説明

光ファイバ監視装置

【課題】必要十分な機能を備えた小型で安価な光ファイバ監視装置を提供する。
【解決手段】指示に従って光ファイバ60に接続されている分岐ポート34と共通ポート33とを接続して測定処理を実行して初期測定情報を生成し、分岐ポートをスケジュールに従って順次共通ポートに接続して測定処理を実行して監視測定情報を生成し、初期測定情報と監視測定情報と所定の判定基準とに基づいて異常を検出した場合、異常が発生した分岐ポートに対応する表示器53を他の表示器とは異なる所定の点灯状態に変化させ、異常発生の旨を記載した電子メールを所定のメールアドレスに宛てて送信するとともに、所定のネットワークを介して接続した管理装置から、特定の分岐ポートについての監視測定情報の要求が送信されてくると、該当する測定情報を返送する光ファイバ監視装置1としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、光通信網を構成する光ファイバの異常を監視する光ファイバ監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ監視装置は、光伝送路を形成する光ファイバ上の異常の有無を監視するための装置であり、例えば、光通信網におけるノードなどに設置される。光ファイバにおける断線などを検出するための方法としては、OTDR法がよく知られている。OTDR法は、光ファイバに向けて光パルスを出力した際、その光パルスの一部が出力端側に戻ってくる後方散乱現象を利用し、光パルスを出力してから、それが戻ってくるまでの遅延時間や、戻ってきた光パルスを受光したときの強度などに基づいて、光ファイバの全長に亘る光パルスの受光強度を測定する。そして、その測定結果から、光ファイバの延長方向の損失を解析したり、光ファイバの途上にある光コネクタなどの接続点などの位置を特定したり、光ファイバの長さを算出したりすることができる。例えば、光ファイバの途上に曲げなどの異常があれば、その異常点における損失によって、当該異常点以遠にて後方散乱する光パルスの強度が低下する。光ファイバが切断していれば、その切断点以遠からの光パルスは戻ってこない。
【0003】
そして、光ファイバ監視装置は、このOTDR法などを用いて光ファイバの状態を所定のスケジュールに従って測定し、異常があれば、その旨を報知する。一般的な光ファイバ監視装置は、複数本の光ファイバと接続し、その複数本の光ファイバから1本の光ファイバを、所定のスケジュールに従って選択するためのファイバセレクタ機能と、選択された光ファイバに対してOTDR法を用いて測定し、光パルスの受光強度に応じた信号を出力する測定機能と、ユーザインタフェースを備えてファイバセレクタ機能や測定機能を制御するための管理機能とを備えている。管理機能は、例えば、専用のプログラムが実装されたコンピュータにより実現され、ファイバセレクタ機能と測定機能は、このコンピュータ(解析装置)とは別体の装置の形態で提供される。すなわち、光ファイバ監視装置は、互いに通信可能に接続された管理装置と別体の装置(測定装置)とで構成される。解析装置は、測定装置を制御するとともに、測定装置から送信されてくる受光強度に応じた上記信号をOTDR法に基づいて演算処理することで、光ファイバの延長方向における状態を画像化する。例えば、光ファイバ上における接続点などの各位置との関係を画像にしたり、その画像の生成起源となった測定結果の情報を用いて光ファイバの異常やその異常箇所を検出したりする。
【0004】
図18は、OTDR法に基づいて光ファイバを測定したときの距離と受光強度の関係を示す図であり、測定装置を起点とした延長方向の距離と光パルスの受信強度との関係をグラフ200にして示した。この図では、正常時のグラフ曲線201と異常時のグラフ曲線202が示されている。このグラフ200に示すように、測定対象となる光ファイバは、コネクタなどを介した接続点203において、光パルスの強度が不連続となる。解析装置では、図中に示したグラフ曲線(201,202)の生成起源となる情報を用いて異常の有無を検出する。解析装置は、定期的な測定に先立って正常時のグラフ曲線201の描出起源となったデータを初期測定情報として記憶するとともに、測定機会ごとにその初期測定情報と測定結果とを比較し、異常の有無を検出する。例えば、正常時における接続点前後での受光強度の差を記憶しておき、ある測定機会において、その差が所定値以上であれば異常と判定する。また、解析装置は、監視装置や光ファイバの保守・点検担当者などの電子メールアドレスを記憶し、その電子メールアドレスに宛てて異常が発生した旨を記載した電子メールを作成して送信する処理なども実行する。なお、OTDR法による測定技術については、以下の非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】菊池 拓男・西沢 紘一著、「光通信時代を支えるFTTH施工技術」、株式会社オプトロニクス社、平成20年12月22日、第3版第1刷発行、P192〜P209
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の光ファイバ監視装置は、極めて複雑な機能を備えている。特に解析装置は、測定装置を制御する機能、光ファイバの状態を可視化する処理、光ファイバの状態を解析して異常箇所を検出する処理、異常を報知する処理などを含んでいる。異常箇所の検出処理では、光ファイバの延長途上に存在する接続点ごとに異常の有無を検出し、報知機能では、その異常の有無に加えて異常箇所を報知していた。したがって、従来の光ファイバ監視装置では、高価なプログラムを実装した解析装置を必要としていた。また、接続点ごとに異常を検出するために、画像化された初期測定情報に基づいて、光ファイバ上の各接続点の位置を登録する煩雑な初期設定作業を要していた。しかも、測定対象となる光ファイバを追加したり、接続し直したりするごとに、その初期設定作業を繰り返さなければならず、初期設定作業に多くの時間がかかり、試験の実施自体のコストも増加することになる。結果的に、光ファイバ監視装置を安価に提供することが困難となっていた。また、監視装置には、解析装置が含まれているため、装置の小型化も困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、必要十分な機能を備えつつ、光ファイバ監視装置を可能な限り安価に提供し、かつ容易に小型化できるようにすることを目的としている。そして、本発明の主たる発明は、制御部、測定部、ファイバセレクタ部、表示部、通信部、および記憶部を備え、
前記測定部は、光パルスを入出力する入出力ポートと、所定の光パルスを前記入出力ポートに向けて出力する光パルス出力部と、前記入出力ポートを介して光パルスを受光するとともに、受光強度信号を制御部に向けて出力する光パルス入力部とを含み、
前記ファイバセレクタ部は、複数本の光ファイバのそれぞれに接続される複数の分岐ポートと、前記測定部の前記入出力ポートと光路で接続されている共通ポートと、前記複数の分岐ポートの一つと前記共通ポートとを光路で接続する光路接続機構とを含み、
前記表示部は、前記複数の分岐ポートのそれぞれに対応する複数の表示器と、各表示器の点灯状態を変化させるための表示制御部とを含み、
前記通信部は、通信ネットワークを介して管理装置を含む他の情報処理装置と通信し、
前記記憶部は、電子メールアドレスと、監視条件情報と、測定情報と、異常判定情報と、異常発生情報とを記憶し、
前記監視条件情報は、監視対象の光ファイバに接続される分岐ポートの指定と、当該指定の分岐ポート毎の測定スケジュールとを含み、
