説明

光モジュール

本発明は、エネルギ・インフラとの電気的及び熱的結合のための光モジュールに関する。前記エネルギ・インフラは、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有し、当該光モジュールは:−光を放射し、光を放射しているときに熱源になる光源;−前記少なくとも1つの電源の前記電極に接触することにより、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間に前記電気的結合を確立する2つの電気接触;−前記光源に供給される電力を制御する、前記光源と前記電気接触との間に配置された制御システム;を有し、前記光モジュールは、前記電気的結合を確立しているとき、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間の前記熱的結合の熱抵抗値を測定する測定システムを有し、前記測定システムは、前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される。本発明は、光モジュールを過熱から保護する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールの分野に関し、より詳細にはエネルギ・インフラとの電気的及び熱的結合のための光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光モジュールは、光を放射する光源を有し、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有するエネルギ・インフラに簡単に取り付け可能であることが望ましい。エネルギ・インフラは、良く知られたハロゲン・ワイヤ・システム又は2D電極構成の形式を取りうる。望ましくは、光モジュールのエネルギ・インフラへの取り付けは、如何なる追加の道具も用いずに手で、例えば留め金で固定する及び/又は磁石で貼り付けることにより行われる。これは、技術的知識を有さないユーザに光モジュールをエネルギ・インフラに取り付けることを可能にする。しかしながら、ねじで締めること又はボルトで締めることも可能である。
【0003】
光源は、通常、光を放射しているときは熱源でもあり、光モジュールを小さいままにするためには、光モジュール自体に放熱板を設けるよりは生成された熱をエネルギ・インフラへ転送することが望ましい。従って、電源への電気的結合に加えて、光モジュールとエネルギ・インフラとの間に熱的結合も確立されることが重要である。
【0004】
現在の光モジュールの欠点は、ユーザが光モジュールを位置付ける又は再配置するとき、不十分な熱的接触が比較的高い熱抵抗値を生じる危険があることである。従って、光モジュールは過熱するだろう。これは、光出力を低下させ、更には光モジュールに永久的な損傷を引き起こしうる。
【0005】
光モジュールの温度を測定し、それにより光モジュールが過熱したかどうかを監視して、適切な措置を講じる解決策が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの解決策の欠点は、過熱が測定されるとき、光モジュールは既に高温で多少の所謂燃焼時間を有していることである。これは依然として光モジュールに損傷を引き起こしうる。別の欠点は、ユーザが光モジュールとエネルギ・インフラとの間の熱的接触が不十分であることを直ちにフィードバックされないことだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
過熱から保護される改善された光モジュールを提供することが望ましい。また、十分な熱的結合についてユーザに直ちにフィードバックを与える改善された光モジュールを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の問題の1又は複数を良好に解決するために、本発明の第1の態様では、エネルギ・インフラとの電気的及び熱的結合のための光モジュールであって、前記エネルギ・インフラは、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有し、当該光モジュールは:−光を放射し、光を放射しているときに熱源になる光源;−前記少なくとも1つの電源の前記電極に接触することにより、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間に前記電気的結合を確立する2つの電気接触;−前記光源に供給される電力を制御する、前記光源と前記電気接触との間に配置された制御システム;を有し、前記光モジュールは、前記電気的結合を確立しているとき、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間の前記熱的結合の熱抵抗値を測定する測定システムを有し、前記測定システムは、前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される。
