説明

光ディスクおよびサーバ装置

【課題】ディスクとサーバ装置を用いながら、将来公開されるコンテンツ情報をユーザにおいて円滑に取得できる新規なコンテンツ配信ビジネスを構築する。
【解決手段】ネットワークを介してコンテンツ情報を取得するための制御プログラムをディスク10に格納する。制御プログラムは、ネットワーク経由でコンテンツ情報を取得するためのアドレスと、コンテンツ情報の取得可能期間を示す期間情報と、現在時刻と前記取得可能期間とを比較して前記コンテンツ情報の取得可否を外部に提示する第1処理ステップとを含む。かかる制御プログラムを光ディスク装置100において実行することにより、将来公開されるコンテンツを、ディスク10をもって、予約的かつ円滑にユーザに提供することができ、また、現時点におけるコンテンツの取得の可否やその提供時期をユーザに適正に知らせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクおよびサーバ装置に関し、特に、光ディスクに記録された情報に基づいてコンテンツ情報を配信する配信システムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年商品化が進められているHDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc、以下「HD」という)やブルーレイディスクでは、ネットワークへの接続機能を備えたプレーヤが開発されている。この種のプレーヤでは、ディスクに記録されたコンテンツ情報のみならず、ネットワーク上に存在するサーバ装置から適宜取得したコンテンツ情報をも再生することができる。この場合、ネットワーク経由で取得したコンテンツ情報とディスク内の情報とを関連付けることにより、ディスクとサーバを用いた新たなビジネスシーンを構築することができる。
【0003】
たとえば、ディスクに映画コンテンツを記録しておき、その続編を、ディスク購入後、ネットワーク上のサーバ装置から取得できるよう、ディスクとサーバ装置とからなるシステムを構成する。このとき、映画コンテンツの続編をサーバ装置から暗号化して配信し、これを復号するためのキー情報を当該ディスクに含めておく。こうすると、映画コンテンツの続編は、そのディスクを用いない限り再生できない。このため、当該ディスクの付加価値を高めることができ、ディスクを用いた新たなコンテンツ配信ビジネスを構築することができる。
【0004】
なお、以下の特許文献1には、ネットワーク経由で取得した広告情報をコンピュータ画面上で見た顧客に対し所定の特典を与えるシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2001−125952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように映画コンテンツの続編をサーバ装置からユーザに配信するビジネス形態では、ビジネスを円滑に成立させるために、続編の配信時期を確定的にユーザに提示する必要がある。続編の配信時期が未確定であると、通常、ユーザは、ディスク購入時に、続編の視聴料を含めた代金を支払うことはせず、ディスクの購入が躊躇される。また、続編の配信時期が未確定であると、ユーザは、既に続編が取得可能な状態にあるかが分からない状態でサーバ装置にアクセスしなければならず、結果的に、アクセスが徒労に終わる場合も起こり得る。こうなると、その後のアクセス試行が躊躇され、結果的に、ディスクの商品価値自体が低下する惧れもある。また、サーバ装置側では、一旦、配信を開始した情報については利用者が存在することから勝手にこれを削除することは難しく、これを維持するために永続的にコストが発生してしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、ディスクとサーバ装置を用いながら、将来、確実に公開されるコンテンツ情報をユーザにおいて円滑に取得することができる新規なコンテンツ配信ビジネスを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、光ディスクにおいて、ディスク管理情報を保持する管理領域と、データを保持するデータ領域とを備え、前記データ領域に、ネットワークを介してコンテンツ情報を取得するための制御プログラムが記録され、前記制御プログラムは、前記ネットワーク経由で前記コンテンツ情報を取得するためのアドレスと、前記コンテンツ情報の取得可能期間を示す期間情報と、現在時刻と前記取得可能期間とを比較して前記コンテンツ情報の取得可否を外部に提示する第1処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る光ディスクにおいて、前記第1処理ステップは、前記コンテンツ情報の取得可能期間を外部に提示する処理を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様に係る光ディスクにおいて、前記制御プログラムは、前記期間情報に基づく取得可能期間と現在時刻とを比較する第1処理ステップと、前記現在時刻が前記取得可能期間に含まれるコンテンツ情報を取得可能な状態に設定する第2処理ステップと、前記取得可能な状態に設定されたコンテンツ情報について取得指示がなされたとき当該コンテンツ情報に対応する前記アドレスに前記ネットワークを介してアクセスする第3処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様に係る光ディスクにおいて、前記制御プログラムは、前記第3処理ステップにおいて、ディスクを特定するためのディスク情報を前記アドレスに送信することを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様に係る光ディスクにおいて、前記ディスク情報は、前記制御プログラム内に含まれていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の態様は、上記第4の態様に係る光ディスクにおいて、前記ディスク情報は、前記管理領域に保持されており、前記制御プログラムは、前記第3処理ステップにおいて、前記管理領域から取得されたディスク情報を前記アドレスに送信することを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の態様は、ネットワークを介してコンテンツ情報を配信するサーバ装置において、コンテンツ情報をファイル毎に区分して蓄積するデータベースと、前記ネットワークを介して前記コンテンツ情報の配信要求があったとき前記データベースから前記配信要求に対応する前記ファイルのコンテンツ情報を読み出して配信する制御部とを備え、前記データベースは、前記各ファイルに関連付けて、ディスクを特定するためのディスク情報と、配信要求がなされたときに配信が可能である期間を前記ディスク情報に対応付けて規定する配信期間情報とを格納し;前記制御部は、 前記コンテンツ情報の配信要求時に前記ネットワークを介して受信した前記ディスク情報が前記データベース内に存在するかを判定する第1の処理と、受信した前記ディスク情報が前記データベース内に存在するとき、受信した前記ディスク情報に対応する前記配信期間情報を参照し、受信した前記ディスク情報に対応するファイルのコンテンツ情報を、現在時刻において配信可能かを判定する第2の処理と、受信した前記ディスク情報に対応するファイルのコンテンツ情報を現在時刻において配信可能である場合に、当該コンテンツ情報を配信要求元に配信する第3の処理とを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワーク経由でコンテンツ情報を取得するための制御プログラムに、コンテンツ情報の取得可能時期が含まれているため、かかる制御プログラムをプレーヤにおいて実行することにより、コンテンツ情報の取得の可否や取得可能時期をユーザに知らせることができる。そして、その後、取得可能なコンテンツ情報の取得指示が入力されると、制御プログラムにおいて、対応するコンテンツ情報をネットワーク経由で取得するための処理が行われ、ネットワーク上のサーバ装置からプレーヤに対して、対応するコンテンツ情報が配信され再生に供される。
【0015】
このように、本発明によれば、将来、確実に公開されるコンテンツ情報を、光ディスクをもって、予約的かつ円滑にユーザに提供することができ、また、現時点におけるコンテンツ情報の取得の可否やその提供時期をユーザに適正に知らせることができる。よって、ユーザは、たとえば、制御プログラムの実行例をモニタやパンフレット等で事前に見ることにより、光ディスクによる付加価値を予め確認でき、躊躇なく光ディスクの購入に踏み切ることができる。したがって、本発明によれば、ディスクとサーバ装置を用いた新規なコンテンツ配信ビジネスを構築することができる。
【0016】
なお、第6の態様のように、コンテンツ情報の配信の適否をサーバ装置側において判定するようにすれば、コンテンツ情報の不正取得を未然に回避することができる。特に、現在時刻がコンテンツ情報の配信可能期間内にあるかを、プレーヤ側(ディスクに格納された制御プログラム)のみならずサーバ装置側(サーバ側の制御プログラム)においても検証することにより、たとえば、プレーヤ内の時計を故意に進めてプレーヤ側の検証にパスさせて、先取り的にコンテンツ情報をネットワーク経由で取得しようとしても、サーバ側の検証にパスしないため、かかる不正なコンテンツ情報の配信要求を拒否することができ、コンテンツ情報の不正取得を未然に回避することができる。
【0017】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態は、再生専用HDを用いたコンテンツ配信システムに本発明を適用したものである。かかる配信システムは、ディスク(HD)10と、これを再生するプレーヤ100と、プレーヤ100からの要求に応じてプレーヤ100にネットワーク(インターネット)経由でコンテンツ情報を配信するサーバ装置200とから構成される。
