光分散補償回路
【目的】 複数の周波数の光信号を多重して伝送する光周波数多重伝送方式において、伝送速度や伝送距離を制限する要因となる光ファイバの波長分散を補償して長距離、高速伝送を可能とする。
【構成】 伝送された光波長多重信号を分波して、各波長ごとに所望の総分散量になるように光ファイバにより、波長ごとの分散量を補償し、それぞれの波長の光信号を合波する。あるいは光ファイバにより波長ごとの分散量を調整し、その光信号をそれぞれ受信する。
【構成】 伝送された光波長多重信号を分波して、各波長ごとに所望の総分散量になるように光ファイバにより、波長ごとの分散量を補償し、それぞれの波長の光信号を合波する。あるいは光ファイバにより波長ごとの分散量を調整し、その光信号をそれぞれ受信する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波長(周波数)多重通信システムで利用される。本発明は、群速度分散値の傾きである二次分散、またその波長による微分値である三次分散等、高次の分散による光信号の劣化を補償する光分散補償回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10に、従来の光波長多重通信システムの構成例を示す。この光波長多重伝送システムは、1.55μmの光信号を1.55μm零分散ファイバで伝送を行う例である。
【0003】この図10において、符号1および2は送信側、符号3および4は光中継区間、符号5および6は受信側を示す。すなわち、符号1(1)〜1(M)は、それぞれ波長多重のための波長の異なる光信号を送信するための光送信器、符号2は、この送信器1(1)〜1(M)から送信されたそれぞれの波長の光信号を合波するための合波器である。光中継区間の3(1)〜3(K)は伝送路の損失を補償するための光増幅器であり、4(1)〜4(K)は光信号を伝送するための光ファイバである。受信側の符号5は、合波されて伝送された送信器1(1)〜1(M)の光信号を分波する分波器であり、符号6(1)〜6(M)は、この分波器5で分波された光信号を受信する光受信器である。
【0004】図11に、図10に示す従来の光波長多重信号の波長配置と、1.55μmの零分散ファイバの群速度分散の関係を示す。ここで、零分散波長は、1545nm、波長数を波長λ1 からλ15まで15とし、光波長多重信号の波長λ1 よりλ15は、1531nmより1559nmの28nmに2nm間隔で配置されたものとする。
【0005】1.55μm零分散ファイバを用い、1.55μm帯の光信号を伝送する場合でも、図11に示すように、群速度分散の傾き、つまり、二次分散は、0.07ps/nm/km/nm程度あり、光波長多重信号のすべての波長において、群速度分散値をなくすることはできない。
【0006】図12に、図11の波長配置の場合の距離に対する各波長での総群速度分散量を示す。この図12に示すように、二次分散のために距離の増加に伴い、群速度分散値の距離による積分値である総分散量が大きくなっていることがわかる。
【0007】このため、長距離、高伝送速度の光波長多重信号を伝送する場合には、二次分散の影響により、総分散量の波長依存性が生じ、光波長多重通信を行う場合のすべての波長において群速度分散による信号の劣化をなくすことはできなかった。この群速度分散による信号の劣化は伝送距離を制限する要因になっていた。この点は、文献:光増幅中継系における伝送性能限界 斉藤 茂 電子情報学会技術研究報告OCS94−26で説明されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来は、二次分散以上の高次の分散を補償するものはなく、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送する場合には、すべての波長で群速度分散を補償することができなかったので、群速度分散による波形劣化を招き、伝送距離を制限する要因になっていた。
【0009】本発明の目的は、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送するときに、高次の分散による信号の劣化を抑圧し、長距離、高速度の光波長多重信号の伝送を可能とする光分散補償回路を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、1台の導波路型アレー合分波器を用いることで、分波器および合波器の構成を簡単にした光分散補償回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は、複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバと、この光ファイバを通過した光信号を合波する合波手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】なお、分波手段および合波手段は、合分波を行う一つの導波路型アレー合分波器で構成することができる。
【0013】また、導波路型アレー合分波器は、一つの入力端子に光波長多重信号が入力され、一つの出力端子に合波された光波長多重信号が出力され、他のn個の出力端子(nは自然数)とn個の入力端子とが分散を与えるn本の分散を与える光ファイバにより接続された(n+1)×(n+1)合分波器とすることができる。