【0009】
光モジュールを過熱から保護する方法も提供される。当該方法は:−前記光モジュールを前記エネルギ・インフラに接続する段階であって、それにより前記光モジュールを前記エネルギ・インフラとの間に前記熱的結合を確立する、段階;−測定システムにより、前記光モジュールを前記エネルギ・インフラとの間の熱的結合の熱抵抗値を測定する段階;−前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減する段階;を有する。
【0010】
更に、エネルギ・インフラとの電気的及び熱的結合のための光モジュールと、前記エネルギ・インフラと組合せでは、前記エネルギ・インフラは、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有し、前記光モジュールは:−光を放射し、光を放射しているときに熱源になる光源;−前記少なくとも1つの電源の前記電極に接触する段階であって、それにより前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間に前記電気的結合を確立する2つの電気接触;−前記光源に供給される電力を制御する、前記光源と前記電気接触との間に配置された制御システム;を有し、前記光モジュールは、前記電気的結合を確立しているとき、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間の前記熱的結合の熱抵抗値を測定する測定システムを有し、前記測定システムは、前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される。
【0011】
本発明の上述の及び他の態様は、以下の詳細な説明を参照し添付の図面と共に検討されることにより直ちに及び一層理解されるだろう。図中の同様の参照符号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態による光モジュールの概略図を示す。
【図2】本発明の実施形態による光モジュールの測定システムの詳細図を示す。
【図3】本発明の別の実施形態による光モジュールの概略図を示す。
【図4】温度差の軌道を示し、1つは十分な熱的接触の場合であり、2つは不十分な熱的接触の場合である。
【図5】2つの温度軌道を示し、1つは十分な熱的接触の場合であり、1つは不十分な熱的接触の場合である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、それぞれ2つの電極E1、E2を有する少なくとも1つの電源PSを有するエネルギ・インフラEIとの電気的及び熱的結合のための光モジュールLMを示す。光モジュールLMは、光Lを放射しているときに熱源となる光Lを放射する光源LS、少なくとも1つの電源PSの電極E1、E2と接触して光源LSに供給される電力を制御するために光モジュールLMとエネルギ・インフラEIとの間に電気的結合を確立する2つの電気接触EC1、EC2、及び電気的結合を確立しているときに光モジュールLMとエネルギ・インフラEIとの間の熱的結合の熱抵抗値TRを測定する測定システムMS、を有する。制御システムCSは、熱抵抗値TRが所定値より高いとき、光モジュールLMを過熱から保護するために光源LSに供給される電力を低減するよう構成される。
【0014】
一実施形態では、光源LSに供給される電力は、電力のデューティ・サイクル、つまり光源のデューティ・サイクルにより制御される。デューティ・サイクルは、光Lを放射するために電力が光源LSに転送される時間の関数である。2つの極端な値は、光源が全く光を放射しないデューティ・サイクル0又は0%、及び光源LSが連続的に光を放射するデューティ・サイクル1又は100%である。2つの極端な値の間で、光源は交互に光を放射したり放射しなかったりする。望ましくは、光源は方形波を用いて制御され、代案としてデューティ・サイクルは光源が光を放射する「オン」状態と光源が光を放射しない「オフ」状態との間の比として定められうる。
【0015】
光モジュールは、エネルギ・インフラに接続され、電気接触EC1、EC2がそれぞれ電極E1、E2に電気的に接触している状態で示される。光源に転送される電力のデューティ・サイクルは、本実施形態ではスイッチSWを制御する制御システムにより制御される。スイッチSWを閉じると電気回路を閉じられ、電源PSが光源に電力を供給でき、光源が光Lを放射する。スイッチを開けると電源が光源から切断され、それにより電源が光源に電力を供給するのを防ぎ、如何なる光Lも放射されないようにする。
【0016】
制御システムは、熱抵抗値が所定値より高いとき、電力のデューティ・サイクルを減少させることにより、光源に供給される電力を低減するよう構成されてもよい。制御システムは、更に又は代案として、光源に転送される電力の振幅を減少させることにより、光源に供給される電力を低減するよう構成されてもよい。
【0017】
