説明

光学フィルムの製造方法、偏光板および画像表示装置

【課題】鋳型への樹脂残りの発生を防止することができ、もって欠陥等の不具合を生じさせることなく、光学フィルムを連続的に効率良く製造できる方法を提供する。
【解決手段】連続して搬送される基材フィルム11上に、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工して、塗工層12を形成する塗工工程;塗工層12の先頭領域Aに、塗工層12側から活性エネルギー線を照射する第1硬化工程;および、塗工層12の表面に鋳型の表面を押し当てた状態で、塗工層12に基材フィルム11側から活性エネルギー線を照射する第2硬化工程を含む光学フィルムの製造方法を提供する。第2硬化工程に先立って塗工層12の後尾領域Bにも活性エネルギー線を照射することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工し、これを硬化させる光学フィルムの製造方法に関する。また本発明は、当該光学フィルムを用いた偏光板および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基材フィルム上に所定の光学機能を有する樹脂層をコーティングにより形成した光学フィルムは、たとえば、防眩フィルム、光拡散フィルム、ハードコートフィルムなどとして、液晶表示装置などの各種画像表示装置に利用されている。
【0003】
一般に、光学フィルムが備える上記樹脂層は、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を基材フィルム上に塗工し、得られた塗工層に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成される。光学フィルムに要求される光学特性によっては、樹脂層表面に所望の形状を付与するために、所定の表面形状を有する鋳型を塗工層表面に押し当て、この状態で硬化させる場合もある。
【0004】
たとえば、特許文献1には、基材フィルムに紫外線硬化性樹脂を塗工し、樹脂塗工面を基材フィルムに同期して回転する凹凸型ローラ(エンボスロール)に密着させた状態で紫外線を照射して樹脂を硬化させ、ついで、硬化樹脂と基材フィルムとの積層体を凹凸型ローラから剥離する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−76089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の方法のように、塗工層表面にエンボスロールのような鋳型を押し当てながら塗工層を硬化させることによって光学フィルムを製造する場合、得られた光学フィルムを鋳型から剥離する際、硬化した樹脂が鋳型表面に残存する「樹脂残り」が発生することがあった。樹脂残りは、長尺の基材フィルム上に連続的に樹脂層を形成する光学フィルムの連続生産において、得られる光学フィルムに連続的な欠陥(光学フィルム表面への樹脂付着や、光学フィルムの表面形状または光学特性の欠陥など)を生じさせるおそれがある。また、樹脂残りが発生するたびにこれを除去清掃することは、製造効率を大きく低下させる。
【0007】
一方、樹脂残りを防止する方法として、塗工層を形成する塗工液に離型剤を添加したり、鋳型表面にあらかじめ離型剤を塗布したりすることが考えられるが、離型剤の添加により光学フィルムの機械的強度や光学特性が損なわれるおそれがある。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、樹脂残りの発生を防止することができ、もって欠陥等の不具合を生じさせることなく、光学フィルムを連続的に効率良く製造できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意検討の結果、鋳型から光学フィルムを剥離する際の樹脂残りを生じさせる樹脂層の剥がれが、塗工層の膜厚が急激に大きくなる領域、すなわち、塗工層におけるフィルム搬送方向の先頭領域(塗工層の前方端部領域)および後尾領域(塗工層の後方端部領域)に集中していることを見出した。さらに、樹脂残りを防止するための手段として、鋳型を押し当てながら塗工層を硬化させる工程の前に、あらかじめ上記樹脂層の剥がれが生じやすい領域を硬化させておくことが極めて有効であることを見出した。特に塗工層の先頭領域をあらかじめ硬化させることは、長尺の基材フィルム上に連続的に樹脂層を形成して光学フィルムを製造する際において連続的な欠陥を防止するうえで極めて有利である。一方、塗工層の後尾領域をあらかじめ硬化させることは、次ロットの(次の基材フィルムを用いて)光学フィルムを製造する際において連続的な欠陥を防止するうえで極めて有利である。
【0010】
すなわち本発明は、下記のものを含む。
[1] 連続して搬送される基材フィルム上に、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工して、塗工層を形成する塗工工程と、
前記塗工層の先頭領域に、前記塗工層側から活性エネルギー線を照射する第1硬化工程と、
前記塗工層の表面に鋳型の表面を押し当てた状態で、前記塗工層に前記基材フィルム側から活性エネルギー線を照射する第2硬化工程と、
を含む光学フィルムの製造方法。
【0011】
[2] 活性エネルギー線を照射した前記先頭領域と接する先頭隣接領域において、引続き活性エネルギー線を、先頭隣接領域にその積算光量が先頭領域への照射量から次第に減少して前記先頭隣接領域の終点で0となるように照射する[1]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0012】
[3] 前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記第1硬化工程における前記先頭領域への活性エネルギー線の照射量は、前記紫外線のUVAにおける積算光量で70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下である[1]または[2]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0013】
[4] 前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記紫外線のUVAにおける積算光量の減少率が1500mJ/cm2・秒以下である[2]または[3]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0014】
