光回線装置、帯域制御方法、及び、光ネットワークシステム
【課題】ONUが状態を移行する際にONUから発生する意図しない誤発光による、他のONUからの上りフレームのパケットロスを防ぐ。
【解決手段】複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、光回線装置は、各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、第1の時刻を含む状態制御信号を、第1の光ネットワーク装置に送信し、第1の時刻から、第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、光回線装置に信号を送信するための帯域を、第1の光ネットワーク装置以外の第2の光ネットワーク装置に割り当てない。
【解決手段】複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、光回線装置は、各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、第1の時刻を含む状態制御信号を、第1の光ネットワーク装置に送信し、第1の時刻から、第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、光回線装置に信号を送信するための帯域を、第1の光ネットワーク装置以外の第2の光ネットワーク装置に割り当てない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光回線装置に関し、特に、光ネットワーク装置に帯域を割り当てる光回線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信網の高速化及び広帯域化に対応するため、光ネットワークの導入が図られている。導入される光ネットワークには、受動網光システム(Passive Optical Network:以下、PONと記載する)が提案されている。
【0003】
PONは、一つの局側光伝送路終端装置(Optical Line Terminal:光回線装置、以下、OLTと記載する)、光ファイバと、光ファイバを分岐する光スプリッタと、複数の宅内光伝送路終端装置(Optical Network Unit:光ネットワーク装置、以下、ONUと記載する)とが、スター型のポイントツーマルチポイントのネットワークによって接続されるシステムである。PONの代表的な規格には、IEEE802.3によって標準化されたEPON(Ethernet(登録商標) PON)、ITU−T G.984によって標準化されたGPON(Gigabit Capable PON)等が含まれる。
【0004】
PONにおいて、ONUからOLTに向かって送信される上りフレームと、OLTからONUに向かって送信される下りフレームとは、波長分割多重(Wave Division Multiplexing:以下、WDMと記載する)によって多重される。
【0005】
OLTは、光ファイバを介して接続された全てのONUに、下りフレームによって、同じデータを送信する。下りフレームを受信したONUは、下りフレームに含まれる宛先情報を参照し、自分宛の下りフレーム以外を破棄する。そして、自分宛の下りフレームに含まれる自分宛のデータのみを、ユーザ側へ転送する。
【0006】
また、ONUが、OLTからの送信許可に従って、OLTによって指定された時間に、上りフレームをOLTに送信するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上りフレームは、時分割多重(Time Division Multiple Access:以下、TDMAと記載する)によって多重されたデータを含む。
【0007】
また、PONには、約64kbit/秒によって低速に通信するPON、固定長のATMセルを最大約600Mbit/によって送受信するBPON(Broadband PON)、Ethernetの可変長パケットを最大約1Gbit/秒によって送受信するEPON、約2.4Gbit/秒によってより高速に通信するGPON等が含まれる。これらのPONのうち高速な通信を可能にするPONの導入が進められており、今後、10Gbit/秒から40Gbit/秒によって通信できる高速PONの実現が求められている。
【0008】
このようなPONの通信速度の向上に伴い、伝送路上の中継装置の消費電力も増大している。一方で、PONにおけるONUは、加入者宅に設置されることからネットワーク上に多数配置される。このため、ONUによる消費電力が増大している。
【0009】
また、ONUは、OLT及び上位スイッチ群と比較して、利用できる帯域を必要とする時間が短い。従って、ONUは、非通信時においても無駄な電力を使用しながら放置されている場合がある。
【0010】
この現状からONUの省電力化の要請が高まっており、OLTからの制御によって、ONUを省電力(スリープ)状態へ移行させ、また、スリープ状態から、上りフレーム及び下りフレームの送受信が可能な運用状態にONUを移行させる省電力機能が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−019815号公報
【特許文献2】特開2010−114830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の省電力機能が実装されたPONにおいて、ONUがスリープ状態から運用状態に移行する際、ONUは、ONUが有する光信号送信回路に、電力の供給を開始する。また、ONUが運用状態からスリープ状態へ移行する際、ONUは、ONUが有する光信号送信回路への電力の供給を、停止する。このような、光信号送信回路への電力の給電及び給電の停止時には、光信号送信回路から意図しない光信号(以下、誤発光と称する。)が発生する場合がある。
【0013】
具体的には、省電力機能が実装されたONUにおいて、ONUが運用状態へ移行する際、又は、スリープ状態へ移行する際、ONUが有する光信号送信部への電力供給又は電力供給が停止する過渡期間、急峻な電圧変動によって光信号送信部の制御状態が不安定となる。このため、ONUが有する光信号送信部から、誤発光が発生する場合がある。
【0014】
光信号送信部から誤発光が発生した結果、他ONUから送信された上りフレームが、誤発光によって干渉され、OLTにおいて、上りフレームのパケットロスが発生する危険性がある。従って、省電力機能の導入に伴い、上りフレームのパケットロスが発生する危険性が高まる。また、スリープ状態からの起動時間短縮の要請によって、さらに、上りフレームのパケットロスが発生する危険性が高まる。
【0015】
しかしながら、省電力制御時に他ONUから送信される上りフレームに、誤発光が干渉する危険性は、現在指摘されておらず、そのリスクを回避する手段も開示されていない。
【0016】
本発明は、この問題を考慮し、OLTからのスリープ制御によって、ONUが状態を移行する際、ONUから誤発光が発生しても上りフレームの送信に影響を与えないPONシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の代表的な一形態によると、複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、前記光回線装置は、前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てない。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によると、ONUからの上りフレームのパケットロスを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態の光アクセス網の物理的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のOLTの物理的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のスリープ状態管理テーブルを示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のスリープ復帰/移行時刻管理テーブルを示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のONUの物理的な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のONUが運用状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態のDBA制御部による帯域割り当て処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第1の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態のディスカバリウィンドウにおけるDBA制御部の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第3の実施形態のOLTの物理的な構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図19】本発明の第3の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態のPONにおいて、ONUがスリープ状態から運用状態へ移行する際、又は、ONUがスリープ状態へ移行する際に発生する誤発光によるパケットロスを防ぐため、OLTが、状態を移行するONU以外のONUから送信される上りフレームの送信を制御する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の光アクセス網1の物理的な構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態の光アクセス網1は、インターネット等のネットワークと、本実施形態のシステムを利用するユーザの端末(以下、加入者端末と記載する)とを接続するためのシステムである。本実施形態の光アクセス網1は、PON10、PSTN/インターネット20(以下、上位網20と記載する)、複数の電話(TEL)180(180−1〜180−n)、及び、複数のPC190(190−1〜190−n)を含む。
【0023】
上位網20は、PON10と接続される公衆通信網である。PON10は、上位網20と電話180又はPC190とを接続する。電話180及びPC190は、加入者端末である。
【0024】
PON10は、OLT100、複数のONU110(ONU110−1〜ONU110−n)、光スプリッタ120、幹線光ファイバ130、及び、複数の支線光ファイバ140(支線光ファイバ140−1〜支線光ファイバ140−n)を有する。OLT100は、上位網20と接続される。ONU110は、加入者端末と接続される。
【0025】
OLT100は、1本の幹線光ファイバ130、一つの光スプリッタ120、及び、複数の支線光ファイバ140を介して、複数台(n台、例えば32台等)のONU110と接続される。そして、OLT100及び各ONU110は、上位網20と加入者端末との通信、又は、加入者端末同士の通信を中継する。
【0026】
OLT100は、すべてのONU110に、同じ下りフレーム150を送信する。下りフレーム150には、各ONU110が上りフレーム170を送信するための帯域が含まれる。上りフレーム170を送信するための帯域は、OLT100が、各ONU110からのトラフィック量等に従って、割り当てる。
【0027】
そして、各ONU110は、下りフレーム170に含まれる帯域に従って、上りフレーム170(170−1〜170−n)をOLT100に送信する。上りフレーム170−1〜170−nは、光スプリッタ120によって多重化され、この結果、上りフレーム160が生成される。そして、上りフレーム160は、OLT100に送信される。
【0028】
図1に示すONU110は、5台(n=5)であり、各ONU110は、OLT100との距離であるファイバ長が異なる。図1に示すONU110−1は、OLT100からのファイバ長が1kmであり、ONU110−2は、OLT100からのファイバ長が10kmである。また、ONU110−3は、OLT100からのファイバ長が20kmであり、ONU110−4は、OLT100からのファイバ長が10kmであり、ONU110−nは、OLT100からのファイバ長が15kmである。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態のOLT100の物理的な構成を示すブロック図である。
【0030】
OLT100は、少なくとも一つのプロセッサ、及び、少なくとも一つのメモリを有する。また、OLT100は、不揮発メモリ等を有してもよい。
【0031】
OLT100は、複数の処理部を有する。OLT100が有する複数の処理部は、電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)制御部280、及び、受信パワー検出部290である。
【0032】
OLT100が有する各処理部は、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサ及びメモリによって、各処理部の機能が実装される。なお、本実施形態のOLT100は、各処理部に対応するプログラムを、プロセッサがメモリにおいて実行することによって、OLT100が有する機能を実装してもよい。
【0033】
また、図2に示すOLT100の各処理部は例であり、各処理部は、各処理部の機能を実装するために、複数の処理部をさらに有してもよい。また、各処理部の機能が実装されれば、複数の処理部を一つの処理部に含めてもよい。
【0034】
電気側送受信部200は、上位網20に含まれる中継装置と電気信号を送受信するための機能を有する。電気/光変換部220は、幹線光ファイバ130と接続され、ONU110と光信号を送受信するための機能を有する。
【0035】
媒体アクセス制御部210は、ONU110の運用状態及びスリープ状態におけるOLT100とONU110との、通信を制御するための機能を有する。また、媒体アクセス制御部210は、上位網20から送信された下りフレームをONU110へ送信するためのスイッチング機能を有する。運用状態とは、ONU110がOLT100と通信をしている状態である。
【0036】
DBA制御部280は、各ONU110から送信された信号(上りフレームを含む)のトラフィックに従って、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てる機能を有する。また、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウにおいてONU110をディスカバリするための信号を生成し、生成された信号の送信をスケジュールするための機能を有する。
【0037】
受信パワー検出部290は、各ONU110の上りフレームが受信された際の光強度(光パワー)を検出する機能を有する。受信パワー検出部290は、各ONU110の光強度を、DBA制御部280又は媒体アクセス制御部210に送信する。
【0038】
制御部230は、制御部230が有する処理部を制御するための機能を有する。制御部230は、スリープ制御信号処理部240、スリープ状態管理テーブル250、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260、及び、タイムカウンタ270を有する。制御部230が有する各機能は、制御部230を介して、媒体アクセス制御部210及びDBA制御部280と接続される。
【0039】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110を、運用状態からスリープ状態へ移行するためのスリープ設定信号、及び、スリープ状態から運用状態に移行させるためのスリープ解除信号を生成するための機能を有する。以下において、スリープ設定信号とスリープ解除信号とを、スリープ制御信号と総称する。
【0040】
スリープ状態管理テーブル250は、ONU110のスリープ状態を管理するためのテーブルである。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、各ONU110が運用状態へ移行(復帰)する処理を開始する時刻、又は、各ONU110がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を保持するためのテーブルである。タイムカウンタ270は、現在時刻を管理するための機能を有する。スリープ状態管理テーブル250及びスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、メモリ又は不揮発性メモリに格納され、csv形式等のいかなる形式によって格納されてもよい。
【0041】
ONU110から送信された上りフレームを電気/光変換部220が受信した場合、媒体アクセス制御部210は、受信された上りフレームのMACアドレスと、プリアンプル部に付与された送信元のONU110の情報とを、経路情報として保持する。そして、媒体アクセス制御部210は、ONU110から送信された上りフレームを、電気側送受信部200を介して上位網20へ送信する。
【0042】
上位網20から送信された下りフレームを電気側送受信部200が受信した場合、媒体アクセス制御部210は、受信された下りフレームのMACアドレスを参照し、予め保持された経路情報に基づいて、宛先のONU110の識別情報を、下りフレームのプリアンブル部に付与する。そして、媒体アクセス制御部210は、上位網20から送信された下りフレームを、電気/光変換部220を介してONU110へ送信する。
【0043】
図3は、本発明の第1の実施形態のスリープ状態管理テーブル250を示す説明図である。
【0044】
スリープ状態管理テーブル250は、各ONU110が運用状態であるかスリープ状態であるかを示し、各ONU110が状態を移行する処理を終了しているか否かを示す。スリープ状態管理テーブル250は、媒体アクセス制御部210又はスリープ制御信号処理部240によって更新される。スリープ状態管理テーブル250は、ONU250−1、状態250−2、及び、スリープ状態移行フラグ250−3を含む。
【0045】
ONU250−1は、ONU110を一意に示す識別子を示す。状態250−2は、ONU110が運用状態である場合、「active」を示し、ONU110がスリープ状態である場合、「sleep」を示す。
【0046】
スリープ状態移行フラグ250−3は、ONU110が、運用状態からスリープ状態へ、又は、スリープ状態から運用状態へ、状態を移行する処理が終了しているか否かを示す。スリープ状態移行フラグ250−3は、状態を移行する処理が終了している場合、「off」を示し、状態を移行する処理が終了していない場合、「on」を示す。
【0047】
図3に示すスリープ状態管理テーブル250は、識別子が「ONU#2」であるONU110、すなわち、ONU110−2が、スリープ状態から運用状態へ状態を移行しており、かつ、状態を移行する処理が終了していないことを示す。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態のスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260を示す説明図である。
【0049】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU110がスリープ状態へ移行する時刻を示す。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、媒体アクセス制御部210によって更新される。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU260−1、及び、スリープ状態移行開始時刻260−2を含む。
【0050】
ONU260−1は、ONU110を一意に示す識別子を示し、ONU250−1と対応する。スリープ状態移行開始時刻260−2は、スリープ状態への移行を開始する時刻を示す。図4に示すスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU110−2が、「xx時yy分zz秒」に、状態を移行する処理を開始することを示す。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施形態のONU110の物理的な構成を示すブロック図である。
【0052】
図5は、ONU110−1を示すが、すべてのONU110が図5に示すONU110−1と同じ機能を有する。このため、以下において図5に示されるONU110−1を、ONU110と記載する。
【0053】
ONU110は、少なくとも一つのプロセッサ及び少なくとも一つのメモリを有する。また、ONU110は、不揮発メモリ等を有してもよい。
【0054】
ONU110は、複数の処理部を有する。ONU110が有する複数の処理部は、電気/光変換部300、媒体アクセス制御部310、キューバッファ部320、キューバッファ管理部330、電気側送受信部340、及び、制御部350である。電気/光変換部300は、OLT100と光信号を送受信するための機能を有する。媒体アクセス制御部310は、ONU110の運用状態及びスリープ状態におけるONU110とOLT100との通信を、制御するための機能を有する。
【0055】
ONU110が有する各処理部は、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサ及びメモリによって、各処理部の機能が実装される。なお、本実施形態のONU110は、各処理部に対応するプログラムを、プロセッサがメモリにおいて実行することによって、ONU110が有する機能を実装してもよい。
【0056】
また、図5に示すONU110の各処理部は例であり、各処理部は、各処理部の機能を実装するために、複数の処理部をさらに有してもよい。また、各処理部の機能が実装されれば、複数の処理部を一つの処理部に含めてもよい。
