電池切れを心配する必要がない点を挙げることができる。携帯型情報端末108は充電器106からソフトウェアの転送を受けるので、このとき充電器106から電源の供給を受けることができるからである。
【0088】
本実施の形態による第4の効果として、ユーザが携帯型情報端末108を使用していない期間を利用して必要なソフトウェアをダウンロードすることができる点を挙げることができる。ユーザが携帯型情報端末108を使用していないときにこれを充電器106に接続すれば、ソフトウェアの更新が可能であるからである。
【0089】
本実施の形態による第5の効果として、ユーザは携帯型情報端末108に対してある程度定期的にソフトウェアのダウンロードを行うことができる点を挙げることができる。携帯型情報端末108は充電池を内蔵しているので、これが完全に消耗する前に充電を行う必要がある。このときを利用してソフトウェアの更新が行われるので、更新が長期間滞ることを防止することができる。
【0090】
本実施の形態による第6の効果として、端末更新サーバ103との通信回線の状況に係わらず携帯型情報端末108に対するソフトウェアのダウンロードを比較的短時間で終了させることができる点を挙げることができる。これは、充電器106が前もってダウンロードしたソフトウェアを携帯型情報端末108に専用の通信手段で転送するようにしているからである。
【0091】
本実施の形態による第7の効果として、携帯型情報端末108に対するソフトウェアのダウンロードを誤って停止させるのを防止できる点を挙げることができる。本実施の形態では充電器106にインジケータを取り付け、これが赤色等の所定の警告色に点灯しているときには携帯型情報端末108を充電器106から取り外させないようにした。しかも、携帯型情報端末108と充電器106の間のソフトウェアの転送は比較的短時間で終了するので、取り外しを制限する期間は比較的短く、多くの場合には着信時にソフトウェアのダウンロードが行われていてもダウンロード終了まで待機可能である。
【0092】
本実施の形態による第8の効果として、携帯型情報端末108の充電が特に必要でないときソフトウェアの転送終了で携帯型情報端末108を充電器106から早期に取り外すことができる点を挙げることができる。本実施の形態では充電器106にインジケータを取り付け、これが赤色等の所定の警告色に点灯していないときは、取り外しが可能であることが分かるようにした。これにより、充電池の履歴現象の発生を極力防止することができると共に、無駄な電力消費を避けることが可能である。
【0093】
<発明の変形可能性>
【0094】
図14は、本発明の変形例における携帯型情報端末のデータ更新システムの概要を表わしたものである。図14で図5と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0095】
この変形例の携帯型情報端末のデータ更新システム100Aは、インターネット101にルータ102と端末更新サーバ103Aを接続した構成となっている。ルータ102にはLANケーブル104が接続されており、企業あるいは家庭内でのLANを構成している。
【0096】
LANケーブル104は、IEEE802.3afとして標準化されたケーブルであり、LANポートから電源の供給を受けるようになっている。このLANケーブル104にはパーソナルコンピュータ105等の通信端末が適宜接続されている。また、LANケーブル104には充電器106Aも接続されている。充電器106Aには携帯接続ケーブル107を用いて携帯型情報端末108Aを接続することができる。LANケーブル104がLANポートから電源の供給を受けることができないケーブルの場合、充電器106はその使用時に図示しない商用電源に接続する。
【0097】
この変形例の携帯型情報端末のデータ更新システム100Aでは、端末更新サーバ103Aが携帯型情報端末108Aの扱う特定のファイルの更新管理を行うようになっている。すなわち、携帯型情報端末108Aが予め指定した任意数のファイルについて、これらの更新があったとき、携帯型情報端末108Aに新しいレビジョンのファイルあるいは新旧2つのファイルの差分情報を、充電器106Aを介して転送するようになっている。
【0098】
図15は、充電器に携帯型情報端末が接続された状態における充電器および携帯型情報端末の具体的な構成を表わしたものである。図15で図6と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。図14と共に説明する。
【0099】
充電器106Aは、CPU111と、このCPU111の実行する制御プログラムを格納したメモリ112Aを備えた制御部113Aを有している。制御部113Aは、充電器106Aの全体を制御すると共に、制御プログラムを実行することによって各種の機能部をソフトウェア的に実現するようになっている。ソフトウェアから構成される機能部品とハードウェアで構成される電子部品の仕分けは必ずしも明確ではなく、部品によってはハードウェアとソフトウェアのどちらで構成することもできる。また、ハードウェアとソフトウェアを混在させて1つの部品が概念的に構成されることもある。この変形例の充電器106Aは、以下の部品を備えている。
【0100】
LAN接続部114は、LANケーブル104と接続し、インターネット101を介して端末更新サーバ103Aとパケットの送受信を行う。ファイル更新確認部115Aは、LAN接続部114、タイマ部116、ファイルレビジョン管理部117Aおよびファイル受信部118Aと接続している。
【0101】