前記測定情報は、前記分岐ポート毎の距離と受信強度との対応関係を含み、
前記異常判定情報は、一つの特定の距離と受信強度についての一つの特定の基準値との組み合わせと、分岐ポートとの対応付けを含み、
前記異常発生情報は、分岐ポートと異常発生の旨との対応付けを含み、
前記制御部は、条件記憶処理と、測定情報生成処理と、初期測定処理と、監視処理と、異常判定処理と、異常報知処理と、情報返送処理とを実行し、
前記条件記憶処理では、前記管理装置から送信されてくる前記電子メールアドレスと、前記監視条件情報と、前記異常判定情報とを前記通信部を介して受信するとともに、当該受信した情報を前記記憶部に記憶し、
前記測定情報生成処理では、前記ファイバセレクタ部に特定の分岐ポートと共通ポートとを接続させた上で、前記測定部に前記光パルスを出力させるとともに、当該測定部からの受信強度信号を入力することで、当該分岐ポートについての前記測定情報を生成して前記記憶部に記憶し、
前記初期測定処理では、分岐ポートの指定と初期測定の実行指示を含む情報が入力されると、前記測定情報生成処理により、当該指定の分岐ポートについての前記測定情報を生成し、当該測定情報を初期測定情報として生成して前記記憶部に記憶し、
前記監視処理では、前記測定スケジュールに従って前記測定情報生成処理を実行することで、前記分岐ポートを順次選択して前記共通ポートに接続させるとともに、選択中の分岐ポートについての前記測定情報を生成し、当該測定情報を監視測定情報として前記記憶部に記憶し、
前記異常判定処理では、前記監視処理により、ある分岐ポートについての前記監視測定情報を生成すると、当該分岐ポートについての前記異常判定情報、前記初期測定情報、および当該生成した監視測定情報に基づいて異常の有無を判定し、異常があれば当該分岐ポートについての異常発生情報を生成して前記記憶部に記憶し、
前記異常報知処理では、ある分岐ポートについて前記異常発生情報を生成した場合、前記表示部に当該分岐ポートに対応する表示器を他の表示器とは異なる所定の点灯状態に変化させるとともに、前記通信部を介して当該異常発生情報の内容を記載した電子メールを所定の電子メールアドレスに宛てて送信し、
前記情報返送処理では、前記管理装置が、前記通信部を介して特定の情報の返送指示を送信してくると、該当する情報を前記記憶部から読み出して当該管理装置に返送する、
ことを特徴とする光ファイバ監視装置となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光ファイバ監視装置によれば、必要十分な機能を備えつつ、可能な限り安価に提供することが可能となる。また、装置の小型化も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である光ファイバ監視装置の外観図である。
【図2】上記光ファイバ監視装置の機能ブロック図である。
【図3】上記光ファイバ監視装置における監視動作に関わる処理の流れを示す図である。
【図4】上記処理の流れの一部を詳細に示した図である。
【図5】上記光ファイバ監視装置におけるWebサーバ機能によってブラウザに表示されるログインページの概略図である。
【図6】上記ブラウザに表示される状態確認ページの概略図である。
【図7】上記ブラウザに表示される監視条件設定ページの概略図である。
【図8】上記ブラウザに表示されるポート設定ページの概略図である。
【図9】監視対象の分岐ポートが設定されているときの上記状態確認ページの概略図である。
【図10】上記ブラウザに表示される初期測定情報ページの概略図である。
【図11】異常判別距離が入力された状態にある上記ポート設定ページの概略図である。
【図12】上記ブラウザに表示されるネットワーク設定ページの概略図である。
【図13】上記ブラウザに表示されるユーザ情報設定ページの概略図である。
【図14】上記ブラウザに表示されるメールアドレス設定ページの概略図である。
【図15】異常発生時における上記状態確認ページの概略図である。
【図16】上記ブラウザに表示される測定結果ページの概略図である。
【図17】上記ブラウザに表示される監視測定情報ページの概略図である。
【図18】OTDR法に基づく光ファイバの測定方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
===本発明の実施形態===
本発明の実施形態に係る光ファイバ監視装置によれば、必要十分な機能を備えつつ、可能な限り安価に提供することが期待できる。もちろん、機能を絞り込んだだけで、使い勝手、すなわちユーザインタフェース環境が劣悪となってしまえば、光ファイバ監視装置を用いて光ファイバの保守や点検を行うためのコストが増加することになる。そこで、本発明の実施形態に係る光ファイバ監視装置は、保守・点検作業を容易にするための機能や構成も備えている。そして、本発明の実施形態に係る光ファイバ監視装置は、上記主たる発明における特徴の他に、以下の特徴を備えている。
【0011】
前記制御部は、前記表示部を制御して、前記監視対象の光ファイバに接続されている前記分岐ポートに対応する表示器と、それ以外の表示器とを異なる点灯状態にさせること。
【0012】
前記制御部は、前記表示部を制御し、前記監視対象の光ファイバに接続されている前記分岐ポートに対応する表示器のうち、前記測定情報生成処理の実行中に前記ファイバセレクタ部により選択されている分岐ポートに対応する表示器と、それ以外の表示器とを異なる点灯状態にさせること。
【0013】
前記記憶部は、Webページとして、前記初期測定情報と監視測定情報のそれぞれを表現する2本のグラフ曲線の画像を含む監視測定情報ページと、前記複数の表示器を模した複数の表示器画像を含む状態確認ページを記憶し、
前記制御部は、Webサーバ機能を備え、前記複数の表示器の点灯状態を前記状態確認ページにおける前記表示器画像に反映させて当該状態確認ページを更新する処理と、新規に生成した前記測定情報を前記監視測定情報ページにおける前記監視測定情報を表現するグラフ曲線の曲線に反映させて当該監視測定情報ページを更新する処理とを実行し、
前記情報返送処理では、前記管理装置におけるブラウザ機能によって特定のWebページの返送要求が送信されてくると、該当するWebページを返送すること。
【0014】
前記制御部は、状態確認ページに含まれる前記表示器画像について、前記異常報知処理により所定の点灯状態に変化させた前記表示器に対応する表示器画像に、当該表示器に対応する分岐ポートについての前記監視測定情報ページへのリンクを設定すること。
【0015】
前記制御部は、前記Webページとして、前記分岐ポート毎の初期測定情報ページを生成して前記記憶部に記憶する処理を実行し、
ある分岐ポートについての前記初期測定情報ページには、当該分岐ポートについての前記初期測定情報を表現したグラフ曲線を含まれているとともに、前記管理装置が前記ブラウザ機能により前記初期測定情報ページを解釈した際、当該管理装置に、前記グラフ曲線に沿って移動するカーソルを描出させる機能と、当該カーソルの位置を距離の情報に変換させる機能と、当該変換させた距離の情報と当該分岐ポートとを指定する情報とを前記異常判定情報として送信させる機能とが含まれていること。
【0016】
===光ファイバ監視装置の構成==
図1に、本発明の一実施形態に係る光ファイバ監視装置(以下、監視装置)1の外観図を示した。上下に扁平な箱形の筐体2内にファイバセレクタ機能と光ファイバの状態を測定する機能に関わる構成が収納されている。筐体2の外側前面(前面パネル)3には、複数の光ファイバのそれぞれの終端に設けられる適宜な形式の光コネクタと接続される光アダプタ32が配設されている。ここに示した例では、15本の光ファイバを接続することができるように15系統の光アダプタが配設されている。なお、監視装置は、例えば、複数本の光ファイバを束ねた光ファイバケーブルの異常を発見する用途などに供される。監視装置には、光ファイバケーブルに含まれる複数本の光ケーブルの内、実際に通信に供されていない光ファイバ(いわゆるダークファイバ)を接続する。そして、その接続した光ファイバに異常があれば、通信に供されている光ファイバにも異常が発生している可能性が高いと判定できる。
【0017】
また、前面パネル3には、15系統の光アダプタ32に対応して15個の表示器であるLED(以下、監視用LED53)が配設されている。前面パネルに3は、さらに、パーソナルコンピュータなどの外部の情報処理装置、あるいは周辺機器と接続するための各種通信用ポート(42〜44)を備えている。本実施例では、2系統のLANポート42と、1系統ずつのUSB規格のコネクタ(USB端子)43とRS232C規格のコネクタ(RS232Cコネクタ)44を備えている。また、前面パネル3には、電源スイッチを含む各種操作ボタン55や電源ソケット4、監視装置1の動作状態を示すためのLEDなどの表示灯(状態表示ランプ)54なども配設されている。なお、設置状態にある監視装置1では、2系統のLANポート42のうちの一系統が常時インターネットに接続されているものとする。
【0018】
図2は、監視装置1の機能ブロック構成を示している。当該監視装置1は、制御部10、通信部40、測定部20、ファイバセレクタ部30、入出力部50を機能ブロックとして含んでいる。
【0019】
制御部10は、CPU11、RAM12、ROM13を含んで構成されるマイクロコンピュータである。そして、RAM12やROM13などの主記憶部とは別に、読み書き可能な記憶部としてフラッシュメモリ14も備えて、他の機能ブロックを制御する。通信部40は、各種ポート(42〜44)と通信制御部41と含み、通信制御部41は、外部の情報処理装置と制御部10とのデータ通信を仲介する。本実施形態において、情報処理装置は、LANポート42、あるいはRS232Cコネクタ44のいずれかの通信ポートを介して通信することとしている。USB端子43には、例えば、メモリカードリーダなどの周辺機器が接続される。そしてUSB端子43は、メモリカードを用いてファームウエアをアップデートする用途などに供される。
【0020】
入出力部50は、操作ボタン55による利用者入力を受け付けたり、監視用LED53や状態表示ランプ54の点灯状態によって利用者に向けて情報を出力したりする機能ブロックであり、操作制御部52は、操作ボタン55が押下されたときに発生する信号を所定形式のデータに変換して制御部10に入力する。また、表示制御部51は、制御部10からのデータに従って監視用LED53や状態表示ランプ54を駆動し、その点灯状態を変化させる。なお、監視用LED53は、1個で赤と緑の二色を切り替えて点灯可能であり、表示制御部51は、各監視用LED53を点灯、消灯、点滅のいずれかの点灯状態となるように駆動する。
【0021】
測定部20は、OTDR法に基づいて光アダプタ32に接続される光ファイバ60の状態を測定する機能ブロックであり、光パルスの入力と出力とを兼用する光ポート(入出力ポート)24と、その入出力ポート24を介して光パルスの入出力を行うための光カプラ23と、光パルス出力部21と、光パルス入力部22とを備えている。光パルス出力部21は、レーザダイオードやそのレーザダイオードを制御部10からの制御信号に従って駆動するためのレーザ発振回路を含み、所定のパルス幅や強度の光パルスを光カプラ23を介して入出力ポート24より出射する。光パルス入力部22は、後方散乱により戻ってきた光パルスを光カプラ23を介して入力する。そして、その入力した光パルスを受光するための受光素子、受光素子が受光強度に応じて出力するアナログ信号をサンプリングしてデジタルデータ(受光強度信号)に変換するためのADコンバータなど含んでいる。
【0022】
ファイバセレクタ部30は、光スイッチ31を主体にして構成されている。光スイッチ31は、測定部20における入出力ポート24と光路で接続されている1個の光ポート(共通ポート)33と、複数の光アダプタ32のそれぞれと筐体2の内部で光路で接続されている複数個の光ポート(分岐ポート)34とを備え、モータ35を用いた光路接続機構37により、複数個の分岐ポート34のいずれかと共通ポート33とを内部光路で接続する。当該実施形態では、15個の分岐ポート34を備えた1×15光スイッチとなっている。そして、モータ35とモータドライバ36により、分岐ポート34と共通ポート33との光路接続状態を切り替えるための光路接続機構37が構成されている。モータドライバ36は、制御部10から分岐ポート34の指定情報を含んだ制御信号を入力すると、指定の分岐ポート34と共通ポート33とが光路で接続されるようにモータ35を駆動する。
【0023】
===監視装置の動作===
以下では、本発明の実施例として、図1や図2に示した構造や構成を備えた監視装置1の動作や運用形態などを挙げる。監視装置1の動作は、光アダプタ32に接続される光ファイバ60を所定の条件に従って測定することを基本とし、概略的には、フラッシュメモリ14に、その測定条件に関わる初期設定情報を記憶させておき、制御部10は、この初期設定情報に従って測定部20とファイバセレクタ部30とを制御し、測定対象の光ファイバ60に対する測定結果(測定情報)をフラッシュメモリ14に記憶する。また、測定情報を初期設定情報に含まれる異常の判定条件(異常判定情報)と比較し、異常があればその旨を報知する。
【0024】
本実施例における監視装置1では、LANポート42やRS232Cコネクタ44を介して接続されている外部の情報処理装置から送信されてくる初期設定情報を記憶することとしている。この情報処理装置としては、ノートブック型のパーソナルコンピュータなどを想定している。そして、この情報処理装置(管理装置)には、所定のプロトコルに従って監視装置の制御部と通信し、フラッシュメモリ14内の記憶情報を読み込んだり、フラッシュメモリ14に各種情報を書き込んだりするためのプログラム(管理プログラム)が実装されているものとする。すなわち、本実施形態における監視装置1の構成には、上述した一般的な監視装置における解析装置が含まれておらず、監視装置1自体に解析装置の一部の機能が実装されて、解析装置がなくても自立して監視動作を行えるようになっている。そして管理装置は、主に、監視装置1のユーザインタフェースとして機能する。
【0025】
図3に、監視装置1の動作に伴う制御部10の処理の流れ図を示した。まず、初期設定情報を記憶する処理を実行する(s1)。初期設定情報には、例えば、監視対象となる光ファイバ60が接続されている分岐ポート(監視対象の分岐ポート)34の指定、監視対象の分岐ポート34毎の測定スケジュールなどを含む監視条件情報、異常の有無を判定する際の基準など記述した異常判定情報がある。また、各分岐ポート34についての名称なども初期設定情報として記憶する。なお、本実施例では、特定の分岐ポート34を指定するために、各分岐ポート34にポート番号が割り当てられており、制御部10は、そのポート番号によって各分岐ポート34を識別している。そして、以下では、特に断り書きがない限り、分岐ポート34は監視対象の分岐ポート34であるものとする。
【0026】
