光変調装置
【課題】光変調器の入出力特性を線形に補正することを可能にする。
【解決手段】
ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置において、変調器の消光特性を線形の特性に変更するために、変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有する。
【解決手段】
ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置において、変調器の消光特性を線形の特性に変更するために、変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調装置に係り、特にYuen量子暗号に代表される光強度多値変調に用いられる光変調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Yuen量子暗号は光通信量子暗号通信とも呼ばれ、光の量子ゆらぎ(量子ショット雑音)を変調によって拡散させ、盗聴者によって光信号を正確に受信できなくする通信技術であり、共通鍵量子暗号へ適用することが提唱されている。この共通鍵量子暗号は、2値の送信データを搬送する2値の光信号を1つのセット(基底という)とし、この基底を複数M個用意し、何れの基底を使ってデータを送るかは暗号鍵に従う擬似乱数によって不規則に決める。現実的には光M値信号は量子ゆらぎによって識別ができないほど信号間距離が小さく設計されているため、結局、盗聴者は全く受信信号からデータ情報を読みとることができない。
【0003】
正規の送受信者の光変復調器は、2値のM個の基底を共通の擬似乱数にしたがって切り換えて通信するため、正規の受信者は信号間距離の大きな2値の信号判定によってデータを読みとることができる。量子ゆらぎによるエラーは無視でき、正規の送受信者間では正確な通信が可能となる。Yuen量子暗号を用いた通信の原理や送受信装置の構成については、例えば、本出願人による特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
Yuen−2000暗号通信プロトコル(Y−00と略す)による光通信量子暗号では光変調器の線形性が非常に重要である。線形性が確保されていないと各隣接信号間の光パワーの差が異なり、不正者による暗号解読の原因となる可能性がある。そのため、隣接信号間の光パワーの差が異ならないようにすることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−303927公報
【特許文献2】特開2010−114662公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長距離光通信で用いられる電界吸収型光変調器(Electromagnetic Absorption Mudulator)(以下、EA変調器と略す)は入出力特性が非線形であるため、光出力信号のクロスポイントをスペースレベルとマークレベルの中心に設定することは非常に困難であり、アイマスクの仕様を満たさないことがある。そこで、入出力特性を線形に補正してアイマスク仕様を満たすEA変調器が望まされる。
【0007】
また、EA変調器の伝送特性(BER、距離等)を決めるファクタであるαパラメータは素子毎にばらつきがあるため、出荷検査に合格させることが非常に難しいことがある。そこで、αパラメータの特性を任意に変化させることが可能な技術手段が望まされる。
【0008】
また、直接変調方式でよく用いられるDFBレーザのI−L特性は線形性であるが、キンクが存在するものもある。キンクのあるDFBレーザは不良品として扱われたり、仮に製品に使用された場合でも波形歪が生じることがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、光変調器の入出力特性を線形に等価的に補正することが可能な光変調装置を得ることにある。
本発明はまた、EA変調器のαパラメータの特性を等価的に変化させることができる光変調装置を得ることにある。
本発明はまた、直接変調方式に用いられるレーザのキンクの補正や低閾値化の補正が可能な光変調装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光変調装置は、好ましくは、ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、該変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置であって、該変調器の消光特性を等価的に他の特性に変更するために、該変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有することを特徴とする光変調装置として構成される。
【0011】
好ましい例では、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器が有する非線形の消光特性を線形に補正する。
また、好ましくは、前記イコライザは、該変調器のαパラメータを調整するように、消光特性を補正するのと等価的な動きをする。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器のクロスポイントを上昇させるように、消光特性を補正する。
【0012】