この実施形態では、熱拡散器HSは光源LSと電気接触EC1との間に配置される。熱拡散器は、電気的絶縁材料からなり、熱拡散器を電気接触EC1から電気的に絶縁する。熱源により生成された熱は、光源からエネルギ・インフラへ熱拡散器、電気接触EC1及び電極E1を介して転送されうる。この熱的結合の熱抵抗値は熱抵抗値TRにより示される。望ましくは、熱拡散器の熱抵抗値は比較的低く、臨界熱抵抗値は電気接触EC1と電極E1との間の熱抵抗値である。
【0018】
電極E1及び対応する電気接触EC1は共に、それぞれ電極E2及び電気接触EC2よりも大きい。これは、良好な熱的接触が確立された場合に最小の熱抵抗値を提供し、光モジュールが過熱から保護されうるようにする。
【0019】
光モジュールを過熱から保護するために低い熱抵抗値が要求されるので、測定システムは熱抵抗値を測定する。熱抵抗値が所定値より高く、過熱の危険を生じる場合、制御システムは、光源に供給される電力を変更し、例えば光源のデューティ・サイクルを低減する。これは、光源により生成された熱が減少され、光モジュールが過熱から保護されるという利点を有する。熱抵抗値を測定することは、例えば温度が所定の限度に達するまで待たなければならない温度測定に対して比較的迅速に十分な熱的接触が決定されうるという利点を有する。別の利点は、光源のデューティ・サイクルを低減する場合に、熱的接触が不十分であることの視覚的表示がユーザに提供されることである。
【0020】
望ましくは、熱抵抗値が所定値よりも低い「通常の」デューティ・サイクルは、公称動作電流が達成されるような場合であり、最大100%である。良好な視覚的表示は、デューティ・サイクルが低減されたときに得られ、熱抵抗値が所定値より高いときに光源が点滅するようにし、デューティ・サイクルは50%より低く減少されてもよい。熱抵抗値が所定値より高いとき、デューティ・サイクルを0%に減少させ、光源がオフになり、つまり運転停止にされ、更に熱的接触が十分でないことを明示することも可能である。点滅する警告信号は、オフ警告信号よりも望ましい。何故なら、点滅する警告信号は、電気的結合が確立されたこと及び光モジュールが壊れていないことも示すからである。
【0021】
音又は振動のような他の警告信号も、警告するために用いられ、熱的接触に関する直接のフィードバックを与えることが可能である。
【0022】
熱抵抗値は、電気接触EC1と電極E1との間の電気抵抗値を測定することにより決定されてもよい。電気抵抗値及び熱抵抗値の両者は、電気接触EC1と電極E1との間の物理的接触に依存する。従って、電気抵抗値は熱抵抗値の指標である。
【0023】
望ましくは、電気抵抗値は、測定に際して、光モジュールに供給される電流の影響が最小であるように決定される。このような方法の例は図2に示される。
【0024】
図2は、電気接触EC1と電極E1との間の熱抵抗値を測定するための光モジュールの測定システムの例を示す。熱抵抗値は、電気接触EC1と電極E1との間の電気抵抗値、つまり接触抵抗値を測定することにより測定される。従って、測定システムは、電極E1にテスト・ピンTPにより接続された電圧測定器V、及び測定された電圧が電気接触EC1と電極E1との間の接触抵抗の指標であるように電流を伝達せず電気接触EC1及び/又は電極E1に材料抵抗値を含まない電気接触EC1の部分Pを有する。
【0025】
図3は、本発明の別の実施形態による光モジュールLM’の概略図を示す。光モジュールLM’は、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有するエネルギ・インフラ(示されない)との電気的及び熱的結合のために適している。
【0026】
光モジュールLM’は、(LEDのような)複数の光源LS’が光を放射するために設けられたプリント回路基板PCBを有する。光源LS’は光を放射しているときは熱源である。制御システムも、PCB上に設けられ、例えばデューティ・サイクルで、光源LS’に供給される電力を制御する。
【0027】
光モジュールLM’は、少なくとも1つの電源の電極と接触するための2つの電気接触EC1’、EC2’を更に有し、それにより光モジュールとエネルギ・インフラとの間に電気的結合を確立する。電気接触は、それぞれ電線EL1、EL2を介してプリント回路基板PCBに接続される。
【0028】
熱拡散器HS’は、電気的結合が確立されたとき、光源LS’とエネルギ・インフラとの間に配置される。熱拡散器HS’は、光モジュールとエネルギ・インフラとの間に熱的結合を確立するために熱接触パッドTCを有する。
【0029】
光モジュールは、光モジュールとエネルギ・インフラとの間の熱的結合の熱抵抗値を測定するために測定システムを有する。測定システムは、光源からエネルギ・インフラへの熱流量を測定することにより、熱的結合の熱抵抗値を決定するよう構成される。本実施形態では、測定システムは、2つの温度センサTS1、TS2を設けられる。温度センサTS1は、熱拡散器HS’内で光源の近くに置かれる。温度センサTS2は、熱拡散器HS’内で熱接触パッドTCの近く、つまり熱的結合が確立されたときにエネルギ・インフラの近くに置かれる。
