説明

光固定減衰器用端末部材

【目的】 構造が簡単で容易かつ低価格に製造でき、組立て作業性を簡略化できると共に、反射減衰量の低下がない光固定減衰器用端末部材を提供する。
【構成】 円筒状部材1内に光ファイバを内蔵する光固定減衰器用端末部材であって、前記円筒状部材1はその両端に凸球状の研磨面21を有すると共に、その略中央部に形成された大径の段部3およびこの段部の一部に形成された回転止め部(溝)31を有し、前記光ファイバは遷移金属がドーピングされた高濃度光ファイバ4であることを特徴とする。高濃度光ファイバ4の吸収損失は100000dB/Km以上であり、コバルト、鉄またはニッケルから選ばれた遷移金属がドーピングされいる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、光ファイバ伝送路の中間に配置し、光コネクタ伝送エネルギの調整または光通信システムの測定時の光パワー調整などに用いられる高損失光ファイバ内蔵型光固定減衰器における端末部材の改良に関し、さらに詳しくはとくに画像伝送や、高速の光信号を伝送するシステムなどに用いられる大きな反射減衰量を必要とする光固定減衰器用端末部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ伝送路の中間に配置し、光コネクタ伝送エネルギの調整または光通信システムの測定時の光パワー調整などに用いられる光固定減衰器における端末部材の構造としては、■吸収の大きい光ファイバを内蔵した円筒状部材(フェルール)を用いる構造、■通常の光ファイバを内蔵した2本のフェルールの中間、または通常の光ファイバを内蔵した1本のフェルールの途中に設けた切欠き部に、予め所定の減衰特性を持たせたフィルタを挟む構造、および■光ファイバを内蔵した2本のフェルールの内一方のフェルールの片端面、または両方のフェルールの片端面に、所定の減衰特性を持たせた薄膜を蒸着する方法などが知られている。
【0003】
しかるに、上記従来例■の構造では、フェルールの両端が平面研磨されているため、光コネクタプラグと接続した場合に、光ファイバ端面間にわずかな空気層が生じ、反射減衰量が低下するばかりか、フェルール自体がハウジングに固定されている構造であるため、光コネクタプラグと接続する際に、十分な位置合わせ精度を確保しにくいという問題があった。
【0004】
また、上記従来例■および■の構造では、サブミクロンの寸法精度が必要なフェルールを複数本用い、かつこれらを精密に位置合わせするための精密な割りスリーブを用いる必要があるため、部材費が高価になるばかりか、これら複数本のフェルールを整列させてハウジングに固定するための構造および組立て作業性も複雑となり、低価格に光固定減衰器を構成することが困難であった。しかも、高硬度のステンレススチールまたはアルミナやジルコニアなどのセラミック材料から作られたフェルールの途中に、微小間隔のスリット加工を行うために用いるダイヤモンドソーが磨耗または破損しやすく、加工価格が高価になるという問題もあった。さらに、精度の必要な光ファイバやフェルールばかりか、所定の特性を有する蒸着膜やフィルターなどを使用しなくてはならないことも、光固定減衰器の低価格化を妨げる原因となっていた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は、上述した従来の光固定減衰器用端末部材における問題点を解決するためになされたものであり、構造が簡単で容易かつ低価格に製造でき、組立て作業性を簡略化できると共に、反射減衰量の低下を起こすことがない光固定減衰器用端末部材の提供を目的とするものである。
【0006】
上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、1本の円筒状部材と、吸収損失がきわめて高い高濃度光ファイバからなり、かつ前記円筒状部材の端部および中央部に特定の構造を付与した光固定減衰器用端末部材が上記目的を満たし、光固定減衰器を構成するためのキー部品として有効であることを見出し、この考案をなすに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この考案の光固定減衰器用端末部材は、円筒状部材内に光ファイバを内蔵する光固定減衰器用端末部材であって、前記円筒状部材はその両端に凸球状の研磨面を有すると共に、その略中央部に大径の段部およびこの段部の一部に回転止め部を有し、前記光ファイバは遷移金属がドーピングされた高濃度光ファイバであることを特徴とする。