[5] 前記塗工層の後尾領域において、第2硬化工程に先立って前記塗工層側から後尾領域に活性エネルギー線を照射する[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
【0015】
[6] 前記後尾領域と接する後尾隣接領域において、前記後尾領域への活性エネルギー線照射に先立って活性エネルギー線を後尾隣接領域に、その積算光量が後尾隣接領域の開始点における0から次第に増加して後尾領域への照射量となるように照射する[5]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0016】
[7] 前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記後尾領域への活性エネルギー線の照射量は、前記紫外線のUVAにおける積算光量で70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下である[5]または[6]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0017】
[8] 前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記紫外線のUVAにおける積算光量の増加率が1500mJ/cm2・秒以下である[6]または[7]に記載の光学フィルムの製造方法。
【0018】
[9] 偏光フィルムと、
前記基材フィルム側が前記偏光フィルムに対向するように、前記偏光フィルム上に積層される[1]〜[6]のいずれかに記載の方法により製造された光学フィルムと、
を備える偏光板。
【0019】
[10] [9]に記載の偏光板と、画像表示素子とを備え、
前記偏光板は、その偏光フィルムが前記画像表示素子側となるように前記画像表示素子上に配置される画像表示装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明の方法によれば、鋳型から光学フィルムを剥離する際の樹脂残りの発生を有効に防止することができる。これにより、長尺の基材フィルム上に連続的に樹脂層を形成する光学フィルムの連続生産において、連続的な欠陥(表面への樹脂付着や、表面形状または光学特性の欠陥など)を生じさせることなく、光学フィルムを連続的に効率良く製造することができる。また、樹脂残りの除去清掃を要しないため、製造効率を大きく向上させることができる。本発明により得られる光学フィルムは、偏光板や、液晶表示装置等の画像表示装置に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光学フィルムの製造方法およびこれに用いられる製造装置の好ましい一例を模式的に示す図である。
【図2】第1硬化工程を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<光学フィルムの製造方法>
本発明の光学フィルムの製造方法は、下記工程:
〔1〕連続して搬送される基材フィルム上に、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工して、塗工層を形成する塗工工程、
〔2〕塗工層の先頭領域に、塗工層側から活性エネルギー線を照射する第1硬化工程、 〔3〕塗工層の表面に鋳型の表面を押し当てた状態で、前記塗工層に基材フィルム側から活性エネルギー線を照射し、塗工層を硬化させる第2硬化工程、
を含む。
【0023】
以下、図面を参照しながら、各工程について詳細に説明する。図1は、本発明の光学フィルムの製造方法およびこれに用いられる製造装置の好ましい一例を模式的に示す図である。また図2は、第1硬化工程を模式的に示す断面図である。図中の矢印は、フィルムの搬送方向またはロールの回転方向を示す。
【0024】
〔1〕塗工工程
本工程では、連続して搬送される基材フィルム上に、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工して、塗工層を形成する。塗工工程は、たとえば図1に示されるように、フィルム巻き出し装置31に取り付けられた原反(長尺の基材フィルムの巻回品)から、基材フィルム11を連続的に巻き出し、塗工装置32を用いて塗工液を基材フィルム11上に塗工することにより行なうことができる。
【0025】
塗工液の基材フィルム11上への塗工は、たとえば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ロッドコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ダイコート法などによって行なうことができる。
【0026】
(基材フィルム)
基材フィルム11は透光性のものであればよく、たとえばガラスやプラスチックフィルムなどを用いることができる。プラスチックフィルムとしては適度の透明性、機械強度を有していればよい。具体的には、たとえば、TAC(トリアセチルセルロース)等のセルロースアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。基材フィルム11の厚みは、たとえば10〜500μmであり、光学フィルムの薄膜化等の観点から、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは20〜300μmである。
【0027】
塗工液の塗工性の改良または塗工層との接着性の改良を目的として、基材フィルム11の表面(塗工層側表面)には、各種表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、酸表面処理、アルカリ表面処理、紫外線照射処理などが挙げられる。また、基材フィルム11上に、たとえばプライマー層等の他の層を形成し、この他の層の上に、塗工液を塗工するようにしてもよい。
【0028】
また、光学フィルムを、後述する偏光フィルムに接着して使用する場合には、基材フィルムと偏光フィルムとの接着性を向上させるために、基材フィルムの表面(塗工層とは反対側の表面)を各種表面処理によって親水化しておくことが好ましい。この表面処理は、光学フィルムの製造後に行なってもよい。
【0029】
(塗工液)
塗工液は、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有し、通常は、光重合開始剤(ラジカル重合開始剤)をさらに含む。必要に応じて、透光性微粒子、有機溶剤等の溶剤、レベリング剤、分散剤、帯電防止剤、防汚剤、界面活性剤等のその他の成分を含んでいてもよい。
【0030】
(1)活性エネルギー線硬化性樹脂