ここで、タイマ部116は、充電器106Aに内蔵の図示しない充電池によって現在時刻を計時する時計回路を備えると共に、端末更新サーバ103Aから特定のファイルをダウンロードした最新の日時を起点とした日時の経過時間を測定するタイマ回路を備えている。そして、ユーザが予め設定したファイル確認間隔(たとえば1日とか1週間)を計時するたびにファイルの更新のチェックの日時が到来したことを判別するようになっている。ファイルの更新のチェックの日時が到来すると、インターネット101に接続されている場合、充電器106Aのファイルレビジョン管理部117Aはこれに格納されているファイルの種類について、最新のレビジョンを端末更新サーバ103Aに要求する。そして、取得した各ファイルについてのレビジョンをファイルレビジョン管理部117Aに格納されている現時点のレビジョンと比較する。
【0102】
この結果、充電器106Aに格納されているファイルの現時点のレビジョンが端末更新サーバ103Aのそれよりも古い場合にはファイル受信部118Aに指示して該当するファイルを端末更新サーバ103Aから受信させる。端末更新サーバ103Aから受信したファイルは、ファイル受信部118Aに接続されたファイル一時記憶部119Aに格納されるようになっている。このファイル一時記憶部119Aは初期状態でいずれのファイルも格納していない。
【0103】
一方、ファイルレビジョン管理部117Aは、充電器106Aに携帯型情報端末108Aが接続されるたびに携帯型情報端末108Aにその時点で格納されている各ファイルの種類とこれらファイルのレビジョンをチェックする。そして、その結果を用いて携帯型情報端末108Aを最新の内容に更新する。
【0104】
図16は、充電器側のレビジョン管理テーブルの内容を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0105】
ファイルレビジョン管理部117Aは、不揮発性メモリから構成されたレビジョン管理テーブル117TAを有している。レビジョン管理テーブル117TAには、管理の対象となる携帯型情報端末108Aに格納されているファイルの種類と、端末更新サーバ103Aに格納されている該当するファイルのレビジョンが記録されている。充電器106Aのタイマ部116がファイルの更新のチェックの時刻が到来したことを判別するたびに端末更新サーバ103Aに格納されている該当するファイルのレビジョンが確認され、最新の内容がレビジョン管理テーブル117TAに反映されることになる。
【0106】
図14に戻って説明を続ける。タイマ部116の指示によってファイル更新確認部115Aが、充電器106Aを端末更新サーバ103Aに接続すると、ファイルレビジョン管理部117Aがレビジョン管理テーブル117TAに登録されているファイルのそれぞれについて端末更新サーバ103A側のレビジョンをチェックする。そして、最新のレビジョンのファイルがあった場合には、ファイル受信部118Aが該当するファイルとそのレビジョンを受信する。
【0107】
ファイル受信部118Aは、ファイル一時記憶部119Aと接続されている。ファイル一時記憶部119Aは、端末更新サーバ103Aからダウンロードしたファイルを少なくとも携帯型情報端末108Aに送信するまでの間、格納する。ファイル一時記憶部119Aに格納されたファイルは、充電器106Aに携帯型情報端末108Aが接続されたとき、レビジョンの比較によって充電器106側の方が新しいと判別された場合に限ってファイル送信部120Aがデータ転送インタフェース部121を介して携帯型情報端末108Aに送信する。
【0108】
ファイルレビジョン管理部117Aにはリセットボタン106Rが接続されている。リセットボタン106Rがユーザによって押されると、図7に示したレビジョン管理テーブル117TAの内容が初期化される。
【0109】
充電器106Aには、その本来の機能としての充電部122が備えられている。充電部122の構成は実施の形態と同一である。データ転送インタフェース部121および表示制御部123の構成も先の実施の形態と同一である。
【0110】
次に携帯型情報端末108A側の回路構成を説明する。携帯型情報端末108Aも充電器106Aと同様にCPU133と、このCPU133の実行する制御プログラムを格納したメモリ134Aを備えた制御部135Aを有する。制御部135Aは、この携帯型情報端末108Aの全体を制御すると共に制御プログラムの実行によって各種の機能部をソフトウェア的に実現するようになっている。携帯型情報端末108Aについても、ソフトウェアから構成される機能部品とハードウェアで構成される電子部品の仕分けは必ずしも明確ではなく、部品によってはハードウェアとソフトウェアのどちらで構成することもできる。また、ハードウェアとソフトウェアを混在させて1つの部品が概念的に構成されることもある。この変形例の携帯型情報端末108Aは、携帯電話機としての一般的な機能をまとめて示した一般機能部136の他に以下の部品を備えている。
【0111】
充電池137については先の実施の形態で説明した。ファイル更新確認部139Aは、携帯型情報端末108Aが充電器106Aに接続された時点で充電器106Aからファイルの種類とレビジョンの照会があると、携帯型情報端末108Aにその時点で格納されている各ファイルの種類とファイルごとのレビジョンを読み出す。ファイルレビジョン管理部140Aを使用して読み出された各ファイルの種類とレビジョンは、データ転送インタフェース部141に送られる。
【0112】
データ転送インタフェース部141は、送られてきた各ファイルの種類とこれらのレビジョンを携帯接続ケーブル107によって充電器106A側に送り、ファイルレビジョン管理部117Aに格納された端末更新サーバ103A側のデータと比較させるようになっている。このとき、レビジョン管理テーブル117TAに登録されていないファイルが判別された場合には、そのファイルの種類と現時点のレビジョンをレビジョン管理テーブル117TAに登録する。これは、ユーザが携帯型情報端末108Aで新たに更新管理に指定したファイルを次回の更新の対象にするためである。
【0113】