また、好ましい例では、上記光変調装置において、前記変調器は直接変調用のレーザを有し、前記変調器ドライブ回路は該レーザを駆動するためのレーザドライブ回路である。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該レーザの閾値とキンクを等価的に補正を行う。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器ドライブ回路から出力されるアナログ信号を2進のデジタルに変換する2進変換器と、該デジタル信号の上位の複数ビットと下位の複数ビットにより入力信号を出力信号に変換する補正テーブルを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光変調器の入出力特性を線形に補正することが可能な光変調装置を得ることができる。また、EA変調器のαパラメータの特性を等価的に変化させることができる。また、直接変調方式に用いられるレーザのキンクや低閾値化の等価的な補正が可能な光変調装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1におけるEA変調器の消光特性の実測値と線形補正の例を示す図。
【図2】実施例1における光変調装置の構成ブロックを示す図。
【図3】実施例1における消光特性の線形補償をするためのイコライザ入出力特性を示す図。
【図4】実施例1におけるαパラメータの実測値と線形補償後の例を示す図。
【図5】実施例1における変調器ドライバ回路21の出力VEAを示す図。
【図6】実施例1におけるイコライザ22の出力V’EAを示す図。
【図7】実施例1における線形補償の有無による光ファイバ伝送波形のシミュレーション比較例を示す図。
【図8】実施例1における線形補償の有無による伝送ペナルティの比較例を示す図。
【図9】実施例1におけるイコライザの構成例を示す図。
【図10】実施例1におけるイコライザの他の構成例を示す図。
【図11】実施例1の他の構成例におけるイコライザの補正テーブルの例を示す図。
【図12】実施例1における線形補償前後のクロスポイントの相違のイメージを示す図。
【図13】実施例1における線形補償前後の多値信号の様子を示す図。
【図14】実施例1におけるαパラメータによるゼロチャープの変換の様子を示す図。
【図15】実施例2における直接変調方式による光変調器で使用されるレーザの特性を示す図。
【図16】実施例2における線形補償をするためのイコライザ入出力特性を示す図。
【図17】実施例2における線形補償の有無による光ファイバ伝送波形のシミュレーション比較例を示す図。
【図18】実施例2における光変調装置の構成ブロックを示す図。
【図19】実施例2におけるイコライザの構成例を示す図。
【図20】実施例2におけるイコライザの他の構成例を示す図。
【図21】実施例2の他の構成例におけるイコライザの補正テーブルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
[実施例1]EA光変調器の例
図1はEA変調器の消光特性の実測値と補正の例を示す。横軸は電圧、縦軸は消光特性を示す。実測値の消光特性は非線形であるので、これを線形特性に等価的に補正する。
【0016】
これを数式で説明すると、式1は消光特性の実測値の多項式近似式、式2は等価的に線形補償する消光特性の一次式を示す。この場合、式1を式2に変化させることで線形補償する。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】
図2は、非線形の消光特性を線形補償するための、光変調装置の構成例を示す。
光変調装置は、光変調器を駆動する電気信号を出力する変調器ドライブ回路21と、線形補償のための機能を有するイコライザ22と、レーザの出力(光信号の強度)を制御するEA変調器23を備えて構成される。従来の光変調装置が、変調器ドライブ回路とEA変調器で構成されるのに対して、本実施例の光変調装置は、変調器ドライブ回路21とEA変調器23の間にイコライザ22を挿入して、VEAをV’EAに変換して、線形補償を実現する。VEA をV’EA に変換するのは、式1をニュートン法で解けばよい。
【0020】
次に、イコライザ22の構成例について説明する。
図9は、一実施例によるイコライザ22の構成例を示す。
イコライザ22は、式4を実現するものであり、EA変調器23を多項式近似する。即ち、入力VEAは、複数(n−1)の乗算器92で係数b1〜bnと乗算され、その乗算結果を複数n個の加算器94で加算することで、出力V’EAが得られる。
【0021】
図10は他の例によるイコライザ22の構成例を示す。
この例では、イコライザ22は、アナログ入力VEAをデジタル2進(8ビット)に変換する2進変換器102と、上位4ビットと下位4ビットにより入力VEAを出力V’EAに変換する補正テーブル103により構成される。
この補正テーブルの例を図11に示す。補正テーブルでは、アナログ入力を2進変換した下位4ビットと上位4ビットで一致した場所に格納されている値を出力V’EAする。例えば、上位4ビットが”8”、下位4ビットが”7”の場合、V’EA=-2.1Vの電圧をEA変調器に印加することになる。
【0022】
図3は消光特性の線形補償の例を示す。
この線形補償する場合、式3を用いる。
【0023】
【数3】
【0024】
a5= -0.0106、a4= - 0.0776、a3= - 0.0987、a2=0.46、a1=1.3705、a0= 1.0311、A=0.25、B=1としたときの(式1)より求めたVEA とV’EA の計算値である。