【0057】
キューバッファ部320は、データ通信に含まれるフレームを格納する。キューバッファ管理部330は、キューバッファ部320を管理するための機能を有する。電気側送受信部340は、電話180又はPC190と電気信号を送受信するための機能を有する。
【0058】
制御部350は、制御部350が有する処理部を制御するための機能を有する。制御部350は、スリープ制御信号処理部360、スリープ状態制御部370、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380、及び、タイムカウンタ390を有する。
【0059】
スリープ制御信号処理部360は、OLT100から送信されたスリープ制御信号を解析する。スリープ状態制御部370は、スリープ制御信号処理部360の解析結果に従って、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する。
【0060】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380は、スリープ制御信号処理部360の解析結果に含まれる、運用状態へ移行(復帰)する処理を開始する時刻、又は、スリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を保持するためのテーブルである。OLT100から送信されるスリープ制御信号は、スリープ制御信号処理部240によって生成された信号であり、ONU110が運用状態へ移行する処理を開始する時刻、又は、ONU110がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を含む。
【0061】
タイムカウンタ390は、ONU110における現在時刻を管理するための機能を有する。本実施形態のタイムカウンタ390は、OLT100のタイムカウンタ270と予め同期される。
【0062】
タイムカウンタ270とタイムカウンタ390とを同期させる方法は、いかなる方法でもよい。本実施形態のPONにおいて、下りフレームを送信する時刻を含む下りフレームを、OLT100がONU110に送信し、ONU110が、下りフレームを受信した際に、下りフレームに含まれる時刻を現在時刻としてタイムカウンタ270を更新する。これによって、本実施形態のタイムカウンタ270とタイムカウンタ390とは、同期される。
【0063】
本発明においてONU110のスリープ状態とは、媒体アクセス制御部310が、電気/光変換部300への電力供給を停止させ、電気/光変換部300とOLT100の電気/光変換部220との通信のうち、加入者端末からのデータを含む上りフレーム、又は、上位網20からのデータを含む下りフレームの送受信を停止させることである。そして、媒体アクセス制御部310が、電気側送受信部340によって受信された上りフレームを、キューバッファ部320に蓄積する機能を継続させ、下りフレームを電話180又はPC190へ送信する機能、及び、上りフレームをOLT100に送信する処理を停止させることである。
【0064】
電気/光変換部300は、OLT100から送信される下りフレームに、自らが属するONU110宛てのスリープ制御信号が含まれると判定した場合、受信したスリープ制御信号を媒体アクセス制御部310に送信する。媒体アクセス制御部310は、スリープ制御信号を、スリープ制御信号処理部360に送信する。
【0065】
なお、電気/光変換部300は、ONU110がスリープ状態においても、受信した下りフレームにスリープ制御信号が含まれるか否かを判定する処理部に接続され、受信した下りフレームにスリープ制御信号が含まれる場合、受信した下りフレームを媒体アクセス制御部310に送信する。スリープ制御信号が含まれるか否かを判定する処理部は、スリープ状態においても電力を供給され、稼働する。
【0066】
スリープ制御信号処理部360は、スリープ制御信号を解析し、スリープ制御信号に含まれる、ONU110が運用状態へ移行する処理を開始する時刻、又は、スリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に格納する。
【0067】
そして、スリープ状態制御部370は、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に保持される時刻と、タイムカウンタ390が示す現在時刻とが一致するか否かを判定する。タイムカウンタ390が示す現在時刻が、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に保持される時刻を経過した場合、スリープ状態制御部370は、媒体アクセス制御部310に状態を移行することを指示する。
【0068】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380は、状態を移行する処理と、処理を開始する時刻とを含んでもよく、スリープ状態制御部370は、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380の内容に従って、媒体アクセス制御部310にスリープ状態への移行又は運用状態への移行を指示してもよい。
【0069】
媒体アクセス制御部310は、スリープ状態制御部370から状態を移行する指示を受信した場合、電力を供給している処理部の状態から、運用状態であるか、スリープ状態であるかを判定する。ONU110が運用状態である場合、媒体アクセス制御部310は、スリープ状態へ移行することを決定し、そして、各処理部の電力の供給を停止する。ONU110がスリープ状態である場合、媒体アクセス制御部310は、運用状態へ移行することを決定し、そして、各処理部に電力を供給する。
【0070】
図6は、本発明の第1の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【0071】
図6に示す処理は、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する際に、OLT100が、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号を送信する処理を示す。そして、ONU110−2からの誤発光によって、ONU110−1及びONU110−3から送信される上りフレームのパケットロスが発生する場合の処理を示す。
【0072】
図6のシーケンス図の開始時において、ONU110−2は、スリープ状態である。
【0073】
OLT100のDBA制御部280は、上りフレームの送信を各ONU110に許可するグラント信号700に、上りフレームを送信するためにONU110−1及びONU110−3が用いる帯域を示すリクエストリポートを含める。
【0074】
ここで、OLT100が、ONU110−2をスリープ状態から運用状態へ移行すると決定した場合、OLT100は、グラント信号700に、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する指示を示すスリープ制御信号(スリープ解除通知)を含める。そして、グラント信号700を、電気/光変換部220を介して各ONU110に送信する。
【0075】
グラント信号700に含まれるスリープ解除通知を受信した場合、ONU110−2は、スリープ解除通知に従って、スリープ状態から運用状態への移行を開始する。ONU110が移行をする期間720(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。
【0076】
一方で、グラント信号700に従って、ONU110−1は上りフレーム710を送信し、ONU110−3は上りフレーム711を送信する。このため、期間720においてONU110−2から意図しない誤発光が発生した場合、上りフレーム710又は上りフレーム711と誤発光とが干渉し、パケットロスが発生する可能性がある。
【0077】
図7は、本発明の第1の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【0078】
図7に示す処理は、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する際に、OLT100が、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号を送信する処理を示す。そして、ONU110−2からの誤発光によって、ONU110−1及びONU110−3から送信される上りフレームのパケットロスが発生する場合の処理を示す。
【0079】
図7のシーケンス図の開始時において、ONU110−2は、運用状態である。
【0080】
OLT100のDBA制御部280は、上りフレームの送信を各ONU110に許可するグラント信号800に、上りフレームを送信するためにONU110−1及びONU110−3が用いる帯域を示すリクエストリポートを含める。
【0081】
ここで、OLT100が、ONU110−2を運用状態からスリープ状態へ移行すると決定した場合、OLT100は、グラント信号800に、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ制御信号(スリープ設定通知)を含める。そして、グラント信号800を、電気/光変換部220を介して各ONU110に送信する。
【0082】
グラント信号800に含まれるスリープ設定通知を受信した場合、ONU110−2は、スリープ設定通知に従って、運用状態からスリープ状態への移行を開始する。ONU110が移行する期間820(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。
【0083】
一方で、グラント信号800に従って、ONU110−1は上りフレーム810を送信し、ONU110−3は上りフレーム811を送信する。このため、期間820においてONU110−2から意図しない誤発光が発生した場合、上りフレーム810又は上りフレーム811と誤発光とが干渉し、パケットロスが発生する可能性がある。
【0084】
なお、以下において、スリープ状態又は運用状態を移行するONU110を、ONU110−2とする。
【0085】
図8は、本発明の第1の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0086】
図8に示す処理は、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する際、又は、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する際、OLT100が、ONU110−2以外のONU110へ上りフレームを送信するための帯域を割り当てない処理を示す。これによって、OLT100は、上りフレームのパケットロスを未然に防ぐ。
【0087】
媒体アクセス制御部210は、予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。そして、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。
【0088】
また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。そして、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。
【0089】
前述の通り、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行を決定した場合、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行をスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0090】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0091】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0092】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。
【0093】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、スリープ制御信号の内容に従って、グラント信号を生成する。具体的には、スリープ制御信号が示すONU110(ONU110−2)を取得する。そして、取得されたONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないことを示すグラント信号を生成する。
【0094】
生成されたグラント信号には、スリープ制御信号が含まれる。その後、DBA制御部280は、電気/光変換部220を介して各ONU110に、生成されたグラント信号を送信する(ステップ900)。
【0095】
グラント信号に含まれるスリープ制御信号を受信した後(ステップ910)、ONU110−2の媒体アクセス制御部310は、前述の通り、スリープ制御信号に含まれる時刻に、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する(ステップ920)。
【0096】
ステップ900の後、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を終了するまで、又は、運用状態へ移行する処理を終了するまで、OLT100は、DBA制御部280によって、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないことを示すグラント信号を、各ONU110に送信する。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、グラント信号によって上りフレームを送信するための帯域が割り当てられないため、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームをOLT100に送信できない。
【0097】
なお、前述の説明におけるDBA制御部280は、スリープ制御信号の送信以降、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てないが、本実施形態のDBA制御部280は、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻において、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てなければよい。このため、本実施形態のOLT100は、状態を移行する処理を開始する時刻から所定の時間を減算し、減算結果が示す時刻から、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てなくてもよい。
【0098】
具体的には、スリープ制御信号処理部240は、ステップ900において、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更しなくてもよい。そして、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260のスリープ状態移行開始時刻260−2から、予め管理者等によって定められた時間を減算し、減算結果が示す時刻にタイムカウンタ270が示す時刻が一致した場合、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更してもよい。これによって、DBA制御部280は、後述する図9の処理によって、ONU110−2以外のONU110への帯域割り当てを、制御できる。
【0099】
ONU110−2が、運用状態へ移行する処理を終了した後(ステップ930)、ONU110−2は、運用状態へ移行する処理が終了したことを示す起動完了通知を、OLT100に送信する(ステップ940)。
【0100】
ONU110−2から送信された起動完了通知を受信した後(ステップ941)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応する状態250−2の値を「active」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、OLT100は、起動完了通知を受信した後、DBA制御部280は、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる(ステップ960)。
【0101】
ONU110−2が、スリープ状態へ移行する処理を終了した後(ステップ930)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する(ステップ950)。
【0102】
OLT100が、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する方法は、以下のとおりである。
【0103】
ONU110は、運用状態において、ONU100がグラント信号を受信したことを報告するための信号を、OLT100に送信する。このため、OLT100の媒体アクセス制御部210は、グラント信号を受信したことを報告する信号をOLT100−2から受信した場合、ONU110−2と通信可能であると判定する。そして、グラント信号を受信したことを報告する信号を、所定の期間(管理者等によって予め定められた期間)においてOLT100−2から受信しない場合、ONU110−2との通信が切断されたと判定する。
【0104】
ステップ950において、OLT100の媒体アクセス制御部210は、グラント信号を受信したことを報告する信号をONU110−2から受信していないと判定することによって、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する。
【0105】
ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250の、ONU110−2に対応する状態250−2の値を「sleep」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。
【0106】
すなわち、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる(ステップ960)。
【0107】
図9は、本発明の第1の実施形態のDBA制御部280による帯域割り当て処理を示すフローチャートである。
【0108】
DBA制御部280は、管理者等によって予め定められた所定の周期において、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当て、割り当てられた帯域を示す信号を各ONU110に送信する。
【0109】
DBA制御部280は、各ONU110に帯域を割り当てる場合、図9に示す処理を開始する。そして、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3を参照する(ステップ2000)。そして、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれるか否かを判定する(ステップ2010)。
【0110】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれる場合、少なくとも一つのONU110が状態を移行しているため、DBA制御部280は、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110(ONU110−2)以外のONU110に、帯域を割り当てないグラント信号を生成し、生成されたグラント信号を、所定の周期において各ONU110に送信する(ステップ2020)。
【0111】
なお、図3において、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110はONU110−2のみであるが、複数のONU110に対応するスリープ状態移行フラグ250−3に、「on」が格納されてもよい。
【0112】
複数のONU110に対応するスリープ状態移行フラグ250−3に「on」が格納されている場合も、DBA制御部280は、ステップ2020において、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110以外のONU110に、帯域を割り当てないグラント信号を生成する。
【0113】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、状態を移行しているONU110はないため、DBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、DBA制御部280は、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、上りフレームを送信する必要があるすべてのONU110に帯域を割り当てるグラント信号を生成し、生成されたグラント信号を所定の周期において各ONU110に送信する(ステップ2030)。
【0114】
図8及び図9によって、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100がONU110−2以外のONU100に上りフレームを送信するための帯域を割り当てないため、ONU110−2以外のONU110から上りフレームが送信されない。このため、ONU110−2が状態を移行している間に発生する誤発光による、パケットロスを防ぐことができる。
【0115】
図10は、本発明の第1の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0116】
図10は、図8及び図9が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図10は、ONU110−2が運用状態へ移行している際に、ONU110−2以外のONU110−1及びONU110−3への帯域の割り当てを制御する処理を示す。
【0117】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ解除通知を含むグラント信号1000を、各ONU110に送信する。グラント信号1000は、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていないことを示す。
【0118】
グラント信号1000を受信した場合、ONU110−2は、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1020(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームを送信するための帯域を割り当てられない。
【0119】
また、OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1010を受信するまで、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないためのグラント信号1030を、各ONU110に送信する。
【0120】
このため、期間1020において、ONU110−2の状態は不安定であるが、前述の処理によって、OLT100は、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)から送信される上りフレームに、ONU110−2から発生する意図しない誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0121】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態に移行した後、ONU110−2はOLT100に起動完了通知1010を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1010を受信し、ONU110−2の運用状態への移行を確認する。その後、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知1010を受信後、OLT100は、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号1040を送信する。
【0122】
図11は、本発明の第1の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0123】
図11は、図8及び図9が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図11は、ONU110−2がスリープ状態へ移行している際に、ONU110−2以外のONU110−1及びONU110−3への帯域の割り当てを制御する処理を示す。
【0124】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ設定通知を含むグラント信号1100を、各ONU110に送信する。グラント信号1100は、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていないことを示す。
【0125】
グラント信号1100を受信した場合、ONU110−2は、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1110(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていない。
【0126】
また、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定されるまで、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないためのグラント信号1120を、各ONU110に送信する。
【0127】
このため、期間1110において、ONU110−2の状態は不安定であるが、前述の処理によって、OLT100は、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)から送信される上りフレームに、ONU110−2から発生する誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0128】
OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した場合、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定する。そして、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定した後、OLT100は、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号1130を、各ONU110に送信する。
【0129】
第1の実施形態によれば、OLT100の制御によって、ONU110が運用状態からスリープ状態へ移行、または、スリープ状態から運用状態へ移行する際に、状態を移行しているONU110から意図しない誤発光が発生した場合も、他のONU110からの上りフレームのパケットロスを防止することが可能となる。
【0130】
(第2の実施形態)
第2の実施形態において、OLT100は、ONU110がスリープ状態へ移行する期間、又は、運用状態へ移行する期間を、ディスカバリが行われる時間内に含まれるように制御する。これによって、ONU110がスリープ状態へ移行する際、又は、運用状態へ移行する際に、意図しない誤発光が発生し、他のONU110からの上りフレームをパケットロスすることを防止することができる。
【0131】
なお、PONにおけるOLT100は、新しく接続されたONU110にディスカバリを行うことによって、新しく接続されたONU110を認識する。ディスカバリは、周期的に所定の時間行われ、ディスカバリが開始される周期、及び、ディスカバリが行われる時間は、管理者等によって予め定められる。
【0132】
ディスカバリが行われる時間を、以下において、ディスカバリウィンドウと記載する。ディスカバリウィンドウにおいて、OLT100は、新しく接続されたONU110と信号を送受信するため、既存のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てない。
【0133】
図12は、本発明の第2の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0134】
図12に示す処理は、ONU110−2の状態を移行するための、OLT100とONU110−2との処理を示す。
【0135】
媒体アクセス制御部210は、管理者等によって予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。そして、ディスカバリウィンドウが開始される時刻及び終了する時刻を、DBA制御部280から取得する。
【0136】
なお、第2の実施形態におけるDBA制御部280は、管理者等によって予め定められたディスカバリが開始される周期、及び、ディスカバリが行われる時間を保持する。そして、ディスカバリが開始される周期及びディスカバリが行われる時間に基づいて、ディスカバリが開始される時刻及び終了する時刻を算出してもよい。
【0137】
そして、媒体アクセス制御部210は、取得されたディスカバリウィンドウが開始される時刻から終了する時刻までに含まれるように、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を、決定する。そして、媒体アクセス制御部210は、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納し、ONU110−2がスリープ状態へ移行することをスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0138】
また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。そして、ディスカバリウィンドウが開始される時刻をDBA制御部280から取得する。
【0139】
そして、媒体アクセス制御部210は、取得されたディスカバリウィンドウが行われる時刻に含まれるように、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を開始する時刻を決定する。そして、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。そして、媒体アクセス制御部210は、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納し、ONU110−2が運用状態へ移行することをスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0140】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0141】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0142】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。
【0143】
さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。。
【0144】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、受信したスリープ制御信号を、ONU110−2宛てのスリープ制御信号として送信する(ステップ1200)。
【0145】
DBA制御部280は、ステップ1200において、ディスカバリウィンドウが開始される前にスリープ制御信号をONU110−2へ送信してもよい。また、DBA制御部280は、スリープ制御信号に含まれる、状態を移行する処理を開始する時刻から、管理者等によって予め定められた時間を減算し、減算された結果が示す時刻にスリープ制御信号を送信してもよい。
【0146】
すなわち、状態を移行する処理を開始する時刻までに、スリープ制御信号がONU110−2に受信されれば、DBA制御部280は、いずれの時刻にスリープ制御信号を送信してもよい。
【0147】
スリープ制御信号を受信した後(ステップ1210)、ONU110−2の媒体アクセス制御部310は、前述の通り、スリープ制御信号に含まれる時刻に、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する(ステップ1220)。スリープ制御信号に含まれる時刻において、OLT100がディスカバリウィンドウを行っているため、OLT100は、ONU110−2から誤発光が発生しても、上りフレームへの干渉を最大限に低減できる。
【0148】
ステップ1220の後、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を終了するまで、OLT100は、ディスカバリウィンドウを継続して実行する。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100によって上りフレームを送信するための帯域が割り当てられないため、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームをOLT100に送信できない。
【0149】
ONU110−2が、運用状態へ移行する処理を終了した後(ステップ1230)、ONU110−2は、運用状態へ移行する処理が終了したことを示す起動完了通知を、OLT100に送信する(ステップ1240)。
【0150】
ONU110−2から送信された起動完了通知を受信した後(ステップ1241)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応する状態250−2の値を「active」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知を受信した後、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ1260)。
【0151】
ONU110−2が、スリープ状態へ移行する処理を終了した後(ステップ1230)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する(ステップ1250)。ONU110−2との通信が切断されることを検知する方法は、ステップ950と同じである。
【0152】
ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250の、ONU110−2に対応する状態250−2の値を「sleep」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ1260)。
【0153】
図13は、本発明の第2の実施形態のディスカバリウィンドウにおけるDBA制御部280の処理を示すフローチャートである。
【0154】
図13に示す処理は、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100のDBA制御部280が、ディスカバリウィンドウを制御する処理である。
【0155】
ディスカバリウィンドウが開始された後、OLT100のDBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを終了させるか、継続させるかを判定する処理を開始する(ステップ2100)。DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウが終了する時刻をあらかじめ保持しており、ディスカバリウィンドウが終了する時刻より、予め管理者等によって指定された所定の時間前に、ステップ2100を実行してもよい。
【0156】
ステップ2100の後、DBA制御部280は、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3を参照する(ステップ2110)。そして、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれるか否かを判定する(ステップ2120)。
【0157】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれる場合、少なくとも一つのONU110が状態を移行しているため、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを継続することを決定する(ステップ2130)。そして、予め管理者等によって定められた時間、ディスカバリウィンドウを継続する。具体的には、DBA制御部280は、保持されるディスカバリウィンドウが終了する時刻に、予め管理者等によって定められた時間を加算し、加算結果をディスカバリウィンドウが終了する時刻として、新たに保持する。
【0158】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、DBA制御部280は、ONU110−2以外のONU110に上りフレームの帯域を割り当てるため、保持されたディスカバリウィンドウが終了する時刻に、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ2140)。
【0159】
図12及び図13によって、ONU110−2が状態を移行している際、ONU110−2以外のONU110から上りフレームが送信されない。このため、ONU110−2が状態を移行している間に発生する誤発光による、パケットロスを防ぐことができる。
【0160】
図14は、本発明の第2の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0161】
図14は、図12及び図13が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図14は、OLT100がディスカバリウィンドウを行っている間に、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を示す。
【0162】
OLT100は、図12のステップ1200に示すように、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻より前に、ONU110−2宛てのスリープ解除通知1300を、各ONU110に送信する。スリープ解除通知1300を受信した場合、ONU110−2は、スリープ解除通知1300が示す、状態を移行する処理を開始する時刻に、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。
【0163】
ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1330(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。しかし、期間1330において、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、OLT100はディスカバリウィンドウ1320を行っており、ONU110に上りフレームの帯域を割り当てない。
【0164】
このため、第2の実施形態のOLT100は、ONU110−2から発生する誤発光が、上りフレームへ与える干渉を最大限に低減できる。OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1310を送信されるまで、ディスカバリウィンドウ1320を継続する。
【0165】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態へ移行した後、ONU110−2は、OLT100に起動完了通知1310を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1310を受信し、ONU110−2の運用状態への移行を確認する。その後、OLT100は通常のDBA処理を行い、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0166】
図15は、本発明の第2の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0167】
図15は、図12及び図13が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図15は、OLT100がディスカバリウィンドウを行っている間に、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を示す。
【0168】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻より前に、ONU110−2宛てのスリープ設定通知1400を送信する。スリープ設定通知1400を受信した場合、ONU110−2は、スリープ設定通知1400が含む時刻に、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。
【0169】
ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1420(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。しかし、期間1420において、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、OLT100はディスカバリウィンドウ1410を行っており、ONU110に上りフレームの帯域を割り当てない。
【0170】
このため、第2の実施形態のOLT100は、ONU110−2から発生する誤発光が、上りフレームへ与える干渉を最大限に低減できる。OLT100は、ONU110−2との接続が切断されたと検知するまで、ディスカバリウィンドウ1410を継続する。
【0171】
OLT100は、ONU110−2との接続が切断されたと検知した後、通常のDBA処理を行い、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0172】
第2の実施形態によれば、ディスカバリウィンドウにおいてONU110に状態を移行させることによって、OLT100の制御によってスリープ状態へ移行する際又は運用状態へ移行する際に、ONU110−2から発生する意図しない誤発光によって、他のONUからの上りフレームにパケットロスが起こることを防止できる。
【0173】
(第3の実施形態)
第3の実施形態において、OLT100は、ONU110−2が状態を移行する間(例えば、数ミリ秒)、ONU110−2より光強度が強いONU110に帯域を割り当てるが、ONU110−2より光強度が弱いONU110に帯域を割り当てない。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、ONU110−2から発生する意図しない誤発光によって、他のONU110から送信される上りフレームのパケットロスが起こることを防止できる。さらに、ONU110−2より光強度が強いONU110は、上りフレームを割り当てるための帯域を割り当てられるため、システムの可用性が高まる。
【0174】
図16は、本発明の第3の実施形態のOLT100の物理的な構成を示すブロック図である。
【0175】
第3の実施形態のOLT100は、第1の実施形態と同じく、電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA制御部280、及び、受信パワー検出部290を有する。第3の実施形態のOLT100が有する電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA制御部280、及び、受信パワー検出部290は、第1の実施形態の各処理部と同じ機能を有する。