【0019】
なお、本実施の形態では、ユーザに提供されるコンテンツ情報として、ある試験の受験関連情報が想定されている。ディスク(HD)10には、当該試験の対策等に関するコンテンツ情報が、当該試験の過去および将来の試験問題およびその解答を取得するための制御プログラムとともに記憶されている。プレーヤ100において制御プログラムが実行されると、ネットワーク(インターネット)を介してサーバ装置200から過去および将来の試験問題およびその解答がプレーヤに配信され再生に供される。
【0020】
まず、図1に、ディスク10のエリアフォーマットを示す。
【0021】
ディスク10は、内周から順に、クランプ領域11、バーストカッティング領域(BCA)12、システムリードイン領域13、データリードイン領域14、データ領域15、データリードアウト領域16にエリア分割されている。
【0022】
BCA12には、HD規格に従う形態にて、所定の情報が記録されている。具体的には、平坦な記録層をディスク円周方向に沿って間欠的に消失させることにより、BCA_IDや、当該ディスクが準拠する規格書のブック番号等の情報が記録されている。また、BCA12には、ディスクの種類も記録されており、この情報をもとに、プレーヤ100において、ブック番号と合わせてディスクの種類が特定され得る。なお、記録層の消失は、高パワーレーザを用いて記録層を焼き切る方法等によって行われる。
【0023】
BCA12上にビームスポットを位置づけると、その反射光には、記録層の消失部分と非消失部分に応じて、明暗が生じる。この明暗の変化を復調することにより、BCA12に記録された情報が再生される。
【0024】
システムリードイン領域13には、記録層上に螺旋状にピット列を配列することにより、当該ディスクの物理パラメータ(ピットサイズ、トラックピッチ、等)に関する情報等が記録されている。データリードイン領域14にも、螺旋状にピット列が形成されており、このピット列によってコンテンツ保護情報が記録されている場合がある。データ領域15にも、螺旋状にピット列が形成されている。このピット列によって、上記コンテンツ情報(試験対策情報)と、当該試験の過去および将来の試験問題およびその解答を取得するための制御プログラムが記録されている。データリードアウト領域16には、データ領域15と同様、螺旋状にピット列が形成されている。尚、本実施の形態にて用いられるディスク10の物理パラメータは表1のとおりである。
【0025】
【表1】

【0026】
データ領域15に記録されている制御プログラムには、過去および将来の試験問題およびその解答の取得の際にサーバ装置に提示されるディスク情報が含まれている。このディスク情報は、自身の発行年度を特定する情報で、たとえば、ディスク名やディスクの発行年度等の情報とパスワード情報を含んでいる。同じ発行年度のディスク10には同じディスク情報が含まれている。
【0027】
さらに、制御プログラムには、図2に示すテーブル情報が含まれている。本実施の形態では、ディスク10が2008年度版であるとされている。すなわち、ディスク10は、2008年度に行われるある試験に対応するものであり、ディスク10の発売開始時には、2008年度の試験はまだ行われていない。
【0028】
図2を参照して、テーブル情報には、試験問題とその解答を提供するURL(アクセス情報)と、当該URLに対するアクセスの有効期間が、試験年度に関連付けて保持されている。当該ディスク10では、過去3年間(2005年度〜2007年度)と、将来3年間(2008年度〜2010年度)の試験問題とその解答をサーバ装置200から取得できるようになっている。
【0029】
アクセス有効期間は、開始の日時(Stime)と終了の日時(Etime)によって規定されている。つまり、このディスクを用いる場合、図2のテーブル情報に有効期間として規定された開始の日時(Stime)から終了の日時(Etime)までの間のみ、各年度の試験問題とその解答をサーバ装置200から取得できる。たとえば、2008年度の試験問題とその解答は、日時(S08)から日時(E08)の期間において、サーバ装置200から取得できる。ディスク10に格納された制御プログラムは、テーブル情報の有効期間と現在時刻とを比較し、現在時刻が有効期間に含まれる年度に対してのみ、その年度のURLへのアクセスを許容する。
【0030】
図3に、光ディスク装置100の構成を示す。図示の如く、光ディスク装置100は、ROM(Read Only Memory)101と、CPU(Central Processing Unit)102と、メモリ103と、光ディスクドライブ104と、通信装置105と、入力装置106と、出力装置107を備えている。
【0031】
