説明

光処理装置、その操作システム、その操作方法および光美容装置と共に使用される容器

【課題】光処理を効率的に、低コストでおよび/または確実に行うことのできるための方法及び装置等を提供する。
【解決手段】本装置の一例は、組織のある部位に光処理を施すための放射源と、マーカと、マーカを検出し、マーカの存在に応じて放射源を選択的に作動させる検出器組立体とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は、2002年5月23日出願の米国特許出願第10/154,756号の一部係属出願であって、2002年10月23日出願の米国仮特許出願第60/420,645号及び2003年8月25日出願の米国仮特許出願第60/498,258号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、アジュバント物質を冷却または局所適用に用いる光処理のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な症状を組織の光処理(例えば、光治療処置及び光美容処置)で治療することができる。このような光処理には、例えば、光を利用した脱毛、様々な皮膚病変(色素性病変、血管病変、及びにきび)の処置、入れ墨の除去、顔の皮膚の改善、脂肪及びセルライトの治療、瘢痕の除去、皮膚の若返り(皺の除去や、肌の色や肌荒れの改善を含む)、悪臭除去、及びにきび治療を挙げることができる。
【0004】
通常は、光処理装置から発せられる光で、光熱機構(すなわち、標的構造またはその近傍の組織を加熱処理する)及び/または光力学的治療機構(すなわち、光が光化学反応を起こす)を利用して組織を治療する。患者の皮膚の所望の治療に適した放射線を発生させるために様々な種類の光源を光処理装置のハンドピース内に含めることができる。このような光源は、コヒーレントまたは非コヒーレントとすることができ、単一波長、多波長、または1または複数の波長域の光を放出できる。このような光源の例として、限定するものではないが、ダイオードレーザー、LED、アーク灯、フラッシュランプ、タングステンランプ、及び任意の他の好適な発光装置を挙げることができる。
【0005】
このような光源では、通常は供給される電気エネルギーの一部が光エネルギーに変換され、残りの電気エネルギーが廃熱に変換される。例えば、光源としてダイオードレーザーバーを利用する光美容装置では、最大で40%〜60%の電気エネルギーが廃熱に変換される。LEDの場合は、この損失は70%〜99%と非常に高い。他の光源の光エネルギー生成効率は様々である。一般に、相当量の廃熱が生成されるが、光源が正確に動作し、かつ光源の寿命を縮めないようにするためにこのような廃熱を除去しなければならない。加えて、熱の除去は、患者の皮膚に接触しているハンドピースの構成部品の温度を皮膚に損傷を与えない好適な範囲に維持するために重要である。
【0006】
アジュバント物質には、光処理装置の1または複数の標的部品に適用する消費冷却剤及び再使用冷却剤が含まれる。例えば、強力な放射線を用いて光処理を行うため、1または複数の電子部品または光部品が大きな熱を発生し得る。このような部品として、例えば、レーザーダイオード、LED、及び高出力電気部品を挙げることができる。このような部品から熱を除去するために冷却剤を用いて、光処理装置の寿命を延ばし、かつ/またはその安全性を改善して光処理装置の維持管理費を削減することができる。
【0007】
光処理装置はまた、例えば、局所物質などを含む他の消費物質と共に用いられる場合が多い。従来の局所物質として、ローション、ゲル、水、アルコール、またはオイルなどの任意の好適な局所液または皮膚軟化剤を挙げることができる。このような局所物質は、例えば、装置の安全性、治療効率、治療組織の美容効果、及び/または患者の快適性を改善するために用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第10/154,756号(名称:「光美容装置用の冷却システム(Cooling System for a Photocosmetic Device)」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したような消費物質は利点を提供するが、このような物質を使用すると、光処理装置のパッケージング、ハンドリング、及び製造が困難になり高コスト化する。従って、光処理中にアジュバント物質を効率的かつ低コストで送達するための方法及び装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1または複数のアジュバント物質(消耗物質または再使用可能な物質)を含む交換可能な容器を用いる光処理の方法及びシステムを開示する。アジュバント物質は、例えば局所物質または冷却剤とすることができる。局所物質を用いて、組織と光処理装置との接触を検出し、組織に対する光処理装置の速度を検出し、光処理装置によって処理された組織部分を検出し、かつ/または皮膚の色、肌触り、及び日焼けなどの組織に対する他の利点を提供するシステムを開示する。消費物質が適切であること、及び/または容器が光処理装置に接続されていること、及び/または適切な部位に向けられていることを確実にする安全システムを開示する。加えて、発光装置から熱を抽出するために相変化物質を用いる冷却システム及び方法を開示する。
【0011】
一態様では、本発明は、少なくとも1つの区画が画定された容器ハウジングと、区画内に入れられた物質と、光処理中の物質の供給を監視するために区画に結合された表示装置とを有する容器を提供する。ハウジング及び区画は、光処理装置に結合して、光処理中に物質を供給するための流路を形成することができる。区画は、光処理装置のヘッド、光処理装置の熱放散要素、標的部位、及び処置する組織部位からなる群から選択される少なくとも1つの要素に連通結合することができる。表示装置は、容器の状態(すなわち、容器内の物質の量、温度など)または物質の状態(すなわち、温度及び活性など)を示すことができる。表示装置は、例えば、機械的表示装置、光学的表示装置、磁気的表示装置、電気的表示装置、及び圧電表示装置からなる群から選択できる。物質は消費物質とすることができ、マーカーを含むことができる。
【0012】
本発明の別の態様では、組織を処置するために光処理装置と共に使用するための部分組立体を開示する。部分組立体は、物質を蓄え光処理装置に結合できる容器を有する。部分組立体は更に、物質のパラメータを監視するために構成及び配置された、容器に結合された検出器を含む。容器は、冷却剤及び局所物質などの消費物質とすることができる物質の放出及び/または補充を可能にする出口を含むことができる。局所物質の例として、限定するものではないが、ローション、水、アルコール、オイル、ゲル、粉末、エアロゾル、顆粒、クリーム、ワックス、及びフィルムを挙げることができる。消費物質は、過冷却液体、加圧ガス、または相変化物質を含むことができる。例えば、消費物質は、液体から気体状態に相転移するまたは固体から液体状態に相転移する相変化物質とすることができる。好適な相変化物質として、限定するものではないが、液体四フッ化炭素、液体CO2、氷、凍結ローション、凍結ワックス、凍結クリーム、及び凍結ゲルを挙げることができる。容器は、装置、組織部位、標的部位、装置のヘッド、または装置のハンドルなどに配置される熱放散要素に連通結合することができる。容器はまた、相変化物質などの再使用可能な物質を含むこともできる。検出器は、機械的検出器、光学的検出器、磁気検出器、電子検出器、及び圧電検出器とすることができる。部分組立体は、使用者が交換することができる。
【0013】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの区画が画定されたハウジングと、その区画内に入れられる物質とを有する容器を開示する。ハウジング及び区画は、物質と光処理装置との間で熱伝導できるように光処理装置に結合することができる。容器は更に、区画に結合された表示装置を含む。区画は、光処理装置のヘッド、熱放散要素、または治療する組織の少なくとも1つに連通結合することができる。容器内の物質は、相変化物質などの再使用可能な物質、または冷却剤や局所物質などの消費物質とすることができる。物質はマーカーも含むことができる。マーカーは、限定するものではないが、吸収マーカー、感光マーカー、光学的マーカー、蛍光マーカー、電気マーカー、及び磁気マーカーを含むことができる。マーカーは、物質の状態を示すことができる。マーカーは、染料、金属、イオン、着色粒子、感光染料、感光物質、カーボン粒子、導電性の皮膚用ローション、電解スプレー、導電性の電極ゲル、及び酸化物からなる群から選択することができる。
【0014】
容器の少なくとも1つの区画は、組織に結合するように適合された第1の区画と、光処理装置の熱放散要素に結合するように適合された第2の区画を有する。第1の区画は、ローション、クリーム、ワックス、フィルム、水、アルコール、オイル、ゲル、粉末、エアロゾル、及び顆粒などの局所物質を含むことができる。局所物質は、皮膚の保湿、UV保護、日焼け、肌触りの改善、皮膚の色調の改善、セルライトの軽減及び/または防止、にきびの軽減及び/または防止、しわの軽減及び/または防止、瘢痕の軽減、血管病変の軽減及び/または防止、毛穴の大きさの縮小、皮脂分泌の油分の低減、皮膚の弾力性の改善、汗分泌の軽減、悪臭の軽減及び/または改善、体毛の減少及び除去、及び毛髪の成長促進の少なくとも1つを達成することができる。容器の第2の区画は冷却剤を含むことができる。冷却剤は、限定するものではないが、液体テトラフルオロエタン(R‐134a)、液体CO2、氷、凍結ローション、凍結ゲル、結晶水和物(45%CaCl*6H2Oと55%CaBr*6H2OまたはKF*4H2O)、有機物質であるHO(C24O)824OH(ポリエチレングリコール)、カプリル酸、ヘキサデカン、及びパラフィン5913を含むことができる。1つの消費物質が、局所物質と冷却剤として作用することができ、組織と熱放散要素の両方に利用することができる。本発明のある実施形態では、局所物質及び/または冷却剤のための容器は、組織に連通接続可能な第1の区画と、光処理装置の熱放散要素に連通接続可能な第2の区画を含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、光処理装置を使用するための方法を提供する。この方法は、アジュバント物質の監視ができるように容器に結合された表示装置を有するアジュバント物質の容器を光処理装置に結合するステップと、表示装置の値を決定するステップと、その値が許容範囲の場合に光処理装置の作動を可能にするステップとを含む。この作動を可能にするステップは、例えば放射源を作動させることを含むことができる。表示装置は、限定するものではないが、光学的表示装置、機械的表示装置、電子表示装置、及び磁気表示装置とすることができる。
【0016】
更に別の態様では、本発明は、放射源、検出器、及びプロセッサを備えた、組織部位に対する光処理装置の運動速度を測定するためのシステムを提供する。光処理装置は、光処理を実施するための電磁源を有し、組織部位には物質が適用されている。光処理装置に結合されたアプリケーターを用いて、放射源で組織部分を照射する前に、マーカーを含み得る物質を組織に適用することができる。この物質はマーカーを含む。マーカーは、限定するものではないが、蛍光マーカー、吸収マーカー、電気マーカー、光学的マーカー、及び磁気マーカーを含む。放射源は、組織部分及び適用された物質を照射するために光処理装置に配置することができる。検出器は、物質を監視するように構成及び配置された光治療装置に結合されている。プロセッサは、検出器からの信号に基づいて光処理装置の運動速度を計算する。放射源を、複数の組織の位置を照射するために更に光処理装置に結合することができ、装置がその組織部分を移動する時に物質を組織部分に適用する。検出器は更に、放射源から所定距離離間して光処理装置に結合することができ、照射後の照射部位における物質の反応を監視するように配置することができる。プロセッサは更に、監視した応答と所定の値とを比較して光処理装置の連続的または不連続的な運動速度を決定するために検出器に結合することができる。
【0017】
このシステムは、計算した運動速度が所定の最大速度で決まる閾値をいつ超えたかを決定するために、計算した運動速度を所定の最大速度の値と比較するためのコンパレータを含むことができる。最大速度は、10mm〜500mm/秒の範囲とすることができる。コンパレータはまた、計算した運動速度を所定の最小速度と比較して、計算した運動速度が所定の最小速度で決まる閾値をいつ下回ったかを決定するために用いることもできる。最小速度は、5mm〜100mm/秒の範囲とすることができる。このシステムはまた、速度が閾値を下回った場合に制御信号に応答して光処理を停止するための停止スイッチを含み、これにより使用者が負傷するのを防止し、速度が閾値を超えた場合には効果のない治療を防止する。例えば、制御信号により、光処理装置の速度に基づいて電磁源を制御するべくプロセッサを使用可能にすることができる。停止スイッチは、照射を遮断するシャッター及び/または使用者を警告するアラームを含むことができる。
【0018】
別の態様では、本発明は、光処理装置を使用するための方法を提供する。この方法は、組織に局所物質を適用するステップと、その局所物質に関連したパラメータを検出するステップと、その物質のパラメータの検出された値に基づいて光処理装置の動作を可能にするステップとを含む。
【0019】
更に別の態様では、マーカーと共に使用するための光処理装置を開示する。この装置は、組織のある部分に対して光処理を実施するための放射源と、マーカーを検出し、そのマーカーに基づいて放射源を選択的に作動させる検出器組立体とを含む。この検出器は、例えば、光学的検出器、熱検出器、電子検出器、機械的検出器、または磁気検出器とすることができる。検出器組立体は、物体から反射された光の一部を検出し、その物質が組織であるか否かを決定するように構成及び配置することができる。光処理装置はまた、その組織部分の少なくとも一部にマーカーを配置するように構成及び配置されたアプリケーターを有することもできる
【0020】
別の態様では、相変化物質の相転移を、加熱される要素または熱を発生する要素(「加熱される要素」)から熱を抽出するために用いることができ、このような相変化物質を光美容装置のハンドピース内に含めることを出願者が思いついた。加熱される要素は熱を発生する要素とすることができる。このような熱発生要素は、例えば、光源、患者の皮膚の一部、または装置内の電子部品とすることができる。更に、加熱される要素は、熱発生源から熱を受け取る(すなわち、加熱される)全ての要素を含むことができる。このような要素は、例えば、ヒートシンク、熱交換器、熱分散装置、熱パイプ、熱伝導要素、循環ガスまたは液体、または治療部位に熱接触する構成要素(光学要素を含む)を含む。ここで用いる用語「相変化物質」は、物質または化合物から熱を除去する或いは熱を加えて少なくとも2つの相の間で転移できるあらゆる物質または化合物を指す。このような相間の転移は通常、ここでは相転移温度と呼ぶ周囲圧力によって変化し得る所定の温度で起こる。相転移温度でのこのような相変化物質からの熱の除去または加熱は、相転移による潜熱とここでは呼ぶ。例えば、相変化物質は、当初は固相であり、所定量の熱を吸収して液相に転移することができ、ここでは融解潜熱と呼ぶ。
【0021】
後述する本発明の多くの実施形態では、光美容装置のハンドピース内の光源によって生成される廃熱を除去するための相変化物質として氷が用いられる。出願者は、氷は大気圧で330j/gの比較的高い融解潜熱を有し、効率的に熱を除去する機構を提供できるため、本発明の様々な実施形態に用いるのに特に適した材料であることを見出した。更に、氷が溶けてできる水は、生体適合性物質であり、環境に安全であり、更に皮膚に有益な化合物と混合することができる。氷はその相転移を熱を除去するための本発明の実施に利用できるため好適な物質の1つとして以下に記載するが、他の好適な相変化物質も利用できることを理解されたい。更に、融解潜熱を用いるのではなく、ドライアイスなどの相変化物質の昇華潜熱も加熱される要素から熱を除去するために本発明の実施に利用できる。
【0022】
このような相変化を利用して光美容装置を冷却する様々な実施形態を以下に説明する。原理として、例えば氷などの相変化媒体は、通常は熱交換要素(例えば、銅のブロック)を介して熱発生器(例えば、光源)と熱接触するまたは任意の他の加熱される要素と熱接触するように、ハンドピース自体に配置することができる。別法では、相変化媒体を光美容装置のベース部に配置して、そのベース部とハンドピースとの間を循環する冷却流体から熱を抽出して、熱発生器(例えば、光源)または任意の他の加熱される要素(例えば、患者の皮膚に光を供給する光学システム)を冷却することができる。当業者には、他の代替方法も可能であることが明らかであろう。例えば、相転移媒体を、ハンドピースの加熱される要素(例えば、皮膚及び/または光源)を直接冷却するためにハンドピースと、電子部品の熱交換器として機能するようにベース部の両方に配置することができる。
【0023】
ある態様では、本発明は、美容装置の加熱される要素から熱を抽出するための閉ループ(再生可能)冷却システムを提供する。このシステムでは、氷などの相変化媒体が熱吸収により相転移したら、熱抽出に適した状態に戻して再使用する。相変化媒体の再成は、例えば、光美容装置内に含まれる冷却ユニットまたはその外部に結合された冷却ユニットで行うことができる。
【0024】
別の態様では、相変化媒体を用いて循環流体から熱を抽出し、これにより光美容装置の加熱される要素から熱を除去する。相変化媒体は、加熱される要素から離間して配置することができる。
