説明

光ピックアップ移動機構、光ピックアップモジュールおよび光ディスク装置

【課題】ステッピングモータのような発熱量が大きいモータを用いたフィードモータでも保護カバーやトレイカバーに開口を設けて露出させることで薄型化に対応できる光ピックアップ移動機構を提供することを目的とする。
【解決手段】光ディスクに対し情報の記録または再生を行う光ピックアップ8を光ディスクの半径方向に移動させる駆動力を発生するフィードモータ3と、前記フィードモータ3の周囲に配置された断熱性を有する保護部材4とを備えた光ピックアップ移動機構14とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーソナルコンピュータ、特にノートブック型コンピュータに搭載される光ディスク装置に使われる光ピックアップ移動機構、光ピックアップモジュールおよび光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型コンピュータに搭載される光ディスク装置はCD(コンパクトディスク)からDVD(デジタルバーサタイルディスク)へと進化し、さらにBD(ブルーレイディスク)やHD DVD(ハイデフィニションDVD)へと進化しつつある。これらの進化の流れの1つに高密度記録があり、光ディスクの円周方向に沿った情報の記録密度も半径方向に沿った情報の記録密度も格段に上がってきている。
【0003】
図13は保護カバーが取り付けられていない従来の光ピックアップモジュールの上面構成図である。光ディスクへの情報の記録や再生を行うには、光ディスクをスピンドルモータ102にて回転させながら光ピックアップ107を光ディスクの半径方向に移動させる必要がある。この移動に必要な駆動力を発生させるモータがフィードモータ103であり、上記の進化に伴い光ディスクの半径方向の移動の制御にもより精密さが求められ、当初DCモータが使われたが、より精密な制御が可能なステッピングモータが使われつつある。
【0004】
スピンドルモータ102およびフィードモータ103はベース101に固定される。スクリューシャフト104はフィードモータ103に直接接続されるか、または複数の歯車を介して接続される。スクリューシャフト104にはらせん状に溝が形成されている。請求項1のガイドシャフト105および請求項2のガイドシャフト106はそれぞれ支持部材を介してベース101に固定され、光ピックアップ107を移動自在に保持する。光ピックアップ107に固定されるラック108が有する歯がスクリューシャフト104の溝に噛み合うことで、フィードモータ103の回転駆動力が直線駆動力に変換される。これにより光ピックアップ107は光ディスクの半径方向に移動することができる。
【0005】
ステッピングモータはパルス列に応じて微小回転角での位置決め制御が可能で、かつ高速回転を行うことができ、フィードモータ103として適している一方発熱量が大きい。そのため(特許文献1)に示すように周囲の温度に応じてフィードモータ103の駆動量を変化させ、発熱量と駆動力のバランスをとってきた。
【0006】
図14は従来の光ピックアップモジュールを搭載した光ディスク装置の斜視構成図である。筐体111は上部筐体111aと下部筐体111bを組み合わせて構成されている。保護カバー110が取り付けられていない光ピックアップモジュール109は保護カバー110を取り付けられ、トレイ112に対してトレイ11の下面側から取り付けられてさらにその下面側から図示しないトレイカバー112aが取り付けられる。光ピックアップモジュール109を設けたトレイ112は筐体111に出没自在に設けられている。保護カバー110の開口からはスピンドルモータ102と光ピックアップ107の一部が露出している。フィードモータ103は保護カバー110に覆われており、露出することはない。ベゼル113はトレイ112の前端面に設けられて、トレイ112が筐体111内に収納された時にトレイ112の出没口を塞ぐように構成されている。筐体111内部やトレイ112内部には図示していない回路基板があり、信号処理系のICや電源回路などが搭載されている。図示していない外部コネクタ114はコンピュータなどの電子機器に設けられた電源/信号ラインと接続される。そして、外部コネクタ114を介して光ディスク装置115内に電力を供給したり、あるいは外部からの電気信号を光ディスク装置115内に導いたり、あるいは光ディスク装置115で生成された電気信号を電子機器などに送出する。
【特許文献1】特開2003−281840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ノートブック型コンピュータは小型、軽量、薄型化が進められてきている。そのためノートブック型コンピュータに搭載される光ディスク装置もまた小型、軽量、薄型化が進展してきた。薄型化を実現するために光ディスク装置の厚さを薄くするように各部品の厚さを薄くすることがなされてきた。しかしフィードモータは薄くすると光ピックアップを移動させる駆動力が十分得られなかった。そこで発熱が少ないDCモータのような場合には保護カバーやトレイカバーに開口を設けてフィードモータを露出させることで保護カバーやトレイカバーの厚さ分を節約して光ディスク装置の薄型化を図ることが行われてきた。しかしその場合、光ディスクの半径方向の移動の精密な制御には困難が伴った。一方、ステッピングモータのような発熱量が大きいフィードモータでは、光ディスクの半径方向の移動の精密な制御はしやすいものの、発生する熱が光ディスクやその他の部材へ影響を与えることも考えられた。そのため上記のような保護カバーやトレイカバーに開口を設けてフィードモータを露出させることができず、結果として薄型化を進めることができなかった。
【0008】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、ステッピングモータのような発熱量が大きいモータを用いたフィードモータでも保護カバーやトレイカバーに開口を設けて露出させることで薄型化に対応できる光ピックアップ移動機構、光ピックアップモジュールおよび光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップを移動させる駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータの周囲に配置された断熱性を有する保護部材とを備えた光ピックアップ移動機構とした。
【0010】
フィードモータの周囲に断熱性を有する保護部材を設けたためフィードモータの内部で発生した熱は保護部材の表面にまで伝わりにくい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の光ピックアップ移動機構はフィードモータの内部で発生した熱が保護部材の表面にまで熱が伝わりにくい。そのため光ピックアップモジュールの保護カバーやトレイカバーに開口を設けてフィードモータを露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の請求項1の発明は、光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップを移動させる駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータの周囲に配置された断熱性を有する保護部材とを備えた光ピックアップ移動機構である。
【0013】
フィードモータの内部で発生した熱がフィードモータの周囲に配置された保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、保護カバーに開口を設けてフィードモータを露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において前記保護部材は光ディスクと前記フィードモータとの間に配置された光ピックアップ移動機構である。