【0008】
また、この考案の光固定減衰器用端末部材においては、高濃度光ファイバの吸収損失が100000dB/Km以上であることを特徴とする。
【0009】
さらに、この考案の光固定減衰器用端末部材においては、光ファイバにドーピングされる遷移金属が、コバルト、鉄およびニッケルから選ばれた少なくとも1種であり、これら遷移金属の光ファイバに対するドーピング濃度が、コバルトの場合が100ppm 以上、鉄およびニッケルの場合が1000ppm 以上であることを特徴とする。
【0010】
【作用】
この考案の光固定減衰器用端末部材は、高濃度光ファイバを円筒状部材に接着固定した後、円筒状部材の両端面を凸球状に研磨することにより、低価格で容易に製造することができ、小型化が可能で、光固定減衰器の構造を大幅に簡素化することができる。
【0011】
また、この考案の光固定減衰器用端末部材を用いて光固定減衰器を構成する場合は、光コネクタプラグと接続した使用時に、円筒状部材の段部を浮動保持することによって、この光固定減衰器用端末部材と光コネクタプラグのフェルールとを精度良く配列することができ、しかも前記段部に形成した回転止め部を利用して光固定減衰器用端末部材を回転不能に保持することにより、回転方向の位置決めが可能であるため、光ファイバの偏心方向の調整を容易に行うことができることから、組立て作業性がきわめて簡略化される。
【0012】
さらに、この考案の光固定減衰器用端末部材は、円筒状部材に内蔵される高濃度光ファイバの吸収損失を100000dB/Km以上とすることによって、3dB以上の高い減衰量を実現することができ、しかもこの高濃度光ファイバを両端面が凸球状に研磨された円筒状部材内に内蔵した状態で光コネクタプラグ内の光ファイバとのPC接続を行うことから、接続部における光ファイバ端面内に空気層を発生せず、光信号の内部反射を起こす恐れがないため、高い反射減衰量を保持することができる。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照しつつ、この考案の光固定減衰器用端末部材の実施例について詳細に説明する。
【0014】
図1はこの考案の光固定減衰器用端末部材の一実施例を示す斜視図、図2は同じく断面図、図3は光ファイバにドーピングする遷移金属の波長(横軸)と吸収損失(縦軸)の関係を示すグラフ、図4はこの考案の光固定減衰器用端末部材を用いて光固定減衰器を組立てる過程を示す断面説明図、図5は図4におけるA−A線断面図、図6はこの考案の光固定減衰器用端末部材を用いて組立てた光固定減衰器の断面図である。
【0015】
図1および図2において、この考案の光固定減衰器用端末部材(以下、端末部材と呼ぶ)1は、通常の高濃度光ファイバに用いるフェルールと同様の外径を有する円筒状部材(以下、フェルールと呼ぶ)2と、このフェルール2の軸心上に設けられた精密穴内に、接着剤5などにより固定された高濃度光ファイバ4とからなる。
【0016】
フェルール2の両端には、高濃度光ファイバ4の中心を頂点として、凸球状の研磨面(以下、単に端面と呼ぶ)21、21´が形成されており、さらにフェルール2の略中央部には大径の段部3が、またこの段部3の一部には回転止め部としての溝部31がそれぞれ形成されている。なお、回転止め部としては上記の溝部31の代わりに突起を形成してもよい。
【0017】
フェルール2の形成材料としては、ジルコニアなどのセラミック材料や、ステンレスなどの金属材料が用いられる。
【0018】
大径の段部3は、プラスチック材料または金属材料などから形成された円筒状のリングからなり、これをフェルール2に装着して、接着剤または圧入することにより、フェルール2の略中央部に固定されている。
【0019】
上記の構成からなるフェルール2に必要な精度は、外径、後述する高濃度光ファイバの挿入孔径、およびこの挿入孔の偏心などにあり、これらはいずれも通常の光コネクタプラグに用いられるフェルールの場合と同様に実現できる。
【0020】
また、上記フェルール2に後述する高濃度光ファイバ4を内蔵してなるこの考案の端末部材1は、高濃度光ファイバ4をフェルール2内に接着固定した後、フェルール2の両端面を研磨して凸球状の端面21、21´することにより製造することができ、従来のように2本のフェルールを固定したり、それらの途中にスリットを設けたりする複雑な作業が不要となるため、この考案の端末部材1を使用することによって、光固定減衰器の大幅な簡素化および軸方向長さの短尺化が可能となる。