【0176】
第3の実施形態のOLT100は、第1の実施形態と異なり、受信パワー管理テーブル285を有する。受信パワー管理テーブル285は、媒体アクセス制御部210、DBA制御部280及び受信パワー検出部290に接続される。
【0177】
受信パワー管理テーブル285は、受信パワー検出部290によって検出された各ONU110の光強度を保持するテーブルである。受信パワー検出部290は、定期的、又は、管理者等の指示に従って、各ONU110の光強度を検出し、検出結果を受信パワー管理テーブル285に格納する。
【0178】
なお、OLT100において検出される光強度は、OLT100からONU110までの距離に依存するが、一般的に、OLT100から各ONU110までに通過する光スプリッタ130の数などにも依存する。
【0179】
図17は、本発明の第3の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0180】
媒体アクセス制御部210は、予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。
【0181】
ONU110−2の状態を移行すると判定された場合、媒体アクセス制御部210は、帯域を割り当てるONU110を判定する処理を開始する(ステップ1500)。
【0182】
媒体アクセス制御部210は、受信パワー管理テーブル285を参照し、ONU110−2と他のONU110との光強度を比較し、受信パワー管理テーブル285に含まれるONU110の光強度が、ONU110−2の光強度よりも強いか、ONU110−2の光強度以下かを判定する(ステップ1510)。
【0183】
そして、ONU110−2より光強度が強いと判定されたONU110は、帯域を割り当てられるため、帯域割当ありと判定される(ステップ1511)。これは、ONU110−2より光強度が強いと判定されたONU110は、送信される上りフレームがONU110−2から発生する誤発光に干渉されるおそれがないためである。
【0184】
また、ONU110−2より光強度以下と判定されたONU110は、帯域割当なしと判定される(ステップ1512)。これは、光強度がONU110−2以下と判定されたONU110は、送信される上りフレームがONU110−2から発生する誤発光に干渉されるおそれがあるためである。
【0185】
媒体アクセス制御部210は、ステップ1511及びステップ1512において、受信パワー管理テーブル285に、各ONU110が帯域割当ありであるか、帯域割当なしであるかを示す情報を格納する。
【0186】
受信パワー管理テーブル285に含まれるすべてのONU110の光強度と、ONU110−2の光強度とを比較した後、媒体アクセス制御部210は、帯域を割り当てるONU110を判定する処理を終了する(ステップ1520)。
【0187】
ステップ1520の後、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ制御信号処理部240に格納する。また、媒体アクセス制御部210は、前述のとおり、ONU110−2をスリープ状態へ移行するか、又は、運用状態へ移行するかを決定した結果に基づいて、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行をスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0188】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0189】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0190】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。
【0191】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、スリープ制御信号の内容と受信パワー管理テーブル285とに従って、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を生成する。
【0192】
具体的には、DBA制御部280は、受信パワー管理テーブル285が帯域割り当てなしを示すONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、帯域割り当てありを示すONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を生成する。生成されたグラント信号には、スリープ制御信号が含まれる。その後、DBA制御部280は、電気/光変換部220を介して各ONU110に、生成されたグラント信号を送信する(ステップ1530)。
【0193】
ステップ1540〜ステップ1590までの処理は、図8のステップ910〜ステップ960と同様である。しかし、ステップ1530からステップ1590の間、DBA制御部280は、帯域割り当てなしのONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、帯域割り当てありのONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てることを示すグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0194】
なお、第3の実施形態において、光強度の弱いONU110は、光強度の強いONU110より、帯域割り当てにおいて不利、すなわち、帯域を割り当てられる頻度が低下するため、ONU110−2の状態を移行する処理が終了した後、OLT100が光強度の弱いONU110への帯域を補填してもよい。これによって、OLT100からの距離等による帯域割当ての不利を低減することができる。
【0195】
図18は、本発明の第3の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0196】
図18は、図17が実行される際のOLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。なお、図18に示すシーケンス図において、ONU110−1とOLT100との距離は、ONU110−2とOLT100との距離よりも近い。すなわち、ONU110−1から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも強い。また、ONU110−3とOLT100との距離は、ONU110−2とOLT100との距離よりも遠い。すなわち、ONU110−3から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも弱い。
【0197】
OLT100は、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ解除通知を含むグラント信号1600を、各ONU110に送信する。グラント信号1600は、ONU110−2以外のONU110のうち、帯域割当てありと判定されたONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てることを示す。図18において、帯域割当ありと判定されたONU110は、ONU110−1である。
【0198】
グラント信号1600を受信した場合、ONU110−2は、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1620(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2より光強度が弱いONU110には、グラント信号1600によって帯域を割り当てられない。このため、期間1620において、ONU110−2の状態が不安定となり、そして、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110(ONU110−3)から送信される上りフレームに誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0199】
グラント信号1600を受信した場合、ONU110−1は、グラント信号1600が示すONU110−1に割り当てられた帯域に従って、上りフレーム1630を送信する。
【0200】
また、OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1610を受信するまで、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、ONU110−2よりも光強度が強いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0201】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態へ移行した後、ONU110−2は、OLT100に起動完了通知1610を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1610を受信することによって、ONU110−2の状態が運用状態へ移行したと判定する。その後、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知1610を受信後、各ONU110の必要に応じて、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0202】
図19は、本発明の第3の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0203】
なお、図19に示すシーケンス図において、図18と同じく、ONU110−1から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも強く、ONU110−3から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも弱い。
【0204】
OLT100は、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、スリープ設定通知を含むグラント信号1700を、各ONU110に送信する。グラント信号1700は、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110には、帯域を割り当てないことを示す。
【0205】
グラント信号1700を受信した場合、ONU110−2は、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1710(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110には、グラント信号1700によって帯域が割り当てられていない。このため、期間1710において、ONU110−2の状態が不安定となり、そして、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110(ONU110−3)から送信される上りフレームに誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0206】
また、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定されるまで、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、ONU110−2よりも光強度が強いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0207】
OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定された場合、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定する。そして、OLT100は、通常のDBAを再開する。すなわち、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定した後、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0208】
第3の実施形態によれば、OLT100による上りフレームを送信するための帯域制御によって、状態を移行しているONU110よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てない。このため、スリープ状態へ移行または運用状態へ移行する際、状態を移行しているONU110から意図しない誤発光が発生した場合も、他のONU110から送信される上りフレームのパケットロスを引き起こすことを防ぐことができる。
【0209】
さらに、第3の実施形態によれば、状態を移行するONU110から発生する後発光によって干渉されるおそれのないONU110には、上りフレームの帯域を割り当てるため、帯域を割り当てるONU110を増加させることができ、システムの可用性を高めることができる。
【0210】
本実施形態のOLT100は、スリープ状態へ移行又は運用状態へ移行する際に、ONU110から発生する意図しない誤発光によって、他のONU110からの上りフレームがパケットロスすることを防止できる。
【符号の説明】
【0211】
10 PON
100 OLT
110、110−1〜110−n ONU
120 光スプリッタ
130 幹線光ファイバ
140、140−1〜140−n 支線光ファイバ
180、180−1〜180−n 電話(TEL)
190、190−1〜190−n PC
200 電気側送受信部
210 媒体アクセス制御部
220 電気/光変換部
230 制御部
280 DBA制御部
290 受信パワー検出部
300 電気/光変換部
310 媒体アクセス制御部
320 キューバッファ部
330 キューバッファ管理部
340 電気側送受信部
350 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光回線装置に関し、特に、光ネットワーク装置に帯域を割り当てる光回線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信網の高速化及び広帯域化に対応するため、光ネットワークの導入が図られている。導入される光ネットワークには、受動網光システム(Passive Optical Network:以下、PONと記載する)が提案されている。
【0003】
PONは、一つの局側光伝送路終端装置(Optical Line Terminal:光回線装置、以下、OLTと記載する)、光ファイバと、光ファイバを分岐する光スプリッタと、複数の宅内光伝送路終端装置(Optical Network Unit:光ネットワーク装置、以下、ONUと記載する)とが、スター型のポイントツーマルチポイントのネットワークによって接続されるシステムである。PONの代表的な規格には、IEEE802.3によって標準化されたEPON(Ethernet(登録商標) PON)、ITU−T G.984によって標準化されたGPON(Gigabit Capable PON)等が含まれる。
【0004】
PONにおいて、ONUからOLTに向かって送信される上りフレームと、OLTからONUに向かって送信される下りフレームとは、波長分割多重(Wave Division Multiplexing:以下、WDMと記載する)によって多重される。
【0005】
OLTは、光ファイバを介して接続された全てのONUに、下りフレームによって、同じデータを送信する。下りフレームを受信したONUは、下りフレームに含まれる宛先情報を参照し、自分宛の下りフレーム以外を破棄する。そして、自分宛の下りフレームに含まれる自分宛のデータのみを、ユーザ側へ転送する。
【0006】
また、ONUが、OLTからの送信許可に従って、OLTによって指定された時間に、上りフレームをOLTに送信するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上りフレームは、時分割多重(Time Division Multiple Access:以下、TDMAと記載する)によって多重されたデータを含む。
【0007】
また、PONには、約64kbit/秒によって低速に通信するPON、固定長のATMセルを最大約600Mbit/によって送受信するBPON(Broadband PON)、Ethernetの可変長パケットを最大約1Gbit/秒によって送受信するEPON、約2.4Gbit/秒によってより高速に通信するGPON等が含まれる。これらのPONのうち高速な通信を可能にするPONの導入が進められており、今後、10Gbit/秒から40Gbit/秒によって通信できる高速PONの実現が求められている。
【0008】
このようなPONの通信速度の向上に伴い、伝送路上の中継装置の消費電力も増大している。一方で、PONにおけるONUは、加入者宅に設置されることからネットワーク上に多数配置される。このため、ONUによる消費電力が増大している。
【0009】
また、ONUは、OLT及び上位スイッチ群と比較して、利用できる帯域を必要とする時間が短い。従って、ONUは、非通信時においても無駄な電力を使用しながら放置されている場合がある。
【0010】
この現状からONUの省電力化の要請が高まっており、OLTからの制御によって、ONUを省電力(スリープ)状態へ移行させ、また、スリープ状態から、上りフレーム及び下りフレームの送受信が可能な運用状態にONUを移行させる省電力機能が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−019815号公報
【特許文献2】特開2010−114830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の省電力機能が実装されたPONにおいて、ONUがスリープ状態から運用状態に移行する際、ONUは、ONUが有する光信号送信回路に、電力の供給を開始する。また、ONUが運用状態からスリープ状態へ移行する際、ONUは、ONUが有する光信号送信回路への電力の供給を、停止する。このような、光信号送信回路への電力の給電及び給電の停止時には、光信号送信回路から意図しない光信号(以下、誤発光と称する。)が発生する場合がある。
【0013】
具体的には、省電力機能が実装されたONUにおいて、ONUが運用状態へ移行する際、又は、スリープ状態へ移行する際、ONUが有する光信号送信部への電力供給又は電力供給が停止する過渡期間、急峻な電圧変動によって光信号送信部の制御状態が不安定となる。このため、ONUが有する光信号送信部から、誤発光が発生する場合がある。
【0014】
光信号送信部から誤発光が発生した結果、他ONUから送信された上りフレームが、誤発光によって干渉され、OLTにおいて、上りフレームのパケットロスが発生する危険性がある。従って、省電力機能の導入に伴い、上りフレームのパケットロスが発生する危険性が高まる。また、スリープ状態からの起動時間短縮の要請によって、さらに、上りフレームのパケットロスが発生する危険性が高まる。
【0015】
しかしながら、省電力制御時に他ONUから送信される上りフレームに、誤発光が干渉する危険性は、現在指摘されておらず、そのリスクを回避する手段も開示されていない。
【0016】
本発明は、この問題を考慮し、OLTからのスリープ制御によって、ONUが状態を移行する際、ONUから誤発光が発生しても上りフレームの送信に影響を与えないPONシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の代表的な一形態によると、複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、前記光回線装置は、前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てない。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によると、ONUからの上りフレームのパケットロスを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態の光アクセス網の物理的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のOLTの物理的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のスリープ状態管理テーブルを示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のスリープ復帰/移行時刻管理テーブルを示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のONUの物理的な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のONUが運用状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態のDBA制御部による帯域割り当て処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第1の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態のディスカバリウィンドウにおけるDBA制御部の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の第2の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図16】本発明の第3の実施形態のOLTの物理的な構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のONUの状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態のONUが運用状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【図19】本発明の第3の実施形態のONUがスリープ状態へ移行する際に、ONUから送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本実施形態のPONにおいて、ONUがスリープ状態から運用状態へ移行する際、又は、ONUがスリープ状態へ移行する際に発生する誤発光によるパケットロスを防ぐため、OLTが、状態を移行するONU以外のONUから送信される上りフレームの送信を制御する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の光アクセス網1の物理的な構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態の光アクセス網1は、インターネット等のネットワークと、本実施形態のシステムを利用するユーザの端末(以下、加入者端末と記載する)とを接続するためのシステムである。本実施形態の光アクセス網1は、PON10、PSTN/インターネット20(以下、上位網20と記載する)、複数の電話(TEL)180(180−1〜180−n)、及び、複数のPC190(190−1〜190−n)を含む。
