説明

光ファイバ荷重センサ

【課題】センサ出力が理想特性に近く、線状体の破断が生じにくい光ファイバ荷重センサを提供する。
【解決手段】本発明に係る光ファイバセンサ10は、光ファイバ20と、弾性を有すると共に3種類以上の硬度を有し、光ファイバ20の長さ方向に沿って光ファイバ20の外周に撚り合わされ、撚り合わせの単位ピッチにおける硬度が段階的に変化して硬度変化の単位周期を形成する複数の線状体とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ荷重センサに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物に加わった衝撃を検知する衝撃検知センサとして、光ファイバを用いる方法がある。光ファイバ方式のセンサは、対象物に衝撃が加わったときの光ファイバに生じた曲げや歪により、光ファイバ中を伝播する光の光量が変化することを検知する。すなわち、光ファイバ方式のセンサは、曲げ損失や圧縮損失により光量が変化すると、光量の変化に応じて衝撃を検知する。
【0003】
光ファイバ方式のセンサとして、例えば、光ファイバに曲げ及び歪を生じやすくしてセンサ感度を向上させることを目的として、光ファイバの外周にフィラメント、螺旋状ワイヤ、又は絶縁線状部材等を螺旋状に巻きつけて形成したセンサが提案されている。例えば、特許文献1においては、プラスチック光ファイバに螺旋状ワイヤを巻きつけた衝撃検知光ファイバセンサについて記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の衝撃検知光ファイバセンサによれば、プラスチック光ファイバの外周に螺旋状にワイヤを巻いているので、外力がプラスチック光ファイバに加わった場合に、プラスチック光ファイバに曲げ歪を生じやすくできる。これにより、プラスチック光ファイバの光損失感度が向上するので、ワイヤがない場合に比べて高感度で衝撃を検知できる。
【特許文献1】特開2005−207768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の衝撃検知光ファイバセンサによれば、光ファイバの剛性の高さにより、光ファイバに曲げ歪が発生し難いため、十分なセンサ感度を得ることができない。また、光ファイバの剛性の高さにより、衝撃によって光ファイバセンサが破損する場合がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、センサ出力が理想特性に近く、線状体の破断が生じにくい光ファイバ荷重センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、光ファイバと、弾性を有すると共に3種類以上の硬度を有し、光ファイバの長さ方向に沿って光ファイバの外周に撚り合わされ、撚り合わせの単位ピッチにおける硬度が段階的に変化して硬度変化の単位周期を形成する複数の線状体とを備える光ファイバ荷重センサが提供される。
【0008】
また、上記光ファイバ荷重センサにおいて、単位周期は、撚り合わせの単位ピッチにおいて、複数の線状体の硬度の大きさの順に応じて段階的に変化する周期であってもよい。また、複数の線状体は、第1の硬度を有する第1線状体と、第1の硬度より大きい第2の硬度を有する第2線状体と、第2の硬度より大きい第3の硬度を有する第3線状体とを少なくとも有していてよい。
【0009】
また、上記光ファイバ荷重センサにおいて、線状体は、紐状の弾性体から形成されてもよい。更に、線状体は、テンションメンバと、テンションメンバの外周を被覆する弾性体とから形成され、硬度は弾性体の硬度であってもよい。また、線状体は、最も硬度の小さい線状体と最も硬度の大きい線状体とが光ファイバを中心として相対するように配置されていてもよい。また、弾性体は、シリコーンゴムであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサ出力が理想特性に近く、線状体の破断が生じにくい光ファイバ荷重センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの概要を示す。すなわち、図1(a)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、(b)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図を示す。
【0012】
(光ファイバ荷重センサの構成)
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10は、光を伝播するコア200及びコア200の屈折率よりも低い屈折率を有するクラッド210から形成される光ファイバ20と、光ファイバ20の外周に撚り合わされて配設される8本の線状体とを備える。ここで8本の線状体は、線状体A100と、線状体A100より大きな硬度の線状体B102と、線状体B102より大きな硬度の線状体C104と、線状体C104より大きな硬度の線状体D106と、線状体D106より大きな硬度の線状体Eとから形成される。
【0013】
本実施形態に係る光ファイバ20は、プラスチック光ファイバ(Plastic Optical Fiber:POF)である。光ファイバ20は、光を伝播するコア200と、コア200の周囲を包囲して設けられ、コア200を形成する材料が呈する屈折率よりも小さな屈折率を呈するクラッド210とを有する。光ファイバ20は、光ファイバ20を形成する材料の低損失波長帯に含まれる波長650nmの光を伝播する。この光ファイバ20は、例えば、ポリメチルメタクリレート等の汎用プラスチック樹脂とフッ素系樹脂とから形成することができる。
