光センサシステム
【課題】光センサシステムにおいて、簡単な構成により、施工が容易かつ低コストで不審者検知を可能とする。
【解決手段】光センサシステム1は、ワイヤWのたわみ量に応じて変位する変位機構2と、変位機構2の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバ3と、光ファイバ3を透過する光量変化を検出する光量検出部4と、を備えている。ワイヤWにたわみが発生すると、ワイヤWの縦方向の移動と横方向の移動とが発生する。変位機構2は、ワイヤWの張力の変化や縦方向や横方向の移動の大きさ、すなわち、たわみ量に応じて、回転レバーや移動レバーなどを用いて、光ファイバ3を屈曲させる。ワイヤWのたわみ量を変位機構2の動作を介して光ファイバ3と光量検出部4とで検出するので、ワイヤWと光ファイバ3とを個別に配設することができ、施工が容易であり、一般的な光ファイバとワイヤとを用いて侵入検知システムを低コストで構築できる。
【解決手段】光センサシステム1は、ワイヤWのたわみ量に応じて変位する変位機構2と、変位機構2の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバ3と、光ファイバ3を透過する光量変化を検出する光量検出部4と、を備えている。ワイヤWにたわみが発生すると、ワイヤWの縦方向の移動と横方向の移動とが発生する。変位機構2は、ワイヤWの張力の変化や縦方向や横方向の移動の大きさ、すなわち、たわみ量に応じて、回転レバーや移動レバーなどを用いて、光ファイバ3を屈曲させる。ワイヤWのたわみ量を変位機構2の動作を介して光ファイバ3と光量検出部4とで検出するので、ワイヤWと光ファイバ3とを個別に配設することができ、施工が容易であり、一般的な光ファイバとワイヤとを用いて侵入検知システムを低コストで構築できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いて不審者の侵入を検知する光センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不審者の侵入を検知する光センサシステムとして、光ファイバケーブルをエリアの境界に沿って配設し、不審者がそのケーブルに力をかけたことを光ファイバの透過光量の変化から検出するセンサシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムにおける光ファイバケーブルは、金属線と光ファイバとを同梱して被覆して成る複合ケーブルであり、複数の支柱間に、固定具に巻きつけながら配設されている。不審者がこのような光ファイバケーブルに力をかけることによって、光ファイバケーブルの線材方向に垂直な方向の変位が生じて張力が増加し、固定具に巻きつけた部分における光ファイバのマイクロベンデングが増加して光ファイバの伝送損失が増加する。その伝送損失の増加量の検知により侵入者が検知される。
【0003】
また、山地、崖などの傾斜面や構造物などにおける歪みを検知する箇所に光ファイバを配設し、光ファイバの曲率半径が歪みにより変化して光の透過量が増減することを利用して歪みを検知する歪みセンサが知られている(例えば、特許文献2参照)。このセンサの光ファイバは、緊張状態で配設され、歪み検出箇所とする光ファイバの一部に所定の曲率半径の円形ループを形成すると共に、円形ループの内側に円筒状に巻いた板バネを取付けて、円形ループを可変自在に弾性支持するように構成されている。歪み発生に伴って光ファイバに作用する張力が変化し、その張力変化によって円形ループの曲率半径が増減し、光ファイバの光透過量が増減することから、歪みの増加だけでなく歪みの減少も検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−233969号公報
【特許文献2】特開2000−298010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されるような光センサシステムにおいては、金属線と光ファイバとから成る複合ケーブルを、光ファイバに作用する張力を考慮しつつ配設する必要があり、施工に手間がかかる。また、専用の複合光ファイバケーブルを準備する必要があり、材料コスト低減が難しい。また、特許文献2に示されるような歪センサにおいても、光ファイバに作用する張力を考慮しつつ配設する必要があり、施工に手間がかかる。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するものであって、施工が容易かつ低コストで不審者検知システムを実現できる光センサシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明の光センサシステムは、不審者の侵入を検知するための光センサシステムであって、侵入を検知するエリアに配設したワイヤのたわみ量に応じて変位する変位機構と、変位機構の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバと、光ファイバを透過する光量変化を検出する光量検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この光センサシステムにおいて、ワイヤに張力を付与するバネを備えてもよい。
【0009】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤのたわみによって回転する回転レバーを備え、回転レバーの回転によって光ファイバを屈曲させてもよい。
【0010】
この光センサシステムにおいて、回転レバーは、その回転軸位置を可変としてもよい。
【0011】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤのたわみによって当該ワイヤに対する横方向に移動する移動レバーを備え、移動レバーの移動によって光ファイバを屈曲させてもよい。
【0012】
この光センサシステムにおいて、変位機構とワイヤの一端部とを収納する検知器筐体を備え、検知器筐体は、変位機構とワイヤの組の複数組を互いに直列配置する際に互いに隣接する他の検知器筐体における変位機構による検出対象となるワイヤの他端を接続固定するための固定部を有してもよい。
【0013】
この光センサシステムにおいて、ワイヤの張力とたわみ量との関係テーブルを参照可能に備えてもよい。
【0014】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤに作用する張力が所定値以下の場合のたわみ量に対して光ファイバの屈曲を制限する緩衝部材を備えてもよい。
【0015】
この光センサシステムにおいて、光量検出部は、光ファイバの透過光量を調節する可変アッテネータを備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光センサシステムによれば、ワイヤのたわみ量を変位機構の動作を介して光ファイバと光量検出部とで検出するようにしたので、ワイヤと光ファイバとを個別に配設することができ、施工が容易であり、また、複合ケーブルが不要でコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る光センサシステムについてのブロック構成図。
【図2】同システムにおけるワイヤの動作を説明する側面図。
【図3】同システムの実地における全体構成図。
【図4】(a)は同システムにおける検知器の内部正面図、(b)は同検知器の動作状態の正面図。
