説明

光カプラ保持具、光カプラの取付構造および取付方法

【課題】 光カプラの形状が変わってもプリント配線板の改版を行うことなく異なる形状の光カプラを実装できるようにする。
【解決手段】 入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定する光カプラ保持具において、バネ性を有する横長形状の板状体と、前記板状体の長手方向に設けた2つの長円穴と、前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝と、前記板状体に設けた取付部とを備え、前記板状体には、該板状体を湾曲状に曲げた状態で、前記溝に一方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの一側が前記2つの長円穴の一方に通され、前記溝に他方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの他側が前記2つの長円穴の他方に通され、前記曲げ解除後に該板状体の復元力で、前記光カプラの両端部を前記2つの長円穴の縁に係止するように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光カプラ保持具、光カプラの取付構造および取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント回路板上の光モジュールに光カプラが用いられている。光カプラは、例えば、光通信システムにおいて、光ファイバを介して伝送される光を分岐したり、合流したりする際に用いられている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
図19は、入出力ポートにそれぞれ光ケーブル1a,1b,1cを取り付けた光カプラ1を、カプラ固定クランプ2でプリント配線板3に取り付けた例を示す。
【0003】
プリント配線板3上には、光カプラ1以外に、光モジュール、その他の電機部品、光コネクタなどの部品が搭載されている。
【特許文献1】特開2000−206340号公報
【特許文献2】特開2000−292643号公報
【特許文献3】特開2004−4862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリント配線板3の構成によっては、部品高の高い部品、低い部品などの高低の差がある。また、最近の小型化、高機能化の技術の発展しており、プリント配線板3の部品実装密度が高くなってきている。このため、プリント配線板3の設計段階から光カプラ1の固定位置を考慮しながら設計しなければならなくなっている。
また、光カプラ1の形状が仕様変更などにて変わると、光カプラ1とカプラ固定クランプ2の距離が違ってくるため、各光カプラ1の処理に苦慮している。
【0005】
図20に示すように、光カプラ1の形状が変わると、カプラ固定金具4を新規に起こしてプリント配線板3内に光カプラ1を固定しなければならない。
また、光モジュール自身の上を通るルートになれば、高さを考慮したケーブルクランプ、設置場所を考えなければならないなどの問題がある。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、光カプラの形状が変わってもプリント配線板の改版を行うことなく異なる形状の光カプラを実装することを可能とする光カプラ保持具、光カプラの取付構造および取付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定する光カプラ保持具において、バネ性を有する横長形状の板状体と、前記板状体の長手方向に設けた2つの長円穴と、前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝と、前記板状体に設けた取付部とを備え、前記板状体には、該板状体を湾曲状に曲げた状態で、前記溝に一方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの一側が前記2つの長円穴の一方に通され、前記溝に他方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの他側が前記2つの長円穴の他方に通され、前記曲げ解除後に該板状体の復元力で、前記光カプラの両端部を前記2つの長円穴の縁に係止するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定する光カプラ保持具において、バネ性を有する横長形状の板状体と、前記板状体の長手方向に設けた2つの長円穴と、前記2つの長円穴間に切り込まれた溝と、前記板状体に設けた取付部とを備え、前記板状体には、該板状体を湾曲状に曲げた状態で、前記溝に一方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの一側が前記2つの長円穴の一方に通され、前記溝に他方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの他側が前記2つの長円穴の他方に通され、前記曲げ解除後に該板状体の復元力で、前記光カプラの両端部を前記2つの長円穴の縁に係止するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具において、前記取付部は、前記板状体に設けた留め具取付用の穴であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具において、前記取付部は、前記板状体に設けた前記板状体の両端部に設けた係止爪であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項3記載の光カプラ保持具において、前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項3記載の光カプラ保持具において、前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に1個設けられていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項3記載の光カプラ保持具において、前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に2個設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項8に係る発明は、請求項3記載の光カプラ保持具において、前記留め具取付用の穴は、2個あり、前記2つの長円穴より前記板状体の端部側にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具の一側に、前記板状体に設けた留め具取付用の穴と、前記2つの長円穴と同形状の長円穴と、前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝とを設けた補助片を、切り取り部を介して少なくとも1個以上連接して成ることを特徴とする。
【0011】
請求項10に係る発明は、請求項2記載の光カプラ保持具の一側に、前記板状体に設けた係止爪を囲繞する凹部と、前記2つの長円穴と同形状の長円穴と、前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝と、前記板状体に設けた係止爪とを設けた補助片を、切り取り部を介して少なくとも1個以上連接して成ることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項1ないし請求項10の何れか記載の光カプラ保持具において、前記2つの長円穴は、長円穴の長径部の両端に前記長円穴の半径より小径の長円穴を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項12に係る発明は、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定して成る請求項1,請求項3,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具を、留め具を前記留め具取付用穴に挿通してプリント基板に取り付けて成ることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定して成る請求項2,請求項4,請求項10,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具を、前記係止爪をプリント基板に設けた穴に挿入して前記プリント基板に取り付けて成ることを特徴とする。
【0013】
請求項14に係る発明は、請求項1,請求項3,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具に、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定した後、留め具を留め具取付用穴に挿通してプリント基板に前記光カプラ保持具を取り付けることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項2,請求項4,請求項10,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具に、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定した後、係止爪をプリント基板に設けた穴に挿入して前記プリント基板に前記光カプラ保持具を取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光カプラの形状が仕様変更などで変わっても、プリント配線板の改版を行うことなく異なる形状の光カプラを実装することを可能となる。
また、使用する光カプラのサイズ毎に光カプラ保持具を用意することがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る光カプラ保持具10を示す(請求項1,請求項3,請求項5,請求項6に対応)。
本実施形態に係る光カプラ保持具10は、バネ鋼またはバネ性を有する合成樹脂から成る横長形状の板状体11と、板状体11の長手方向に設けた2つの長円穴12,13と、板状体11の側部11aから2つの長円穴12,13に亘って切り込まれた溝14,15と、板状体11の中央部に設けた取付部としての留め具取付用の穴16とを備えている。
【0016】
次に、斯くして構成された本実施形態に係る光カプラ保持具10の作用を説明する(請求項12,請求項14に対応する)。
先ず、図2(a)に示すように、光カプラ保持具10の両端部側から光カプラ保持具10を湾曲状に曲げる力を加え、その状態を維持する。その側部に、入出力ポートにそれぞれ光ケーブル20a,20b,20cを取り付けた光カプラ20を配する。光ケーブル20a,20b,20cは、所定の長さを有し、プリント配線板25に設けた余長処理装置を介して巻回される。そして、端部には、SC型光コネクタプラグ、光モジュールや光ファイバ固定用ミニクランプなどが取り付けられている。また、光カプラ20は、金属製または合成樹脂製のパイプ状のケースによって覆われている。
【0017】
次に、図2(a)に示すように、一方の光ケーブル20aを一方側の溝14から一方側の長円穴12に向かって差し込む。