ROM101には、光ディスク装置100の基本的な動作を制御するメインプログラムが格納されている。CPU102は、ROM101に格納されたメインプログラムに従って各部を制御し、たとえば、光ディスクドライブ104にディスク10の再生動作を行わせる。また、CPU102は、メモリ103にダウンロードされたアプリケーションプログラムに従って各部を制御し、たとえば、通信装置105にネットワーク上のサーバ装置へのアクセス動作を行わせる。なお、CPU102には、メインプログラムによって時計機能が付与される。時計機能における時刻は、たとえば、入力装置106を介してユーザによりセットされる。
【0032】
メモリ103には、光ディスク10や通信装置105を介して取得されたアプリケーションプログラムやコンテンツ情報等がダウンロードされる。光ディスクドライブ104は、ディスク10を再生するための構成を備え、CPU102からの指令に応じて、装着されたディスク10を再生し、再生した情報をメモリ103に格納する。通信装置105は、外部ネットワーク(インターネット)に接続するための構成を備え、CPU102からの指令に応じて、外部ネットワークに接続し、ネットワーク上にあるサーバ装置から所定の情報を取得してメモリ103に格納する。
【0033】
入力装置106は、入力キーを備えるとともに、リモートコントローラやマウス等の外部入力手段からの信号を受け取るためのインタフェースを備え、これらを介してユーザから入力された指令を、CPU102に出力する。出力装置107は、モニタやスピーカに信号を出力するためのインタフェースを備え、CPU102からの指示に応じて、アプリケーションプログラムやコンテンツ情報の再生結果をモニタやスピーカに出力する。
【0034】
図4は、上記ディスク10に格納された制御プログラムが光ディスク100によって実行された際にモニタ上に表示される画面の構成例を示す図である。
【0035】
制御プログラムが実行されると、図2に示すテーブル情報が参照され、当該テーブル情報に含まれる各年度のアイコンを含む画面が作成される。生成された画面は、モニタ上に表示される。このとき、図2に示す有効期間と現在時刻とが比較され、各アイコンに対応する年度の試験問題および解答をサーバ装置200から取得可能かが判定される。そして、現在時刻が有効期間に含まれる年度のアイコンが、他のアイコンと区別される状態(たとえば、影つきハイライト表示)で表示される。
【0036】
図4(a)は、2008年度の試験が未だ行われていないときの表示画面を示す図である。この場合、制御プログラムは、図2に示す有効期間と現在時刻とを比較し、2005年度〜2007年度の試験問題と解答がサーバ装置200から取得可能であると判定する。そして、これが分かるよう、画面上のアイコンA1〜A6のうち2005年度〜2007年度のアイコンA1〜A3を影つきハイライトで表示し、2008年度〜2010年度のアイコンA1〜A3は、影つきのない暗いアイコンで表示する。
【0037】
図4(b)は、2008年度の試験が終わり、現在時刻が図2に示す2008年度の有効期間内に入ったときの表示画面を示す図である。この場合、制御プログラムは、図2に示す有効期間と現在時刻とを比較して、2005年度〜2008年度の試験問題と解答がサーバ装置200から取得可能であると判定する。その結果、表示画面には、同図(a)の場合に比べ、影つきハイライトで表示されるアイコンとして2008年度のアイコンA4が追加される。これにより、ユーザは、2008年度の試験問題と解答もサーバ装置200から取得可能になったことを知ることができる。
【0038】
なお、図4(a)および(b)の画面において、制御プログラムは、どの年度の試験問題と解答を取得するかをユーザに選択させるためのメッセージを、メッセージ表示領域Mに表示させる。これに応じて、ユーザが、ハイライト表示されたアイコンを選択すると、制御プログラムは、その年度の試験問題と解答をサーバ装置200から取得すべく、選択されたアイコンのURLにアクセスを行う。これにより、その年度の試験問題と解答が、通信装置205を介してメモリ203にダウンロードされ、出力装置207を介して、適宜、モニタに表示される。
【0039】
一方、図4(c)に示すように、ハイライト表示されていないアイコンがユーザにより選択されると、制御プログラムは、図4(d)に示すように、選択されたアイコンのみをハイライト表示し、同時に、当該アイコンの年度の試験問題と解答が取得可能となる時期を図2のテーブル情報から取得してメッセージ領域Mに表示する。これにより、ユーザは、未だ公開されていない年度の試験問題と解答の取得可能時期を知ることができる。なお、同図(d)のメッセージ領域Mには、取得が可能になる時期に替えて、その年度の試験問題と解答を取得できる期間(開始時期と終了時期)を表示するようにしても良い。これにより、ユーザは、何時あるいはどの期間に、どの情報を取得できるかを知ることができる。
【0040】
図5に、サーバ装置200の構成を示す。図示の如く、サーバ装置200は、ROM201と、CPU202と、メモリ203と、ディスクドライブ204と、ファイル記憶装置205と、通信装置206と、入力装置207と、出力装置208を備えている。