【0014】
具体的に光ファイバ20のコア200は、ポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル系樹脂から形成される。また、コア200は、ポリスチレン又はポリカーボネート等の芳香族系樹脂、若しくは脂環式透明樹脂から形成することもできる。更に、コア200は、耐熱性及び耐久性の向上を目的として、芳香族系樹脂又は脂環式透明樹脂に所定の架橋剤を添加した後に、所定の架橋処理を施した架橋ポリマから形成することもできる。なお、架橋ポリマとしては、架橋アクリル樹脂(熱硬化アクリル樹脂)、又はシリコーン樹脂等が挙げられる。
【0015】
また、クラッド210は、フッ素化アクリレート樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、又はフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体等のフッ素系樹脂から形成することができる。また、クラッド210は、シリコーンゴムから形成することもできる。
【0016】
ここで、クラッド210は、コア200を伝播する光をコア200中に閉じ込める。すなわち、本実施形態に係る光ファイバ20は、クラッド210の屈折率がコア200の屈折率よりも低いステップインデックス型構造を形成することにより、コア200を伝播する光をコア200中に閉じ込める。なお、光ファイバ210は、コア200の屈折率をコア200の外周から中心に向かって漸次高くして形成されるグレーデットインデックス型として形成することもできる。
【0017】
本実施形態に係る光ファイバ20は、一例として、外径2.2mmのプラスチック製光ファイバである。すなわち、光ファイバ20は、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂から形成され外径が1.5mmのコア200と、フッ素樹脂から形成されるクラッド210とを有する。なお、一例として、コア200は、弾性率が3×10Paである架橋ポリメチルメタクリレート樹脂から形成され、クラッド210は、弾性率が5×10Paであるフッ素系樹脂から形成される。
【0018】
なお、クラッド210の外側に外傷等が生じることを防止すべく、光ファイバ20のクラッド210の外周を包囲するジャケット層を、光ファイバ20は更に有していてもよい。ジャケット層は、例えば、ポリエチレン、ポリアミド系合成樹脂(例えば、ナイロン(登録商標))、エチレン4フッ化エチレン共重合体樹脂等のフッ素系樹脂、軟質塩ビ樹脂、又は弾性材料としてのゴム材料等から形成することができる。
【0019】
線状体A100、線状体B102、線状体C104、線状体D106、及び線状体E108は、それぞれの硬度が互いに異なると共に、弾性を有する弾性体から形成される。弾性体としては、例えば、ゴム又は熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、又はアミド系の熱可塑性エラストマー)等が挙げられる。
【0020】
これらの線状体は、低温から高温までの所定の温度範囲における弾性率(硬度)の変化が少ない特性を有する材料から形成されることが好ましい。例えば、これらの線状体は、シリコーンゴムから形成することができる。そして、線状体A100、線状体B102、線状体C104、線状体D106、及び線状体E108はそれぞれ、紐状に形成される。
【0021】
本実施形態において、線状体A100、線状体B102、線状体C104、線状体D106、及び線状体E108は、係る順番に硬度の大きさが徐々に変化する。ここで、硬度は、JIS規格「K6253」のデュロメータタイプAによるゴム硬度である。具体的には、線状体A100、線状体B102、線状体C104、線状体D106、及び線状体E108の順番で、硬度が段階的に大きくなるべくこれらの線状体は形成される。
【0022】
一例として、線状体A100の硬度を40、線状体B102の硬度を50、線状体C104の硬度を60、線状体D106の硬度を70、及び線状体E108の硬度を80に選定できる。なお、光ファイバ20の外周に線状体を撚り合わせる時の張力によって線状体が伸張して線状体の外径寸法が撚り合わせ前より小さくなったり、断面形状の変形が大になることを防止すべく、線状体の硬度は40以上であることが好ましい。
【0023】
ここで本実施形態においては、これらの複数の線状体が所定の順序の配列で配置され、光ファイバ20の外周に当該配置を保ちつつ撚り合わされる。具体的に、複数の線状体は、光ファイバ20の長さ方向に沿って光ファイバ20の外周に撚り合わされ、撚り合わせの単位ピッチにおける線状体の硬度が段階的に変化して硬度変化の単位周期を形成する配置となるべく光ファイバ20の外周に配置される。
【0024】
より具体的には、単位周期は、複数の線状体の撚り合わせの単位ピッチにおいて、複数の線状体の硬度の大きさの順に応じて段階的に変化する周期である。例えば、複数の線状体を光ファイバ20の外周に撚り合わせて配置した場合、撚り合わせの単位ピッチごとに基準としての一の線状体がピッチの最初に来る配列となる配置、すなわち、1ピッチごとに一の線状体に戻る配置に、異なる硬度を有する複数の線状体のそれぞれを配置する。例えば、複数の線状体の配列は、以下の通りである。
【0025】
