説明

光ファイバ・コイルの湿分遮断シーリング

光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施す方法は、光ファイバ・コイルの広い外表面領域を蒸着チャンバの内部に曝すことができるように、光ファイバ・コイルを真空蒸着チャンバ内に載置することを含む。この方法はさらに、チャンバ内の空気圧を、チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させることを含む。この方法はさらに、蒸気の形態の、パリレンであることが好ましい、無孔材料をチャンバ内に導入することを含む。この蒸気の形態の無孔材料は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ・ジャイロスコープ(これ以降、「FOG」という)に関し、より詳しくは、周囲の湿分の吸収度合を減少させるように構成され、配置されたFOGコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
湿分が光ファイバの性能および信頼性を低下させることは、よく知られている。ガラス・ファイバ内のマイクロ・クラックが周辺の湿分の存在で成長し、ファイバの光学的性質を変化させ、早期故障に到らせる可能性があり得る。湿分の影響は、環境条件、ファイバ製造工程の内容などを含む、多くの要因によって変わる。湿分の量が環境条件(例えば、温度)によって変わり得るので、ファイバの光学的性質は、これらの条件に応じて、しばしば予測不能に変わり得る。
【0003】
ファイバ製造業者は通常、周辺湿分の影響を軽減するために、アクリレート(または別の同様な高分子材料の)保護被覆をガラス・ファイバの外表面に直接塗布する。そのような被覆は、湿分に対する障壁を作り出し、裸のファイバは非常に壊れ易いので、ある程度の磨耗抵抗性をもたらし、取り扱いを可能とする。この被覆は環境的にファイバを保護することができるが、この被覆自体がかなりの量の湿分を吸収する可能性がある。この現象は、ベークアウト処理、すなわち、ファイバが制御された高温環境に長時間曝される処理中に観察されてきた。ベークアウト処理中に、被覆された光ファイバは、かなりの重量変化(例えば、12パーセントまたはそれ以上)を受け、したがって、直径が変化する。これは、被覆が高温環境にある間に、捕捉した湿分のかなりの量を放出したことを意味する。
【0004】
光ファイバのコイルは、干渉方式光ファイバ・ジャイロスコープ(Interferometric Fiber Optic Gyroscope)(IFOG、またはより簡単に、FOG)の重要な構成部品である。FOGは、FOGが取り付けられた車両または他のプラットホーム(platform)の回転速度を測定するのに使用される装置である。FOGは通常、回転軸の周りに配置された光ファイバのコイルを含む。光源が光ファイバの各端部内に光を透過させ、その結果2つの透過光が光ファイバ内を互いに反対の回転方向に伝播する。検出回路が、その光の伝播を光ファイバの両端から現れるときに受信し、その光の相対的な位相関係を測定する。2つの光伝播の位相関係は、回転軸周りのFOGコイルの角回転と関連し、FOGコイルの回転数を示す出力信号を導き出すために使用することができる。
【特許文献1】米国特許出願第10/003914号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FOGと関連する重要な1つのパラメータは、一般に「スケールファクタ(scale factor)」と呼ばれ、FOGの実際の回転速度とFOG装置の出力信号(例えば、回転の秒角(arc−second)当たりの出力パルス数)の間の関係を定義し、定量化する。FOGスケールファクタの変動は、FOGの精度を低下させる傾向にある。光ファイバ・コイルの光学的直径が直接FOGのスケールファクタに影響を与えるので、光学的直径に悪影響を及ぼすどんな外的影響もスケールファクタに悪影響を及ぼす。光学的直径は、コイルの物理的直径に緊密に関係しているので、コイルの物理的直径のどんな変化もFOGのスケールファクタに影響する可能性がある。したがって、ファイバ外被による湿分の吸収は、FOGの全体のファイバ直径に直接悪影響を及ぼし、したがって、結果としてFOGのスケールファクタに悪影響を及ぼす。
【0006】
巻線層の物理的安定をもたらし、環境からの応力に対してコイル形状を維持するため、エポキシ材料がしばしばコイル状の光ファイバの層の周りおよび間に塗布される。そのようなエポキシ材料は、水分子の大きさと同程度の不均一性を有する非晶質であり、毛細管現象によって水分子を輸送することができることが知られている。したがって、これらのエポキシ材料は吸湿性であり、安定化させるエポキシ材料が大量の湿分を吸収する場合は、エポキシ材料が膨張かつ/または変形し、したがって、コイル形状を変化させ、FOGの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施す方法は、光ファイバ・コイルの広い外表面領域を蒸着チャンバの内部に曝すことができるように、光ファイバ・コイルを真空蒸着チャンバ内に載置することを含む。この方法はさらに、チャンバ内の空気圧を、チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させることを含む。この方法はさらに、蒸気の形態の無孔(non−porous)材料をチャンバ内に導入することを含む。この蒸気の形態の無孔材料は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆(conformal coat)を形成する。