【0023】
上位網20は、PON10と接続される公衆通信網である。PON10は、上位網20と電話180又はPC190とを接続する。電話180及びPC190は、加入者端末である。
【0024】
PON10は、OLT100、複数のONU110(ONU110−1〜ONU110−n)、光スプリッタ120、幹線光ファイバ130、及び、複数の支線光ファイバ140(支線光ファイバ140−1〜支線光ファイバ140−n)を有する。OLT100は、上位網20と接続される。ONU110は、加入者端末と接続される。
【0025】
OLT100は、1本の幹線光ファイバ130、一つの光スプリッタ120、及び、複数の支線光ファイバ140を介して、複数台(n台、例えば32台等)のONU110と接続される。そして、OLT100及び各ONU110は、上位網20と加入者端末との通信、又は、加入者端末同士の通信を中継する。
【0026】
OLT100は、すべてのONU110に、同じ下りフレーム150を送信する。下りフレーム150には、各ONU110が上りフレーム170を送信するための帯域が含まれる。上りフレーム170を送信するための帯域は、OLT100が、各ONU110からのトラフィック量等に従って、割り当てる。
【0027】
そして、各ONU110は、下りフレーム170に含まれる帯域に従って、上りフレーム170(170−1〜170−n)をOLT100に送信する。上りフレーム170−1〜170−nは、光スプリッタ120によって多重化され、この結果、上りフレーム160が生成される。そして、上りフレーム160は、OLT100に送信される。
【0028】
図1に示すONU110は、5台(n=5)であり、各ONU110は、OLT100との距離であるファイバ長が異なる。図1に示すONU110−1は、OLT100からのファイバ長が1kmであり、ONU110−2は、OLT100からのファイバ長が10kmである。また、ONU110−3は、OLT100からのファイバ長が20kmであり、ONU110−4は、OLT100からのファイバ長が10kmであり、ONU110−nは、OLT100からのファイバ長が15kmである。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態のOLT100の物理的な構成を示すブロック図である。
【0030】
OLT100は、少なくとも一つのプロセッサ、及び、少なくとも一つのメモリを有する。また、OLT100は、不揮発メモリ等を有してもよい。
【0031】
OLT100は、複数の処理部を有する。OLT100が有する複数の処理部は、電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)制御部280、及び、受信パワー検出部290である。
【0032】
OLT100が有する各処理部は、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサ及びメモリによって、各処理部の機能が実装される。なお、本実施形態のOLT100は、各処理部に対応するプログラムを、プロセッサがメモリにおいて実行することによって、OLT100が有する機能を実装してもよい。
【0033】
また、図2に示すOLT100の各処理部は例であり、各処理部は、各処理部の機能を実装するために、複数の処理部をさらに有してもよい。また、各処理部の機能が実装されれば、複数の処理部を一つの処理部に含めてもよい。
【0034】
電気側送受信部200は、上位網20に含まれる中継装置と電気信号を送受信するための機能を有する。電気/光変換部220は、幹線光ファイバ130と接続され、ONU110と光信号を送受信するための機能を有する。
【0035】
媒体アクセス制御部210は、ONU110の運用状態及びスリープ状態におけるOLT100とONU110との、通信を制御するための機能を有する。また、媒体アクセス制御部210は、上位網20から送信された下りフレームをONU110へ送信するためのスイッチング機能を有する。運用状態とは、ONU110がOLT100と通信をしている状態である。
【0036】
DBA制御部280は、各ONU110から送信された信号(上りフレームを含む)のトラフィックに従って、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てる機能を有する。また、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウにおいてONU110をディスカバリするための信号を生成し、生成された信号の送信をスケジュールするための機能を有する。
【0037】
受信パワー検出部290は、各ONU110の上りフレームが受信された際の光強度(光パワー)を検出する機能を有する。受信パワー検出部290は、各ONU110の光強度を、DBA制御部280又は媒体アクセス制御部210に送信する。
【0038】
制御部230は、制御部230が有する処理部を制御するための機能を有する。制御部230は、スリープ制御信号処理部240、スリープ状態管理テーブル250、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260、及び、タイムカウンタ270を有する。制御部230が有する各機能は、制御部230を介して、媒体アクセス制御部210及びDBA制御部280と接続される。
【0039】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110を、運用状態からスリープ状態へ移行するためのスリープ設定信号、及び、スリープ状態から運用状態に移行させるためのスリープ解除信号を生成するための機能を有する。以下において、スリープ設定信号とスリープ解除信号とを、スリープ制御信号と総称する。
【0040】
スリープ状態管理テーブル250は、ONU110のスリープ状態を管理するためのテーブルである。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、各ONU110が運用状態へ移行(復帰)する処理を開始する時刻、又は、各ONU110がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を保持するためのテーブルである。タイムカウンタ270は、現在時刻を管理するための機能を有する。スリープ状態管理テーブル250及びスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、メモリ又は不揮発性メモリに格納され、csv形式等のいかなる形式によって格納されてもよい。
【0041】
ONU110から送信された上りフレームを電気/光変換部220が受信した場合、媒体アクセス制御部210は、受信された上りフレームのMACアドレスと、プリアンプル部に付与された送信元のONU110の情報とを、経路情報として保持する。そして、媒体アクセス制御部210は、ONU110から送信された上りフレームを、電気側送受信部200を介して上位網20へ送信する。
【0042】
上位網20から送信された下りフレームを電気側送受信部200が受信した場合、媒体アクセス制御部210は、受信された下りフレームのMACアドレスを参照し、予め保持された経路情報に基づいて、宛先のONU110の識別情報を、下りフレームのプリアンブル部に付与する。そして、媒体アクセス制御部210は、上位網20から送信された下りフレームを、電気/光変換部220を介してONU110へ送信する。
【0043】
図3は、本発明の第1の実施形態のスリープ状態管理テーブル250を示す説明図である。
【0044】
スリープ状態管理テーブル250は、各ONU110が運用状態であるかスリープ状態であるかを示し、各ONU110が状態を移行する処理を終了しているか否かを示す。スリープ状態管理テーブル250は、媒体アクセス制御部210又はスリープ制御信号処理部240によって更新される。スリープ状態管理テーブル250は、ONU250−1、状態250−2、及び、スリープ状態移行フラグ250−3を含む。
【0045】
ONU250−1は、ONU110を一意に示す識別子を示す。状態250−2は、ONU110が運用状態である場合、「active」を示し、ONU110がスリープ状態である場合、「sleep」を示す。
【0046】
スリープ状態移行フラグ250−3は、ONU110が、運用状態からスリープ状態へ、又は、スリープ状態から運用状態へ、状態を移行する処理が終了しているか否かを示す。スリープ状態移行フラグ250−3は、状態を移行する処理が終了している場合、「off」を示し、状態を移行する処理が終了していない場合、「on」を示す。
【0047】
図3に示すスリープ状態管理テーブル250は、識別子が「ONU#2」であるONU110、すなわち、ONU110−2が、スリープ状態から運用状態へ状態を移行しており、かつ、状態を移行する処理が終了していないことを示す。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態のスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260を示す説明図である。
【0049】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU110がスリープ状態へ移行する時刻を示す。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、媒体アクセス制御部210によって更新される。スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU260−1、及び、スリープ状態移行開始時刻260−2を含む。
【0050】
ONU260−1は、ONU110を一意に示す識別子を示し、ONU250−1と対応する。スリープ状態移行開始時刻260−2は、スリープ状態への移行を開始する時刻を示す。図4に示すスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260は、ONU110−2が、「xx時yy分zz秒」に、状態を移行する処理を開始することを示す。
【0051】
図5は、本発明の第1の実施形態のONU110の物理的な構成を示すブロック図である。
【0052】
図5は、ONU110−1を示すが、すべてのONU110が図5に示すONU110−1と同じ機能を有する。このため、以下において図5に示されるONU110−1を、ONU110と記載する。
【0053】
ONU110は、少なくとも一つのプロセッサ及び少なくとも一つのメモリを有する。また、ONU110は、不揮発メモリ等を有してもよい。
【0054】
ONU110は、複数の処理部を有する。ONU110が有する複数の処理部は、電気/光変換部300、媒体アクセス制御部310、キューバッファ部320、キューバッファ管理部330、電気側送受信部340、及び、制御部350である。電気/光変換部300は、OLT100と光信号を送受信するための機能を有する。媒体アクセス制御部310は、ONU110の運用状態及びスリープ状態におけるONU110とOLT100との通信を、制御するための機能を有する。
【0055】
ONU110が有する各処理部は、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサ及びメモリによって、各処理部の機能が実装される。なお、本実施形態のONU110は、各処理部に対応するプログラムを、プロセッサがメモリにおいて実行することによって、ONU110が有する機能を実装してもよい。
【0056】
また、図5に示すONU110の各処理部は例であり、各処理部は、各処理部の機能を実装するために、複数の処理部をさらに有してもよい。また、各処理部の機能が実装されれば、複数の処理部を一つの処理部に含めてもよい。
【0057】
キューバッファ部320は、データ通信に含まれるフレームを格納する。キューバッファ管理部330は、キューバッファ部320を管理するための機能を有する。電気側送受信部340は、電話180又はPC190と電気信号を送受信するための機能を有する。
【0058】
制御部350は、制御部350が有する処理部を制御するための機能を有する。制御部350は、スリープ制御信号処理部360、スリープ状態制御部370、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380、及び、タイムカウンタ390を有する。
【0059】
スリープ制御信号処理部360は、OLT100から送信されたスリープ制御信号を解析する。スリープ状態制御部370は、スリープ制御信号処理部360の解析結果に従って、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する。
【0060】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380は、スリープ制御信号処理部360の解析結果に含まれる、運用状態へ移行(復帰)する処理を開始する時刻、又は、スリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を保持するためのテーブルである。OLT100から送信されるスリープ制御信号は、スリープ制御信号処理部240によって生成された信号であり、ONU110が運用状態へ移行する処理を開始する時刻、又は、ONU110がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を含む。
【0061】
タイムカウンタ390は、ONU110における現在時刻を管理するための機能を有する。本実施形態のタイムカウンタ390は、OLT100のタイムカウンタ270と予め同期される。
【0062】
タイムカウンタ270とタイムカウンタ390とを同期させる方法は、いかなる方法でもよい。本実施形態のPONにおいて、下りフレームを送信する時刻を含む下りフレームを、OLT100がONU110に送信し、ONU110が、下りフレームを受信した際に、下りフレームに含まれる時刻を現在時刻としてタイムカウンタ270を更新する。これによって、本実施形態のタイムカウンタ270とタイムカウンタ390とは、同期される。
【0063】
本発明においてONU110のスリープ状態とは、媒体アクセス制御部310が、電気/光変換部300への電力供給を停止させ、電気/光変換部300とOLT100の電気/光変換部220との通信のうち、加入者端末からのデータを含む上りフレーム、又は、上位網20からのデータを含む下りフレームの送受信を停止させることである。そして、媒体アクセス制御部310が、電気側送受信部340によって受信された上りフレームを、キューバッファ部320に蓄積する機能を継続させ、下りフレームを電話180又はPC190へ送信する機能、及び、上りフレームをOLT100に送信する処理を停止させることである。
【0064】
電気/光変換部300は、OLT100から送信される下りフレームに、自らが属するONU110宛てのスリープ制御信号が含まれると判定した場合、受信したスリープ制御信号を媒体アクセス制御部310に送信する。媒体アクセス制御部310は、スリープ制御信号を、スリープ制御信号処理部360に送信する。
【0065】
なお、電気/光変換部300は、ONU110がスリープ状態においても、受信した下りフレームにスリープ制御信号が含まれるか否かを判定する処理部に接続され、受信した下りフレームにスリープ制御信号が含まれる場合、受信した下りフレームを媒体アクセス制御部310に送信する。スリープ制御信号が含まれるか否かを判定する処理部は、スリープ状態においても電力を供給され、稼働する。
【0066】
スリープ制御信号処理部360は、スリープ制御信号を解析し、スリープ制御信号に含まれる、ONU110が運用状態へ移行する処理を開始する時刻、又は、スリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に格納する。
【0067】
そして、スリープ状態制御部370は、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に保持される時刻と、タイムカウンタ390が示す現在時刻とが一致するか否かを判定する。タイムカウンタ390が示す現在時刻が、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380に保持される時刻を経過した場合、スリープ状態制御部370は、媒体アクセス制御部310に状態を移行することを指示する。
【0068】
スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380は、状態を移行する処理と、処理を開始する時刻とを含んでもよく、スリープ状態制御部370は、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル380の内容に従って、媒体アクセス制御部310にスリープ状態への移行又は運用状態への移行を指示してもよい。
【0069】
媒体アクセス制御部310は、スリープ状態制御部370から状態を移行する指示を受信した場合、電力を供給している処理部の状態から、運用状態であるか、スリープ状態であるかを判定する。ONU110が運用状態である場合、媒体アクセス制御部310は、スリープ状態へ移行することを決定し、そして、各処理部の電力の供給を停止する。ONU110がスリープ状態である場合、媒体アクセス制御部310は、運用状態へ移行することを決定し、そして、各処理部に電力を供給する。
【0070】
図6は、本発明の第1の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【0071】
図6に示す処理は、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する際に、OLT100が、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号を送信する処理を示す。そして、ONU110−2からの誤発光によって、ONU110−1及びONU110−3から送信される上りフレームのパケットロスが発生する場合の処理を示す。
【0072】
図6のシーケンス図の開始時において、ONU110−2は、スリープ状態である。
【0073】
OLT100のDBA制御部280は、上りフレームの送信を各ONU110に許可するグラント信号700に、上りフレームを送信するためにONU110−1及びONU110−3が用いる帯域を示すリクエストリポートを含める。
【0074】
ここで、OLT100が、ONU110−2をスリープ状態から運用状態へ移行すると決定した場合、OLT100は、グラント信号700に、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する指示を示すスリープ制御信号(スリープ解除通知)を含める。そして、グラント信号700を、電気/光変換部220を介して各ONU110に送信する。
【0075】
グラント信号700に含まれるスリープ解除通知を受信した場合、ONU110−2は、スリープ解除通知に従って、スリープ状態から運用状態への移行を開始する。ONU110が移行をする期間720(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。
【0076】
一方で、グラント信号700に従って、ONU110−1は上りフレーム710を送信し、ONU110−3は上りフレーム711を送信する。このため、期間720においてONU110−2から意図しない誤発光が発生した場合、上りフレーム710又は上りフレーム711と誤発光とが干渉し、パケットロスが発生する可能性がある。
【0077】
図7は、本発明の第1の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を示すシーケンス図である。
【0078】
図7に示す処理は、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する際に、OLT100が、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号を送信する処理を示す。そして、ONU110−2からの誤発光によって、ONU110−1及びONU110−3から送信される上りフレームのパケットロスが発生する場合の処理を示す。
【0079】
図7のシーケンス図の開始時において、ONU110−2は、運用状態である。
【0080】
OLT100のDBA制御部280は、上りフレームの送信を各ONU110に許可するグラント信号800に、上りフレームを送信するためにONU110−1及びONU110−3が用いる帯域を示すリクエストリポートを含める。