次に、図2(b)に示すように、光カプラ20を一方側の長円穴12内に挿入する。
次に、図2(c)に示すように、他方側の光ケーブル20b,20bを他方側の溝15に差し込める位置まで光カプラ20を長円穴12内に移動し、次いで、他方側の光ケーブル20b,20cを他方側の溝15から他方側の長円穴13内に差し込む。
【0018】
次に、図2(d)に示すように、光カプラ20を他方側の長円穴13方向へ移動し、光カプラ20を光カプラ保持具10のほぼ中央部に取り付ける。この段階で、光カプラ保持具10に加えられていた湾曲状に曲げる力を解除する。これによって、図3に示すように、光カプラ保持具10は、板状体11の復元力で、外方へ戻ろうとする力が働き、二点差線の状態から実線で示す状態に変わる。このため、両方の長円穴12,13の縁部12a,13aが光カプラ20の外周面に噛み付くように係止する。
【0019】
次に、図2(f)に示すように、光カプラ20を取り付けた光カプラ保持具10を、穴26を設けたプリント配線板25の上に配し、中央部に設けた留め具取付用の穴16に留め具30を挿入することによって、図2(f)に示すように、光カプラ20を取り付けた光カプラ保持具10をプリント配線板25上に取り付けることができる。
ここで、留め具30は、留め具本体31の下面から下向きに延設された中央の支持片部32と、支持片部32の下端両側面より上方に向かって拡開状態で延設された一対の弾性係止片33,34とを備えている。留め具30は、穴16を介して穴26に押し込まれると、両弾性係止片33,34が支持片部32方向に弾性変形して穴26を通過し、通過後に両弾性係止片33,34が拡開復帰し、図2(f)に示すように、両弾性係止片33,34がプリント配線板25の裏面側に係止される。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、平板状の光カプラ保持具10を湾曲状に曲げた状態で、長尺の光ケーブル20a,20b,20cを取り付けた光カプラ20を2つの長円穴12,13および溝14,15を介して組み付けた後、光カプラ20の平板形状に戻ろうとする復元力を利用して2つの長円穴12,13の縁部12a,13aによる係止により確実に光カプラ20を組み付けることができるので、光カプラ20の形状が変更されても、確実の光カプラ20を固定できる。また、この状態で、留め具30を介してプリント配線板25上に組み付けることによって、光カプラ20の取付が完了するので、任意の箇所に固定することが可能となる。しかも、1つの留め具30によって、光カプラ保持具10を固定しているので、光ケーブル20a,20b,20cに掛かる張力に応じて留め具30を中心として自由に回転することができ、光ケーブル20a,20b,20cを折り曲げるような外力に対して対応することができる。
【0021】
なお、上記実施形態では、板状体11の中央部に取付部としての1個の留め具取付用の穴16を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図4に示す光カプラ保持具10Aのように、2個の穴16を設けてもよい(請求項7に対応する)。
また、溝14,15は、一側部11aに設けた場合について説明したが、他側部11bに設けてもよい。また、一方の溝14(15)を一側部11aに設け、他方の溝15(14)を他側部11bに設けてもよい。
【0022】
図5、図6は、本発明の第二実施形態に係る光カプラ保持具10Bを示す(請求項1,請求項3,請求項8に対応)。
本実施形態に係る光カプラ保持具10Bは、取付部としての2つの留め具取付用の穴16A,16Bをそれぞれ板状体11の両端部11c,11d側に設けた点で、第一実施形態に係る光カプラ保持具10とは相違する。その他の構成は、第一実施形態に係る光カプラ保持具10と同様であるからそれらの説明は省力する。
【0023】
次に、本実施形態に係る光カプラ保持具10Bの作用を説明する(請求項13,請求項15に対応する)。
光カプラ20の組み付けは、第一実施形態と同様である。すなわち、図2(a)から図2(d)までの手順は同じである。
本実施形態では、図2(d)が終えた段階で、穴16A,16B側の端部を外方に曲げてプリント配線板25上に載置し、図6に示すように、穴16A,16Bの上から留め具30をそれぞれ差し込んで、光カプラ20を組み付けた光カプラ保持具10Bをプリント配線板25上に固定する。留め具30による係止は第一実施形態と同じである。
【0024】
本実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図7、図8は、本発明の第三実施形態に係る光カプラ保持具10Cを示す(請求項1,請求項4に対応)。
本実施形態に係る光カプラ保持具10Cは、板状体11の両端部11c,11d側に取付部としての係止爪17A,17Bを設けた点で、第一実施形態に係る光カプラ10とは相違する。その他の構成は、第一実施形態に係る光カプラ10と同様であるからそれらの説明は省力する。
【0025】
次に、本実施形態に係る光カプラ保持具10Cの作用を説明する(請求項13,請求項15に対応する)。
光カプラ20の組み付けは、第一実施形態と同様である。すなわち、図2(a)から図2(d)までの手順は同じである。
本実施形態では、図2(d)が終えた段階で、両端の係止爪17A,17Bをプリント配線板25上に載置し、図8に示すように、プリント配線板25の穴26,26の上から係止爪17A,17Bを差し込んで、光カプラ20を組み付けた光カプラ保持具10Cをプリント配線板25上に固定する。
【0026】