【0015】
フィードモータの内部で発生した熱が光ディスクと前記フィードモータとの間に設けられた保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、保護カバーに開口を設けてフィードモータを露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1の発明において前記保護部材は光ディスク装置の筐体を構成する下部筐体と前記フィードモータとの間に配置された光ピックアップ移動機構である。
【0017】
フィードモータの内部で発生した熱が光ディスク装置の筐体を構成する下部筐体と前記フィードモータとの間に配置された保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、トレイカバーに開口を設けてフィードモータを露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料の熱伝導率は2W・m-1・K-1以下である光ピックアップ移動機構である。
【0019】
熱伝導率が低いので断熱性を有する保護部材の表面まで熱が伝わりにくい。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は高分子化合物である光ピックアップ移動機構である。
【0021】
高分子化合物は一般に熱伝導率が低く安価に入手できるものが多い。よって製造コストを低くできる。
【0022】
請求項6の発明は、請求項5の発明において前記高分子化合物はゴムである光ピックアップ移動機構である。
【0023】
ゴムはやわらかく仮に人が触れても感触が良い。
【0024】
請求項7の発明は、請求項5の発明において前記高分子化合物は繊維である光ピックアップ移動機構である。
【0025】
繊維と繊維の間により熱伝導率が低い空気を保持することができるため、熱伝導率を低くすることができると同時に仮に人が触れても感触が良い。
【0026】
請求項8の発明は、請求項5の発明において前記高分子化合物は樹脂である光ピックアップ移動機構である。
【0027】
樹脂をフィードモータの外装ケースに薄く塗布することにより外装ケースの錆防止にすることができる。また、色素を添加して色を付けることで見栄えを良くすることができる。
【0028】
請求項9の発明は、請求項8の発明において前記樹脂は接着剤である光ピックアップ移動機構である。
【0029】
別の部材を請求項9の発明の接着剤でフィードモータと固定することができるとともに、断熱することができる。
【0030】
請求項10の発明は、請求項8の発明において前記樹脂は粘着剤である光ピックアップ移動機構である。
【0031】
別の部材を請求項10の発明の粘着剤でフィードモータと固定することができるとともに、断熱することができる。さらにその別の部材の裏面に粘着剤をあらかじめ設けておき、それをフィードモータに貼りつけるという工程にすることができるため製造工程を簡単にすることもできる。
【0032】
請求項11の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料はセラミックスである光ピックアップ移動機構である。
【0033】
セラミックスは断熱性を有する上に硬いため、セラミックスを断熱性を有する保護部材の役割を持つスペーサとして、フィードモータと別の部材の間に配置することができる。
【0034】
請求項12の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は紙である光ピックアップ移動機構である。
【0035】
紙自体が安価であるために安価に製造することができる。また、他の材料を混ぜ込みやすいので容易に他の機能を付加しやすい。
【0036】
請求項13の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は不織布または織布の少なくとも一方である光ピックアップ移動機構である。
【0037】
やわらかいために仮に人が触れても感触が良い。また空気を保持しやすいため熱伝導率を低くできる。
【0038】
請求項14の発明は、請求項1の発明において前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は空気である光ピックアップ移動機構である。
【0039】
空気は熱伝導率が非常に低い。そのため断熱性を有する材料として非常に良好な性能を有する。
【0040】
請求項15の発明は、請求項1の発明において前記保護部材の前記フィードモータと反対側に外装部材を備えた光ピックアップ移動機構である。
【0041】
保護部材のフィードモータと反対側に外装部材を備えるため見栄えを良くすることができる。
【0042】
請求項16の発明は、光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生を行う光ピックアップと、請求項1の発明の光ピックアップ移動機構と、開口を有し前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させる保護カバーと、を備えた光ピックアップモジュールである。
【0043】
フィードモータの周囲に設けられた断熱性を有する保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、保護カバーに開口を設けて光ピックアップ移動機構を露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。またステッピングモータをフィードモータとして用いた場合には光ディスクの半径方向の光ピックアップの移動精度を良くすることができる。
【0044】
請求項17の発明は、請求項16の発明において前記フィードモータの表面と前記保護カバーの表面との間に渡設した伝熱性を有する伝熱性部材と、前記伝熱性部材の表面を覆う前記保護部材とを備えた光ピックアップモジュールである。
【0045】
フィードモータで発生した熱は伝熱性部材を通して保護カバーに逃げることができる。その上で伝熱性部材の表面を覆う保護部材を設けるため、保護部材の表面に伝わる熱は非常に小さくなる。
【0046】
請求項18の発明は、請求項17の発明において前記伝熱性部材はグラファイトシートである光ピックアップモジュールである。
【0047】
グラファイトシートはシートの面内方向の熱伝導率が非常に高くフィードモータで発生した熱を非常に効率良く保護カバーに逃がすことができる。
【0048】
請求項19の発明は、請求項17の発明の光ピックアップモジュールを備えた光ディスク装置である。
【0049】
薄型にすることができ、しかもスピンドルモータをフィードモータとして用いた場合には光ディスクの半径方向の光ピックアップの移動精度を良くすることができる。
【0050】
請求項20の発明は、光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生を行う光ピックアップと、請求項1の発明の光ピックアップ移動機構と、開口を有し前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部とを露出させる保護カバーとを備えた光ピックアップモジュールと、前記光ピックアップモジュールを下側に固定するトレイと、前記光ピックアップモジュールのさらに下側から前記トレイに固定され開口から前記光ピックアップ移動機構を露出させたトレイカバーと、前記トレイを出没自在に設け上部筐体と下部筐体を備えた筐体とを備えた光ディスク装置。
【0051】