【0008】
一実施形態では、この方法はさらに、チャンバ内の空気圧力を減圧させるために、チャンバ内の空気の少なくともいくらかを排気させる(すなわち、チャンバの内側から空気を取り除く)ことを含む。
別の実施形態では、この方法はさらに、ガス状、蒸気の形態に転換するまで無孔材料を加熱することを含む。
別の実施形態では、この方法はさらに、パリレン蒸気を真空蒸着チャンバ内に導入することを含む。
別の実施形態では、この方法はさらに、パリレン材料がガス状のパリレン蒸気に変換するまで、所定量のパリレン材料を加熱することを含む。
別の実施形態では、この方法はさらに、チャンバ内の空気圧を周辺空気圧力より低い、基準真空蒸着圧力である所定の値に減圧させることを含む。
【0009】
別の態様では、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステムは、光ファイバ・コイルの広い外表面領域を蒸着チャンバの内部に曝すことができるように、光ファイバ・コイルを真空蒸着チャンバ内に載置することを含む。このシステムはさらに、チャンバ内の空気圧を、チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させることを含む。このシステムはさらに、蒸気の形態の無孔材料をチャンバ内に導入することを含む。この蒸気の形態の無孔材料は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する。
【0010】
このシステムの一実施形態では、載置手段がさらに、光ファイバ・コイルの外表面の最大量を蒸着チャンバ内の環境に曝すことができるように、構成され配置された載置設備を含む。
このシステムの別の実施形態では、空気圧を減圧させる手段がさらに、蒸着チャンバ内から少なくともいくらかの空気を取り除く真空ポンプを含む。
【0011】
別の実施形態では、この真空ポンプは、チャンバ内の空気圧力を周辺圧力より低い所定の値に減圧させる。所定の値は、ファイバ・コイルに無孔材料蒸気を付着させるための基準真空蒸着圧力である。
別の実施形態では、蒸気の形態の無孔材料を導入する手段はさらに、無孔材料が蒸気の形態に昇華するまで、所定量の無孔材料を加熱する蒸気発生器を含む。一実施形態では、無孔材料はパリレンを含む。
別の実施形態では、光ファイバ・コイルは、周辺圧力より低い空気圧力で、蒸気形態の無孔材料に取り囲まれて、所定の時間チャンバ内に置いたままにされる。
【0012】
別の態様では、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステムは、蒸着チャンバ、真空ポンプおよび蒸気発生器を含む。蒸着チャンバは、光ファイバ・コイルを蒸着チャンバ内に、または外に移送するためのアクセス・ハッチ、空気を蒸着チャンバ内に、または外に移送するための真空孔、および蒸着材料を蒸着チャンバ内に、または外に移送するための投入口を有する。真空ポンプは真空孔に取り付けられ、チャンバ内の空気圧力をチャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させるように、空気を蒸着チャンバから外へポンプ輸送する。蒸気発生器は、投入口に取り付けられ、蒸気の形態の無孔材料をチャンバ内に導入する。蒸気の形態の無孔材料は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態の形態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する。
【0013】
本発明の別の実施形態では、蒸着チャンバはさらに、光ファイバ・コイルを蒸着チャンバ内に載置するための載置設備を含む。載置設備は、この技術分野で周知の、光ファイバ・コイルを固定する、受金物、受け台または他の同様なアセンブリを含むことができる。載置設備は、光ファイバ・コイルの広い外表面を蒸着チャンバ内の内部に曝すことができるように、構成され配置される。
【0014】
本発明の別の実施形態では、真空ポンプは、チャンバ内の空気圧力を周辺圧力より低い所定の値に減圧させる。このチャンバ内の圧力の所定の値は、最適真空蒸着圧力、すなわち、コイルを損なうことなく、光ファイバ・コイルの外表面に無孔材料の最良の蒸着を可能にする圧力である。
【0015】
別の実施形態では、蒸気発生器は、無孔材料が蒸気形態に昇華するまで、所定量の無孔材料を加熱する。一実施形態では、無孔材料はパリレンを含む。
このシステムの別の実施形態では、光ファイバ・コイルは、周辺圧力より低い空気圧力で、蒸気形態の無孔材料に取り囲まれて、所定の時間チャンバ内に置いたままにされる。材料の量および処理時間が厚さ、したがって、湿分遮断体としての被覆の性能を画成するが、被覆が厚すぎないことが重要である。厚い被覆は、光ファイバに応力を誘起する可能性がある熱膨張差に起因にして、FOGの性能にかえって悪影響を及ぼす可能性がある。
この発明の前述の目的および他の目的、その様々な特徴、並びにこの発明そのものは、添付の図面と一緒にを読むときは、以下の説明から、より完全に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