すなわち、線状体A100と、線状体A100に隣接する第1の線状体B102と、第1の線状体B102に隣接する第1の線状体C104と、第1の線状体C104に隣接する第1の線状体D106と、第1の線状体D106に隣接する線状体E108と、線状体E108に隣接する第2の線状体D106と、第2の線状体D106に隣接する第2の線状体C104と、第2の線状体C104に隣接する第2の線状体B102とが係る順に光ファイバ20の外周に配置される。
【0026】
そして、これら5種類の硬度の8本の線状体を一組として、これらの複数の線状体は、光ファイバ20の外周に撚り合わされて配置される。ここで、第2の線状体B102の第2の線状体C104と隣接する側の反対側において、第2の線状体B102は第1の線状体A100と隣接する。
【0027】
なお、一例として、線状体A100、第1の線状体B102、第1の線状体C104、第1の線状体D106、線状体E108、第2の線状体D106、第2の線状体C104、及び第2の線状体B102はそれぞれ、撚り合わせのピッチを約16mmに設定して、光ファイバ20の外周に撚り合わせて巻き付けられる。そして、本実施形態においては、上述したように、隣接する線状体の硬度はそれぞれ段階的に異なることとなる。更に、線状体A100を基準とすると、光ファイバ20の周方向における複数の線状体の配置は、撚り合わせの単位ピッチごとに線状体A100から線状体A100に戻ることとなる。
【0028】
ここで、線状体A100と、線状体B102と、線状体C104と、線状体D106と、線状体E108の外径は、一例として1.2mmである。
【0029】
(光ファイバ荷重センサの動作)
図2(a)は、光ファイバ荷重センサの使用例を示す。また、図2(b)は、光ファイバ荷重センサに荷重が加わったときの状態を示す。
【0030】
図2(a)を参照すると、光ファイバ荷重センサ10は、光ファイバ20の一端に光源30が接続され、他端に受光器40が接続される。更に、光ファイバ20の長さ方向における所定の位置に、光ファイバ荷重センサ10を光ファイバ荷重センサ10の外部から挟む圧子50が設けられる。
【0031】
光源30は、一例として、ピーク波長が650nmの光を発する発光ダイオードを有する発光装置である。なお、光源30は、波長650nmのレーザ光を発する半導体レーザダイオードから構成することもできる。また、受光器40は、光源30が発する光に対して所定の感度を有するフォトダイオードから構成される。一例として、受光器40を構成するフォトダイオードは、400nmから1100nmの波長の光に感度を有するシリコンから形成されるフォトダイオードである。
【0032】
光ファイバ荷重センサ10の動作原理は以下の通りである。すなわち、図2(b)に示すように、まず、光源30から光ファイバ20を介して、受光器40に所定の光を送信する。ここで、光ファイバ20の側面に圧子50を介して所定の荷重が加わると、コア200には、複数の線状体それぞれの硬度に応じた圧力が圧子50を介して加わる。すると、圧子50に加わった荷重に応じて光ファイバ20内には応力が発生する。そして、光ファイバ20の圧子50が設けられている領域に、発生した応力に応じた微小な曲げ変形500が生じる。
【0033】
ここで、硬度の大きい線状体と硬度の小さい線状体とが光ファイバ荷重センサ10の断面で相対する位置に配置されているため、光ファイバ20は硬度の大きい線状体に押されて硬度の小さい線状体側に変位する。すなわち、複数の線状体のそれぞれは、光ファイバ20の側面に圧力を加える部材としての機能を有すると共に、それぞれの硬度に応じて光ファイバ20の側面に異なる圧力を加える。これにより、光ファイバ20には、光ファイバ20の外周に撚り合されて設けられている複数の線状体のそれぞれの硬度に応じて周期的に変形する立体的な曲げ変形500が生じる。そして、生じた曲げ変形500により、光ファイバ20を伝播する光の光伝送特性が変化する。
【0034】
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10は、光ファイバ20に加わった荷重又は衝撃を、光伝送特性の変化として検知する。ここで、光伝送特性は、一例として、光源30が発する光の光量である。圧子50に力が加わると、受光器40が受光する光源30が発した光の光量は、圧子50に力が加わる前に比べて減少する。すなわち、曲げ変形500が生じることによって、光透過損失が発生して、光源30から受光器40に到達する光が減少する。
【0035】
そして、受光器40に到達する光の変化を測定することにより光透過損失を算出して、算出した光透過損失の大きさを荷重に換算することで光ファイバ20に加わった荷重を検出することができる。したがって、光ファイバ荷重センサ10によれば、受光器40が受光する光量の増減に基づいて、光ファイバ20に荷重が加わったか否かを判断できる。
【0036】
次に、圧子50から荷重が取り除かれると、複数の線状体のそれぞれが有する弾性力の働きによって、光ファイバ20に生じていた曲げ変形500が消滅する。そして、光ファイバ20の形状は、圧子50を介して光ファイバ20に力が加わる前の状態の形状に回復する。これにより、光伝送特性も元の状態に復元する。
【0037】
なお、本実施形態において、互いに隣接する2つの線状体の硬度の差は、硬度の異なる線状体の境界部分において急な応力の分布が生じることを防止すべく、小さいことが好ましい。ここで、最も硬度の大きい線状体と最も硬度の小さい線状体との硬度差が大きいほど感度がより大きい点、線状体の外径が所定の外径以上ない場合には、光ファイバ20の変形量を確保できない点、及び線状体の外径と光ファイバ20の外径とが決定されると、光ファイバ20に巻きつけることができる線状体の本数の上限が決定される点から、隣接する線状体の硬度差には限界点が存在する。したがって、本実施形態においては、隣接する線状体の硬度差は、10から20の範囲内にあることが好ましい。