フィードモータの周囲のうち光ディスク装置の筐体を構成する下部筐体と前記フィードモータとの間に配置された断熱性を有する保護部材の表面まで熱が伝わりにくいので、トレイカバーに開口を設けて光ピックアップ移動機構を露出させることができる。そのため光ディスク装置を薄型にすることができる。またスピンドルモータをフィードモータとして用いた場合には光ディスクの半径方向の光ピックアップの移動精度を良くすることができる。
【0052】
請求項21の発明は、請求項20の発明において前記フィードモータの表面と前記トレイカバーの表面との間に渡設した伝熱性を有する伝熱性部材と、前記伝熱性部材の表面を覆う前記保護部材とを備えた光ディスク装置である。
【0053】
フィードモータで発生した熱は伝熱性部材を通してトレイカバーに逃げることができる。その上で伝熱性部材の表面を覆う保護部材を設けるため、保護部材の表面に伝わる熱は非常に小さくなる。
【0054】
請求項22の発明は、請求項21の発明において前記伝熱性部材はグラファイトシートである光ディスク装置である。
【0055】
グラファイトシートはシートの面内方向の熱伝導率が非常に高くフィードモータで発生した熱を非常に効率良くトレイカバーに逃がすことができる。
【0056】
請求項23の発明は、ベースと、前記ベースに固定され光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、前記ベースに固定され前記光ピックアップを移動させるフィードモータと前記フィードモータの前記光ディスクに対向する面とその反対側の面に接着剤で固定された断熱性を有する保護部材とを備えた光ピックアップ移動機構と、前記フィードモータに直接接続されらせん状に溝が形成されたスクリューシャフトと、前記ベースに支持部材を介して固定され前記光ピックアップを移動自在に保持する請求項1のガイドシャフトおよび請求項2のガイドシャフトと、前記光ピックアップに固定され歯が前記スクリューシャフトの溝に噛み合うラックと、ベースに固定され前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させる開口を有する保護カバーと、を備えた光ピックアップモジュールである。
【0057】
フィードモータの光ディスクに対向する面とその反対側の面に接着剤で固定された断熱性を有する保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、保護カバーおよびトレイカバーに開口を設けて光ピックアップ移動機構を露出させることができる。そのため光ディスク装置の薄型化に対応することができる。またステッピングモータをフィードモータとして用いた場合には光ディスクの半径方向の光ピックアップの移動精度を良くすることができる。
【0058】
請求項24の発明は、開口を有するトレイと、開口を有するトレイカバーと、前記トレイと前記トレイカバーの間に固定され前記トレイの開口から前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させ前記トレイカバーの開口から前記光ピックアップ移動機構を露出させる請求項23の発明の光ピックアップモジュールと、前記トレイを出没自在に設け上部筐体と下部筐体を備えた筐体と、前記トレイの前端面に設けられ前記トレイの出没口を塞ぐベゼルと、前記筐体に設けられた外部コネクタとを備えた光ディスク装置である。
【0059】
フィードモータの光ディスクに対向する面とその反対側の面に接着剤で固定された断熱性を有する保護部材の表面にまで熱が伝わりにくいので、保護カバーおよびトレイカバーに開口を設けて光ピックアップ移動機構を露出させることができる。そのため光ディスク装置を薄型にすることができる。またスピンドルモータをフィードモータとして用いた場合には光ディスクの半径方向の光ピックアップの移動精度を良くすることができる。
【0060】
(実施の形態1)
実施の形態1について図を参照しながら説明する。図1は実施の形態1の保護カバーが取り付けられていない光ピックアップモジュールの上面構成図、図2は実施の形態1の光ピックアップモジュールの斜視構成図、図3(a)は実施の形態1に用いたステッピングモータの断面構成図、図3(b)はコアの展開図、図3(c)は外観構成図、図4は実施の形態1の光ピックアップモジュールを搭載した光ディスク装置の斜視構成図である。
【0061】
本実施の形態1では光ピックアップ移動機構14は、フィードモータ3と、光ディスクとフィードモータ3との間に断熱性を有する保護部材4を備えた構成とした。ベース1は光ピックアップモジュール13の骨格を成す部材であり、このベース1に直接または他の部材を介して部品が設けられる。スピンドルモータ2はターンテーブルに光ディスクを載置して回転駆動する。スピンドルモータ2はベース1に固定される。フィードモータ3は光ディスクに対する情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップ8を光ディスクの半径方向に移動させるためにスクリューシャフト5を回転駆動する。フィードモータ3は本実施の形態1では発熱量の大きいステッピングモータとした。フィードモータ3もベース1に固定される。
【0062】
本実施の形態1で用いられるフィードモータ3としてのステッピングモータは以下の構成である。ステータはコイル3aが巻かれたボビン3bが2つと、リング円板の内周より直角に切り起こされたくし歯状の磁極を持つ同形状の4枚のコアからなり、ボビン3bはそれぞれ2枚のコアおよび外装ケース3fにより挟持されている。ロータはスクリューシャフト5、およびスクリューシャフト5の周囲に配置され、あらかじめN−S極が正弦波状に分布し着磁されたマグネット3dで構成される。スクリューシャフト5は軸受け3eで回転自在に支持されている。外装キャップ3gは外装ケース3fの開口を封止する。入力パルスに応じ、コイル3aの励磁方向を切り替えることによりコア3cの各くし歯状の磁極の磁化の方向が変化し、着磁されたマグネット3dに加わる力が変化することによりロータが回転する。このように本実施の形態1で用いたステッピングモータは入力パルスに応じて微小回転角での位置決め制御が可能で、かつ高速回転を行うことができる。そのためフィードモータ3として適している。しかし消費電力が大きく、モータの発熱量が大きい。
【0063】
スクリューシャフト5はフィードモータ3に直接接続されるか、または複数の歯車を介して接続される。本実施の形態1においてスクリューシャフト5はフィードモータ3に直接接続されるようにした。このことにより、歯車のたたき音がなくなり、音がより静かになる。スクリューシャフト5にはらせん状に溝が形成されている。請求項1のガイドシャフト6および請求項2のガイドシャフト7はそれぞれ支持部材10を介してベース1に固定され、光ピックアップ8を移動自在に保持する。光ピックアップ8に固定されたラック9が有する歯がスクリューシャフト5の溝に噛み合うことで、フィードモータ3の回転駆動力が直線駆動力に変換される。これにより光ピックアップ8は光ディスクの半径方向に移動することができる。
【0064】
光ピックアップ8が所定の性能で光ディスクに対する情報の記録または再生の少なくとも一方を行うためには光ピックアップ8から出射されるレーザ光の軸が光ディスクに対して正確に直角となることが必要である。そのために支持部材10の調整機構を用いて光ピックアップ8の光ディスクに対する傾きを調整する。
【0065】
保護カバー12が取り付けられていない光ピックアップモジュール11は保護カバー12が取り付けられて光ピックアップモジュール13として完成する。保護カバー12は開口を有しており、スピンドルモータ2と光ピックアップ8の一部を露出させる。また、光ピックアップモジュール13の厚さをより薄くするために保護カバー12にさらに開口を設けて光ピックアップ移動機構14をも露出させる。
【0066】