図3を多項式近似すると、b5= 0.0039、b4=0.0276、b3= 0.0789、b2=0.0965、b1=0.2707、b0= - 0.0063 となり、b5〜b0を係数とするイコライザが必要である。また、係数は書き換え可能である。
【0025】
式4は、VEA をV’EA に変換する多項式を示す。
【0026】
【数4】
【0027】
図4は、光ファイバを通して伝送した後のBER(Bit Error Rate)を決定するαパラメータの実測値と線形補正した後の値を示す。αパラメータもVEAに依存しているため、VEAをV’EAに変換すると、αパラメータも変化する。換言すれば、光ファイバを伝送した後のBERになるように AとBの値を調節することが可能である。
図14は、αパラメータで線形補償を行うことでゼロチャープに変換するイメージを示す。
【0028】
次に、本実施例による線形補償あり(イコライザ22有り)の光変調装置と、従来の光変調装置(線形補償なし(イコライザなし)について、その波形の変化、伝送ペナルティ変化をシミュレーションの例で比較して、線形補償の効果を述べる。
図5は、変調器ドライバ回路21の出力VEAを示す。従来の光変調装置では、線形補償が無いので、この出力VEAがEA変調器23をドライブすることになる。
図6は、イコライザ22の出力V’EAを示す。本実施例では、イコライザ22により線形補償するので、この出力V’EAがEA変調器23をドライブする。
【0029】
図7は、線形補償の有無による光ファイバのシミュレーション比較例を示す。
この例は1.3umで分散が0になるSSMF(Standard single mode fiber)が0kmと80kmについてのシミュレーション例である。線形補償なしのBTB(0km)ではクロスポイントは低下し、80km伝送ではマーク側の符号間干渉が大きい。線形補償ありでは、BTBではクロスポイントは振幅中心で、80km伝送ではアイ開口が開いていることがわかる。図12は、EA変調器23における線形補償前後でのクロスポイントの相違のイメージを示す。
【0030】
図8は、線形補償の有無による伝送ペナルティの比較例を示す。
線形補償無しの場合に比べて、線形補償ありの場合の伝送ペナルティ(0kmの受信感度と光ファイバ伝送後の受信感度の差)は大幅に改善されていることがわかる。また、線形補償有りの場合は伝送後のBERを改善することもできる。
【0031】
図13は、Y−00の信号は多値信号であり、一例として4値で説明する。線形補償前の入出力特性が非線形であった場合、入力の多値間隔が同じ(D=E=F)であっても出力の多値間隔は異なる(A≠B≠C)。この場合、盗聴者は多値間隔が広い部分を重点的に攻撃することで暗号データを解読しようと試みる可能性があり、暗号解読のきっかけを作ってしまう。これを避けるために、入出力特性を線形補償することで出力の多値間隔を同じにすることができ(A’=B’=C’)、暗号解読のきっかけを防ぐことが可能となるので、Y−00における線形補償は有意義である。
【0032】
本実施例によれば、EA変調器23のドライブ信号を、変調器ドライブ回路21の出力VEAを直接使用するのではなく、イコライザ22を用いて変換したV’EAを使用することで、消光特性やαパラメータ、伝送ペナルティが改善することができる。SSMFで長距離伝送を行うには、αパラメータを最適値にする必要があるが、本実施例により、最適αパラメータに変換可能であり、長距離伝送が可能となる。
【0033】
[実施例2]直接変調方式による光変調器
図15は、直接変調方式の光変調器で使用されるレーザの特性を示す。レーザ電流Ifに対する光パワーPfは、線形補償有りのような、線形で変化する特性が理想的である。しかし、実際には線形補償無しのように不連続(キンク)が発生する場合がある。そこで、不連続特性を線形補償ありの特性に補正することを実現する。
【0034】
図15の線形補償ありの特性は、式4で表される。図示の例で、線形補償ありはIth=20mA、C=0.15mW/mAの場合である。
【0035】
式5は、図15の線形補償なしの特性を表す。
式5はIfをI’fに変換する多項式近似式を示す。
【0036】
【数5】
【0037】
式6は、図15の線形補償なしの特性を線形補償ありに変換する式を表す。
【0038】
【数6】
【0039】
If をI’f に変換するのは、式6をニュートン法で解けばよい。式6を解くと、係数はc0=25.132、c1=−1.5021、c2=0.0347、c3=‐3e‐3、c4=‐5e‐7, c5=2e‐8、c6=‐8e‐11となる。
【0040】
図16は線形補償した特性を示す。
式6より求めたIf とI’f の計算値である。図16を多項式近似すると、
d0=193.0、d1=−11.2、d2=0.335、d3=‐5.62e‐3、d4=5.39e‐5, d5=‐2.77e‐7、d6=5.93e‐10となる。
【0041】
式7は、図16で求めたd0〜d6を表現する式である。
【0042】
【数7】
【0043】
式8は、Ifを求める近似式である。
式8はイコライザ182の特性を示す。レーザドライブ回路181の入力電流Ifをイコライザ182によりI’fに変換することで等価的に線形補償される。
【0044】
【数8】
【0045】
図17は、線形補償の有無による光ファイバのBack to back(ファイバ長=0km)の光波形のシミュレーションの比較例を示す。図示のように、線形補償なしの場合は波形劣化が大きいが、線形補償を行うことによりアイ開口が開く。このように、線形補償が非常に有効であることが確認できる。
【0046】
図18は、直接変調方式による光変調装置の構成を示す。