【0014】また、導波路型アレー合分波器は、2n(nは自然数)個の入力端子および出力端子を備え、2n個の出力端子がn本の分散を与える光ファイバにより接続され、一つの入力端子に分散補償する光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続され、一つの入力端子に分散補償された光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続された2n×2n合分波器とすることができる。
【0015】また、本発明の第二の観点は、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとを備え、この各光ファイバの出力が各波長の光信号を受信する光受信器に導かれたことを特徴とする。
【0016】なお、光波長多重信号を伝送する伝送路は1.55μmを零分散波長とする光ファイバであり、零分散波長より低い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは、1.3μmを零分散とする光ファイバであり、零分散波長より高い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは負の分散値を有する分散補償ファイバであることが好ましい。
【0017】
【作用】まず、第一の観点の発明の作用を説明する。伝送路(光ファイバ)により伝送された光波長多重信号は、分波器の入力端子から入力され、分波器により分波され1波長ごとに出力される。伝送路の分散は各波長で高次の分散のため、補償すべき総分散量が異なる。そのため分波器の出力に各波長での伝送路の総分散量の正負が逆の総分散量を有する光ファイバを接続することにより、すべての波長の信号で分散を補償することができる。そして、分散補償された各波長の光信号を合波器により合波することにより、高次の分散が補償された光波長多重信号を得ることができる。この光分散補償回路を伝送路に挿入することにより、高次の分散による信号の劣化を軽減し、長距離、高伝送速度の光波長多重伝送を可能とする。
【0018】なお、分波器、合波器として1台の導波路型アレー合分波器を用いて、1入力端子より入力した光波長多重信号を複数の出力端子に分波し、波長ごとに各波長での伝送路の総分散量の正負が逆の総分散量を有する光ファイバを接続し、再度、導波路型アレー合分波器に入力し1端子に合波することにより、高次の分散が補償された光波長多重信号を得ることができる。これにより、分波器および合波器を1台のものにできるため、分波機構および合波機構の設定を簡易化でき、光分散補償回路の構成をシンプルにできる。
【0019】第二の観点の発明は、合波器を取り除き、各波長ごとに光ファイバによって高次の分散が補償された光信号をそのまま、各波長ごとの光受信器に導くものである。すなわち、伝送路により伝送された光波長多重信号は分波器の入力端子から入力され、分波器により分波され1波長ごとに出力される。伝送路の分散は各波長で高次の分散のため、補償すべき総分散量が異なる。そのため、分波器の出力に各波長での伝送路の分散量を補償する正負が逆の分散量を有する光ファイバを接続することにより、すべての波長の信号で分散を補償することができる。この分散を補償したそれぞれの波長の信号は光受信器に導かれて受信される。
【0020】なお、各波長での伝送路の分散量を補償する正負が逆の分散量を有する光ファイバとしては、1.55μm零分散ファイバを伝送路として用いた場合に、零分散波長より低い周波数の光信号に対しては、1.3μm零分散ファイバを、零分散波長より高い周波数の光信号に対しては、1.55μmで負の分散値を有する分散補償ファイバを用い、それぞれ所望の分散量を与える長さのファイバを通過させて伝送路で生じた分散を補償すれば、それぞれの波長の総分散量を容易に抑圧できる。
【0021】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0022】(第一実施例)図1は、本発明第一実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図である。この本第一実施例の光分散補償回路は、複数n個の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段としての分波器8と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとしての分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)と、この分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)を通過した光信号を合波する合波手段としての合波器10とを備えたことを特徴とする。なお、符号7および11は、光波長多重信号を伝送する光ファイバである。
【0023】この光分散補償回路での分散補償動作を説明する。光波長多重信号を伝送する光ファイバ7で波長λ1 からλn までのn波多重信号が伝送されているとする。このn波多重信号は分波器8の入力端子に入力され、分波器8においてλ1 からλn までの各波長の信号が分波されて出力端子8(1)〜8(n)に出力される。この各波長ごとの出力端子に接続された分散補償用のn個の分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)により各波長ごとに総分散量が補償される。分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)は、合波器10に接続され、合波器でλ1〜λn の光信号は合波され、伝送路を構成する光ファイバ11により光波長多重信号として伝送される。