【図5】(a)は同システムにおける検知器の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図6】(a)は同システムにおける検知器の他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図7】(a)は同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図8】同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図。
【図9】図8の検知器を実地に適用した様子を示す正面図。
【図10】(a)は同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図11】(a)は同システムにおける光量検出部と光ファイバを説明する図、(b)は同変形例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る光センサシステムについて、図面を参照して説明する。図1乃至図4は光センサシステム1の一実施形態を示す。図1に示すように、光センサシステム1は、ワイヤWのたわみ量に応じて変位する変位機構2と、変位機構2の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバ3と、光ファイバ3を透過する光量変化を検出する光量検出部4と、を備えている。変位機構2と、光ファイバ3の屈曲度合いが変化する部分とが検知器5を構成する。ワイヤWは張力をかけて配設されており、このようなワイヤWにたわみが発生する場合、張力が変化すると共に、ワイヤWの縦方向(線材方向)の移動と横方向(線材直交方向)の移動とが発生する。変位機構2は、ワイヤWの張力の変化や縦方向や横方向の移動の大きさ、すなわち、たわみ量に応じて、回転したり移動したりする回転レバーや移動レバーなどを用いて、光ファイバ3を屈曲させる。光量検出部4は、光ファイバ3の一端から投入した光の透過光を他端で受光することにより、光ファイバ3を透過する光量変化を検出して不審者の侵入を検知する。
【0019】
図2に示すように、ワイヤWは、その両端A,Bを不図示の固定部に固定され、両端A,B間の所定位置を、支柱10に設けた通過リング11によって移動自在に支持されている。ワイヤWは、不審者の侵入を検知するエリアの境界周辺等に配設され、不審者がエリアの境界を越えようとしてワイヤWに外力Fを加えることにより、ワイヤWの張力Tが変化し、ワイヤWにたわみが生じて縦方向aの移動と横方向bの移動とが発生する。張力Tは、ワイヤWの任意の点Pにおいて、互いに逆向きに釣り合うように存在している。
【0020】
図3に示すように、光センサシステム1を施工した状態において、侵入を検知するエリアの境界には、複数の支柱10と支柱10に張られた金網12とによるフェンスが設置される。各支柱10の上部には、支柱10の所定本数毎に検知器5が設けられ、各検知器5の間には、通過リング11で支持されたワイヤWが張られる。各検知器5には、光ファイバ3が導入されると共に導出されている。すなわち、光ファイバ3の途中部分が引き込まれている。各光ファイバ3は、光成端箱3a内で幹線光ファイバケーブル31に光接続された後、監視室などに設置された光量検出部4に接続されている。光量検出部4は、光ファイバ3に光を送り出す送光部41と、光ファイバ3から光を受け取って透過光量を測定すると共に光量変化を検出する受光部42とを備えた多チャネルの処理装置である。また、光量検出部4には、モニタ4a、スピーカ4b、キーボード4c、マウス4dなどの入出力機器を備えた汎用のコンピュータ40が接続されている。コンピュータ40は、これらの入出力機器や内蔵の機器を用いることにより、光量検出部4の制御、動作設定、過去の検出履歴の記録、侵入検出時の警報発生などを行う。
【0021】
(回転レバー式の検知器)
図4(a)(b)は、回転レバー式の検知器5を示す。検知器5は、図4(a)に示すように、検知器筐体50と、その内部に設置された回転レバー式の変位機構2とを備えている。検知器筐体50には、ワイヤWの一端Aと光ファイバ3の屈曲度合いが変化する部分とが導入されている。ワイヤWの一端Aは、検知器筐体50の側壁に設けた開口5aから筐体内部に導入され、プーリ51によって下方に向きを変えてバネ6の一端に固定されている。ワイヤWは、バネ6によって、一端Aと他端Bとの間に一定の張力Tが付与されている。
【0022】
変位機構2は、検知器筐体50に固定された回転軸2aの周りに回転自在とされた回転レバー21と、回転レバー21の上端部に設けた接合部材22と、回転レバー21の下端部に設けた押圧プーリ23とを備えている。接合部材22は、開口5aとプーリ51との間において、ワイヤWに一体的に固定されている。回転レバー21の上端部には長孔が形成されており、その長孔を挿通して接合部材22に立設された回転軸2bによって、回転レバー21の上端部と接合部材22とが互いに係止されている。押圧プーリ23は、回転軸2cによって回転自在に回転レバー21に固定されている。光ファイバ3は、その途中部分が、検知器筐体50の下壁に設けた開口5bから筐体内部に引き込まれて、検知器筐体50に固定された4つのガイドピン52,53と、押圧プーリ23とに接して、所定の張力を与えられた状態で、筐体内部に固定されている。回転レバー21は、ワイヤWにたわみが発生していない通常状態において、上下に正立している。また、検知器筐体50内における光ファイバ3は、正立した回転レバー21に対して左右対称配置とされている。
【0023】
図4(b)に示すように、ワイヤWに外力Fが加わってたわみが発生すると、ワイヤWの張力Tが張力T1に増加し(T<T1)、バネ6が伸びると共にワイヤWがその線材方向aに移動する。ワイヤWの移動により、接合部材22が移動し、回転レバー21が矢印Rで示すように回転し、押圧プーリ23が光ファイバ3を押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。従って、たわみの発生に伴う変位機構2の動作に連動して光ファイバ3の屈曲変化部Cにおける屈曲度合いが変化し、屈曲度合いが変化することにより光ファイバ3を透過する光量が変化(通常は、光量が減衰)する。その光量変化は、上述のように、光量検出部4によって検出され、その検出結果に基づいて、例えば、光量変化が所定値を超えた場合に、不審者の侵入が判断される。
【0024】
本実施形態の光センサシステム1によれば、ワイヤWのたわみ量を変位機構2の動作を介して光ファイバ3と光量検出部4とで検出するようにしたので、ワイヤWと光ファイバ3とを個別に配設することができ、施工が容易である。また、従来のような複合ケーブルを用いないので、より一般的な汎用の光ファイバとワイヤとを用いて侵入検知システムを、より低コストで構築することができる。また、バネ6によってワイヤWに常時張力をかけているので、ワイヤWが切断されたり、外されたりした場合に、回転レバー21が、図4(b)に示した回転方向とは逆方向に回転して、光ファイバ3を反対側で、上記同様に、屈曲させることができる。従って、ワイヤWに発生した切断等の異常を確実に検出することができる。また、バネ6を用いてワイヤWに張力を付与するので、バネ6の伸びを調整する調整治具(不図示)により、ワイヤWの張力Tを容易に所望値に設定することができる。また、バネ6の特性とたわみ量との関係テーブル、または、より一般的にワイヤWの張力Tとたわみ量との関係テーブルを、例えば、検知器筐体50内に、作業者が参照可能に備えることにより、施工の自由度が広がり、施工状況に応じて柔軟に対応できる。