光変調装置は、レーザを駆動する電気信号を出力するレーザドライブ回路181と、線形補償のための機能を有するイコライザ182と、レーザの出力(光信号の強度)を制御する直接変調用レーザ183(以下単にレーザ183という)を備えて構成される。従来の光変調装置が、レーザドライブ回路と直接変調用レーザで構成されるのに対して、本実施例の光変調装置は、レーザドライブ回路181とレーザ183の間にイコライザ182を挿入して、IfをI’fに変換して、線形補償を実現する。
従来の光変調装置では、イコライザを有していないので、直接変調方式における低閾値化やキンク補償機能は実現できないが、本実施例によれば、イコライザ182の線形補償機能により、直接変調方式における低閾値化やキンク補償が可能となる。
【0047】
図19は、一実施例によるイコライザ182の構成例を示す。
イコライザ192は、式7を実現するものであり、レーザ183を多項式近似する。即ち、入力Ifは、複数(n−1)の乗算器192で計数d1〜dn(193)と乗算され、その乗算結果を複数n個の加算器194で加算することで、出力I’fが得られる。
【0048】
図20は他の例によるイコライザ182の構成例を示す。
この例では、イコライザ182は、アナログ入力Ifをデジタル2進(8ビット)に変換する2進変換器202と、上位4ビットと下位4ビットにより入力Ifを出力I’fに変換する補正テーブル203により構成される。
この補正テーブルの例を図21に示す。補正テーブルでは、アナログ入力を2進変換した下位4ビットと上位4ビットで一致した場所に格納されている値を出力I’fする。例えば、上位4ビットが”8”、下位4ビットが”7”の場合、I’f=48.1mAの電流を直接変調用レーザに印加することとなる。
【0049】
以上説明したように、上記実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)長距離伝送が困難なEA変調器でも、VEAをV’EAに変換することで消光特性やαパラメータを変更して調整することができるので、長距離伝送が可能となる。
(2)光クロスポイントを上昇することができないEA変調器でも消光特性を調整することができるので、光クロスポイントの上昇が可能となる。
(3)LN変調器のように、αパラメータがドライブ電圧VEAに依存しないゼロチャ―プの実現も期待できる。(LN変調器のαパラメータ範囲=-1〜+1)
(4)Y−00において、多値間隔が不均一の場合、多値間隔が広い箇所を重点的に攻撃され、短時間でデータを解読するショートカットの発見のきっかけを作ることとなる。多値間隔を均一にすることでショートカットの発見を防止することが可能となる。
(5)多値強度変調の光伝送システムにおいて、多値間隔が不均一であってその間隔に狭い箇所があると、そこで誤りが発生して全体の誤りを支配してしまうが、本実施例によれば、多値間隔を均一にできるので、誤り発生の偏りを防止でき、全体の誤り率を改善することができる。
(6)Y−00にEA変調器や直接変調方式の変調器を用いることが可能となるため、装置の小型化、ギガビットイーサのネットワークにも挿入することが可能となる。
(7)直接変調方式のレーザにキンクがある場合でも、レーザの低閾値化やキンクの補正をすることが可能となる。
(8)多値間隔を均一化することができるので、Y−00以外の多値の強度変調装置にも適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
21:変調器ドライブ回路 22: イコライザ 23:EA変調器
102:2進変換器 103:補正テーブル
181:レーザドライブ回路 182:イコライザ 183:直接変調用レーザ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光変調装置に係り、特にYuen量子暗号に代表される光強度多値変調に用いられる光変調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Yuen量子暗号は光通信量子暗号通信とも呼ばれ、光の量子ゆらぎ(量子ショット雑音)を変調によって拡散させ、盗聴者によって光信号を正確に受信できなくする通信技術であり、共通鍵量子暗号へ適用することが提唱されている。この共通鍵量子暗号は、2値の送信データを搬送する2値の光信号を1つのセット(基底という)とし、この基底を複数M個用意し、何れの基底を使ってデータを送るかは暗号鍵に従う擬似乱数によって不規則に決める。現実的には光M値信号は量子ゆらぎによって識別ができないほど信号間距離が小さく設計されているため、結局、盗聴者は全く受信信号からデータ情報を読みとることができない。
【0003】
正規の送受信者の光変復調器は、2値のM個の基底を共通の擬似乱数にしたがって切り換えて通信するため、正規の受信者は信号間距離の大きな2値の信号判定によってデータを読みとることができる。量子ゆらぎによるエラーは無視でき、正規の送受信者間では正確な通信が可能となる。Yuen量子暗号を用いた通信の原理や送受信装置の構成については、例えば、本出願人による特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0004】
Yuen−2000暗号通信プロトコル(Y−00と略す)による光通信量子暗号では光変調器の線形性が非常に重要である。線形性が確保されていないと各隣接信号間の光パワーの差が異なり、不正者による暗号解読の原因となる可能性がある。そのため、隣接信号間の光パワーの差が異ならないようにすることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−303927公報
