説明

光およびフレグランス制御のためのユーザーインターフェースを備えた雰囲気装置

【課題】広範な範囲のスペクトルを放出できる雰囲気装置を容易に制御すること。
【解決手段】本発明は、雰囲気装置(1)の照明ユニット(2a)および/またはフレグランスユニット(2b)の設定を制御し、部屋内の雰囲気条件を決定するためのユーザーインターフェース(3)を備えた雰囲気装置(1)に関する。このユーザーインターフェース(3)は、検出デバイス(4)およびトランスポンダ(6)を備えたシステムに基づく。トランスポンダ(6)を検出デバイス(4)による検出レンジ内に移動することにより、トランスポンダ(6)はリターン信号を送る。この信号は雰囲気装置(1)の設定を制御する。各トランスポンダ(6)は、特定のカラーおよび特定の光強度および/または特定の匂いスペクトルおよび強度を制御するようにプログラムされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明ユニットと、フレグランスユニットと、照明ユニットの照明カラーおよび/または照明強度の設定、匂いスペクトルおよび/またはその強度の設定の双方を制御するためのインターフェースとを備えた、雰囲気装置に関する。
【0002】
本発明は更に、照明ユニット、フレグランスユニットおよびユーザーインターフェースによって制御される処理ユニットのアセンブリを含む雰囲気装置を制御するためのユーザーインターフェース、および雰囲気装置を制御するための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
現在の光源は、主に1つの照明カラーしか含まず、光源はこれらをオンオフに切り換えるか、またはディミングすることによって制御できるようになっている。近い将来、全スペクトルのカラーの光を発生できる光源と、選択された匂いスペクトルを発生できるフレグランスソースの双方を備えた雰囲気装置が、どの家庭でも一般的となろう。これらタイプの雰囲気装置によって、制御すべき部屋または場所に応じてほとんどすべての色、匂いおよび雰囲気を創出することが可能となろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、ユーザーは、光強度、輝度および/または色の特徴の外にフレグランスのスペクトルおよび強度も制御しなければならないので、かかる雰囲気装置の制御はより複雑となる。これら制御は、多くのユーザーにとって新しいものであるので、これら制御を取り扱う制御ユニットは使用が簡単であることが重要である。
【0005】
従来技術の欠点は、広範な範囲の放出可能なスペクトルを有する雰囲気装置を制御するための容易な方法を提供できないことである。
【0006】
本発明の目的は、従来技術の上記欠点を解消した雰囲気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、照明ユニットと、フレグランスユニットと、前記照明ユニットの照明カラーおよび/または強度の設定、および前記フレグランスユニットの匂いスペクトルおよび/または強度の設定の双方を制御するためのインターフェースとを備え、前記ユーザーインターフェースは複数のトランスポンダおよび前記トランスポンダを検出するための検出デバイスとを有し、各トランスポンダは、特定の設定を制御すると共に、前記トランスポンダが前記検出デバイスによって検出されない状態に対応する第1位置、および前記トランスポンダが前記検出デバイスによって検出され、トランスポンダがリータン信号を送る状態に対応する第2位置をとるようになっており、前記リータン信号は、前記照明ユニットの照明カラーおよび/または強度、および前記フレグランスユニットの匂いスペクトルおよび/または強度を制御するようになっている雰囲気装置によって達成される。
【0008】
本発明は、触知可能な物体(本明細書ではトランスポンダと称す)をこれらのトランスポンダのための検出デバイスに対して移動することにより、ユーザーは、雰囲気を極めて容易に変更できる。すなわち、特に各トランスポンダが特定の匂いおよび/またはカラーに対応している場合に、匂いスペクトルおよび/または匂い強度、および/または1つの光源または複数の光源のカラーおよび/または強度を極めて容易に変更できる。例えば、ユーザーが所定のカラーの強度を変更したい場合、このカラーに対応する照明トランスポンダを第1位置から第2位置へ、またはこの逆に変えるだけでよい。この照明トランスポンダを移動すると、照明トランスポンダは、そのリターン信号を変更し、このリターン信号は、照明カラーの変更の尺度となる。同様に、所定に匂いに対応するトランスポンダの同様な変更により匂いスペクトルを容易に制御できる。
【0009】