【0081】
ここで、OLT100が、ONU110−2を運用状態からスリープ状態へ移行すると決定した場合、OLT100は、グラント信号800に、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ制御信号(スリープ設定通知)を含める。そして、グラント信号800を、電気/光変換部220を介して各ONU110に送信する。
【0082】
グラント信号800に含まれるスリープ設定通知を受信した場合、ONU110−2は、スリープ設定通知に従って、運用状態からスリープ状態への移行を開始する。ONU110が移行する期間820(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。
【0083】
一方で、グラント信号800に従って、ONU110−1は上りフレーム810を送信し、ONU110−3は上りフレーム811を送信する。このため、期間820においてONU110−2から意図しない誤発光が発生した場合、上りフレーム810又は上りフレーム811と誤発光とが干渉し、パケットロスが発生する可能性がある。
【0084】
なお、以下において、スリープ状態又は運用状態を移行するONU110を、ONU110−2とする。
【0085】
図8は、本発明の第1の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0086】
図8に示す処理は、ONU110−2がスリープ状態から運用状態へ移行する際、又は、ONU110−2が運用状態からスリープ状態へ移行する際、OLT100が、ONU110−2以外のONU110へ上りフレームを送信するための帯域を割り当てない処理を示す。これによって、OLT100は、上りフレームのパケットロスを未然に防ぐ。
【0087】
媒体アクセス制御部210は、予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。そして、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。
【0088】
また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。そして、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。
【0089】
前述の通り、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行を決定した場合、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行をスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0090】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0091】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0092】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。
【0093】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、スリープ制御信号の内容に従って、グラント信号を生成する。具体的には、スリープ制御信号が示すONU110(ONU110−2)を取得する。そして、取得されたONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないことを示すグラント信号を生成する。
【0094】
生成されたグラント信号には、スリープ制御信号が含まれる。その後、DBA制御部280は、電気/光変換部220を介して各ONU110に、生成されたグラント信号を送信する(ステップ900)。
【0095】
グラント信号に含まれるスリープ制御信号を受信した後(ステップ910)、ONU110−2の媒体アクセス制御部310は、前述の通り、スリープ制御信号に含まれる時刻に、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する(ステップ920)。
【0096】
ステップ900の後、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を終了するまで、又は、運用状態へ移行する処理を終了するまで、OLT100は、DBA制御部280によって、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないことを示すグラント信号を、各ONU110に送信する。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、グラント信号によって上りフレームを送信するための帯域が割り当てられないため、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームをOLT100に送信できない。
【0097】
なお、前述の説明におけるDBA制御部280は、スリープ制御信号の送信以降、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てないが、本実施形態のDBA制御部280は、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻において、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てなければよい。このため、本実施形態のOLT100は、状態を移行する処理を開始する時刻から所定の時間を減算し、減算結果が示す時刻から、ONU110−2以外のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てなくてもよい。
【0098】
具体的には、スリープ制御信号処理部240は、ステップ900において、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更しなくてもよい。そして、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260のスリープ状態移行開始時刻260−2から、予め管理者等によって定められた時間を減算し、減算結果が示す時刻にタイムカウンタ270が示す時刻が一致した場合、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更してもよい。これによって、DBA制御部280は、後述する図9の処理によって、ONU110−2以外のONU110への帯域割り当てを、制御できる。
【0099】
ONU110−2が、運用状態へ移行する処理を終了した後(ステップ930)、ONU110−2は、運用状態へ移行する処理が終了したことを示す起動完了通知を、OLT100に送信する(ステップ940)。
【0100】
ONU110−2から送信された起動完了通知を受信した後(ステップ941)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応する状態250−2の値を「active」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、OLT100は、起動完了通知を受信した後、DBA制御部280は、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる(ステップ960)。
【0101】
ONU110−2が、スリープ状態へ移行する処理を終了した後(ステップ930)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する(ステップ950)。
【0102】
OLT100が、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する方法は、以下のとおりである。
【0103】
ONU110は、運用状態において、ONU100がグラント信号を受信したことを報告するための信号を、OLT100に送信する。このため、OLT100の媒体アクセス制御部210は、グラント信号を受信したことを報告する信号をOLT100−2から受信した場合、ONU110−2と通信可能であると判定する。そして、グラント信号を受信したことを報告する信号を、所定の期間(管理者等によって予め定められた期間)においてOLT100−2から受信しない場合、ONU110−2との通信が切断されたと判定する。
【0104】
ステップ950において、OLT100の媒体アクセス制御部210は、グラント信号を受信したことを報告する信号をONU110−2から受信していないと判定することによって、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する。
【0105】
ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250の、ONU110−2に対応する状態250−2の値を「sleep」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。
【0106】
すなわち、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる(ステップ960)。
【0107】
図9は、本発明の第1の実施形態のDBA制御部280による帯域割り当て処理を示すフローチャートである。
【0108】
DBA制御部280は、管理者等によって予め定められた所定の周期において、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当て、割り当てられた帯域を示す信号を各ONU110に送信する。
【0109】
DBA制御部280は、各ONU110に帯域を割り当てる場合、図9に示す処理を開始する。そして、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3を参照する(ステップ2000)。そして、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれるか否かを判定する(ステップ2010)。
【0110】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれる場合、少なくとも一つのONU110が状態を移行しているため、DBA制御部280は、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110(ONU110−2)以外のONU110に、帯域を割り当てないグラント信号を生成し、生成されたグラント信号を、所定の周期において各ONU110に送信する(ステップ2020)。
【0111】
なお、図3において、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110はONU110−2のみであるが、複数のONU110に対応するスリープ状態移行フラグ250−3に、「on」が格納されてもよい。
【0112】
複数のONU110に対応するスリープ状態移行フラグ250−3に「on」が格納されている場合も、DBA制御部280は、ステップ2020において、スリープ状態移行フラグ250−3の値が「on」であるONU110以外のONU110に、帯域を割り当てないグラント信号を生成する。
【0113】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、状態を移行しているONU110はないため、DBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、DBA制御部280は、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、上りフレームを送信する必要があるすべてのONU110に帯域を割り当てるグラント信号を生成し、生成されたグラント信号を所定の周期において各ONU110に送信する(ステップ2030)。
【0114】
図8及び図9によって、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100がONU110−2以外のONU100に上りフレームを送信するための帯域を割り当てないため、ONU110−2以外のONU110から上りフレームが送信されない。このため、ONU110−2が状態を移行している間に発生する誤発光による、パケットロスを防ぐことができる。
【0115】
図10は、本発明の第1の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0116】
図10は、図8及び図9が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図10は、ONU110−2が運用状態へ移行している際に、ONU110−2以外のONU110−1及びONU110−3への帯域の割り当てを制御する処理を示す。
【0117】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ解除通知を含むグラント信号1000を、各ONU110に送信する。グラント信号1000は、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていないことを示す。
【0118】
グラント信号1000を受信した場合、ONU110−2は、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1020(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームを送信するための帯域を割り当てられない。
【0119】
また、OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1010を受信するまで、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないためのグラント信号1030を、各ONU110に送信する。
【0120】
このため、期間1020において、ONU110−2の状態は不安定であるが、前述の処理によって、OLT100は、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)から送信される上りフレームに、ONU110−2から発生する意図しない誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0121】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態に移行した後、ONU110−2はOLT100に起動完了通知1010を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1010を受信し、ONU110−2の運用状態への移行を確認する。その後、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知1010を受信後、OLT100は、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号1040を送信する。
【0122】
図11は、本発明の第1の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0123】
図11は、図8及び図9が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図11は、ONU110−2がスリープ状態へ移行している際に、ONU110−2以外のONU110−1及びONU110−3への帯域の割り当てを制御する処理を示す。
【0124】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ設定通知を含むグラント信号1100を、各ONU110に送信する。グラント信号1100は、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていないことを示す。
【0125】
グラント信号1100を受信した場合、ONU110−2は、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1110(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2以外のONU110には、帯域が割り当てられていない。
【0126】
また、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定されるまで、ONU110−2以外のONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てないためのグラント信号1120を、各ONU110に送信する。
【0127】
このため、期間1110において、ONU110−2の状態は不安定であるが、前述の処理によって、OLT100は、ONU110−2以外のONU110(ONU110−1及びONU110−3)から送信される上りフレームに、ONU110−2から発生する誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0128】
OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した場合、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定する。そして、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定した後、OLT100は、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるグラント信号1130を、各ONU110に送信する。
【0129】
第1の実施形態によれば、OLT100の制御によって、ONU110が運用状態からスリープ状態へ移行、または、スリープ状態から運用状態へ移行する際に、状態を移行しているONU110から意図しない誤発光が発生した場合も、他のONU110からの上りフレームのパケットロスを防止することが可能となる。
【0130】
(第2の実施形態)
第2の実施形態において、OLT100は、ONU110がスリープ状態へ移行する期間、又は、運用状態へ移行する期間を、ディスカバリが行われる時間内に含まれるように制御する。これによって、ONU110がスリープ状態へ移行する際、又は、運用状態へ移行する際に、意図しない誤発光が発生し、他のONU110からの上りフレームをパケットロスすることを防止することができる。
【0131】
なお、PONにおけるOLT100は、新しく接続されたONU110にディスカバリを行うことによって、新しく接続されたONU110を認識する。ディスカバリは、周期的に所定の時間行われ、ディスカバリが開始される周期、及び、ディスカバリが行われる時間は、管理者等によって予め定められる。
【0132】
ディスカバリが行われる時間を、以下において、ディスカバリウィンドウと記載する。ディスカバリウィンドウにおいて、OLT100は、新しく接続されたONU110と信号を送受信するため、既存のONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てない。
【0133】
図12は、本発明の第2の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0134】
図12に示す処理は、ONU110−2の状態を移行するための、OLT100とONU110−2との処理を示す。
【0135】
媒体アクセス制御部210は、管理者等によって予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。そして、ディスカバリウィンドウが開始される時刻及び終了する時刻を、DBA制御部280から取得する。
【0136】
なお、第2の実施形態におけるDBA制御部280は、管理者等によって予め定められたディスカバリが開始される周期、及び、ディスカバリが行われる時間を保持する。そして、ディスカバリが開始される周期及びディスカバリが行われる時間に基づいて、ディスカバリが開始される時刻及び終了する時刻を算出してもよい。
【0137】
そして、媒体アクセス制御部210は、取得されたディスカバリウィンドウが開始される時刻から終了する時刻までに含まれるように、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を開始する時刻を、決定する。そして、媒体アクセス制御部210は、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納し、ONU110−2がスリープ状態へ移行することをスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0138】
また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。そして、ディスカバリウィンドウが開始される時刻をDBA制御部280から取得する。
【0139】
そして、媒体アクセス制御部210は、取得されたディスカバリウィンドウが行われる時刻に含まれるように、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を開始する時刻を決定する。そして、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納する。そして、媒体アクセス制御部210は、決定された時刻をスリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納し、ONU110−2が運用状態へ移行することをスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0140】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0141】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0142】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。