【0025】
用語「熱接触」は、当分野でよく知られている。ここで用いるこの用語は、互いに熱の伝導を可能にする少なくとも2つの要素間のあらゆる結合を含むものとここでは定義する。このような熱結合は、要素を互いに物理的に直接接触させて、中間熱伝導要素を介して、または循環ガスまたは液体を含む熱パイプやループによって達成することができる。熱交換器は、例えば、水から空気、氷から水、または水から水へと1つの媒体から別の媒体に熱を伝導するための装置である。媒体間の熱接触が良好であればあるほど、熱交換の効率が上昇する。これに加えて或いは別法では、直接的な物理的接触または中間熱伝導要素を用いずに2、つの要素間で輻射熱伝導を確立することができる。従って、一般に、2つの要素間で熱が伝導されれば、2つの要素は熱接触している。
【0026】
更に別の態様では、本発明は、所定量の相変化物質を含むことできるカートリッジを提供する。このカートリッジを光美容装置内の加熱される要素に結合して、相変化物質を加熱される要素に熱接触することができる。加熱される要素から相変化媒体への熱伝導により、例えば、固相から液相への相変化媒体の相転移が起こり、これにより加熱される要素から熱を除去することができる。カートリッジは更に、相変化の後にできた流体を加熱される要素から移送するために流路を含むことができる。
【0027】
別の態様では、本発明は、光美容装置の加熱される要素から熱を抽出するために用いられる冷却流体の流路内に取外し可能及び交換可能に配置することができる相変化媒体を受容するためのカートリッジを提供する。相変化媒体の相転移によって冷却流体が有する熱が除去され、これにより冷却流体の温度が低下する。
【0028】
別の態様では、本発明は、光美容装置内の加熱される要素と相変化媒体との良好または最適な熱接触を容易に維持できるように相変化媒体に圧力を加えるための機構を提供する。加えられた圧力により、加熱される要素との境界でその加熱される要素の熱により相変化媒体が相転移している間、相変化媒体と加熱される要素との良好または最適な熱接触が確実に維持される。
【0029】
更に別の態様では、本発明は、相変化媒体と光透過要素とが熱接触するように光美容装置のハンドピースの光透過要素に結合でき相変化媒体を受容する冷却装置を提供する。相変化媒体の相転移によって光透過要素から熱が抽出され、これにより光透過要素の温度が許容範囲内に維持される。
【0030】
以下に示す複数の実施形態は、光美容装置内の光源の冷却についてであるが、当業者であれば、本発明の開示を用いて、軍事用の照明、民生用または商業用の照明、産業用の装置、医療用の装置、または様々な民生用装置などの他の装置内の光源を冷却できることを理解できよう。一般に、本発明の開示は、有限の動作寿命時間を有するあらゆる光源の冷却に適用することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、光処理を効率的に、低コストでおよび/または確実に行うことのできるための方法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】本発明の態様に従った組織を治療するための光処理装置の実施形態の一例の模式図である。
【図1B】本発明に従った内蔵型光処理装置のある態様を例示する模式図である。
【図2】本発明の態様に従った消費物質適用システムを含む光処理装置の模式図である。
【図3A】組織に連通接続可能な第1の区画及び光処理装置に連通接続可能な第2の区画を含む容器の第1の例の断面図である。
【図3B】組織に連通接続可能な第1の区画及び光処理装置に連通接続可能な第2の区画を含む容器の第2の例の断面図である
【図3C】組織に連通接続可能な第1の区画及び光処理装置に連通接続可能な第2の区画を含む容器の第3の例の断面図である
【図4A】組織に連通接続可能な第1の区画及び光処理装置のヘッドに連通接続可能な第2の区画を含む交換可能な容器と共に使用するための適用システムの例示的な実施形態の模式図である。
【図4B】組織に連通接続可能な第1の区画及び光処理装置のヘッドに連通接続可能な第2の区画を含む交換可能な容器と共に使用するための適用システムの例示的な実施形態の第2の模式図である。
【図4C】容器の実施形態の平面図である。
【図4D】容器の実施形態の底面図である。
【図5A】光処理装置と共に使用するための表示装置に基づいた検出/利用可能システムを有する光処理装置の第1の模式図である。
【図5B】表示装置に基づいた検出/利用可能システムと共に使用するための容器の模式図である。
【図6】光処理装置の熱放散要素を冷却する領域を有する容器の模式図である。
【図7】光美容装置の動作中にその加熱される要素を冷却するためにその加熱される要素と相変化媒体が直接熱接触する本発明の例示的な実施形態を模式的に示すブロック図である。
【図8A】相変化物質が用いて光美容装置の光源を冷却する循環流体から熱を抽出する本発明の別の例示的な実施形態を模式的に示すブロック図である。
【図8B】光美容装置の光源から熱を抽出する循環冷却流体から熱を相変化物質に伝導するために光美容装置に結合することができる取外し可能な熱交換器を有する更に別の例示的な実施形態を模式的に示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に従った光美容装置の例示的なハンドピースの模式的な破断斜視図である。
【図10】図9に示されているハンドピースのヒートシンクに結合された氷カートリッジの破断図である。
【図11】ヒートシンクに係合する前の図10に示されているカートリッジの破断図である。
【図12】図11のカートリッジと図10のハンドピースのヒートシンクとの結合を模式的に例示する破断図である。
【図13】図11の氷カートリッジと図10のハンドピースのヒートシンクとの完全な結合を模式的に例示する破断図である。
【図14】相変化物質の融解でできた液体の一部を患者の皮膚の治療部位に供給することができる本発明の光美容装置のハンド装置を模式的に示す破断図である。
【図15A】図11のカートリッジを光美容装置のベースユニットに結合して、ベースユニットに配置されたTE冷却器を利用してカートリッジ内の水を凍結して氷にする冷却機構の模式的な斜視図である。
【図15B】相変化媒体を含むカートリッジを冷却するための別の機構の模式的な斜視図である。
【図16】光美容装置のハンドピース内の加熱される要素から熱を除去するべくそのハンドピースとベースユニットとの間を循環する流体を冷却するために、光美容装置のベースユニットに取外し可能及び交換可能に結合できる本発明の一実施形態に従った熱交換器を模式的に例示するブロック図である。
【図17】ベースユニットに配置された熱交換器から熱を除去するために光美容装置のベースユニットの結合された氷を含むカセットの模式的な斜視図である。
【図18A】光美容装置のベースユニットの受容モジュールに結合された図17のカセットの模式的な斜視図である。
【図18B】取り外された状態の図18Aのカセットと受容モジュールを例示する模式図である。
【図19】図18Bのカセットの様々な構成要素を模式的に例示する破断斜視図である。
【図20】図18Bの受容モジュールに配置された熱交換器と図19のカセットの結合を例示する模式図である。
【図21】光美容装置の加熱される要素から熱が除去されて氷が溶け、図20のカセットの氷容器の下側部分の氷の体積の減少を例示する模式図である。
【図22】図21の容器の下側部分の氷が全て溶けてできた水が容器の上側部分に集積された状態を例示する模式図である。
【図23】本発明の一実施形態に従った光美容装置のハンドピースの光透過要素から熱を除去するための冷却装置を例示する模式図である。
【図24A】図23の冷却装置の代替の実施形態を例示する模式図である。
【図24B】図23の冷却装置の代替の実施形態を例示する模式図である。
【図25A】治療する部位のマーカーとして用いるのに適した複数の例示的な染料についての吸収スペクトルのグラフ表示である。
【図25B】治療部位のマーカーとして用いるのに適した複数の例示的な生体適合性染料についての例示的な吸収スペクトルのグラフ表示である。
【図26】インビトロ条件で観察されたレチノール含有製剤の経皮的浸透の光による促進を示すグラフである。
【図27】マーカー材料の層を用いて組織に対する装置の運動速度を測定するためのシステムの模式図である。
【図28】治療した部位を視認できるようにするための本発明の別の態様を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の例示的な限定目的でない実施形態を単なる例として添付の図面を用いて説明する。
【0034】
医療環境または非医療環境で用いる本発明に従った光処理装置の態様は、次の特徴を含むことができる。例えば、(1)熱による組織損傷の軽減(例えば、外傷や他の皮膚の傷害を回避するのが望ましい)、(2)安全性及び効率の改善(例えば、適切な消費物質が装置に使用される可能性、敏感な組織(例えば、目)に損傷を与えるのを回避するために特定の組織に装置が接触しない可能性、装置が所定範囲内の速度で組織に対して移動する可能性、及び治療部位を過度に治療しない可能性が大きくなる)、(3)維持管理の簡便さ(装置を使用できる状態に維持し、使用済みの部品を簡単に交換できるのが好ましい)、(4)製造が容易(例えば、装置を大量生産できるのが好ましい)、(5)低コストでの製造及び運転(例えば、装置が適正費用で入手でき適度な費用で運転できるのが好ましい)、(6)パッケージが小さい(装置が小さく浴室などで簡単に保管できるのが好ましい)、(7)使用中の患者の快適性の改善(すなわち、装置の光または機械動作による患者への苦痛が軽減されるのが好ましい)、(8)使用が容易(例えば、治療した組織部位または治療する組織部位を見やすくする)、(9)追加の美容効果の提供(例えば、日焼け物質の適用など)。現在入手可能な光処理装置は、上記した1または複数の特徴が限定されている。
【0035】
本発明は、標的部位を冷却する、安全停止機構を構成する手段を提供する、治療した部位をマークする、及び患者に治療効果をもたらすなど、使用者に有利な効果を果たす物質を用いた光処理装置を用いるためのシステム及び方法を提供する。このような物質は、光処理装置に結合された区画内に入れられる。このような物質は、消費できるまたは再使用できるアジュバント物質とすることができる。
【0036】
I.消費できる物質及び再使用できる物質
本発明で開示する容器は、アジュバント物質に用いることができる。本明細書で用いる「アジュバント物質」は、再使用できる物質(すなわち、相変化冷却物質)及び消費できる物質(すなわち、局所物質及び使い捨て冷却剤)の両方を含むものとする。
【0037】
冷却剤は、熱を吸収できる任意の好適な輸送可能な物質とすることができる。例えば、冷却剤として、テトラフルオロエタン(R‐134a)、液体CO2、氷、凍結ローション、凍結ワックス、または凍結ゲルを挙げることができる。ある実施形態では、冷却剤は、相変化物質(すなわち、加熱及び減熱で相転移する物質)である。相変化物質の例として、結晶水和物(45%CaCl*6H2Oと55%CaBr*6H2OまたはKF*4H2O)、有機物質であるHO(C24O)824OH(ポリエチレングリコール)、カプリル酸、ヘキサデカン、及びパラフィン5913を挙げることができる。例えば、容器には、液相の加圧ガス(液体冷却剤が標的部位に供給されその標的部位から熱を吸収し、この熱の吸収により液相から気相になる)、標的の熱放散要素の温度よりも融点が低い固体物質(例えば、粉末、顆粒、またはブロック状の物質)を入れることができる。他の様々な相変化物質も用いることができる。
【0038】
局所物質は、任意の好適な機能を果たす任意の好適な輸送可能物質とすることができる。例えば、局所物質は、光処理効果を促進する(例えば、光源からの光を組織に結合する、または脱毛する)、光処理装置の安全性を高める(例えば、組織を冷却する、治療した部位を示す、組織に対する装置の移動速度を示すなど)、光処理の最中またはその後、患者を快適にする(例えば、弱い麻酔成分を含める、かつ/または冷却する)、または皮膚及び皮下組織に更なる恩恵を与える(例えば、皮膚を保湿する、日焼けさせる、紫外線(UV)から保護する、皮膚の色及び肌触りを改善する、肌の弾力性を改善する、セルライトの軽減及び/または防止、セルライトを目立たなくする、にきびの軽減及び/または防止、皺の軽減及び/または防止、瘢痕を目立たなくする、血管病変の軽減及び/または防止、毛穴を小さくする、皮脂分泌の油分を少なくする、汗を軽減する、悪臭を軽減する、体毛の軽減または除去、及び毛髪の成長を促進するなど)。ある実施形態では、局所物質の組織内への浸透及び/または局所物質の効果を光源125からの照射で増大させることができる。
【0039】
本発明のある態様に従えば、局所物質は、ローション、水、アルコール、油、ゲル、粉末、エアロゾル、顆粒、クリーム、ワックス、フィルム、または任意の他の好適な物質を含むことができる。模範的な局所物質は、好ましくは生体適合性であり、光処理に用いる光の波長に対して吸収係数が低く(例えば、1cm-1未満)、かつ光処理に用いる光の波長に対して散乱係数が低い(例えば、10cm-1未満)。
【0040】
組織に接触して動作する光処理装置に使用する局所物質は、表皮の屈折率に近い屈折率(例えば、屈折率は1.3〜1.6、好ましくは1.4〜1.55)、高い熱伝導率(例えば、0.1〜1W/m/K)、及び良好な潤滑効果を有する。局所物質は、患者または使用者が治療部位に適用したり、好適なディスペンス装置で分注できることを理解されたい。消費物質は、例えば、局所物質と冷却剤の両方として機能するなど、複数の目的及び効果を有することができる。このような実施形態では、消費物質を組織及び熱放散要素の両方または組織のみに連通するように結合させて、組織を冷却したり、他の効果を与えることができる。
【0041】
本発明の別の態様では、局所物質自体(冷却剤または冷却剤以外とすることができる)またはマーカー(局所物質に加える)を用いて治療する部位を示し、組織に対する光処理装置の移動の検出を容易にし、かつ/またはその移動速度の測定を容易にして、光処理の効率及び/または安全性を改善することができる。
【0042】
相変化物質を再使用可能な物質として用いることができる。相変化物質は、氷が溶けるような固相から液相、またはカートリッジに保管されたドライアイスの昇華のような固相から気相に転移することができる。相変化物質は、光源から熱を除去するために用いることができる。氷は、高い融解潜熱を有し、かつ生物学的及び環境的に安全であるため、相変化物質として特に適している。しかしながら、本発明の実施に他の好適な相変化物質を用いることもできることを理解されたい。ある実施形態では、水と塩やアルコールなどの添加物との凍結混合物を相変化物質として用いることができる。相変化物質の他の例として、ガリウム及びワックスを挙げることができる。一般に、好適な相変化物質は、比較的高い融解潜熱を有し、効率的な熱の放散が可能であり、生物学的に安全である。加えて、相変化物質は、周囲環境に放っても安全であるのが好ましい。更に、皮膚に有益な成分を、光処理装置による皮膚の処置中に患者の皮膚の一部に適用される相変化物質に添加することができる。このような成分は、光処理装置によって皮膚が光、加熱、または冷却に曝されることによる治療効果とは別に、有用な効果及び/または治療効果を与えることができる。別法では、皮膚に有益な成分は、光処理装置によって光または熱で活性化され、目的の有益な効果を果たすことができる。
【0043】
相変化物質及び皮膚に有益な成分の両方を含む1回用カートリッジまたは複数回用カートリッジは、(a)単一の室内で皮膚に有益な成分と混合した相変化物質(氷など)、または(b)別々の室内に入れられた相変化物質と皮膚に有益な成分を含むように構成することができる。カートリッジは、ベースユニットまたはハンドピースに配置でき、使用者が交換できるようにデザインすることができる。
【0044】
1回用のカートリッジの場合、使用者は、処置の前に単純に古いカートリッジを新しいカートリッジに交換すれば良い。光源を冷却するための相変化物質として氷を使用する場合は、1回用カートリッジの在庫を冷凍庫に保管して必要に応じて使用する。
【0045】
氷/水と有益な成分のために別々の室を備えた複数回用の氷カートリッジの場合は、使用後に水を再凍結することができる。複数回用のカートリッジは、10回(公称)の治療に十分な量の皮膚に有益な成分を含むようにデザインすることができる。皮膚に有益な成分にマーカーが含められ、マーカーが検出された場合だけ装置が作動するようにデザインされている場合は、水を再凍結できても使用者はカートリッジを交換しなければならない。
【0046】
皮膚に適用されるローションは、ハンドピースと皮膚との熱接触及び光接触を改善するようにデザインされた化合物及び皮膚に有益な成分の両方を含むことができる。ハンドピースが皮膚表面を単一方向にスキャンするようにデザインされている場合、ローションは、レーザーの照射前または照射後に皮膚に適用することができる。レーザー照射の前に、熱接触及び光接触を改善するようにデザインされたローションを適用することで、安全性及び効率を改善することができる。カートリッジ内の氷で冷却されるローションをレーザー照射後に適用して、使用者にとって治療をより快適にすることができる。照射後または照射前の適用に関係なく、ローションは潤滑性を付与し、これによりハンドピースで皮膚表面を容易にスキャンすることができる。
【0047】
II.容器に結合された光処理装置