【0021】
上記フェルール2に内蔵される光ファイバは、吸収損失が100000dB以上の高濃度光ファイバ4であり、この高濃度光ファイバ4を内蔵してなるたとえば長さ3cmの端末部材1を光伝送路に挿入することによって、3dB以上の減衰量を実現することができる。このような高濃度光ファイバの製造は、その外径寸法、コアの偏心量およぴコア径などを従来の光ファイバと同等の高精度となし、ドーピングする金属の種類およびその濃度を変更するだけで、従来技術により容易に製造することができる。
【0022】
また、ドーピングする金属の種類およびその濃度を変更することにより、所定の規格に応じて吸収損失をキロメータ辺り100000dBから1000000dB程度まで任意に設定することができるため、端末部材1の構造や組立て作業を従来と同一のままにして、所望の規格に応じた高濃度光ファイバ4を用いるだけで、たとえば5dB、10dB、20dBなどの光固定減衰器を容易に製造することができる。
【0023】
この考案で用いる高濃度光ファイバ4は、コバルト、鉄またはニッケルから選ばれた遷移金属をドーピングしていることから、図3(宮下忠、高橋志郎、“ソーダ石灰ガラス中の遷移金属イオンの光吸収”、通研実報、22、9;(1973)2467頁から引用)に示すように、クロムや銅などの他の金属の場合と比較して、1.2μmから1.6μm程度の波長領域において平坦な(ほぼ一様な)吸収損失特性を有するため、これらの波長領域で均一な減衰量を有する光固定減衰器を構成することができる。とくに、単一モードファイバ伝送装置においては、通常1.3μmおよび1.55μmの波長を有する光が使用されるが、この考案の端末部材によればこれら両方の波長の光に対して、同一特性を有する光固定減衰器を実現することが可能となる。なお、上述した従来技術における蒸着膜やフィルタでは、このような比較的広い波長領域に対して均一な特性を持たせることが困難であり、ある程度均一な波長特性を得るためには、たとえば蒸着膜を5〜6以上の層数となした多層膜にする必要があり、低価格化が阻害されていたのである。
【0024】
また、光ファイバに対しドーピングされる遷移金属の濃度を、コバルトの場合は100ppm 以上、鉄およびニッケルの場合は1000ppm 以上とすることによって、キロメーター当たりの吸収損失を100000dB以上とすることが可能である。
【0025】
上記の特性によれば、この考案の端末部材1は従来に増して小型化が可能であり、光固定減衰器の長さを、実装性の面から望ましい数cm程度以下に短尺化することが可能である。
【0026】
また、たとえば上述した従来技術においては、光固定減衰器内部の2本の光ファイバの間に、光ファイバコアとは材質が異なるフィルタや蒸着膜(場合によっては空気層)が配置される構造、または両端面を平面状に研磨したフェルールを用いる構造であったため、2本の光ファイバの間に空気層が存在したり、または光固定減衰器と光コネクタプラグのフェルールとの接触部にわずかな空隙(空気層)を生じたりすることとなり、光ファイバコアと空気との屈折率の相違によりフレネル反射に起因する光信号の反射が発生するという不具合があった。
【0027】
これに対し、この考案の端末部材1の他の重要な特徴として、所定の減衰量を得るための損失が吸収損失であるため、光固定減衰器の内部で伝送する光信号に反射の発生がないことが挙げられる。
【0028】
すなわち、通常伝送路に挿入される光固定減衰器と、伝送路を接続する光コネクタプラグなどの接続部品との接続点においては、高速デジタルシステムなどでは20dB以上の反射減衰量が、また画像伝送などのシステムでは30〜40db以上の減衰量がそれぞれ必要とされるが、たとえば光ファイバ間に空気層が存在する場合の反射減衰量は14dB程度となるため、上記の要求を満たすことができない。したがって上述した従来技術においては、空気層の発生をなくしたり、フイルタや蒸着膜を用いる場合にはこれらを反射防止構造の部材としたり、またはこれらフィルタや蒸着膜の両端のフェルール端面を斜め研磨(フェルール軸垂直方向に対してフェルール端面を約8°程度傾けて研磨する)したりするなどの処置を施す必要があった。
【0029】
しかるに、この考案の端末部材1によれば、光固定減衰器内に単一の高濃度光ファイバ4を内蔵し、かつこの高濃度光ファイバ4と光コネクタプラグ内の光ファイバとのPC接続を、フェルール2の両端面に研磨形成した凸球状の端面21、21´により行うため、接続部における光ファイバ端面間に隙間が形成されず、すなわち空気層が発生せず、通常のPC型光コネクタプラグの場合と同様に、通常25dB以上の反射減衰量を実現することができるのである。