本実施形態においても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
図9、図10は、本発明の第四実施形態に係る光カプラ保持具10Dを示す(請求項2,請求項3,請求項5,請求項7に対応)。
本実施形態に係る光カプラ保持具10Dは、溝14,15に代えて2つの長円穴12,13を結ぶ溝18を設けるとともに中央部に2つの穴16C,16Dを設けた点で、第一実施形態に係る光カプラ保持具10とは相違する。
【0027】
次に、本実施形態に係る光カプラ保持具10Dの作用を説明する(請求項13,請求項15に対応する)。
先ず、図10(a)に示すように、光カプラ保持具10Dの両端部側から光カプラ保持具10Dを湾曲状に曲げる力を加え、その状態を維持する。次に、光カプラ保持具10Dの溝18を押し開くように両側部側へ光カプラ保持具10Dを拡開する。これによって、溝18が大きな開口となる。
【0028】
次に、図10(b)に示すように、光カプラ20を光カプラ保持具10Dの上に配し、光カプラ20の一方側の光ケーブル20a側を溝18から一方側の長円穴12側へ導き、光ケーブル20aを一方側の長円穴12から外部へ導出する。
次に、図10(c)に示すように、光カプラ20を一方側の長円穴20を通して他方側の光ケーブル20b,20cが溝18の上に位置するように移動する。次いで、光ケーブル20b,20cを溝18から他方側の長円穴13側へ導き、光ケーブル20b,20cを他方側の長円13から外部へ導出する。
【0029】
次に、図10(d)に示すように、光カプラ20を他方側の長円穴13方向へ移動し、光カプラ20の他方側を他方側の長円穴13内に通し、光カプラ20が光カプラ保持具10Dの中央部に配置されたところで、押圧力と拡開力とを解除する。これによって、第一実施形態において図3を用いて説明したように、光カプラ保持具10Dは、板状体11の復元力で、外方へ戻ろうとする力が働き、両方の長円穴12,13の縁部12a,13aが光カプラ20の外周面に噛み付くように係止する。
【0030】
次に、図10(e)に示すように、光カプラ20を取り付けた光カプラ保持具10Dを、2つの穴26を設けたプリント配線板25の上に配し、2つの穴16C,16Dに留め具30を挿入することによって、図10(f)に示すように、光カプラ20を取り付けた光カプラ保持具10Dをプリント配線板25上に取り付けることができる。
本実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0031】
なお、上記実施形態において、光カプラ20を光カプラ保持具10Dに組み付ける際、光ケーブル20a,20b,20cを拡開した溝18に押し通す場合について説明したが、本発明はこれに限らず、光カプラ保持具10Dの下方側に光カプラ20を配し、光カプラ20を拡開した溝18を通し、これに伴って先に一方側の光ケーブル20aを一方側の長円穴12内に導き、続いて光カプラ20を一方側の長円穴12内に導き、次いで、光カプラ20の残りを拡開した溝18を通し、これに伴って他方側の光ケーブル20b,20cを他方側の長円穴13内に導き、続いて光カプラ20を他方側の長円穴13内に導くようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、2つの穴16C,16Dを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図11に示す光カプラ保持具10Eのように、1つの穴16Eとしてもよい(請求項6に対応)。
また、図12に示す光カプラ保持具10Fのように、穴16C,16Dに代えて板状体11の両端部に穴16F,16Gを設けてもよい(請求項8に対応)。この場合には、図5,図6に示す第二実施形態に係る光カプラ保持具10Bと同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
また、図13に示す光カプラ保持具10Gのように、穴16C,16Dに代えて板状体11の両端部に係止爪17C,17Dを設けてもよい(請求項4に対応)。この場合には、
図7、図8に示す第三実施形態に係る光カプラ保持具10Cと同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
上記各実施形態においては、径が等しい光カプラ20を取り付ける場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図14、図15、図16に示すように、長円穴12,13にこれらより小径の長円穴12b,13bを設ける(請求項11に対応)。
本例では、図15に示すように、所定の径の光カプラ20を係止する場合は、上記各実施形態と同様に長円穴12,13で係止し、図16に示すように、所定の光カプラ20よりも小径の光カプラ20aを使用する場合には、小径の長円穴12b,13bで係止することが可能となる。
【0035】
図17は、本発明の第五実施形態に係る光カプラ保持具10Hを示す(請求項9に対応する)。
本実施形態に係る光カプラ保持具10Hは、第一実施形態に係る光カプラ保持具10の一端部にV溝19,19Aを介して2つの補助片11A,11Bを設けている。補助片11A、11Bは、穴16Gと、長円穴12Aと、長円穴12Aに連なる溝14Aとを備えている。
【0036】
本実施形態によれば、光カプラ20の長さが所定の長さより長い場合に、補助片11Aまたは補助片11Bを残して使用することが可能となる。
従って、補助片11A,11Bを必要としない場合は、V溝19から切り離し、補助片11Aまでの長さを必要とする場合には、V溝19Aから切り離し、補助片11Bまでの長さを必要とする場合には、V溝19,19Aを切り離すことなくそのまま使用する。