制御部10は、初期設定情報をLANポート42やRS232Cコネクタ44などの適宜な通信ポートに接続された管理装置より取得する。管理装置は、初期設定情報を指定するための利用者入力を受け付けると、その初期設定情報を監視装置1に向けて送信する。制御部10は、管理装置から送信されてきた初期設定情報をフラッシュメモリ14に書き込む。
【0027】
ところで、異常判定情報については、実際に接続されている光ファイバ60が正常な状態にあるときの測定情報を基準として異常の有無を判断する必要があることから、実際に監視動作に移行する前に、その正常な状態における光ファイバに対して測定を行って、その正常時の測定情報(初期測定情報)を記憶する初期測定情報取得処理が必要となる。制御部10は、管理装置から、分岐ポート34のいずれかの指定と初期測定情報の取得指示とを通信制御部41を介して受信すると、ファイバセレクタ部30を制御して指定された分岐ポート34を選択して共通ポート33に接続させるとともに測定部20を制御して光パルスを出力させる。そして、後方散乱により戻ってきた光パルスの受光強度信号を測定部20より入力し、距離と受光強度との関係を記述した測定情報を選択中の分岐ポート34についての初期測定情報としてフラッシュメモリ14に記憶する。この一連の処理を全ての監視対象の分岐ポート34について行う。
【0028】
監視装置1の保守・点検などを担当する利用者(担当者)は、分岐ポート34についての初期測定情報を記憶させたならば、管理装置を操作し、分岐ポート34のそれぞれについて、異常の判定条件を設定する。すなわち、異常判定情報をフラッシュメモリ14に記憶させる。本実施例では、分岐ポート34のそれぞれに接続されている光ファイバ60の延長途上における任意の位置を異常判定点とし、初期測定情報における異常判定点での受光強度に対し、監視中に随時生成される測定情報(監視測定情報)における異常判定点での受光強度が所定値以上低下した場合をもって異常と判定することとしている。この所定値(基準値)については、各分岐ポート34に一律に設定してもよいし、分岐ポート34毎に個別に設定してもよい。しかし、異常判定点については、監視対象の光ファイバ60の長さが全て同じであるとは限らないため、分岐ポート34毎に個別に設定することとしている。
【0029】
なお、異常判定点は、光ファイバ60の終端、すなわち、監視装置1に対して反対側の端部であることが望ましい。これは、光ファイバ60の延長途上のどこに異常があっても、終端であれば、必ずその異常による受光強度の低下を検出することができるからである。そして、異常判定点は、監視装置1側を起点として、その起点から当該異常判定点までの距離によって特定することができる。したがって、異常判定情報には、分岐ポート34毎に、一つの特定の距離と受光強度についての一つの特定の基準値との組み合わせが含まれていればよい。管理装置は、利用者入力により設定された分岐ポート34毎の異常判定点までの距離や基準値を監視装置1に送信し、制御部10は、これを異常判定情報としてフラッシュメモリ14に記憶する。
【0030】
制御部10は、管理装置からの監視開始の指示、あるいは所定の操作ボタンに対する押下操作を受け付けると、監視条件情報に従って分岐ポート34に接続されている光ファイバ60の監視を開始する(s2→s3)。図4に当該監視動作に関わる処理(s3)の詳細を流れ図にして示した。まず、監視動作を開始すると、表示制御部51を制御し、監視対象の分岐ポート34に対応する監視用LED53を所定の点灯状態にとなるように点灯させる。本実施例では、該当する監視用LED53を緑色に点灯させ(s21)、監視対象外の分岐ポート34に対応する監視用LED53を消灯状態にする。
【0031】
そして、初期設定情報の監視条件情報に含まれているスケジュールに従って分岐ポート34を順次選択して共通ポートに接続し(s22)、測定部20により、その選択した分岐ポート34に接続されている光ファイバ60に対して測定を行う(s23)。また、分岐ポート34のうち、測定中の光ファイバに接続されている分岐ポート(測定対象ポート)34については、対応する監視用LED53を緑色の点滅状態にする(s24)。そして、その測定対象ポートについての測定情報(監視測定情報)を生成してフラッシュメモリ14に記憶していく。なお、本実施例では、一つの分岐ポート34について100回の測定機会分の監視測定情報を記憶することが可能であり、101回目の測定機会以降は、古い監視測定情報から順に上書きしていく。
【0032】
制御部10は、測定機会ごとに生成した監視測定情報を該当の分岐ポート34についての初期測定情報と比較し、その比較結果を異常判定情報に照会する。そして、異常であると判定した場合には、異常の旨を当該分岐ポート34に対応付けして異常発生情報を生成し、フラッシュメモリ14に記憶するとともに、その異常発生の旨を報知する処理を実行する(s4→s5→s6)。
【0033】
具体的には、測定対象ファイバにおいて異常があると、対応する監視用LED53を赤色の点滅状態にする。測定後は、異常が発生した光ファイバに対応する監視用LED53を赤色の点灯状態にする(s27)。それによって、異常のある光ファイバ60がどの分岐ポート34に接続されているのかが一瞥して確認できるようにしている。さらに、制御部10のROM13には電子メール送信プログラムが実装されており、制御部10は、異常発生情報を生成すると、フラッシュメモリ14に記憶されている電子メールアドレスを宛先とするとともに、本文や件名などに異常発生情報の旨や、発生した異常の内容などを記載した電子メールを作成する。電子メールに記載する内容は、例えば、異常発生の旨の定型メッセージに、異常が発生した監視装置1の識別番号、異常発生日時、異常が発生した光ファイバ60に対応する分岐ポート34のポート番号や名称などを付記したものである。そして、その作成した電子メールをLANポート42を介してインターネット上に送出する(s28)。このようにして、監視動作(s3)から異常発生報知(s6)までの処理を繰り返す(s7→s3)。そして、管理装置から試験終了の指示情報が送信されてきたり、監視装置1における所定の操作ボタン55を押下されたりするなどして、試験終了の指示を受け付けたならば、監視動作を終了させる(s7→終わり)。
【0034】
===異常解析===
監視装置1の前面パネル3に配設されている監視用LED53の点灯状態により異常を確認したり、異常発生の旨の電子メールを受け取ったりした担当者は、異常のある光ファイバ60を正常な状態に復旧させるために所定の作業を行う。そして、その復旧作業を確実に行うためには、異常の内容を詳しく解析することが必要となる。以下では、その異常解析作業の内容について、一例を挙げて説明する。まず、異常の発生を確認した担当者は、自身の管理装置を監視装置1に接続し、管理プログラムを起動する。そして、管理装置を操作して、監視装置1のフラッシュメモリ14に記憶されている分岐ポート34毎の初期測定情報、監視測定情報、および異常発生情報を転送させるとともに、これらの転送情報を管理装置のディスプレイに表示させる。
【0035】
例えば、管理装置にて、異常が発生した光ファイバ60に対応する分岐ポート34と、その分岐ポート34において、異常発生情報が対応付けされている監視測定情報を指定する。監視装置1は、その指定情報を受信すると、該当の監視測定情報を管理装置に転送する。担当者は、管理装置を操作し、当該監視測定情報を図18に示したようなグラフ200として表示させる。このグラフ200には、初期測定情報に対応するグラフ曲線201と異常発生時の監視測定情報に対応するグラフ曲線202の双方が含まれている。そして、担当者は、グラフ化された測定情報(201,202)を見て、異常発生位置やその異常の内容を確認する。図示した例では、監視装置1側から見て最初の接続点203以遠からの受光強度が低下している。また、初期測定情報の曲線201と監視測定情報の曲線202は、ほぼ同じ形状であり、断線ではなく、曲げなどの原因による損失を疑うことができる。担当者は、このようにして、異常発生位置を確認し、異常の内容を推測することで、速やかに以後の復旧作業に移行することができる。