【0024】なお、分波器8、合波器10は、具体的には、多段のマッハツェンダ型の分波器、回折格子、導波路型アレー分波器等で構成される。
【0025】次に図2に、光波長多重信号の波長配置と図1の伝送路の光ファイバ7として1.55μm零分散ファイバを500km伝送した場合の各波長の総群速度分散量を示す。ここで、零分散波長を1545nmとし、波長数は15、光波長多重信号は、λ1 からλ15を1531nmから1559nmの28nmの間に2nm間隔で配置し、高次の分散は、0.07ps/nm/km/nmの二次分散を考慮したものとする。
【0026】ここで、図2に示すように、波長1531nmで−490ps/nm、波長1559nmで490ps/nmの総群速度分散量がある。これを補償するために補償用の光ファイバ9(1)から9(15)として、図3に示す長さの1.3μm零分散ファイバと1.55μmで光ファイバの分散値を有する分散補償ファイバを接続し、その後に合波器10により合波することで、図4に示すように各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。図4に示すように、光分波器8の2nm帯域内で総分散量は±35ps/nm抑圧でき、さらに信号の伝送帯域を±10GHzとする総分散量を±2.8ps/nmに抑圧できる。このように、分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(15)の長さは、その波長によってリニアに決定できる。
【0027】ここで、1.3μm零分散ファイバの1.55nmでの分散値は17ps/nm/kmであり、分散補償ファイバについては、文献:分散補償ファイバの性能指数の向上 大西 正志他 1994年電子情報通信学会春季大会C−366に記述されており、その分散値は−82ps/nm/kmとした。
【0028】この光分散補償回路は、図10に示す光波長多重通信システムの光中継区間に配置される。また、伝送路の終端に伝送路で生ずる分散を等化するために配置される。
【0029】(第二実施例)次に第二実施例を図5を用いて説明する。本第二実施例は、図5に示すように、第一実施例の分波器8と合波器10を1台の(n+1)×(n+1)導波路型アレー合分波器13に置き換えたものである。すなわち、n個の波長が多重化された光波長多重信号を伝送する光ファイバ7が導波路型アレー合分波器13の一つの入力端子13(1)iに導かれ、一つの出力端子13(1)oから合波された光波長多重信号が分散補償用の光ファイバ11により伝送される。出力端子13(2)oにはλ1 が出力され分散補償用の光ファイバ9(1)により入力端子13(n+1)iに接続される。順次、出力端子と入力端子とが接続され、λnまでは分散補償用の光ファイバ9(n)で入力端子13(n)iに接続される。
【0030】図6に、この導波路型アレー合分波器13の合分波特性を示す。この図6に示すように、入力端子13(n+1)oより入力した光波長多重信号λ1 からλnは、それぞれ出力端子13(2)oから13(n+1)oより出力される。出力端子13(2)oから13(n+1)oに高次の分散を補償するための分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)を接続し、それぞれを入力端子13(n+1)iから13(2)iに接続することによって、信号λ1 からλn は再び合波されて、出力端子13(1)oより出力される。このような過程により各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。
【0031】(第三実施例)次に本発明の第三実施例を図7を用いて説明する。本第三実施例は、第二実施例と同様に、第一実施例の分波器8と合波器10とを2n×2n導波路型アレー合分波器14で置き換えたものである。
【0032】この2n×2n導波路型アレー合分波器14の合分波特性を図8に示す。この図8に示すように、入力端子14(1)iより入力した波長多重信号λ1 からλn はそれぞれ出力端子14(1)oから出力端子14(n)oより出力される。出力端子14(1)oから出力端子(n)oに高次の分散を補償するための分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)を接続し、それぞれ出力端子14(n+1)oから出力端子14(2n)oに接続するすることにより、信号λ1 から信号λn は再び合波され、出力端子13(n+1)iより光波長多重信号として、光ファイバ11に出力される。このような過程により各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。
【0033】(第四実施例)次に本の第四実施例を図9を用いて説明する。この第四実施例は、基本的には図1に示す第一実施例と同じ分散補償を行うものであるが、分波した光波長多重信号を合波することなく、各波長ごとに分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)によって総分散量を補償した後、そのまま光受信器12(1)〜12(n)に導く構成である。すなわち、分波器8により分波された各波長の信号λ1 〜λn をそれぞれ長さが異なる分散補償ファイバおよび1.3μm零分散ファイバに導いて、各信号を合波せずにそれぞれ光受信器12(1)〜12(n)で受信する。この場合も、分波器8にそれぞれ接続される分散補償ファイバ、1.3μ零分散ファイバの長さをそれぞれ調整することにより、高次の分散を補償した光信号を受信することが可能である。