活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などであることができ、たとえば、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有するものを好ましく用いることができる。多官能(メタ)アクリレート化合物とは、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、たとえば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
【0031】
多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2’−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのような2価のアルコール;トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパンのような3価以上のアルコールが挙げられる。
【0032】
多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物として、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、1分子中に複数個のイソシアネート基を有するイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体のウレタン化反応物を挙げることができる。1分子中に複数個のイソシアネート基を有する有機イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の1分子中に2個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート、それら有機イソシアネートをイソシアヌレート変性、アダクト変性、ビウレット変性した1分子中に3個のイソシアネート基を有する有機イソシアネート等が挙げられる。水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
【0034】
ポリエステル(メタ)アクリレート化合物として好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートである。好ましく用いられる水酸基含有ポリエステルは、多価アルコールとカルボン酸や複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物のエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルである。多価アルコールとしては前述した化合物と同様のものが例示できる。また、多価アルコール以外にも、フェノール類としてビスフェノールA等が挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、ブチルカルボン酸、安息香酸等が挙げられる。複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物としては、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、テレフタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、トリメリット酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0035】
以上のような多官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、硬化物の強度向上や入手の容易性の点から、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のエステル化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加体;イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加体;トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加体;アダクト変性イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの付加体;およびビウレット変性イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加体が好ましい。さらに、これらの多官能(メタ)アクリレート化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0036】
活性エネルギー線硬化性樹脂は、上記の多官能(メタ)アクリレート化合物のほかに、単官能(メタ)アクリレート化合物を含有していてもよい。単官能(メタ)アクリレート化合物としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アセチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類を挙げることができる。これらの化合物はそれぞれ単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
【0037】
また、活性エネルギー線硬化性樹脂は重合性オリゴマーを含有していてもよい。重合性オリゴマーを含有させることにより、硬化物の硬度を調整することができる。重合性オリゴマーは、たとえば、前記多官能(メタ)アクリレート化合物、すなわち、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート化合物またはエポキシ(メタ)アクリレート等の2量体、3量体などのようなオリゴマーであることができる。
【0038】
その他の重合性オリゴマーとしては、分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多価アルコールとの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレリンジイソシアネートの重合物等が挙げられ、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多価アルコールとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって得られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであって、多価アルコールとして、たとえば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等であるものが挙げられる。この少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多価アルコールは、多価アルコールのアルコール性水酸基の一部が(メタ)アクリル酸とエステル化反応しているとともに、アルコール性水酸基が分子中に残存するものである。
