説明

光による有機基材の劣化に対する改善された保護のための安定剤組成物

本発明は、有機基材の長期間の光への暴露の間に相乗作用効率を示す特定の他の添加剤を有するベンジリデンビスマロネート系光安定剤の組み合わせに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機基材の長期間の光への暴露の間に、相乗作用効率を示す特定の他の添加剤とベンジリデンビスマロネート系光安定剤との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られているように、多くの有機基材、特にポリマー基材またはポリマー材料は、それらの寿命の間の長期間の光への暴露にも関わらず、ポリマー特性を保つために、立体的に込み合ったアミン(HAS)からなり、そして多くの場合、紫外線吸収剤と組み合わされた安定化パッケージを必要とする。
【0003】
ポリマー基材またはポリマー材料、主としてこれらの’’有機的な’’性質は、高エネルギー線から劣化を受けやすい。太陽光からの紫外(UV)線は、ポリマーの光酸化の最も通常の開始剤である。
【0004】
UV光は、有機ポリマー系によって吸収される場合、’’遊離基’’を生成する。これらの遊離基(不対電子を有する過酸化物および分子フラグメント)は、色変化、および物理的および化学的特性の損失を生じる種々の酸化反応を介して、暴露された材料を劣化させる。
【0005】
基本的に2つの主な種類の添加剤、すなわち立体的に込み入ったアミン安定剤(HAS)タイプのUV吸収剤および光酸化防止剤が、プラスチック、エラストマーで改質されたプラスチック、繊維および被膜等の有機ポリマー:の効率的な光安定化のために通常使用される。添加剤は、太陽光線および人工の光線によって引き起こされる化学的および物理的な工程に干渉する。光安定剤の構造は、特定のポリマーおよびその用途の環境条件に調整されることが好ましい。
【0006】
時々UV光安定剤とも呼ばれるUV吸収剤は、依然増えている種類の化合物である。これらの化合物は、紫外線が攻撃するにつれて紫外線吸収に対する阻害剤として働き、そして細胞を損傷する場合があり、そしてプラスチックを破壊する場合がある不安定化反応が開始するのを防止する。UV吸収剤をこれらの製品に加えると、著しく長期の有用な寿命が達成できる。
【0007】
影響を受けやすいポリマーの系において光酸化の劣化を防ぎ、または少なくとも遅らせるための実用的なアプローチは:
a)有機基材のマトリックスによるUV光の吸収の減少
b)ポリマー中に、ある分子群を加えること(’’クエンチング’’)による吸収される光誘起エネルギーの減少
c)酸化防止剤の働き、
である。
【0008】
ポリマーマトリックスによってUV光の吸収を低下させることは、種々のUV不透明顔料を使用するUV吸収の’’ブロッキング’’によって、または有害な光線を選択的に吸収し、そしてより有害でない波長、主に熱として再発光するUV吸収剤を用いることによって、達成できる。
【0009】
商業的に公知のUV吸収剤は、o−ヒドロキシベンゾフェノンまたはo−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールまたはベンゾエート、シンナメート、オキサニリドまたはサリチレートである。最も立体的に込み入ったアミン安定剤は、アミノテトラアルキルピペリジンの周知の誘導体である。
【0010】
すべてのこれらの化合物は、’’Plastics Additivess Handbook’’、5th edition、editor H.Zweifel、Hanser Publishers Munic、 Germany (2001) およびHanser Gardener Publications、 Cincinnati、USA (2000)、chapter 1.5.1.2、 pp.11〜13中に記載されている。