【0025】
図5(a)(b)は、上述の検知器5の変形例を示す。この検知器5は、上述の回転レバー21の回転軸2aの位置が、3段階に可変とされたものである。このような光センサシステム1によれば、ワイヤWのたわみに対する押圧プーリ23の回転率を変えることができるので、透過光量の変化を適切に検知できるように、容易に設定することができる。従って、ワイヤWの設置状態、例えば、互いに隣接する通過リング11の間隔の違いによるたわみ量の触れ幅(線材方向aに沿ったワイヤWの移動量の触れ幅)の違いに応じて、適宜に押圧プーリ23の回転率を設定でき、光センサシステム1を容易に施工できる。なお、回転軸2aの位置の変更は、3段階に限らず任意段階で可変とすることができる。
【0026】
図6(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。この検知器5は、回転レバー21が、ワイヤWの線材方向aの移動ではなくワイヤWの線材直交方向bの移動に基づいて回転するものである。図6(a)に示すように、回転レバー21は、L字形状を有し、L字形状の角部における回転軸2aと、一端部における回転軸2cで軸支された押圧プーリ23と、他端部における係合ピン2dと、バネ61とを備えている。係合ピン2dと、回転軸2aと、回転軸2cとは、この順で上中下に位置されている。上部の係合ピン2dは、ワイヤWを上方から下方に引き下げる状態でワイヤWと係合している。バネ61は、回転レバー21に回転力を付勢する。その回転力は、係合ピン2dがワイヤWを引き下げるための力となる。ワイヤWは、所定の張力Tのもとで不図示のA,B端間に固定されると共に、検知器筐体50の左右の側壁に設けた開口5aを通して検知器筐体50の内部に挿通され、開口5aの内側に備えた通過リング54(または支持ピン)によって支持されている。従って、ワイヤWは、張力Tとバネ61の付勢力とがつりあった状態で、検知器筐体50の内部で下方に引き下げられている。光ファイバ3は、その途中部分が開口5bから筐体内部に引き込まれ、2つのガイドピン53と、押圧プーリ23とに接して、所定の張力状態で筐体内部に固定されている。
【0027】
図6(b)に示すように、たわみ発生によりワイヤWの張力Tが増加して張力T1となると、係合ピン2dが上方向bに移動すると共に、回転レバー21が矢印Rに示すように回転し、押圧プーリ23が光ファイバ3を押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。バネ61は、張力T1(および押圧プーリ23に接している光ファイバからの反発力)につりあうように引き伸ばされる。このような検知器5は、ワイヤWの端部に限らず、ワイヤWの両端間の任意の位置に配置することができる。また、ワイヤWの端部は、上述したようなバネ6を用いて終端させても、バネ6を用いることなく終端させてもよい。また、このような変位機構2においても、回転レバー21の形状や光ファイバ3の取り付け構成を変更することにより、上述と同様に、ワイヤWが切られたり外されたりした場合にバネ61の作用によって光ファイバ3を屈曲させるようにすることができる。
【0028】
(移動レバー式の検知器)
図7(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。図7(a)に示すように、この検知器5の変位機構7は、検知器筐体50の左右中央に上下移動自在に配置された縦長の移動レバー71と、移動レバー71を下方に付勢するバネ62とを備えている。移動レバー71の上部と下部には、それぞれ、上下に配置した2本の係合ピン7aと、上下に配置した2本の係合ピン7bとが備えられている。ワイヤWは、上述の図6(a)(b)に示した検知器5と同様に、検知器筐体50の内部に挿通され、通過リング54によって支持されている。光ファイバ3は、その途中部分が開口5bから筐体内部に引き込まれ、上下左右対称に所定間隔で配列された4つの左右長手ガイド材55の上下間に、所定の張力状態で、左右対称に固定されている。上下のガイド材55は、光ファイバ3の上下移動を制限している。左右のガイド材55は、移動レバー71の下部を挿通する隙間を形成している。
【0029】
移動レバー71の係合ピン7aの上側の1本は、上方からワイヤWに係合し、バネ62の付勢力に基づいてワイヤWを下方に押し下げている。2本の係合ピン7bは、上下のガイド材55と同様に、光ファイバ3を上下から挟み込んでいる。光ファイバ3は、ワイヤWの張力Tとバネ62の付勢力とがつりあった通常の状態(たわみがない状態)において、上下のガイド材55の間と、2本の係合ピン7bの間とを、直線状に延びた状態となっている。
【0030】
図7(b)に示すように、ワイヤWに外力Fが加えられてたわみが発生すると、たわみ発生によりワイヤWの張力Tが増加して張力T1となる。すると、増加した張力T1によって係合ピン7aに上向きの力が加わり、移動レバー71が上方向bに移動すると共に、係合ピン7bも上方向bに移動する。2本の係合ピン7bが上方向bへ移動することによって、下側の係合ピン7bが光ファイバ3を上方に押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。バネ62は、張力T1と光ファイバ3の反発力とにつりあうように収縮する。また、ワイヤWが切断されたり、外されたりしてワイヤWの張力Tが減少すると、バネ62の付勢力によって移動レバー71が下方向に移動し、上側の係合ピン7bが光ファイバ3を下方に押圧して屈曲させるので、ワイヤWの異常状態が検出される。
【0031】
(検知器の他の変形例)
図8、図9は、検知器5のさらに他の変形例を示す。図8に示すように、この検知器5は、検知器筐体50の内部に、ワイヤWの他端Bを接続固定するための固定部56をさらに備えたものである。検知器筐体50は、ワイヤWの一端Aと、他端Bとを内部に導入して終端する。その一端Aと他端Bとは、通常、2本のワイヤWの異なる端部であるが、1本のワイヤWの両端とすることもできる。固定部56は、ボルトと押えワッシャとを用いて、ワッシャと検知器筐体50の一面との間にワイヤWを挟み込んで固定する構成とし、ゆるみ止めに複数個所で固定する構成とすることができる。固定部56は、ワイヤWに張力を付与するバネを介して終端する構成とすることもできる。
【0032】
図9に示すように、検知器5とワイヤWの複数組を互いに直列配置する際に、各検知器5は、自己の変位機構2の検出対象となるワイヤWの一端Aを終端させると共に、互いに隣接する他の検知器5の変位機構2の検出対象となるワイヤWの他端Bを終端させる。この検知器5によると、検出部(変位機構2)と固定部56とを1つにまとめて部品点数を減らすことができ、施工や部品管理が容易で、製造コスト低減などを図ることができる。なお、図中に断線検知用光ファイバケーブル32が示されている。この光ファイバケーブル32は、金網12の全面に張り巡らせた後、光成端箱3a内で幹線光ファイバケーブル31に光接続され、不図示の光量検出部4に接続されている。光ファイバケーブル32は、その透過光が受光部42(図3)で受光されたか否かによって、ケーブル切断の有無が判断される。
【0033】