【0039】
さらに、その他の重合性オリゴマーの例として、複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物と、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多価アルコールとの反応により得られるポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物としては、前記多官能(メタ)アクリレート化合物のポリエステル(メタ)アクリレートで記載したものと同様のものが例示できる。また、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多価アルコールとしては、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで記載したものと同様のものが例示できる。
【0040】
以上のような重合性オリゴマーに加えて、さらにウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの例として、水酸基含有ポリエステル、水酸基含有ポリエーテルまたは水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルの水酸基にイソシアネート類を反応させて得られる化合物が挙げられる。好ましく用いられる水酸基含有ポリエステルは、多価アルコールとカルボン酸や複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物のエステル化反応によって得られる水酸基含有ポリエステルである。多価アルコールや、複数のカルボキシル基を有する化合物および/またはその無水物としては、それぞれ、多官能(メタ)アクリレート化合物のポリエステル(メタ)アクリレート化合物で記載したものと同様のものが例示できる。好ましく用いられる水酸基含有ポリエーテルは、多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドおよび/またはε−カプロラクトンを付加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルである。多価アルコールは、前記水酸基含有ポリエステルに使用できるものと同じものであってよい。好ましく用いられる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、重合性オリゴマーのウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーで記載したものと同様のものが例示できる。イソシアネート類としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましく、トリレンジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2価のイソシアネート化合物が特に好ましい。
【0041】
これらの重合性オリゴマー化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0042】
(2)光重合開始剤
光重合開始剤としては、たとえば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤などが用いられる。また、光重合開始剤として、たとえば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等も用いることができる。光重合開始剤の使用量は、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
【0043】
(3)透光性微粒子
透光性微粒子としては、特に限定されるものではなく、たとえば、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、有機シリコーン樹脂、アクリル−スチレン共重合体等からなる有機微粒子や、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラス等からなる無機微粒子などを使用することができる。また、有機重合体のバルーンや中空ビーズを使用することもできる。これらの透光性微粒子は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。透光性微粒子の形状は、球状、扁平状、板状、針状、不定形状等のいずれであってもよい。
【0044】
透光性微粒子の粒子径や屈折率は特に制限されるものではないが、光学フィルムが光拡散フィルムや防眩フィルムである場合は、効果的に内部ヘイズを発現させる点から、粒子径は0.5μm〜20μmの範囲であることが好ましい。また、同様の理由から、硬化後の活性エネルギー線硬化性樹脂の屈折率と透光性微粒子の屈折率との差は0.04〜0.15の範囲であることが好ましい。透光性微粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、通常3〜60重量部であり、好ましくは5〜50重量部である。透光性微粒子の含有量が、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して3重量部未満の場合は、光拡散性または防眩性が充分に付与されないことがある。一方、60重量部を超えると、光学フィルムの透明性が損なわれる場合があり、また、防眩性や光拡散性が高すぎて、コントラストが低下する傾向にある。
【0045】
なお、透光性微粒子を使用する場合、光学フィルムの光学特性および表面形状を均質なものとするために、塗工液中の透光性微粒子の分散は等方分散であることが好ましい。
【0046】
塗工液は有機溶剤等の溶剤を含むことができる。有機溶剤としては、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル化グリコールエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等のセルソルブ類;2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のカルビトール類などから、粘度等を考慮して選択して用いることができる。溶剤は、単独で用いてもよいし、必要に応じて数種類を混合して用いてもよい。塗工後は、上記有機溶剤を蒸発させる必要がある。そのため、沸点は60℃〜160℃の範囲であることが望ましい。また、20℃における飽和蒸気圧は0.1kPa〜20kPaの範囲であることが好ましい。