【0011】
しばしば、UVに不透明な顔料およびUV吸収剤の両者は、最大の保護のために併せて使用される。しかし、審美性および他への考慮により、多くの場合、UVに不透明な顔料は使用できない。
【0012】
商業的に、UV吸収剤の主な使用は、’’ベンゾフェノン’’(αヒドロキシベンゾフェノン)、’’ベンゾトリアゾール’’(αヒドロキシベンゾトリアゾール)と、ヒドロキシフェニルトリアジンとの間で分かれる。ベンゾエート、シンナメート、オキサニリド、およびサリチレート等の化合物が、より少ない程度で使用される。
【0013】
290〜400nm波長領域で固有の光安定性を有するUV吸収剤は、それらの光劣化に対するポリマーの保護のために使用される。
ヒドロキシフェニル基を有するUV吸収剤は、励起状態で起こる分子間プロトン移動メカニズムにより通常働く。
【0014】
商業および工学ポリマーは、それ自体光安定な材料と考えられていない。重合触媒残留物等の触媒不純物および微量の偶発的な金属性汚染物質および増感剤、またなんらかの顔料は、大気エージングにより光劣化のきっかけとなる候補である。さらに、フェノールのいくつかの転化生成物は、光酸化のきっかけとなる場合がある。化学線作用のある太陽光線に対する暴露されたポリマーの安定化は、したがって必須である。
【0015】
実際には、種々のタイプの使用される添加剤は、UV保護のための組み合わせである。添加剤の組み合わせは、ポリマーマトリックス中で混和性であることが好ましく、そしてポリマーマトリックスから最小限の移動を示すことが好ましい。また核生成のような他の副作用は、有機基材の一般的な物理的特性を保つために、最小限であることが好ましい。さらに添加剤は、可能な限りの低濃度で使用するために、可能な限り効率的であることが好ましい。
【0016】
独国特許第1801221第号明細書は、ベンジリデンビスマロネート、生産方法、およびポリマー基材中でのUV吸収剤としてそれらの適用を開示する。
【0017】
国際公開第03/095543A号パンフレットは、ベンジリデンビスマロネート、特にオキサニリドと、ある立体的に込み入ったアミン安定剤との組み合わせ、および寿命の間の損傷を与える影響に対する種々のポリマー基材の保護のためのリン系加工安定剤の使用を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
あいにく市場で入手可能な公知の安定剤組み合わせは、光および熱等の環境的損傷を与える影響に対して、有機基材の保護に関して欠点を依然示す。
【0019】
普通受け入れられる濃度またはそれよりも少ない投与量を可能とする、さらに効率的な添加調合物へのニーズが依然ある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
特定のUV吸収剤を有するベンジリデンビスマロネートに基づくUV吸収剤の混合物が、有機基材の寿命の間に損傷を与える影響に対し、有機基材を保護することにおいて相乗効果を示すことが、驚くことに見いだされた。
【0021】
以下の内容において、’’ヘテロアリール’’は、それ以外の記載がなければ、O、NおよびSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子、好ましくは、1種または2種の、さらに好ましくは、1種のヘテロ原子を有するヘテロアリールを意味する。
【0022】
本発明の主題は、成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む組成物(C)であり、成分(A)は、式(I)の1種または2種以上の化合物であり;
【0023】
【化1】