また、光ディスク装置55の構成は次の通りとなる。光ピックアップモジュール13はトレイ52の下面側からトレイ52に取り付けられる。さらにその下面側から図示しないトレイカバー52aが取り付けられる。筐体51は上部筐体51aと下部筐体51bを組み合わせて構成されている。光ピックアップモジュール13を設けたトレイ52は筐体51に出没自在に設けられている。ベゼル53はトレイ52の前端面に設けられて、トレイ52が筐体51内に収納された時にトレイ52の出没口を塞ぐように構成されている。筐体51内部やトレイ52内部には図示していない回路基板があり、信号処理系のICや電源回路などが搭載されている。図示していない外部コネクタ54はコンピュータなどの電子機器に設けられた電源/信号ラインと接続される。そして、外部コネクタ54を介して光ディスク装置55内に電力を供給したり、あるいは外部からの電気信号を光ディスク装置55内に導いたり、あるいは光ディスク装置55で生成された電気信号を電子機器などに送出する。
【0067】
トレイ52には開口が設けられており、光ピックアップモジュール13が露出している。スピンドルモータ2、光ピックアップ8の一部、およびフィードモータ3と保護部材4とを備えた光ピックアップ移動機構14が保護カバー12の開口から露出している。その結果、トレイ52が筐体51から引き出されると、スピンドルモータ2、光ピックアップ8の一部、および光ピックアップ移動機構14がこのトレイ52の開口から外部に露出する。
【0068】
ここでトレイ52が筐体51から引き出され光ピックアップ移動機構14が露出する際に実質的に外部に露出するのは保護部材4である。ステッピングモータであるフィードモータ3が直接露出する場合に比べ、保護部材4が露出した場合フィードモータ3が発生させた熱が露出した保護部材4の表面にまで伝わる熱量は大幅に低減される。そのため保護カバー12に開口を設け、保護部材4を介してフィードモータ3を露出させても何ら不都合は発生しない。
【0069】
保護部材4を構成する断熱性を有する材料の熱伝導率は2W・m-1・K-1以下であることが望ましい。熱伝導率が2W・m-1・K-1以下であれば、十分な断熱効果が得られるため保護部材4の表面まで熱が伝わりにくい。また、大半のいわゆる断熱性を有する材料を用いることができ、設計の自由度が広がる。熱伝導率が1W・m-1・K-1以下であれば、若干材料選択の幅が狭まるが断熱性の効果はより高まる。また0.1W・m-1・K-1以下であれば気体が材料の多くを占めるが、断熱性の効果は抜群である。一方、10W・m-1・K-1以下であれば、若干断熱性の効果が劣るものも含まれてしまうが、ほぼ全ての断熱性を有する材料を網羅することができる。
【0070】
断熱性を有する材料はゴム、繊維、樹脂などの高分子化合物、セラミックス、紙、不織布や織布、空気などがある。ゴムは熱伝導率が0.04〜0.2W・m-1・K-1程度であり、またやわらかいため仮に人が触れても感触が良い。高分子化合物の繊維はポリアミド(ナイロン)系、ポリビニル系、ポリエステル系、アクリル系などがある。例えばナイロンの熱伝導率は0.27W・m-1・K-1程度である。さらにこの繊維を不織布、織布に加工することにより、空気を保持することができ、さらに熱伝導率を低くすることができると同時に仮に人が触れても感触が良い。樹脂は一般の接着剤、粘着剤、塗料などを含む熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂である。熱伝導率は0.1〜1W・m-1・K-1程度のものが多い。色素を混ぜることで着色することができ、そのため見栄えを良くすることが可能である。
【0071】
セラミックスとしては一般の陶磁器、セメント、ガラスなどやいわゆるニューセラミックスを指す。セラミックスの熱伝導率は0.5〜2W・m-1・K-1程度のものが多く、他の材料よりやや大きいものの、硬いためスペーサとしても用いることができる。紙は一般の紙であり、熱伝導率は0.05〜0.1W・m-1・K-1程度である。高分子化合物、セラミックス、紙などの材料は耐熱繊維といった繊維、あるいは微粒子などを混ぜ込み、さらに異なった性質を持たせることができる。
【0072】
不織布はさまざまな素材の繊維同士をさまざまな方法で結合させたシートで、緻密なものから空隙の多いものまで自在に作ることができる。不織布は繊維間の隙間には空気を保持することができるため熱伝導率を低くすることができる。織布はさまざまな素材の繊維同士を織って結合させた一般の布でこれも不織布と同様空気を保持することができ熱伝導率を低くすることができる。空気は0℃の熱伝導率が0.024W・m-1・K-1、100℃の熱伝導率が0.032W・m-1・K-1であり、熱伝導率は非常に低い。そのため空気の層は非常に良好な断熱性を有する材料といえる。また、表面をいわゆる起毛状態にするとさらに効果があがる。起毛状態にすることで空気をより含みやすくなるとともに、光ディスクの回転による風の効果によって熱が伝わり温度が上がった空気を逃がしやすくなるためである。
【0073】
本実施の形態1の光ピックアップ移動機構14の構成について説明する。図5は実施の形態1の光ピックアップ移動機構の断面構成図で、フィードモータ3の内部構造は記載していない。図5(a)は最も単純な例で、断熱性を有する保護部材4はフィードモータ3の光ディスク側の面に唯1層設けただけの構成である。保護部材4としてはフィードモータ3にしっかりと固定されるために樹脂が適している。樹脂は一般の接着剤やレジストなどのように塗布して硬化できるような樹脂で構わない。保護カバー12はベース1に取り付けられている。フィードモータ3は保護カバー12の開口内にあり、フィードモータ3の光ディスク側の表面の高さは保護カバー12の表面の高さとほぼ同じである。保護部材4の厚さは10μm程度あれば、効果が見られる。保護カバー12の厚さは一般的に約0.2mm程度以上であり、その保護カバー12と保護部材4の厚さの差の分だけ光ピックアップモジュール13を薄くすることができる。
【0074】
なお、ステッピングモータを用いたフィードモータ3の外装ケース3fは磁気回路を形成し、安価に製造するため鉄でできている場合がある。その場合保護部材4で外装ケース3fの表面を覆うことで外装ケース3fの錆の発生を防止することができる。また、樹脂には色素を包含させることで着色することができる。そのためトレイ52を筐体51から引き出した際の見栄え品質を上げることも可能である。
【0075】
図5(b)の保護部材4はシート23と接着剤22を備えている。シート23は接着剤22にてフィードモータ3に固定される。シート23はゴム、繊維、樹脂などの高分子化合物、セラミックス、紙、不織布や織布などを備えて構成され断熱性を有する。またシート23はこれら断熱性を有する材料に耐熱繊維といった繊維、あるいは微粒子などを混ぜ込んだ構成とし、さらに異なった性質を持たせても良い。接着剤22は一般的な接着剤の他に粘着剤としても良い。光ピックアップ移動機構14の作製方法は接着剤22をシート23とフィードモータ3の少なくとも一方に塗布し、シート23をフィードモータ3に貼り付ける作製方法、粘着剤を用いた接着剤22をシート23に貼り付けたものをあらかじめ作製しておき、それをフィードモータ3に貼り付ける作製方法、粘着剤を用いた接着剤22をフィードモータ3に貼り、その上にシート23を貼る作製方法などがある。
【0076】
なお接着剤22は例えば接着樹脂などの断熱性を有する材料を用いても良い。その場合、保護部材4を構成する接着剤22もシート23も断熱性を有するため、保護部材4の持つ断熱の効果はより大きくなる。
【0077】
図5(c)、図5(d)は図5(b)の変形例であり、シート23をいずれも保護カバー12にまで延長して接着剤22で固定したものである。保護カバー12の開口ごとフィードモータ3を覆ってしまうことができる。図5(c)は接着剤22をフィードモータ3および保護カバー12に塗布して、シート23を接着した場合や、粘着剤を用いた接着剤22をフィードモータ3および保護カバー12に貼り、シート23を貼り付けた場合である。また図5(d)は粘着剤を用いた接着剤22をシート23に貼り付けたものをあらかじめ作製しておき、それをフィードモータ3および保護カバー12に貼り付けた場合や、接着剤22をシート23に塗布し、それをフィードモータ3および保護カバー12に接着した場合である。