【特許文献2】特開2010−114662公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長距離光通信で用いられる電界吸収型光変調器(Electromagnetic Absorption Mudulator)(以下、EA変調器と略す)は入出力特性が非線形であるため、光出力信号のクロスポイントをスペースレベルとマークレベルの中心に設定することは非常に困難であり、アイマスクの仕様を満たさないことがある。そこで、入出力特性を線形に補正してアイマスク仕様を満たすEA変調器が望まされる。
【0007】
また、EA変調器の伝送特性(BER、距離等)を決めるファクタであるαパラメータは素子毎にばらつきがあるため、出荷検査に合格させることが非常に難しいことがある。そこで、αパラメータの特性を任意に変化させることが可能な技術手段が望まされる。
【0008】
また、直接変調方式でよく用いられるDFBレーザのI−L特性は線形性であるが、キンクが存在するものもある。キンクのあるDFBレーザは不良品として扱われたり、仮に製品に使用された場合でも波形歪が生じることがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、光変調器の入出力特性を線形に等価的に補正することが可能な光変調装置を得ることにある。
本発明はまた、EA変調器のαパラメータの特性を等価的に変化させることができる光変調装置を得ることにある。
本発明はまた、直接変調方式に用いられるレーザのキンクの補正や低閾値化の補正が可能な光変調装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光変調装置は、好ましくは、ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、該変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置であって、該変調器の消光特性を等価的に他の特性に変更するために、該変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有することを特徴とする光変調装置として構成される。
【0011】
好ましい例では、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器が有する非線形の消光特性を線形に補正する。
また、好ましくは、前記イコライザは、該変調器のαパラメータを調整するように、消光特性を補正するのと等価的な動きをする。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器のクロスポイントを上昇させるように、消光特性を補正する。
【0012】
また、好ましい例では、上記光変調装置において、前記変調器は直接変調用のレーザを有し、前記変調器ドライブ回路は該レーザを駆動するためのレーザドライブ回路である。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該レーザの閾値とキンクを等価的に補正を行う。
また、好ましくは、上記光変調装置において、前記イコライザは、該変調器ドライブ回路から出力されるアナログ信号を2進のデジタルに変換する2進変換器と、該デジタル信号の上位の複数ビットと下位の複数ビットにより入力信号を出力信号に変換する補正テーブルを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光変調器の入出力特性を線形に補正することが可能な光変調装置を得ることができる。また、EA変調器のαパラメータの特性を等価的に変化させることができる。また、直接変調方式に用いられるレーザのキンクや低閾値化の等価的な補正が可能な光変調装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1におけるEA変調器の消光特性の実測値と線形補正の例を示す図。
【図2】実施例1における光変調装置の構成ブロックを示す図。
【図3】実施例1における消光特性の線形補償をするためのイコライザ入出力特性を示す図。
【図4】実施例1におけるαパラメータの実測値と線形補償後の例を示す図。
【図5】実施例1における変調器ドライバ回路21の出力VEAを示す図。
【図6】実施例1におけるイコライザ22の出力V’EAを示す図。
【図7】実施例1における線形補償の有無による光ファイバ伝送波形のシミュレーション比較例を示す図。
【図8】実施例1における線形補償の有無による伝送ペナルティの比較例を示す図。
【図9】実施例1におけるイコライザの構成例を示す図。
【図10】実施例1におけるイコライザの他の構成例を示す図。
【図11】実施例1の他の構成例におけるイコライザの補正テーブルの例を示す図。
【図12】実施例1における線形補償前後のクロスポイントの相違のイメージを示す図。
【図13】実施例1における線形補償前後の多値信号の様子を示す図。
【図14】実施例1におけるαパラメータによるゼロチャープの変換の様子を示す図。
【図15】実施例2における直接変調方式による光変調器で使用されるレーザの特性を示す図。
【図16】実施例2における線形補償をするためのイコライザ入出力特性を示す図。
【図17】実施例2における線形補償の有無による光ファイバ伝送波形のシミュレーション比較例を示す図。