【0034】この第四実施例の光分散補償回路は、図10R>0に示す光波長多重通信システムの分波器5に代えて挿入して、伝送路で生じた分散を補償する。
【0035】なお、以上の実施例では、光波長多重信号波長帯の中央に零分散波長を設定した場合で説明したが、零分散波長が信号波長帯域にない場合は、1.3μ零分散ファイバまたは分散補償ファイバの長さを調節することにより、高次の分散を補償することが可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、上述のように、光ファイバの有する群速度の相違による総分散量を補償することができるため、高次の分散による信号の劣化を抑止できる。このため、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送することができる光波長多重伝送を可能とする。
【0037】また、1台の導波路型アレー合分波器を用いることで、分波器および合波器の構成をシンプルにでき、全光的構成の光分散補償回路を提供できる効果がある。
【0038】また、光受信器の入力信号を各波長ごとに総分散量を補償をすることができるため、受信品質のよい信号で受信することができる。
【0039】さらに、分散補償用ファイバが与える分散量は、波長ごとにその長さのみで調整できるため、伝送路を伝送される全波長の総分散量を小さなものに抑圧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図2】第一実施例の伝送路の総分散量と信号配置との関係を説明する図。
【図3】第一実施例の分散補償用光ファイバの長さを説明する図。
【図4】第一実施例の分散補償回路により得られる群速度分散特性を示す図。
【図5】本発明第二実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図6】本発明第二実施例の導波路型アレー合分波器の合分波特性を示す図。
【図7】本発明第三実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図8】本発明第三実施例の導波路型アレー合分波器の合分波特性を示す図。
【図9】本発明第四実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図10】従来の光波長多重通信システムの構成を示す図。
【図11】1545nmを零分散波長とする1.55μm零分散ファイバの群速度分散特性と光波長信号の配置との関係を説明する図。
【図12】従来の光ファイバを用いた場合の距離に対する総分散量を示す図。
【符号の説明】
1(1)〜1(M) 光送信器
2、5、10 合波器
3(1)〜3N(n)、31(1)〜3N(n) 光増幅器
4(1)〜4(K) 光ファイバ
6(1)〜6(M)、12(1)〜12(n) 光受信器
7、11 伝送用の光ファイバ
8 分波器
8(1)〜8(n) 合波器の出力端子
9(1)〜9(n) 分散補償用の光ファイバ
13、14 導波路型アレー合分波器、
13(1)i〜13(n+1)i、14i〜14(n+1)i 入力端子
13(1)o〜13(n+1)o、14o〜14(n+1)o 出力端子
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光波長(周波数)多重通信システムで利用される。本発明は、群速度分散値の傾きである二次分散、またその波長による微分値である三次分散等、高次の分散による光信号の劣化を補償する光分散補償回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10に、従来の光波長多重通信システムの構成例を示す。この光波長多重伝送システムは、1.55μmの光信号を1.55μm零分散ファイバで伝送を行う例である。
【0003】この図10において、符号1および2は送信側、符号3および4は光中継区間、符号5および6は受信側を示す。すなわち、符号1(1)〜1(M)は、それぞれ波長多重のための波長の異なる光信号を送信するための光送信器、符号2は、この送信器1(1)〜1(M)から送信されたそれぞれの波長の光信号を合波するための合波器である。光中継区間の3(1)〜3(K)は伝送路の損失を補償するための光増幅器であり、4(1)〜4(K)は光信号を伝送するための光ファイバである。受信側の符号5は、合波されて伝送された送信器1(1)〜1(M)の光信号を分波する分波器であり、符号6(1)〜6(M)は、この分波器5で分波された光信号を受信する光受信器である。
【0004】図11に、図10に示す従来の光波長多重信号の波長配置と、1.55μmの零分散ファイバの群速度分散の関係を示す。ここで、零分散波長は、1545nm、波長数を波長λ1 からλ15まで15とし、光波長多重信号の波長λ1 よりλ15は、1531nmより1559nmの28nmに2nm間隔で配置されたものとする。
【0005】1.55μm零分散ファイバを用い、1.55μm帯の光信号を伝送する場合でも、図11に示すように、群速度分散の傾き、つまり、二次分散は、0.07ps/nm/km/nm程度あり、光波長多重信号のすべての波長において、群速度分散値をなくすることはできない。