【0041】
ROM201には、サーバ装置200の基本的な動作を制御するメインプログラムが格納されている。CPU202は、ROM201に格納されたメインプログラムおよびメモリ203に格納されたアプリケーションプログラムに従って各部を制御する。なお、メモリ203には、アプリケーションプログラムの一つとして、上記ディスク10に格納された制御プログラムと協働して試験問題とその解答を配信するための制御プログラムが格納される。この制御プログラムは、当該ファイルの実行時にファイル記憶装置205から読み出され、メモリ203に格納される。
【0042】
ディスクドライブ204は、所定のディスクを再生するための構成を備え、CPU202からの指令に応じて、装着されたディスクを再生し、再生した情報をメモリ203やファイル記憶装置205に出力する。ファイル記憶装置205は、ハードディスクドライブ等によって構成され、ハードディスク等の大容量記憶媒体に各種ファイル情報を格納する。通信装置206は、外部ネットワーク(インターネット)に接続するための構成を備え、CPU202からの指令に応じて、外部ネットワークに接続しネットワーク上に存在する装置との間で通信を行う。
【0043】
入力装置207は、入力キーを備えるとともに、マウスやキーボード等の外部入力手段からの信号を受け取るためのインタフェースを備える。出力装置107は、モニタやスピーカに信号を出力するためのインタフェースを備え、CPU102からの指示に応じて、所定の情報をモニタやスピーカに出力する。
【0044】
ファイル記憶装置205には、種々のファイルが格納され、その一つとして、上記試験問題およびその解答を配信するための制御プログラムとそれに用いるデータベースファイルからなるファイルが格納されている。図6は、試験問題およびその解答を配信するための制御プログラムによって用いられるデータベースの構成を示す図である。図示の如く、データベースは、URLと、ディスク情報と、有効期間と、コンテンツとが互いに関連付けられた構成となっている。
【0045】
URLは、各年度の試験問題とその解答の格納場所(ネットワーク上のアドレス)を特定するものであり、“/”以降の部分によって試験の年度が区別されるようになっている。すなわち、“/”以降の部分が“/2005”となっているURLは、2005年度の試験問題とその解答の格納場所(ネットワーク上のアドレス)を特定している。“/”より前の部分は、全てのURLに共通である。なお、図6に示すURLは、図2に示すURL、すなわち、ディスク10内の制御プログラムに含まれたURLと整合している。
【0046】
各URLには、対応する年度の試験問題とその解答のコンテンツが関連付けられている。すなわち、図6中の“CD05”、“CD06”および“CD07”は、それぞれ、2005年度、2006年度および2007年度の試験問題およびその解答のコンテンツである。なお、本実施の形態では、現在時刻が2008年度の試験が行われるよりも前の時点であると想定されている。このため、2008年度、2009年度および2010年度の試験問題とその解答は未公開状態であり、これら年度のコンテンツ“CD08”、“CD09”および“CD10”は、未だデータベースに含まれていない。これらのコンテンツについては、データベース上に格納場所(URL)のみが確保され、追って試験が行われた時点で、たとえばディスクドライブ204を介してコンテンツが取り込まれて、データベース上の対応する格納場所に格納される。
【0047】
さらに、各URLには、ディスク情報と有効期間とが関連付けられている。このうち、ディスク情報は、ディスク10の発行年度を特定するための情報である。すなわち、“DI2008”はディスクが2008年度版として発行されたことを特定する情報であり、“DI2009”はディスクが2009年度版として発行されたことを特定する情報である。同様に、“DIXXXX”は、ディスクがXXXX年度版として発行されたことを特定する情報である。ここで、それぞれのディスク情報は、各年度版のディスク10内に含まれた上述のディスク情報に一致している。すなわち、上記のとおり、ディスク10には、制御プログラム内に、自身が何年度版として発行されたかを特定するためのディスク情報(ディスク名やディスクの発行年度、パスワード等)が含まれている。図6のディスク情報は、対応する年度版のディスク10内に含まれた当該ディスク情報に一致している。
【0048】
また、図6に示す有効期間は、対応する年度のコンテンツ(試験問題とその解答)を光ディスク装置100側において取得できる期間を規定するものである。図示のとおり、有効期間は、ディスク情報毎に設定されている。これは、同じコンテンツを異なる発行年度のディスク10を用いて取得可能であるためである。
【0049】