レビジョン管理テーブル117TAに登録されているファイルでそのレビジョンがレビジョン管理テーブル117TAに登録されている方が新しい場合、データ転送インタフェース部141は充電器106Aからその新しいレビジョンのファイルの転送を受ける。この処理はファイル受信部142Aが行う。ファイル更新部143Aは、ファイル受信部142の受信したファイルの更新を行う。このとき、レビジョン管理テーブル140TAにおける該当するファイルのレビジョンが新しいものに書き換えられる。
【0114】
図17は、携帯型情報端末側に設けられたレビジョン管理テーブルの内容を表わしたものである。図15と共に説明する。
【0115】
携帯型情報端末108A側のファイルレビジョン管理部140Aは、不揮発性メモリから構成されたレビジョン管理テーブル140TAを有している。レビジョン管理テーブル140TAには、携帯型情報端末108A自体に格納されているファイルの種類と、その最新のレビジョンが記録されている。ファイル更新部143Aがファイルの更新を行うと、そのときの携帯型情報端末108Aにおける最新のレビジョンがレビジョン管理テーブル140TAに反映される。また、ユーザが一般機能部136を操作して、格納されている管理対象のファイルのいずれかを管理不要として削除した場合には、該当するファイルの種類とそのレビジョンに関するデータがレビジョン管理テーブル140TAから削除される。
【0116】
以上のような構成の変形例の携帯型情報端末のデータ更新システム100Aでは、携帯型情報端末108A側で指定した特定のファイルの更新を充電器106Aを介して処理する。端末更新サーバ103Aは、たとえば定期的に更新される時刻表や価格情報、ビジネスシーンで活用される営業データや顧客管理データ等のファイルを収集し、これらのレビジョンと共に管理することになる。
【0117】
先の実施の形態で使用した図9〜図13は、管理の対象となるソフトウェアをファイルと置き換えることで基本的に変形例の携帯型情報端末のデータ更新システム100Aでも使用することができる。そこで、変形例における更なる説明は省略する。
【0118】
以上説明した携帯型情報端末のデータ更新システム100Aでは、次のような効果がある。
【0119】
まず、第1の効果としてユーザが携帯型情報端末108Aの使用中であっても、必要なファイルを端末更新サーバ103Aからダウンロードすることができる点を挙げることができる。充電器106Aが端末更新サーバ103Aに接続されていれば、ユーザが着信に応答するために携帯型情報端末108Aを充電器106Aから一時的に取り外したとしても、これに無関係に充電器106Aに対してファイルのダウンロードが継続するからである。充電器106Aと携帯型情報端末108Aの間に充電用の経路とデータ転送インタフェース部121、141を別に設けた点も第1の効果を有効なものとしている。
【0120】
変形例による第2の効果として、携帯型情報端末108Aの電源をオフにしたり、あるいは何らかの理由でオフになっても、端末更新サーバ103Aからファイルをダウンロードする動作がキャンセルされることがない点を挙げることができる。端末更新サーバ103Aからのファイルのダウンロードは充電器106Aに対して行われるからである。この結果、端末更新サーバ103Aはファイルの転送処理を効率的に行うことができる。
【0121】
変形例による第3の効果として、携帯型情報端末108Aが必要なファイルをダウンロードするときに電池切れを心配する必要がない点を挙げることができる。携帯型情報端末108Aは充電器106Aからファイルの転送を受けるので、このとき充電器106Aから電源の供給を受けることができるからである。
【0122】
変形例による第4の効果として、ユーザが携帯型情報端末108Aを使用していない期間を利用して必要なファイルをダウンロードすることができる点を挙げることができる。ユーザが携帯型情報端末108Aを使用していないときにこれを充電器106Aに接続すれば、ファイルの更新が可能であるからである。
【0123】
変形例による第5の効果として、ユーザは携帯型情報端末108Aに対してある程度定期的にファイルのダウンロードを行うことができる点を挙げることができる。携帯型情報端末108Aは充電池を内蔵しているので、これが完全に消耗する前に充電を行う必要がある。このときを利用してファイルの更新が行われるので、更新が長期間滞ることを防止することができる。
【0124】
変形例による第6の効果として、端末更新サーバ103Aとの通信回線の状況に係わらず携帯型情報端末108Aに対するファイルのダウンロードを比較的短時間で終了させることができる点を挙げることができる。これは、充電器106Aが前もってダウンロードしたファイルを携帯型情報端末108Aに専用の通信手段で転送するようにしているからである。
【0125】
変形例による第7の効果として、携帯型情報端末108Aに対するファイルのダウンロードを誤って停止させることを防止できる点を挙げることができる。変形例では充電器106Aにインジケータを取り付け、これが赤色等の所定の警告色に点灯しているときには携帯型情報端末108Aを充電器106Aから取り外させないようにした。しかも、携帯型情報端末108Aと充電器106の間のファイルの転送は比較的短時間で終了するので、取り外しを制限する期間は比較的短く、多くの場合には着信時にファイルのダウンロードが行われていてもダウンロード終了まで待機可能である。
【0126】
変形例による第8の効果として、携帯型情報端末108Aの充電が特に必要でないときファイルの転送終了で携帯型情報端末108Aを充電器106Aから早期に取り外すことができる点を挙げることができる。変形例では充電器106Aにインジケータを取り付け、これが赤色等の所定の警告色に点灯していないときは、取り外しが可能であることが分かるようにした。これにより、充電池の履歴現象の発生を極力防止することができると共に、無駄な電力消費を避けることが可能である。
【0127】