好ましい実施形態では、制御すべき特定の照明カラーは、原色である、赤色、緑色および青色を含む。1931年のICE(国際照明委員会)の色度図では、これら原色は三角形を成し、これら三原色の光源の強度の比を調節することにより、この三角内のカラーすべてを発生できる。特に、これによってハロゲンタイプのランプの光のようなコールドライトから、従来の電球の光のような暖かい光までの白色光の広い範囲の色温度の選択が可能となる。このことは、すべての種類の光源に適用できる。例として、白熱灯、HIDランプ、低水銀圧放電ランプ、発光ダイオード(LED)を挙げることができるが、本発明はこれら例だけに限定されるものではない。
【0010】
別の好ましい実施形態では、制御すべき匂いスペクトルは、天然の匂い、例えば花、植物、石鹸、シャンプーまたは香水の匂い、例えば薔薇、ラベンダー、蘭、新しく刈り込んだ芝、海水、コーヒー、焼きたてのパン、シャネルNo.5(登録商標)、

(登録商標)などを挙げることができる。これとは異なり、テレビまたはコンピュータ画像と(自動的に)組み合わせて、雰囲気装置を使用する場合、加速中の自動車の焦げたゴムの匂い、または焼けた火薬の匂いもおもしろい。このことは、例えば花の形状にしたり、香水のボトルの一部を形成したり、海の写真を見せることにより提供される匂いのイメージをフレグランストランスポンダが示すときに特に便利である。
【0011】
別の実施形態は、照明カラーの強度および/または匂いスペクトルが前記カラーを制御するようになっており、第2位置をとっているトランスポンダの数に比例することを特徴とする。この実施形態の構造は、雰囲気装置を制御するのに極めて直感的である。これによって、より多数のトランスポンダを第2位置にすればするほど、この特定の選択から、発生される光および/またはフレグランス出力も多くなる。例えばこれらトランスポンダの数の間の関係をリニアに選択することができる。すなわちパワーはトランスポンダの数にリニアに比例する。別の選択は、第2位置にあるトランスポンダの数と雰囲気装置へ送られるパワーとの関係を指数関係に設定することであり、このような関係によって、人の感覚の認識の特性に、より良好に類似させることができる。
【0012】
別の好ましい実施形態では、トランスポンダは、RFIDタグであり、各タグは識別番号を含み、検出デバイスは、アンテナを含み、このアンテナは前記RFIDタグが受信する電磁波信号を作動時に送るようになっており、リータン信号は、前記RFIDタグの識別番号を含む。トランスポンダに対しては、無線周波数識別タグ(RFIDタグ)を選択することが好ましい。これらタグは、盗難防止のために店舗のセキュリティシステムで広く使用されており、一般に公知のものである。このタグが第1位置、すなわち検出デバイスによって検出されない位置から、第2位置、すなわち検出デバイスによって検出される位置に移動されると、かかるRFIDタグは、リターン信号として識別番号、すなわちID番号を送る。このID番号は、ルックアップテーブルによってカラー、匂いスペクトルまたは強度に一義的に結合できる。
【0013】
光強度を、既に調節したカラーと比例するように、従ってカラーが中性となるように変えるために、トランスポンダのID番号を結合することも可能である。更に、照明ユニットに所定の量の白色光を加えることによって強度を変更する白色RFIDタグを使用することが可能となる。多くの場合、これによって光のカラーが変更される。かかる照明デバイスを調節することが快適となるよう、トランスポンダが制御するカラーにトランスポンダを着色してもよい。例えばかかるシステムは、原色を調節するための赤色、緑色および青色トランスポンダ、および白色を追加することにより、カラーの設定に影響する白色トランスポンダを含むことができる。
【0014】
更に、照明とフレグランスが不合理で、矛盾した、および/またはそれらの不愉快な組み合わせが防止されるよう、匂いスペクトルおよびその強度と共に、照明カラーおよび強度の制御をプログラムすることが好ましい。例えば、不合理な組み合わせとして、焼きたてのパンのフレグランスと暖かい地中海の夕方に対応する照明設定との組み合わせ、または焼きたてのパンの匂いと刈ったばかりの芝の匂いの組み合わせがある。これとは異なり、照明とフレグランスの極めて心地よい組み合わせ、例えば日没、日の出の照明の設定とコーヒーの匂いの組み合わせをあらかじめプログラムすることもできる。このようなあらかじめプログラムした組み合わせは、ユーザーインターフェースの使用を更に容易にすると共に、不快な組み合わせを抑制できる。
【0015】