【0030】
熱流量は、温度差を熱抵抗値で割ったものとして定められうる。熱接触パッドTCとエネルギ・インフラとの間の熱接触が十分なとき、総熱抵抗値は比較的低い。その結果、熱源、つまり光源により生成される熱の量に対応する熱流量を確立するために小さい温度差しか必要とされないので、光モジュールは、エネルギ・インフラと比較的速く熱平衡になる。熱接触パッドTCとエネルギ・インフラとの間の熱接触が十分でないとき、総熱抵抗値は比較的高い。その結果、熱源、つまり光源により生成される熱の量に対応する熱流量を確立するために大きい温度差が必要なので、光モジュールは、もっとゆっくり熱平衡になる。この時間に応じた熱流量の差は、熱接触が十分かどうかを決定するために検出されうる。
【0031】
熱を逃がすための代替経路を設けるために熱拡散器HS’に接続された小さいコンベクタ又はラジエータを設けることも可能である。熱抵抗値が高いほどコンベクタ又はラジエータを通じて多くの熱が「漏れ」、従って熱拡散器及び熱接触パッドを介した熱流量が減少する。この熱流量の減少は、温度差の減少として測定される。
【0032】
図4は、光モジュールとエネルギ・インフラとの間の熱接触が十分な場合、及び光モジュールとエネルギ・インフラとの間の熱接触が不十分な2つの場合の図3の温度センサTS1、TS2により測定される温度差の軌道を示す。縦軸は温度差DTであり、横軸は時間TIMEである。
【0033】
温度差の軌道dT1は、熱接触が十分な場合に温度センサTS1、TS2により測定された、時間に対する温度差である。時間t1で実質的に平衡に達し、その後、熱拡散器を通じた熱流量は一定になり、一定の温度差を生じている。
【0034】
温度差の軌道dT2は、熱接触が不十分であり且つ如何なる追加の熱経路、例えばコンベクタ、ラジエータ又は他の導電性経路も設けられない場合に温度センサTS1、TS2により測定された、時間に対する温度差である。時間t1で実質的に平衡に達し、その後、熱拡散器を通じた熱流量は一定になり、一定の温度差を生じている。不十分な熱的接触により熱抵抗値が高いので、平衡に達するまでにより長くかかる。
【0035】
温度差の軌道dT3は、熱接触が不十分であり且つ追加の熱経路、例えばコンベクタ、ラジエータ又は他の導電性経路も設けられた場合に温度センサTS1、TS2により測定された、時間に対する温度差である。時間t3で実質的に平衡に達し、その後、熱拡散器を通じた熱流量は一定になり、一定の温度差を生じている。不十分な熱的接触により熱抵抗値が高いので、より多くの熱が追加の熱経路を通じて漏れ、従って図4に示されるように熱接触パッドを介し熱拡散器を通じた熱流量はより低い。
【0036】
このように、制御システムは、特定の時刻を見て平衡に達しているか否かを決定することにより、熱抵抗値を測定することができる。追加の熱経路がある場合に、最大熱流量から判断することも可能である。
【0037】
また、如何なる熱接触も確立されず、全く如何なる熱流量も生じない状況もある。しかしながら、全く如何なる熱流量も測定されないことは、光モジュールがオフであること、つまり運転停止であることを意味しうる。その場合、誤り警告信号が与えられてもよい。これを回避するため、追加で電流又は温度を測定することも可能である。
【0038】
また、1つの温度センサのみの情報を用いて熱抵抗値を決定することも可能である。例えば、温度センサTS1が用いられ温度センサTS2が省略された場合、熱的結合の熱抵抗値は、温度センサTS1により測定された温度の時間微分から判断することにより決定されうる。これは、図5の十分な熱接触及び不十分な熱的接触の場合に示される。
【0039】
図5は、縦軸に温度TEMP、横軸に時間TIMEを示す。温度軌道T1は、十分な熱接触の場合の温度センサTS1の測定された温度を示す。温度軌道T1’は、不十分な熱接触の場合の温度センサTS1の測定された温度を示す。ある時刻では、温度軌道T1及びT1’の変化の割合、つまり温度の時間微分は、それぞれ線dT1dt及びdT1’dtにより示される。不十分な熱的接触がある場合、十分な熱接触の場合より速く温度が上昇し、従って温度の時間微分は熱抵抗値の指標である。
【0040】
上述の実施形態及び特徴は、調光可能な照明システムにも全て当てはまる。当業者に明らかな幾つかの特徴については、これは光モジュールに供給される電力レベルに関して値を拡大縮小することが必要であってよい。
【0041】
必要に応じて本発明の詳細な実施形態が本願明細書に開示された。しかしながら、開示された実施形態は本発明の単なる例であり、種々の形式で実施されうることが理解されるべきである。従って、本願明細書に開示された特定の構造及び機能の詳細は限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び実質的に如何なる適切な詳細構造でも本発明を様々に実施するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。更に、本願明細書で用いられた用語及び語句は、限定を目的とするものではなく、本発明の分かり易い説明を提供するためのものである。