【0038】
また、それぞれ異なる硬度を有して互いに隣接する線状体の硬度差は、光ファイバ20の周方向で一定の硬度差であることがより好ましい。例えば、本実施形態に示すべく、線状体A100の硬度と第1の線状体B102の硬度の差は10であり、第1の線状体B102の硬度と第1の線状体C104の硬度の差は10であり、他の互いに隣接する線状体の硬度の差も全て10になるべく光ファイバ荷重センサ10は形成される。
【0039】
更に、複数の線状体のそれぞれの硬度は、線状体間の硬度差を大きくすることを目的として、一の線状体を選定した場合、他の線状体は、一の線状体よりも大きい硬度を示す材料から形成することが望まれる。しかしながら、他の線状体の硬度が一の線状体の硬度に比べて所定値以上となると、線状体の弾性体としての特性が低下、すなわち、弾性限界が小さくなる場合がある。
【0040】
また、光ファイバ20に荷重が加わった場合において、一の線状体の硬度と他の線状体の硬度との差が大きいと、光ファイバ20が破損するほどの変形を与える場合がある。更に、複数の線状体のそれぞれを光ファイバ20に巻きつける場合に、線状体の硬度が大きいほど線状体に加える張力を大きくして巻きつけなければならない。したがって、光ファイバ20を光の伝播方向に対して横方向に引っ張る力が増加して、巻きつけた後の光ファイバ20にうねりが生じやすくなる場合がある。これにより、複数の線状体のそれぞれの硬度は、40から80の範囲で選定することが好ましく、複数の線状体のそれぞれの外径は全て等しいことが好ましい。
【0041】
図3(a)は、比較例に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、図3(b)は、比較例に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのA−A’断面において発生する応力を示しており、更に、図3(c)は、図3(a)の比較例に係る光ファイバ荷重センサのA−A’での側面図を示す。
【0042】
図3(a)に示すように、比較例に係る光ファイバ荷重センサ18は、第1の硬度(一例として、硬度:40)を有する弾性体から形成される4本の線状体A100(第1の線状体群)と、第1の硬度よりも大きい硬度の第2の硬度(一例として、硬度:80)を有する弾性体から形成される4本の線状体B102(第2の線状体群)とが、光ファイバ20の外周に約16mmのピッチで撚り合わされて形成される。
【0043】
なお、線状体A100及び線状体B102はそれぞれシリコーンゴムから形成され、外径は1.2mmである。また、硬度は本実施形態同様に、JIS規格「K6253」のデュロメータタイプAによるゴム硬度である。そして、光ファイバ20は、外形が2.2mmのプラスチック光ファイバであり、弾性率が3×10Paである架橋ポリメチルメタクリレート樹脂から形成されるコア200の外径は1.5mmであり、弾性率が5×10Paであるクラッド210はフッ素系樹脂から形成される。
【0044】
係る光ファイバ荷重センサ18に外部から荷重が加わると、硬い線状体B102で押された光ファイバ20の側面が、柔らかい線状体A100で押された光ファイバ20の側面側に変形する。これにより、光ファイバ20に発生する曲げ変形は、複数の線状体を全て同一の硬度を有する材料から形成する場合に比べて大きくなり、光ファイバ20を伝播する光の光伝送損失の応力による変化も大きくなる。
【0045】
ここで、図3(c)を参照すると、比較例に係る光ファイバ荷重センサ18は、硬度の異なる2種類の線状体が隣接する部分において、光ファイバ荷重センサ18の長さ方向で光ファイバ20と線状体A100及び線状体B108との間の応力変化が大きい。すなわち、図3(b)に示すように、第1の線状体群と第2の線状体群とが隣接する部分で光ファイバ20に生じる応力の方向が大きく変化する(応力変化部分702)。
【0046】
そして、第1の線状体群と第2の線状体群とが光ファイバ20に巻きつけられたときの撚り合わせの単位ピッチ700の始め、中間、及び終わりの位置で光ファイバ20に生じる応力の変化部分である複数の応力変化部分702において、光ファイバ20の形状が変形することによる光の損失が、光ファイバ20に加わる荷重が小さいときでも発生し易い。したがって、複数の線状体のそれぞれを同一の材料で形成した場合に比べて、光ファイバ荷重センサ18のセンサ感度は向上する。
【0047】
一方、光ファイバ20に加わる荷重が大きくなるにつれ、硬度の大きい線状体B102及び硬度の小さい線状体A100のいずれにおいても線状体の圧縮量が大きくなり、線状体A100及び線状体B102それぞれについて変形できる量が徐々に減少する。したがって、所定値以上の荷重が光ファイバ20に加わった場合には、センサ感度が飽和する。また、所定値以上の荷重が光ファイバ20に加わった場合には、応力変化部分702において、線状体に過大なせん断力が加わり、線状体の破断が生じやすい。
【0048】
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、図4(b)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのB−B’断面において発生する応力を示しており、更に、図4(c)は、図4(a)の第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサのB−B’での側面図を示す。