【0036】
すなわち、本実施例における監視装置1の運用形態では、スケジュールに基づいて光ファイバ60を監視し、異常があればその旨を報知する、という必用最小限の動作のみを監視装置1で行わせ、異常位置の特定や異常内容の判定など、高度な作業は人間が行うこととしている。そして、本実施形態に係る監視装置1の特徴は、高度な情報処理や複雑な構成を伴わずに、人間側の高度な作業を迅速かつ快適に支援できる情報を生成する点、および複雑で高価な表示装置を備えることなく、監視用LED53の表示状態だけで、人間が光ファイバ60の測定状態や測定結果が一瞥して認識できるようにした点にある。そして、これらの特徴を備えた監視装置1は、装置自体の製造コストを極めて安価にすることができるとともに、保守・点検作業に係るコストも低減させることが期待できる。また、異常解析時以外は、管理装置が不要であり、監視装置自体を設置するためのスペースを節約することができる。
【0037】
===Webサーバ機能===
本実施形態における監視装置1は、複雑なユーザインタフェースを備えておらず、初期設定情報などの設定作業や測定結果の詳細を確認するための作業など、高度な作業については管理装置にて行う。すなわち、管理装置は、監視装置1のユーザインタフェースとして機能する。そして、監視装置1は、人間側の高度な作業を迅速かつ快適に支援できる情報を生成する点に特徴を有している。しかも、監視装置1は、その情報の加工方法にも特徴を有して、管理装置が当該情報を可視化する際の処理負荷を軽減できるようになっている。
【0038】
具体的には、ROM13やフラッシュメモリ14などの適宜な記憶部には、各種CGIを含むWebサーバプログラムが実装されており、当該記憶部には、Webサーバプログラムに加え、Webページの生成起源となるHTML文書、Webページ中に挿入される画像の生成起源となる画像データ、アカウントやパスワードなどの認証情報なども記憶されている。また、HTML文書、画像データ、CGIなどのWebサーバプログラムによって読み出されるプログラムやスクリプトには、所定のURLが対応付けされており、制御部10をWebサーバとしたWebサイト(管理サイト)が構築されている。そして、制御部10は、アクセスしてきたブラウザから送信されてきた情報をフラッシュメモリ14に書き込んだり、ROM13やフラッシュメモリ14に記憶されている情報をWebページ内に転記したり、これら記憶情報を処理して各種画像データを生成して画像化したりしてWebページの内容を動的に更新していく。したがって、管理装置に実装されている管理プログラムは、パーソナルコンピュータに標準で実装されているブラウザであり、そのブラウザが管理サイト内の各種Webページを介して初期設定情報を含む各種情報を制御部に向けて送信したり、画像化されたフラッシュメモリ内の情報をWebページにより可視化したりする。以下では、監視装置1におけるWebサーバ機能に基づいて、監視装置1のユーザインタフェース環境などを説明する。
【0039】
<管理サイトへのアクセス>
管理装置を監視装置1に接続する機会は、概ね、初期設定情報を記憶させるとき、監視動作を開始させるとき、異常の報知を受け取ってその異常の内容を確認するとき、の3度である。しかし、いずれの機会においても、まず、管理装置にてブラウザを起動し、そのブラウザを管理サイトにアクセスさせる操作を行う。なお、以下では、管理装置において、監視装置1とHTTP通信したりWebページを表示したりするための機能や構成を「ブラウザ」、制御部10において、ブラウザとHTTP通信したりWebページの内容を書き換えたりする機能や構成を「Webサーバ」として説明する。
【0040】
Webサーバには所定のIPアドレスが割り当てられている。また、Webサーバは、認証手続きを経たブラウザのみ管理サイトへのアクセスを許可している。そしてWebサーバは、自身に割り当てられたIPアドレスをURLとしたHTTPリクエストをブラウザから受け取ると、図5に示したような、認証手続きを行うためのWebページ(ログインページ)100を返送する。
【0041】
当該ログインページ100には、認証情報を入力するためのテキストボックス(101,102)とその入力したテキストを所定のCGIに向けて送信するためのログインボタン103とが配設されている。担当者は、ブラウザを操作し、このログインページ100のテキストボックス(101,102)に自身のアカウントやパスワードを入力してログインボタン103をマウスでクリックするなどして指示する。そして、前記CGIは、ブラウザから送信されてきたアカウントとパスワードからなる認証情報がフラッシュメモリ14に記憶されている認証情報に一致したならば、管理サイトへのアクセスを許可する。
【0042】
<初期設定>
次に、ブラウザが管理サイトのWebページを介して初期設定情報を監視装置に設定させる手順について説明する。図6〜図14に、当該手順においてブラウザに表示されるWebページの遷移状態を例示した。Webサーバは、CGIによってブラウザが認証されると、当該ブラウザを管理サイトにログインさせ、図6に示したWebページを返送する。このWebページ(状態確認ページ)110には、監視装置1の前面パネル3の一部を模した画像111が含まれている。この例では、前面パネル3に配設されている監視用LED53や状態表示ランプ54、LANポート42、操作ボタン55などに対応する画像(112〜117)が含まれている。監視用LED53を模した画像(LED画像)112の表示状態は、監視装置1の監視用LED53の点灯状態がそのまま反映される。ここでは、監視対象の分岐ポート34が指定される前の状態を示しており、全てのLED画像112が消灯状態(図中、黒塗りつぶし)となっている。
【0043】
ここで、担当者は、監視対象の分岐ポート34を指定するとともに、監視対象の分岐ポート34毎に個別に監視スケジュール、および異常を判定する際の基準値などを設定する。まず、状態確認ページ110に設定されている適宜なリンクを指示し、図7に示したWebページ120を取り寄せて表示させる。このWebページ(監視条件設定ページ)120には、監視スケジュールを設定するためのリストダウンボックス(121〜123)や、異常の判定基準を設定するためのテキストボックス(124〜126)などが含まれている。この例では、監視スケジュールは、毎月、毎週、毎日の夫々について個別に設定することができ、図示した例では、毎月12日の12時00分を測定機会としたスケジュール、毎週火曜日の6時30分を測定機会としたスケジュール、および毎日00時00分を測定機会としたスケジュールが設定されている。また、「断線」と記載されたテキストボックス124は、異常の判定基準として、異常判定点における初期測定情報の受信強度と監視測定情報の受信強度との差分を入力するためのものである。また、監視測定情報における受信強度は、常に一定であるとは限らないため、当該受信強度が初期測定情報に対して異常の判定基準となる差分以上となった後に、再度差分以下に復旧する場合も考慮し、その復旧したと判断するための差分値を「復旧」と記載されたテキストボックス125に入力することができるようになっている。例えば、ある測定機会において、初期測定情報と監視測定情報との差分が5dB以上あって、異常が発生したと判断された後、次の測定機会でその差分が2.5dB以下になっていれば、復旧したものと判断する。このようにして、監視スケジュールや異常の判定基準値などをブラウザにて入力すると、それらの数値がWebサーバに送信され、初期設定情報の一部として記憶される。