図1Aに、例えば皮膚などの標的部位または組織150を治療するための光処理装置100の実施形態の一例の模式図が示されている。通常は、光美容処置では、表皮層または真皮層にある標的部位を治療する。例えば、脱毛の場合、毛嚢160の毛球152を加熱するのが望ましいであろう。光処理装置100は、ベースユニット120、アンビリカルコード132(単にコードとも呼ぶ)、及びハンドピース170を含む。本発明の一態様に従えば、光処理装置100は、例えば冷却剤または局所物質を含む消費物質が入った取替え可能な容器130も含む。別の実施形態では、容器130は、その中に局所物質を入れることができ、組織150に連通するように結合することができる。
【0048】
ベースユニット120は、光処理を行う電磁放射線(EMR)源125(または単に「光源」と呼ぶ)に電力を供給する電源124を含むことができる。電源124は、外部電源または内部バッテリーに接続することができる。EMR源125は、現在知られているまたは後に開発される光処理を行うために電磁放射線を発生させることができる任意の光源(例えば、レーザー、ランプ、LED、または収集された日光)とすることができる。電源124は、コード132を介してハンドピース170に電気的に接続することができる。コード132は、軽量で柔軟性を有するのが好ましい。
【0049】
ハンドピース170は、組織150に近接して用いるように構成された処理ヘッド180(「ヘッド」とも呼ぶ)、及び使用者が把持して組織150に対して任意の方向にヘッド180を移動させることができるハンドル190を含む。例えば、ヘッド180は、組織に対して前方105に押したり、後方106に引くことができる。ハンドピース170は、好適な機械装置によって機械的に駆動したり、手動で組織150をスキャンすることができる。通常は、所定のストロークの間(すなわち、組織150に対する移動)、ヘッド180が移動する時にヘッド180と組織150との接触が維持される。ただし、本発明に従った光処理は、接触しないでも行うことができる。ヘッド180と組織150とが良好に熱接触及び光接触するように、ヘッド180と組織150とを密着させるのが好ましい。光処理装置100は、言及することを以ってその開示内容の全てを本明細書の一部とする2002年5月23日出願のアルシュラー(Altshuler)らによる特許文献1に詳細が開示されている。
【0050】
図1に例示されている実施形態では、光源125は、ベースユニット120に配置され、コード132内のライトパイプ(例えば、光ファイバー)(不図示)によってヘッド180に結合されている。ライトパイプは、ハンドル190内を通って、または他の方法でヘッド180に結合して組織150に光を伝送することができる。ある実施形態では、この光源はハンドピース内に配置され、例えば図2に例示されている実施形態では、光源252はハンドピース280内に配置されている。
【0051】
光処理装置の上記した実施形態はモジュラー(すなわち、離れたベースユニットとハンドピースを有する)であるが、本発明の態様に従った光処理装置は、光処理装置全体がハンドヘルド装置として実施される内蔵型ユニットとすることもできる。
【0052】
図1Bに、本発明に従った内蔵型光処理装置の一実施形態の模式的な断面図が示されている。ハンドピース101は、光源155、光学系144、及び消費物質を入れる容器146を含む。この装置は、図示されているように、組織部分150’に接触している。光学系144は、光源155からの光を組織部分150’に結合する。
【0053】
電源147(例えば、バッテリーまたはコンデンサ)が光源155に電流を供給する。ある実施形態では、電源147は、電気接点151または電気コード(不図示)を介して充電することができる。オン/オフボタン143が電力を制御する。ハウジング153を用いて、1または複数の上記した部品を覆い、保護し、取り付けることができる。場合によっては、光源155からの光で照射する前に、皮膚表面に実質的に毛がなくなるように脱毛するべく脱毛装置154(例えば、レーザー)を配置することができる。内蔵型装置の更なる詳細については、言及することを以って本明細書の一部とする特許文献1を参照されたい。ある実施形態では、容器130’は、光源155または光学系144に結合されている。
【0054】
詳細を後述するように、ある実施形態では、容器130及び130’にアジュバント物質を入れることができる。ここで用いる「アジュバント物質」は、再使用可能な物質(すなわち、相変化物質)及び消費物質(すなわち、局所物質及び冷却剤)の両方を含むものである。
【0055】
一実施形態では、図1Aまたは図1Bに示されている容器130または容器130’は、冷却剤を含み、ベースユニット内またはハンドピース内の光処理装置100、101の熱放散要素(例えば、図2に例示されている熱放散要素222)に連通接続されている。これに加えて或いは別法では、冷却剤を、組織150、150’を冷却するためにその組織に連通接続することができる。ここで用いる用語「熱放散要素」は、熱を放散する任意の要素を意味すると定義する。熱放散要素は、熱発生要素(例えば、ヒートシンクまたは熱伝導電極)から熱を放散させる要素または熱源(例えば、EMR源125または電源124)とすることができる。
【0056】
図2に、本発明の態様に従った光処理装置200を例示する模式図が示されている。ハンドピース280が、選択された光処理が実施される標的部位250(例えば、患者の皮膚部分)にヘッド272からの光を当てるために配置された光源252を含む。
【0057】
取替え可能な容器210が、組織250及び/またはハンドピース280内の熱放散要素222及び/またはベースユニット220内の熱放散要素(不図示)に連通接続することができる冷却剤215などの消費物質を含む。ここで用いる「連通接続された」容器は、選択された位置(例えば、組織及び/または熱放散要素)に物質(例えば、消費物質)を供給するように構成及び配置された容器と定義する。例えば、連通接続された容器は、選択した位置に直接接続することもできるし、また導管及び/または弁を介して接続することもできる。ある実施形態では、容器210は、導管270を介して選択された位置(例えば、組織または熱放散要素)に連通接続される。送達される消費物質は、任意の好適な輸送可能な物質とすることができる。例えば、輸送可能な物質は、気体、液体、ゲル、粉末、顆粒、または容器から選択した位置に送達することができるあらゆる物質とすることができる。
【0058】
消費物質は、上記したようなあらゆる利点を提供することができ、改善された皮膚の保湿、色調、肌触り、色、または剥離などの利点を提供することができる。加えて、消費物質は、例えば、ここに開示したような光処理装置によって処置された組織の部分を識別するために好適な色を有する、または光処理装置から光が当てられた後で色が変化すことができる。別の例として、消費物質は、ここに開示したように組織に対する装置の速度測定に用いられる蛍光材料とすることができ、当業者には明らかな他の様々な利点を提供することができる。
【0059】
導管を用いて、組織250のみまたは熱放散要素222のみに消費物質を供給することができる。別法では、導管270を分岐して、消費物質を枝導管270aを介して組織250、及び枝導管270bを介して熱放散要素222の両方に供給することができる。別法では、容器210を2つの導管に接続して、一方の導管により消費物質を組織250に供給し、他方の導管により消費物質を熱放散要素222に供給することができる。ある実施形態では、導管270は、ベースユニット220内に固定された配管を含むことができ、そして使用者がハンドピース280を自由に動かすことができるようにアンビリカルコード232の部分にフレキシブル配管を含むことができる。導管270は、光処理の光が組織部位に照射される前、最中、及び/または後で消費物質215をその組織部位250に供給できるように配設することができる。
【0060】
上記したように、消費物質215が冷却剤の場合、消費物質215は熱を吸収できるあらゆる物質とすることができる。熱を効果的に吸収できる冷却剤が好ましい。ある実施形態では、冷却剤は、熱放散要素222または組織250から熱を吸収して相が変化する。冷却剤は、気化する液体、または液化または気化する固体またはゲルとすることができる。例えば、冷却剤は、液体四フッ化炭素または液体CO2などの加圧液体とすることができる。冷却剤はまた、選択された位置(例えば、熱放散要素222または組織250)から熱を吸収して気化及び/または液化する氷、凍結ローション、または凍結ゲルなどの固体とすることができる。別の実施形態では、冷却剤は、過冷却液体(すなわち、主成分の公称凍結温度よりも低く冷却された液体)とすることができる。
【0061】
消費物質215は、導管270を介して圧力が解放された時に選択された位置に消費物質を供給できるように既知の方法で加圧することができる。例えば、消費物質215は、容器210の容積を小さくして(例えば、ばね、反発し合う磁石、または他の加圧するための好適な装置などによって)機械的に圧縮することができる。ある実施形態では、消費物質215は、加圧された液化ガスであり、容器210は、液化ガス215の部分とガス218の部分を含む。ある実施形態では、容器内の圧力が液化ガス215の部分を選択された位置に向かって放出させる。別法では、任意の好適な消費物質215を、任意の好適な加圧ガス218によって加圧して放出することができる。
【0062】
消費物質は、数種類の物質の組み合わせを含み得ることを理解されたい。例えば、消費物質215は、組織250及び熱放散要素222に適用できるように冷却剤と局所物質を含むことができる。
【0063】
1または複数の弁230、233、及び234を設けて、消費物質215の放出を制御することができる。弁230、233、及び234は、電気制御、機械制御、または磁気制御を用いて制御できる任意の弁、または任意の他の好適な弁とすることができる。ある実施形態では、1または複数の弁230、233、及び234は、運動センサ240によって測定される皮膚に対する運動速度、温度センサ242によって皮膚で測定される温度、または温度センサ243によって熱放散要素222で測定される温度に基づいて制御することができる。運動センサ240及び温度センサ242、243は、言及することを以って本明細書の一部とする特許文献1に詳細に開示されている。
【0064】
弁230、233、及び234は、消費物質215の放出を制御するために任意の好適な位置に配置することができる。ある実施形態では、弁230を容器210に接続する、またはベースユニット220に配置して、アンビリカルコード236またはハンドピース280の大きさ及び重量が増大しないようにしている。他の実施形態では、1または複数の弁233及び234が選択された位置(例えば、近傍組織250または熱放散要素222)に近接してハンドピース280内に配置される。例えば、1または複数の弁をハンドピース280内に配置して、加圧された液体冷却剤215が液体状態に維持され、冷却剤が液体状態で選択された位置に放出できるようにする。これにより、上記したように液体冷却剤が選択された位置から熱を吸収して相が変わることができる。
【0065】
ある実施形態では、弁230は、容器210に接続された移動弁であり、ベースユニット220は、容器210が正確に配置されると弁230が作動して消費物質215が導管270に導入されるように弁230を移動するためのピンを有する。場合によっては、容器210及びベースユニット220にねじを設けて、容器210をベースユニット222内にねじ込むことができる。
【0066】
ある実施形態では、ベースユニット220は、特定の向きに容器210を維持する。例えば、容器210は、弁230が底部容器230(すなわち、重力により消費物質215が弁230を流れることができる)に位置するような向きに維持することができる。
【0067】
唯1つの容器が例示されているが、それぞれが冷却剤及び/または局所物質などの消費物質を含む2つ以上の容器を備えた光処理装置も本発明の範囲内である。当業者には理解できるように、2つ以上のこのような容器を有する場合、それぞれの容器は1または複数の選択された位置に連通接続される。
【0068】
本発明のある実施形態に従えば、2つの容器は1本の導管または2本の導管で接続する。2本の導管は、同じ標的部位で1つになり、2つの容器の消費物質が、選択された部位に到達する前または到達時に物理的または化学的に結合できるようにすることができる。2種類以上の局所物質を混合できるため、多くの利点を得ることができる。例えば、局所物質の混合物は、改善された局所物質または冷却剤となり得る。加えて、2種類以上の局所物質は、別々の容器で保管されると合保管寿命が長くなる場合がある。局所物質の混合物はまた、単一の物質の場合とは異なる利点が得られる化学反応が起こり得る。例えば、消費物質を組み合わせて吸熱反応を起こして冷却したり、局所適用に用いる活性物質(例えば、エクスフォリアント、脱毛物質または日焼け化合物)を得ることができる。
【0069】
図3Aに、本発明の態様に従った容器300の一例の側断面図が示されている。容器300は、組織に連通接続できる第1の区画310、及び光処理装置のヘッドまたはベースユニットに連通接続できる第2の区画320を含む。ここで用いる「連通接続された区画」は、選択された位置に消費物質を供給できるように構成及び配置された区画と定義する。例えば、連通接続された区画は、選択された位置に直接接続したり、図2を用いて説明したように導管及び/または弁を介して接続することができる。ここで用いる「連通接続可能な区画」は、選択された位置に消費物質を供給できるように配置できる区画と定義する。連通接続可能な区画は、液体、ガス、ゲルまたは好適な固体(例えば、粉末または顆粒)を流すことができることを理解されたい。
【0070】
第1の区画310及び第2の区画320はそれぞれ、消費物質312及び322を含む。消費物質312及び322は、ここに開示する光処理装置に使用するのに適したあらゆる消費物質とすることができる。ある実施形態では、消費物質312及び322の少なくとも一方が、組織を冷却するまたはしない局所物質として組織に適用するのに適し、他方が図2を用いて説明した熱放散要素の冷却剤である。
【0071】
第1の区画310及び第2の区画320は、これらの区画を分離できる任意の仕切り330で分離することができる。この仕切り330は、硬質または柔軟とすることができ、容器300の壁部302に固着したり、壁部302に対して移動可能にすることができる。ある実施形態では、2つ以上の仕切りを設けることができる。
【0072】
ある実施形態では、第1の区画310及び第2の区画320は圧力的に連通している。ここで用いる用語「圧力的に連通」は、第1の区画310及び第2の区画320の一方の圧力が他方の区画にかかると定義する。第1の区画310と第2の区画320は、圧力的連通により同一の圧力を有するのが好ましい。
【0073】
第1の区画310及び第2の区画320は、区画310と320の一方または両方の加圧ガスを維持できる仕切り330によって分離することができる。例えば、圧力的に連通するように、仕切り330を壁部302に固着し、区画320から区画310に加圧ガス(例えば、噴射剤)が流れ得るようにする弁332を設けることができる。別法では、仕切り330を、区画310と320の圧力が維持されるように壁部302に対して仕切り330が移動できるようにすることができる(例えば、仕切りは、シリンジに用いるプランジャーなどのプランジャーとすることができる)。
【0074】
第1の区画310と第2の区画320は端から端まで配置されているとして例示されているが、区画310及び320を組織及び熱放散要素に連通接続ができる任意の好適な配置も本発明の範囲内である。圧力的に連通した第1の区画及び第2の区画を有する容器の別の例示的な実施形態を、図3B及び図3Cを用いて以下に記載する。図3A‐図3Cに例示されている全ての実施形態がここに記載する表示装置を含むことができることを理解されたい。
【0075】
図3Bは、ポート341(例えば、弁)を介して組織に連通接続できる消費物質343を含む第1の区画342と、ポート347を介して熱放散要素に連通接続できる消費物質345を含む第2の区画344とを有する容器304の第2の例の断面図である。第1の区画342及び第2の区画344は、並んで配置され、壁部349と仕切り346によって分離されている。仕切り346は、第1の区画342と第2の区画344が圧力的に連通するように壁部348及び349に対して移動可能である。移動可能な仕切り346の代替例として、弁を用いて圧力的に連通させることができる。
【0076】
図3Bには、区画342が組織に連通接続でき、区画344が熱放散要素に連通接続できるように示されているが、第1の区画342を熱放散要素及び/または組織に連通接続でき、第2の区画344を組織及び/または熱放散要素に連通接続できることを理解されたい。
【0077】
図3Cに、容器350の第3の例の断面図が示されている。容器350は、ポート351を介して組織に連通接続できる消費物質353を含む第1の区画352と、ポート357を介して光処理装置のヘッドに連通接続できる消費物質355を含む第2の区画354を有する。第1の区画352及び第2の区画354は、圧力的に連通するように柔軟な仕切り356によって分離されている。例えば、柔軟な仕切り356はビニール袋とすることができる。
【0078】
仕切り356により、加圧ガス(例えば、噴射剤)を区画352及び354の一方に維持して、他方の区画の圧力を維持することができる。仕切り356は、収縮または膨張することができる(区画352または354のどちらが大きな圧力を有するかによって決まる)。
【0079】
図3Cには、組織に連通接続可能な区画352及び熱放散要素に連通接続可能な区画354が示されているが、区画352を熱放散要素及び/または組織に連通接続でき、区画354を組織及び/または熱放散要素に連通接続できることを理解されたい。
【0080】