【0042】
本願明細書で用いられる単数を示す語は1又は1より多いとして定められる。本願明細書で用いられる複数を示す語は2又は2より多いとして定められる。本願明細書で用いられる別のという語は少なくとも第2の又はそれ以降として定められる。本願明細書で用いられる有する(「including」及び/又は「having」)の語は、有する(「comprising」)(つまり、広義の語であり、他の要素又は段階を排除しない)として定められる。請求項中の如何なる参照符号も請求の範囲又は本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではない。
【0043】
特定の手段が相互に異なる従属請求項で引用されることは、これら手段の組み合わせが効果的に利用できないことを示すものではない。
【0044】
単一のプロセッサー又は他の部分は、請求項に記載された複数の要素の機能を満たして良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギ・インフラとの電気的及び熱的結合のための光モジュールであって、
前記エネルギ・インフラは、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有し、
当該光モジュールは:
−光を放射し、光を放射しているときに熱源になる光源;
−前記少なくとも1つの電源の前記電極に接触することにより、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間に前記電気的結合を確立する2つの電気接触;
−前記光源に供給される電力を制御する、前記光源と前記電気接触との間に配置された制御システム;
を有し、
前記光モジュールは、前記電気的結合を確立しているとき、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間の前記熱的結合の熱抵抗値を測定する測定システムを有し、
前記測定システムは、前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される、
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記光源は、発光ダイオード(LED)である、
ことを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項3】
前記制御システムは、前記熱抵抗値が所定値より高いとき、前記電力のデューティ・サイクルを減少させることにより、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記制御システムは、前記電力の振幅を減少させることにより、前記光源に供給される電力を低減するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記電気的結合が確立されたとき、前記光モジュールと前記エネルギ・インフラとの間に熱的結合を確立するための、前記光源と前記エネルギ・インフラとの間に配置された熱拡散器;
を有する請求項1乃至4の何れか一項に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記熱拡散器は、前記2つの電気接触のうちの一方と接続され、他方の電気接触から電気的に絶縁され、
前記測定システムは、前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記少なくとも1つの電源の対応する電極との間の接触の電気抵抗値を測定することにより、前記熱的結合の熱抵抗値を決定するよう構成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記少なくとも1つの電源の対応する電極との間の前記電気抵抗値は、前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記対応する電極との間の電圧を測定することにより、決定される、
ことを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記測定システムは、前記光源から前記エネルギ・インフラへの熱流量を測定することにより、前記熱的結合の熱抵抗値を決定するよう構成される
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記光源から前記エネルギ・インフラへの熱流量を測定するために2つの温度センサが前記熱拡散器内に設けられ、前記熱的結合が確立されたとき、一方のセンサは前記光源の近くに置かれ、他方のセンサは前記エネルギ・インフラの近くに置かれる、