【0044】
つぎに、担当者は、監視対象の分岐ポート34を指定するとともに、当該指定した分岐ポート34のスケジュールを設定するために、図8に示したWebページ130をブラウザにより取り寄せる。このWebページ(ポート設定ページ)130には、分岐ポート34をポート番号によって選択するためのリストダウンボックス131と、その選択したポート番号に対する名称を入力するためのテキストボックス132、異常判定点の距離の表示欄133、および選択したポート番号の分岐ポート34について、個別にスケジュールを設定するためのリストダウンボックス134などが含まれている。図示した例では、1番目の分岐ポート34を指定するためのポート番号「1」が選択されており、ポート名称として「P1」が入力されている。なお、異常判定点については、まだ設定されていないので、「0」kmと表示されている。そして、測定スケジュールを設定するためのリストダウンボックス134では、先の監視条件設定ページ120にて設定した毎月、毎週、毎日のいずれかを選択することができる。たとえば、「毎週」を選択すれば、ポート番号1の分岐ポート34については毎週火曜日の6時30分の測定機会において測定されることになる。すなわち、複数の分岐ポート34を同じスケジュールで測定する場合には、ポート番号が若い方から順次測定されることになる。また、監視対象外の分岐ポート34については、「除外」を選択するようになっている。
【0045】
ところで、以上までの設定作業では、異常判定点が設定されていない。そこで、監視対象の分岐ポート34に接続されている光ファイバ60に対して測定を行い、初期測定情報を取得し、その上で、異常判定点を設定する。ここでは、先に示した状態確認ページ110を表示させる。ブラウザにて当該状態確認画面110を呼び出すと、監視対象の分岐ポート34に対応するLED画像112が緑色に着色されて表示される。図9にその状態を示した。当該図では、監視対象の分岐ポート34に対応する緑色のLED画像112を網点で示している。つぎに、分岐ポート34についての初期測定情報を測定させるために、この状態確認画面110における「INIT」ボタン116をマウスクリック操作などにより指示する。制御部10は、Webサーバ機能によってこの指示を受け取ると、全ての監視対象の分岐ポート34を順次選択して共通ポート33に接続させるとともに、選択している分岐ポート34に接続されている光ファイバ60に対してOTDR法に基づく測定を行う。そして、ある分岐ポート34に対する測定が終わると、その分岐ポート34についての初期測定情報を生成して記憶する。
【0046】
以上のようにして、全ての監視対象の分岐ポート34について測定が終了したならば、つぎに、異常判定点を指定する作業に移行する。状態確認ページ110におけるLED画像112のいずれかが指示されると、Webサーバは、指示されたLED画像112に該当する分岐ポート34についての初期測定情報をグラフで表現した画像を生成し、図10に示したような、初期測定情報のグラフ141を含むWebページ(初期測定情報ページ)140を返送する。担当者は、ブラウザを操作し、この初期測定情報ページ140上で、異常判定点を設定する。具体的には、表示されたグラフ141を見ながら、光ファイバの60延長途上の適宜な位置を異常判定点として設定する操作を行う。この例では、マウス操作に伴ってグラフ曲線142上を移動するカーソル143が表示され、適宜なカーソル143位置を、例えば、マウスの左クリック操作などによって指定する。初期測定情報ページ140を記述するHTML文書には、ブラウザにより解釈され、グラフ曲線142に沿って移動するカーソル143の横軸144の位置を距離に変換し、縦軸145の位置を受光強度に変換し、その距離と受光強度とを、所定の表示欄(146,147)に表示するとともに、Webサーバに向けて送信させるための命令文が記述されている。そしてブラウザは、異常判定点を指定する操作に応動し、ポート番号など、このグラフ曲線142に対応する分岐ポート34を示す情報と、カーソル143の位置に対応する距離、および受光強度を示す数値とをWebサーバに送信し、Webサーバは、これらの情報を該当する分岐ポート34についての異常判定情報として記憶する。また、ブラウザは、先のポート設定ページ130における異常判定点の距離の表示欄に記憶した距離を記入し、ポート設定ページ130を更新する。図11に更新後のポート設定ページ130の画面を示した。異常判定点の距離の表示欄133に距離の値が記入されている。
【0047】
初期設定情報には、異常の旨の電子メールの宛先となる電子メールアドレスや認証情報なども含まれる。また、監視装置自体のIPアドレスなど、ネットワークを介した通信に関わる各種条件も初期設定情報として登録する必要がある。図12〜図14にその他の初期設定情報を設定するためのWebページの概略を示した。図12は、ネットワークに関わる条件を設定するためのWebページ(ネットワーク設定ページ)150である。監視装置1は、工場出荷状態では,所定のIPアドレスやサブネットマスク、ゲートウエイのIPアドレス、装置番号や名称などがすでに設定されている。当該ネットワーク設定ページ150では、例えば、同じサブネットマスク範囲に監視装置を2台設置するような場合などに対応してその当初の設定を変更することができる。
【0048】
図13は、担当者についての情報を確認したり設定したりするためのWebページ(ユーザ情報設定ページ)160であり、担当者の識別子となるアカウントと、アカウントに対応する担当者のユーザレベルが記載された一覧表161が表示される。ユーザレベルは、管理装置を用いて監視装置1の設定を変更することを許可された「管理者」や、監視装置1内の情報を閲覧することのみ許可された「参照者」などの権限を指定するための情報である。そして、ユーザ情報設定ページ160には、新規の担当者を設定するための「新規追加」ボタン162、アカウント毎に担当者のレベルや認証情報を変更したりするための「編集」ボタン163、アカウントを削除するための「削除」ボタン164が含まれている。
【0049】
図14は、電子メールアドレスを設定するためのWebページ(メールアドレス設定ページ)170であり、設定済の電子メールアドレスの一覧171と、新規の電子メールアドレスを設定するための「新規追加」ボタンとの入力欄172と、入力した電子メールアドレスを編集したり削除したりするためのボタン(173,174)が含まれている。
【0050】
ブラウザは、これらのWebページ(160,170)にて、各種情報を入力したり編集したりするごとに、その入力後、あるいは編集後の情報がWebサーバに送信され、初期設定情報としてフラッシュメモリ14に記憶される。情報の削除を指示すると、フラッシュメモリ14の該当の情報が消去される。
【0051】
<監視開始指示>