【0024】
そして成分(B)は、式(II)の化合物、
【0025】
【化2】

【0026】
式(V)の化合物、
【0027】
【化3】

【0028】
および式(VI)の化合物;
【0029】
【化4】

【0030】
(式(I)〜(VI)中、
Rは、C1〜18アルキルまたはC1〜18シクロアルキルであり;
R'は、H、C1〜18アルキルまたはC3〜12シクロアルキル、C6〜10アリール、F、Cl、Br、CN、OH、O−C1〜18アルキル、O−C3〜12シクロアルキル、O−C6〜10アリール、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子、好ましくは、1種または2種、さらに好ましくは、1種のヘテロ原子を有するC3〜10ヘテロアリール
【0031】
Rl〜R8およびRl8〜R24は、H、OH、F、Cl、Br、S−C1〜12アルキルおよびS−C3〜12シクロアルキル、C1〜18アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜10アリール、ならびにO、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子、好ましくは、1種または1つ超の、さらに好ましくは、1種のヘテロ原子を有するC3〜10ヘテロアリール;
C(O)O−C6〜10アリール、およびO、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子、好ましくは、1種または2種の、さらに好ましくは、1種のヘテロ原子を有するC(O)O−C3〜10ヘテロアリール;
O−C1〜18アルキル、O−C3〜12シクロアルキル、O−(C)−C6−10アリール、およびO、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子、好ましくは、1種または2種の、さらに好ましくは、1種のヘテロ原子を有するO−C3〜10ヘテロアリール、から成る群から相互に独立して選択される。)、
からなる群から選択される1種または2種以上の化合物である。
【0032】
好ましいのは、組成物(C)であり、
式(I)〜(VI)中、Rは、C1〜6アルキルであり;
R'は、H、C1〜6アルキルおよびC6〜12シクロアルキルからなる群から選択され;
Rl〜R8およびR18〜R24は、H、C1〜12アルキル、C6〜12シクロアルキル、Cアリール、C3〜5ヘテロアリール、C(O)O−Cアリール、C(O)O−C3〜5ヘテロアリール、O−C1〜12アルキル、O−C3〜10シクロアルキル、O−Cアリール、O−C3〜5ヘテロアリールおよびOHからなる群から相互に独立して選択される。
【0033】
さらに好ましいのは、組成物(C)であり、
式(I)〜(VI)中、式(I)において
Rは、C1〜2のアルキルであり、そして
R'は、Hであり;
好ましくは、
Rは、エチルであり、そして
R'は、Hである。
【0034】
またさらに好ましいのは、成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む組成物(C)であり、
成分(A)は、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、
そして、
成分(B)は、式(II)の1種または2種以上の化合物であり;
好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり;
またさらに好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり、かつ式(II)において、RlおよびR3がtert−ブチルであり、R2、R4、R5、R7およびR8がHであり、そしてR6がClである。
さらにまた、さらに好ましいのは、成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む組成物(C)であり、
成分(A)は、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、
そして、
成分(B)は、式(V)の1種または2種以上の化合物であり;
好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり;
またさらに好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり、かつ式(V)において、Rl8〜R21がHであり、XがOであり、そしてR22がC17であり;また、
さらに好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり、かつ式(V)において、R18およびR20がHであり、Rl9およびR21がClであり、XがOであり、そしてR22がCである。
【0035】
さらにまた、さらに好ましいのは成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む組成物(C)であり、
成分(A)は、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、
そして、
成分(B)は、式(VI)の1種または2種以上の化合物であり;
好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり、
またさらに好ましくは、式(I)において、Rがエチルであり、そしてR'がHであり、かつ式(VI)においてR18〜R21およびR23〜R24がHである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の内容において、成分(A)および/または成分(B)を挙げる場合、常に、成分(A)または成分(B)の、異なりかつ好ましいすべての態様も同様に意味する。
【0037】
組成物(C)において、重量で、成分(A)全量:成分(B)=1〜19:19〜1の間、好ましくは、成分(A)全量:成分(B)=1〜5:5〜1、さらに好ましくは、成分(A)全量:成分(B)=1〜3:3〜1である。
【0038】
組成物(C)は、成分(A)および成分(B)のみを含むことができるが、しかし、さらにまた、1種または2種以上のさらなる物質が、組成物(C)に存在でき、好ましくは、さらなる物質は、溶融中での有機ポリマーの処理の間に、および固体状態での有機材料または有機基材の寿命の間に、酸素の損傷を与える影響に対して、保護するための公知の酸化防止剤である。
【0039】
さらに好ましくは、組成物(C)中に存在できるさらなる物質は、有機ホスファイト、有機ホスホナイト、立体的に込み合ったフェノール、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の立体的に込み合ったアミン(HAS)塩、およびさらにいわゆる’’共安定剤’’例えば、金属酸化物、炭酸塩、および乳酸塩であり、また酸の残りを中和するために使用される(’’酸捕集剤’’、’’酸受容体’’、’’制酸剤’’)ジヒドロタルサイト(DHT)のような化合物である。