【0143】
さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。。
【0144】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、受信したスリープ制御信号を、ONU110−2宛てのスリープ制御信号として送信する(ステップ1200)。
【0145】
DBA制御部280は、ステップ1200において、ディスカバリウィンドウが開始される前にスリープ制御信号をONU110−2へ送信してもよい。また、DBA制御部280は、スリープ制御信号に含まれる、状態を移行する処理を開始する時刻から、管理者等によって予め定められた時間を減算し、減算された結果が示す時刻にスリープ制御信号を送信してもよい。
【0146】
すなわち、状態を移行する処理を開始する時刻までに、スリープ制御信号がONU110−2に受信されれば、DBA制御部280は、いずれの時刻にスリープ制御信号を送信してもよい。
【0147】
スリープ制御信号を受信した後(ステップ1210)、ONU110−2の媒体アクセス制御部310は、前述の通り、スリープ制御信号に含まれる時刻に、スリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を開始する(ステップ1220)。スリープ制御信号に含まれる時刻において、OLT100がディスカバリウィンドウを行っているため、OLT100は、ONU110−2から誤発光が発生しても、上りフレームへの干渉を最大限に低減できる。
【0148】
ステップ1220の後、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理、又は、運用状態へ移行する処理を終了するまで、OLT100は、ディスカバリウィンドウを継続して実行する。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100によって上りフレームを送信するための帯域が割り当てられないため、ONU110−2以外のONU110は、上りフレームをOLT100に送信できない。
【0149】
ONU110−2が、運用状態へ移行する処理を終了した後(ステップ1230)、ONU110−2は、運用状態へ移行する処理が終了したことを示す起動完了通知を、OLT100に送信する(ステップ1240)。
【0150】
ONU110−2から送信された起動完了通知を受信した後(ステップ1241)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応する状態250−2の値を「active」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知を受信した後、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ1260)。
【0151】
ONU110−2が、スリープ状態へ移行する処理を終了した後(ステップ1230)、OLT100の媒体アクセス制御部210は、ONU110−2との通信が切断されたことを検知する(ステップ1250)。ONU110−2との通信が切断されることを検知する方法は、ステップ950と同じである。
【0152】
ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、OLT100の媒体アクセス制御部210は、スリープ状態管理テーブル250の、ONU110−2に対応する状態250−2の値を「sleep」に更新し、スリープ状態移行フラグ250−3の値を「off」に更新する。これによって、OLT100のDBA制御部280は、通常のDBA処理を行う。すなわち、ONU110−2との通信が切断されたことを検知した後、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ1260)。
【0153】
図13は、本発明の第2の実施形態のディスカバリウィンドウにおけるDBA制御部280の処理を示すフローチャートである。
【0154】
図13に示す処理は、ONU110−2が状態を移行している間、OLT100のDBA制御部280が、ディスカバリウィンドウを制御する処理である。
【0155】
ディスカバリウィンドウが開始された後、OLT100のDBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを終了させるか、継続させるかを判定する処理を開始する(ステップ2100)。DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウが終了する時刻をあらかじめ保持しており、ディスカバリウィンドウが終了する時刻より、予め管理者等によって指定された所定の時間前に、ステップ2100を実行してもよい。
【0156】
ステップ2100の後、DBA制御部280は、スリープ状態管理テーブル250のスリープ状態移行フラグ250−3を参照する(ステップ2110)。そして、スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれるか否かを判定する(ステップ2120)。
【0157】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれる場合、少なくとも一つのONU110が状態を移行しているため、DBA制御部280は、ディスカバリウィンドウを継続することを決定する(ステップ2130)。そして、予め管理者等によって定められた時間、ディスカバリウィンドウを継続する。具体的には、DBA制御部280は、保持されるディスカバリウィンドウが終了する時刻に、予め管理者等によって定められた時間を加算し、加算結果をディスカバリウィンドウが終了する時刻として、新たに保持する。
【0158】
スリープ状態移行フラグ250−3の値に「on」が含まれない場合、DBA制御部280は、ONU110−2以外のONU110に上りフレームの帯域を割り当てるため、保持されたディスカバリウィンドウが終了する時刻に、ディスカバリウィンドウを終了する(ステップ2140)。
【0159】
図12及び図13によって、ONU110−2が状態を移行している際、ONU110−2以外のONU110から上りフレームが送信されない。このため、ONU110−2が状態を移行している間に発生する誤発光による、パケットロスを防ぐことができる。
【0160】
図14は、本発明の第2の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0161】
図14は、図12及び図13が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図14は、OLT100がディスカバリウィンドウを行っている間に、ONU110−2が運用状態へ移行する処理を示す。
【0162】
OLT100は、図12のステップ1200に示すように、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻より前に、ONU110−2宛てのスリープ解除通知1300を、各ONU110に送信する。スリープ解除通知1300を受信した場合、ONU110−2は、スリープ解除通知1300が示す、状態を移行する処理を開始する時刻に、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。
【0163】
ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1330(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。しかし、期間1330において、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、OLT100はディスカバリウィンドウ1320を行っており、ONU110に上りフレームの帯域を割り当てない。
【0164】
このため、第2の実施形態のOLT100は、ONU110−2から発生する誤発光が、上りフレームへ与える干渉を最大限に低減できる。OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1310を送信されるまで、ディスカバリウィンドウ1320を継続する。
【0165】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態へ移行した後、ONU110−2は、OLT100に起動完了通知1310を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1310を受信し、ONU110−2の運用状態への移行を確認する。その後、OLT100は通常のDBA処理を行い、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0166】
図15は、本発明の第2の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ディスカバリウィンドウが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0167】
図15は、図12及び図13が実行される際の、OLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。図15は、OLT100がディスカバリウィンドウを行っている間に、ONU110−2がスリープ状態へ移行する処理を示す。
【0168】
OLT100は、図8のステップ900に示すように、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻より前に、ONU110−2宛てのスリープ設定通知1400を送信する。スリープ設定通知1400を受信した場合、ONU110−2は、スリープ設定通知1400が含む時刻に、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。
【0169】
ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1420(例えば、5ミリ秒)において、ONU110−2の状態は不安定である。しかし、期間1420において、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、OLT100はディスカバリウィンドウ1410を行っており、ONU110に上りフレームの帯域を割り当てない。
【0170】
このため、第2の実施形態のOLT100は、ONU110−2から発生する誤発光が、上りフレームへ与える干渉を最大限に低減できる。OLT100は、ONU110−2との接続が切断されたと検知するまで、ディスカバリウィンドウ1410を継続する。
【0171】
OLT100は、ONU110−2との接続が切断されたと検知した後、通常のDBA処理を行い、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0172】
第2の実施形態によれば、ディスカバリウィンドウにおいてONU110に状態を移行させることによって、OLT100の制御によってスリープ状態へ移行する際又は運用状態へ移行する際に、ONU110−2から発生する意図しない誤発光によって、他のONUからの上りフレームにパケットロスが起こることを防止できる。
【0173】
(第3の実施形態)
第3の実施形態において、OLT100は、ONU110−2が状態を移行する間(例えば、数ミリ秒)、ONU110−2より光強度が強いONU110に帯域を割り当てるが、ONU110−2より光強度が弱いONU110に帯域を割り当てない。これによって、ONU110−2が状態を移行している間、ONU110−2から発生する意図しない誤発光によって、他のONU110から送信される上りフレームのパケットロスが起こることを防止できる。さらに、ONU110−2より光強度が強いONU110は、上りフレームを割り当てるための帯域を割り当てられるため、システムの可用性が高まる。
【0174】
図16は、本発明の第3の実施形態のOLT100の物理的な構成を示すブロック図である。
【0175】
第3の実施形態のOLT100は、第1の実施形態と同じく、電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA制御部280、及び、受信パワー検出部290を有する。第3の実施形態のOLT100が有する電気側送受信部200、媒体アクセス制御部210、電気/光変換部220、制御部230、DBA制御部280、及び、受信パワー検出部290は、第1の実施形態の各処理部と同じ機能を有する。
【0176】
第3の実施形態のOLT100は、第1の実施形態と異なり、受信パワー管理テーブル285を有する。受信パワー管理テーブル285は、媒体アクセス制御部210、DBA制御部280及び受信パワー検出部290に接続される。
【0177】
受信パワー管理テーブル285は、受信パワー検出部290によって検出された各ONU110の光強度を保持するテーブルである。受信パワー検出部290は、定期的、又は、管理者等の指示に従って、各ONU110の光強度を検出し、検出結果を受信パワー管理テーブル285に格納する。
【0178】
なお、OLT100において検出される光強度は、OLT100からONU110までの距離に依存するが、一般的に、OLT100から各ONU110までに通過する光スプリッタ130の数などにも依存する。
【0179】
図17は、本発明の第3の実施形態のONU110−2の状態を移行する処理を示すフローチャートである。
【0180】
媒体アクセス制御部210は、予め定められた時間、ONU110−2への下りフレーム、及び、ONU110−2からの上りフレームを受信しない場合、ONU110−2をスリープ状態へ移行すると決定する。また、予め定められたトラフィック量のONU110−2への下りフレームを受信し、かつ、スリープ状態管理テーブル250がONU110−2はスリープ状態(スリープ状態管理テーブル250の状態250−2が「sleep」)であることを示す場合、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2を運用状態へ移行すると決定する。
【0181】
ONU110−2の状態を移行すると判定された場合、媒体アクセス制御部210は、帯域を割り当てるONU110を判定する処理を開始する(ステップ1500)。
【0182】
媒体アクセス制御部210は、受信パワー管理テーブル285を参照し、ONU110−2と他のONU110との光強度を比較し、受信パワー管理テーブル285に含まれるONU110の光強度が、ONU110−2の光強度よりも強いか、ONU110−2の光強度以下かを判定する(ステップ1510)。
【0183】
そして、ONU110−2より光強度が強いと判定されたONU110は、帯域を割り当てられるため、帯域割当ありと判定される(ステップ1511)。これは、ONU110−2より光強度が強いと判定されたONU110は、送信される上りフレームがONU110−2から発生する誤発光に干渉されるおそれがないためである。
【0184】
また、ONU110−2より光強度以下と判定されたONU110は、帯域割当なしと判定される(ステップ1512)。これは、光強度がONU110−2以下と判定されたONU110は、送信される上りフレームがONU110−2から発生する誤発光に干渉されるおそれがあるためである。
【0185】
媒体アクセス制御部210は、ステップ1511及びステップ1512において、受信パワー管理テーブル285に、各ONU110が帯域割当ありであるか、帯域割当なしであるかを示す情報を格納する。
【0186】
受信パワー管理テーブル285に含まれるすべてのONU110の光強度と、ONU110−2の光強度とを比較した後、媒体アクセス制御部210は、帯域を割り当てるONU110を判定する処理を終了する(ステップ1520)。
【0187】
ステップ1520の後、媒体アクセス制御部210は、ONU110−2が状態を移行する処理を開始する時刻を決定し、決定された時刻をスリープ制御信号処理部240に格納する。また、媒体アクセス制御部210は、前述のとおり、ONU110−2をスリープ状態へ移行するか、又は、運用状態へ移行するかを決定した結果に基づいて、ONU110−2のスリープ状態への移行、又は、ONU110−2の運用状態への移行をスリープ制御信号処理部240に指示する。
【0188】
スリープ制御信号処理部240は、ONU110−2がスリープ状態又は運用状態へ状態を移行することを、媒体アクセス制御部210から指示された場合、媒体アクセス制御部210からの指示に従い、スリープ制御信号を生成する。すなわち、ONU110−2が運用状態へ移行する指示を示すスリープ解除通知、又は、ONU110−2がスリープ状態へ移行する指示を示すスリープ設定通知を生成する。
【0189】
スリープ制御信号処理部240は、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に、スリープ復帰/移行時刻管理テーブル260に格納された状態を移行する処理を開始する時刻を含める。また、ONU110−2が状態を移行することを示す値を、スリープ解除通知又はスリープ設定通知に含める。
【0190】
そして、スリープ制御信号処理部240は、生成されたスリープ解除通知又はスリープ設定通知、すなわちスリープ制御信号を、DBA制御部280に送信する。さらに、スリープ制御信号処理部240は、スリープ状態管理テーブル250のONU110−2に対応するスリープ状態移行フラグ250−3の値を「on」に変更する。これによって、OLT100は、ONU110−2が状態を移行していることを認識することができる。
【0191】
スリープ制御信号処理部240からスリープ制御信号を送信された場合、DBA制御部280は、スリープ制御信号の内容と受信パワー管理テーブル285とに従って、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を生成する。
【0192】
具体的には、DBA制御部280は、受信パワー管理テーブル285が帯域割り当てなしを示すONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、帯域割り当てありを示すONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を生成する。生成されたグラント信号には、スリープ制御信号が含まれる。その後、DBA制御部280は、電気/光変換部220を介して各ONU110に、生成されたグラント信号を送信する(ステップ1530)。
【0193】
ステップ1540〜ステップ1590までの処理は、図8のステップ910〜ステップ960と同様である。しかし、ステップ1530からステップ1590の間、DBA制御部280は、帯域割り当てなしのONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、帯域割り当てありのONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てることを示すグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0194】
なお、第3の実施形態において、光強度の弱いONU110は、光強度の強いONU110より、帯域割り当てにおいて不利、すなわち、帯域を割り当てられる頻度が低下するため、ONU110−2の状態を移行する処理が終了した後、OLT100が光強度の弱いONU110への帯域を補填してもよい。これによって、OLT100からの距離等による帯域割当ての不利を低減することができる。
【0195】
図18は、本発明の第3の実施形態のONU110−2が運用状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0196】
図18は、図17が実行される際のOLT100と各ONU110とのシーケンス図を示す。なお、図18に示すシーケンス図において、ONU110−1とOLT100との距離は、ONU110−2とOLT100との距離よりも近い。すなわち、ONU110−1から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも強い。また、ONU110−3とOLT100との距離は、ONU110−2とOLT100との距離よりも遠い。すなわち、ONU110−3から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも弱い。
【0197】
OLT100は、ONU110−2の状態を運用状態へ移行すると決定した場合、ONU110−2宛てのスリープ解除通知を含むグラント信号1600を、各ONU110に送信する。グラント信号1600は、ONU110−2以外のONU110のうち、帯域割当てありと判定されたONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てることを示す。図18において、帯域割当ありと判定されたONU110は、ONU110−1である。
【0198】
グラント信号1600を受信した場合、ONU110−2は、スリープ状態から運用状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2が運用状態へ移行するための期間1620(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2より光強度が弱いONU110には、グラント信号1600によって帯域を割り当てられない。このため、期間1620において、ONU110−2の状態が不安定となり、そして、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110(ONU110−3)から送信される上りフレームに誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0199】