一般に、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステムは、コイルを制御された低圧の環境(すなわち、真空環境)に曝し、蒸気形態であることが好ましい、無孔材料をコイルと一緒に低圧環境に導入することである。一実施形態では、この無孔材料はパリレンを含むが、他の同様な材料および薄い対応するフィルムも使用することができる。この方法は、光ファイバ・コイル上に無孔材料の真空蒸着を可能とする。図1は、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すための方法の一実施形態を説明するフロー図100を示す。この方法の第1の工程102で、この分野の当業者に周知のいくつかのコイル巻線技術(例えば、System and Method of Winding a FOG Coilという名称の米国特許出願第10/003914号を参照)のうちの任意のものによって巻かれたFOGコイル・アセンブリが、真空蒸着チャンバ内に載置され、この真空チャンバは、チャンバ内にコイル・アセンブリを入れたまま密閉される。コイルは、コイルの外表面領域の最大量を蒸着チャンバ内の内部に曝すことができるように、チャンバ内に載置される。本発明の一実施形態では、FOGコイル・アセンブリは、チャンバ内に載置される前に予備処理される。一般に、予備処理は、FOGコイルを既知の状態に置くのに必要な任意の工程を含むことができる。例えば、FOGコイルが長い期間保管されていた場合は、そのコイルは不確定な量の湿分を保持している可能性がある。予備処理の一部分は、「ベークアウト(bake−out)」処理を含むことができる。その処理では、コイルは所定の時間、制御された温度および制御された湿分環境に置かれ、コイルの保持する湿分量を既知の値に、または少なくとも既知の許容される範囲内に固定させる。FOGコイルは、FOGコイルと関連する他の様々な物理的パラメータを既知の値または範囲にセットするために、他のそのような処理を受けさせることができる。この方法の第2の工程104で、真空ポンプが、少なくともいくらかの空気をチャンバから排気し、したがって、チャンバ内の圧力はチャンバの外側の周辺圧力より下の(すなわち、チャンバ圧力は周辺圧力に対して負圧である)圧力へ減圧される。別の実施形態では、チャンバ内の圧力は、この分野で周知の何か別の技術、例えば、チャンバと関連する容積または温度を変化させることによって、周辺圧力より低い圧力に減圧させることができる。最適な真空蒸着圧力は、空気が様々な空洞および他の一般的に凹面の区域から排除され、無孔材料の最大量がこれらの領域に到達でき、一方、コイル・アセンブリに損傷を与える可能性のある圧力に関連する力を発生させない所ある。実際の最適真空蒸着圧力は、コイルの性質、使用する無孔材料の量などの要因に依存する。この方法の第3の工程106では、所定のパリレン材料が、ガス状単量体(すなわち、パリレン蒸気)に昇華するまで加熱され、このパリレン蒸気がチャンバ内に注入される。この方法の別の実施形態では、パリレン蒸気の代わりに、当分野で周知の別の蒸気形態の無孔材料をチャンバ内に注入することができる。この方法の第4の工程108では、コイルは、パリレン蒸気を導入した後、所定の時間、周囲温度でチャンバ内に静止して置いたままにされる。高温のパリレン蒸気は、周囲温度のコイルに遭遇すると固体の重合体状態に変化し、したがって、パリレン重合体がコイルの外表面に絶縁保護被覆を形成する。この方法の第5の工程110では、チャンバ内の圧力を周辺圧力に戻すことができる。この方法の第6の工程112では、チャンバが開かれ、パリレンで被覆されたファイバ・コイルが取り出され、このシステムを別のファイバ・コイルに湿分遮断被覆を施すために用意することができる。その結果、コイルの表面には、湿分遮断層として機能するパリレンの比較的薄い被覆が与えられる。この比較的薄い遮断層が重要である。何故なら、より粗い「注封」処理から得られたもののような厚い被覆は、光ファイバに応力を誘起する可能性がある熱膨張差によって、かえってFOGの性能に悪影響を及ぼす場合があるからである。
【0017】
図2は、光ファイバ・コイル201に湿分遮断シールを施すシステム200の好ましい一実施形態のブロック図を示す。システム200は、アクセス・ハッチ203を有する蒸着チャンバ202、蒸着チャンバ202の真空口206に取り付けられた真空ポンプ204、蒸着チャンバ202の投入口210に取り付けられた蒸気発生器208を含む。投入口は、チャンバが密閉され、チャンバ202内の圧力条件が制御されているとき、蒸着材料をチャンバ202内に、またはチャンバ内から外へ移動させることができる。システム200のこの具体的な実施形態は、本明細書で説明する方法100の実施に使用することができるが、別の同様な実施形態も方法100の実施に使用することができる。蒸着チャンバ202は、光ファイバ・コイルをチャンバ202内に固定して取り付けるための載置設備212を含む。載置設備は、光ファイバ・コイルをチャンバ内に固定して、ただし、取り外し可能に載置するための、受金物、受け台または他の同様な手段を含むことができる。載置設備212は、光ファイバ・コイルの外表面をできるだけ多く、蒸着チャンバ内の環境に曝すことができるように構成され配置される。一実施形態では、蒸着チャンバ202内の載置設備212は、光ファイバ・コイルをFOG内に固定するのに使用する載置設備と同じであるが、当分野で周知の、チャンバ202内に光ファイバ・コイルを固定する別の方法も使用することができる。
【0018】