なお、実施の形態および変形例では、充電器106、106Aによる携帯型情報端末108、108Aの充電をケーブルの接続によって行ったが、これに限るものではない。たとえば充電器106、106Aの上に携帯型情報端末108、108Aを載置して電磁誘導によって充電を行うようなものであってもよい。
【0128】
同様に充電器106、106Aと携帯型情報端末108、108Aの間のソフトウェアやファイル等のデータ転送も有線によって行う必要はなく、無線による接続で行うことも可能である。
【0129】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0130】
(付記1)
充電池を電源として使用する予め定めた端末としての携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、
前記携帯型情報端末が自装置に対して前記充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、
このネットワーク接続手段によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、
前記携帯型情報端末が自装置に前記充電が可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、
このレビジョン比較手段で前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持手段から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送手段
とを具備することを特徴とする充電器。
【0131】
(付記2)
前記特定データは、前記携帯型情報端末にインストールしているソフトウェアであることを特徴とする付記1記載の充電器。
【0132】
(付記3)
前記特定データは、前記携帯型情報端末が取り扱うファイルであることを特徴とする付記1記載の充電器。
【0133】
(付記4)
前記ネットワーク接続手段は、LAN(Local Area Network)を経由して更新サーバと接続することを特徴とする付記1記載の充電器。
【0134】
(付記5)
前記LANに使用するLANケーブルは、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3afとして標準化されたケーブルであり、前記充電用電源は所定のLANポートから給電することを特徴とする付記4記載の充電器。
【0135】
(付記6)
前記データ・レビジョン保持手段は、前記レビジョン照会手段の照会した前記携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのレビジョンとそのデータを保持することを特徴とする付記1記載の充電器。
【0136】
(付記7)
前記ネットワーク接続手段は、更新サーバと接続するまでの時間を一定時間間隔で計時するタイマ手段と、このタイマ手段が計時した時間が経過して前記更新サーバとの接続を試みたときに接続が失敗した場合、前記一定時間間隔よりも短い間隔で次の計時を行う接続失敗時時間間隔変更手段とを具備することを特徴とする付記4記載の充電器。
【0137】
(付記8)
前記データ転送手段が前記前記携帯型情報端末にデータの転送を行っている期間中、前記携帯型情報端末による前記接続の解除を警告する警告表示手段を具備することを特徴とする付記1記載の充電器。
【0138】
(付記9)
充電池を電源として使用する携帯型情報端末と、
この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと、
前記携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、前記携帯型情報端末が自装置に対して前記充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、前記特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、前記更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、このネットワーク接続手段によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、前記携帯型情報端末が自装置に前記充電が可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、このレビジョン比較手段で前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持手段から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送手段とを備える充電器
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0139】
(付記10)
前記特定データは、前記携帯型情報端末にインストールしているソフトウェアであることを特徴とする付記9記載の携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0140】
(付記11)
前記特定データは、前記携帯型情報端末が取り扱うファイルであることを特徴とする付記9記載の携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0141】
(付記12)
前記ネットワーク接続手段は、LANを経由して前記更新サーバと接続することを特徴とする付記9記載の携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0142】
(付記13)
前記LANに使用するLANケーブルは、IEEE802.3afとして標準化したケーブルであり、前記充電用電源は所定のLANポートから給電することを特徴とする付記12記載の携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0143】
