説明

光増幅用反射板

【課題】 低コストで汎用性が高く、照度を上げ且つ照度ムラがなく、ギラツキ感のない反射光により雰囲気中を明るくすることができ、表面上にほこりなどの汚れがつきにくく反射効果を長期間持続することができる反射板の提供。
【解決手段】 弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質を基材とし、その基材表面に形成する接着層を介して、主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルムを張り合わせ、そのフイルム表面上にフッ素またはシリコンなどの高分子樹脂を塗布して四層構造の反射板を構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光燈などの裏側に装着しその蛍光燈などの光をロスなく前面に拡散照射させるための燈具用の反射板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より蛍光燈などの燈具はその光の明るさを効率よく確保するために金属製の白色塗装板を反射板として利用してきた。ところが最近省エネ意識の高まりも手伝い既存の反射板よりももっと高効率の反射板が考えられている。たとえば、アルミなどの金属素地にメッキ加工などの鏡面仕上げを施し光線反射率を上げ、更にこれに光を効率よく拡散させるための一定の角度をつける曲げ加工を施した上で蛍光燈背面に装着するもの。また、フイルム状の細長い帯で一方にアルミ蒸着などの加工で反射層を形成し、もう一方は透明の状態のものを張り合わせてチューブ状にし、蛍光燈をそのチューブの中に差し込んでアルミ蒸着面が蛍光燈の背面にくるようにセットして使用するもの。更には、白い発砲ポリエチレンテレフレートフイルムを蛍光燈背面に貼り込むものなどがある。そしてこれらのものは一般室内用蛍光燈をはじめ、駅などの構内でよく見かけられるボックス型の広告看板、つまり表面の広告物をボックス内の蛍光燈によって明るく映し出す電照看板といわれるものに利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがこれらの反射板は、たとえばアルミなどの金属素地に鏡面加工を施し角度をつけたものは電照看板への利用では蛍光燈の部分的照度は明るくなるが蛍光燈と蛍光燈の間に影を生じさせ通称照度ムラを発生させるとか、チューブ状のものは蛍光燈背面がその構造上アルミ蒸着面に密着してしまうのであまり反射輝度が上がらないとか、発砲ポリエチレンテレフレートフイルムも電照看板においては中にびっしりと貼り込めばそれなりの効果があるものの白い隠蔽力をだすために1mm以上の厚みになってしまい高コストについてしまうなどの問題がある。またこれらの反射板は静電気などにより表面上にほこりなどの汚れが付着し効果を長期間持続できないなどの問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところで、反射材の表面は通常鏡みたいな鏡面状態か、金属表面のようなメタリック状態、または真っ白な状態が光を効率よく反射することは公知の事実である。その中でも物を照らす意味ではたとえば車のライト、懐中電灯などでは鏡みたいな鏡面またはメタリック状態のものが効果的であるのに対し、雰囲気中を明るくするとなると白い反射板で反射させた方が効果的である。そこで本考案では一般的な室内蛍光燈、または電照看板内の蛍光燈専用の反射板として、弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質を基材と主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルム、そのフイルム表面上に塗布するフッ素またはシリコンなどの高分子樹脂の組み合わせからなる高輝度反射板を提供するものである。このようにすることで、弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質の基材により、角度も最初からつけたものではなく蛍光燈、器具などに合せて自由に作り上げることができるため汎用性が向上し、これに組み合わされた主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルムにより照度を上げ且つ照度ムラがなく、ギラツキ感のない反射光により雰囲気中を明るくすることができる。更にフイルム表面上に塗布するフッ素またはシリコンなどの高分子樹脂の防汚効果により、表面上にほこりなどの汚れがつきにくくなり反射効果を長期間持続することができ、この組み合わせによる汎用性の向上により、従来の反射板にくらべて提供コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光増幅用反射板の断面概要図である。
【符号の説明】
1 弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質の基材
2 接着剤を使用した接着層
3 主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルム
4 フッ素またはシリコンなどの高分子樹脂による塗膜層

【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質を基材とし、その基材表面に形成する接着層を介して、主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルムを張り合わせ、そのフイルム表面上にフッ素またはシリコンなどの高分子樹脂が塗布されている四層構造を特徴とする光増幅用反射板。
【請求項2】 弾性復元力を有し、なお且つ二次成型により様々な形状へ成型加工が可能である性質を有する材質の基材と、主要波長400〜700nmにおける平均反射率が90%以上である発泡白色ポリエステルフイルムを接着剤を使用した接着層により一体化し、その表面上にフッ素またはシリコンなどの高分子樹脂を塗布した請求項1記載の光増幅用反射板。

【図1】
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【公開番号】特開2001−201616(P2001−201616A)
【公開日】平成13年7月27日(2001.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−45186(P2000−45186)
【出願日】平成12年1月17日(2000.1.17)
【出願人】(598094964)有限会社太陽製作所 (2)
【Fターム(参考)】