図4Aは、容器405と共に使用するための適用システム400の例示的な実施形態の模式図である。容器405は、組織に連通接続可能な第1の区画410と光処理装置のヘッド480に連通接続可能な第2の区画420を含む。
【0081】
図4Aでは、第1の流体が第1の区画410に接続され、第2の流体が第2の区画420に接続されている。容器405の第1の区画410は、図2を用いて説明したような任意の好適な方法で組織450に連通接続することができ、第2の区画420は、図2を用いて説明したようにヘッド480の熱放散要素422に連通接続することができる。
【0082】
図4Aでは、弁430及び432を用いて消費物質424の流れを制御することができる。1または複数の弁434、435、及び436を用いて、第1の区画410からの消費物質414の流れを制御することができる。弁435を移動弁とし、ベースユニット425が弁435を移動させるピン437を有するようにして、弁435が移動した時に消費物質414が導管433に導入されるようにすることができる。ある実施形態では、ピン437は、扉428が閉じた時にピン437が弁435を作動させるように、ばね作動式扉428に配置される。1または複数の追加の弁434及び436を設けて、消費物質414の流れを制御することができる。この流れの制御は、例えば、運動センサ440によって測定される皮膚に対する運動速度、温度センサ442によって皮膚で測定される温度、または温度センサ443によって熱放散要素422で測定される温度に基づいて実施することができる。上記した理由から1または複数の弁432及び436を選択された標的部位に近接して配置することができる。
【0083】
ある実施形態では、ベースユニット425によって容器405が特定の向きに維持される。例えば、噴射剤による圧力によって液体424が導管470に流れ易い向きに容器405を維持することができる。
【0084】
ある実施形態では、容器405とベースユニット425を接続している接続部444は、容器405とベースユニット425を接続している接続部446とは異なる。図4C及び図4Dを参照すると、接続部444及び446の詳細が例示されている。図4Cの490は容器405の平面図であり、図4Dの492は容器405の底面図である。例えば、接続部444及び446が異なった特性を有し、接続部444及び446が適当な場合に限って弁435及び430のそれぞれが作動するようにできる。このような接続部は、一般に「鍵と錠」機構と呼ばれる。従って、消費物質414が熱放散要素422に到達するが防止され、消費物質424が組織450に到達するのが防止されるように、弁435及び弁430が選択的に作動するようにできる。従って、例えば、システム400に容器405を誤って逆さすなわち上下逆に挿入することを防止でき、安全性及び効率が改善される(例えば、装置の接続部444、446により、不適切に消費物質が使用される可能性が減少する)。
【0085】
「鍵と錠」機構は、限定するものではないが、形状、大きさ、及びねじを含む特徴に基づいて接続部444及び446を構成して選択的に作動させることができる。例えば、接続部444または446が適切な場合にのみ、対応する弁435、430が作動する(例えば、ピン437(図4Aを参照)が弁435の移動機構を作動させる)。別法では、「鍵と錠」機構は、電気特性、磁気特性、または圧電特性に基づいて選択的に作動することができる。例えば、接続部444または446が適切な電気信号または磁気信号を供給した場合だけ、対応する弁が作動する。
【0086】
図4Bに、容器405’(例えば、図3Aに示されている容器300)と共に使用するための適用システム425’の例示的な実施形態の模式図が示されている。容器405’は、組織(不図示)に連通接続可能な第1の区画410’、及び光処理処置のヘッド(不図示)に連通接続可能な第2の区画420’を含む。適用システム425’は、組織まで延びた導管433’及び熱放散要素まで延びた導管470’を備えたばね荷重された蓋428’を有する。容器405’内の消費物質は、図2を用いて説明したように標的部位に適用することができる。
【0087】
図5Aに、表示に基づいた検出/使用可能システムを有する光処理装置500の模式図が示されている。光処理装置500は、消費物質512及び表示装置520を含む容器510を含む。容器510は、ヘッド580及び/または治療する組織に連通結合されている。光処理装置500はまた、検出器524を含む表示検出システム522を含む。
【0088】
表示装置520は、消費物質512のあらゆる表示装置とすることができる。表示装置520は、光表示装置、磁気表示装置、電気表示装置、発電表示装置、既知の表示装置、またはこれから開発される表示装置とすることができる。表示装置520は、容器510の外部に取り付ける、容器510を構成する材料と一体にする、または容器510内に設けることができ、容器510を構成する材料を介して検出することができる。表示装置520は、消費物質のあらゆる情報を含むことができる。例えば、表示装置520は、消費物質または容器510の製造者、消費物質または容器の製造ロット番号、容器またはその内容物が製造された日付、容器またはその内容物が製造された場所及び/または内容物の有効期限を示すことができる。表示装置520はまた、光処理装置に接続されている時及び消費物質が使用されている時に容器510内の消費物質の量を表示することができる。
【0089】
光処理装置500のある実施形態では、表示検出システム522は単に容器の存在を検出する。例えば、光源523が容器510に対して光を放射し、検出器524が容器510から反射された光を検出する。別法では、ライトプロジェクター523が検出器525に対して光を放射し、容器510が存在しない場合は光が検出器525によって検出され、容器510が存在する場合は光が検出器525に到達しない。別法では、機械的検出器528が容器510によって変位し、これにより変位容器510が存在しないことが検出される。
【0090】
ある実施形態では、表示検出システム522は、表示装置を読む好適な方法を用いて表示装置520から情報を得ることができる。例えば、検出システム524は、光検出器、磁気検出器、電子検出器、圧電検出器、既知の表示またはこれから開発される表示を検出し、かつ/または読むための任意の他の好適な表示検出器を含むことができる。ある実施形態では、表示検出システム522は、供給源523(例えば、バーコードシステムなどの光検出システムに必要な光源)を含むことができる。
【0091】
検出システム522はまた、光処理装置500を使用可能にするまたは使用禁止にすることができる電子部品を含むことができる。例えば、検出システム522内の電子部品が、表示装置520を確認して、表示が許容範囲であるかを決定することができる。表示が許容範囲の場合は、検出システム522が、光処理装置500を使用可能にする、またはその任意の構成要素を使用可能にすることができる。表示が許容範囲外の場合は、検出システム522が光処理装置500を使用禁止すなわち使用できないようにすることができる。例えば、光処理装置500は、使用可能にする信号に応じて、検出システム522に結合された電子スイッチまたはその内部の電子スイッチによって、または検出システム522に結合された別の電子部品またはその内部の別の電子部品によって使用可能にすることができる。従って、検出システム522は、不適当な容器510が光処理装置500に使用されるのを防止し、システム及び患者を保護することができる。検出システム522は、光処理装置500内の複数の安全装置の1つであって、この複数の安全装置が、その1つが問題を検出した場合に装置500を使用禁止または使用できないようにする安全ループを構成することができる。
【0092】
場合によっては、表示検出システム522をプロセッサ550に接続して、プロセッサ550が光処理装置500を使用可能または使用禁止するようにできる。加えて、プロセッサ550はメモリ560に接続することができる。表示検出システム522は表示装置520を検出し、検出した表示をメモリ560に記録し、かつ/またはその表示に含まれるデータを表示することができる。検出器524によって検出されたデータは、光処理装置500または任意の他の装置(診断装置など)で処理することができる。プロセッサ550によるデータの処理は、メモリ560にストアする前、後、同時、またはストアする代わりに行うことができる。プロセッサ550によって処理されたデータを用いて、光処理装置500のパラメータを構成または調整することができる。例えば、光処理装置500のフルエンス、パルス幅、波長、または任意の他のパラメータを、光処理装置に接続された時に表示装置によって検出された容器の種類によって変えることができる。この結果、複数の許容範囲の表示が、異なる種類の消費物質を含む様々な容器に一致することができ、プロセッサが、それぞれ特定の消費物質について治療を最適にするために光処理装置のパラメータを変更することができる。加えて、それぞれの容器及び/または消費物質を、様々な種類の治療に一致させることができ、プロセッサによる特定の容器の検出が特定の治療に一致し、プロセッサが適宜パラメータを調節することができる。
【0093】
表示検出システム522に加えて或いはこの代わりに、1または複数の検出器528、530、及び532を消費物質512を識別するために配置することができる。検出器528、530及び532は、消費物質512を識別するための上記したような任意の好適な検出器とすることができる。検出器528、530、及び532は、消費物質512の特性を決定するための任意の物理機構、光機構、電気機構、機械機構、化学機構、または他の機構を用いて消費物質512を識別することができる。例えば、検出器は、消費物質の化学組成、色、または粘度を決定することができる。
【0094】
別法では、マーカーを消費物質512に加え、このマーカーを検出器528、530、または532で検出して消費物質を識別することができる。マーカーは、上記した任意の方法及び機構で検出できる上記したような任意の好適な添加物とすることができる。例えば、マーカーは、光で検出することができる染料とする、検出可能な化学組成または検出可能な磁気特性を有する、または照射された光で検出される蛍光物質とすることもできる。
【0095】
検出器528、530、及び532は、任意の好適な位置に配置することができる。例えば、検出器(例えば、検出器530)は、容器510内に配置するまたは容器510と一体にし、光処理装置500の検出システム522またはプロセッサ550に結合することができる。この検出器は、電気接続(例えば、配線を有するまたは有しない検出システム522に対する金属接点)または無線通信(例えば、電磁パルス)によって検出システム522に結合することができる。別法或いは検出器530に加えて、検出器528及び532を光処理装置500内の消費物質512の経路に配置して、消費物質512またはマーカーが容器510から光処理装置500に入る時(例えば、検出器528)またはハンドピース580に入る時(例えば、検出器532)に消費物質またはマーカーを識別できるようにすることができる。検出器528、530、及び532の幾つかを、例えば、バスラインまたは他の電気接続を用いて検出システム522、プロセッサ550、及びメモリ560の任意の1つまたは複数に電気的に接続することができることを理解されたい。
【0096】
消費物質またはマーカーを識別した後、検出システム522またはプロセッサ550が、消費物質またはマーカーが許容範囲の消費物質またはマーカーであるかを決定することができる。許容範囲の場合は、検出システム522またはプロセッサ550が、光処理装置500またはその中の任意の構成部品を使用可能にすることができる。消費物質またはマーカーが許容範囲外の場合は、検出システム528またはプロセッサが、光処理装置500またはその中の選択された1または複数の構成要素を使用禁止すなわち使用できないようにすることができる。消費物質またはマーカーを識別することにより、容器に適切な消費物質またはマーカーが入っている時だけ光処理処置が作動するため、光処理装置が損傷せず、治療を受ける患者が保護される。
【0097】
光処理装置500のある実施形態では、通信ポート570が設けられ、データを光処理装置500から外部コンピュータシステムに送信することができる。例えば、このようなデータは、診断目的または使用者が装置を操作するのを支援するために送信することができる。通信ポート570は、有線または無線とすることができる。
【0098】
図5Bに、表示装置を用いた検出/使用可能システムに用いられる容器510の拡大図が示されている。容器510は、消費物質(不図示)を入れるための区画502を含む。区画502は、光処理装置のベースユニットのヘッドまたは組織(不図示)に連通接続することができる。容器510は表示装置520も含む。
【0099】
容器510は、消費物質を入れることができる任意の容器とすることができる。例えば、容器510は、限定するものではないが、2区画容器(図3a‐図3Cを参照)及び/または熱導電領域を有する容器(図6を参照)とすることができる。消費物質は、光処理装置に用いるのに適した任意の消費物質とすることができる。例えば、消費物質は、上記したような局所物質及び/または冷却剤とすることができる。
【0100】
III.光美容装置冷却システム
図6に、光処理装置の熱放散要素620を冷却するように構成され配置された領域610を有する容器600の模式図が示されている。容器600は、熱放散要素620と熱接触するように配置されている。容器600は、任意の熱伝導材料(例えば、金属)から形成することができ、熱放散要素を冷却することができる物質を含むように構成された区画640を含む。この物質は、例えば、氷、凍結ゲル、凍結ローション、または他の冷却剤などの任意の好適な物質とすることができる。
【0101】
ある実施形態では、この物質は消費物質ではない(すなわち、この物質は局所物質ではなく容器内に維持される)。このような実施形態では、容器を再使用することができる(すなわち、冷却に適さない温度まで容器の温度が上昇したら、容器を再冷却または再凍結することができる)。
【0102】
ある実施形態では、容器600は、圧力下で液体状態に維持される液化ガス650を含むように構成されている。容器600は、任意の好適なコネクタ602を介して光処理装置のヘッド及び/または組織(不図示)に連通接続することができる。周知の熱力学の法則に従って、液化ガス650が容器600から放出されると、区画640内の液化ガスの一部が液体から気体に相が変化し、これにより液化ガス650の温度と少なくとも容器600の領域610の温度が低下する。従って、領域610を熱放散要素620に熱結合して、熱放散要素から熱を除去することができる。液化ガス650は、加圧により液化ガスになることができる上記したような冷却剤及び/または局所物質とすることができる。
【0103】
容器600のある実施形態では、領域610のみが、熱が選択的に領域610で放散されるように熱伝導領域として形成され、容器600の残りの部分が断熱され、熱が領域610に選択的に流れる。ある実施形態では、領域610は、容器600の他の領域よりも厚い厚みTを有し、場合によっては、領域610は熱が伝導し易いように凹凸がある表面612を含む。
【0104】
図7に示されているように、本発明のある実施形態では、氷などの相変化物質710が、光処理装置の、例えばハンドピース内の熱伝導要素712と熱接触している。熱伝導要素712によって、光源の動作中及び/または動作間に、熱発生器、例えば光源714、電子部品、及び接触端部714aから熱が相変化物質に伝導される。この熱伝導により、例えば固相から液相に転移するなど相変化物質の相が変化し、光源から熱を除去する機構が得られる。言い換えれば、端部714a及び電子部品に熱接触している熱伝導要素712によって光源から抽出された熱が、相変化物質が相転移するのに必要な熱を供給する。この例示的な実施形態では、相変化物質は、この相変化物質と熱交換器との直接的な接触を可能にする開口716aを有するエンクロージャー716内に受容されている。互いに接触している熱伝導要素の表面及び相変化媒体の表面は、熱伝導要素から相変化媒体に熱が最適に伝導する形状にするのが好ましい。一般に、エンクロージャー716は、熱伝導性の低い材料から形成するのが好ましい。ある実施形態では、相変化物質710を、エンクロージャー716の一部を介して熱伝導要素712に熱接触させることができる。別の実施形態では、相変化物質は、熱伝導要素712が介入せずに光源に直接接触させることができる。光源714からの放射を患者の皮膚の一部に配向する光学素子714aもまた、その温度が患者の皮膚に損傷を与えない範囲の温度に維持されるように熱伝導要素に熱接触させることができる。
【0105】
図8Aに示されているように、本発明の別の例示的な実施形態では、水などの循環冷却流体を用いて、熱伝導要素812から熱を除去し、熱伝導要素812が光源814(または他の熱要素)から熱を抽出する。ポンプ818によって、冷却流体が熱伝導要素812から別の熱交換器820に送られ、そこで冷却流体の熱が熱交換器820に熱接触している氷などの相変化物質810に伝導される。伝導された熱は、例えば固相から液相への相変化物質の相転移を起こして消散する。この例示的な実施形態では、第2の熱交換器820を、光処理装置内の、例えばベースユニット内に配置することができる。光処理装置に用いるために相変化物質を外部で準備し、次いでこの相変化物質を熱交換器820と熱接触するように配置して、相変化物質の別の状態への相転移によって熱交換器820から熱を抽出することができる。相転移が終わったら、相変化物質を光処理装置から取り出して、このサイクルを繰り返すことができる。例えば、相変化物質が氷の場合、所定量の水を外部のフリーザーで凍らせて氷にし、その氷を熱交換器820に熱接触するように配置することができる。その氷が解けたら、生成された水を除去することができる。別法では、熱電流(TE)冷却器などの冷却装置を光美容装置に設けて、熱交換器から相変化物質への熱伝導によって相が変化した後、光美容装置から相変化物質を取り出さずに、相変化物質を熱交換器から熱を抽出するのに適した状態に戻すことができる。すなわち、この例では、TE冷却器が水を凍らせて氷に戻すことができる。