【図18】実施例2における光変調装置の構成ブロックを示す図。
【図19】実施例2におけるイコライザの構成例を示す図。
【図20】実施例2におけるイコライザの他の構成例を示す図。
【図21】実施例2の他の構成例におけるイコライザの補正テーブルの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
[実施例1]EA光変調器の例
図1はEA変調器の消光特性の実測値と補正の例を示す。横軸は電圧、縦軸は消光特性を示す。実測値の消光特性は非線形であるので、これを線形特性に等価的に補正する。
【0016】
これを数式で説明すると、式1は消光特性の実測値の多項式近似式、式2は等価的に線形補償する消光特性の一次式を示す。この場合、式1を式2に変化させることで線形補償する。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】
図2は、非線形の消光特性を線形補償するための、光変調装置の構成例を示す。
光変調装置は、光変調器を駆動する電気信号を出力する変調器ドライブ回路21と、線形補償のための機能を有するイコライザ22と、レーザの出力(光信号の強度)を制御するEA変調器23を備えて構成される。従来の光変調装置が、変調器ドライブ回路とEA変調器で構成されるのに対して、本実施例の光変調装置は、変調器ドライブ回路21とEA変調器23の間にイコライザ22を挿入して、VEAをV’EAに変換して、線形補償を実現する。VEA をV’EA に変換するのは、式1をニュートン法で解けばよい。
【0020】
次に、イコライザ22の構成例について説明する。
図9は、一実施例によるイコライザ22の構成例を示す。
イコライザ22は、式4を実現するものであり、EA変調器23を多項式近似する。即ち、入力VEAは、複数(n−1)の乗算器92で係数b1〜bnと乗算され、その乗算結果を複数n個の加算器94で加算することで、出力V’EAが得られる。
【0021】
図10は他の例によるイコライザ22の構成例を示す。
この例では、イコライザ22は、アナログ入力VEAをデジタル2進(8ビット)に変換する2進変換器102と、上位4ビットと下位4ビットにより入力VEAを出力V’EAに変換する補正テーブル103により構成される。
この補正テーブルの例を図11に示す。補正テーブルでは、アナログ入力を2進変換した下位4ビットと上位4ビットで一致した場所に格納されている値を出力V’EAする。例えば、上位4ビットが”8”、下位4ビットが”7”の場合、V’EA=-2.1Vの電圧をEA変調器に印加することになる。
【0022】
図3は消光特性の線形補償の例を示す。
この線形補償する場合、式3を用いる。
【0023】
【数3】
【0024】
a5= -0.0106、a4= - 0.0776、a3= - 0.0987、a2=0.46、a1=1.3705、a0= 1.0311、A=0.25、B=1としたときの(式1)より求めたVEA とV’EA の計算値である。
図3を多項式近似すると、b5= 0.0039、b4=0.0276、b3= 0.0789、b2=0.0965、b1=0.2707、b0= - 0.0063 となり、b5〜b0を係数とするイコライザが必要である。また、係数は書き換え可能である。
【0025】
式4は、VEA をV’EA に変換する多項式を示す。
【0026】
【数4】
【0027】
図4は、光ファイバを通して伝送した後のBER(Bit Error Rate)を決定するαパラメータの実測値と線形補正した後の値を示す。αパラメータもVEAに依存しているため、VEAをV’EAに変換すると、αパラメータも変化する。換言すれば、光ファイバを伝送した後のBERになるように AとBの値を調節することが可能である。
図14は、αパラメータで線形補償を行うことでゼロチャープに変換するイメージを示す。
【0028】
次に、本実施例による線形補償あり(イコライザ22有り)の光変調装置と、従来の光変調装置(線形補償なし(イコライザなし)について、その波形の変化、伝送ペナルティ変化をシミュレーションの例で比較して、線形補償の効果を述べる。
図5は、変調器ドライバ回路21の出力VEAを示す。従来の光変調装置では、線形補償が無いので、この出力VEAがEA変調器23をドライブすることになる。
図6は、イコライザ22の出力V’EAを示す。本実施例では、イコライザ22により線形補償するので、この出力V’EAがEA変調器23をドライブする。
【0029】
図7は、線形補償の有無による光ファイバのシミュレーション比較例を示す。
この例は1.3umで分散が0になるSSMF(Standard single mode fiber)が0kmと80kmについてのシミュレーション例である。線形補償なしのBTB(0km)ではクロスポイントは低下し、80km伝送ではマーク側の符号間干渉が大きい。線形補償ありでは、BTBではクロスポイントは振幅中心で、80km伝送ではアイ開口が開いていることがわかる。図12は、EA変調器23における線形補償前後でのクロスポイントの相違のイメージを示す。
【0030】
図8は、線形補償の有無による伝送ペナルティの比較例を示す。
線形補償無しの場合に比べて、線形補償ありの場合の伝送ペナルティ(0kmの受信感度と光ファイバ伝送後の受信感度の差)は大幅に改善されていることがわかる。また、線形補償有りの場合は伝送後のBERを改善することもできる。
【0031】