【0037】
本実施形態においても第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態において、補助片11A,11Bに穴16Gを設けた場合について説明したが、穴16により固定できるので、設けなくても使用可能である。また、穴16は、図4に示すように2つとしてもよい。
図18は、本発明の第六実施形態に係る光カプラ保持具10Iを示す(請求項13に対応する)。
【0038】
本実施形態に係る光カプラ保持具10Iは、第三実施形態に係る光カプラ保持具10Cの一端部にV溝19B,19Cを介して2つの補助片11C,11Dを設けている。補助片11Cは、係止爪17Bの周囲を以上する凹部11eと、長円穴12Bと、長円穴12Bに連なる溝14Bと、係止爪17Cとを備えている。補助片11Dは、係止爪17Cの周囲を以上する凹部11fと、長円穴12Bと、長円穴12Bに連なる溝14Bと、係止爪17Dとを備えている。
【0039】
本実施形態によれば、光カプラ20の長さが所定の長さより長い場合に、補助片11Cまたは補助片11Dを残して使用することが可能となる。
従って、補助片11C,11Dを必要としない場合は、V溝19Cから切り離し、補助片11Cまでの長さを必要とする場合には、V溝19Dから切り離し、補助片11Dまでの長さを必要とする場合には、V溝19C,19Dを切り離すことなくそのまま使用する。
【0040】
本実施形態においても第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第一実施形態に係る光カプラ保持具10を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光カプラ保持具10の組み立て手順を示す説明図である。
【図3】図1に示す光カプラ保持具10の作用を示す拡大図である。
【図4】2個の穴16を設けた光カプラ保持具10Aを示す斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る光カプラ保持具10Bを示す斜視図である。
【図6】図5に示す光カプラ保持具10Bを用いた光カプラ20の取付構造を示す説明図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係る光カプラ保持具10Cを示す斜視図である。
【図8】図7に示す光カプラ保持具10Cを用いた光カプラ20の取付構造を示す説明図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係る光カプラ保持具10Dを示す斜視図である。
【図10】図9に示す光カプラ保持具10Dの組み立て手順を示す説明図である。
【図11】1個の穴16Eを設けた光カプラ保持具10Eを示す斜視図である。
【図12】穴16C,16Dに代えて板状体11の両端部に穴16F,16Gを設け光カプラ保持具10Fを示す斜視図である。
【図13】穴16C,16Dに代えて板状体11の両端部に係止爪17C,17Dを設け光カプラ保持具10Gを示す斜視図である。
【図14】長円穴12,13にこれらより小径の長円穴12b,13bを設けた例を示す説明図である。
【図15】図14に示す長円穴12,13に所定の径の光カプラ20を係止する場合を示す説明図である。
【図16】図14に示す長円穴12,13に所定の光カプラ20よりも小径の光カプラ20aを係止する場合を示す説明図である。
【図17】本発明の第五実施形態に係る光カプラ保持具10Hを示す斜視図である。
【図18】本発明の第六実施形態に係る光カプラ保持具10Iを示す斜視図である。
【図19】従来例を示す説明図である。
【図20】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I 光カプラ保持具
11 板状体
11A,11B,11C,11D 補助片
11a,11b,11c,11d 側部
11e,11f 凹部
12,12A,12B,13,12A 長円穴
12a,13a 縁部
12b,13b 小径の長円穴
14,14A,14B,15,18 溝
16,16A,16B,16C,16D,16E,16G 穴
17A,17B,17C,17D 係止爪
19,19A,19C,19D V溝
20 光カプラ
20a,20b,20c 光ケーブル
25 プリント配線板
26 穴
30 留め具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定する光カプラ保持具において、
バネ性を有する横長形状の板状体と、
前記板状体の長手方向に設けた2つの長円穴と、
前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝と、
前記板状体に設けた取付部と
を備え、
前記板状体には、該板状体を湾曲状に曲げた状態で、前記溝に一方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの一側が前記2つの長円穴の一方に通され、前記溝に他方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの他側が前記2つの長円穴の他方に通され、前記曲げ解除後に該板状体の復元力で、前記光カプラの両端部を前記2つの長円穴の縁に係止するように構成されている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項2】
入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定する光カプラ保持具において、
バネ性を有する横長形状の板状体と、