【0106】
図8Bに示されているように、別の実施形態では、循環流体により、光源814(または他の加熱される要素)に熱結合している熱伝導要素812から、氷などの相変化物質と熱接触している別の熱交換器822に熱が伝導される。熱交換器822及び相変化物質810は、取外し可能及び交換可能に光美容装置に結合することができる。例えば、循環流体から抽出した熱で相変化物質が相転移したら、熱交換器及び相変化物質を光美容装置から取り外してこの装置で再使用するための準備をすることができる。例えば、熱交換器及び相変化物質を外部の凍結器に入れて、相変化物質の相を熱交換器から熱を抽出するのに適した状態に変化させることができる。互いに熱接触するように熱交換器と相変化物質を受容するために単一構造を用いることができる。別法では、熱交換器822と相変化物質を別々のエンクロージャーに入れ、これらのエンクロージャーを互いに結合して、熱交換器と相変化物質を良好に熱接触させることができる。
【0107】
上記した実施形態の様々な例示的な実施を以下に説明する。以下に説明する実施形態は本発明の顕著な特徴を明らかにするために示すものであり、本発明の実施に用いることができる実施の種類を限定するものではないことを理解されたい。
【0108】
一例として図9及び図10に示されているように、本発明の一実施形態に従った光美容装置の例示的なハンドピース924は、陽極1028と陰極1030との間に配置され、これらの電極と電気的に接触したダイオードレーザー、LED、またはランプなどの光源1026を含む。ダイオードレーザーは、2つの電極の間に挟む、またはダイオードレーザーと両電極または陽極とが良好に熱接触及び電気接触する他の好適な方法で電極に固定することができる。電極1028及び1030は、ダイオードレーザーに電力を供給し、例えば、銅などの熱伝導性の高い材料から形成するのが好ましい。ダイオードレーザー1026及び/または電極は、詳細を後述するようにレーザーで発生した廃熱を氷などの相変化物質に熱伝導させる熱伝導要素1032(以降、ヒートシンクとも呼ぶ)と熱接触している。ヒートシンク1032は、熱伝導性の高いあらゆる好適な材料から形成することができる。例えば、ヒートシンク1032は、銅、アルミニウム、ダイヤモンド、または任意の他の好適な材料から形成することができる。
【0109】
例示的なハンドピース924は、例えば、サファイアウインドウなどの光透過要素1036を有する光学組立体1034も含む。光透過要素1036の入射面に、レーザーから放射された放射線が入射し、その出射面から放射線が、例えば患者の皮膚の一部に向かって出射する。光透過要素の入射面は通常、レーザーと直接は接触しないようにそのレーザーの近傍に配置される(ある実施形態では、入射面は光源と直接接触させることができる)。更に、光透過要素は、好ましくはヒートシンク1032と熱接触し、光源1026からの放射線で治療した患者の皮膚の一部から熱を除去できるように熱伝導材料から形成される。
【0110】
例示的なヒートシンク1032は、ダイオードレーザー1026及び/または電極1028/1030に結合することができる。ヒートシンクブロックから延びた管状ハウジング1033を、詳細を後述するように、ヒートシンク1032を冷却するために氷などの所定量の相変化物質を含むカートリッジ938に結合することができる。
【0111】
ハンドピース924は通常、アンビリカルコード(不図示)を介してベースユニット(不図示)に接続されている。ベースユニットは、例えば、光源に電力を供給するため及び選択された制御機能を果たすために電源及び関連電子部品を含むことができる。別法では、ハンドピース924は、バッテリー電源を含む完全な光美容装置とすることができる。
【0112】
相変化物質を含む例示的なカートリッジ1038を、管状ハウジング1033を介してヒートシンク1032に取外し可能及び交換可能に結合することができる。カートリッジ1038は、本発明の好適な実施形態では氷が選択される相変化物質を所定量保持することができる。上記したように、氷は、高い融解潜熱を有し、生物学的及び環境的に安全であるため、相変化物質として特に適している。しかしながら、任意の他の好適な相変化物質も本発明の実施に用いることができることを理解されたい。更に、皮膚に有益な成分を相変化物質に添加して、光美容装置による皮膚の処置中に患者の皮膚の一部に供給することができる。このような成分は、光美容装置によって皮膚が光にさらされる、加熱される、または冷却されることによって得られる治療効果とは別に、有用な効果及び/または治療効果を提供することができる。別法では、皮膚に有益な成分を、目的の有用な効果を提供するために光美容装置によって光または熱で活性化させることができる。詳細を後述するように、カートリッジ1038は、使い捨てカートリッジまたは複数回使用できるカートリッジとすることができる。
【0113】
図11に示されているように、例示的なカートリッジ1138は、概ね円柱状(または円形、長円形、四角形)であり、所定量の氷または他の好適な相変化物質を入れることができる中空の管状ハウジング1140を含む。カートリッジ1138の基端部に配置された膜シール1142、及びカートリッジの先端部に配置された別のシール1144(ここでは、ピストンシールと呼ぶ)が協働して、ヒートシンク1132にカートリッジが係合するまでカートリッジ内に氷を維持する。シール1144の後ろ側に位置する容積部1146は、詳細を後述するように、氷が溶けてできる水が液体戻しポート1148を介して集積される空間である。
【0114】
膜シール1142は、カートリッジ1138とヒートシンク1132が結合した時にこれらの間を密閉する環状のシールリング1150に取り付けられている。環状のシールリング1150及び膜シール1142は、2つの別の部品として形成して互いに結合する、或いは一体構造として形成することができる。
【0115】
図12及び図13に示されているように、カートリッジ1238を中空の管状ハウジング1233の中に挿入してヒートシンクに完全に結合することができる。図12に示されているように、カートリッジが前方に押されると、管状ハウジング1233の端部1233aが環状シールリング1250に押し戻され、これにより膜シール1242が破れて環状シールリング1250に移動する。膜シール1242が破れると、その膜シールによって当初覆われていた氷または他の相変化物質の表面が露出される。カートリッジがヒートシンクに完全に係合すると(図13を参照)、この露出された表面がヒートシンクブロック1232の後面に熱接触して、光源によって生成された熱がヒートシンクから氷に伝導できる。伝導された熱により、氷とヒートシンクの境界面で氷が溶け、これによりヒートシンクから熱が除去される。言い換えれば、氷が溶けることにより、光源が発生した熱を放散させるための機構が得られる。
【0116】
氷と接触しているヒートシンクの表面は、ハンドピースの動作中に氷とヒートシンクの境界面で氷とヒートシンクが実質的に均一に接触する形状にするのが好ましい。一般に、この形状により、接触面が、温度が一定の表面となることができる。例えば、このヒートシンク表面は、概ね凹状の氷の表面に実質的に一致する概ね凸状にすることができる。当業者であれば、氷とヒートシンクの接触を最適にするために他の形状も用いることができることを理解できよう。加えて、この表面は、例えばスリットの形態の1または複数のポートを含むことができ、このポートにより、相変化媒体の相転移によって生成される流体(液体または気体)をヒートシンクと相変化媒体の境界面から除去して、この境界面で液体または気体の相が形成されるのを防止することができる。
【0117】
ハンドピースの動作中に、光源からの熱がヒートシンク1232を介して氷に伝導されるため、氷とヒートシンクの境界面で水が生成される。本発明の好適な実施形態では、ヒートシンクが水ではなく氷と接触するように、ハンドピースの動作中及び/またはハンドピースの動作間に、氷のカートリッジをヒートシンクに向かって連続的または不連続的に移動させる。更に、詳細を後述するように、生成された水を氷とヒートシンクの境界面からカートリッジの先端部の容積部1246に移送する。
【0118】
様々な機構を用いて、氷の円柱をヒートシンクに向かって移動させることができる。限定するものではないが、このような機構の例として、(a)カートリッジの先端部にある氷の円柱の後部をばねで押す(例えば、ピストンシール1144を押す)、(b)電動式の線形ねじ、(c)容積部1146に集積された水と反応してCO2などのガスを生成して氷をガス圧で前進させる化合物、(d)水を吸収すると体積が膨張する空間1146に配置されるフォームまたは他の化合物、(e)ガス圧で氷を前進させるガスを供給する別の加圧シリンダーまたはポンプ、(f)永久磁石または電磁石、(g)圧電モータ、(h)ワイヤによって溶けている物質に圧力を供給する、ハンドピースまたはメインユニット内に配置されたモータ、(i)光源が作動すると同時に使用者の手または指で加えることができる圧力、(j)電子部品または光源によって加熱されたガス室からの圧力を挙げることができる。例えば、手で圧力を加える場合、ハンドピース924の一部を柔軟な材料または圧縮可能な材料から形成することができる。光源及び皮膚の冷却効率及び温度は、圧力を調節して制御することができる。
【0119】
図9及び図12に示されているように、例示的なハンドピース924は更に、真空/圧力ポンプ952を含む。このポンプ952により、氷が溶けてできる水または他の流体(氷以外の相変化物質が用いられる場合)を、氷とヒートシンクの境界面から戻しマニホールド954を介して容積部1246に移送することができる。具体的には、ポンプ952は、ヒートシンクに形成された内部通路1256、戻しマニホールド954、及び配管958を介してカートリッジの先端部の空間1246に水を移送する。これにより、ヒートシンクに接触するように前方に移動させられる残りの氷とヒートシンクがより効率的に熱接触できるという利点が得られる。
【0120】
図14に示されているように、本発明のある実施形態では、戻しマニホールド1454は、複数のポート1460を含むことができ、氷とヒートシンクの境界面で生成された水の少なくとも一部をこれらのポートを介して、ハンドピースによって放射線で治療されている患者の皮膚の一部に送ることができる。加えて、様々な治療物質、美容物質、または洗浄剤などの選択された添加物を水に加えて皮膚の表面に送ることができる。
【0121】
この例示的な実施形態では、光学組立体1034の光透過要素1036がヒートシンク1032と熱接触している。これにより、光源と光学素子1036を同時に冷却することができる。ハンドピースの動作中に、光学素子1036を患者の皮膚の一部に接触させることができる。従って、光学素子1036の冷却により、例えば約30度未満の許容範囲内に治療部位の温度を維持できる患者の皮膚から熱を除去する機構が得られる。
【0122】
本発明のある実施形態では、レーザーダイオード614またはハンドピース924に配置される他の光源は、ヒートシンクを介して氷に伝導される熱が氷を水に溶かすだけではなく生成された水の少なくとも一部を蒸発させることができるように十分に高い温度で動作させることができる。水の蒸発、すなわち液相から気相への水の相転移は、ヒートシンクから熱を除去するのに役立つ。ある実施形態では、例えばヒートシンクと氷の境界面の容積部などの氷が溶けて水になる容積部の周囲圧力を下げて、水の蒸発温度を低くすることができる。蒸発温度を下げるには、例えば、ポンプでこの容積部から空気の一部を排出することができる。
【0123】
カートリッジの氷は様々な方法で作ることができる。例えば、図15A及び図15Bに示されているように、カートリッジは、光美容装置のベースユニット1562に設けられた熱電流(TE)冷却器1561に結合するようにデザインすることができる。別法では、カートリッジに結合するように適合されたPE冷却器を補助ユニットに設けることができる。別法では、カートリッジを凍結器に入れて氷を作ることができる。別法では、半永久の氷カートリッジをハンドピース内に含めて、ハンドピース全体を凍結器に入れて、カートリッジ内の水を氷にすることができる。
【0124】
カートリッジは、1回の使用で捨てられる使い捨てユニットとしてデザインすることができる。別法では、カートリッジは再使用可能ユニットとして用いることができる。
【0125】
上記した例示的な実施形態では、相変化物質を含むカートリッジがハンドピース内に含められているが、別の実施形態では、ハンドピース内の加熱される要素から熱を別のモジュールに伝導して、そこで、例えば氷の溶解などの選択された物質の相転移によって伝導された熱を放散させることができる。
【0126】
氷以外の相変化物質を上記した要領で用いて光源で生成された熱を除去できることを理解されたい。例えば、ある実施形態では、塩やアルコールなどの添加物と水との凍結混合物を相変化物質としてカートリッジに入れることができる。相変化物質の他の例としてガリウム及びワックスを挙げることができる。一般に、好適な相変化物質は、熱が効率的に放散できるように比較的高い融解潜熱を有し、生物学的に安全であるのが好ましい。加えて、相変化物質は、周囲環境に放たれても安全であるのが好ましい。
【0127】
本発明のある実施形態では、相変化物質の固相から液相への相転移を利用するのではなく、カートリッジに入れられたドライアイスなどの相変化物質の固相から液相への昇華を利用して光源から熱を除去する。
【0128】
別の態様では、本発明は、光処理装置のハンドピース内に配置された加熱される要素から熱を効率的に除去するために氷などの相変化物質を利用する熱交換器を提供する。図16に、一例として、金属またはプラスチックなどから形成された実質的に中空のハウジング1666を含む本発明の一実施形態に従った熱交換器1664が例示されている。所定の幾何学的形状を有する複数の構造1668がハウジング1666内に配置されている。それぞれの構造1668は、所定量の氷などの相変化物質を受容するためのエンクロージャーを提供する。構造1668は、球、円柱、細長い蛇行形状、または任意の他の好適な形状を含む様々な幾何学的形状を有することができる。更に、構造1668は、様々な容量の相変化物質を受容するために様々な大きさを有することができる。一般に、相変化物質のタンクとして機能するこれらの内部構造の形状及び大きさは、詳細を後述するように、熱交換率を高くするために容積に対する表面積の比率を最大化するように選択される。
【0129】
構造1668を取り囲む熱交換器1664の内部は、これらの構造1668内に受容された相変化物質の相転移温度よりも低い凍結温度を有する流体で満たされている。例えば、相変化物質に氷が選択された場合、このような充填流体は、氷の融点よりも低い凍結温度を有する氷とアルコールの混合物、または選択された量の塩が溶解した水とすることができる。詳細を後述するように、光美容装置の動作中に、装置の加熱される要素から熱が伝導された冷却流体を、熱交換器1664に対して冷却流体を導入及び排出できるポート1670及び1672を介して熱交換器1664内を循環させることができる。この冷却流体が有する熱により、構造1668内に受容された相変化物質が相転移し、これにより冷却流体の温度が低下する。この冷却流体を用いて、加熱される要素から熱を再び除去することができる。
【0130】
具体的には、この実施形態では、クイックコネクタなどを含むことができるポート1670及び1672を、光美容装置のベースユニット1678に設けられた対応するコネクタ1674及び1676に係合させてベースユニットと熱交換器を結合することができる。更に、2つの内腔1680及び1682が、ベースユニットとハンドピースとの間に水などの冷却流体が循環するための経路を提供するために、光美容装置のベースユニットからアンビリカルコード1686を経てハンドピース1684まで延びている。この循環流体が、ハンドピース内に配置された加熱される要素によって生成される廃熱を除去する。熱交換器1664がベースユニット1678に係合すると、冷却流体が内腔1680からコネクタ1676及びポート1670を介して熱交換器1664内に流れる。低温の冷却流体がポート1672を介して熱交換器から出て、内腔1682を通ってハンドピース1684内に戻り、光源から熱を除去する。別法では、ポート1670及び1672が、光美容装置のハンドピースのコネクタに係合することができる。
【0131】
本発明の多くの実施形態では、内部構造1668内に受容される相変化物質として氷が利用されているが、他の物質も用いることができる。このような物質として、限定するものではないが、アルコールや塩などの選択された添加物と水との様々な凍結混合物、純粋のアルコール、または任意の他の好適な物質を挙げることができる。この全ての場合、構造1668の外側の熱交換器のハウジングを満たす流体は、相変化物質の相転移温度よりも低い凍結温度を有するべきである。ある実施形態では、構造1668は、室温よりも高いが冷却温度よりも低い蒸発温度を有する液体で部分的に満たすことができる。
【0132】
更に、ある実施形態では、熱交換器内を循環する冷却流体から熱を除去するために相変化物質の融解潜熱を利用するのではなく、構造1668内に受容されているドライアイスなどの物質の昇華熱を利用する。