【0049】
図4(b)を参照すると、本実施形態においては、光ファイバ20の外周に硬度が異なる5種類の線状体を硬度の大きさの順に沿って撚り合わせたので、光ファイバ荷重センサ10の長さ方向の応力分布の形状は、比較例に比べて緩和していることが分かる。すなわち、図4(c)に示すように、線状体A100と第1の線状体B102とが隣接する部分、第1の線状体B102と第1の線状体C104とが隣接する部分、第1の線状体C104と第1の線状体D106とが隣接する部分、及び第1の線状体D106と線状体E108とが隣接する部分である複数の応力変化部分712のそれぞれにおける応力の変化量は、比較例と比べて少ない。
【0050】
また、線状体E108と第2の線状体D106とが隣接する部分、第2の線状体D106と第2の線状体C104とが隣接する部分、第2の線状体C104と第2の線状体B102とが隣接する部分、及び第2の線状体B102と線状体A100とが隣接する部分の応力変化部分712のそれぞれにおける応力の変化量も同様である。すなわち、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10によれば、複数の線状体の撚り合わせの単位ピッチ700あたりにおいて複数の線状体の硬度が段階的に変化することにより、光ファイバ20に生ずる応力も段階的に細かく変化することとなる。
【0051】
図5は、比較例及び本実施形態に係る光ファイバ荷重センサのセンサ感度特性のグラフを示す。
【0052】
具体的には、比較例に係る光ファイバ荷重センサ18及び本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10の所定の位置から長さ方向に向かって10cmの範囲に所定の荷重を加えた場合のそれぞれのセンサ出力を示す。光ファイバ荷重センサ18においては、図5のセンサ出力804に示すように、荷重が大きくなるにつれてセンサ感度も大きくなるが、荷重に対するセンサ感度は飽和する傾向であり、理想的なセンサ出力、すなわち、光ファイバ20に加わる荷重に対してセンサ感度が比例するセンサ出力である理想出力800からの乖離が大きい。
【0053】
一方、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10においては、図5のセンサ出力802に示すように、荷重が大きくなるにつれてセンサ感度も大きくなり、荷重に対するセンサ感度は比較例に係る光ファイバ荷重センサ18の場合と比べて、理想出力800に近似する。なお、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10においては、光ファイバ20の所定の位置に荷重を加えた場合において、複数の線状体の破断が生じる荷重を、比較例と比べて大きくすることができる。
【0054】
(第1の実施の形態の効果)
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10によれば、硬度がそれぞれ異なる線状体を光ファイバ20の外周に撚り合わせたので、光ファイバ荷重センサ10に加わる荷重に対してセンサ感度が比例する理想特性に近いセンサ出力を得ることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10によれば、光ファイバ20の外周に巻きつける線状体の硬度の種類が比較例に係る光ファイバ荷重センサ18よりも多いので、光ファイバ20の外周に撚り合わせる複数の線状体の破断が生じにくい。したがって、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ10は、加わる荷重に対するセンサ感度の直線性が良好であり、耐荷重性も良好であるので、一例として、自動車の衝突物判定システムに適用することができる。
【0056】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの概要を示す。すなわち、図6(a)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、(b)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図を示す。
【0057】
第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ12は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ10に対して、光ファイバ20の外周に巻きつける線状体の硬度及び順序が異なる点を除いて略同一の構成を有するので、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
【0058】
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ12においては、3種類の硬度を有する線状体を計8本、光ファイバ20の外周に巻きつける。すなわち、光ファイバ20の外周に、第1の硬度を有する線状体A100と、第1の硬度より大きい第2の硬度の線状体B102と、第2の硬度より大きい第3の硬度の線状体C104とをそれぞれ2本ずつ巻きつけて光ファイバ荷重センサ12は形成される。
【0059】
具体的には、2本の線状体A100から構成される第1の線状体群と、2本の線状体B102から構成される第2の線状体群と、2本の線状体C104から構成される第3の線状体群と、更に、2本の線状体B102から構成される第4の線状体群が係る順序で光ファイバ20の外周に巻きつけられて光ファイバ荷重センサ12は形成される。