【0006】図12に、図11の波長配置の場合の距離に対する各波長での総群速度分散量を示す。この図12に示すように、二次分散のために距離の増加に伴い、群速度分散値の距離による積分値である総分散量が大きくなっていることがわかる。
【0007】このため、長距離、高伝送速度の光波長多重信号を伝送する場合には、二次分散の影響により、総分散量の波長依存性が生じ、光波長多重通信を行う場合のすべての波長において群速度分散による信号の劣化をなくすことはできなかった。この群速度分散による信号の劣化は伝送距離を制限する要因になっていた。この点は、文献:光増幅中継系における伝送性能限界 斉藤 茂 電子情報学会技術研究報告OCS94−26で説明されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来は、二次分散以上の高次の分散を補償するものはなく、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送する場合には、すべての波長で群速度分散を補償することができなかったので、群速度分散による波形劣化を招き、伝送距離を制限する要因になっていた。
【0009】本発明の目的は、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送するときに、高次の分散による信号の劣化を抑圧し、長距離、高速度の光波長多重信号の伝送を可能とする光分散補償回路を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、1台の導波路型アレー合分波器を用いることで、分波器および合波器の構成を簡単にした光分散補償回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は、複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバと、この光ファイバを通過した光信号を合波する合波手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】なお、分波手段および合波手段は、合分波を行う一つの導波路型アレー合分波器で構成することができる。
【0013】また、導波路型アレー合分波器は、一つの入力端子に光波長多重信号が入力され、一つの出力端子に合波された光波長多重信号が出力され、他のn個の出力端子(nは自然数)とn個の入力端子とが分散を与えるn本の分散を与える光ファイバにより接続された(n+1)×(n+1)合分波器とすることができる。
【0014】また、導波路型アレー合分波器は、2n(nは自然数)個の入力端子および出力端子を備え、2n個の出力端子がn本の分散を与える光ファイバにより接続され、一つの入力端子に分散補償する光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続され、一つの入力端子に分散補償された光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続された2n×2n合分波器とすることができる。
【0015】また、本発明の第二の観点は、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとを備え、この各光ファイバの出力が各波長の光信号を受信する光受信器に導かれたことを特徴とする。
【0016】なお、光波長多重信号を伝送する伝送路は1.55μmを零分散波長とする光ファイバであり、零分散波長より低い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは、1.3μmを零分散とする光ファイバであり、零分散波長より高い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは負の分散値を有する分散補償ファイバであることが好ましい。
【0017】
【作用】まず、第一の観点の発明の作用を説明する。伝送路(光ファイバ)により伝送された光波長多重信号は、分波器の入力端子から入力され、分波器により分波され1波長ごとに出力される。伝送路の分散は各波長で高次の分散のため、補償すべき総分散量が異なる。そのため分波器の出力に各波長での伝送路の総分散量の正負が逆の総分散量を有する光ファイバを接続することにより、すべての波長の信号で分散を補償することができる。そして、分散補償された各波長の光信号を合波器により合波することにより、高次の分散が補償された光波長多重信号を得ることができる。この光分散補償回路を伝送路に挿入することにより、高次の分散による信号の劣化を軽減し、長距離、高伝送速度の光波長多重伝送を可能とする。
【0018】なお、分波器、合波器として1台の導波路型アレー合分波器を用いて、1入力端子より入力した光波長多重信号を複数の出力端子に分波し、波長ごとに各波長での伝送路の総分散量の正負が逆の総分散量を有する光ファイバを接続し、再度、導波路型アレー合分波器に入力し1端子に合波することにより、高次の分散が補償された光波長多重信号を得ることができる。これにより、分波器および合波器を1台のものにできるため、分波機構および合波機構の設定を簡易化でき、光分散補償回路の構成をシンプルにできる。
