説明

光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体

【課題】長時間の一時停止が発生した場合でも、再生に影響を及ぼさないことができる光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体を提供する。
【解決手段】光ディスク12の再生中にポーズされた場合、所定時間を超えてポーズが継続した場合は、そのポーズによって繰り返し走査されている区間をポーズ禁止領域としてRAM11aに登録して、光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外の領域で現在位置から最も近傍の位置に移動させてポーズを継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを再生可能な光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばBD−R(Blu-ray Disc Recordable)やBD−RE(Blu-ray Disc Rewritable)などのように記録可能とされる光ディスクが知られている。この種の光ディスクは、レーザービームの照射により光ディスクの情報記録面を局所的に加熱して所望の情報を記録する。
【0003】
そして、再生時においては、光量を小さくしてレーザービームを照射することにより、熱による情報記録面の変化を防止しつつ、情報記録面の局所的な変化による戻り光の光量変化を検出し、これにより光ディスクに記録されたデータを再生する。
【0004】
ところで光ディスクにおいては、再生時にレーザービームの光量を小さくしても、僅かながらではあるものの、温度上昇を避け得ない。これに対してホスト装置より一時停止命令が入力された場合、光ディスク装置では、トラックジャンプを繰り返して同一箇所を繰り返し走査することになる。そのため、一時停止が長時間放置されると、繰り返し再生する部位における蓄熱により、記録マークが劣化して、この部位の再生が正常に行えなくなってしまうという問題があった。
【0005】
上述した問題に対して、例えば、特許文献1に記載された光ディスク装置や特許文献2に記載された記録再生装置が提案されている。特許文献1に記載された光ディスク装置は、一時停止が所定時間経過した際には、所定領域における走査を中止している。特許文献2に記載された記録再生装置は、一時停止が行われる際は、非記録エリア、ROMゾーン、バッファゾーンのうち、一時停止が指定された位置から最も近い領域で一時停止の走査を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−342950号公報
【特許文献2】特開2002−334452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された光ディスク装置では、同じ位置で一時停止を何度も繰り返すと、結局記録マークの劣化は発生してしまうという問題がある。また、特許文献2に記載された記録再生装置は、一時停止の度に非記録エリア、ROMゾーン、バッファゾーンへのサーチが発生してしまい再生復帰に時間がかかるという問題がある。さらに、特許文献2に記載された記録再生装置は、非記録エリアで一時停止の走査を行った後、非記録エリアへの記録動作を行おうとすると、そのエリアにおける長時間の一時停止の影響で正確に記録できない可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、例えば、長時間の一時停止が発生した場合でも、再生に影響を及ぼさなくできる光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光ディスク装置は、情報が記録された光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだ前記情報を再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、前記光ディスク上の一時停止を禁止する領域である一時停止禁止領域の範囲を記憶する記憶手段と、前記再生手段に対して再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を前記一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記読み込み手段を前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置に移動させる一時停止制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の光ディスク再生方法は、情報が記録された光ディスクからデータを読み込み再生を行う光ディスク再生方法において、再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を記憶手段に記憶させるとともに、前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置で一時停止を継続させることを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の光ディスク再生プログラムは、情報が記録された光ディスクからデータを読み込む読み込み手段を備えた光ディスク装置のコンピュータを、前記読み込み手段が読み込んだ前記情報を再生する再生手段として機能させる光ディスク再生プログラムにおいて、前記光ディスク上の一時停止を禁止する領域である一時停止禁止領域の範囲を記憶する記憶手段と、前記再生手段に対して再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を前記一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記読み込み手段を前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置に移動させる一時停止制御手段と、として機能させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例にかかる光ディスク再生装置のブロック図である。
【図2】図1に示された光ディスク再生装置における一時停止動作のフローチャートである。
【図3】一時停止時における光ディスク内の走査区間の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置は、一時停止制御手段が、再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、記録マークが劣化したと判断した場合は、その一定区間を一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を記憶手段に記憶させるとともに、読み込み手段を一時停止禁止領域以外の領域の一時停止位置に近い位置に移動させるので、長時間一時停止が行われることにより記録マークが読み取れなくなる前に一時停止時に走査している区間を一時停止禁止領域に指定して、その後は一時停止禁止領域以外の領域で現在位置から最も近傍の位置に読み込み手段を移動させて一時停止を継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0014】
また、一時停止制御手段が、記録マークの劣化度合いを示す情報として一時停止の継続時間に基づいて、記録マークが劣化したと判断してもよい。このようにすることにより、光ディスクの記録マークは長時間レーザが照射されることで劣化するため、記録マークの劣化により読み取りが困難にならない程度の継続時間を予め設定し、その時間を計時することで容易に記録マークの劣化を検出することができる。
【0015】
また、一時停止制御手段が、記録マークの劣化度合いを示す情報として一定区間のエラー率に基づいて、記録マークが劣化したと判断してもよい。このようにすることにより、光ディスクの記録マークが劣化すると読み取った情報のエラー率も上昇するので、光ディスクから一時停止時に定期的に一定区間のデータを読み取って、情報を再生する際のエラー率を算出することで記録マークの劣化を検出することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク再生方法は、再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、記録マークが劣化したと判断した場合は、その一定区間を一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を記憶手段に記憶させるとともに、読み込み手段を一時停止禁止領域以外の領域の一時停止位置に近い位置に移動させるので、長時間一時停止が行われることにより記録マークが読み取れなくなる前に一時停止時に走査している区間を一時停止禁止領域に指定して、その後は一時停止禁止領域以外の領域で現在位置から最も近傍の位置に読み込み手段を移動させて一時停止を継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0017】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク再生プログラムは、一時停止制御手段が、再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、記録マークが劣化したと判断した場合は、その一定区間を一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を記憶手段に記憶させるとともに、読み込み手段を一時停止禁止領域以外の領域の一時停止位置に近い位置に移動させるので、長時間一時停止が行われることにより記録マークが読み取れなくなる前に一時停止時に走査している区間を一時停止禁止領域に指定して、その後は一時停止禁止領域以外の領域で現在位置から最も近傍の位置に読み込み手段を移動させて一時停止を継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0018】
また、上述した光ディスク再生プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、光ディスク再生プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例】
【0019】
本発明の一実施例にかかる光ディスク装置1を図1ないし図3を参照して説明する。光ディスク装置1は、図1に示すようにディスクモータ2と、光ピックアップ3と、キャリッジモータ4と、リードスクリュー5と、RFアンプ6と、サーボ信号処理部7と、ドライバ8と、音声/映像信号処理部9と、バッファ10と、マイクロコンピュータ11と、を備えている。