前記板状体の長手方向に設けた2つの長円穴と、
前記2つの長円穴間に切り込まれた溝と、
前記板状体に設けた取付部と
を備え、
前記板状体には、該板状体を湾曲状に曲げた状態で、前記溝に一方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの一側が前記2つの長円穴の一方に通され、前記溝に他方の光ケーブルを挿通後に前記光カプラの他側が前記2つの長円穴の他方に通され、前記曲げ解除後に該板状体の復元力で、前記光カプラの両端部を前記2つの長円穴の縁に係止するように構成されている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具において、
前記取付部は、前記板状体に設けた留め具取付用の穴である
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具において、
前記取付部は、前記板状体に設けた前記板状体の両端部に設けた係止爪である
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項5】
請求項3記載の光カプラ保持具において、
前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に設けられている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項6】
請求項3記載の光カプラ保持具において、
前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に1個設けられている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項7】
請求項3記載の光カプラ保持具において、
前記留め具取付用の穴は、前記板状体の中央部に2個設けられている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項8】
請求項3記載の光カプラ保持具において、
前記留め具取付用の穴は、2個あり、前記2つの長円穴より前記板状体の端部側にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項9】
請求項1または請求項2記載の光カプラ保持具の一側に、
前記板状体に設けた留め具取付用の穴と、
前記2つの長円穴と同形状の長円穴と、
前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝とを設けた補助片を、
切り取り部を介して少なくとも1個以上連接して成る
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項10】
請求項2記載の光カプラ保持具の一側に、
前記板状体に設けた係止爪を囲繞する凹部と、
前記2つの長円穴と同形状の長円穴と、
前記板状体の側部から前記2つの長円穴に亘って切り込まれた溝と、
前記板状体に設けた係止爪とを設けた補助片を、
切り取り部を介して少なくとも1個以上連接して成る
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10の何れか記載の光カプラ保持具において、
前記2つの長円穴は、長円穴の長径部の両端に前記長円穴の半径より小径の長円穴を設けた
ことを特徴とする光カプラ保持具。
【請求項12】
入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定して成る請求項1,請求項3,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具を、留め具を前記留め具取付用穴に挿通してプリント基板に取り付けて成ることを特徴とする光カプラの取付構造。
【請求項13】
入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定して成る請求項2,請求項4,請求項10,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具を、前記係止爪をプリント基板に設けた穴に挿入して前記プリント基板に取り付けて成ることを特徴とする光カプラの取付構造。
【請求項14】
請求項1,請求項3,請求項5,請求項6,請求項7,請求項8,請求項9,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具に、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定した後、留め具を留め具取付用穴に挿通してプリント基板に前記光カプラ保持具を取り付けることを特徴とする光カプラの取付方法。
【請求項15】
請求項2,請求項4,請求項10,請求項11の何れか記載の光カプラ保持具に、入出力ポートにそれぞれ光ケーブルを取り付けた光カプラを固定した後、係止爪をプリント基板に設けた穴に挿入して前記プリント基板に前記光カプラ保持具を取り付けることを特徴とする光カプラの取付方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−3449(P2006−3449A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177353(P2004−177353)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000237662)富士通アクセス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】