【0019】第二の観点の発明は、合波器を取り除き、各波長ごとに光ファイバによって高次の分散が補償された光信号をそのまま、各波長ごとの光受信器に導くものである。すなわち、伝送路により伝送された光波長多重信号は分波器の入力端子から入力され、分波器により分波され1波長ごとに出力される。伝送路の分散は各波長で高次の分散のため、補償すべき総分散量が異なる。そのため、分波器の出力に各波長での伝送路の分散量を補償する正負が逆の分散量を有する光ファイバを接続することにより、すべての波長の信号で分散を補償することができる。この分散を補償したそれぞれの波長の信号は光受信器に導かれて受信される。
【0020】なお、各波長での伝送路の分散量を補償する正負が逆の分散量を有する光ファイバとしては、1.55μm零分散ファイバを伝送路として用いた場合に、零分散波長より低い周波数の光信号に対しては、1.3μm零分散ファイバを、零分散波長より高い周波数の光信号に対しては、1.55μmで負の分散値を有する分散補償ファイバを用い、それぞれ所望の分散量を与える長さのファイバを通過させて伝送路で生じた分散を補償すれば、それぞれの波長の総分散量を容易に抑圧できる。
【0021】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0022】(第一実施例)図1は、本発明第一実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図である。この本第一実施例の光分散補償回路は、複数n個の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段としての分波器8と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとしての分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)と、この分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)を通過した光信号を合波する合波手段としての合波器10とを備えたことを特徴とする。なお、符号7および11は、光波長多重信号を伝送する光ファイバである。
【0023】この光分散補償回路での分散補償動作を説明する。光波長多重信号を伝送する光ファイバ7で波長λ1 からλn までのn波多重信号が伝送されているとする。このn波多重信号は分波器8の入力端子に入力され、分波器8においてλ1 からλn までの各波長の信号が分波されて出力端子8(1)〜8(n)に出力される。この各波長ごとの出力端子に接続された分散補償用のn個の分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)により各波長ごとに総分散量が補償される。分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)は、合波器10に接続され、合波器でλ1〜λn の光信号は合波され、伝送路を構成する光ファイバ11により光波長多重信号として伝送される。
【0024】なお、分波器8、合波器10は、具体的には、多段のマッハツェンダ型の分波器、回折格子、導波路型アレー分波器等で構成される。
【0025】次に図2に、光波長多重信号の波長配置と図1の伝送路の光ファイバ7として1.55μm零分散ファイバを500km伝送した場合の各波長の総群速度分散量を示す。ここで、零分散波長を1545nmとし、波長数は15、光波長多重信号は、λ1 からλ15を1531nmから1559nmの28nmの間に2nm間隔で配置し、高次の分散は、0.07ps/nm/km/nmの二次分散を考慮したものとする。
【0026】ここで、図2に示すように、波長1531nmで−490ps/nm、波長1559nmで490ps/nmの総群速度分散量がある。これを補償するために補償用の光ファイバ9(1)から9(15)として、図3に示す長さの1.3μm零分散ファイバと1.55μmで光ファイバの分散値を有する分散補償ファイバを接続し、その後に合波器10により合波することで、図4に示すように各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。図4に示すように、光分波器8の2nm帯域内で総分散量は±35ps/nm抑圧でき、さらに信号の伝送帯域を±10GHzとする総分散量を±2.8ps/nmに抑圧できる。このように、分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(15)の長さは、その波長によってリニアに決定できる。
【0027】ここで、1.3μm零分散ファイバの1.55nmでの分散値は17ps/nm/kmであり、分散補償ファイバについては、文献:分散補償ファイバの性能指数の向上 大西 正志他 1994年電子情報通信学会春季大会C−366に記述されており、その分散値は−82ps/nm/kmとした。
【0028】この光分散補償回路は、図10に示す光波長多重通信システムの光中継区間に配置される。また、伝送路の終端に伝送路で生ずる分散を等化するために配置される。
【0029】(第二実施例)次に第二実施例を図5を用いて説明する。本第二実施例は、図5に示すように、第一実施例の分波器8と合波器10を1台の(n+1)×(n+1)導波路型アレー合分波器13に置き換えたものである。すなわち、n個の波長が多重化された光波長多重信号を伝送する光ファイバ7が導波路型アレー合分波器13の一つの入力端子13(1)iに導かれ、一つの出力端子13(1)oから合波された光波長多重信号が分散補償用の光ファイバ11により伝送される。出力端子13(2)oにはλ1 が出力され分散補償用の光ファイバ9(1)により入力端子13(n+1)iに接続される。順次、出力端子と入力端子とが接続され、λnまでは分散補償用の光ファイバ9(n)で入力端子13(n)iに接続される。