すなわち、本実施の形態では、ある発行年度のディスク10が購入されると、その発行年度から過去3年分と将来3年分の試験における試験問題とその解答が、そのディスク10を用いてサーバ装置200から取得可能となっている。よって、たとえば、2006年度の試験問題とその解答は、2008年度版のディスク10の他、2009年度版のディスク10によっても、サーバ装置200から取得可能でなければならない。このため、図6のコンテンツ“CD6”(2006年度の試験問題と回答)には、2008年度版および2009年度版のディスク10のディスク情報“DI2008”および“DI2009”が関連付けられている。
【0050】
そして、図6の構成では、2008年度版のディスク10と2009年度版のディスク10とで、2006年度の試験問題と回答を取得できる期間を相違させるようにされている。このため、2008年度版と2009年度版のディスク10のディスク情報“DI2008”および“DI2009”にそれぞれ異なる有効期間が関連付けられている。すなわち、ディスク情報“DI2008”には有効期間“StimeS06(D08):EtimeE06(D08)”が関連付けられ、ディスク情報“DI2009”には有効期間“StimeS06(D09):EtimeE06(D09)”が関連付けられている。同様に、他の年度のコンテンツにも、ディスク情報毎に有効期間が関連付けられている。
【0051】
なお、各年度のコンテンツの取得可能期間をディスク10の発行年度に拘らず同じにする場合には、図6のようにディスク情報毎に有効期間を関連付ける必要はない。この場合、一つのコンテンツに対して一つの有効期間が設定される。
【0052】
図7は、コンテンツ(試験問題とその解答)を取得する際のフローチャートを示す図である。
【0053】
ディスク10が装着され、コンテンツを取得するための制御プログラムが実行されると、制御プログラムは、図2に示すテーブル情報を参照し、各年度の有効期間と現在時刻(たとえばCPU102にて計時されている時刻)とを比較する(S101)。そして、上記のように、現在時刻が有効期間に含まれる年度のアイコンを選択可能状態(影つきハイライト表示)に設定し(S102)、図4(a)に示すメニュー画面をモニタ上に表示させる(S103)。
【0054】
しかる後、選択可能状態にあるアイコンがユーザによって選択されると(S104:YES)、制御プログラムは、当該アイコンに対応する年度のURLを図2に示すテーブル情報から取得し、通信装置105を介して、ネットワーク経由でこのURLに向けてアクセス要求を行う。この際、選択されたアイコンに対応する年度のディスク情報を図2に示すテーブル情報から取得し、取得したディスク情報をあわせてURLに送信する(S105)。その後、制御プログラムは、当該URL(サーバ装置200)からの返信を待つ(S106)。
【0055】
一方、サーバ装置200側の制御プログラムは、S105にて送信されたアクセス要求を受信すると(S201:YES)、受信したディスク情報を図6に示すデータベースと照合し、データベース上のディスク情報の中に、受信したディスク情報に整合するものがあるかを判定する(S202)。そして、この判定がNOであれば、制御プログラムは、通信装置206を介して、コンテンツの配信を拒否する通知を光ディスク装置200に送信する(S205)。
【0056】
一方、S202の判定がYESであれば、制御プログラムは、受信したディスク情報に対応する有効期間をデータベースから取得し、現在時刻がこの有効期間内に含まれるかを判定する(S203)。そして、現在時刻が有効期間内に含まれなければ(S203:NO)、制御プログラムは、通信装置206を介して、コンテンツの配信を拒否する通知を光ディスク装置200に送信する(S205)。他方、現在時刻が有効期間内に含まれていれば(S203:YES)、制御プログラムは、受信したディスク情報に対応するコンテンツをデータベースから取得し、これを光ディスク装置200に送信する(S204)。
【0057】
サーバ装置200から光ディスク装置100に対して返信(配信拒否通知またはコンテンツの送信)がなされると(S205→S106:YES)、光ディスク装置100側の制御プログラムは、サーバ装置200から受信した返信が配信拒否通知またはコンテンツの送信の何れであるかを判定する(S107)。ここで、サーバ装置200からの返信が配信拒否通知であれば(S107:NO)、制御プログラムは、当該年度のコンテンツは取得不可であると判定し、これを通知するメッセージを図4のメッセージ領域Mに表示する(S110)。他方、サーバ装置200からの返信がコンテンツの送信であれば(S107:YES)、制御プログラムは、受信したコンテンツをメモリ103にダウンロードし(S108)、さらに、当該コンテンツを再生して、出力装置107を介してモニタに出力させる(S109)。これにより、対応する年度の試験の試験問題と解答がモニタ上に表示される。
【0058】
図8は、図4(a)の画面において所定のアイコンが選択されたときの処理フローチャートである。
【0059】
上記図7のS103にて図4(a)に示すメニュー画面が表示された後、影付き