【0030】
次に、この考案の端末部材1を用いて光固定減衰器を組立てる過程および組立てられた光固定減衰器の構成について、図4〜図6にしたがって説明する。
【0031】
図4において、6はこの考案の端末部材1を内蔵した光固定減衰器、7は前記光固定減衰器6と組合わせて用いる光コネクタアダプタ、8は同じく光コネクタプラグであり、前記光固定減衰器6の両端に前記光コネクタアダプタ7および光コネクタプラグ8が接続されるようになっている。
【0032】
そして、この考案の端末部材1を光固定減衰器6に内蔵せしめるに際しては、図5に示したように、フェルール2の段部3に形成された溝31と、光固定減衰器6の内部に形成された係止突起67とを係止し、端末部材1を回転しないようにフェルール保持穴68内に保持させる。
【0033】
これにより端末部材1と光固定減衰器6の割スリーブ61は、フェルール保持穴68およびその後部681内に、多少移動可能に浮動保持されることになる。
【0034】
また、光固定減衰器6には、光コネクタアダプタ7と嵌合して係止/解除ができるように、光コネクタアダプタ7側に係止片65およびこれと連なるレバー6が設けられており、さらに光コネクタプラグ8と係止できるように光コネクタプラグ8側に係止部64が設けられている。
【0035】
この考案の端末部材1を内蔵した光固定減衰器6を実際に使用する場合には、その先端62を光コネクタアダプタ7の端部73から光コネクタアダプタ7内に挿入し、係止片65と係止部72を係止させると共に、その後端63に光コネクタプラグ8の先端85を挿入して、係止部64を光コネクタプラグ8側の係止部83と係止させることにより、図6に示した接続構造となす。
【0036】
光コネクタプラグ8内のフェルール81には、その軸心上に光ファイバケーブル82の光ファイバ(図示せず)が端面811まで到達するように保持されており、フェルール81の端面811は、この考案の端末部材1の端面と同様に、凸球状に研磨されている。また、フェルール81はスプリング86により先端85側への押圧力が付与されている。
【0037】
光コネクタアダプタ7は、その内部に割スリーブ9を保持しており、この割スリーブ9は光固定減衰器6や光コネクタプラグ8と嵌合した場合に、それらのフェルール2やフェルール81を精度良く整列するために機能する。
【0038】
かくして、図6に示したように光固定減衰器6、光コネクタアダプタ7および光コネクタプラグ8が接続し、組立てられた状態が得られるが、図6において光コネクタアダプタ7の他端には接続されるべき他の光コネクタプラグ8´が装着される。
【0039】
上記の組立て過程において、この考案の端末部材1は、その段部31を光固定減衰器6内に浮動保持する構造とすることによって、光コネクタプラグ8と接続した使用時において、端末部材1と光コネクタプラグ8のフェルール81とを浮動状態で精度良く整列することができ、振動などの機械的性質にすぐれると共に、挿入損失の低い光固定減衰器を容易に実現することができる。
【0040】
また、この考案の端末部材1は、その段部3に形成した回転止め部としての溝部31を利用して、端末部材1を光固定減衰器内部に回転不能に保持でき、かつ回転方向の位置決めが可能であるため、端末部材1に対する高濃度光ファイバ2のコア中心の偏心方向を一定とするいわゆる偏心方向の調整が可能であり、とくに単一モードファイバ用として好適に利用することができる。さらに、光コネクタプラグ8を着脱する場合の端末部材1の回転による着脱特性の変動をなくすことも可能である。
【0041】
図6において、光信号はたとえば一方の光コネクタプラグ8の光ファイバケーブル82からフェルール81内の光ファイバ(図示せず)を通り、フェルール81の端面811と接触している光固定減衰器6における端末部材1の端面1から高濃度光ファイバ(図示せず)に導かれる。導かれた光信号は、高濃度光ファイバ4内で他の端面21´に伝わる間に所定の減衰量で減衰され、さらに端面21´と接触している他方の光コネクタプラグ8´内のフェルール81´の端面811´から、そのフェルール81´内に保持されている光ファイバ(図示せず)に導かれる。
【0042】