【0133】
別の実施形態では、構造1668内から空気を部分的に抜いて気圧を下げてその構造の周囲圧力を大気圧よりも低下させ、構造内に受容されている相変化物質の相転移温度を上昇させることができる。
【0134】
上記したように、一般に、容積に対する表面積の比率を最大にするように内部構造1668をデザインするのが好ましい。最後に、本発明のある実施形態では、構造1668の少なくとも一部の外面は、熱交換器内を流れる冷却流体と熱接触する表面積を最大にするために凹凸パターンを有する。表面の凹凸は、例えば、半球、円柱、ピラミッドなどを表面から突出させて形成することができる。
【0135】
熱交換器1664は、様々な方法を用いて使用の準備をすることができる。例えば、熱交換器を所定期間凍結器内に入れて、構造1668内に受容された相変化物質を液相から固相に相転移させる。例えば、構造1668内に受容された水を凍らせて氷を作ることができる。別法では、熱交換器は、ベースユニット1670または他の独立ユニットに設けることができるTE冷却器または他の従来の冷却機構に結合して冷却することができる。
【0136】
図17に示されているように、本発明の別の実施形態では、氷などの相変化物質を光美容装置のベースユニット1790に結合できるカセット1788内に設けて、相変化物質がベースユニット内の熱交換器に接触するようにする。詳細を後述するように、熱交換器は、ハンドピース内の加熱される要素を冷却するために光美容装置のハンドピースとベースユニットとの間を循環する水などの冷却流体が流れる流路を含むことができる。別法では、カセット1788は、光美容装置のハンドピースに結合することができる。
【0137】
具体的には、図18A及び図18Bに示されているように、カセット1888を、熱交換器1894を含むベースユニット内に配置された受容モジュール1892に係合することができる。
【0138】
図19に、本発明のこの実施形態に使用するのに適した例示的なカセット1988の様々な構成部品が模式的に示されている。例示されているカセット1988は、所定量の相変化物質を受容するための容器(ポーチ)1998が配置されたハウジング1996を含む。容器1998は、好ましくは良好な熱伝導性を有するプラスチックなどの変形可能な材料から形成することができる。この例示的な実施形態では、容器1998は、下側部分1998aと上側部分1998bを含む。これらの部分は、容器1998の上側部分または下側部分に圧力を加えるためにA方向に移動できる2つの移動可能なプレート19100及び19102を取り囲んでいる。
【0139】
図18B及び図19に示されているように、カセットを受容モジュール1892に係合する前に、ポーチ1998に所定量の氷または他の変化物質を受容しているが、ポーチの上側部分は空である。所定量の水を凍結してポーチ内で氷を作る時に、移動可能なプレート19100とカセットのハウジングの底面1996aが氷の「ブロック」を作る「型」を形成し、移動可能なプレート19102がポーチの上側部分を圧迫してその部分に残っている水を下側部分に移動させる。
【0140】
図20に示されているように、カセットが受容モジュール2092に係合すると、ポーチ2098内の氷のブロックが熱交換器2094と熱接触する。熱交換器は、入口ポート20104を含み、このポート20104から、装置のハンドピースに配置された加熱される要素から熱を抽出した冷却流体が熱交換器内に流入する。ポーチ2098の下側部分と熱交換器との熱接触により、冷却流体が有する熱がポーチ2098内の氷に伝導して氷が溶ける。言い換えれば、氷が溶けることで、冷却流体から熱を除去する機構が得られ、冷却流体の温度が低下する。その一方で、移動可能なプレート20100及び20102が、ポーチと熱交換器との良好な熱接触を維持するためにポーチの下側部分に対して圧力を加え、そして氷が溶けてできた水をポーチの上側部分に押しやる。
【0141】
従って、冷却流体は、熱交換器の内部の流路を通る時に冷却流体がポーチ2098内の氷に熱を与え、低い温度で出口ポート20106から熱交換器を出る。次いで、冷却流体は、加熱される要素から熱を抽出するためにハンドピースに戻される。
【0142】
図21に示されているように、氷が溶けるにつれてポーチ2198の下側部分2198a内の氷の体積が減少すると共に、ポーチの上側部分2198bに水が集積されていく。最後に、図22に示されているように、氷が使い切られ、できた水がポーチの上側部分に集積される。次いで、カセットをベースユニットから取り出すことができる。カセットをベースユニットから引き抜く時に、プレート22102がポーチの上側部分に圧力を加えてそこに集積された水がポーチの下側部分に押しやられる。従って、カセットをベースユニットから完全に引き出すと、図19に示されているように水が下側部分に集積されている。
【0143】
カセット内の氷の生成は、様々な方法で行うことができる。例えば、ポーチ内の水を凍らせるためにカセットを結合できるベースユニットにTE冷却器を設けることができる。別法では、このようなTE冷却器を別の補助ユニットに設けることができる。別法では、カセットを所定時間凍結器に入れてポーチの水を凍らせることができる。
【0144】
別の態様では、本発明は、光美容装置のハンドピースの光学組立体の光透過要素に結合して、その光透過要素から熱を除去することができる冷却装置を提供する。図23に示されているように、例示的な実施形態では、熱交換器とも呼ぶ冷却装置23108が、光透過要素から熱を除去するためにその光透過要素を取り囲むことができる。光透過要素2336の冷却により、光美容装置の動作中に光透過要素の表面と接触する患者の皮膚の一部から熱を除去(すなわち、冷却)して、治療部位の温度を許容範囲内に維持することができる。
【0145】
一実施形態では、例示的な熱交換器23108は、光透過要素2336と熱接触するようにその光透過要素2336の周りを覆う中空スリーブとして構成することができる。好ましくは熱伝導材料(例えば、銅)から形成されるスリーブは、相転移を利用して光透過要素から熱を除去するために、氷などの相変化物質または気化可能な液体を含むことができる。光透過要素は、約30℃未満の温度に維持されるのが好ましい。加えて、スリーブは、光美容装置の動作中に治療した皮膚表面から熱を直接除去するように構成することができる。一般性を失うことなく、以下の説明において、相変化物質は氷とするが、任意の他の好適な相変化物質を用いることができる。例えば、ある実施形態では、塩やアルコールなどの添加物と水との凍結混合物を中空スリーブ内に入れることができる。
【0146】
スリーブ23108内に受容された氷が溶けてできた水は、その中空スリーブから患者の皮膚の治療部位に供給する、または中空スリーブ内に保持することができる。ある実施形態では、スリーブ23108は、水を治療部位に供給することができる開口23110などの複数の開口を含む。別の実施形態では、治療部位に供給される水に治療物質、美容物質、または洗浄剤を添加することができる。このような添加物の例として、限定するものではないが、ビタミン類、アロエベラ、ワセリン、オイル、蜂花粉、グリセリン、保湿剤、保存料、植物抽出物、及び果物抽出物を挙げることができる。これらの開口は、液体状の相添加物質を交換するために利用することもできる。
【0147】
上記したように、中空スリーブは、熱伝導性のプラスチック、複合材料、セラミック、または金属などの熱伝導材料から形成するのが好ましい。ある実施形態では、中空スリーブは、氷が溶けてできた水が患者の治療部位に選択的に供給できるように半透水性材料または多孔性材料から形成することができる。このような孔は、相変化物質が液状の時だけ目的の部位に分散するように十分に小さく構成することができる。液体の分散は、例えば、光透過要素が治療部位に沿って移動する時に圧力を加えて制御することができる。具体的には、ある実施形態では、ある機構をスリーブに結合して光透過要素が治療部位に対して移動する時にスリーブに圧力を加え、水及び/または水と治療物質との混合物を皮膚に容易に供給できるようにする。
【0148】
中空スリーブは、一般に、その容積に対する表面積の比率が最大となるようにデザインするのが好ましい。例えば、中空スリーブは、光透過要素の外周面、すなわち患者の皮膚に面する表面以外の表面を実質的に覆うようにデザインすることができる。別法では、中空スリーブは、光透過要素の外周面及び/または光透過要素の上面の一部を実質的に覆うが、患者の治療部位に光を照射できるようにデザインすることができる(図24Aを参照)。別の実施形態では、中空スリーブは、光透過要素と熱接触するだけではなく、熱を除去するために加熱される要素(例えば、光源)と熱接触しているヒートシンク2432とも熱接触するようにデザインすることができる(図24Bを参照)。
【0149】
中空スリーブは様々な形状にすることができる。一般に、スリーブの形状は、光透過要素と良好な熱接触を得るためにその光透過要素の形状に相補的である。例えば、中空スリーブに好適な幾何学的形状は、限定するものではないが、円形、四角形、楕円形、または他の任意の断面形状を有するトロイドとすることができる。中空スリーブは、光透過要素に対して容易に取付けでき、密着するように構成することができる。様々な機構を用いて、中空スリーブを光透過要素及び/またはヒートシンクに固定することができる。例えば、限定するものではないが、(a)中空スリーブを、光透過要素上を滑らせて、その光透過要素及び/またはヒートシンクにプレス嵌めできるように半弾性または弾性材料からデザインする、(b)中空スリーブを、光透過要素及び/またはヒートシンクにクリップ留めできるように装置に蝶番式に取り付ける、(c)中空スリーブが、光透過要素の突出部に相補的な切取り部分を有するようにする。
【0150】
ある実施形態では、中空スリーブは使い捨てとし、別の実施形態では、中空スリーブは再使用することができる。例えば、水または他の好適な物質で満たされたスリーブを凍結器に入れて氷を作ることができる。別法では、再生中に中空スリーブを受容する独立型ユニットまたは装置に結合されたユニット、すなわち中空スリーブを選択的に結合できる凍結装置を用意することができる。別の実施形態では、触媒などの他の成分を、相の変化が開始するように中空スリーブまたは相変化物質に添加することができる。更に別の例では、中空スリーブは、相の変化を開始することができる物質で選択的に満たすことができる内側チューブを含むようにデザインすることができる。
【0151】
光源からの光が入射し、かつ/または治療部位から反射された光によって照らされる光透過要素の表面は、このような表面の加熱を最小限にするために光吸収係数の低い材料から形成するのが好ましい。
【0152】
IV.安全機能
A.マーカー
本発明の態様は、装置の誤使用を防止するための安全機能を提供する。ある実施形態では、装置は治療部位を検出することができる。例えば、ある適用例では、光処理装置は、患者の組織または皮膚などの目的の標的部位には使用できるが、体の他の部分(例えば、目)には使用できないようになっていて、使用者が負傷する可能性を排除している。加えて、テーブル、鏡、及び布などの不適切な表面に対して光処理装置を使用できないようにして、装置の損傷及び使用者の負傷を回避することができる。本発明のこの態様の実施形態に従えば、局所物質を治療する組織に適用し、局所物質またはその中のマーカーを光処理装置のセンサで検出し、局所物質またはマーカーが検出された場合だけ、好ましくはその局所物質またはマーカーが組織(例えば皮膚)にあると決定された場合だけ光処理装置が作動する。局所物質及び/またはマーカーは、例えば、光検出、電気検出、磁気検出、または超音波検出などの方法を用いて検出することができる。
【0153】
光学的マーカーには、吸収マーカーと蛍光マーカーの2種類がある。ある実施形態では、使用者が局所物質を眼に使用するのを防止するために弱い眼用刺激剤を局所物質またはマーカーに添加する。
【0154】
治療部位を検出するための光学系のある実施形態では、局所物質を組織に適用し、検出源が局所物質またはその中の光学的マーカーによって吸収される波長の光を供給し、検出器がその光の反射された部分(すなわち、吸収されなかった光)を検出するように構成及び配置されている。検出される波長は、検出される信号の減少が光学的マーカーの存在を示すように、局所物質または光学的マーカーの吸収のピークに近いのが好ましい。この実施形態では、光検出器は、局所物質または光学的マーカーによって吸収される波長の反射光を検出する反射率計としてデザインされる。
【0155】
局所物質またはマーカーは、検出し易いように皮膚の光吸収スペクトルとは実質的に異なる光吸収スペクトルを有するのが好ましい。また、局所物質またはマーカーの吸収帯は、供給源から干渉されないでマーカーの検出ができるように光処理装置の動作スペクトルの範囲外であるのが好ましい。局所物質またはマーカーの光学濃度は、その局所物質またはマーカーの検出を容易にするように、吸収帯における患者の皮膚から反射される光に対して皮膚の光学濃度よりも高いのが好ましい。用語「光学濃度」(OD)は次の式で定義する。
【0156】
【数1】


この式において、Iiは入射光の強さであり、Irは透過光の強さである。
【0157】
図25Aに、治療部位のマーカーとして使用するのに適したある例示的な染料の吸収スペクトルがグラフ表示されている。この吸収スペクトルは、(1)10mg/ml食用青色、(2)1mg/mlトルイジンブルー、(3)1mg/mlブリリアントグリーン、(4)1mg/mlインジゴカルミンの濃度でグリセロール中の染料液をUV分光光度計で測定した。図25Bに、治療する部位のマーカーに使用するのに適した例示的な生体適合性染料(1:ファーストグリーン、2:エリオグラウシン(Erioglaucine)、3:メチレンブルー、4:インドシアニングリーン(Indocyanime Green)の吸光スペクトルがグラフ表示されている。
【0158】
図25A及び図25Bに示されているように、食用青色、トルイジンブルー、ブリリアントグリーン、インジゴカルミン、ファーストグリーン、エリオグラウシン(Erioglaucine)、メチレンブルー、及びインドシアニングリーン(Indocyanime Green)は、好適な光源と組み合わせて吸収マーカーとして用いることができる(例えば、550nm〜870nmのダイオードレーザーまたは550nm〜870nmのランプ)。図25A及び図25Bに示されているマーカーに加えて、別のクラスの吸収マーカーも非有機吸収剤である(例えば、カーボン粒子、チャイナインク(china ink)、またはCu、Fe、Au、Ag、及びZnのイオンを含む化合物)。
【0159】
治療部位を検出するためのシステムのある実施形態では、反射率は実質的に異なる2つの波長λ1及びλ2についてである。λ1は、局所物質またはマーカーの吸収帯の範囲内であり、λ2はその吸収帯の範囲外である。このような実施形態では、局所物質が組織上にあるという決定は、2つの条件が満たされた時になされる。
【0160】
【数2】


この式のR1及びR2はそれぞれ、波長λ1及びλ2で測定された反射係数であり、Rmin及びRmaxはそれぞれ、波長λ2での反射係数の最小閾値及び最大閾値であり、Atは反射率比の閾値である。Rmin及びRmaxは、波長λ2に対する皮膚の反射率の生理的範囲に一致するように選択されるのが好ましい。上記した認識アルゴリズムは、単なる例示であり、任意の他の好適な検出アルゴリズムを用いることができる。
【0161】
局所物質及び/またはマーカーが皮膚に適用された時または皮膚内に浸透した時に吸収率のピークがシフトした場合、検出された波長をシフトした吸収ピークに一致するように調節できることを理解されたい。このようなシフトを用いて、局所物質またはマーカーが実際に皮膚に適用されたことを確認することができる。
【0162】
上記したように、治療部位の光学的検出には蛍光マーカーを用いることができる。用語「蛍光」は、限定するものではないがルミネセンス及びラマン散乱を含むあらゆる種類の電磁エネルギーの非弾性の再放出を含むと定義する。「蛍光マーカー」は、蛍光励起される少なくとも1種類の活性成分を有するあらゆる物質である。
【0163】
蛍光マーカーは、皮膚の発光スペクトルとは実質的に異なる発光スペクトルを有するのが好ましい。また、蛍光マーカーは高量子収率の蛍光を有するのが好ましい。生体適合性の蛍光色添加物を蛍光マーカーとして用いるのが好ましい。例えば、好適なマーカーの例として、エオシンY、D&Cオレンジ5、10、及び11、D&Cレッド21、22、27、及び28、並びに硫化亜鉛を挙げることができる。
【0164】
蛍光マーカーを検出するために、検出源をその蛍光マーカーの吸収帯の光を供給するように構成及び配置され、検出器がその蛍光マーカーの発光を検出するように構成及び配置される。例えば、この装置は蛍光計とすることができる。ある実施形態では、蛍光マーカーは、その蛍光マーカーの励起バンド内の波長λ1の光で照射され、得られる蛍光信号をその蛍光マーカーの発光バンド内の波長λ2で測定する。このような実施形態では、I12>F1の条件が満たされた場合に検出が確認されたことになる。このF1は蛍光信号の閾値である。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく他の検出アルゴリズムを考案できるであろう。
【0165】
光学的マーカーが皮膚に適用された時または皮膚内に浸透した時に励起バンド及び発光バンドの一方または両方がシフトした場合、波長λ1及びλ2をシフトしたバンドに一致するように調節することができる。波長のシフトを用いて、下地(例えば、下地となる皮膚または皮膚以外)の性質に関連した情報を得ることができる。
【0166】