ハイライト表示されたアイコンがユーザにより選択されると(S104:YES)、上記図7に示すS105以降の処理が実行される。他方、メニュー画面において、影付きハイライト表示がなされていないアイコンがユーザにより選択されると(S104:NO、S112:YES)、図4(d)に示す如く、メッセージ領域Mに、選択されたアイコンに対応する年度のコンテンツの取得可能時期が設定され(S113)、このメッセージを含むメニュー画面が表示される(S103)。その後、このアイコンの選択が解除され、何れのアイコンも選択されない状態になると(S104:NO、S112:NO)、メッセージ領域Mに図4(a)に示す通常のメッセージが設定され(S114)、このメッセージを含むメニュー画面が表示される(S103)。
【0060】
以上、本実施の形態によれば、ディスク10に格納された制御プログラムに、コンテンツの取得可能時期が含まれているため、かかる制御プログラムを光ディスク装置100において実行することにより、コンテンツの取得の可否や取得可能期間をユーザに知らせることができる。
【0061】
すなわち、上記実施の形態では、図4(a)に示す如くアイコンを影付きハイライトで表示することで、取得可能なコンテンツをユーザに知らせられ、また、図4(d)に示す如くメッセージ領域Mに取得可能時期を表示することで、未だ公開されていないコンテンツの取得可能時期がユーザに知らせられる。そして、その後、取得可能なコンテンツの取得指示がユーザにより入力されると、制御プログラムにおいて、対応するコンテンツをネットワーク経由で取得するための処理が行われ、ネットワーク上のサーバ装置200から光ディスク装置100に対し、対応するコンテンツ(試験問題とその解答)が配信され再生に供される。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、将来、確実に公開されるコンテンツを、ディスク10をもって、予約的かつ円滑にユーザに提供することができ、また、現時点におけるコンテンツの取得の可否やその提供時期をユーザに適正に知らせることができる。よって、本実施の形態によれば、ディスク10とサーバ装置200を用いた新規なコンテンツ配信ビジネスを構築することができる。なお、本実施の形態では、コンテンツの有効期間が決められているため、サーバ装置200側においては、有効期間を過ぎたコンテンツの配信を適宜停止することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、コンテンツの配信の適否がサーバ装置側においても判定されるため、コンテンツの不正取得を未然に防止することができる。特に、現在時刻がコンテンツの配信可能期間内にあるかを、光ディスク装置100側(ディスク10に格納された制御プログラム)のみならずサーバ装置200側(サーバ装置200側の制御プログラム)においても検証されるため、たとえば、光ディスク装置100内の時計を故意に進めて光ディスク装置100側の検証にパスさせて、先取り的にコンテンツをネットワーク経由で取得しようとしても、サーバ装置200側の検証にパスしないため、かかる不正なコンテンツ情報の配信要求が拒否され、コンテンツ情報の不正取得が未然に防止される。
【0064】
なお、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0065】
たとえば、上記実施の形態では、ディスク10側のディスク情報を、データ領域15に格納される制御プログラムに含めるようにしたが、このディスク情報を、システムリードイン領域13に格納し、制御プログラムにおいて適宜取得するようにしても良い。この場合、ディスク情報は、図9に示すシステムリードイン領域13のデータフォーマット上、物理パラメータ情報の空き容量に含めることができ、あるいは、リザーブ領域に含めても良い。なお、物理パラメータ情報は光ディスク装置100において必ず読み取られメモリ103に格納されるため、ディスク情報を物理パラメータ情報に含めておけば、別途特別に、リザーブ領域を読み取るルーチンを制御プログラムに含めずとも良く、制御プログラムによる処理の簡素化を図ることができる。
【0066】
また、上記実施の形態では、サーバ装置200から取得するコンテンツを試験問題とその解答としたが、これ以外のコンテンツをサーバ装置200から取得するようなビジネス形態であっても良い。また、上記実施の形態では、過去3年および将来3年の間に発行されるコンテンツをサーバ装置200から取得するようにしたが、過去と将来の年数はこれに限るものではなく、また、過去に発行されたコンテンツはディスク10に格納しておき、将来発行されるコンテンツのみをサーバ装置200から取得するようにしても良い。さらに、上記実施の形態では、図2に示す有効期間が固定されていたが、さらに、この有効期間を、サーバ装置200からの情報を持って適宜修正できるようにしても良い。
【0067】