このときに、端面21、21´と端面811、811´は、これらが凸球状に研磨されており、しかも光コネクタプラグ8、8´のスプリング86、86´(86´は図示せず)により互いに押圧されて密着しているため、接続される光ファイバの端面間には空気層が生ずることがない。したがって、この考案の端末部材1を用いた光固定減衰器6においては、いわゆるフレネル反射を生ずることがなく、所定の減衰量が得られると共に、反射のない特性を実現することができる。
【0043】
なお、上述した実施例においては、端末部材1の段部3に形成する回転止め部としての溝部31を1個所としているが、複数個所に形成することも可能である。また、端末部材1の段部3は円筒状のリング形状としているが、四角形などの他の形状に変更することもできる。さらに、多モードファイバに用いるなどの、端末部材1の回転が許容される場合には、段部3の溝部31を省略することができる。
【0044】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案の光固定減衰器用端末部材は、小型かつ簡単な構造で、容易かつ低価格に製造でき、組立て作業性を簡略化できると共に、光固定減衰器の簡素化および短尺化により、その小型化および高密度実装化などを期待することができる。
【0045】
また、この考案の光固定減衰器用端末部材は、光信号の内部反射を起こす恐れがなく、高い反射減衰量を保持することができるため、高価な光アイソレータを併用せずに、高速光信号を用いるシステムや、画像伝送システムを低価格に構成することができ、単一モードファイバ用の光固定減衰器としての理想的な性能を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの考案の光固定減衰器用端末部材の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は同じく断面図である。
【図3】図3は光ファイバにドーピングする遷移金属の波長(横軸)と吸収損失(縦軸)の関係を示すグラフである。
【図4】図4はこの考案の光固定減衰器用端末部材を用いて光固定減衰器を組立てる過程を示す断面説明図である。
【図5】図5は図4におけるA−A線断面図である。
【図6】図6はこの考案の光固定減衰器用端末部材を用いて組立てた光固定減衰器の断面図である。
【符号の説明】
1 光固定減衰器用端末部材(端末部材)
2 円筒状部材(フェルール)
21、21´ 端面(凸球状)
3 段部
31 溝部(回転止め部)
4 高濃度光ファイバ
5 接着剤
6 光固定減衰器
61 割スリーブ
62 先端
63 後端
64 係止部
65 係止片
66 レバー
67 係止突起
68 フェルール保持穴
681 後部
7 光コネクタアダプタ
71 アダプタ本体
72 係止部
8 光コネクタプラグ
81 フェルール
811 端面
82 光ファイバケーブル
83 係止片
84 レバー
85 先端
86 スプリング
9 割スリーブ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 円筒状部材内に光ファイバを内蔵する光固定減衰器用端末部材であって、前記円筒状部材はその両端に凸球状の研磨面を有すると共に、その略中央部に大径の段部およびこの段部の一部に回転止め部を有し、前記光ファイバは遷移金属がドーピングされた高濃度光ファイバであることを特徴とする光固定減衰器用端末部材。
【請求項2】 高濃度光ファイバの吸収損失が100000dB/Km以上であることを特徴とする請求項1に記載の光固定減衰器用端末部材。
【請求項3】 光ファイバにドーピングされる遷移金属が、コバルト、鉄およびニッケルから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の光固定減衰器用端末部材。
【請求項4】 光ファイバに対する遷移金属のドーピング濃度が、コバルトの場合が100ppm 以上、鉄およびニッケルの場合が1000ppm 以上であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の光固定減衰器用端末部材。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】実開平5−15002
【公開日】平成5年(1993)2月26日
【考案の名称】光固定減衰器用端末部材
【国際特許分類】
【出願番号】実願平3−61547
【出願日】平成3年(1991)8月5日
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)