【0030】図6に、この導波路型アレー合分波器13の合分波特性を示す。この図6に示すように、入力端子13(n+1)oより入力した光波長多重信号λ1 からλnは、それぞれ出力端子13(2)oから13(n+1)oより出力される。出力端子13(2)oから13(n+1)oに高次の分散を補償するための分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)を接続し、それぞれを入力端子13(n+1)iから13(2)iに接続することによって、信号λ1 からλn は再び合波されて、出力端子13(1)oより出力される。このような過程により各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。
【0031】(第三実施例)次に本発明の第三実施例を図7を用いて説明する。本第三実施例は、第二実施例と同様に、第一実施例の分波器8と合波器10とを2n×2n導波路型アレー合分波器14で置き換えたものである。
【0032】この2n×2n導波路型アレー合分波器14の合分波特性を図8に示す。この図8に示すように、入力端子14(1)iより入力した波長多重信号λ1 からλn はそれぞれ出力端子14(1)oから出力端子14(n)oより出力される。出力端子14(1)oから出力端子(n)oに高次の分散を補償するための分散補償用の光ファイバ9(1)から9(n)を接続し、それぞれ出力端子14(n+1)oから出力端子14(2n)oに接続するすることにより、信号λ1 から信号λn は再び合波され、出力端子13(n+1)iより光波長多重信号として、光ファイバ11に出力される。このような過程により各波長で高次の分散を補償した光波長多重信号を得ることが可能である。
【0033】(第四実施例)次に本の第四実施例を図9を用いて説明する。この第四実施例は、基本的には図1に示す第一実施例と同じ分散補償を行うものであるが、分波した光波長多重信号を合波することなく、各波長ごとに分散補償用の光ファイバ9(1)〜9(n)によって総分散量を補償した後、そのまま光受信器12(1)〜12(n)に導く構成である。すなわち、分波器8により分波された各波長の信号λ1 〜λn をそれぞれ長さが異なる分散補償ファイバおよび1.3μm零分散ファイバに導いて、各信号を合波せずにそれぞれ光受信器12(1)〜12(n)で受信する。この場合も、分波器8にそれぞれ接続される分散補償ファイバ、1.3μ零分散ファイバの長さをそれぞれ調整することにより、高次の分散を補償した光信号を受信することが可能である。
【0034】この第四実施例の光分散補償回路は、図10R>0に示す光波長多重通信システムの分波器5に代えて挿入して、伝送路で生じた分散を補償する。
【0035】なお、以上の実施例では、光波長多重信号波長帯の中央に零分散波長を設定した場合で説明したが、零分散波長が信号波長帯域にない場合は、1.3μ零分散ファイバまたは分散補償ファイバの長さを調節することにより、高次の分散を補償することが可能である。
【0036】
【発明の効果】本発明は、上述のように、光ファイバの有する群速度の相違による総分散量を補償することができるため、高次の分散による信号の劣化を抑止できる。このため、光波長多重信号を長距離、高伝送速度で伝送することができる光波長多重伝送を可能とする。
【0037】また、1台の導波路型アレー合分波器を用いることで、分波器および合波器の構成をシンプルにでき、全光的構成の光分散補償回路を提供できる効果がある。
【0038】また、光受信器の入力信号を各波長ごとに総分散量を補償をすることができるため、受信品質のよい信号で受信することができる。
【0039】さらに、分散補償用ファイバが与える分散量は、波長ごとにその長さのみで調整できるため、伝送路を伝送される全波長の総分散量を小さなものに抑圧できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図2】第一実施例の伝送路の総分散量と信号配置との関係を説明する図。
【図3】第一実施例の分散補償用光ファイバの長さを説明する図。
【図4】第一実施例の分散補償回路により得られる群速度分散特性を示す図。
【図5】本発明第二実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図6】本発明第二実施例の導波路型アレー合分波器の合分波特性を示す図。
【図7】本発明第三実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図8】本発明第三実施例の導波路型アレー合分波器の合分波特性を示す図。
【図9】本発明第四実施例の光分散補償回路の構成を示すブロック図。
【図10】従来の光波長多重通信システムの構成を示す図。
【図11】1545nmを零分散波長とする1.55μm零分散ファイバの群速度分散特性と光波長信号の配置との関係を説明する図。
【図12】従来の光ファイバを用いた場合の距離に対する総分散量を示す図。
【符号の説明】
1(1)〜1(M) 光送信器
2、5、10 合波器
3(1)〜3N(n)、31(1)〜3N(n) 光増幅器
4(1)〜4(K) 光ファイバ
6(1)〜6(M)、12(1)〜12(n) 光受信器
7、11 伝送用の光ファイバ
8 分波器
8(1)〜8(n) 合波器の出力端子
9(1)〜9(n) 分散補償用の光ファイバ