【0040】
組成物(C)が、記載されたさらなる物質のみをさらに含み、そしてポリマーを含まない場合には、これを、本願中では’’添加組成物’’という。
【0041】
組成物(C)はまた、マスターバッチである、すなわち、成分(A)、成分(B)およびキャリアー基材を含むことができる;この場合、本願中では’’マスターバッチ組成物’’と呼び;したがって本発明の別の好ましい態様は、成分(A)および成分(B)を含むマスターバッチである。キャリアー基材は、マスターバッチで通常使用される任意の基材であることができる。
【0042】
添加組成物およびマスターバッチ組成物は、有機基材の安定化、好ましくは、有機ポリマーの安定化のために使用される。したがって、本発明の別の主題は、有機基材または有機材料の安定化のための、好ましくは、光の損傷を与える影響に対する有機基材または有機材料の安定化のための組成物(C)の使用であり;そしてさらに本発明の主題は、成分(A)および成分(B)、または成分(A)および成分(B)を含む組成物(C)を、有機基材に加えるステップを含む、有機基材を安定化するための方法である。
【0043】
したがって、本発明の別の主題は、成分(A)、成分(B)、および本願中で’’有機基材組成物’’または’’安定化された有機基材’’と呼ばれるさらなる物質としての有機基材、好ましくは、有機ポリマーを含む組成物(C)であり;そして成分(A)および成分(B)、または成分(A)および成分(B)を含む組成物(C)を、有機基材に加えることによって、製造される。
【0044】
好ましい有機基材は、有機ポリマー、さらに好ましくは、’’エンジニアリングプラスチック’’の表現で、文献で公知である極性のテクニカルポリマー、またさらに好ましくは、直鎖状またはグラフト化コポリマーからなるポリマーである。
【0045】
有機ポリマーの例は以下のようである:
●モノオレフィンのポリマーおよびジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブト−1−エン、ポリ−4−メチルペント−l−エン、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、ならびにシクロオレフィンのポリマー、例えば、シクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー;さらに(任意選択的に架橋できる)ポリエチレン;例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度および高モル質量の(HDPE−HMW)のポリエチレン、高密度および超高モル質量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(HMDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、分枝低密度ポリエチレン(BLDPE)である。
ポリオレフィン、すなわち、先の段落で例示されたモノオレフィンのポリマー、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは、種々の、そして特に以下の方法によって調製できる:
a)(通常は、高圧かつ高温下での)ラジカル重合、
b)IVb、Vb、VIbまたはVIII族の1種または2種以上の金属を通常含む触媒を使用する触媒重合。これらの金属は、通常π−またはσ−配位することができる酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリール等の1種または2種以上の配位子を有する。これらの金属錯体は、自由な形態であるか、または基材の上、例えば、活性な塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナまたは酸化ケイ素の上に固定されている。これらの触媒は、重合媒体の中で、可溶性または不溶性であることができる。触媒は、従って重合において活性であることができ、またはさらに活性化剤、例えば、金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキルオキサイドまたは金属アルキルオキサンを使用でき、金属は、周期表のIa、IIaおよび/またはIlIa族の元素である。活性化剤は、例えば、エステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で、さらに改質されることができる。これらの触媒系は、Phillips、Stantdard Oil Indiana、Ziegler(−Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセンまたはシングルサイト触媒(SSC)と通常呼ばれる。
【0046】
●1番目の●で挙げたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの、ポリエチレンとポリイソブチレンとの、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE/LDPE)との混合物、および異なるタイプのポリエチレン(例えば、LDPE/HDPE)の相互の混合物。
【0047】
●モノオレフィンおよびジオレフィン相互間のコポリマー、またはモノオレフィンおよびジオレフィンと他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレンプロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)とのそれらの混合物、プロピレンブト−1−エンコポリマー、プロピレンイソブチレンコポリマー、エチレンブト−1−エンコポリマー、エチレンヘキセンコポリマー、エチレンメチルペンテンコポリマー、エチレンヘプテンコポリマー、エチレンオクテンコポリマー、プロピレンブタジエンコポリマー、イソブチレンイソプレンコポリマー、エチレンアルキルアクリレートコポリマー、エチレンアルキルメタクリレートコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ならびに一酸化炭素またはエチレンアクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)とのそれらのコポリマー、ならびにエチレンと、プロピレンと、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネン等のジエンとのターポリマー;ならびに相互間との、および1番目の●で挙げたポリマーとのそうしたコポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンエチレンプロピレンコポリマー、LDPE−エチレンビニルアセテートコポリマー、LDPE−エチレンアクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレンビニルアセテートコポリマー、LLDPE−エチレンアクリル酸コポリマーおよび交互のまたはランダムポリアルキレン一酸化炭素コポリマーおよび他のポリマー、例えば、ポリアミドとのそれらの混合物。