【0020】
ディスクモータ2は、光ディスク装置1にセットされた光ディスク12を回転させるためのモータであり、スピンドルモータなどで構成されている。
【0021】
読み込み手段としての光ピックアップ3は、光ディスク12に照射するレーザ光を発生させるレーザダイオードや、光ディスク12上にレーザダイオードからのレーザ光を集光するための対物レンズ、サーボ信号処理部7からの信号によりフォーカス方向やトラッキング方向に対物レンズを駆動するためのアクチュエータおよび光ディスク12から反射された反射光を受けるフォトダイオードや、レーザ光を対物レンズへ導いたり、反射光を受光器へ導く光学系などを備え、フォトダイオードの出力から光ディスク12に記録されている映像や音楽などのトラックデータを含むRF信号やフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号などを生成しRFアンプ6へ出力する。
【0022】
キャリッジモータ4は、後述するリードスクリュー5を通じて光ピックアップ3を光ディスク12の径方向に移動させるためのモータでありステッピングモータなどで構成されている。
【0023】
リードスクリュー5は、円柱状に形成されてその外周面にネジ溝とネジ山が形成され、光ディスク12の径方向と平行に設置されている。リードスクリュー5は、キャリッジモータ4の回転軸と機械的に接続されておりキャリッジモータ4の回転に合わせて回転する。リードスクリュー5のネジ溝やネジ山は光ピックアップ3に形成された図示しないネジ山やネジ溝と噛み合っており、リードスクリュー5が回転することで光ピックアップ3が光ディスク12の径方向に沿って移動する。
【0024】
RFアンプ6は、光ピックアップ3から入力される信号を所定の値に増幅し、サーボ信号処理部7へ出力する。
【0025】
サーボ信号処理部7は、RFアンプ6から入力されるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの制御信号を基に光ピックアップ3のアクチュエータを駆動させてフォーカスおよびトラッキングの制御などを行い光ディスク12に記録された情報を正確に読めるようにする。また、入力されたフォーカスエラー信号のレベルをマイクロコンピュータ11へ出力する。さらに、光ディスク12に記録された映像や音楽などを含むRF信号をアナログ/デジタル変換して音声/映像信号処理部9へ出力する。
【0026】
ドライバ8は、サーボ信号処理部7から入力された信号からディスクモータ2および光ピックアップ3のアクチュエータおよびキャリッジモータ4への駆動信号の生成をする。
【0027】
再生手段としての音声/映像信号処理部9は、サーボ信号処理部7から入力された信号にエラー訂正などを行った後復調やデコードを行いバッファ10へ出力する。そしてマイクロコンピュータ11からの要求に従ってバッファ10から読み出してホストコンピュータ20へ出力する。
【0028】
バッファ10は、振動などによって再生が途切れないように所定量一時的に音声/映像信号処理部9で再生された映像や音声などのデータを格納するためのメモリであり、半導体メモリで構成される。バッファ10には光ディスク12から通常の数倍速の再生速度で読み込んだデータを格納し、通常の再生速度で出力する。
【0029】
一時停止制御手段としてのマイクロコンピュータ11は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)11aと、図示しないROM(Read Only Memory)とを内蔵し、ホストコンピュータ20からの命令に基づいて光ディスク12の挿入や排出、再生や停止および一時停止などの各操作における光ディスク装置1全体の制御など行う。マイクロコンピュータ11は、本実施例においては、長時間一時停止(ポーズ)が行われた場合の制御も行う。
【0030】
本実施例ではポーズがホストコンピュータ20から命令された場合、所定時間以上ポーズを行ったときはポーズ時に走査している領域をポーズ禁止領域とし、そのポーズ禁止領域の範囲をRAM11aに記憶する。さらに、ドライバ8を介して光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外の領域に移動させてポーズを継続させる。詳細を図2のフローチャートを参照して説明する。図2に示したフローチャートはマイクロコンピュータ11で実行される。
【0031】
まず、ステップS1において、ポーズ命令がホストコンピュータ20から入力されたので、RAM11aに記憶されているポーズ禁止領域の範囲を読み込んでステップS2に進む。
【0032】
次に、ステップS2において、現在のポーズ位置はステップS1で読み込んだポーズ禁止領域の範囲か否かを判断し、ポーズ禁止領域の範囲である場合(Yesの場合)はステップS5に進み、ポーズ禁止領域の範囲で無い場合(Noの場合)はステップS3に進む。
【0033】
次に、ステップS3において、予め定めた所定時間が経過したか否かを判断し、経過した場合(Yesの場合)はステップS4に進み、経過していない場合(Noの場合)はステップS6に進む。この所定時間は、勿論ポーズの継続時間である。即ち、記録マークの劣化度合いを示す情報としてポーズの継続時間を用いている。所定時間は、少なくとも光ディスク12の記録マークの劣化するものの読み込みは行える時間以内に設定する。
【0034】