かかる雰囲気装置の一例は、検出デバイスが、ボウル状容器内に組み込まれており、前記トランスポンダが、触知できる物体内に組み込まれており、トランスポンダはボウル状容器の外部にあるときは第1位置にあり、ボウル状容器の内部にあるときは第2位置に位置することを特徴とする。この例では、トランスポンダをボウルに入れることができるマーブルとすることができ、ボウル内のすべてのトランスポンダは対応する照明ユニットおよびフレグランスユニットのカラーおよび強度を決定する。ちょうどフルーツボウルのようにテーブルの上にかかるボウルを置くことができ、このボウルは家庭のインテリアにおける装飾的オブジェクトとなり得る。
【0016】
別の実施形態は、トランスポンダにスイッチング要素が設けられており、このトランスポンダは少なくとも第1面および第2面を有する触知可能な物体内に組み込まれており、前記第1面が上向きのとき、前記スイッチはオフであり、前記第2面が上向きのとき、前記スイッチはオンであり、前記第1面が上向きの状態で前記触知可能な物体が位置しているときにトランスポンダが第1位置にあり、前記第2面が上向きの状態で前記触知可能な物体が位置しているときにトランスポンダが第2位置に位置することを特徴とする。この例では、トランスポンダを裏返しにすることにより、第1位置から第2位置へトランスポンダを移動する。このことは、ボウル状容器の場合、このボウル内に常にすべてのトランスポンダがあり、トランスポンダが作動しているか否かを、上を向いた面が示す。
【0017】
同じように、例えばテーブルのエッジまたは表面に検出デバイスを組み込み、検出デバイスの領域内で、すべてのトランスポンダがちょうどテーブル上のオブジェクトとなるような雰囲気装置を創出でき、トランスポンダを裏返しにすることにより、照明ユニットおよびフレグランスユニットを制御する。
【0018】
この雰囲気装置は更に、検出デバイスからのリターン信号を、照明ユニットおよびフレグランスユニットの双方のための入力値に変換するための処理ユニットを含むことを特徴とする。
【0019】
第2位置にある各トランスポンダはリターン信号を送る。このリターン信号は、照明ユニットおよび/またはフレグランスユニットを駆動するために必要な情報に変換しなければならない。この変換は、処理ユニット、例えばパソコンによって容易に実行できる。例えばこの変換は、多数のトランスポンダからの一連のリターン信号の間の関係を示すルックアップテーブルから、照明ユニットの対応する照明カラーおよび/または強度、およびフレグランスユニットの匂いスペクトルおよび匂い強度に誘導できる。
【0020】
本発明は更に、雰囲気装置の照明ユニットおよびフレグランスユニットを制御するためのユーザーインターフェース、照明ユニット、フレグランスおよびかかるユーザーインターフェースによって制御される処理ユニットのアセンブリだけでなく、この照明ユニットおよびフレグランスユニットを制御する方法にも関する。
【0021】
添付図面および下記の実施形態を参照しながら、非限定的な例を読めば、本発明の上記およびそれ以外の特徴が明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明に係わる雰囲気装置1の異なる部品の概略図である。雰囲気装置1は照明ユニット2aと、雰囲気ユニット2bと、ユーザーインターフェース3とを備える。ユーザーインターフェースでは次の要素を区別できる。すなわち検出デバイス4、例えばアンテナと、トランスポンダ6a、6bとを区別できる。この例では、ボウル5に検出デバイス4が取り付けられており、この例においてボウルの外側にトランスポンダ6a、6bが位置しているとき、これらトランスポンダは作動していないと見なされる。すなわちこれらは検出デバイス4によっては検出されないが、ボウルの内部にあるとき、これらは作動しており、すなわち検出され、トランスポンダはリターン信号を送り戻す。このリターン信号はドライバー回路8a、8bが光源7aおよび匂いソース7bをそれぞれドライブするのに適した信号に変換される。このような変換、例えばリターン信号から照明ユニット2aのカラーおよび/または強度の選択への変換およびフレグランスユニット2bからの匂いおよび/または強度の選択への変換は、処理ユニット9、例えばパソコンによって行われる。この処理ユニット9は別個のエンティティでもよいが、ユーザーインターフェース3内または照明ユニット2a内、またはフレグランスユニット2b内に組み込んでもよい。
【0023】
ユーザーインターフェース3は部屋内の雰囲気設定のためのリモコンとして見ることができる。リターン信号から誘導された情報は、処理ユニット9に送られ、変換されたデータがドライバー回路8a、8bに送られる。このような情報の伝達は、別個のユニットを相互接続することによって実現されるが、情報を無線で送信することによっても行うことができる。
【0024】