上記したように、局所物質またはその中のマーカーは電気検出器で検出することができる。例えば、局所物質またはマーカーは、皮膚の最大電気伝導率よりも高い電気伝導率を有することができる(好ましくは2倍以上)。好適な局所物質またはマーカーの例として、ALOE‐STAT(登録商標)CONDUCTIVE SKIN LOTION(ウォルター・ジー・レギー社(Walter G Legge Company Inc))、LECTRON2 CONDUCTIVITY GEL、及びELECTRO‐MIST ELECTROLYTE SPRAY(ファーマスーティカル・イノベーション(Pharmaceutical Innovation))、3M CONDUCTIVE ELECTRODE GEL(3Mサージカル・プロダクツ・ディビジョン(3M Surgical Products Division))などの導電性のローション及びゲルを挙げることができる。ある種の導電ローションは、皮膚内に浸透することができる。電気伝導性の局所物質またはマーカーを検出するために、光処理装置がマーカーの電気特性を検出することができる検出器を備えることができる。例えば、検出器は、接触式オーム計(contact ohmmeter)とすることができる。
【0167】
上記したように、局所物質またはその中のマーカーは超音波検出器で検出することができる。例えば、局所物質及び/またはマーカーは、皮膚表面に適用してその局所物質及び/またはマーカーの共鳴を変化(例えば、減衰)させることができるように、所定の音響周波数で音響伝送共鳴を有するようにデザインすることができる。このような実施形態では、光処理装置が音響源(例えば、圧電結晶)及びトランスデューサを備え、音響信号が設定範囲を超えた時に局所物質及び/またはマーカーで覆われた領域を特定することができる。例えば、検出器は、(1)共鳴振動数の信号が存在する(薄膜が存在する)、及び(2)この信号が減衰している(すなわち、局所物質及び/またはマーカーが組織上に存在する)の2つが事実であることを示すことができる。
【0168】
更に、上記したように局所物質またはその中のマーカーは磁気検出器で検出することができる。例えば、局所物質及び/またはマーカーは、静的な磁化率または誘導磁化率を有する化合物からなる、またはそのような化合物を含むことができる。例えば、磁気微粒子、常磁性(FeO)、及び強磁性(CrO2、磁鉄鉱)とすることができる。このような化合物は、ポリマー(ポリスチレン)でコーティングすることができ、例えば、その粒子は、3μm〜10μmの大きさ(例えば、スフェロテック社(Spherotech,Inc.)が販売する磁性材料など)または最大1μmの大きさ(例えば、ポリサイエンシーズ社(Polysciences,Inc)が販売する磁性材料など)を有することができる。光処理装置の光源の動作域における磁気粒子の吸光率を最小にするために、このような磁気粒子を、Au、Ag、Cu、またはAlなどの反射率の高い金属でコーティングする、または多層誘電コーティングすることができる(着色磁気粒子(Colored Magnetic Particles))。
【0169】
本発明の別の態様に従えば、局所物質に添加物を含めて利点を得ることができる。このような添加物は様々な効果をもたらすことができる。美容添加物の候補として、鉱油、石油、カプリン/カプリルトリグリセルアルデヒド(capric/caprylic triglyceraldehydes)、コレステロール、ラノリン、ジメチコーン/シクロメチコーン(dimethicone/cyclomethicone)、アーモンド油、ホホバ油、アボガド油、ゴマ油、ヒマワリ油、ヤシ油、ブドウの種油、グリセリン(グリセロール)、ポリプロピレングリコール、ソルビトール、ヒアルロン酸、レシチン、尿素、乳酸、ピロリドンカルボキシル酸(NA‐PCA)、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、ビタミンA、B、C、D、E、K、レチノール、水酸化カリウム、またはチオグリコール酸を挙げることができる。
【0170】
ある種の添加物は、光処理の波長または光の波長と相乗的に相互作用する。装置と添加物の相乗作用には3つの例示的な機構が関係する。第1に、装置が制御されたプロフィールで皮膚の温度を上昇させて、添加物の皮膚組織内への浸透が促進され、標的部位における活性成分の濃度を高くすることができる。第2に、標的部位の適度な温度上昇で活性成分の効率が高まり、所望の効果が促進される。第3に、添加物が装置の発光で光化学的に活性化することができる。
【0171】
図26に、インビトロ条件で観察されたレチノール含有製剤の経皮的浸透が光によって促進されたことが例示されている。この実験では、光の波長を800nm〜2000nmとし、照射量を0.5W/cm2とした。光を照射した30分後、領域中の活性成分であるレチノールの相対濃度をUV吸収率で測定した。図26に示されているように、照射されたレチノールの濃度が最大である。
【0172】
B.装置の速度
本発明の別の態様は、光処理装置のスキャン速度を決定するための運動センサである。例えば、光学的マーカー、電気マーカー、または磁気マーカーを用いて運動の決定及び/またはスキャン速度の決定を行うことができる。
【0173】
図27に、局所物質またはその中に含められたマーカー2710を用いて組織27150に対する光処理装置の運動の速度Sを測定するためのシステム2700の一例の模式図が示されている。
【0174】
システム2700は、光処理装置のヘッドが患者の組織27150に対して運動する時にその運動速度Sを監視できるようにヘッドに配置することができる。システム2700は、局所物質及び/またはマーカーを含む層2725を適用するためのアプリケーター2720、及び層2725によって生成される信号を検出するための検出システム2750を含む。後述するように、この信号は、光信号、電気信号、または磁気信号とすることができる。
【0175】
検出システム2750は、検出器2740と、層2725によってまたはその層に応答して生成された信号を検出し、ヘッドが組織27150に対して移動する時の運動速度Sを決定する好適な電子部品とを含む。例えば、計算した速度を用いて、光源のフルエンス、波長、またはパルス幅を制御する、消費物質の適用を制御する、スピードSを表示する、または他の任意の目的を果たすことができる。測定した運動速度Sの更なる使用については、言及することを以って本明細書の一部とする特許文献1号を参照されたい。
【0176】
アプリケーター2720は、組織27150に層2725を適用するために配置されている。アプリケーター2720は、組織に物質の層を適用できる既知のアプリケーターとすることができる。ある実施形態では、アプリケーター2720は厚みが均一な層を形成する。
【0177】
局所物質及びマーカーは、好適な信号(例えば、光信号、電気信号、または磁気信号など)を生成するまたは信号に応答できる任意の好適な材料とすることができる。ある実施形態では、このような材料は、アプリケーター2720で適用できるように十分に低い粘度を有し、かつ適用された後に組織に残存できるように十分に高い粘度を有する。このような材料は、水及び/または石鹸と水で簡単に洗い流せるのが好ましい。局所物質及び/またはマーカーは、光源からの光(すなわち、図1Aの光源125からの光)と組織27150の光結合が改善されるように組織27150と指数が一致するのが好ましい。
【0178】
ある実施形態では、局所物質及び/またはマーカーは蛍光材料である。好適な蛍光材料の例として、消費物質と使用するのに適した上記した材料を挙げることができる。蛍光材料の吸収帯は、干渉を防止するために光源125が放出する波長と重ならないようにするのが好ましい。
【0179】
層2725はアプリケーター2720を用いて適用することができるが、本発明のある実施形態では、アプリケーター2720を用いずに蛍光局所物質及び/またはマーカーを手で塗って層2725が形成される。ある実施形態では、蛍光局所物質及び/またはマーカーは、例えば、手または他の任意の好適な機構で適用してから所定時間(例えば、1〜5分)放置した後、その蛍光局所物質及び/またはマーカーを除去してもその一部が皮膚に浸透して検出できるような蛍光局所物質及び/またはマーカーが選択される。
【0180】
ある実施形態では、ライトプロジェクター2730が、蛍光材料が蛍光を発するようにその蛍光材料の吸収帯の波長を有する複数の光パルスを層2725に当てる。ライトプロジェクター2730は、LED、レーザー、ランプ、または層2725から蛍光を発生させることができる既知の光源とすることができる。ある実施形態では、光パルスは、均一の量の蛍光を発生できるように強さが均一であり、かつ/または均一な時間間隔で生成される。別法では、この光は、信号が既知の強さを有するように任意の選択された信号を有することができる(例えば、信号は既知の振幅を有する調波信号とすることができる)。ライトプロジェクター2730は、光源からなるようにしたり、或いは光源と集束光学素子、ビーム配向光学素子、または任意の他の好適な光学素子を含むことができる。
【0181】
局所物質及び/またはマーカーが蛍光マーカーである実施形態では、検出器2740は蛍光を受け取るように配置される。検出器2740は、ライトプロジェクター2730によって蛍光層2725に光が当てられた後、その蛍光層2725から放射された蛍光を感知できる任意の検出器とすることができる。検出器2740には、電気ノイズが低い検出器が好ましい。
【0182】
ある実施形態では、検出器2740は、ライトプロジェクター2730から既知の距離L、離間している。検出器2740は、蛍光のピーク強度の位置を決定するために1つの感光素子または配列された複数の感光素子を用いて強度を測定することができる。ある実施形態では、検出器2740の前に帯域フィルター2742を配置して、あらゆる不要な光(すなわち、蛍光層2725が放出した蛍光以外の全ての光)をフィルタリングすることができる。
【0183】
検出器2750は、運動の速度Sを求めるために検出器2740に結合されている。運動の速度Sは、任意の既知の方法で求めることができる。ある実施形態では、ライトプロジェクター2730が、均一の時間間隔で層2725にパルスを照射し、検出システム2750が、検出器2740で検出された蛍光強度のピーク間の時間間隔を決定する。距離Lとピーク間の時間間隔の比を計算して運動の速度Sを求めることができる。別法では、ライトプロジェクター2730が、既知の強度の光パルスを放射し、検出システム2750が検出器2740によって検出されたピークの強度を測定する。ライトプロジェクター2730が既知の強度を有する光パルスを生成し、蛍光層2725が既知の強度及び既知の減衰率を有する蛍光を発した場合、プロジェクター2730によって生成された光パルスの間時間間隔及び検出器2740が光を検出した時間を計算することができる。ライトプロジェクター2730と検出器2740との間の距離Lが既知であるため、距離Lと時間間隔との比を求めることで速度を求めることができる。
【0184】
別の実施形態では、検出器2740は、ライトプロジェクター2730からの既知の距離Lを有する必要がない。代わりに、アプリケーターが既知のパターン及び既知の間隔で蛍光マーカーのバンドを適用する。従って、プロジェクター2730によってそのパターンに照射された光が、既知のパターンによって変調されるため、速度を求めることができる。例えば、既知のパターンは、間隔Δを有する周期的な平行の線(バー)で、蛍光分子または粒子によって形成することができる。ハンドピースが皮膚に対して移動する時、反射信号が時間P=Δ/Sで変調されるため、S=Δ/Pから速度を求めることができる。
【0185】
システム2700の他の実施形態では、層2725は、プロジェクター2730からの光を吸収する局所物質及び/またはマーカーである。このような実施形態では、プロジェクター2730は、吸収層2725の吸収帯の波長を有する光を放射する。上記した蛍光層のシステムと同様に、プロジェクター2730は周期的なパルスまたは高調波を放射するプロジェクターとすることができるが、この実施形態では、検出器2750は、光の反射部分を測定する、または層による光の吸収で生じる熱を測定することができる(例えば、検出器は、赤外線検出器、熱電対、またはサーミスターとすることができる)。上記した蛍光局所システム及び/またはマーカーシステムと同様に、パルス間の時間の測定または既知のマーカーパターンの使用により速度を求めることができる。
【0186】
光学的局所物質及び/またはマーカーに加えて、電気的局所物質及び/またはマーカーを用いて光処理装置の速度を測定することができる。例えば、ホールセンサを運動センサとして用いて、局所物質及び/またはマーカーを流れる電流から磁界を検出することができる。ホールセンサの電流及び電圧は、局所物質を流れる電流、従って運動の速度Sに比例する。別法では、導電パターンを、周期的導電線(バー)として薄膜に形成することができる。電気センサ(例えば、オーム計)を用いると、速度Sは、オーム計からの信号の変調の周期に対する導電パターンの空間的周期の比として求めることができる。
【0187】
別法では、磁気的局所物質及び/またはマーカーを用いて、光処理装置の速度を測定することができる。磁界における局所物質の運動を単純な電圧センサの起電力として検出することができる。周期的な磁気線(バー)からなるパターンなどの磁気パターンを薄膜上に形成することができる。このような実施形態では、電圧センサの起電力が、速度Sに反比例する周期で変化する。
【0188】
C.標的部位の視覚化
図28に、治療した部位を視覚化する本発明の別の態様の模式図が例示されている。光処理装置2800による治療では、通常は目に見える変化が皮膚に起きないため、治療した部位を視認できるように局所物質及び/またはマーカー2810を適用することができる。
【0189】
ある実施形態では、光処理装置2804に結合されたアプリケーターにより、光処理装置の使用者が視認できる光特性を有する局所物質2810及び/またはマーカーを適用する。光処理装置2804の放射源2830で皮膚の領域2805を照射する前に、アプリケーター2820が、光処理装置が皮膚の領域2805に対して移動する時に皮膚2805に物質2810を適用する。例えば、局所物質及び/またはマーカー2810は、ローション、ゲル、接着ワックス、または図25A及び図25Bを用いて説明した染料の層から構成することができる。
【0190】
別法では、局所物質及び/またはマーカーを手または任意の好適な装置で適用し、光処理装置が皮膚を通過した後に使用者が治療した部位を識別できないように、適用した局所物質及び/またはマーカーを光処理装置で除去することができる。ある実施形態では、局所物質及び/またはマーカーは、治療後(すなわち、光処理装置による光が照射された後)に変化する1または複数の光学特性を有する。例えば、局所物質及び/またはマーカーは、光を照射する前は視認できないが治療後に視認できるようになる、または治療前は視認できるが治療後に視認できなくなる(例えば、局所物質及び/またはマーカーは光または熱で無色になる)。例えば、好適な染料は、ポリメチン、クマリン(coumarine)、またはキサンテンから選択することができる。
【0191】
本明細書に記載した本発明の態様は、光処理装置と共に使用するように記載したが、消費物質を使用する他のタイプの装置にも適用できることを理解されたい。加えて、消費物質は、光処理装置と一体の容器またはその装置に取り付けられる交換可能な容器から供給すると記載したが、光処理装置と一体型ではない容器内及び光処理装置に取り付けられない容器内に保持することができる。このような実施形態では、容器の消費物質を、光処理装置を通らずに組織に直接適用することができる。
【0192】
D.停止機構
更に別の態様では、本発明は、放射源、検出器、及びプロセッサを備えた、組織部分に対する光処理装置の移動速度を測定するためのシステムを提供する。この光処理装置は、光処理を実施するための電磁源を含み、組織部分には物質が適用される。光処理装置に結合されたアプリケーターを用いて、放射源で組織部分を照射する前に組織に物質を適用することができる。この物質はマーカーを含む。マーカーは、限定するものではないが、蛍光マーカー、吸収マーカー、電気マーカー、光学的マーカー、及び磁気マーカーを含む。放射源は、組織部分及び適用された物質を照射するために光処理装置に配置されている。検出器は、物質を監視するように構成及び配置された光処理装置に結合されている。プロセッサは、検出器からの信号に基づいて光処理装置の運動速度を計算する。放射源を、複数の組織の位置を照射するために更に光処理装置に結合することができ、装置がその組織部分を移動する時に物質を組織部分に適用する。検出器は、放射源から所定距離離間して光処理装置に結合することができ、照射後の照射部位における物質の反応を監視するように配置することができる。プロセッサは、監視した反応と所定の値とを比較して光処理装置の運動速度を決定するために検出器に結合することができる。
【0193】
このシステムは、計算した運動速度が所定の最大速度で決まる閾値をいつ超えたかを決定するために、計算した運動速度を所定の最大速度の値と比較するためのコンパレータを含むことができる。好適な最大速度は、100mm〜500mm/秒の範囲であるのが好ましい。コンパレータは、計算した運動速度を所定の最小速度の値と比較して、計算した運動速度が所定の最小速度で決まる閾値をいつ下回ったかを決定するために用いることもできる。好適な最小速度は、10mm〜100mm/秒の範囲である。このシステムはまた、速度が閾値を下回った場合に制御信号に応答して光処理を停止するための停止スイッチを含み、これにより使用者が負傷するのを防止することができる。例えば、制御信号により、光治療装置の速度に基づいて電磁源を制御するべくプロセッサを使用可能にすることができる。この停止スイッチは、照射を遮断するためのシャッター及び/または使用者を警告するためのアラームを含むことができる。