担当者は、初期設定情報を全て設定したならば、ブラウザにより状態確認ページ110を表示させるとともに、この状態確認ページ110中にある「START STOP」ボタン(図6,図9:符号117)を指示して監視装置1に対して監視動作の開始を指示する。あるいは、監視条件設定ページ120における「開始」ボタン(図7:符号127)を指示する。もちろん、監視装置1の前面パネル3に配設されている該当の操作ボタン55を押圧してもよい。制御部10は、これらの操作に基づく指示を受け付けると、分岐ポート34に接続されている光ファイバ60を監視条件情報に従って測定していく。また、監視中は、監視装置1の前面パネル3における所定の状態表示ランプ54を点灯させ、状態確認ページ110にも、その状態表示ランプ54の点灯状態を反映させる。本実施例では、状態確認ページ110における「稼働中(in service)」を示す「INS」と示されたランプを模した画像(図6,図9:符号114)に反映させる。
【0052】
<測定結果レポート>
次に、電子メールや監視装置1の監視用LED53の点灯状態により、異常が発生したことを認知した担当者が、その異常についての詳細をWebページによって確認する作業について説明する。制御部10は、監視測定情報を生成する機会ごとに、その監視測定情報を異常判定情報に基づいて初期測定情報と比較し、異常の有無を判定する。そして、その判定結果を該当の分岐ポート34に対応付けしたレポートを作成して記憶する。判定結果が異常であれば、上記の電子メールを作成してインターネット上に送出する。また、本実施例では、異常発生の旨のレポートを生成した後、上記監視条件設定ページ120にて設定した復旧のための基準値に基づいて、復旧した、と判定した場合には、その旨のレポートも作成し、復旧した旨を報知するための電子メールを作成してインターネット上に送出することとしている。
【0053】
また、所定の記憶部には、レポートを一覧表示するためのWebページ(測定結果ページ)が用意されており、Webサーバは、レポートの作成機会毎にその測定結果ページを更新する。さらに、各分岐ポート34について、最新のレポートを参照し、異常発生の旨の判定結果が対応付けされている場合、状態確認ページ110における該当のLED画像112の着色状態を変えて、当該状態確認ページ110を更新する。
【0054】
担当者が、異常を認知して管理装置を監視装置1に接続し、ブラウザを管理サイトにログインさせ、状態確認ページ110を表示させると、図15に示したように、特定のLED画像112が所定の色に着色されている。図中では、該当するLED画像112に網掛けのハッチングを施した。このようにして管理者は、そのLED画像112に対応する分岐ポート34に接続されている光ファイバ60に異常があったことを再確認する。そして、この状態確認ページからリンクを指示して図16に示した測定結果ページ180を取り寄せて表示させる。この測定結果ページ180には、分岐ポート34を選択するためのリストダウンボックス181があり、担当者は、ブラウザを操作して異常を確認した分岐ポート34をリストダウンボックス181により選択し、その分岐ポート34についてのレポート一覧182を表示させる。レポート一覧182における、個々のレポートには、最近100回の測定機会における順番183、日時184、およびレポートの内容を記載したメッセージ185が含まれている。また、個々のレポートごとに、そのレポートの作成起源となった初期測定情報と監視測定情報を可視化するためのWebベージへのリンクが設定されている「表示」ボタン186もレポート一覧182に含まれている。そして、ブラウザにより、適宜なレポートに対応する「表示」ボタン186を指示すると、図17に示したように、該当するレポートの生成起源となった初期測定情報と監視測定情報をグラフ191にして示したWebページ(監視測定情報ページ)190が表示される。この監視測定情報ページ190には、グラフ191に対応するポート番号192と、該当するレポートの表示欄193と、初期測定情報の曲線194に沿って移動するカーソル195と、そのカーソル位置における距離を表示するためのテキストボックス196,その距離における初期測定情報と監視測定情報の受光強度を表示するためのテキストボックス(197,198)、およびその受光強度の差表示するためのテキストボックス199などが含まれている。
【0055】
また、状態確認ページ110におけるLED画像112を指示すると、該当する分岐ポート34についての最新の監視測定情報ページ190が返送されて表示される。すなわち、管理サイトにログインした時点で表示される状態確認ページ110から直接監視測定情報ページ190を呼び出すことで、担当者は、異常の内容をより迅速に把握することができる。そして担当者は、この監視測定情報ページ190に示されているグラフ191を見て、異常発生位置や異常の内容などを確認し、以後の復旧作業に移行すればよい。
【0056】
なお、本実施例では、担当者が、レポートに基づいて作成された監視測定情報ページ190に加え、異常の確認作業を行っている最中でもその異常が継続しているか否かを確認できるようになっている。すなわち、特定の分岐ポート34に対して手動で測定を行うことができるようになっている。そのために、図7に示した監視条件設定ページ120には、分岐ポート34を選択するためのリストダウンボックス128と、手動による測定を実行させるための指示を受け付ける「開始」ボタン129があり、分岐ポート34を選択した上で、この「開始」ボタン129を指示すると、ブラウザは、ポート番号と測定開始の旨の指示とをWebサーバに向けて送信する。制御部10は、Webサーバ機能により受信したポート番号と測定開始の旨の指示とに従って、ファイバセレクタ部30と測定部20を制御し、測定情報を生成するとともに、Webサーバ機能により、この現時点での測定情報に基づく監視測定情報ページ190を生成しブラウザに返送する。
【0057】
===監視装置の異常について===
監視装置1がOTDR法に基づいて光ファイバ60の状態を測定する際、その光ファイバ60の起点は、筐体2内部の測定部20における入出力ポート24である。したがって、この入出力ポート24から光アダプタ32までの光路の異常についても検出することができる。そして、異常箇所が監視装置1の内外のいずれかであるのかを特定するために、本実施例では、ROM13やフラッシュメモリ14などに入出力ポート24から光アダプタ32までの距離(内部距離)が記憶されている。この内部距離は、監視装置1の設計に依存し、全ての分岐ポート34で一律であってもよいし、分岐ポート34毎に異なっていてもよい。また、実際は監視装置1の外側であっても実質的に監視装置1の内側と見なせる短い距離(例えば、1m)であってもよい。もちろん、初期測定情報ページ140にグラフ曲線142を拡大表示させる機能を含ませておき、拡大されたグラフ曲線142において、監視装置1に最も近い不連続点を光アダプタ32の位置とし、その距離を異常判定点と同様にしてカーソル143によって指定するようにしてもよい。
【0058】
また、上記監視条件設定ページ120には、監視装置1内での異常を判定するための基準値を設定するためのテキストボックス(図7:符号126)が含まれており、制御部10は、この内部距離以下で異常が発生した際には、監視装置1の異常を前面パネル3の所定の動作状態ランプ54を点灯させて報知する。また、状態確認ページ110において、該当の動作状態ランプ54に対応する画像(図6,図9:符号115)に点灯状態を示す色で着色する。また、監視装置1が異常である旨のメッセージを含んだレポートを作成し、電子メールにて監視装置1が異常である旨を報知する。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明は、光通信網を構成する光ファイバの点検用途などに利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 光ファイバ監視装置、2 筐体、3 前面パネル、4 電源コンセント、