光源7aは、異なるカラーのLEDとすることもできるし、従来のランプのような他の光源を使用してもよい。匂いソース7bは、異なる匂いを含む、匂いディスペンサー、例えばスプレイノズル、ボトルまたは他の蒸発器を通して小出しされる匂いの液/ガスでもよいし、匂いが含浸された固体のような他の匂いソースも使用できる。
【0025】
以下、2つの例に基づき、本発明について説明するが、本発明はこれら例だけに限定されるものではない。
【0026】
図2A〜2Eには、第1実施形態のユーザーインターフェース3が示されている。このユーザーインターフェース3は、ボウル状容器5と、多数のトランスポンダ6a、6bを有する。ボウル状容器5は、テーブルで装飾的な価値を有し得るフルーツボウルのようなボウルでもよいが、トランスポンダ6a、6bを含むのに適した他の任意の形状でもよい。ボウル状容器5には検出デバイス4が設けられ、この検出デバイス4はボウル状容器5のエッジに取り付けられたコイルまたはアンテナとすることができる。この検出デバイス4には、電源およびトランスポンダ6a、6bの情報を読み出すための手段を設けなければならない。トランスポンダ6a、6bのための無線識別(RFID)タグを選択できる。これらRFIDタグは1つのID番号を含むようにプログラムできるICを含む。検出デバイス4は、電磁波信号を送るアンテナを含む。この電磁波信号は、RFIDタグにより受信され、これらタグはこの信号からのエネルギーを電源として使用し、信号を受信すると、RFIDタグはこのタグにプログラムされている識別と共に、リターン信号を送り戻す。
【0027】
この情報は処理ユニットへ送られ、処理ユニットでは照明ユニットおよび/またはフレグランスユニットを適当なパラメータが駆動するための入力信号に変換される。照明ユニットがLEDシステムである場合、これらパラメータはLEDの光出力を所定の値にするのに必要な電流とすることができ、LEDが多数設けられている場合では、これらパラメータはどのLEDをオンにし、どれをオフにするかを決定できる。フレグランスユニットがスプレイノズルシステムである場合、パラメータはそれぞれのスプレイノズルの匂いの出力を所定の値にするのに必要な電流とすることができ、多数のスプレイノズルが設けられている場合、これらパラメータはどのスプレイノズルをオンにし、どのスプレイノズルをオフにするかを決定できる。
【0028】
図2Aでは、照明ユニットおよびフレグランスユニットはオフ状態にあり、トランスポンダ6a、6bはボウル状容器5の外部にあり、この容器は第1位置または非作動位置にあると称すことができる。この例では、触知可能なオブジェクト(以下、マーブルと称す)内にトランスポンダ6a、6bが収納されており、マーブル6aは、マーブルが照明の所望する色に寄与していることに適合するような色がつけられており、マーブル6bは、花の形状となっており、これらマーブルが提供するそれぞれのフレグランス、例えばデージーまたはチューリップの匂いを有する。例えば照明ユニットが赤色、緑色および青色LEDヲ含む場合、これらマーブルも赤色、緑色および青色に着色される。図2Bおよび2Cでは、照明ユニットは作動位置にあるトランスポンダ6aに対応する1つの色の光しか発光しない。図2Cでは、雰囲気装置のフレグランスユニットがデージーのフレグランスを放出する。
【0029】
ボウル状容器5に、より多数のトランスポンダ6aを追加すると、図7Dおよび7Eに示されるような混合色(および/または混合フレグランス)が生じる。同じ色/形状のより多数のマーブルを追加することにより、光/フレグランスの強度を制御できる。作動している、対応する色のマーブルの数と共に、LEDにかけるパワーをリニアに増加するように選択できる。
【0030】
人の眼の感度は対数的性質を有する。例えば眼は光源のパワーが指数的に増加するとき、強度の増加をリニアに認識する。このような理由から、ボウル状容器5にマーブルを追加することにより、強度が指数的に増加するよう、処理ユニットにプログラムを組むことができる。
【0031】
ボウル状容器5は、所望する色の照明を発するように選択された多数のマーブルを備え、照明の強度を増加しなければならないとき、同じ色の光を維持するには、既にボウル状容器5内に存在しているのと同じ比で、マーブルを追加しなければならない。光強度を増加するための可能な別の選択肢として、専用の光強度マーブルを使用することができる。これらマーブルに対し、異なる色の、既に作動しているマーブルの比に応じて、光強度を増加するように処理ユニットをプログラムする。このことは、これら専用の光強度マーブルは、照明の色を変えないことを意味する。
【0032】
マーブルのサイズを変えたり、光/フレグランスの強度を大きくすることによっても、光/フレグランス強度を制御することもできる。
【0033】