【0060】
すなわち、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ12は、光ファイバ20の外周に、第1の線状体群と、第1の線状体群に隣接する第2の線状体群と、第2の線状体群に隣接する第3の線状体群と、第3の線状体群に隣接すると共に第1の線状体群と隣接する第4の線状体群とを有する。
【0061】
なお、3種類の線状体のうち、最小の硬度を有する線状体A100の硬度は、第1の実施の形態と同様に40以上であることが好ましい。一例として、第1の硬度は40、第2の硬度は60、及び第3の硬度は80に選定できる。また、線状体A100、線状体B102、及び線状体C104はそれぞれ、外径1.2mmのシリコーンゴムから形成することができる。
【0062】
図7(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、図7(b)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのC−C’断面において発生する応力を示しており、更に、図7(c)は、図7(a)の第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサのC−C’での側面図を示す。
【0063】
図7(b)を参照すると、本実施形態においては、光ファイバ20の外周に硬度が異なる3種類の線状体を硬度の大きさの順に沿って撚り合わせたので、光ファイバ荷重センサ12の長さ方向の応力分布の変化は、上述した図3における比較例に比べて緩和していることが分かる。
【0064】
すなわち、図7(c)に示すように、2本の線状体A100から構成される第1の線状体群と2本の線状体B102から構成される第2の線状体群とが隣接する部分、第2の線状体群と2本の線状体C104から構成される第3の線状体群とが隣接する部分、及び第3の線状体群と2本の線状体B106から構成される第4の線状体群とが隣接する部分のそれぞれにおける応力の変化量は、比較例と比べて少ない。
【0065】
換言すると、光ファイバ20に生じる応力が変化する部分である応力変化部分712の数を、光ファイバ20の外周に巻きつける線状体の撚り合わせのピッチ700内において、比較例に係る光ファイバ荷重センサ18よりも増加させることができる。
【0066】
(第2の実施の形態の効果)
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ12によれば、光ファイバ20の長さ方向のおける応力分布の変化を小さくすることができる。
【0067】
また、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ12によれば、光ファイバ20に巻きつける線状体の種類を第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ10より少なくすることができる。したがって、光ファイバ荷重センサ12に要求される荷重−センサ感度特性が多少飽和してもよい用途に光ファイバ荷重センサ12を用いる場合、又は、光ファイバ荷重センサ12に加わる荷重範囲が光ファイバ荷重センサ10よりも低い用途に光ファイバ荷重センサ12を用いる場合には、同一種類の材料の使用量を増加させることができるので、材料調達費を低減できる。
【0068】
更に、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ12によれば、用いる線状体の種類を第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ10よりも少なくできるので、光ファイバ荷重センサ12の製造時等において管理すべき材料の種類を減少させることができ、材料管理費を低減することができる。
【0069】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの概要を示す。すなわち、図8(a)は、第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、(b)は、第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図を示す。
【0070】
第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ14は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ10に対して、光ファイバ20の外周に巻きつける線状体の硬度及び順序が異なる点を除いて略同一の構成を有するので、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ14においては、4種類の硬度を有する線状体を計8本、光ファイバ20の外周に巻きつける。すなわち、光ファイバ20の外周に、第1の硬度を有する線状体A100と、第1の硬度より大きい第2の硬度の第1の線状体B102と、第2の硬度より大きい第3の硬度の第1の線状体C104と、第3の硬度より大きい第4の硬度の線状体D106とを巻きつけて光ファイバ荷重センサ14は形成される。
【0072】
具体的には、2本の線状体A100から構成される第1の線状体群と、第1の線状体B102と、第1の線状体C104と、2本の線状体D106から構成される第2の線状体群と、第2の線状体C104と、第2の線状体B102とが係る順序で光ファイバ20の外周に巻きつけられて光ファイバ荷重センサ14は形成される。