10 制御部、11 CPU、14 フラッシュメモリ、20 測定部、
21 光パルス出力部、22 光パルス入力部、24 入出力ポート、
30 ファイバセレクタ部、31 光スイッチ、32 光アダプタ、
33 共通ポート、34 分岐ポート、37 光路接続機構、
40 通信部、41 通信制御部、42 LANポート、
50 入出力部、51 表示制御部、52 操作制御部、
53 監視用LED、54 状態表示ランプ、55 操作ボタン、
60 光ファイバ、100 ログインページ、
110 状態確認ページ、112 LED画像、120 監視条件設定ページ、
130 ポート設定ページ、140 初期測定情報ページ、
150 ネットワーク設定ページ、160 ユーザ情報設定ページ、
170 メールアドレス設定ページ、180 測定結果ページ、
190 監視測定情報ページ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部、測定部、ファイバセレクタ部、表示部、通信部、および記憶部を備え、
前記測定部は、光パルスを入出力する入出力ポートと、所定の光パルスを前記入出力ポートに向けて出力する光パルス出力部と、入出力ポートを介して光パルスを受光するとともに、受光強度信号を制御部に向けて出力する光パルス入力部とを含み、
前記ファイバセレクタ部は、複数本の光ファイバのそれぞれに接続される複数の分岐ポートと、前記測定部の前記入出力ポートと光路で接続されている共通ポートと、前記複数の分岐ポートの一つと前記共通ポートとを光路で接続する光路接続機構とを含み、
前記表示部は、前記複数の分岐ポートのそれぞれに対応する複数の表示器と、各表示器の点灯状態を変化させるための表示制御部とを含み、
前記通信部は、通信ネットワークを介して管理装置を含む他の情報処理装置と通信し、
前記記憶部は、電子メールアドレスと、監視条件情報と、測定情報と、異常判定情報と、異常発生情報とを記憶し、
前記監視条件情報は、監視対象の光ファイバに接続される分岐ポートの指定と、当該指定の分岐ポート毎の測定スケジュールとを含み、
前記測定情報は、前記分岐ポート毎の距離と受信強度との対応関係を含み、
前記異常判定情報は、一つの特定の距離と受信強度についての一つの特定の基準値との組み合わせと、分岐ポートとの対応付けを含み、
前記異常発生情報は、分岐ポートと異常発生の旨との対応付けを含み、
前記制御部は、条件記憶処理と、測定情報生成処理と、初期測定処理と、監視処理と、異常判定処理と、異常報知処理と、情報返送処理とを実行し、
前記条件記憶処理では、前記管理装置から送信されてくる前記電子メールアドレスと、前記監視条件情報と、前記異常判定情報とを前記通信部を介して受信するとともに、当該受信した情報を前記記憶部に記憶し、
前記測定情報生成処理では、前記ファイバセレクタ部に特定の分岐ポートと共通ポートとを接続させた上で、前記測定部に前記光パルスを出力させるとともに、当該測定部からの受信強度信号を入力することで、当該分岐ポートについての前記測定情報を生成して前記記憶部に記憶し、

前記初期測定処理では、分岐ポートの指定と初期測定の実行指示を含む情報が入力されると、前記測定情報生成処理により、当該指定の分岐ポートについての前記測定情報を生成し、当該測定情報を初期測定情報として生成して前記記憶部に記憶し、
前記監視処理では、前記測定スケジュールに従って前記測定情報生成処理を実行することで、前記分岐ポートを順次選択して前記共通ポートに接続させるとともに、選択中の分岐ポートについての前記測定情報を生成し、当該測定情報を監視測定情報として前記記憶部に記憶し、
前記異常判定処理では、前記監視処理により、ある分岐ポートについての前記監視測定情報を生成すると、当該分岐ポートについての前記異常判定情報、前記初期測定情報、および当該生成した監視測定情報に基づいて異常の有無を判定し、異常があれば当該分岐ポートについての異常発生情報を生成して前記記憶部に記憶し、
前記異常報知処理では、ある分岐ポートについて前記異常発生情報を生成した場合、前記表示部に当該分岐ポートに対応する表示器を他の表示器とは異なる所定の点灯状態に変化させるとともに、前記通信部を介して当該異常発生情報の内容を記載した電子メールを所定の電子メールアドレスに宛てて送信し、
前記情報返送処理では、前記管理装置が、前記通信部を介して特定の情報の返送指示を送信してくると、該当する情報を前記記憶部から読み出して当該管理装置に返送する、
ことを特徴とする光ファイバ監視装置。
【請求項2】
請求項1において、前記制御部は、前記表示部を制御して、前記監視対象の光ファイバに接続されている前記分岐ポートに対応する表示器と、それ以外の表示器とを異なる点灯状態にさせることを特徴とする光ファイバ監視装置。
【請求項3】
請求項2において、前記制御部は、前記表示部を制御し、前記監視対象の光ファイバに接続されている前記分岐ポートに対応する表示器のうち、前記測定情報生成処理の実行中に前記ファイバセレクタ部により選択されている分岐ポートに対応する表示器と、それ以外の表示器とを異なる点灯状態にさせることを特徴とする光ファイバ監視装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記記憶部は、Webページとして、前記初期測定情報と監視測定情報のそれぞれを表現する2本のグラフ曲線の画像を含む監視測定情報ページと、前記複数の表示器を模した複数の表示器画像を含む状態確認ページを記憶し、
前記制御部は、Webサーバ機能を備え、前記複数の表示器の点灯状態を前記状態確認ページにおける前記表示器画像に反映させて当該状態確認ページを更新する処理と、新規に生成した前記測定情報を前記監視測定情報ページにおける前記監視測定情報を表現するグラフ曲線の曲線に反映させて当該監視測定情報ページを更新する処理とを実行し、
前記情報返送処理では、前記管理装置におけるブラウザ機能によって特定のWebページの返送要求が送信されてくると、該当するWebページを返送する、
ことを特徴とする光ファイバ監視装置。
【請求項5】
請求項4において、前記制御部は、状態確認ページに含まれる前記表示器画像について、前記異常報知処理により所定の点灯状態に変化させた前記表示器に対応する表示器画像に、当該表示器に対応する分岐ポートについての前記監視測定情報ページへのリンクを設定することを特徴とする光ファイバ監視装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記制御部は、前記Webページとして、前記分岐ポート毎の初期測定情報ページを生成して前記記憶部に記憶する処理を実行し、
ある分岐ポートについての前記初期測定情報ページには、当該分岐ポートについての前記初期測定情報を表現したグラフ曲線を含まれているとともに、前記管理装置が前記ブラウザ機能により前記初期測定情報ページを解釈した際、当該管理装置に、前記グラフ曲線に沿って移動するカーソルを描出させる機能と、当該カーソルの位置を距離の情報に変換させる機能と、当該変換させた距離の情報と当該分岐ポートとを指定する情報とを前記異常判定情報として送信させる機能とが含まれている、
ことを特徴とする光ファイバ監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−69679(P2011−69679A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220026(P2009−220026)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】