図10(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。この検知器5は、変位機構2を2組備えると共に、ワイヤWに作用する張力Tが所定値以下の場合のたわみ量に対して光ファイバ3の屈曲を制限する動作制限機構8を備えている。ワイヤWは、所定の張力Tを付与された直線状態で、検知器筐体50の左右側壁の開口5aを通って導入され導出されている。ワイヤWには、各変位機構2の接合部材22が固定されている。光ファイバ3は、その途中部分が、検知器筐体50の下壁に設けた開口5bから筐体内部に引き込まれて、検知器筐体50に固定された複数のガイドピン53,56と、2つの押圧プーリ23とに接して、所定の張力を与えられた状態で筐体内部に固定されている。
【0034】
動作制限機構8は、ワイヤWに固定された移動子81と、移動子81から突出した腕部材82と、腕部材82の両側に配置された2つのバネ83(緩衝部材)とを備えている。移動子81は、ワイヤWと共に移動する。バネ83は、一端を検知器筐体50に固定し、他端を腕部材82に固定し、その弾性力によって腕部材82と移動子81の移動、従って、ワイヤWの移動を制限する。例えば、張力Tが張力(T+ΔT)に増加したとき、増加量ΔTが所定値以下の場合はワイヤWが移動しないか、または僅かだけ移動するように、バネ83の動作特性を設定する。検知器5は、このような動作制限機構8を備えることにより、ワイヤWに作用する張力Tが所定値以下の場合のたわみ量に対して、変位機構2の動作を制限して光ファイバ3の屈曲を制限することができる。
【0035】
この検知器5を備えた光センサシステム1によれば、不審者による外力に基づくたわみでなく、例えば、鳥等の動物がワイヤWに乗ることによる小規模のたわみの場合に、これに対する不感領域を備えることができるので、誤報を低減することができる。この検知器5は、左右対称の構成であり、ワイヤWが左右いずれかに移動することにより、その移動の原因となったたわみを検知することができる。また、ワイヤWが切断されたり、外されたりした場合であっても、そのことを検知することができる。なお、ワイヤWがその線材方向aに移動するためには、移動代の存在が必要であり、バネ6等により移動代を設定することができる。また、この検知器5は、必ずしも左右対称に構成する必要はない。例えば、変位機構2を片側だけとしたり、バネ83を片側だけとしたりしてもよい。
【0036】
(光センサシステムの他の例)
図11(a)(b)は、光センサシステム1における光ファイバ3と光量検出部4の構成例を示す。図11(a)に示すシステムでは、光量検出部4の外部において、光ファイバ3が、その透過光量を調節するアッテネータATTを備えている。アッテネータATTは、例えば、ソケットプラグ方式で光線路内に複数段挿入することができ、受光パワーを調整することができる。但し、このようなアッテネータATTは、通常、段階的にしか光パワーを減衰することができない。
【0037】
図11(b)に示すシステムでは、光量検出部4の内部に、光ファイバ3の透過光量を調節する可変アッテネータ43を備えている。可変アッテネータ43として、例えば、熱光学効果を用いた導波路型の可変光減衰器を用いることができる。このような可変アッテネータ43は、送光部41または受光部42に備えることにより、リニアに受光パワーを調整できるので、光量調整が簡単にでき、光センサシステム1の施工が容易にできる。また、光センサシステム1において、ワイヤWの張力Tとたわみ量との関係テーブルや、たわみ量と透過光量の変化量との関係テーブルなどを、例えば、光量検出部4の受光部42によって参照可能に備えることにより、可変アッテネータ43を有効利用できる。例えば、これらのテーブルを自動参照して、可変アッテネータ43によって受光パワーを調整すると共に、その調整に左右されることなく、不審者侵入によるたわみ発生を適切に判断することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能であり、上述した各実施形態や変形例の構成を互いに組み合わせた構成としてもよい。例えば、上述した各種の検知器5を備えた光センサシステム1を取り混ぜて不審者検知ステムを構築することができる。また、各検知器5に対して、光ファイバ3が並列に導入されることを説明したが、複数の検知器5に対して共通の光ファイバ3、すなわち、検知器5を光ファイバ3で直列接続することもできる。この場合、使用する光ファイバ3の総延長距離を短くすることができ、また施工が容易となる。また、たわみの検出は、1本の光ファイバ3に関連付けられた検知器5が検出したことが分かるだけで、どの検知器5であるかは不明であるが、これで実用となる場面は存在する。この直列接続の場合、さらに、光量検出部4にOTDR回路(Optical Time-Domain Reflectometer)などを備え、光パルスの透過光や反射光などを用いて、屈曲を検出した検知器5を特定することができる。この場合、特定する場所は、光ファイバ3に沿って既知の間隔で局所的に配置された検知器5であるので、低精度のOTDR回路やこれに類する回路などを用いることができる。また、上下、左右等の用語を説明の便のために用いたが、本光センサシステムは、その姿勢にかかわらず使用することができる。また、バネ等は、ワイヤW等に張力を付与できるものであればよく、板バネ、コイルバネの他、ゴム、空気バネなどを用いることができる。また、光ファイバ3は、例えば、その表面に凹凸を付与して、マイクロベンディング効果を高める構成としてもよい。また、検知器筐体50内で光ファイバ3を支持するガイドピン等はプーリ構造やローラ構造にしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 光センサシステム
2 変位機構
21 回転レバー
3 光ファイバ
4 光量検出部
43 可変アッテネータ
5 検知器
50 検知器筐体
6 バネ
61,62 バネ
7 変位機構
71 移動レバー
83 バネ(緩衝部材)
A ワイヤの一端
B ワイヤの他端
T,T1 張力
W ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いて不審者の侵入を検知する光センサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不審者の侵入を検知する光センサシステムとして、光ファイバケーブルをエリアの境界に沿って配設し、不審者がそのケーブルに力をかけたことを光ファイバの透過光量の変化から検出するセンサシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムにおける光ファイバケーブルは、金属線と光ファイバとを同梱して被覆して成る複合ケーブルであり、複数の支柱間に、固定具に巻きつけながら配設されている。不審者がこのような光ファイバケーブルに力をかけることによって、光ファイバケーブルの線材方向に垂直な方向の変位が生じて張力が増加し、固定具に巻きつけた部分における光ファイバのマイクロベンデングが増加して光ファイバの伝送損失が増加する。その伝送損失の増加量の検知により侵入者が検知される。
【0003】
また、山地、崖などの傾斜面や構造物などにおける歪みを検知する箇所に光ファイバを配設し、光ファイバの曲率半径が歪みにより変化して光の透過量が増減することを利用して歪みを検知する歪みセンサが知られている(例えば、特許文献2参照)。このセンサの光ファイバは、緊張状態で配設され、歪み検出箇所とする光ファイバの一部に所定の曲率半径の円形ループを形成すると共に、円形ループの内側に円筒状に巻いた板バネを取付けて、円形ループを可変自在に弾性支持するように構成されている。歪み発生に伴って光ファイバに作用する張力が変化し、その張力変化によって円形ループの曲率半径が増減し、光ファイバの光透過量が増減することから、歪みの増加だけでなく歪みの減少も検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−233969号公報