【0048】
●ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン等の不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体またはアセタールから誘導されたポリマー;ならびに1番目の●で挙げたオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0049】
●ポリオキシメチレンおよびコモノマー、例えばエチレンオキサイドを含むこれらのポリオキシメチレン等のポリアセタール、;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで改質されたポリアセタール。
【0050】
●ポリフェニレンオキサイドおよびスルフィド、およびスチレンポリマーまたはポリアミドとのそれらの混合物。
【0051】
●ジアミンおよびジカルボン酸から、ならびに/またはポリアミド4、6、6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、11および12等のアミノカルボン酸もしくは対応するラクタム、ポリアミドおよびコポリアミド、m−キシレンから出発した芳香族ポリアミド、ジアミンおよびアジピン酸から、誘導された;ヘキサメチレンジアミンと、イソフタル酸および/またはテレフタル酸とから調製され、そして改質剤としてのエラストマーを有するまたは有さないポリアミド、例えば、ポリ−2、4、4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド。ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学的に結合したまたはグラフト化されたエラストマーとの;またはポリエーテルとの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとの、前記のポリアミドのブロックコポリマー。ならびにEPDMまたはABSで改質されたポリアミドまたはコポリアミド;および処理の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0052】
●ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルアミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
【0053】
●ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1、4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート等の、ジカルボン酸およびジアルコール類から、ならびに/またはヒドロキシカルボン酸もしくは対応するラクトンから、誘導されたポリエステル、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;ならびにまたポリカーボネートまたはMBSで改質されたポリエステル。
【0054】
●ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
●ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0055】
●フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂等の一方がアルデヒド、ならびに他方がフェノール、尿素またはメラミンから、誘導された架橋ポリマー。
【0056】
●乾燥および非乾燥アルキド樹脂。
●飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルおよび架橋剤としてのビニル化合物から誘導された不飽和のポリエステル樹脂、ならびにまた低可燃性のそれらのハロゲン含有改質剤。
【0057】
●前記のポリマー、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/ABSまたはPBT/PET/PCの混合物(ポリブレンド)。
【0058】
●純粋なモノマー化合物を構成する天然および合成有機物質またはそれらの混合物、例は、鉱物性油、獣のまたは植物の脂肪、オイルおよびワックス、または合成エステル(例えば、フタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)に基づくオイル、ワックスおよび脂肪、ならびにまた用いられるままの、例えばスピン仕上げとしての重量で、任意の所望の比率で鉱物性油を有する合成エステルのブレンド、およびそれらの水性エマルジョンである。
【0059】
有機ポリマーの好ましい例は、以下のようである:
●エチレンビニルアセテートコポリマー、ならびに一酸化炭素またはエチレンアクリル酸コポリマーおよびそれらの塩(イオノマー)とのそれらのコポリマー、ならびにエチレンと、プロピレンと、ターポリマーおよびヘキサジエン等のジエンとのターポリマー、LDPE−エチレンビニルアセテートコポリマー、LDPE−エチレンアクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレンビニルアセテートコポリマー、LLDPE−エチレンアクリル酸コポリマーおよび交互またはランダムポリアルキレン一酸化炭素コポリマーおよび他のポリマー、例えば、ポリアミドとのそれらの混合物。
【0060】
●ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン等の不飽和アルコールおよびアミンまたはアシル誘導体またはそれらのアセタール、から誘導されたポリマー;ならびにオレフィンとのそれらのコポリマー。
【0061】
●ポリオキシメチレンおよびコモノマー例えば、エチレンオキサイドを含むこれらのポリオキシメチレン等のポリアセタール、;熱可塑性ポリウレタンで改質されたポリアセタール。
【0062】
●ポリフェニレンオキサイドおよびスルフィド、ならびにスチレンポリマーまたはポリアミドとのそれらの混合物。