図13は、Y−00の信号は多値信号であり、一例として4値で説明する。線形補償前の入出力特性が非線形であった場合、入力の多値間隔が同じ(D=E=F)であっても出力の多値間隔は異なる(A≠B≠C)。この場合、盗聴者は多値間隔が広い部分を重点的に攻撃することで暗号データを解読しようと試みる可能性があり、暗号解読のきっかけを作ってしまう。これを避けるために、入出力特性を線形補償することで出力の多値間隔を同じにすることができ(A’=B’=C’)、暗号解読のきっかけを防ぐことが可能となるので、Y−00における線形補償は有意義である。
【0032】
本実施例によれば、EA変調器23のドライブ信号を、変調器ドライブ回路21の出力VEAを直接使用するのではなく、イコライザ22を用いて変換したV’EAを使用することで、消光特性やαパラメータ、伝送ペナルティが改善することができる。SSMFで長距離伝送を行うには、αパラメータを最適値にする必要があるが、本実施例により、最適αパラメータに変換可能であり、長距離伝送が可能となる。
【0033】
[実施例2]直接変調方式による光変調器
図15は、直接変調方式の光変調器で使用されるレーザの特性を示す。レーザ電流Ifに対する光パワーPfは、線形補償有りのような、線形で変化する特性が理想的である。しかし、実際には線形補償無しのように不連続(キンク)が発生する場合がある。そこで、不連続特性を線形補償ありの特性に補正することを実現する。
【0034】
図15の線形補償ありの特性は、式4で表される。図示の例で、線形補償ありはIth=20mA、C=0.15mW/mAの場合である。
【0035】
式5は、図15の線形補償なしの特性を表す。
式5はIfをI’fに変換する多項式近似式を示す。
【0036】
【数5】
【0037】
式6は、図15の線形補償なしの特性を線形補償ありに変換する式を表す。
【0038】
【数6】
【0039】
If をI’f に変換するのは、式6をニュートン法で解けばよい。式6を解くと、係数はc0=25.132、c1=−1.5021、c2=0.0347、c3=‐3e‐3、c4=‐5e‐7, c5=2e‐8、c6=‐8e‐11となる。
【0040】
図16は線形補償した特性を示す。
式6より求めたIf とI’f の計算値である。図16を多項式近似すると、
d0=193.0、d1=−11.2、d2=0.335、d3=‐5.62e‐3、d4=5.39e‐5, d5=‐2.77e‐7、d6=5.93e‐10となる。
【0041】
式7は、図16で求めたd0〜d6を表現する式である。
【0042】
【数7】
【0043】
式8は、Ifを求める近似式である。
式8はイコライザ182の特性を示す。レーザドライブ回路181の入力電流Ifをイコライザ182によりI’fに変換することで等価的に線形補償される。
【0044】
【数8】
【0045】
図17は、線形補償の有無による光ファイバのBack to back(ファイバ長=0km)の光波形のシミュレーションの比較例を示す。図示のように、線形補償なしの場合は波形劣化が大きいが、線形補償を行うことによりアイ開口が開く。このように、線形補償が非常に有効であることが確認できる。
【0046】
図18は、直接変調方式による光変調装置の構成を示す。
光変調装置は、レーザを駆動する電気信号を出力するレーザドライブ回路181と、線形補償のための機能を有するイコライザ182と、レーザの出力(光信号の強度)を制御する直接変調用レーザ183(以下単にレーザ183という)を備えて構成される。従来の光変調装置が、レーザドライブ回路と直接変調用レーザで構成されるのに対して、本実施例の光変調装置は、レーザドライブ回路181とレーザ183の間にイコライザ182を挿入して、IfをI’fに変換して、線形補償を実現する。
従来の光変調装置では、イコライザを有していないので、直接変調方式における低閾値化やキンク補償機能は実現できないが、本実施例によれば、イコライザ182の線形補償機能により、直接変調方式における低閾値化やキンク補償が可能となる。
【0047】
図19は、一実施例によるイコライザ182の構成例を示す。
イコライザ192は、式7を実現するものであり、レーザ183を多項式近似する。即ち、入力Ifは、複数(n−1)の乗算器192で計数d1〜dn(193)と乗算され、その乗算結果を複数n個の加算器194で加算することで、出力I’fが得られる。
【0048】
図20は他の例によるイコライザ182の構成例を示す。
この例では、イコライザ182は、アナログ入力Ifをデジタル2進(8ビット)に変換する2進変換器202と、上位4ビットと下位4ビットにより入力Ifを出力I’fに変換する補正テーブル203により構成される。
この補正テーブルの例を図21に示す。補正テーブルでは、アナログ入力を2進変換した下位4ビットと上位4ビットで一致した場所に格納されている値を出力I’fする。例えば、上位4ビットが”8”、下位4ビットが”7”の場合、I’f=48.1mAの電流を直接変調用レーザに印加することとなる。
【0049】
以上説明したように、上記実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)長距離伝送が困難なEA変調器でも、VEAをV’EAに変換することで消光特性やαパラメータを変更して調整することができるので、長距離伝送が可能となる。
(2)光クロスポイントを上昇することができないEA変調器でも消光特性を調整することができるので、光クロスポイントの上昇が可能となる。
(3)LN変調器のように、αパラメータがドライブ電圧VEAに依存しないゼロチャ―プの実現も期待できる。(LN変調器のαパラメータ範囲=-1〜+1)