【特許文献2】特開2000−298010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されるような光センサシステムにおいては、金属線と光ファイバとから成る複合ケーブルを、光ファイバに作用する張力を考慮しつつ配設する必要があり、施工に手間がかかる。また、専用の複合光ファイバケーブルを準備する必要があり、材料コスト低減が難しい。また、特許文献2に示されるような歪センサにおいても、光ファイバに作用する張力を考慮しつつ配設する必要があり、施工に手間がかかる。
【0006】
本発明は、上記課題を解消するものであって、施工が容易かつ低コストで不審者検知システムを実現できる光センサシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明の光センサシステムは、不審者の侵入を検知するための光センサシステムであって、侵入を検知するエリアに配設したワイヤのたわみ量に応じて変位する変位機構と、変位機構の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバと、光ファイバを透過する光量変化を検出する光量検出部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この光センサシステムにおいて、ワイヤに張力を付与するバネを備えてもよい。
【0009】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤのたわみによって回転する回転レバーを備え、回転レバーの回転によって光ファイバを屈曲させてもよい。
【0010】
この光センサシステムにおいて、回転レバーは、その回転軸位置を可変としてもよい。
【0011】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤのたわみによって当該ワイヤに対する横方向に移動する移動レバーを備え、移動レバーの移動によって光ファイバを屈曲させてもよい。
【0012】
この光センサシステムにおいて、変位機構とワイヤの一端部とを収納する検知器筐体を備え、検知器筐体は、変位機構とワイヤの組の複数組を互いに直列配置する際に互いに隣接する他の検知器筐体における変位機構による検出対象となるワイヤの他端を接続固定するための固定部を有してもよい。
【0013】
この光センサシステムにおいて、ワイヤの張力とたわみ量との関係テーブルを参照可能に備えてもよい。
【0014】
この光センサシステムにおいて、変位機構は、ワイヤに作用する張力が所定値以下の場合のたわみ量に対して光ファイバの屈曲を制限する緩衝部材を備えてもよい。
【0015】
この光センサシステムにおいて、光量検出部は、光ファイバの透過光量を調節する可変アッテネータを備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光センサシステムによれば、ワイヤのたわみ量を変位機構の動作を介して光ファイバと光量検出部とで検出するようにしたので、ワイヤと光ファイバとを個別に配設することができ、施工が容易であり、また、複合ケーブルが不要でコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る光センサシステムについてのブロック構成図。
【図2】同システムにおけるワイヤの動作を説明する側面図。
【図3】同システムの実地における全体構成図。
【図4】(a)は同システムにおける検知器の内部正面図、(b)は同検知器の動作状態の正面図。
【図5】(a)は同システムにおける検知器の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図6】(a)は同システムにおける検知器の他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図7】(a)は同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図8】同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図。
【図9】図8の検知器を実地に適用した様子を示す正面図。
【図10】(a)は同システムにおける検知器のさらに他の変形例の内部正面図、(b)は同変形例の動作状態の正面図。
【図11】(a)は同システムにおける光量検出部と光ファイバを説明する図、(b)は同変形例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る光センサシステムについて、図面を参照して説明する。図1乃至図4は光センサシステム1の一実施形態を示す。図1に示すように、光センサシステム1は、ワイヤWのたわみ量に応じて変位する変位機構2と、変位機構2の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバ3と、光ファイバ3を透過する光量変化を検出する光量検出部4と、を備えている。変位機構2と、光ファイバ3の屈曲度合いが変化する部分とが検知器5を構成する。ワイヤWは張力をかけて配設されており、このようなワイヤWにたわみが発生する場合、張力が変化すると共に、ワイヤWの縦方向(線材方向)の移動と横方向(線材直交方向)の移動とが発生する。変位機構2は、ワイヤWの張力の変化や縦方向や横方向の移動の大きさ、すなわち、たわみ量に応じて、回転したり移動したりする回転レバーや移動レバーなどを用いて、光ファイバ3を屈曲させる。光量検出部4は、光ファイバ3の一端から投入した光の透過光を他端で受光することにより、光ファイバ3を透過する光量変化を検出して不審者の侵入を検知する。
【0019】
図2に示すように、ワイヤWは、その両端A,Bを不図示の固定部に固定され、両端A,B間の所定位置を、支柱10に設けた通過リング11によって移動自在に支持されている。ワイヤWは、不審者の侵入を検知するエリアの境界周辺等に配設され、不審者がエリアの境界を越えようとしてワイヤWに外力Fを加えることにより、ワイヤWの張力Tが変化し、ワイヤWにたわみが生じて縦方向aの移動と横方向bの移動とが発生する。張力Tは、ワイヤWの任意の点Pにおいて、互いに逆向きに釣り合うように存在している。
【0020】
図3に示すように、光センサシステム1を施工した状態において、侵入を検知するエリアの境界には、複数の支柱10と支柱10に張られた金網12とによるフェンスが設置される。各支柱10の上部には、支柱10の所定本数毎に検知器5が設けられ、各検知器5の間には、通過リング11で支持されたワイヤWが張られる。各検知器5には、光ファイバ3が導入されると共に導出されている。すなわち、光ファイバ3の途中部分が引き込まれている。各光ファイバ3は、光成端箱3a内で幹線光ファイバケーブル31に光接続された後、監視室などに設置された光量検出部4に接続されている。光量検出部4は、光ファイバ3に光を送り出す送光部41と、光ファイバ3から光を受け取って透過光量を測定すると共に光量変化を検出する受光部42とを備えた多チャネルの処理装置である。また、光量検出部4には、モニタ4a、スピーカ4b、キーボード4c、マウス4dなどの入出力機器を備えた汎用のコンピュータ40が接続されている。コンピュータ40は、これらの入出力機器や内蔵の機器を用いることにより、光量検出部4の制御、動作設定、過去の検出履歴の記録、侵入検出時の警報発生などを行う。