動作では、光ファイバ・コイル201がアクセス・ハッチ203を通ってチャンバ202内に置かれ、載置設備212によってチャンバ202内に固定される。次いで、アクセス・ハッチが閉じられ、光ファイバ・コイル201を密閉されたチャンバ202の気密の環境内に閉じ込める。次いで、真空ポンプ204が、密閉されたチャンバ202内から空気を取り除き、チャンバ202内に少なくとも部分的に真空の環境を作り出す。真空ポンプ204は、チャンバ202内の圧力をチャンバ202の外側の周辺圧力よりかなり低い圧力まで、減圧させるのが好ましいが、周辺に対する他の圧力レベルも使用することができる。チャンバ202内の圧力が、所定のレベルに到達した後、蒸気発生器208が固体のパリレン原材料を、材料がガス状単量体(すなわち、パリレン蒸気)に昇華するまで加熱する。蒸気発生器208は、チャンバ202の投入口210を介して所定量の高温パリレン蒸気をチャンバ202内に導入する。別の実施形態では、パリレンと似ている別の無孔材料も使用することができる。所定量のパリレンがチャンバ202に移送された後、光ファイバ・コイル201は、周辺圧力より低い圧力のパリレン蒸気に取り囲まれて、所定の時間(本明細書では、「浸透(soak)」時間と呼ばれる)チャンバ202内に置いたままにされる。高温のパリレン蒸気は、周辺温度のコイルに遭遇すると、固体重合体状態に変化し、このパリレン重合体が、コイルの外表面に絶縁保護被膜を形成する。浸透時間の後で、真空ポンプ204がチャンバの内部を周辺圧力に戻すのに十分な空気をチャンバ202に戻す。パリレンで被覆されたコイル201は、チャンバ202から取り出され、このシステム200を別のファイバ・コイルに湿分遮断被覆を施すために用意することができるようなる。コイルとチャンバの相対的な寸法に応じて、本明細書で説明する方法を使用して複数のコイルを同時に被覆することができる。
【0019】
本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化することができる。したがって、本実施形態は、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、本発明の範囲は前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲に示されており、したがって、特許請求の範囲と等価物の趣意および範囲内に入る全ての変更形態はその中に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すための方法の一実施形態を説明するフロー100の図である。
【図2】光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すためのシステム200の好ましい一実施形態を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ・コイルの広い外表面領域を蒸着チャンバの内部に曝すことができるように、前記光ファイバ・コイルを前記真空蒸着チャンバ内に載置する工程と、
前記チャンバ内の空気圧を、前記チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させる工程と、
蒸気の形態の無孔材料を前記チャンバ内に導入する工程とを含み、前記蒸気の形態の無孔材料は、前記光ファイバ・コイルと接触して固体状態に変化し、前記光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施す方法。
【請求項2】
チャンバ内の空気圧力を減圧させるために、チャンバ内の空気の少なくともいくらかを排気させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガス状、蒸気の形態に転換するまで、前記無孔材料を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パリレン蒸気を真空蒸着チャンバ内に導入する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パリレン材料がガス状、パリレン蒸気に変換するまで、所定量のパリレン材料を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記チャンバ内の空気圧を周辺空気圧力より低い、最適な真空蒸着圧力である、所定の値に減圧させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光ファイバ・コイルを既知の状態に置くことができるように、光ファイバ・コイルを予備処理する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記光ファイバ・コイルを予備処理する工程が、前記光ファイバ・コイルを所定時間、制御された温度環境内に置くことを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記光ファイバ・コイルを予備処理する工程が、前記光ファイバ・コイルを所定時間、制御された湿度環境内に置くことを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
光ファイバ・コイルの広い外表面領域を蒸着チャンバの内部に曝すことができるように、前記光ファイバ・コイルを前記真空蒸着チャンバ内に載置するための載置手段と、
前記チャンバ内の空気圧を、前記チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させる手段と、
蒸気の形態の無孔材料を前記チャンバ内に導入する手段とを備え、前記蒸気の形態の無孔材料は、前記光ファイバ・コイルと接触して固体状態に変化し、前記光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステム。
【請求項11】