次に、ステップS4において、現在のポーズ位置で所定時間以上ポーズが継続したので、その位置(ポーズ時の走査範囲の先頭と終端)をポーズ禁止領域としてRAM11aに登録(記憶)してステップS5に進む。即ち、ポーズ中に走査している光ディスク12上の一定区間をポーズ禁止領域に指定してその範囲をRAM11aに記憶させている。ディスク12は、図3に示したようにトラックが螺旋状に設けられている。通常ポーズ中は、図3に示すように、例えばn本(nは1以上の自然数)トラックが進んだらトラックジャンプしてn本前に戻るような動作を繰り返している。図3の場合はS点からポーズされた場合E点まで進んだら1本トラックジャンプしてS点に戻っている。このS点からE点が走査範囲であり、例えば図3の状態で所定時間経過した場合であればS点のアドレスからE点のアドレスまでの範囲がポーズ禁止領域に指定される。
【0035】
次に、ステップS5において、光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外へ移動させてステップS3に戻る。この際、現在のポーズ位置から最も近いポーズ禁止領域以外の領域へ移動させる。現在のポーズ位置から最も近いポーズ禁止領域以外の領域への移動は、例えば、現在のポーズ位置のアドレスから、このアドレスが該当しているポーズ禁止領域の先頭と終端のアドレスを減算して少ない方に向かってトラックジャンプすればよい。
【0036】
ステップS6においては、ホストコンピュータ20からポーズ解除命令が入力されたか否かを判断し、ポーズ解除命令が入力された場合(Yesの場合)は処理を終了し、ポーズ解除命令が入力されない場合(Noの場合)はステップS3へ戻る。
【0037】
このように動作させることで、ポーズ禁止領域を登録し、再生復帰した後のポーズ動作時に参照することに限らず、ポーズ禁止領域を登録したポーズ中でも、ポーズ継続時間が延びれば延びるほどポーズ禁止領域が拡大登録され、光ピックアップ3が移動していく。
【0038】
本実施例によれば、光ディスク12の再生中にポーズされた場合、所定時間を超えてポーズが継続した場合は、そのポーズによって繰り返し走査されている区間をポーズ禁止領域としてRAM11aに登録して、光ピックアップ3現在位置から最も近傍のポーズ禁止領域以外の領域に移動させてポーズを継続するので、長時間ポーズが行われることにより記録マークが読み取れなくなる前にポーズ時に走査している区間をポーズ禁止領域に指定して、その後は光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外の領域で現在位置から最も近傍の位置に移動させてポーズを継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0039】
なお、上述した実施例では記録マークの劣化度合いを示す情報としてポーズの継続時間を用いていたが、ポーズ継続時間に代えて光ディスク12から読み取ったデータのエラー率を用いてもよい。一般的に記録マークが劣化するとエラー率も上昇するため、このエラー率が予め定めた所定値以上となった場合には一定区間をポーズ禁止領域とすればよい。なお、このエラー率は、音声/映像信号処理部9で行うエラー訂正により測定・取得することができ、例えば、ポーズ中に一定間隔でポーズ中に走査している一定区間のデータを読み込んでエラー率を測定・取得すればよい。
【0040】
また、上述した実施例ではポーズ禁止領域の範囲をRAM11aに登録していたが、不揮発性メモリを設けて、不揮発性メモリに、個々の光ディスク12を識別するための固有情報に関連付けてポーズ禁止領域を登録してもよい。このようにすることにより、光ディスク12を光ディスク装置1から取り出したり、光ディスク装置1の電源を切った後でも、その後ポーズ禁止領域を登録している光ディスク12を再生する場合は、その禁止領域に基づいた再生が行えるため、記録マークが劣化する可能性を更に低下させることができる。
【0041】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク装置1、光ディスク再生方法および光ディスク再生プログラムが得られる。
【0042】
(付記1)情報が記録された光ディスク12からデータを読み込む光ピックアップ3と、光ピックアップ3が読み込んだ情報を再生する音声/映像信号処理部9と、を備えた光ディスク装置1において、
光ディスク12上のポーズを禁止する領域であるポーズ禁止領域の範囲を記憶するRAM11aと、
音声/映像信号処理部9に対して再生のポーズ要求が行われた後に、当該ポーズ中に予め定めた所定時間経過した場合は、ポーズに走査している一定区間を一時停止禁止領域に指定し、RAM11aに記憶させるとともに、光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外の領域のポーズ位置に近い位置に移動させるマイクロコンピュータ11と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置1。
【0043】
この光ディスク装置1によれば、長時間ポーズが行われることにより記録マークが読み取れなくなる前にポーズ時に走査している区間をポーズ禁止領域に指定して、その後は当該ポーズ禁止領域近傍の領域でポーズを継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0044】
(付記2)情報が記録された光ディスク12からデータを読み込み再生を行う光ディスク 再生方法において、