●ジアミンおよびジカルボン酸から、ならびに/またはポリアミド4、6、6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、11および12等のアミノカルボン酸もしくは対応するラクタム、m−キシレン出発した芳香族ポリアミド、ジアミンおよびアジピン酸から、誘導されたポリアミドおよびコポリアミド;ヘキサメチレンジアミンと、イソフタル酸および/またはテレフタル酸とから調製され、そして改質剤としてエラストマーを有するか有さないポリアミド、例えば、ポリ−2、4、4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド。ポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマーまたは化学的に結合したもしくはグラフト化されたエラストマーとの;またはポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとの、前記のポリアミドのブロックコポリマー。ならびにポリアミドまたはコポリアミド。
【0063】
●ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルアミド、ポリヒダントインおよびポリベンズイミダゾール。
●ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1、4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート等の、ジカルボン酸およびジアルコール類から、ならびに/またはヒドロキシカルボン酸もしくは対応するラクトンから、誘導されたポリエステル、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;ならびにまたポリカーボネートで改質されたポリエステル。
【0064】
●ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
●ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
●フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂等の一方がアルデヒド、他方がおよびフェノール、尿素またはメラミンから、誘導された架橋ポリマー。
●乾燥および非乾燥アルキド樹脂。
【0065】
●飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルおよび架橋剤としてのビニル化合物から誘導された不飽和のポリエステル樹脂、ならびにまた低可燃性のそれらのハロゲン含有改質剤。
【0066】
●前記のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM、PVC/EVA、PC/PBT、PVC/CPE、PC/熱可塑性PUR、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PET/PC。
【0067】
●純粋なモノマー化合物を構成する天然および合成有機物質またはそれらの混合物、例は、鉱物性油、獣のまたは植物の脂肪、オイルおよびワックス、または合成エステル(例えば、フタレート、アジペート、ホスフェートまたはトリメリテート)に基づくオイル、ワックスおよび脂肪、ならびにまた用いられるままの、例えば、スピン仕上げとしての、重量で任意の所望の比率で、鉱物性油との合成エステルのブレンド、ならびにそれらの水性エマルジョンである。
【0068】
特に好ましい有機ポリマーは、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、ポリカーボネートおよびポリエステル;特にEVA;さらに特にポリエチレンテレフタレート(PET);およびさらに特にポリブチレンテレフタレート(PBT)である。
【0069】
組成物(C)は、個々の成分、すなわち、成分(A)、成分(B)および組成物(C)が有機基材を含む場合、任意選択的に1種または2種以上の有機基材を物理的に組み合わせることによって製造される。有機基材は、好ましくは、記載された、または有機ポリマー等のさらなる物質である。組成物(C)の成分は、固体でおよび/または溶融状態で、任意の従来のブレンドまたは混合方法によって物理的に組み合わせることができる。組成物(C)は、好ましくは、粉末、粒状、ペレット、小球、流体およびその同類のものの形態である。
【0070】
好ましくは、成分(A)および成分(B)を含む添加組成物は、個々の成分を組み合わせることによって製造される。これは、固体で、および/または溶融状態で、従来のブレンドまたは混合方法で行うことができる。
【0071】
好ましくは、成分(A)および成分(B)を含むマスターバッチ組成物は、好ましくは、マスターバッチのキャリアー基材を含む個々の成分を、ブレンドに混合すること、そして、必要な場合、ブレンドを押し出すことによって、マスターバッチを製造するための従来の方法によって製造される。混合は、固体で、および/または溶融状態で、従来ブレンドまたは混合方法によって行うことができる。
【0072】
成分(A)および成分(B)を使用することによる有機基材の安定化、すなわち、成分(A)、成分(B)および有機基材、好ましくは、有機ポリマーを含む有機基材組成物の製造は、成分(A)のおよび成分(B)の、または組成物(C)の、有機基材への取り込みによってなされる。取り込みは、任意の従来の方法によって、好ましくは、混合、ブレンド、押し出し、分散または溶解によって、行うことができる。有機基材が有機ポリマーである場合、成分(A)および成分(B)の取り込みは、好ましくは、押し出しによってなされ;有機基材が低分子量の有機材料または可溶性ポリマーである場合には、混合または取り込みは、ブレンド、溶解または分散によってなされる。
【0073】
組成物(C)は、組成物(C)の全重量に基づいて、好ましくは0.001〜100wt%の成分(A)および成分(B)合計量を含む。
【0074】
組成物(C)がマスターバッチ組成物の場合は、組成物(C)は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは、5〜80%、さらに好ましくは、7.5〜50%、またさらに好ましくは、7.5〜30wt%の成分(A)および成分(B)合計量を含む。
【0075】
組成物(C)が、添加組成物の場合には、組成物(C)は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは、5〜90%、さらに好ましくは、10〜80%、またさらに好ましくは、20〜70wt%の、成分(A)および成分(B)合計量を含む。
【0076】
組成物(C)はまた、成分(A)のみから成り、そして成分(B)のみから成ることができる。