グラント信号1600を受信した場合、ONU110−1は、グラント信号1600が示すONU110−1に割り当てられた帯域に従って、上りフレーム1630を送信する。
【0200】
また、OLT100は、ONU110−2から起動完了通知1610を受信するまで、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、ONU110−2よりも光強度が強いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0201】
ONU110−2におけるすべての機能が運用状態へ移行した後、ONU110−2は、OLT100に起動完了通知1610を送信する。OLT100は、ONU110−2から送信された起動完了通知1610を受信することによって、ONU110−2の状態が運用状態へ移行したと判定する。その後、OLT100は、通常のDBA処理を行う。すなわち、起動完了通知1610を受信後、各ONU110の必要に応じて、各ONU110に上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0202】
図19は、本発明の第3の実施形態のONU110−2がスリープ状態へ移行する際に、ONU110から送信される上りフレームが制御される処理を示すシーケンス図である。
【0203】
なお、図19に示すシーケンス図において、図18と同じく、ONU110−1から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも強く、ONU110−3から送信される信号の光強度は、ONU110−2から送信される信号の光強度よりも弱い。
【0204】
OLT100は、ONU110−2の状態をスリープ状態へ移行すると決定した場合、スリープ設定通知を含むグラント信号1700を、各ONU110に送信する。グラント信号1700は、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110には、帯域を割り当てないことを示す。
【0205】
グラント信号1700を受信した場合、ONU110−2は、運用状態からスリープ状態へ移行する処理を開始する。ONU110−2がスリープ状態へ移行するための期間1710(例えば5ミリ秒)において、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110には、グラント信号1700によって帯域が割り当てられていない。このため、期間1710において、ONU110−2の状態が不安定となり、そして、意図しない誤発光がONU110−2から発生した場合も、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110(ONU110−3)から送信される上りフレームに誤発光が干渉することを防ぐことができる。
【0206】
また、OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定されるまで、ONU110−2よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てず、ONU110−2よりも光強度が強いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てるためのグラント信号を、各ONU110に送信する。
【0207】
OLT100は、ONU110−2との通信が切断されたと判定された場合、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定する。そして、OLT100は、通常のDBAを再開する。すなわち、ONU110−2がスリープ状態へ移行したと判定した後、各ONU110の必要に応じて、上りフレームを送信するための帯域を割り当てる。
【0208】
第3の実施形態によれば、OLT100による上りフレームを送信するための帯域制御によって、状態を移行しているONU110よりも光強度が弱いONU110に、上りフレームを送信するための帯域を割り当てない。このため、スリープ状態へ移行または運用状態へ移行する際、状態を移行しているONU110から意図しない誤発光が発生した場合も、他のONU110から送信される上りフレームのパケットロスを引き起こすことを防ぐことができる。
【0209】
さらに、第3の実施形態によれば、状態を移行するONU110から発生する後発光によって干渉されるおそれのないONU110には、上りフレームの帯域を割り当てるため、帯域を割り当てるONU110を増加させることができ、システムの可用性を高めることができる。
【0210】
本実施形態のOLT100は、スリープ状態へ移行又は運用状態へ移行する際に、ONU110から発生する意図しない誤発光によって、他のONU110からの上りフレームがパケットロスすることを防止できる。
【符号の説明】
【0211】
10 PON
100 OLT
110、110−1〜110−n ONU
120 光スプリッタ
130 幹線光ファイバ
140、140−1〜140−n 支線光ファイバ
180、180−1〜180−n 電話(TEL)
190、190−1〜190−n PC
200 電気側送受信部
210 媒体アクセス制御部
220 電気/光変換部
230 制御部
280 DBA制御部
290 受信パワー検出部
300 電気/光変換部
310 媒体アクセス制御部
320 キューバッファ部
330 キューバッファ管理部
340 電気側送受信部
350 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、
前記光回線装置は、
前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、
第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする光回線装置。
【請求項2】
前記光回線装置は、
前記光ネットワーク装置が状態を移行しているか否かを示す第1の情報を保持し、
前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す値を、前記第1の時刻までに、前記第1の情報に格納し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理が終了したことを示す値を、前記第1の情報に格納し、
前記第1の情報が、前記光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す場合、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第2の光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項1に記載の光回線装置。
【請求項3】
前記状態は、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができる第1の状態と、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができない第2の状態とを含み、
前記光回線装置は、
前記第2の状態から前記第1の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記状態を移行する処理が終了したことを示す通知を、前記第1の光ネットワーク装置から受信した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定し、
前記第1の状態から前記第2の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置と通信できないことを検知した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定することを特徴とする請求項2に記載の光回線装置。
【請求項4】
前記光回線装置は、
前記光ネットワーク装置から送信される信号の光強度を測定し、
前記第1の光ネットワーク装置から送信される信号の光強度よりも低い光強度によって、前記信号を送信する前記光ネットワーク装置を、前記第2の光ネットワーク装置として特定することを特徴とする請求項3に記載の光回線装置。
【請求項5】
前記光回線装置は、
ディスカバリが行われる時間を保持し、
前記第1の時刻が前記ディスカバリが行われる時間に含まれるように、前記第1の時刻を決定することを特徴とする請求項1に記載の光回線装置。
【請求項6】
前記光回線装置は、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記ディスカバリが行われる時間を継続することによって、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項5に記載の光回線装置。
【請求項7】
複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置による帯域制御方法であって、
前記光回線装置は、プロセッサ及びメモリを有し、
前記光回線装置は、前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記光回線装置が、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする帯域制御方法。
【請求項8】
前記光回線装置は、前記光ネットワーク装置が状態を移行しているか否かを示す第1の情報を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す値を、前記第1の時刻までに、前記第1の情報に格納し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理が終了したことを示す値を、前記第1の情報に格納し、
前記第1の情報が、前記光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す場合、前記光回線装置が、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第2の光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項7に記載の帯域制御方法。
【請求項9】
前記状態は、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができる第1の状態と、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができない第2の状態とを含み、
前記方法は、
前記第2の状態から前記第1の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記状態を移行する処理が終了したことを示す通知を、前記第1の光ネットワーク装置から受信した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定し、
前記第1の状態から前記第2の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置と通信できないことを検知した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定することを特徴とする請求項8に記載の帯域制御方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記光回線装置が、前記光ネットワーク装置から送信される信号の光強度を測定し、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置から送信される信号の光強度よりも低い光強度によって、前記信号を送信する前記光ネットワーク装置を、前記第2の光ネットワーク装置として特定することを特徴とする請求項9に記載の帯域制御方法。
【請求項11】
前記光回線装置は、ディスカバリが行われる時間を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、前記第1の時刻が前記ディスカバリが行われる時間に含まれるように、前記第1の時刻を決定することを特徴とする請求項7に記載の帯域制御方法。
【請求項12】
前記方法は、前記光回線装置が、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記ディスカバリが行われる時間を継続することによって、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項11に記載の帯域制御方法。
【請求項13】
複数の光ネットワーク装置、及び、前記各光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置を有する光ネットワークシステムであって、
前記光回線装置は、
前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、
第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項1】
複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置であって、
前記光回線装置は、
前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、
第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする光回線装置。
【請求項2】
前記光回線装置は、
前記光ネットワーク装置が状態を移行しているか否かを示す第1の情報を保持し、
前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す値を、前記第1の時刻までに、前記第1の情報に格納し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理が終了したことを示す値を、前記第1の情報に格納し、
前記第1の情報が、前記光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す場合、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第2の光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項1に記載の光回線装置。
【請求項3】
前記状態は、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができる第1の状態と、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができない第2の状態とを含み、
前記光回線装置は、
前記第2の状態から前記第1の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記状態を移行する処理が終了したことを示す通知を、前記第1の光ネットワーク装置から受信した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定し、
前記第1の状態から前記第2の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置と通信できないことを検知した場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定することを特徴とする請求項2に記載の光回線装置。
【請求項4】
前記光回線装置は、
前記光ネットワーク装置から送信される信号の光強度を測定し、
前記第1の光ネットワーク装置から送信される信号の光強度よりも低い光強度によって、前記信号を送信する前記光ネットワーク装置を、前記第2の光ネットワーク装置として特定することを特徴とする請求項3に記載の光回線装置。
【請求項5】
前記光回線装置は、
ディスカバリが行われる時間を保持し、
前記第1の時刻が前記ディスカバリが行われる時間に含まれるように、前記第1の時刻を決定することを特徴とする請求項1に記載の光回線装置。
【請求項6】
前記光回線装置は、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記ディスカバリが行われる時間を継続することによって、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項5に記載の光回線装置。
【請求項7】
複数の光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置による帯域制御方法であって、
前記光回線装置は、プロセッサ及びメモリを有し、
前記光回線装置は、前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記光回線装置が、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする帯域制御方法。
【請求項8】
前記光回線装置は、前記光ネットワーク装置が状態を移行しているか否かを示す第1の情報を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す値を、前記第1の時刻までに、前記第1の情報に格納し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理が終了したことを示す値を、前記第1の情報に格納し、
前記第1の情報が、前記光ネットワーク装置が状態を移行していることを示す場合、前記光回線装置が、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第2の光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項7に記載の帯域制御方法。
【請求項9】
前記状態は、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができる第1の状態と、前記光ネットワーク装置から前記光回線装置に通信ができない第2の状態とを含み、
前記方法は、
前記第2の状態から前記第1の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記状態を移行する処理が終了したことを示す通知を、前記第1の光ネットワーク装置から受信した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定し、
前記第1の状態から前記第2の状態へ前記状態を移行する処理を、前記第1の光ネットワーク装置に開始させるため、前記状態制御信号を前記第1の光ネットワーク装置に送信した後、前記第1の光ネットワーク装置と通信できないことを検知した場合、前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定することを特徴とする請求項8に記載の帯域制御方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記光回線装置が、前記光ネットワーク装置から送信される信号の光強度を測定し、
前記光回線装置が、前記第1の光ネットワーク装置から送信される信号の光強度よりも低い光強度によって、前記信号を送信する前記光ネットワーク装置を、前記第2の光ネットワーク装置として特定することを特徴とする請求項9に記載の帯域制御方法。
【請求項11】
前記光回線装置は、ディスカバリが行われる時間を、前記メモリに保持し、
前記方法は、
前記光回線装置が、前記第1の時刻が前記ディスカバリが行われる時間に含まれるように、前記第1の時刻を決定することを特徴とする請求項7に記載の帯域制御方法。
【請求項12】
前記方法は、前記光回線装置が、前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記ディスカバリが行われる時間を継続することによって、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする請求項11に記載の帯域制御方法。
【請求項13】
複数の光ネットワーク装置、及び、前記各光ネットワーク装置と光通信によって接続される光回線装置を有する光ネットワークシステムであって、
前記光回線装置は、
前記各光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する時刻を保持し、
第1の光ネットワーク装置の状態を移行する場合、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を開始する第1の時刻を決定し、
前記第1の光ネットワーク装置に状態を移行する処理を開始させるため、前記第1の時刻を含む状態制御信号を、前記第1の光ネットワーク装置に送信し、
前記第1の時刻から、前記第1の光ネットワーク装置が状態を移行する処理を終了したと判定するまで、前記光回線装置に信号を送信するための帯域を、前記第1の光ネットワーク装置以外の第2の前記光ネットワーク装置に割り当てないことを特徴とする光ネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−249152(P2012−249152A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120354(P2011−120354)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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