(付記14)
前記データ・レビジョン保持手段は、前記レビジョン照会手段の照会した前記携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのレビジョンとそのデータを保持することを特徴とする付記9記載の携帯型情報端末のデータ更新システム。
【0144】
(付記15)
充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会ステップと、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続ステップと、
このネットワーク接続ステップによって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持ステップと、
前記携帯型情報端末が前記充電可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会ステップで照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持ステップで保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較ステップと、
このレビジョン比較ステップで前記データ・レビジョン保持ステップにおいて保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持ステップにおいて保持している場所から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送ステップ
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新方法。
【0145】
(付記16)
コンピュータに、
充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会処理と、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続処理と、
このネットワーク接続処理によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持処理と、
前記携帯型情報端末が前記充電可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会処理で照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持処理で保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較処理と、
このレビジョン比較処理で前記データ・レビジョン保持処理において保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持処理において保持している場所から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送処理
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新プログラム。
【符号の説明】
【0146】
10、23、106、106A 充電器
11、23a 充電用電源
12、23b レビジョン照会手段
13、23c ネットワーク接続手段
14、23d データ・レビジョン保持手段
15、23e レビジョン比較手段
16、23f データ転送手段
20、100、10A 携帯型情報端末のデータ更新システム
21、108、108A 携帯型情報端末
22 更新サーバ
30 携帯型情報端末のデータ更新方法
31 レビジョン照会ステップ
32 ネットワーク接続ステップ
33 データ・レビジョン保持ステップ
34 レビジョン比較ステップ
35 データ転送ステップ
40 携帯型情報端末のデータ更新プログラム
41 レビジョン照会処理
42 ネットワーク接続処理
43 データ・レビジョン保持処理
44 レビジョン比較処理
45 データ転送処理
101 インターネット
102 ルータ
103、103A 端末更新サーバ
104 LANケーブル
106I インジケータ
107 携帯接続ケーブル
111、133 CPU
112、134、 メモリ
113、135 制御部
114 LAN接続部
115、115A、139、139A ソフトウェア更新確認部
116 タイマ部
117、117A、140、140A ソフトウェアレビジョン管理部
117T、117TA、140T、140TA レビジョン管理テーブル
118、118A ソフトウェア受信部
119、119A ソフトウェア一時記憶部
120、120A ソフトウェア送信部
121、141 データ転送インタフェース部
137 充電池
138 充電器接続検出部
142、142A ソフトウェア受信部
143 ソフトウェア更新部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電池を電源として使用する予め定めた端末としての携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、
前記携帯型情報端末が自装置に対して前記充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、
このネットワーク接続手段によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、
前記携帯型情報端末が自装置に前記充電が可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、
このレビジョン比較手段で前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持手段から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送手段