【0021】
(回転レバー式の検知器)
図4(a)(b)は、回転レバー式の検知器5を示す。検知器5は、図4(a)に示すように、検知器筐体50と、その内部に設置された回転レバー式の変位機構2とを備えている。検知器筐体50には、ワイヤWの一端Aと光ファイバ3の屈曲度合いが変化する部分とが導入されている。ワイヤWの一端Aは、検知器筐体50の側壁に設けた開口5aから筐体内部に導入され、プーリ51によって下方に向きを変えてバネ6の一端に固定されている。ワイヤWは、バネ6によって、一端Aと他端Bとの間に一定の張力Tが付与されている。
【0022】
変位機構2は、検知器筐体50に固定された回転軸2aの周りに回転自在とされた回転レバー21と、回転レバー21の上端部に設けた接合部材22と、回転レバー21の下端部に設けた押圧プーリ23とを備えている。接合部材22は、開口5aとプーリ51との間において、ワイヤWに一体的に固定されている。回転レバー21の上端部には長孔が形成されており、その長孔を挿通して接合部材22に立設された回転軸2bによって、回転レバー21の上端部と接合部材22とが互いに係止されている。押圧プーリ23は、回転軸2cによって回転自在に回転レバー21に固定されている。光ファイバ3は、その途中部分が、検知器筐体50の下壁に設けた開口5bから筐体内部に引き込まれて、検知器筐体50に固定された4つのガイドピン52,53と、押圧プーリ23とに接して、所定の張力を与えられた状態で、筐体内部に固定されている。回転レバー21は、ワイヤWにたわみが発生していない通常状態において、上下に正立している。また、検知器筐体50内における光ファイバ3は、正立した回転レバー21に対して左右対称配置とされている。
【0023】
図4(b)に示すように、ワイヤWに外力Fが加わってたわみが発生すると、ワイヤWの張力Tが張力T1に増加し(T<T1)、バネ6が伸びると共にワイヤWがその線材方向aに移動する。ワイヤWの移動により、接合部材22が移動し、回転レバー21が矢印Rで示すように回転し、押圧プーリ23が光ファイバ3を押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。従って、たわみの発生に伴う変位機構2の動作に連動して光ファイバ3の屈曲変化部Cにおける屈曲度合いが変化し、屈曲度合いが変化することにより光ファイバ3を透過する光量が変化(通常は、光量が減衰)する。その光量変化は、上述のように、光量検出部4によって検出され、その検出結果に基づいて、例えば、光量変化が所定値を超えた場合に、不審者の侵入が判断される。
【0024】
本実施形態の光センサシステム1によれば、ワイヤWのたわみ量を変位機構2の動作を介して光ファイバ3と光量検出部4とで検出するようにしたので、ワイヤWと光ファイバ3とを個別に配設することができ、施工が容易である。また、従来のような複合ケーブルを用いないので、より一般的な汎用の光ファイバとワイヤとを用いて侵入検知システムを、より低コストで構築することができる。また、バネ6によってワイヤWに常時張力をかけているので、ワイヤWが切断されたり、外されたりした場合に、回転レバー21が、図4(b)に示した回転方向とは逆方向に回転して、光ファイバ3を反対側で、上記同様に、屈曲させることができる。従って、ワイヤWに発生した切断等の異常を確実に検出することができる。また、バネ6を用いてワイヤWに張力を付与するので、バネ6の伸びを調整する調整治具(不図示)により、ワイヤWの張力Tを容易に所望値に設定することができる。また、バネ6の特性とたわみ量との関係テーブル、または、より一般的にワイヤWの張力Tとたわみ量との関係テーブルを、例えば、検知器筐体50内に、作業者が参照可能に備えることにより、施工の自由度が広がり、施工状況に応じて柔軟に対応できる。
【0025】
図5(a)(b)は、上述の検知器5の変形例を示す。この検知器5は、上述の回転レバー21の回転軸2aの位置が、3段階に可変とされたものである。このような光センサシステム1によれば、ワイヤWのたわみに対する押圧プーリ23の回転率を変えることができるので、透過光量の変化を適切に検知できるように、容易に設定することができる。従って、ワイヤWの設置状態、例えば、互いに隣接する通過リング11の間隔の違いによるたわみ量の触れ幅(線材方向aに沿ったワイヤWの移動量の触れ幅)の違いに応じて、適宜に押圧プーリ23の回転率を設定でき、光センサシステム1を容易に施工できる。なお、回転軸2aの位置の変更は、3段階に限らず任意段階で可変とすることができる。
【0026】
図6(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。この検知器5は、回転レバー21が、ワイヤWの線材方向aの移動ではなくワイヤWの線材直交方向bの移動に基づいて回転するものである。図6(a)に示すように、回転レバー21は、L字形状を有し、L字形状の角部における回転軸2aと、一端部における回転軸2cで軸支された押圧プーリ23と、他端部における係合ピン2dと、バネ61とを備えている。係合ピン2dと、回転軸2aと、回転軸2cとは、この順で上中下に位置されている。上部の係合ピン2dは、ワイヤWを上方から下方に引き下げる状態でワイヤWと係合している。バネ61は、回転レバー21に回転力を付勢する。その回転力は、係合ピン2dがワイヤWを引き下げるための力となる。ワイヤWは、所定の張力Tのもとで不図示のA,B端間に固定されると共に、検知器筐体50の左右の側壁に設けた開口5aを通して検知器筐体50の内部に挿通され、開口5aの内側に備えた通過リング54(または支持ピン)によって支持されている。従って、ワイヤWは、張力Tとバネ61の付勢力とがつりあった状態で、検知器筐体50の内部で下方に引き下げられている。光ファイバ3は、その途中部分が開口5bから筐体内部に引き込まれ、2つのガイドピン53と、押圧プーリ23とに接して、所定の張力状態で筐体内部に固定されている。
【0027】
図6(b)に示すように、たわみ発生によりワイヤWの張力Tが増加して張力T1となると、係合ピン2dが上方向bに移動すると共に、回転レバー21が矢印Rに示すように回転し、押圧プーリ23が光ファイバ3を押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。バネ61は、張力T1(および押圧プーリ23に接している光ファイバからの反発力)につりあうように引き伸ばされる。このような検知器5は、ワイヤWの端部に限らず、ワイヤWの両端間の任意の位置に配置することができる。また、ワイヤWの端部は、上述したようなバネ6を用いて終端させても、バネ6を用いることなく終端させてもよい。また、このような変位機構2においても、回転レバー21の形状や光ファイバ3の取り付け構成を変更することにより、上述と同様に、ワイヤWが切られたり外されたりした場合にバネ61の作用によって光ファイバ3を屈曲させるようにすることができる。
【0028】
(移動レバー式の検知器)