【0078】
図6は実施の形態1の光ピックアップ移動機構の上面構成図である。実施の形態1において保護部材4は図6(a)に示すようにフィードモータ3の表面全面を覆うように設けたり、図6(b)に示すようにフィードモータ3を含む保護カバー12の開口全面を覆うように設ける。しかし、フィードモータ3の表面の温度や使用状況に応じて、例えば図6(c)〜(f)に示すように全面を覆わないように保護部材4を設けても良い。図6(c)は保護部材4がフィードモータ3の一部を覆った場合、図6(d)はフィードモータ3の少なくとも一部と保護カバー12の開口の少なくとも一部を覆った場合である。また、図6(e)は複数の保護部材4を用いてフィードモータの一部を覆った場合、図6(f)は複数の保護部材4を用いてフィードモータの少なくとも一部と保護カバー12の開口の少なくとも一部を覆った場合である。
【0079】
なおこの保護部材4のフィードモータ3と保護カバー12の覆い方は実施の形態2で説明するフィードモータ3とトレイカバー52aの覆い方に対して保護カバー12をトレイカバー52aと読み替えるだけでそのまま適用できる。また、実施の形態3以降についても一般性を失わない。
【0080】
また本実施の形態1においてフィードモータ3は発熱量が大きいとしてステッピングモータとしたが、それに限るものではない。使用状況、使用環境により発熱が問題となる場合にはDCモータなどを含むすべてのフィードモータ3に適用することができる。実施の形態2以降についても適用する。
【0081】
以上のように本実施の形態1のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ピックアップモジュール13及びその光ピックアップモジュール13を搭載した光ディスク装置55に対応できる。
【0082】
(実施の形態2)
実施の形態2について図を参照しながら説明する。実施の形態2は断熱性を有する保護部材4が光ディスク装置55の筐体51を構成する下部筐体51bとフィードモータ3との間に設けられた形態である。図7は実施の形態2のトレイを下面側から見た構成斜視図である。光ピックアップモジュール13はトレイ52の下面側からトレイ52に固定され、さらにその下面側からトレイカバー52aが固定される。光ピックアップモジュール13とトレイカバー52aとはネジなどで同時にトレイ52に固定されても良い。また外部からの振動などの影響を防ぐため緩衝材などを介して固定されても良い。
【0083】
トレイカバー52aは開口を有し、光ピックアップモジュール13のうちスピンドルモータ2および光ピックアップ移動機構14が露出している。実施の形態2において断熱性を有する保護部材4はこのトレイカバー52aから露出する。すなわちトレイ52が筐体51から引き出された場合、光ピックアップ移動機構14はトレイカバー52aの下面側から外部に露出する。その他のフィードモータ3としてのステッピングモータ、光ピックアップモジュール13、光ディスク装置55の構成は実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。
【0084】
図8は実施の形態2の光ピックアップ移動機構の断面構成図であり、図5の保護カバー12をトレイカバー52aと読み替えるとほぼ対応できる。すなわち図8(a)は図5(a)、図8(b)は図5(b)と、図8(c)は図5(c)と、図8(d)は図5(d)と対応される。図8(a)は最も単純な例で、断熱性を有する保護部材4はフィードモータ3の下部筐体51b側の面に唯1層設けただけの構成である。保護部材4としてはフィードモータ3にしっかりと固定されるために樹脂が適している。樹脂は一般の接着剤やレジストなどのように塗布して硬化できるような樹脂で構わない。フィードモータ3はトレイカバー52aの開口内にあり、フィードモータ3の下部筐体51b側の表面の高さはトレイカバー52aの表面の高さとほぼ同じである。トレイカバー52aの厚さは一般的に約0.2mm程度以上であり、そのトレイカバー52aと保護部材4の厚さの差の分だけ光ディスク装置55を薄くすることができる。
【0085】
なお、樹脂には色素を包含させることで着色することができる。そのためトレイ52を筐体51から引き出した際の見栄え品質を上げることも可能であるが、露出されるのはトレイ52の下面側で外から見えにくいため、その効果は実施の形態1ほど大きくはない。
【0086】
図8(b)の保護部材4はシート23と接着剤22を備えている。シート23は接着剤22にてフィードモータ3に固定される。シート23はゴム、繊維、樹脂などの高分子化合物、セラミックス、紙、不織布や織布などを備えて構成され断熱性を有する。またシート23はこれら断熱性を有する材料に耐熱繊維といった繊維、あるいは微粒子などを混ぜ込んだ構成とし、さらに異なった性質を持たせても良い。接着剤22は一般的な接着剤の他に粘着剤としても良い。光ピックアップ移動機構14の作製方法は接着剤22をシート23とフィードモータ3の少なくとも一方に塗布し、シート23をフィードモータ3に貼り付ける作製方法、粘着剤を用いた接着剤22をシート23に貼り付けたものをあらかじめ作製しておき、それをフィードモータ3に貼り付ける作製方法、粘着剤を用いた接着剤22をフィードモータ3に貼り、その上にシート23を貼る作製方法などがある。
【0087】
なお接着剤22は例えば接着樹脂などの断熱性を有する材料を用いても良い。その場合、保護部材4を構成する接着剤22もシート23も断熱性を有するため、保護部材4の持つ断熱の効果はより大きくなる。
【0088】
図8(c)、図8(d)は図8(b)の変形例であり、シート23をいずれもトレイカバー52aにまで延長して接着剤22で固定したものである。トレイカバー52aの開口ごとフィードモータ3を覆ってしまうことができる。図8(c)は接着剤22をフィードモータ3およびトレイカバー52aに塗布して、シート23を接着した場合や、粘着剤を用いた接着剤22をフィードモータ3およびトレイカバー52aに貼り、シート23を貼り付けた場合である。また図8(d)は粘着剤を用いた接着剤22をシート23に貼り付けたものをあらかじめ作製しておき、それをフィードモータ3およびトレイカバー52aに貼り付けた場合や、接着剤22をシート23に塗布し、それをフィードモータ3およびトレイカバー52aに接着した場合である。
【0089】
以上のように本実施の形態2のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ディスク装置55に対応できる。
【0090】
なお、実施の形態1では保護部材4は光ディスクとフィードモータ3との間に、実施の形態2では下部筐体51bとフィードモータ3の間に配置されたが、それに限るものではなく、両方に配置されても構わない。その場合、保護カバー12にもトレイカバー52aにも開口が設けられる。
【0091】
(実施の形態3)
実施の形態3について図を参照しながら説明する。実施の形態3は保護部材4が光ディスクとフィードモータ3の間や下部筐体51bとフィードモータ3の間だけではなく、フィードモータ3の側面部にも配置されたものである。
【0092】
図9は実施の形態3の光ピックアップ移動機構の断面構成図である。図9(a)は断熱性を有する保護部材4が唯1層フィードモータ3の周囲に1周設けられた構成である。四方から保護部材4の材料を塗布したり、液状の保護部材4の原材料に浸漬し、硬化して作製する。図9(b)はフィードモータ3の周囲に接着剤22を塗布し、シート23をフィードモータ3の周囲1周にわたり貼りつけ固定したものである。
【0093】