更に、混色のマーブルを使用することも可能となる。例えば紫色のマーブルで、青色および赤色LEDを同時に駆動するか、またはこれとは異なり、色とフレグランスを組み合わせ、気持ちのよい色とフレグランスの組み合わせを生じさせる。複数のフレグランスまたは色とフレグランスの不合理で/不快な組み合わせが選択されると、警告信号を発生するよう、処理ユニットをあらかじめプログラムすることができる。この警告信号は、例えば光のフリッカーとすることができ、例えば信号の結果としてフレグランスユニットの匂いディスペンサーが作動しない状態に維持できる。
【0034】
作動しないように選択されるマーブルを別個のボックスに入れてもよいし、またはボウル状容器の横に置いてもよい。図3に示されるような別の例として、溝10と共に、ボウル状容器5を使用することができ、この溝10を、検出デバイス4によって閉じられた領域の外に設け、この溝内に作動しないマーブルを置くことができる。
【0035】
図4は、本発明の第2実施形態を示す。この例では、例えば光6aのためのトランスポンダ6aおよびフレグランスのためのトランスポンダ6bの双方を示すトランスポンダ6は、表面15、例えばテーブルに置いたキューブ11内に組み込まれている。テーブルの天板のエッジまたはテーブルの天板の一部の領域内に、検出デバイス4を設置してもよい。更に、トランスポンダ6を非作動状態から作動状態に変えることができるスイッチング要素14をトランスポンダ6に設ける。例えばこのスイッチング要素14は、重量スイッチとすることができ、このスイッチはキューブが第1位置にあると、開位置、すなわちオフまたは非作動位置になり、キューブを第2位置に裏返しにすると、閉位置、すなわちオンまたは作動位置になる。図4では、このタイプのトランスポンダ6の主要部品をキューブ内で区別できる。すなわちプログラムされた情報、例えばID番号を有するIC12と、信号を受信し、送り戻すためのアンテナ13と、スイッチング要素14を区別できる。
【0036】
この実施形態では、制御すべき光のカラーに適合するようにキューブ11に色をつけることができる。キューブが作動位置にあるのか、非作動位置にあるのかを見るために、キューブが作動していないことを示す面に、適当な色、例えば着色ドットと共に黒の表示を設け、一方、キューブが作動していることを示す面全体を着色する。照明カラーおよび強度を制御する方法は、第1実施形態に類似しており、トランスポンダを第1位置から第2位置まで移動する方法が異なる。すなわち第1実施形態では、ボウル状容器4内にマーブルを挿入し、第2実施形態ではキューブ11を裏返しすることにより制御する点が異なっている。フレグランスを制御する同一または同様な方法を、フレグランスユニットの制御にも適用できる。
【0037】
図5には、重量スイッチのための別の態様が示されている。ここでは、キューブ11にキャビティ16が設けられており、このキャビティ16内にはトランスポンダ6が挿入されており、このトランスポンダをはキャビティ16内で移動できるようになっている。更にキャビティ16にはこのキャビティを半分カバーする金属シールド17が設けられている。図5における左キューブ内にて、シールド17は、キューブ11が第2の作動位置にあるとき、キャビティ16の上半分をカバーする。すなわちキューブ11がこのように配向しているとき、検出デバイス4によってトランスポンダ6が検出される。図5の中心および右チューブに対して行ったように、キューブ11を裏返しにすると、シールド17はキャビティの下半分をカバーし、トランスポンダ6は下に落下し、検出デバイス4によってRFIDタグが検出されないよう、すなわち非作動状態となるように、RFIDタグからの通信信号が乱される。
【0038】
ここでもキューブの使用はこの実施形態を制限するものではない。すなわちトランスポンダ6を含む触知可能な物体は、異なる形状、例えば平らなディスク形状または円筒形状でもよい。
【0039】
更に2つの実施形態を組み合わせることができる。例えばトランスポンダ6にスイッチング要素14を設ける場合、ボウル状容器5内でトランスポンダ6を使用することもできる。この場合、トランスポンダ6は、ボウル状容器5内に留まり、トランスポンダをひっくり返すことにより、トランスポンダは第1位置から第2位置へ移動する。この場合、トランスポンダをディスク形状または玉形状とすることが好ましい。
【0040】
表面15を多数のサブエリアに分割し、各サブエリアに検出デバイス4を設けることにより、照明/フレグランスを制御すべき部屋のマップとして表面15を使用できる。表面15上のキューブ11の相対的位置は、どの検出デバイス4がキューブ11の存在を検出するかを決定すると共に、この相対的位置を使って、照明/フレグランスを制御する部屋の特定部分を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係わる雰囲気装置の略図である。