図7(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。図7(a)に示すように、この検知器5の変位機構7は、検知器筐体50の左右中央に上下移動自在に配置された縦長の移動レバー71と、移動レバー71を下方に付勢するバネ62とを備えている。移動レバー71の上部と下部には、それぞれ、上下に配置した2本の係合ピン7aと、上下に配置した2本の係合ピン7bとが備えられている。ワイヤWは、上述の図6(a)(b)に示した検知器5と同様に、検知器筐体50の内部に挿通され、通過リング54によって支持されている。光ファイバ3は、その途中部分が開口5bから筐体内部に引き込まれ、上下左右対称に所定間隔で配列された4つの左右長手ガイド材55の上下間に、所定の張力状態で、左右対称に固定されている。上下のガイド材55は、光ファイバ3の上下移動を制限している。左右のガイド材55は、移動レバー71の下部を挿通する隙間を形成している。
【0029】
移動レバー71の係合ピン7aの上側の1本は、上方からワイヤWに係合し、バネ62の付勢力に基づいてワイヤWを下方に押し下げている。2本の係合ピン7bは、上下のガイド材55と同様に、光ファイバ3を上下から挟み込んでいる。光ファイバ3は、ワイヤWの張力Tとバネ62の付勢力とがつりあった通常の状態(たわみがない状態)において、上下のガイド材55の間と、2本の係合ピン7bの間とを、直線状に延びた状態となっている。
【0030】
図7(b)に示すように、ワイヤWに外力Fが加えられてたわみが発生すると、たわみ発生によりワイヤWの張力Tが増加して張力T1となる。すると、増加した張力T1によって係合ピン7aに上向きの力が加わり、移動レバー71が上方向bに移動すると共に、係合ピン7bも上方向bに移動する。2本の係合ピン7bが上方向bへ移動することによって、下側の係合ピン7bが光ファイバ3を上方に押圧して屈曲させ、屈曲変化部Cが発生する。バネ62は、張力T1と光ファイバ3の反発力とにつりあうように収縮する。また、ワイヤWが切断されたり、外されたりしてワイヤWの張力Tが減少すると、バネ62の付勢力によって移動レバー71が下方向に移動し、上側の係合ピン7bが光ファイバ3を下方に押圧して屈曲させるので、ワイヤWの異常状態が検出される。
【0031】
(検知器の他の変形例)
図8、図9は、検知器5のさらに他の変形例を示す。図8に示すように、この検知器5は、検知器筐体50の内部に、ワイヤWの他端Bを接続固定するための固定部56をさらに備えたものである。検知器筐体50は、ワイヤWの一端Aと、他端Bとを内部に導入して終端する。その一端Aと他端Bとは、通常、2本のワイヤWの異なる端部であるが、1本のワイヤWの両端とすることもできる。固定部56は、ボルトと押えワッシャとを用いて、ワッシャと検知器筐体50の一面との間にワイヤWを挟み込んで固定する構成とし、ゆるみ止めに複数個所で固定する構成とすることができる。固定部56は、ワイヤWに張力を付与するバネを介して終端する構成とすることもできる。
【0032】
図9に示すように、検知器5とワイヤWの複数組を互いに直列配置する際に、各検知器5は、自己の変位機構2の検出対象となるワイヤWの一端Aを終端させると共に、互いに隣接する他の検知器5の変位機構2の検出対象となるワイヤWの他端Bを終端させる。この検知器5によると、検出部(変位機構2)と固定部56とを1つにまとめて部品点数を減らすことができ、施工や部品管理が容易で、製造コスト低減などを図ることができる。なお、図中に断線検知用光ファイバケーブル32が示されている。この光ファイバケーブル32は、金網12の全面に張り巡らせた後、光成端箱3a内で幹線光ファイバケーブル31に光接続され、不図示の光量検出部4に接続されている。光ファイバケーブル32は、その透過光が受光部42(図3)で受光されたか否かによって、ケーブル切断の有無が判断される。
【0033】
図10(a)(b)は、検知器5のさらに他の変形例を示す。この検知器5は、変位機構2を2組備えると共に、ワイヤWに作用する張力Tが所定値以下の場合のたわみ量に対して光ファイバ3の屈曲を制限する動作制限機構8を備えている。ワイヤWは、所定の張力Tを付与された直線状態で、検知器筐体50の左右側壁の開口5aを通って導入され導出されている。ワイヤWには、各変位機構2の接合部材22が固定されている。光ファイバ3は、その途中部分が、検知器筐体50の下壁に設けた開口5bから筐体内部に引き込まれて、検知器筐体50に固定された複数のガイドピン53,56と、2つの押圧プーリ23とに接して、所定の張力を与えられた状態で筐体内部に固定されている。
【0034】
動作制限機構8は、ワイヤWに固定された移動子81と、移動子81から突出した腕部材82と、腕部材82の両側に配置された2つのバネ83(緩衝部材)とを備えている。移動子81は、ワイヤWと共に移動する。バネ83は、一端を検知器筐体50に固定し、他端を腕部材82に固定し、その弾性力によって腕部材82と移動子81の移動、従って、ワイヤWの移動を制限する。例えば、張力Tが張力(T+ΔT)に増加したとき、増加量ΔTが所定値以下の場合はワイヤWが移動しないか、または僅かだけ移動するように、バネ83の動作特性を設定する。検知器5は、このような動作制限機構8を備えることにより、ワイヤWに作用する張力Tが所定値以下の場合のたわみ量に対して、変位機構2の動作を制限して光ファイバ3の屈曲を制限することができる。
【0035】
この検知器5を備えた光センサシステム1によれば、不審者による外力に基づくたわみでなく、例えば、鳥等の動物がワイヤWに乗ることによる小規模のたわみの場合に、これに対する不感領域を備えることができるので、誤報を低減することができる。この検知器5は、左右対称の構成であり、ワイヤWが左右いずれかに移動することにより、その移動の原因となったたわみを検知することができる。また、ワイヤWが切断されたり、外されたりした場合であっても、そのことを検知することができる。なお、ワイヤWがその線材方向aに移動するためには、移動代の存在が必要であり、バネ6等により移動代を設定することができる。また、この検知器5は、必ずしも左右対称に構成する必要はない。例えば、変位機構2を片側だけとしたり、バネ83を片側だけとしたりしてもよい。
【0036】
(光センサシステムの他の例)
図11(a)(b)は、光センサシステム1における光ファイバ3と光量検出部4の構成例を示す。図11(a)に示すシステムでは、光量検出部4の外部において、光ファイバ3が、その透過光量を調節するアッテネータATTを備えている。アッテネータATTは、例えば、ソケットプラグ方式で光線路内に複数段挿入することができ、受光パワーを調整することができる。但し、このようなアッテネータATTは、通常、段階的にしか光パワーを減衰することができない。
【0037】