また図9(c)は保護部材4がフィードモータ3の周囲の一部で途切れた構成である。例えば、フィードモータ3の外装ケース3fが1枚の板を折り曲げて筒状に成型した場合などはこのような構成になることがある。図9(c)では1箇所が途切れているが複数箇所の場合もある。図9(d)は接着剤22とシート23が途切れた構成である。あらかじめ粘着剤としての接着剤22をシート23に貼り合わせておき、それを所定の寸法に切断しフィードモータ3の周囲に巻きつけるように貼り付けて固定する。所定の寸法がフィードモータ3の周囲の長さよりも短いと途切れるし、長いと一部2重に巻かれる箇所が発生する。光ディスク側と下部筐体側の両方を一度に、しかも簡単に製造できるため製造コストを低くできる。また、接着剤22をフィードモータ3の周囲1周にわたり塗布し、シート23を所定の長さに切断して貼り付けて固定した場合は接着剤22は途切れないが、シート23が途切れたり、一部2重になる箇所が発生する。
【0094】
また図9(e)と図9(f)に示すようなフィードモータ3の周囲の比較的長い長さにわたり保護部材4がない状態でも光ディスクとフィードモータ3の間や下部筐体51bとフィードモータ3の間に所定の状態に保護部材4があれば構わない。したがって、例えば図9(d)に示した製造方法で作製する場合図9(f)の構成のほうが1個当たりの材料代を減らすことができる。
【0095】
なお、本実施の形態3で示したのはスクリューシャフト5の軸に対し直角な方向の断面であるが、スクリューシャフト5の軸と平行な方向の断面でも同様である。
【0096】
以上のように本実施の形態3のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ディスク装置55に対応できる。
【0097】
(実施の形態4)
実施の形態4について図を参照しながら説明する。図10は実施の形態4の光ピックアップ移動機構の断面構成図である。実施の形態4は保護部材4のフィードモータ3と反対側にさらに外装部材24を備えた光ピックアップ移動機構である。光ピックアップ移動機構14の構成以外のフィードモータ3としてのステッピングモータ、光ピックアップモジュール13、光ディスク装置55の構成は実施の形態1と同じであるので実施の形態1の説明を援用する。また、本実施の形態3では保護部材4は光ディスク側として説明するが、下部筐体51b側の場合も実施の形態1と実施の形態2の場合と同様に成立する。
【0098】
図10(a)の保護部材4はフィードモータ3と外装部材24との間の空気層25である。外装部材24はフィードモータ3と接触すると接触したところから外装部材24に熱が伝わるため、接触しないように外装部材24の形状はフィードモータ3から少し逃げる形状とした。空気の熱膨張率は前述の通り0℃で0.024W・m-1・K-1、100℃で0.032W・m-1・K-1であり、非常に小さい。そのため断熱性を有する保護部材4としては非常に好ましいものである。空気層25が非常に良好な保護部材4として働くため外装部材24はステンレスやアルミニウムなどの金属のような熱伝導率が大きな材料で構成されていても構わない。また、逆に外装部材24は断熱性を有する材料で構成して保護部材4としても構わない。その場合空気層25も外装部材24も断熱性を有するため断熱の効果はより大きくなる。外装部材24の材料選択の幅は広いために見栄え品質を上げることも可能である。外装部材24は接着剤22を用いて保護カバー12に固定される。
【0099】
図10(b)は空気層25を設けるために保護カバー12の開口の表面からフィードモータ3の表面を若干下げた。そのため、外装部材24はフィードモータ3から逃げる形状としなくても良く、外装部材24を製造する製造コストを安くすることができる。外装部材24は図10(a)と同様に接着剤22を用いて保護カバー12に固定される。
【0100】
図10(c)はフィードモータ3と外装部材24との間にスペーサ26を設けた構成である。スペーサ以外の空間は空気層25が形成される。スペーサ26は断熱性を有する保護部材4を構成するものとし、スペーサ26を通した外装部材24の表面へ熱が伝わりにくくなるようにしなければならない。スペーサ26は硬いセラミックスなどが好ましい。このように保護部材4は空気層25とスペーサ26とを備えている。スペーサ26は接着剤でフィードモータ3および外装部材24に固定される。
【0101】
空気層25を備える保護部材4とすることで外装部材24の表面にまで熱が伝わりにくくなり、外装部材24の材料選択の幅をより広げることができる。
【0102】
なお本実施の形態3において保護部材4は空気層25を備えていたが、それに限るものではなく、保護部材4としての断熱性を有する接着剤22にて外装部材24をフィードモータ3に固定しても構わない。
【0103】
以上のように本実施の形態4のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ピックアップモジュール13及びその光ピックアップモジュール13を搭載した光ディスク装置55に対応できる。またフィードモータ3の下部筐体51b側に適用した場合、本実施の形態4の光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ディスク装置55に対応できる。
【0104】
(実施の形態5)
実施の形態5について図を参照しながら説明する。図11は実施の形態5の光ピックアップ移動機構の断面構成図である。実施の形態5は外装部材24の断面形状を略コの字形状とし、フィードモータ3の光ディスク側の面と下部筐体51b側の面の両方を覆うようにした。外挿部材24とフィードモータ3とは直接触れ合わないように断熱性を有する保護部材4で断熱した。1つの外挿部材24で光ディスク側の面と下部筐体51b側の面の表面にも熱を伝えにくくできる。なお、光ピックアップ移動機構14以外のフィードモータ3としてのステッピングモータ、光ピックアップモジュール13、光ディスク装置55の構成は実施の形態1と同じであるので実施の形態1の説明を援用する。また、トレイ52の下面側の構成は実施の形態2の構成と同じであるのでその説明を援用する。
【0105】
図11(a)は下部筐体51b側の面のフィードモータ3と外装部材24とを接着剤22を介して固定した構成である。接着剤22は一般の接着剤でも粘着剤でも構わないが、フィードモータ3からの熱を外装部材24に伝えにくくするために、例えば接着樹脂などの断熱性を有する保護部材4でなければならない。外装部材24はフィードモータ3と直接接しないようにしなければならないため、外装部材24とフィードモータ3との間には接着剤22以外の箇所には空気層25を設けた。したがって保護部材4は空気層25と接着剤22とを備える。外装部材24とフィードモータ3は保護部材4により断熱されるため外装部材24はステンレスやアルミニウムなどの金属でも構わない。その際、80μm程度の板厚があれば強度は十分保たれる。また、外装部材24は断熱性を有する材料を含んで形成しても構わない。その場合には断熱の効果はより増すことになる。このように外装部材24の材料選択の幅が広いために実施の形態3と同様に見栄え品質を上げることも可能である。
【0106】
図11(b)は図11(a)とは逆に光ディスク側の面のフィードモータ3と外装部材24とを接着剤22を介して固定した構成である。接着剤22は図11(a)の場合と同様に例えば接着樹脂などの断熱性を有する保護部材4でなければならない。またフィードモータ3と外装部材24とは接着剤22と空気層25を備えた保護部材4で断熱された状態にされ、直接触れ合うことはない。
【0107】
図11(c)は下部筐体51b側の面のフィードモータ3と外装部材24とをスペーサ26を介して固定した構成である。スペーサ26はたとえばセラミックスのような断熱性を有する材料を含んで形成され、接着剤でフィードモータ3および外装部材24と固定される。保護部材4はスペーサ26と空気層25とを備える。スペーサ26を介することで、フィードモータ3と外装部材24との間隔を安定して確保することができる。特にスペーサ26をセラミックスで構成した場合、硬いために間隔はより安定する。