ことを特徴とする請求項5又は8に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記測定システムは、前記熱拡散器内の温度の時間微分を測定するために、前記熱拡散器内に組み入れられ望ましくは前記光源の近くに置かれた温度センサを有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の光モジュール。
【請求項11】
前記熱抵抗値が前記所定の値より高いとき、警告信号を提供する警告システムが設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の光モジュール。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の光モジュールを過熱から保護する方法であって:
−前記光モジュールを前記エネルギ・インフラに接続する段階であって、それにより前記光モジュールを前記エネルギ・インフラとの間に前記熱的結合を確立する、段階;
−前記測定システムにより、前記光モジュールを前記エネルギ・インフラとの間の前記熱的結合の熱抵抗値を測定する段階;
−前記熱抵抗値が所定の値より高いとき、前記光モジュールを過熱から保護するために、前記光源に供給される電力を低減する段階;
を有する方法。
【請求項13】
前記熱抵抗が前記所定値より高いとき、前記電力のデューティ・サイクルを減少させることにより、前記光源に供給される電力が低減される、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記熱抵抗が前記所定値より高いとき、前記電力の振幅を減少させることにより、前記光源に供給される電力が低減される、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記光モジュールを前記エネルギ・インフラに接続する段階の後に、熱拡散器が前記光源と前記エネルギ・インフラとの間に配置され、
前記熱拡散器は、電気的絶縁材料から作られ、前記2つの電気接触のうちの一方と接続され、
前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記少なくとも1つの電源の対応する電極との間の接触の電気抵抗値を測定することにより、前記熱的結合の熱抵抗値が決定される、
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか一項に記載の光モジュール。
【請求項16】
前記光モジュールは発光ダイオード(LED)であり、
前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記少なくとも1つの電源の対応する電極との間の前記電気抵抗値は、前記2つの電気接触のうちの前記一方と前記対応する電極との間の電圧を測定することにより、決定される、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記熱的結合の熱抵抗値は、前記光源から前記エネルギ・インフラへの熱流量を測定することにより決定される、
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記光モジュールを前記エネルギ・インフラに接続する段階の後に、熱拡散器が前記光源と前記エネルギ・インフラとの間に配置され、
前記熱的結合の熱抵抗値は、前記熱拡散器内の温度の時間微分を測定することにより決定される、
ことを特徴とする請求項12乃至14の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記熱抵抗値が前記所定の値より高いとき、警告信号を提供する段階;
を有する請求項12乃至18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の光モジュールと、それぞれ2つの電極を有する少なくとも1つの電源を有するエネルギ・インフラとの組合せ。
【請求項21】
前記熱的結合は、前記2つの電気接触のうちの他方の電気接触より大きい一方と前記少なくとも1つの電源の他方の電極より大きい対応する電極との間の接触により確立される、
ことを特徴とする請求項20に記載の組合せ。
【請求項22】
前記熱的結合に用いられる前記少なくとも1つの電源の前記電極は、電気接地に接続される、
ことを特徴とする請求項21に記載の組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−527762(P2012−527762A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511376(P2012−511376)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051976
【国際公開番号】WO2010/133993
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】