【図2A】本発明に係わる第1実施形態を示す。
【図2B】本発明に係わる第1実施形態を示す。
【図2C】本発明に係わる第1実施形態を示す。
【図2D】本発明に係わる第1実施形態を示す。
【図2E】本発明に係わる第1実施形態を示す。
【図3】第1実施形態の変形例である。
【図4】本発明に係わる第2実施形態を示す。
【図5】第2実施形態の変形例である。
【符号の説明】
【0042】
1 雰囲気装置
2a 照明ユニット
2b フレグランスユニット
3 ユーザーインターフェース
4 検出デバイス
6 トランスポンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニット(2a)と、フレグランスユニット(2b)と、前記照明ユニット(2a)の照明カラーおよび/または強度の設定、および前記フレグランスユニット(2b)の匂いスペクトルおよび/または強度の設定の双方を制御するためのインターフェース(3)とを備え、前記ユーザーインターフェースは複数のトランスポンダ(6)および前記トランスポンダ(6)を検出するための検出デバイス(4)とを有し、各トランスポンダ(6)は、特定の設定を制御すると共に、前記トランスポンダ(6)が前記検出デバイス(4)によって検出されない状態に対応する第1位置、および前記トランスポンダ(6)が前記検出デバイス(4)によって検出され、トランスポンダがリータン信号を送る状態に対応する第2位置をとるようになっており、前記リータン信号は、前記照明ユニット(2a)の照明カラーおよび/または強度、および前記フレグランスユニット(2b)の匂いスペクトルおよび/または強度を制御するようになっている雰囲気装置(1)。
【請求項2】
制御すべき前記特定の照明カラーは、原色である赤色、緑色および青色を含むことを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置(1)。
【請求項3】
制御すべき前記特定の匂いは、花、植物、香水、石鹸、焼きたてのパン、海(水)、焼けたゴムまたは火薬の(天然の)匂いから選択された少なくとも1つの匂いを含むことを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置。
【請求項4】
照明ユニット(2a)は、少なくとも1つのLED(7a)を含むことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項5】
前記フレグランスユニット(2b)は、匂い液、匂いガスおよび匂い固体の群から選択された少なくとも1つの匂いソース(7b)を含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項6】
雰囲気設定のうちの前記強度は、前記設定を制御し、第2位置をとるようになっているトランスポンダ(6)の数に比例することを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置(1)。
【請求項7】
前記トランスポンダ(6)は、RFIDタグであり、各タグは識別番号を含むことを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置(1)。
【請求項8】
前記検出デバイス(4)は、アンテナを含み、前記アンテナは前記RFIDタグが受信する電磁波信号を作動時に送るようになっており、リータン信号は、前記RFIDタグの識別番号を含むことを特徴とする請求項7記載の雰囲気装置(1)。
【請求項9】
前記検出デバイス(4)は、ボウル状容器(5)内に組み込まれており、前記トランスポンダ(6)は、触知できる物体内に組み込まれており、トランスポンダはボウル状容器(5)の外部にあるときは第1位置にあり、ボウル状容器(5)の内部にあるときは第2位置に位置することを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置(1)。
【請求項10】
前記触知可能な照明物体は、制御するようになっている照明カラーに対応するカラーを有することを特徴とする請求項9記載の雰囲気装置(1)。
【請求項11】
各触知可能なフレグランス物体は、制御すべき匂いを視覚化することを特徴とする請求項9記載の雰囲気装置(1)。
【請求項12】
前記触知可能な物体は、マーブルの形状を有する、請求項9乃至11の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項13】