【0194】
当業者であれば、上記した実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解でき、通常の実験で確認できるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除き、ここに記載した説明及び測定の図面に限定されるものではない。ここで言及した全ての刊行物及び参考文献は言及することを以ってその内容の全てを本明細書の一部とする。
【0195】
当業者であれば、上記した実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解でき、通常の実験で確認できるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除き、ここに記載した説明及び測定の図面に限定されるものではない。ここで言及した全ての刊行物及び参考文献は言及することを以ってその内容の全てを本明細書の一部とする。
なお、本発明の好ましい実施態様には以下のものがある。
(1) 容器であって、
少なくとも1つの区画を画定する容器ハウジングと、
前記区画内に受容された物質と、
前記区画に結合された表示装置とを含み、
前記ハウジング及び前記区画が、前記物質と光処理装置との間の熱伝導が可能となるように前記光処理装置に結合できるように構成されていることを特徴とする容器。
(2) 前記物質が再使用可能な物質であることを特徴とする実施態様1に記載の容器。
(3) 前記物質が相変化物質であることを特徴とする実施態様1または2に記載の容器。
(4) 前記相変化物質が、液体四フッ化炭素、液体CO2、氷、凍結ローション、凍結クリーム、及び凍結ゲルからなる群から選択されることを特徴とする実施態様3に記載の容器。
(5) 前記相変化物質が液体から気体状態に相転移することを特徴とする実施態様3または4に記載の容器。
(6) 前記相変化物質が固体から液体状態に相転移することを特徴とする実施態様3または4に記載の容器。
(7) 前記物質が消費物質であることを特徴とする実施態様1、3、4、5、または6に記載の容器。
(8) 前記消費物質が、局所物質、冷却剤、過冷却液体、加圧ガス、及び相変化物質からなる群から選択されることを特徴とする実施態様7に記載の容器。
(9) 前記ハウジング及び前記区画が、光処理装置に結合して光処理中に物質を供給するための流路を形成できることを特徴とする実施態様1または3‐8に記載の容器。
(10) 前記物質が更にマーカーを含むことを特徴とする実施態様1乃至9の何れかに記載の容器。
(11) 前記マーカーが、吸収マーカー、感光マーカー、光学的マーカー、蛍光マーカー、電気マーカー、及び磁気マーカーからなる群から選択されることを特徴とする実施態様10に記載の容器。
(12) 前記マーカーが前記物質の状態を示すことを特徴とする実施態様10に記載の容器。
(13) 前記マーカーが、染料、金属、イオン、着色粒子、感光染料、感光物質、カーボン粒子、導電性の皮膚用ローション、電解スプレー、導電性電極ゲル、及び酸化物からなる群から選択されることを特徴とする実施態様10に記載の容器。
(14) 前記区画が、光処理装置のヘッド、熱放散要素、標的部位、または治療する組織の少なくとも1つに連通結合できるように構成されていることを特徴とする実施態様1乃至13の何れかに記載の容器。
(15) 前記少なくとも1つの区画が更に、組織に結合するように適合された第1の区画、及び前記光処理装置の熱放散要素に結合するように適合された第2の区画を含むことを特徴とする実施態様1乃至14の何れかに記載の容器。
(16) 前記第1の区画が局所物質を含むことを特徴とする実施態様15に記載の容器。
(17) 前記局所物質が、ローション、クリーム、ワックス、フィルム、水、アルコール、オイル、ゲル、粉末、エアロゾル、及び顆粒の少なくとも1つを含むことを特徴とする実施態様16に記載の容器。
(18) 前記局所物質が、皮膚の保湿、UV保護、日焼け、肌触りの改善、皮膚の色調の改善、セルライトの軽減及び/または防止、にきびの軽減及び/または防止、しわの軽減及び/または防止、瘢痕の軽減、血管病変の軽減及び/または防止、毛穴の大きさの縮小、皮脂分泌の油分の低減、皮膚の弾力性の改善、汗分泌の軽減、悪臭の軽減及び/または改善、体毛の減少または除去、及び毛髪の成長促進の少なくとも1つを達成する物質であることを特徴とする実施態様16または17に記載の容器。
(19) 前記第2の区画が冷却剤を含むことを特徴とする実施態様15に記載の容器。
(20) 前記冷却剤が、液体テトラフルオロエタン(R‐134a)、液体CO2、氷、凍結ローション、凍結ゲル、結晶水和物(45%CaCl*6H2Oと55%CaBr*6H2OまたはKF*4H2O)、有機物質であるHO(C24O)824OH(ポリエチレングリコール)、カプリル酸、ヘキサデカン、及びパラフィン5913の1つであることを特徴とする実施態様19に記載の容器。
(21) 前記表示装置が、機械的表示装置、光学的表示装置、磁気的表示装置、電気的表示装置、及び圧電表示装置からなる群から選択されることを特徴とする実施態様1乃至20の何れかに記載の容器。
(22) 前記表示装置が前記容器の状態を示すことを特徴とする実施態様1乃至21の何れかに記載の容器。
(23) 前記表示装置が前記物質の状態を示すことを特徴とする実施態様1乃至22の何れかに記載の容器。
(24) 前記表示装置が、物質のパラメータを監視するように構成及び配置された検出器に結合されていることを特徴とする実施態様1乃至23の何れかに記載の容器。
(25) 前記検出器が、機械的検出器、光学的検出器、磁気検出器、電子検出器、及び圧電検出器からなる群から選択されることを特徴とする実施態様24に記載の容器。
(26) 前記容器が更に、使用者が交換できるように光処理装置に結合されていることを特徴とする実施態様1乃至25の何れかに記載の容器。
(27) 実施態様26に記載の光処理装置を使用するための方法であって、
アジュバント物質を監視できるように前記容器に結合された少なくとも1つの表示装置を有する前記物質の前記容器を前記光処理装置に結合するステップと、
前記表示装置を評価するステップと、
前記評価が許容範囲の場合に前記光処理装置の動作を可能にするステップとを含むことを特徴とする方法。
(28) 組織部位に対する光処理装置の運動速度を測定するためのシステムであって、前記光処理装置が光処理を実施するための電磁源を有し、前記組織に物質が適用されており、前記システムが、
前記組織部位及び前記適用された物質を照射するために前記光処理装置に配置された放射源と、
前記物質を監視するように構成及び配置された前記光処理装置に結合された検出器と、
前記検出器からの信号に基づいて前記光処理装置の運動速度を計算するためのプロセッサとを含むことを特徴とするシステム。
(29) 発光装置から熱を抽出するための冷却システムであって、
前記発光装置から熱を抽出する冷却流体に熱接触する熱交換器と、
前記熱交換器と熱接触する相変化媒体とを含み、
前記相変化媒体が、前記熱交換器から熱を吸収して相転移し、これにより前記熱交換器から熱を除去することを特徴とする冷却システム。
(30) 光美容装置に結合するための冷却カートリッジであって、
相変化媒体を受容するためのハウジングを含み、
前記ハウジングが、前記相変化媒体とヒートシンクが熱接触するように前記光美容装置の前記ヒートシンクに結合するように適合されていることを特徴とする冷却カートリッジ。
(31) 更に、前記ヒートシンクから熱を吸収して前記相変化媒体の相が転移した時に生成される流体を除去するために、前記ハウジング内に形成された1または複数の通路を含むことを特徴とする実施態様30に記載の冷却カートリッジ。
(32) マーカーと共に使用するための光処理装置であって、
組織部位に対して光処理を実施するための放射源と、
前記マーカーを検出し、そのマーカーの検出に基づいて前記放射源を選択的に作動させる検出組立体とを含むことを特徴とする光処理装置。
(33) 光美容装置のハンドピースからの熱を抽出するための冷却システムであって、
前記ハンドピースの加熱される要素から熱を抽出するためにその加熱される要素に熱接触しているヒートシンクと、
相変化媒体を蓄えたカートリッジとを含み、
前記カートリッジが、前記相変化媒体と前記ヒートシンクとが熱接触して前記相変化媒体が前記ヒートシンクから熱を吸収し、前記熱変化媒体が固体状態から液体状態に相転移して前記ヒートシンクから熱を除去するように、前記ヒートシンクに結合できるように適合されており、
前記カートリッジが、前記相転移で生成された液体を除去するために1または複数の通路を含むことを特徴とする冷却システム。
(34) 発光装置から熱を抽出するための冷却システムであって、
前記発光装置の加熱される要素から熱を除去するためにその加熱される要素に熱接触する循環冷却用流体と、
所定量の相変化媒体を含むカートリッジとを含み、
前記カートリッジが、入口ポート及び出口ポートを備え、前記加熱される要素からの熱を有する前記流体が前記入口ポートを介して流入して、前記流体と前記相変化媒体とが熱接触できるように、前記流体の流路に取外し可能及び交換可能に配置できるように適合されていることを特徴とする冷却システム。
(35) 光処理装置を使用するための方法であって、
局所物質を組織に適用するステップと、
前記局所物質に関連したパラメータを検出するステップと、
前記局所物質のパラメータの検出された値に基づいて、前記光処理装置の動作を可能にするステップとを含むことを特徴とする方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光処理装置において、
組織のある部位に光処理を施すための放射源と、
前記組織の少なくとも一部にマーカを配置するように構成および配置されたアプリケータと、
前記マーカを検出し、当該マーカの存在に応じて前記放射源を選択的に作動させる検出器組立体であって、当該検出器が、光学的検出器、電子検出器、機械的検出器及び磁気検出器の内のひとつである検出器組立体と、
を備える光処理装置。
【請求項2】
光処理装置において、
組織のある部位に光処理を施すための放射源と、
前記組織の少なくとも一部にマーカを配置するように構成および配置されたアプリケータと、
前記マーカを検出し、当該マーカの存在に応じて前記放射源を選択的に作動させる検出器組立体であって、当該検出器組立体が、物体から反射された光の一部を検出し、当該物体が組織か否かを決定するように構成および配置された検出器組立体と、
を備える光処理装置。
【請求項3】
光処理装置の操作方法において、
組織のある部位にマーカを適用することと、
前記マーカを検出することと、
前記マーカが検出された場合に、前記光処理装置の機能を使用可能にすることと、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記マーカが検出されるまで、前記機能を使用禁止にすることを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、前記マーカが検出されない場合、前記機能を使用禁止にすることを更に含む、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、前記マーカが、吸収マーカー、蛍光マーカー、電気マーカー及び磁気マーカーの内の一つである、方法。
【請求項7】
請求項3に記載の方法において、前記マーカが、食用青色、トルイジンブルー、ブリリアントグリーン、インジゴカルミン、ファーストグリーン、エリオグラウシン(Erioglaucine)、メチレンブルー、及びインドシアニングリーン(Indocyanime Green);カーボン粒子;チャイナインク(china ink);Cu、Fe、Au、Ag、及びZnのイオン;エオシンY;D&Cオレンジ5、10、及び11;D&Cレッド21、22、27、及び28;硫化亜鉛、ALOE‐STAT(登録商標)CONDUCTIVE SKIN LOTION、LECTRON2 CONDUCTIVITY GEL、ELECTRO‐MIST ELECTROLYTE SPRAY、3M CONDUCTIVE ELECTRODE GEL、FeO、CrO2および磁鉄鉱の内の少なくとも一つを含む、
方法。
【請求項8】
光美容装置と共に使用される容器において、
内部のくぼみを画定し、前記光美容装置と共に使用される物質を入れるように構成された少なくとも一つの区画と、
前記区画の前記内部のくぼみと流体連通し、光処理装置に結合するように構成された開口部と、
前記光美容装置の対応する検出機構に結合するように構成された検出機構と、
を備える、容器。
【請求項9】
請求項8に記載の容器において、前記区画が、光処理装置のヘッドと流体連通結合している、容器。
【請求項10】
請求項8に記載の容器において、前記区画が、光処理装置中の熱放散要素と流体連通結合している、容器。
【請求項11】
請求項8に記載の容器において、前記区画が、組織と流体連通している、容器。
【請求項12】
請求項8に記載の容器において、前記検出機構が、機械的機構、光学的機構、磁気的機構、電子機構および圧電機構の内のひとつである、容器。
【請求項13】
請求項8に記載の容器において、前記検出機構が、前記容器の状態を示す、容器。
【請求項14】
請求項8に記載の容器において、前記検出機構が、前記物質の状態を示す、容器。
【請求項15】
請求項8に記載の容器において、前記容器が、前記光美容装置から切り離し得るものである、容器。
【請求項16】
請求項8に記載の容器において、前記容器が、再充填可能であるように構成されている、容器。
【請求項17】
請求項8に記載の容器において、前記容器が、再使用可能であるように構成されている、容器。
【請求項18】
請求項8に記載の容器において、前記容器が、取り外し可能であるように構成されている、容器。
【請求項19】
光処理装置の操作方法において、
組織に局所物質を適用することと、
前記局所物質に関連するパラメータを検出することと、
前記パラメータの検出値に基づいて、前記光処理装置の作動を可能にすることと、
を含む、
方法。
【請求項20】
光処理装置を作動するためのシステムにおいて、当該システムが、
組織のある部位に適用するための局所物質であって少なくとも一つのパラメータを有する局所物質を含み、当該局所物質に関連するパラメータのある値の検出により、光処理装置の作動が可能にされる、
システム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、前記局所物質が眼用刺激剤を含む、システム。
【請求項22】
光処理装置を作動するためのシステムにおいて、当該システムが、
組織のある部位に適用するためのマーカを含み、前記装置により検出された場合、前記マーカの検出により光処理装置の機能の作動が可能にされる、
システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記マーカが検出されるまで、前記光処理装置の機能が使用禁止にされる、システム。
【請求項24】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記マーカが検出されない場合、前記光処理装置の機能が使用禁止にされる、システム。
【請求項25】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記マーカが、吸収マーカー、蛍光マーカー、電気マーカー及び磁気マーカーの内の一つである、システム。
【請求項26】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記マーカが、食用青色、トルイジンブルー、ブリリアントグリーン、インジゴカルミン、ファーストグリーン、エリオグラウシン(Erioglaucine)、メチレンブルー、及びインドシアニングリーン(Indocyanime Green);カーボン粒子;チャイナインク(china ink);Cu、Fe、Au、Ag、及びZnのイオン;エオシンY;D&Cオレンジ5、10、及び11;D&Cレッド21、22、27、及び28;硫化亜鉛、ALOE‐STAT(登録商標)CONDUCTIVE SKIN LOTION、LECTRON2 CONDUCTIVITY GEL、ELECTRO‐MIST ELECTROLYTE SPRAY、3M CONDUCTIVE ELECTRODE GEL、FeO、CrO2および磁鉄鉱の内の少なくとも一つを含む、
システム。
【請求項27】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記マーカが眼用刺激剤を含む、システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−120935(P2011−120935A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23706(P2011−23706)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2004−547188(P2004−547188)の分割
【原出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【出願人】(504464748)パロマー・メディカル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】PALOMAR MEDICAL TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】