組成物(C)が安定化された有機基材の場合には、組成物(C)は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは、0.001〜5%、さらに好ましくは、0.01〜4%、またさらに好ましくは、0.01〜1wt%の、成分(A)および成分(B)合計量を含む。
【0077】
組成物(C)はまた、ポリマーのポリマー特性を維持し、改善しまたは変化させるために必要な公知の添加剤等の他の製品を含むことができる。
【0078】
組成物(C)は、環境条件による劣化に対して有機基材の改善された保護を提供する。組成物(C)は、均一に追加の手段なしで、かつ相溶性を失うことなく有機基材に均一に取り込まれる。組成物(C)は、光および熱によって行われる有機基材の、特に有機ポリマーの黄色化を減少させ、そして組成物(C)は、透明性の損失および有機基材、特に有機ポリマーの光沢の損失を減少させる。
【0079】
1種のUV吸収剤が、ベンジリデンビスマロネートに基づき、そしてもう1種のUV吸収剤が、式(II)のベンゾトリアゾールタイプの化合物および式(V)または(VI)のベンゾオキサジノンタイプの化合物に基づく特定のUV吸収剤から選択される、2種のUV吸収剤の特定の選択の組み合わせが、有機基材の、特に有機ポリマーの非線形効果および改善された安定化を示すことは、予期しなかった。
【実施例】
【0080】
人工暴露を、Xeランプならびにホウケイ酸に基づく内部、および外部のフィルターを備えた耐候試験機(製造業者Atlas)で、DIN53387によって行った。そうした装置では、340nmの波長で0.47W/mの光強度に達する。曝露サイクルの期間は、50%の相対湿度および63℃の黒色パネル温度での102分を含む120分の乾燥期間と規定されており、一方、水スプレー期間の持続は、95%相対湿度および58℃の黒色パネル温度で、18分と規定されている。
【0081】
種々のUV吸収剤と、UV吸収剤の組み合わせの影響を研究するために、人工のエージングによる処理、UV−照射を行った。この理由で、ASTM D5208によるUV−CON A処理、発光λ≦340nmを有する蛍光ランプを有するサイクルAを使用した。サイクルは、50℃で水分凝縮なしで20時間暴露し、続いて、水分凝縮ありで、40℃で4時間の間暴露することに特徴がある。
【0082】
技術的に重要なのは、長期間の光への暴露で応変するプラスチックの傾向の尺度を定義により意味する黄色度インデックス(YI)の制御である。これは、norm DIN6167(’’白色に近いまたは無色に近い材料の黄色度の記載’’)に包括的に記載されている。測定では、分光測色計タイプ Minolta CM 3500dを使用した。暴露されていないプラークと暴露されたプラークとの違いが決定される。低い値は、低い黄色化に相当する。
【0083】
重要な物理的および技術上のパラメーターは、長い使用可能期間の間、できるだけ高く維持されることが好ましい透明性である。サンプルが、人工の、UV−A−曝露の前および後に調べられた。透明性測定は、1996年8月10に承認され、1997年2月に出版された現在の版;当初D1746−60として出版された’’Standard Test Methods for Transparency of Plastic Sheeting’’、ASTM designation D1746−96によって行った。測定では、分光光度計、タイプ Minolta CM 3500Dを、700nmの波長で使用した。暴露されていないプラークと、暴露されたプラークの相違が決定された。高い値は、高い透明性に相当する。
【0084】
他のテストの中で、人工的にエージングしたサンプルの物理的な評価を、’’Standard Test for Specular Gloss of Plastic Films and Solid Plastics’’、ASTM designation D 2457−97の規則に従って行われた光沢測定によって行った。この方法はdesignation of ASTM Committee D−20 on Plasticsの下にあり、そしてSubcommittee D20.40 on Optical Propertiesの直接的な責任となっている。現在の版は、1997年1月10日に承認され、1997年5月に出版された。この方法は、別個の光沢角度を含むプラスチックフィルムおよび固体プラスチック、不透明および透明の両者の光沢の測定のための手順を記載する。使用した装置は、光沢計タイプmicro−TRI−gloss、製造業者Byk−Gardenerであった。暴露されていないプラークと暴露されたプラークとの相違が決定された。高い値は、高い光沢に相当する。
【0085】
光の影響の他に、成分(A)および(B)を含むポリマーサンプルを、熱に曝した。この理由で、プラークを、個々に所与の温度まで加熱した強制対流式オーブン(タイプMemmert)内に置いた。頻繁に引き出した後で、オーブン中での熱処理前の初期値に対する黄色度インデックスの相違を、分光光度計、タイプMinolta CM 3500 Dによって、測定した。
【0086】
例中の添加剤の量は、別の記載がなければ、常に、全組成物の重量(ポリマーを有する添加剤)に基づくwt%で与えられる。
【0087】
使用された添加剤は、:
成分(A):
Hostavin(商標)B−CAP:Rがエチルであり、そしてR'がHである式(I)の化合物。
成分(B):
Tinuvin(商標)327:RlおよびR3がtert−ブチルであり、
R2、R4、R5、R7およびR8がHであり、
R6がClである式(II)の化合物。
YT35/03:R18〜R21がHであり、
XがOであり、
R22がCH17である式(V)の化合物
YT48/03:R18およびR20がHであり、
R19およびR21がClであり、
XがOであり、
R22がC17である式(V)の化合物
Cyasorb(商標)UV−3638:R18〜R21およびR23およびR24がHである式(VI)の化合物。
【0088】
射出成形ポリカーボネートへの影響:例1
100部のポリカーボネート、タイプLexan 141(製造業者General Electric)を、表1A、表1B、表1Cおよび表2に示す添加剤と共に乾燥混合した。その後、個々の混合物を、260℃〜280℃で加熱する4温度区画(傾斜モード)を適用して、4mmのダイ幅および80rpmの回転の速度で、単一のスクリュー押出機(スクリュー組成1:3)で予押し出しした。これらの予押し出しした調合物を、射出成形(IM machine Type Arburg)によって、280℃50バールの圧力で、プラーク(寸法100×100×lmm)を調製するために最終的に使用した。
【0089】
表1A、表1Bおよび表1Cは、人工暴露後の結果を示す。組み合わせは、暴露時間により、光沢、透明性および色に関して、予想外に非線形かつより良好な結果を与えた。
【0090】
【表1】