【0108】
図11(d)は光ディスク側の面のフィードモータ3と外装部材24とを断熱性を有する材料で構成したスペーサ26を介して固定した構成である。スペーサ26は接着剤でフィードモータ3および外装部材24と固定される。保護部材4はスペーサ26と空気層25とを備える。スペーサ26を介することで、フィードモータ3と外装部材24との間隔を安定して確保することができる。
【0109】
以上のように本実施の形態4のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ピックアップモジュール13及びその光ピックアップモジュール13を搭載した光ディスク装置55に対応できる。
【0110】
なお、本実施の形態5においてフィードモータ3と外装部材24との固定はフィードモータ3の光ディスク側の面または下部筐体51b側の面で行う構成であるが、それに限るものではない。フィードモータ3の側面で外装部材24との固定を行う構成にしても構わない。そうすることで光ディスク側の面の外装部材24も下部筐体51b側の外挿部材24もフィードモータ3との間にあるのは空気層25のみとなる。そのためより安定した断熱の効果が得られる。
【0111】
また、外装部材24の断面形状は略コの字状としたが、それに限るものではない。コの字の少なくとも一方の先端をコの字の開口が狭くなる向きに折り曲げても良いし、そのまま開口がなくなるまで伸ばしても良い。さらには重なっても良い。また、筒状の形状としても良い。
【0112】
(実施の形態6)
実施の形態6について図を参照しながら説明する。図12は実施の形態6のトレイの光ピックアップ移動機構部分の断面構成図である。実施の形態6はフィードモータ3の光ディスク側の表面と保護カバー12との間、またはフィードモータ3の下部筐体51b側の表面とトレイカバー52aとの間の少なくとも一方に伝熱性を有する伝熱性部材27を渡設し、この伝熱性部材27の表面を覆う保護部材4とを備えた構成とした。なお、伝熱性部材27と保護部材4の構成以外の光ピックアップ移動機構14、光ピックアップモジュール13、光ディスク装置55の構成は実施の形態1と同じであるので実施の形態1の説明を援用する。また、トレイ52の下面側の構成は実施の形態2の構成と同じであるのでその説明を援用する。
【0113】
伝熱性を有する材料としてはグラファイト、各種金属などがある。グラファイトシートの面内方向の熱伝導率は500W・m-1・K-1以上であるものがあり、0℃において銀の熱伝導率は428W・m-1・K-1、銅の熱伝導率は403W・m-1・K-1、アルミニウムの熱伝導率は238W・m-1・K-1である。フィードモータ3と保護カバー12との間で伝熱性部材27を渡設する場合、作製方法の例として次のような例がある。まず伝熱性部材27をフィードモータ3と保護カバー12の間に配置する。次に保護カバー12の伝熱性部材27の周りに接着剤22を塗布する。最後にシート23を伝熱性部材27と接着剤22の上に配置し固定する。接着剤22は断熱性を有する材料である必要はないが、シート23は断熱性を有する保護部材4である必要がある。トレイカバー52aの場合の作製方法も同様である。また作製方法は上記例に限るものではない。接着剤22は粘着剤としても良いし、伝熱性部材27は接着剤などを使って固定しても良い。また保護カバー12またはトレイカバー52aの少なくとも一方の表面およびフィードモータ3の表面と伝熱性部材27の表面の間に熱的な接触面積を増やすために放熱グリスなどを用いても良い。本実施の形態6において熱伝導性部材27はフィードモータ3で発生した熱を保護カバー12またはトレイカバー52aの少なくとも一方に逃がす。その上で、保護部材4で熱伝導性部材27の表面を覆うため保護部材4の表面に到達する熱を非常に少なくすることができる。
【0114】
なお、図6に示すようなフィードモータ3と保護カバー12やトレイカバー52aの表面の覆い方は伝熱性部材27も保護部材4も図6の説明に準拠する。すなわち、フィードモータ3の表面の温度や使用状況に応じて伝熱性部材27はフィードモータ3の表面の一部を少なくとも含む保護カバー12の開口やトレイカバー52aの開口の一部を少なくとも覆えば良い。また、保護部材4はフィードモータ3の表面の温度や使用状況、あるいは伝熱性部材27の配置の仕方に応じてフィードモータ3の表面の一部と伝熱性部材27の表面の一部を少なくとも含む保護カバー12の開口やトレイカバー52aの開口の一部を少なくとも覆えば良い。
【0115】
以上のように本実施の形態6のステッピングモータを使用したフィードモータ3を備えた光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ピックアップモジュール13及びその光ピックアップモジュール13を搭載した光ディスク装置55に対応できる。またフィードモータ3の下部筐体51b側に適用した場合、本実施の形態6の光ピックアップ移動機構14は薄型化に対応した光ディスク装置55に対応できる。
【0116】
なお、本実施の形態6では伝熱性部材27はフィードモータ3の保護カバー12やトレイカバー52aの開口から露出する面に使用するために、その上から保護部材4を配置した。しかし伝熱性部材27が外部に露出しなければその限りではない。実施の形態1から6に示すような保護部材4の配置を行い、さらに例えばフィードモータ3の側面と、保護カバー12やトレイカバー52aの外部に対して露出しない側の面、あるいはその他の部材とを伝熱性部材27で渡設しても良い。その場合にはフィードモータ3で発生した熱が伝熱性部材27を通してこれら上記部材に逃げる上に断熱性を有する保護部材4の効果が現れるため、断熱の効果がより顕著に現れる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上のように本発明の光ピックアップ移動機構は薄型化に対応した光ピックアップモジュールおよびその光ピックアップモジュールを搭載した光ディスク装置に対応できる。また、光ピックアップを精度よく高速に移動させることができる。そのため特に薄型化を要求されるノートブック型コンピュータに搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】実施の形態1の保護カバーが取り付けられていない光ピックアップモジュールの上面構成図
【図2】実施の形態1の光ピックアップモジュールの斜視構成図
【図3】(a)実施の形態1に用いたステッピングモータの断面構成図、(b)コアの展開図、(c)外観構成図
【図4】実施の形態1の光ピックアップモジュールを搭載した光ディスク装置の斜視構成図
【図5】実施の形態1の光ピックアップ移動機構の断面構成図
【図6】実施の形態1の光ピックアップ移動機構の上面構成図
【図7】実施の形態2のトレイを下面側から見た構成斜視図
【図8】実施の形態2の光ピックアップ移動機構の断面構成図
【図9】実施の形態3の光ピックアップ移動機構の断面構成図
【図10】実施の形態4の光ピックアップ移動機構の断面構成図
【図11】実施の形態5の光ピックアップ移動機構の断面構成図
【図12】実施の形態6のトレイの光ピックアップ移動機構部分の断面構成図
【図13】保護カバーが取り付けられていない従来の光ピックアップモジュールの上面構成図
【図14】従来の光ピックアップモジュールを搭載した光ディスク装置の斜視構成図
【符号の説明】
【0119】
1 ベース
2 スピンドルモータ
3 フィードモータ
3a コイル
3b ボビン
3c コア
3d マグネット
3e 軸受け
3f 外装ケース
3g 外装キャップ
4 保護部材
5 スクリューシャフト
6 請求項1のガイドシャフト