この他、上記実施の形態では、ディスク10としてHDを用いたが、ブルーレイディスク等の他の媒体を用いても良く、また、ディスク10に複数層の記録層が含まれていても良い。要するに、ネットワークを介してコンテンツ情報を取得するための機能を有するディスクであれば良い。
【0068】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態に係る光ディスクのエリアフォーマットを示す図
【図2】実施の形態に係るテーブル情報の構成を示す図
【図3】実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示す図
【図4】実施の形態に係るメニュー画面の構成例を示す図
【図5】実施の形態に係るサーバ装置の構成を示す図
【図6】実施の形態に係るサーバ装置側のデータベースの構成を示す図
【図7】実施の形態に係るコンテンツ取得時の処理フローを示す図
【図8】実施の形態に係るメニュー画面操作時の処理フローを示す図
【図9】他の実施の形態に係るディスク情報の格納方法を説明する図
【符号の説明】
【0070】
10 ディスク
202 CPU
203 メモリ
205 ファイル記憶装置
206 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク管理情報を保持する管理領域と、
データを保持するデータ領域とを備え、
前記データ領域に、ネットワークを介してコンテンツ情報を取得するための制御プログラムが記録され、
前記制御プログラムは、
前記ネットワーク経由で前記コンテンツ情報を取得するためのアドレスと、
前記コンテンツ情報の取得可能期間を示す期間情報と、
現在時刻と前記取得可能期間とを比較して前記コンテンツ情報の取得可否を外部に提示する第1処理ステップとを含む、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1処理ステップは、前記コンテンツ情報の取得可能期間を外部に提示する処理を含む、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記制御プログラムは、
前記現在時刻が前記取得可能期間に含まれるコンテンツ情報を取得可能な状態に設定する第2処理ステップと、
前記取得可能な状態に設定されたコンテンツ情報について取得指示がなされたとき当該コンテンツ情報に対応する前記アドレスに前記ネットワークを介してアクセスする第3処理ステップとを含む、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項4】
請求項3において、
前記制御プログラムは、前記第3処理ステップにおいて、ディスクを特定するためのディスク情報を前記アドレスに送信する、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項5】
請求項4において、
前記ディスク情報は、前記制御プログラム内に含まれている、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項6】
請求項4において、
前記ディスク情報は、前記管理領域に保持されており、
前記制御プログラムは、前記第3処理ステップにおいて、前記管理領域から取得されたディスク情報を前記アドレスに送信する、
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項7】
ネットワークを介してコンテンツ情報を配信するサーバ装置において、
コンテンツ情報をファイル毎に区分して蓄積するデータベースと、
前記ネットワークを介して前記コンテンツ情報の配信要求があったとき前記データベースから前記配信要求に対応する前記ファイルのコンテンツ情報を読み出して配信する制御部とを備え、
前記データベースは、前記各ファイルに関連付けて、
ディスクを特定するためのディスク情報と、
配信要求がなされたときに配信が可能である期間を前記ディスク情報に対応付けて規定する配信期間情報とを格納し;
前記制御部は、
前記コンテンツ情報の配信要求時に前記ネットワークを介して受信した前記ディスク情報が前記データベース内に存在するかを判定する第1の処理と、
受信した前記ディスク情報が前記データベース内に存在するとき、受信した前記ディスク情報に対応する前記配信期間情報を参照し、受信した前記ディスク情報に対応するファイルのコンテンツ情報を、現在時刻において配信可能かを判定する第2の処理と、
受信した前記ディスク情報に対応するファイルのコンテンツ情報を現在時刻において配信可能である場合に、当該コンテンツ情報を配信要求元に配信する第3の処理とを実行する、
ことを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−193645(P2009−193645A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35358(P2008−35358)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】