図11(b)に示すシステムでは、光量検出部4の内部に、光ファイバ3の透過光量を調節する可変アッテネータ43を備えている。可変アッテネータ43として、例えば、熱光学効果を用いた導波路型の可変光減衰器を用いることができる。このような可変アッテネータ43は、送光部41または受光部42に備えることにより、リニアに受光パワーを調整できるので、光量調整が簡単にでき、光センサシステム1の施工が容易にできる。また、光センサシステム1において、ワイヤWの張力Tとたわみ量との関係テーブルや、たわみ量と透過光量の変化量との関係テーブルなどを、例えば、光量検出部4の受光部42によって参照可能に備えることにより、可変アッテネータ43を有効利用できる。例えば、これらのテーブルを自動参照して、可変アッテネータ43によって受光パワーを調整すると共に、その調整に左右されることなく、不審者侵入によるたわみ発生を適切に判断することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能であり、上述した各実施形態や変形例の構成を互いに組み合わせた構成としてもよい。例えば、上述した各種の検知器5を備えた光センサシステム1を取り混ぜて不審者検知ステムを構築することができる。また、各検知器5に対して、光ファイバ3が並列に導入されることを説明したが、複数の検知器5に対して共通の光ファイバ3、すなわち、検知器5を光ファイバ3で直列接続することもできる。この場合、使用する光ファイバ3の総延長距離を短くすることができ、また施工が容易となる。また、たわみの検出は、1本の光ファイバ3に関連付けられた検知器5が検出したことが分かるだけで、どの検知器5であるかは不明であるが、これで実用となる場面は存在する。この直列接続の場合、さらに、光量検出部4にOTDR回路(Optical Time-Domain Reflectometer)などを備え、光パルスの透過光や反射光などを用いて、屈曲を検出した検知器5を特定することができる。この場合、特定する場所は、光ファイバ3に沿って既知の間隔で局所的に配置された検知器5であるので、低精度のOTDR回路やこれに類する回路などを用いることができる。また、上下、左右等の用語を説明の便のために用いたが、本光センサシステムは、その姿勢にかかわらず使用することができる。また、バネ等は、ワイヤW等に張力を付与できるものであればよく、板バネ、コイルバネの他、ゴム、空気バネなどを用いることができる。また、光ファイバ3は、例えば、その表面に凹凸を付与して、マイクロベンディング効果を高める構成としてもよい。また、検知器筐体50内で光ファイバ3を支持するガイドピン等はプーリ構造やローラ構造にしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 光センサシステム
2 変位機構
21 回転レバー
3 光ファイバ
4 光量検出部
43 可変アッテネータ
5 検知器
50 検知器筐体
6 バネ
61,62 バネ
7 変位機構
71 移動レバー
83 バネ(緩衝部材)
A ワイヤの一端
B ワイヤの他端
T,T1 張力
W ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不審者の侵入を検知するための光センサシステムであって、
侵入を検知するエリアに配設したワイヤのたわみ量に応じて変位する変位機構と、
前記変位機構の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバと、
前記光ファイバを透過する光量変化を検出する光量検出部と、を備えたことを特徴とする光センサシステム。
【請求項2】
前記ワイヤに張力を付与するバネを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項3】
前記変位機構は、前記ワイヤのたわみによって回転するする回転レバーを備え、前記回転レバーの回転によって前記光ファイバを屈曲させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光センサシステム。
【請求項4】
前記回転レバーは、その回転軸位置が可変であることを特徴とする請求項3に記載の光センサシステム。
【請求項5】
前記変位機構は、前記ワイヤのたわみによって当該ワイヤに対する横方向に移動する移動レバーを備え、前記移動レバーの移動によって前記光ファイバを屈曲させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光センサシステム。
【請求項6】
前記変位機構と前記ワイヤの一端部とを収納する検知器筐体を備え、
前記検知器筐体は、前記変位機構と前記ワイヤの組の複数組を互いに直列配置する際に互いに隣接する他の検知器筐体における変位機構による検出対象となるワイヤの他端を接続固定するための固定部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項7】
前記ワイヤの張力とたわみ量との関係テーブルを参照可能に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項8】
前記変位機構は、前記ワイヤに作用する張力が所定値以下の場合のたわみ量に対して前記光ファイバの屈曲を制限する緩衝部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項9】
前記光量検出部は、前記光ファイバの透過光量を調節する可変アッテネータを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項1】
不審者の侵入を検知するための光センサシステムであって、
侵入を検知するエリアに配設したワイヤのたわみ量に応じて変位する変位機構と、
前記変位機構の動作に連動して屈曲度合いが変化するように配設された光ファイバと、
前記光ファイバを透過する光量変化を検出する光量検出部と、を備えたことを特徴とする光センサシステム。
【請求項2】
前記ワイヤに張力を付与するバネを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光センサシステム。
【請求項3】
前記変位機構は、前記ワイヤのたわみによって回転するする回転レバーを備え、前記回転レバーの回転によって前記光ファイバを屈曲させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光センサシステム。
【請求項4】
前記回転レバーは、その回転軸位置が可変であることを特徴とする請求項3に記載の光センサシステム。
【請求項5】
前記変位機構は、前記ワイヤのたわみによって当該ワイヤに対する横方向に移動する移動レバーを備え、前記移動レバーの移動によって前記光ファイバを屈曲させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光センサシステム。
【請求項6】
前記変位機構と前記ワイヤの一端部とを収納する検知器筐体を備え、
前記検知器筐体は、前記変位機構と前記ワイヤの組の複数組を互いに直列配置する際に互いに隣接する他の検知器筐体における変位機構による検出対象となるワイヤの他端を接続固定するための固定部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項7】
前記ワイヤの張力とたわみ量との関係テーブルを参照可能に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項8】
前記変位機構は、前記ワイヤに作用する張力が所定値以下の場合のたわみ量に対して前記光ファイバの屈曲を制限する緩衝部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【請求項9】
前記光量検出部は、前記光ファイバの透過光量を調節する可変アッテネータを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の光センサシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−226167(P2012−226167A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94410(P2011−94410)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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