7 請求項2のガイドシャフト
8 光ピックアップ
9 ラック
10 支持部材
11 保護カバーを外した光ピックアップモジュール
12 保護カバー
13 光ピックアップモジュール
14 光ピックアップ移動機構
22 接着剤
23 シート
24 外装部材
25 空気層
26 スペーサ
27 伝熱性部材
51 筐体
51a 上部筐体
51b 下部筐体
52 トレイ
52a トレイカバー
53 ベゼル
54 外部コネクタ
55 光ディスク装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップを移動させる駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータの周囲に配置された断熱性を有する保護部材とを備えたことを特徴とする光ピックアップ移動機構。
【請求項2】
前記保護部材は光ディスクと前記フィードモータとの間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項3】
前記保護部材は光ディスク装置の筐体を構成する下部筐体と前記フィードモータとの間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項4】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料の熱伝導率は2W・m-1・K-1以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項5】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項6】
前記高分子化合物はゴムであることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項7】
前記高分子化合物は繊維であることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項8】
前記高分子化合物は樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項9】
前記樹脂は接着剤であることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項10】
前記樹脂は粘着剤であることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項11】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料はセラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項12】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は紙であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項13】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は不織布または織布の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項14】
前記保護部材を構成する断熱性を有する材料は空気であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項15】
前記保護部材の前記フィードモータと反対側に外装部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ移動機構。
【請求項16】
光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生を行う光ピックアップと、請求項1に記載の光ピックアップ移動機構と、開口を有し前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させる保護カバーと、を備えたことを特徴とする光ピックアップモジュール。
【請求項17】
前記フィードモータの表面と前記保護カバーの表面との間に渡設した伝熱性を有する伝熱性部材と、前記伝熱性部材の表面を覆う前記保護部材とを備えたことを特徴とする請求項16に記載の光ピックアップモジュール。
【請求項18】
前記伝熱性部材はグラファイトシートであることを特徴とする請求項17に記載の光ピックアップモジュール。
【請求項19】
請求項16に記載の光ピックアップモジュールを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項20】
光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生を行う光ピックアップと、請求項1に記載の光ピックアップ移動機構と、開口を有し前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部とを露出させる保護カバーとを備えた光ピックアップモジュールと、
前記光ピックアップモジュールを下側に固定するトレイと、前記光ピックアップモジュールのさらに下側から前記トレイに固定され開口から前記光ピックアップ移動機構を露出させたトレイカバーと、
前記トレイを出没自在に設け上部筐体と下部筐体を備えたことを特徴とする筐体とを備えた光ディスク装置。
【請求項21】
前記フィードモータの表面と前記トレイカバーの表面との間に渡設した伝熱性を有する伝熱性部材と、前記伝熱性部材の表面を覆う前記保護部材とを備えたことを特徴とする請求項20に記載の光ディスク装置。
【請求項22】
前記伝熱性部材はグラファイトシートであることを特徴とする請求項21に記載の光ディスク装置。
【請求項23】
ベースと、前記ベースに固定され光ディスクを装着させて回転させる駆動力を発生するスピンドルモータと、前記光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップと、前記ベースに固定され前記光ピックアップを移動させるフィードモータと前記フィードモータの前記光ディスクに対向する面とその反対側の面に接着剤で固定された断熱性を有する保護部材とを備えた光ピックアップ移動機構と、前記フィードモータに直接接続されらせん状に溝が形成されたスクリューシャフトと、前記ベースに支持部材を介して固定され前記光ピックアップを移動自在に保持する第1のガイドシャフトおよび第2のガイドシャフトと、前記光ピックアップに固定され歯が前記スクリューシャフトの溝に噛み合うラックと、ベースに固定され前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させる開口を有する保護カバーと、を備えたことを特徴とする光ピックアップモジュール。
【請求項24】
開口を有するトレイと、開口を有するトレイカバーと、前記トレイと前記トレイカバーの間に固定され前記トレイの開口から前記スピンドルモータと前記光ピックアップの少なくとも一部と前記光ピックアップ移動機構を露出させ前記トレイカバーの開口から前記光ピックアップ移動機構を露出させる請求項23の光ピックアップモジュールと、
前記トレイを出没自在に設け上部筐体と下部筐体を備えた筐体と、
前記トレイの前端面に設けられ前記トレイの出没口を塞ぐベゼルと、
前記筐体に設けられた外部コネクタとを備えたことを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−294187(P2006−294187A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116877(P2005−116877)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】