とを具備することを特徴とする充電器。
【請求項2】
前記特定データは、前記携帯型情報端末にインストールしているソフトウェアであることを特徴とする請求項1記載の充電器。
【請求項3】
前記特定データは、前記携帯型情報端末が取り扱うファイルであることを特徴とする請求項1記載の充電器。
【請求項4】
前記ネットワーク接続手段は、LAN(Local Area Network)を経由して更新サーバと接続することを特徴とする請求項1記載の充電器。
【請求項5】
前記LANに使用するLANケーブルは、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.3afとして標準化されたケーブルであり、前記充電用電源は所定のLANポートから給電することを特徴とする請求項4記載の充電器。
【請求項6】
前記ネットワーク接続手段は、更新サーバと接続するまでの時間を一定時間間隔で計時するタイマ手段と、このタイマ手段が計時した時間が経過して前記更新サーバとの接続を試みたときに接続が失敗した場合、前記一定時間間隔よりも短い間隔で次の経時を行う接続失敗時時間間隔変更手段とを具備することを特徴とする請求項4記載の充電器。
【請求項7】
前記データ転送手段が前記前記携帯型情報端末にデータの転送を行っている期間中、前記携帯型情報端末による前記接続の解除を警告する警告表示手段を具備することを特徴とする請求項1記載の充電器。
【請求項8】
充電池を電源として使用する携帯型情報端末と、
この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと、
前記携帯型情報端末を充電するための充電用電源と、前記携帯型情報端末が自装置に対して前記充電用電源による充電が可能な状態で接続するたびに、前記特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会手段と、前記更新サーバと接続するネットワーク接続手段と、このネットワーク接続手段によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持手段と、前記携帯型情報端末が自装置に前記充電が可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会手段の照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較手段と、このレビジョン比較手段で前記データ・レビジョン保持手段に保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持手段から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送手段とを備える充電器
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新システム。
【請求項9】
充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会ステップと、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続ステップと、
このネットワーク接続ステップによって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持ステップと、
前記携帯型情報端末が前記充電可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会ステップで照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持ステップで保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較ステップと、
このレビジョン比較ステップで前記データ・レビジョン保持ステップにおいて保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持ステップにおいて保持している場所から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送ステップ
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新方法。
【請求項10】
コンピュータに、
充電池を電源として使用する予め定めた携帯型情報端末が充電可能な状態で接続するたびに、この携帯型情報端末の使用している更新可能な特定データのそれぞれについて改版の状態を照会するレビジョン照会処理と、
前記更新可能な特定データの改版が行われるたびに改版後のデータをこれらのレビジョンと共に保持する更新サーバと接続するネットワーク接続処理と、
このネットワーク接続処理によって前記更新サーバと接続したとき前記特定データのそれぞれについて新しいレビジョンのデータが存在していればこれらのデータをレビジョンと共に前記更新サーバから受信して保持するデータ・レビジョン保持処理と、
前記携帯型情報端末が前記充電可能な状態で接続したとき前記レビジョン照会処理で照会したレビジョンよりも前記データ・レビジョン保持処理で保持しているレビジョンに新しいものがあるかを比較するレビジョン比較処理と、
このレビジョン比較処理で前記データ・レビジョン保持処理において保持しているレビジョンが新しいとされたデータを前記データ・レビジョン保持処理において保持している場所から取り出して前記携帯型情報端末に転送するデータ転送処理
とを具備することを特徴とする携帯型情報端末のデータ更新プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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