【0073】
すなわち、本実施形態に係る光ファイバ荷重センサ14は、光ファイバ20の外周に、第1の線状体群と、第1の線状体群に隣接する第1の線状体B102と、第1の線状体B102に隣接する第1の線状体C104と、第1の線状体C104に隣接する第2の線状体群と、第2の線状体群に隣接する第2の線状体C104と、第2の線状体C104に隣接すると共に線状体A100と隣接する第2の線状体B102とを有する。なお、3種類の線状体のうち、最小の硬度を有する線状体A100の硬度は、第1の実施の形態と同様に40以上であることが好ましい。
【0074】
図9は、本発明の変形例を示す。すなわち、図9(a)は、光ファイバの周囲に巻きつける線状体の本数を6本にした光ファイバ荷重センサの断面図を示しており、(b)は、テンションメンバ及びシース材を更に設けた光ファイバ荷重センサの断面図を示す。
【0075】
まず、図9(a)を参照する。本変形例においては、光ファイバ20の外周に撚り合わせる線状体の本数を6本にした光ファイバ荷重センサ16を形成する。具体的には、第1の硬度の線状体A100と、第1の硬度より大きい第2の硬度の線状体B102と、第2の硬度より大きい第3の硬度の線状体C104と、第3の硬度より大きい第4の硬度の線状体D106とが光ファイバ20の外周に巻きつけられて光ファイバ荷重センサ16は形成される。
【0076】
すなわち、光ファイバ荷重センサ16は、光ファイバ20の外周に、線状体A100と、線状体A100に隣接する第1の線状体B102と、第1の線状体B102に隣接する第1の線状体C104と、第1の線状体C104に隣接する線状体D106と、線状体D106に隣接する第2の線状体C104と、第2の線状体C104に隣接する第2の線状体B102とを有する。そして、第2の線状体B102は、線状体A100に更に隣接する。
【0077】
本変形例においても第1の実施の形態と同様に、線状体A100から線状体D106に進むにつれて硬度が大きくなり、線状体D106から線状体A100に進むにつれて硬度が小さくなる構成として光ファイバ荷重センサ16は形成される。なお、光ファイバ荷重センサ16は、線状体A100から線状体D106に進むにつれて硬度が小さくなり、線状体D106から線状体A100に進むにつれて硬度が大きくなる構成として形成することもできる。
【0078】
一例として、光ファイバ荷重センサ16の線状体はそれぞれ、弾性率の温度依存性が小さいシリコーンゴムから形成される。また、線状体の外径はそれぞれ1.4mmに形成される。そして、6本の線状体は、外径が2.2mmのプラスチック製の光ファイバ20に約16mmのピッチでより合わせて形成される。なお、コア200は、弾性率が3×10Paの架橋ポリメチルメタクリレート樹脂から形成され、外径が1.5mmである。また、クラッド210は、弾性率が5×10Paのフッ素樹脂から形成される。
【0079】
また、一例として、線状体A100の硬度を40、線状体B102の硬度を50、線状体C104の硬度を60、及び線状体D106の硬度を70に選定できる。なお、線状体の硬度は、40以上であれば特に限定されない。
【0080】
次に図9(b)を参照する。図9(b)に係る変形例の光ファイバ荷重センサ11においては、複数の線状体がテンションメンバ60を心材として有する点、及び複数の線状体の外部にシース材70が設けられている点を除き、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサ10と略同一の構成を有する。したがって、相違点を除き、詳細な説明は省略する。
【0081】
本変形例に係る光ファイバ荷重センサ11の複数の線状体はそれぞれ、心材としてのテンションメンバ60を有する。複数の線状体はそれぞれ、テンションメンバ60を弾性体で被覆して形成される。なお、複数の線状体の硬度は、テンションメンバ60を被覆する弾性体の硬度で規定される。
【0082】
テンションメンバ60は、導電性金属から形成される線材、例えば、銅線、又はアルミ線等から形成される。また、テンションメンバ60は、絶縁性材料から形成される紐、例えば、紐状の繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)やポリエステル繊維から形成することもできる。テンションメンバ60に導電性金属から形成される線材としての銅線を用いる場合、当該銅線を、所定の回路に電源を供給する電力供給線、又は所定の信号を伝播する信号線として利用できる。
【0083】
また、複数の線状体のそれぞれがテンションメンバ60を有する場合、線状体を光ファイバ20の外周に撚り合わせるときの張力が大きい場合であっても線状体が伸張し難くなる。したがって、複数の線状体のそれぞれがテンションメンバ60を有する場合には、複数の線状体のそれぞれがテンションメンバ60を有さない場合に比べてより高い張力で光ファイバ20の外周に撚り合わせることができるので、撚り合わせ後の複数の線状体をほどけにくくする事ができる。
【0084】
また、光ファイバ荷重センサ11に荷重が印加された際に、撚り合わせた線状体が伸びて必要以上に変形することを抑制することもできる。
【0085】
更に、本変形例に係る光ファイバ荷重センサ11は、複数の線状体の外側にシース材70を更に備える。シース材70は、厚さ100μm以下のPETテープ材、又はシリコーンゴム等から形成することができる。光ファイバ荷重センサ11として広い温度範囲で所定のセンサ感度を保つべく、シース材70を形成する材料は、弾性率の温度特性が小さいことが好ましい。