再生のポーズ要求が行われた後に、当該ポーズ中に予め定めた所定時間経過した場合は、ポーズ時に走査している一定区間をポーズ禁止領域に指定し、RAM11aに記憶させるとともに、ポーズ禁止領域以外の領域のポーズ位置に近い位置でポーズを継続させることを特徴とする光ディスク再生方法。
【0045】
この光ディスク再生方法によれば、長時間ポーズが行われることにより記録マークが読み取れなくなる前にポーズ時に走査している区間をポーズ禁止領域に指定して、その後は当該ポーズ禁止領域近傍の領域でポーズを継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0046】
(付記3)情報が記録された光ディスク12からデータを読み込む光ピックアップ3を備えた光ディスク装置1のコンピュータを、光ピックアップ3が読み込んだ情報を再生する音声/映像信号処理部9として機能させる光ディスク再生プログラムにおいて、
光ディスク12上のポーズを禁止する領域であるポーズ禁止領域の範囲を記憶するRAM11aと、
音声/映像信号処理部9に対して再生のポーズ要求が行われた後に、当該ポーズ中に予め定めた所定時間経過した場合は、ポーズに走査している一定区間を一時停止禁止領域に指定し、RAM11aに記憶させるとともに、光ピックアップ3をポーズ禁止領域以外の領域のポーズ位置に近い位置に移動させるマイクロコンピュータ11と、
として機能させることを特徴とする光ディスク再生プログラム。
【0047】
この光ディスク再生プログラムによれば、長時間ポーズが行われることにより記録マークが読み取れなくなる前にポーズ時に走査している区間をポーズ禁止領域に指定して、その後は当該ポーズ禁止領域近傍の領域でポーズを継続するので、その後の再生に影響を及ぼさない。
【0048】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 光ディスク装置
3 光ピックアップ(読み込み手段)
9 音声/映像信号処理部(再生手段)
11 マイクロコンピュータ(一時停止制御手段)
11a RAM(記憶手段)
12 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が記録された光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだ前記情報を再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記光ディスク上の一時停止を禁止する領域である一時停止禁止領域の範囲を記憶する記憶手段と、
前記再生手段に対して再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を前記一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記読み込み手段を前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置に移動させる一時停止制御手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記一時停止制御手段が、前記記録マークの劣化度合いを示す情報として一時停止の継続時間に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記一時停止制御手段が、前記記録マークの劣化度合いを示す情報として前記一定区間のエラー率に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
情報が記録された光ディスクからデータを読み込み再生を行う光ディスク再生方法において、
再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を記憶手段に記憶させるとともに、前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置で一時停止を継続させることを特徴とする光ディスク再生方法。
【請求項5】
情報が記録された光ディスクからデータを読み込む読み込み手段を備えた光ディスク装置のコンピュータを、前記読み込み手段が読み込んだ前記情報を再生する再生手段として機能させる光ディスク再生プログラムにおいて、
前記光ディスク上の一時停止を禁止する領域である一時停止禁止領域の範囲を記憶する記憶手段と、
前記再生手段に対して再生の一時停止要求が行われた後に、当該一時停止中に走査している前記光ディスク上の一定区間の記録マークの劣化度合いを示す情報に基づいて、前記記録マークが劣化したと判断した場合は、前記一定区間を前記一時停止禁止領域に指定し、その一定区間の範囲を前記記憶手段に記憶させるとともに、前記読み込み手段を前記一時停止禁止領域以外の領域の前記一時停止位置に近い位置に移動させる一時停止制御手段と、
として機能させることを特徴とする光ディスク再生プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク再生プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−154743(P2011−154743A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13904(P2010−13904)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】