前記載置手段が、光ファイバ・コイルの外表面の最大量を蒸着チャンバ内の環境に曝すことができるように、構成され配置された載置設備をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
空気圧を減圧させる手段が、前記蒸着チャンバ内から少なくともいくらかの空気を取り除く真空ポンプをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記真空ポンプが、チャンバ内の空気圧力を周辺圧力より低い、最適真空蒸着圧力である所定の値に減圧させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
蒸気の形態の無孔材料を導入する手段が、無孔材料がガス形態に昇華するまで、所定量の無孔材料を加熱する蒸気発生器をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記無孔材料がパリレンを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記光ファイバ・コイルが、周辺圧力より低い空気圧力値で、蒸気形態の無孔材料に取り囲まれて、所定時間チャンバ内に置いたままにされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
光ファイバ・コイルを蒸着チャンバ内に、または外に移送するためのアクセス・ハッチ、空気を前記蒸着チャンバ内に、または外に移送するための真空孔、および蒸着材料を前記蒸着チャンバ内に、または外に移送するための投入口を有する前記蒸着チャンバと、
前記チャンバ内の空気圧力を前記チャンバの外側の周辺圧力より低い値に減圧させるように、空気を前記蒸着チャンバから外へポンプ輸送するために、前記真空孔に取り付けられた真空ポンプと、
蒸気の形態の無孔材料をチャンバ内に導入するために投入口に取り付けられた蒸気発生器とを備え、前記蒸気の形態の無孔材料は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態の形態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成する、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステム。
【請求項18】
前記蒸着チャンバが、前記光ファイバ・コイルの広い外表面を前記蒸着チャンバ内の内部に曝すことができるように、前記光ファイバ・コイルを前記蒸着チャンバ内に載置するための載置設備をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記載置手段が、前記光ファイバ・コイルの外表面の最大量を前記蒸着チャンバ内の環境に曝すことができるように、構成され配置された載置設備をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記真空ポンプが、前記チャンバ内の空気圧を周辺空気圧力より低い、最適な真空蒸着圧力である所定の値に減圧させる、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記蒸気発生器が、前記無孔材料が蒸気の形態に昇華するまで、所定量の前記無孔材料を加熱する、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記無孔材料がパリレンを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記光ファイバ・コイルが、周辺圧力より低い空気圧力値で蒸気形態の無孔材料に取り囲まれて、所定時間チャンバ内に置いたままにされる、請求項17に記載のシステム。
【請求項24】
光ファイバ・コイルを蒸着チャンバ内に、または外に移送するためのアクセス・ハッチ、空気を前記蒸着チャンバ内に、または外に移送するための真空孔、蒸着材料を前記蒸着チャンバ内に、または外に移送するための投入口を有する前記蒸着チャンバ、および前記光ファイバ・コイルを前記蒸着チャンバ内に載置するための載置設備とを有し、前記載置設備は、前記光ファイバ・コイルの外表面の最大量を前記蒸着チャンバ内の環境に曝すことができるように構成され配置される、蒸着チャンバと、
前記チャンバ内の空気圧力を前記チャンバの外側の周辺圧力より低い、最適真空蒸着圧力である所定の値に減圧させるように、空気を前記蒸着チャンバから外へポンプ輸送するための、前記真空孔に取り付けられた真空ポンプと、
パリレン蒸気を前記チャンバ内に導入するために投入口に取り付けられた蒸気発生器とを備え、前記パリレン蒸気は、光ファイバ・コイルと接触して固体状態の形態に変化し、光ファイバ・コイル上に絶縁保護被覆を形成し、
前記光ファイバ・コイルが、周辺圧力より低い空気圧力値で蒸気形態のパリレンに取り囲まれて、所定時間前記チャンバ内に置いたままにされる、光ファイバ・コイルに湿分遮断シールを施すシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−502452(P2006−502452A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566898(P2004−566898)
【出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/025609
【国際公開番号】WO2004/066009
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(503010896)ノースロップ グラマン コーポレーション (7)
【Fターム(参考)】