【0086】
したがって、シース材70は、弾性率の温度特性が小さいシリコーンゴムから形成することが好ましい。なお、シース材70を形成する材料の弾性率の温度特性が多少大きい場合であっても、光ファイバ荷重センサ11に加わる荷重の方向のシース材70の厚さを所定値よりも薄くすることにより、弾性率の温度特性が大きいことの影響を抑制できる。
【0087】
シース材70を設けることにより、複数の線状体のほどけ防止、複数の線状体間への水の浸入防止、及び複数の線状体の外部に外傷がつくことの防止等ができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】(a)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図である。
【図2】(a)は、光ファイバ荷重センサの使用例を示す図であり、(b)は、光ファイバ荷重センサに荷重が加わったときの状態を示す図である。
【図3】(a)は、比較例に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、比較例に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのA−A’断面において発生する応力を示す図であり、(c)は、(a)の比較例に係る光ファイバ荷重センサのA−A’での側面図である。
【図4】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのB−B’断面において発生する応力を示す図であり、(c)は、(a)の第1の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサのB−B’での側面図である。
【図5】比較例及び本実施形態に係る光ファイバ荷重センサのセンサ感度特性を示すグラフである。
【図6】(a)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図である。
【図7】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサを形成する光ファイバのC−C’断面において発生する応力を示す図であり、(c)は、(a)の第2の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサのC−C’での側面図である。
【図8】(a)は、第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、第3の実施の形態に係る光ファイバ荷重センサの側面図である。
【図9】(a)は、光ファイバの周囲に巻きつける線状体の本数を6本にした光ファイバ荷重センサの断面図であり、(b)は、テンションメンバ及びシース材を更に設けた光ファイバ荷重センサの断面図である。
【符号の説明】
【0090】
10、11、12、14、16、18 光ファイバ荷重センサ
20 光ファイバ
30 光源
40 受光器
50 圧子
60 テンションメンバ
70 シース材
100 線状体A
102 線状体B
104 線状体C
106 線状体D
108 線状体E
200 コア
210 クラッド
500 曲げ変形
700 ピッチ
702、712、722 応力変化部分
800 理想出力
802、804 センサ出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバと、
弾性を有すると共に3種類以上の硬度を有し、前記光ファイバの長さ方向に沿って前記光ファイバの外周に撚り合わされ、撚り合わせの単位ピッチにおける硬度が段階的に変化して硬度変化の単位周期を形成する複数の線状体とを備える光ファイバ荷重センサ。
【請求項2】
前記単位周期は、撚り合わせの単位ピッチにおいて、複数の前記線状体の硬度の大きさの順に応じて段階的に変化する周期である請求項1に記載の光ファイバ荷重センサ。
【請求項3】
複数の前記線状体は、第1の硬度を有する第1線状体と、前記第1の硬度より大きい第2の硬度を有する第2線状体と、前記第2の硬度より大きい第3の硬度を有する第3線状体とを少なくとも有する請求項1又は2に記載の光ファイバ荷重センサ。
【請求項4】
前記線状体は、紐状の弾性体から形成される請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ荷重センサ。
【請求項5】
前記線状体は、テンションメンバと、前記テンションメンバの外周を被覆する弾性体とから形成され、前記硬度は前記弾性体の硬度である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ荷重センサ。
【請求項6】
前記線状体は、最も硬度の小さい線状体と最も硬度の大きい線状体とが前記光ファイバを中心として相対するように配置されている請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ荷重センサ。
【請求項7】
前記弾性体は、シリコーンゴムである請求項4又は5に記載の光ファイバ荷重センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−36722(P2009−36722A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203335(P2007−203335)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】