13、14 導波路型アレー合分波器、
13(1)i〜13(n+1)i、14i〜14(n+1)i 入力端子
13(1)o〜13(n+1)o、14o〜14(n+1)o 出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバと、この光ファイバを通過した光信号を合波する合波手段とを備えたことを特徴とする光分散補償回路。
【請求項2】 前記分波手段および合波手段は、合分波を行う一つの導波路型アレー合分波器で構成された請求項1記載の光分散補償回路。
【請求項3】 導波路型アレー合分波器は、一つの入力端子に光波長多重信号が入力され、一つの出力端子に合波された光波長多重信号が出力され、他のn個の出力端子(nは自然数)とn個の入力端子とが分散を与えるn本の分散を与える光ファイバにより接続された(n+1)×(n+1)合分波器である請求項2記載の光分散補償回路。
【請求項4】 導波路型アレー合分波器は、2n(nは自然数)個の入力端子および出力端子を備え、2n個の出力端子がn本の分散を与える光ファイバにより接続され、一つの入力端子に分散補償する光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続され、一つの入力端子に分散補償された光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続された2n×2n合分波器である請求項2記載の光分散補償回路。
【請求項5】 複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとを備え、この各光ファイバの出力が各波長の光信号を受信する光受信器に導かれたことを特徴とする光分散補償回路。
【請求項6】 光波長多重信号を伝送する伝送路は1.55μmを零分散波長とする光ファイバであり、零分散波長より低い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは、1.3μmを零分散とする光ファイバであり、零分散波長より高い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは負の分散値を有する分散補償ファイバである請求項1または5のいずれか記載の光分散補償回路。
【請求項1】 複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバと、この光ファイバを通過した光信号を合波する合波手段とを備えたことを特徴とする光分散補償回路。
【請求項2】 前記分波手段および合波手段は、合分波を行う一つの導波路型アレー合分波器で構成された請求項1記載の光分散補償回路。
【請求項3】 導波路型アレー合分波器は、一つの入力端子に光波長多重信号が入力され、一つの出力端子に合波された光波長多重信号が出力され、他のn個の出力端子(nは自然数)とn個の入力端子とが分散を与えるn本の分散を与える光ファイバにより接続された(n+1)×(n+1)合分波器である請求項2記載の光分散補償回路。
【請求項4】 導波路型アレー合分波器は、2n(nは自然数)個の入力端子および出力端子を備え、2n個の出力端子がn本の分散を与える光ファイバにより接続され、一つの入力端子に分散補償する光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続され、一つの入力端子に分散補償された光波長多重信号を伝送する光ファイバが接続された2n×2n合分波器である請求項2記載の光分散補償回路。
【請求項5】 複数の波長の光信号が多重化された光波長多重信号の群速度分散を補償する光分散補償回路において、入力された光波長信号を各波長に分波する分波手段と、この分波手段により分波された各波長の光信号を入力し、所望の総分散量になるようにそれぞれ分散を与える複数の光ファイバとを備え、この各光ファイバの出力が各波長の光信号を受信する光受信器に導かれたことを特徴とする光分散補償回路。
【請求項6】 光波長多重信号を伝送する伝送路は1.55μmを零分散波長とする光ファイバであり、零分散波長より低い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは、1.3μmを零分散とする光ファイバであり、零分散波長より高い周波数の光信号に分散を与える光ファイバは負の分散値を有する分散補償ファイバである請求項1または5のいずれか記載の光分散補償回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図7】
【図8】
【図12】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開平8−234255
【公開日】平成8年(1996)9月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−38806
【出願日】平成7年(1995)2月27日
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【公開日】平成8年(1996)9月13日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)2月27日
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
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