【表2】

【表3】

【0091】
同様に、ASTM5208による人工のUV−A曝露によって、例えば、より高い光沢値に関して、本発明による2種のUV吸収剤の混合物を使用する利点を示すことができ、結果を表2に示す。
【0092】
【表4】

【0093】
射出成形ポリエチレンテレフタレートへの効果:例2
100部のポリエチレンテレフタレート(PET)、タイプ Arnite D 04 300 Nature(製造業者 DSM)を、表3に示すように乾燥混合した。その後、個々の混合物を、275℃〜285℃で加熱した4温度区画(傾斜モード)を適用して、2mmのダイ幅および80rpmの回転の速度で、単一のスクリュー押出機(スクリュー組成1:3)で予押し出しした。これらの予押し出しした調合物を、射出成形(IM machine Type Arburg)によって、270℃30バールの圧力で、プラーク(寸法100×100×lmm)を調製するために最終的に使用した。
【0094】
表3に示す結果は、長期のUV−A曝露後の光沢に関して、本発明によるUV吸収剤の組み合わせを使用することによって、予期せず、かつ非線形の利点を示す。
【0095】
【表5】

【0096】
長期間の曝露の間にエチレンメタクリル酸塩コポリマーの性能:例3
エチレンメタクリル酸塩コポリマー(IOM)タイプのSurlyn(商標)9810(製造業者Dupont)を、表4に示した添加剤と共に乾燥混合した。その後、その後、個々の混合物を、210℃に加熱した4温度区画(傾斜モード)を適用して、4mmのダイ幅および50rpmの回転の速度で、単一のスクリュー押出機(スクリュー組成1:3)で予押し出しした。これらの予押し出しした調合物を、射出成形(IM machine Type Arburg)によって、240℃30バールの圧力で、プラーク(寸法100×100×2mm)を調製するために最終的に使用した。
【0097】
表4に結果をまとめる。ただ1種の光安定剤が存在する調合物と比較すると、成分(A)と(B)との本発明の組み合わせを有する調合物は、単一の成分の調合物に比較してより目立たない脱色という意味で、予期せず、かつ非直線の改善された性能を示した。
【0098】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む、組成物(C)、
該成分(A)は、式(I)の1種または2種以上の化合物であり;
【化1】

そして該成分(B)は、式(II)の化合物、
【化2】

式(V)の化合物、
【化3】

および、
式(VI)の化合物;
【化4】

(式(I)〜(VI)中、
RはC1〜18アルキルまたはC1〜18シクロアルキルであり;
R'は、H、C1〜18アルキルまたはC3〜12シクロアルキル、C6〜10アリール、F、Cl、Br、CN、OH、O−C1〜18アルキル、O−C3〜12シクロアルキル、O−C6〜10アリール、ならびにO、NおよびSからなる群から選択された1種、2種または3種のヘテロ原子を有するC3〜10ヘテロアリールからなる群から選択され;
Rl〜R8およびRl8〜R24は、相互に独立して、H、OH、F、Cl、Br、S−C1〜12アルキルおよびS−C3〜12シクロアルキル、C1〜18アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜10アリール、ならびにO、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子を有するC3〜10ヘテロアリール;
C(O)O−C6〜10アリール、およびO、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子を有するC(O)O−C3〜10ヘテロアリール;
O、NまたはSからなる群から選択される1種、2種または3種のヘテロ原子を有するO−C1〜18アルキル、O−C3〜12シクロアルキル、0−C6〜10アリール、0−C3〜10ヘテロアリール、
からなる群から選択される。)、
からなる群から選択される1種または2種以上の化合物である。
【請求項2】
Rが、エチルであり、そして、
R'が、Hである、
請求項1に記載の組成物(C)。
【請求項3】
成分(A)が、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、そして、
成分(B)が、式(II)の1種または2種以上の化合物である、
成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む、請求項1または2に記載の組成物(C)。
【請求項4】
成分(A)が、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、そして、
成分(B)が、式(V)の1種または2種以上の化合物である、
成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む請求項1または2に記載の組成物(C)。
【請求項5】
成分(A)が、式(I)の1種または2種以上の化合物であり、そして、
成分(B)が、式(VI)の1種または2種以上の化合物である。
成分(A)および成分(B)として2種類のUV吸収剤を含む、請求項1または2に記載の組成物(C)。
【請求項6】
重量で、成分(A)全量:成分(B)全量=1〜19:19〜1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物(C)。
【請求項7】
該組成物(C)の該全重量に基づいて、0.001〜100wt%の成分(A)および成分(B)合計量を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物(C)。
【請求項8】
該組成物(C)の全重量に基づいて、5〜90wt%の成分(A)および成分(B)合計量を含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物(C)。
【請求項9】
成分(A)から成り、そして成分(B)から成ることを特徴とする、請求項7に記載の組成物(C)。
【請求項10】
該組成物(C)の全重量に基づいて、0.001〜5wt%の成分(A)および成分(B)合計量を含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物(C)。
【請求項11】
該成分(A)、該成分(B)および任意選択的にさらなる物質を物理的に組み合わせることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に規定する組成物(C)の製造方法。
【請求項12】
有機基材の該安定化のための請求項1〜10のいずれか一項に規定する組成物(C)使用。
【請求項13】
成分(A)および成分(B)が、請求項1〜5のいずれか一項で規定された、成分(A)および成分(B)を含む安定化された有機基材。
【請求項14】
該有機基材が、エンジニアリングプラスチックである、請求項13に記載の安定化された有機基材。

【公表番号】特表2010−501705(P2010−501705A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526064(P2009−526064)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058855
【国際公開番号】WO2008/025738
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(397054015)クラリアント ファイナンス (ビーブイアイ) リミティド (9)
【Fターム(参考)】