(4)Y−00において、多値間隔が不均一の場合、多値間隔が広い箇所を重点的に攻撃され、短時間でデータを解読するショートカットの発見のきっかけを作ることとなる。多値間隔を均一にすることでショートカットの発見を防止することが可能となる。
(5)多値強度変調の光伝送システムにおいて、多値間隔が不均一であってその間隔に狭い箇所があると、そこで誤りが発生して全体の誤りを支配してしまうが、本実施例によれば、多値間隔を均一にできるので、誤り発生の偏りを防止でき、全体の誤り率を改善することができる。
(6)Y−00にEA変調器や直接変調方式の変調器を用いることが可能となるため、装置の小型化、ギガビットイーサのネットワークにも挿入することが可能となる。
(7)直接変調方式のレーザにキンクがある場合でも、レーザの低閾値化やキンクの補正をすることが可能となる。
(8)多値間隔を均一化することができるので、Y−00以外の多値の強度変調装置にも適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
21:変調器ドライブ回路 22: イコライザ 23:EA変調器
102:2進変換器 103:補正テーブル
181:レーザドライブ回路 182:イコライザ 183:直接変調用レーザ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、該変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置であって、
該変調器の消光特性を他の特性に変更するために、該変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有することを特徴とする光変調装置。
【請求項2】
前記イコライザは、該変調器が有する非線形の消光特性を線形に補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項3】
前記イコライザは、該変調器のαパラメートを調整するように、消光特性を補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項4】
前記イコライザは、該変調器のクロスポイントを上昇させるように、消光特性を補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項5】
前記変調器は直接変調用のレーザを有し、前記変調器ドライブ回路は該レーザを駆動するためのレーザドライブ回路であることを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項6】
前記イコライザは、該レーザの低閾値化の補正、又は該レーザが持つキンクの補正を行うことを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項7】
前記イコライザは、該変調器ドライブ回路から出力されるアナログ信号を2進のデジタルに変換する2進変換器と、該デジタル信号の上位の複数ビットと下位の複数ビットにより入力信号を出力信号に変換する補正テーブルを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項記載の光変調装置。
【請求項1】
ある消光特性を持つ光信号を出力する変調器と、該変調器を駆動するための信号を出力する変調器ドライブ回路を有する光変調装置であって、
該変調器の消光特性を他の特性に変更するために、該変調器ドライブ回路からの出力信号を所定の規則に従って変換するイコライザを有することを特徴とする光変調装置。
【請求項2】
前記イコライザは、該変調器が有する非線形の消光特性を線形に補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項3】
前記イコライザは、該変調器のαパラメートを調整するように、消光特性を補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項4】
前記イコライザは、該変調器のクロスポイントを上昇させるように、消光特性を補正することを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項5】
前記変調器は直接変調用のレーザを有し、前記変調器ドライブ回路は該レーザを駆動するためのレーザドライブ回路であることを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項6】
前記イコライザは、該レーザの低閾値化の補正、又は該レーザが持つキンクの補正を行うことを特徴とする請求項1の光変調装置。
【請求項7】
前記イコライザは、該変調器ドライブ回路から出力されるアナログ信号を2進のデジタルに変換する2進変換器と、該デジタル信号の上位の複数ビットと下位の複数ビットにより入力信号を出力信号に変換する補正テーブルを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項記載の光変調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−73475(P2012−73475A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219076(P2010−219076)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
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