前記トランスポンダ(6)にはスイッチング要素(14)が設けられており、このトランスポンダは、少なくとも第1面および第2面を有する触知可能な物体内に組み込まれており、前記第1面が上向きのとき、前記スイッチはオフであり、前記第2面が上向きのとき、前記スイッチはオンであり、前記第1面が上向きの状態で前記触知可能な物体が位置しているときにトランスポンダ(6)は第1位置にあり、前記第2面が上向きの状態で前記触知可能な物体が位置しているときにトランスポンダ(6)は第2位置に位置することを特徴とする請求項1記載の雰囲気装置(1)。
【請求項14】
各触知可能な照明物体の第2の面は、本デバイスが制御する照明カラーに適合するような色がつけられており、前記触知可能な照明物体の第1の面は、前記カラーの表示を支持することを特徴とする請求項13記載の雰囲気装置(1)。
【請求項15】
各触知可能なフレグランス物体の前記第2面は、本装置が制御する匂いを視覚化し、前記ディスク状の触知可能な物体の前記第1面は前記匂いの表示を支持することを特徴とする請求項13記載の雰囲気装置(1)。
【請求項16】
前記検出デバイス(4)は、ボウル状容器(5)内に組み込まれており、ディスク状の触知可能な物体の形状を有する前記トランスポンダ(6)は前記ボウル状容器(4)内に位置することを特徴とする、請求項13乃至15の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項17】
前記検出デバイス(4)は、表面(15)、特にテーブルを収納しており、キューブ状の触知可能な物体(11)の形状を有する前記トランスポンダ(6)は前記表面(15)上に位置することを特徴とする、請求項13乃至15の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項18】
前記雰囲気装置(1)は、前記検出デバイス(4)からの前記リータン信号を前記照明ユニット(2a)および/または前記フレグランスユニット(2b)のための入力値へ変換するための処理ユニット(9)を更に含むことを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の雰囲気装置(1)。
【請求項19】
複数の照明および/またはフレグランストランスポンダ(6)および検出デバイス(4)を有する、照明ユニット(2a)および/またはフレグランスユニット(2b)を制御するためのユーザーインターフェース(3)であって、各トランスポンダ(6)は、前記照明ユニット(2a)および/またはフレグランスユニット(2b)の特定の雰囲気設定を制御すると共に、前記トランスポンダ(6)が前記検出デバイス(4)によって検出されない状態に対応する第1位置、および前記トランスポンダ(6)が前記検出デバイス(4)によって検出され、リータン信号を送る状態に対応する第2位置をとるようになっており、前記リータン信号は照明ユニット(2a)および/またはフレグランスユニット(2b)の設定を制御するようになっているユーザーインターフェース(3)。
【請求項20】
前記処理ユニット(9)は、請求項19記載の前記ユーザーインターフェース(3)が供給するリータン信号を受信すると共に、このリータン信号を前記処理ユニット(2a)および/または前記フレグランスユニット(2b)のための入力値に変換するようになっていることを特徴とする処理ユニット(2a)とフレグランスユニット(2b)と処理ユニット(9)とのアセンブリ。
【請求項21】
複数のトランスポンダ(6)および検出デバイス(4)を有するユーザーインターフェース(3)を使用することにより、雰囲気装置(1)を制御する方法であって、前記検出デバイス(4)により、前記トランスポンダ(6)を検出しない状態に対応する第1位置から、前記検出デバイス(4)により前記トランスポンダ(6)を検出し、このトランスポンダがリータン信号を送る状態に対応する第2位置までトランスポンダ(6)を変えることにより、各トランスポンダ(6)は、前記雰囲気装置(1)の特定の雰囲気設定を制御するようになっており、前記リータン信号は、前記雰囲気装置(1)の雰囲気設定を制御するようになっている雰囲気装置(1)を制御する方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−543011(P2008−543011A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514271(P2008−514271)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051662
【国際公開番号】WO2006/129250
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【出願人】(507392820)サラ リー ハウスホールド アンド ボディーケア エスパーニャ ソシエダッド リミターダ (1)
【Fターム(参考)】