【0047】
塗工液が溶剤を含む場合、上記塗工工程の後、第1硬化工程の前に、溶剤を蒸発させて乾燥を行なう乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥は、たとえば図1に示される例のように、塗工層を備える基材フィルム11を、乾燥炉33内を通過させることによって行なうことができる。乾燥温度は、使用する溶剤や基材フィルムの種類により適宜選択される。一般に20℃〜120℃の範囲であるが、これに限定されない。また、乾燥炉が複数ある場合は、乾燥炉毎に温度を変えてもよい。
【0048】
〔2〕第1硬化工程
本工程は、塗工層の先頭領域(前方端部領域)に、塗工層側から活性エネルギー線を照射して、この先頭領域を、鋳型表面を押し当てた状態で塗工層を硬化させる第2硬化工程に先立ってあらかじめ硬化させる工程である。塗工層の先頭領域は、塗工層の膜厚が顕著に厚くなっている部分であり、樹脂剥がれが集中する部分である。鋳型に押し当てる前に、この部分をあらかじめ硬化させておくことにより、鋳型への樹脂残りを効果的に防止することができる。とりわけ、塗工層先頭領域に起因する樹脂残りを防止することは、得られる光学フィルムに連続的な欠陥が生じることを防止するうえで極めて有利である。すなわち、長尺の基材フィルム上に連続的に樹脂層を形成して光学フィルムを製造する際において、製造開始段階から樹脂残りが生じてしまうと、この樹脂残りは、この長尺の基材フィルムを用いて製造される光学フィルム全体に悪影響を及ぼす。
【0049】
先頭領域および後述する後尾領域は、その膜厚を連続的に計測することにより特定することはできる。一般的塗工方法により得られる塗工層の場合、意図的に膜厚を変化させない限り、膜厚が急激に大きくなる領域の殆ど全ては先端部分から1cmよりかなり小さい部分、あるいは後方端部分から1cmよりかなり小さい部分にのみ形成されるので、実務的には前記した膜厚計測等は行なわず、たとえば先端部から1cmを先頭領域、後方端部から1cmを後尾領域とみなすことができる。
【0050】
塗工層先頭領域への活性エネルギー線の照射は、図1および図2を参照して、たとえば、塗工装置32(乾燥を行なう場合には、乾燥炉33)を通過した塗工層12を有する基材フィルム11に対して、塗工層12側に設置された紫外線照射装置等の活性エネルギー線照射装置10を用いて、活性エネルギー線を照射することにより行なうことができる。具体的には、塗工層12の先頭領域Aが活性エネルギー線照射装置10の直下を通過する前に活性エネルギー線照射装置10をONの状態(活性エネルギー線が照射された状態)にしておき、先頭領域Aの通過後、活性エネルギー線照射装置10をOFFの状態(活性エネルギー線の照射を停止した状態)にする。
【0051】
活性エネルギー線としては、塗工液に含まれる活性エネルギー線硬化性樹脂の種類に応じて紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができるが、これらの中で紫外線および電子線が好ましく、取り扱いが簡便で高エネルギーが得られることから紫外線が特に好ましい。
【0052】
紫外線の光源としては、たとえば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。これらの中でも、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンアーク、メタルハライドランプが好ましく用いられる。
【0053】
また、電子線としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を挙げることができる。
【0054】
上記第1硬化工程における先頭領域への活性エネルギー線の照射量は、活性エネルギー線が紫外線である場合、紫外線のUVAにおける積算光量で、好ましくは70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下であり、より好ましくは100mJ/cm2以上250mJ/cm2以下である。積算光量が70mJ/cm2未満であると、先頭領域Aの硬化度が低すぎて樹脂剥がれ(したがって樹脂残り)が生じるおそれがある。また、400mJ/cm2を超えると、硬化反応が過度に進行する結果、硬化部分(先頭領域A)と未硬化部分との境界において、膜厚差や内部応力の歪みに起因して樹脂剥がれが生じるおそれがある。
【0055】
第1硬化工程における先頭領域Aへの活性エネルギー線の照射の後、先頭領域と接する先頭隣接領域において、引続き活性エネルギー線を先頭隣接領域にその積算光量が先頭領域への照射量から先頭隣接領域の終点で0まで、フィルムの搬送方向に沿って、次第に減少するように照射することが好ましい。これにより、先頭領域Aにおける硬化の程度が、フィルムの搬送方向に沿って徐々に未硬化状態まで低下するため、塗工層の硬化部分(先頭領域A)と未硬化部分との境界における、膜厚差や内部応力の歪みにより生じ得る樹脂剥がれを防止することができる。ここで先頭隣接領域とは先頭領域に隣接し、前記した先頭領域への照射量から次第に減少させながら活性エネルギー線を照射して照射量が0となるまでの領域を言う。先頭領域と接する先頭隣接領域の開始点から直ちに照射量を減少させ始めてもよく、該開始点から適当な範囲は先頭領域への照射量を継続し、その後減少させ始めてもよい。前記したように、先頭領域の正確な範囲特定を行なわず、見做しによって特定する場合には、先頭隣接領域の開始点も同様に見做しにより特定することとなる。
【0056】
積算光量を先頭領域への照射量から0まで徐々に減少させる場合、紫外線のUVAにおける1秒あたりの積算光量の減少率は、1500mJ/cm2・秒以下であることが好ましく、1000mJ/cm2・秒以下であることがより好ましい。積算光量の減少率があまり高いと、積算光量を徐々に減少させる場合であっても、その効果を十分に得ることができず、硬化部分(先頭領域A)と未硬化部分との境界において、膜厚差や内部応力の歪みに起因して樹脂剥がれが生じる場合がある。先頭隣接領域幅は、先頭領域への照射量と積算光量の減少率を調整して適宜決めることができるが、通常は0.3〜500cm程度である。
【0057】
第1硬化工程では、塗工層の先頭領域Aに加えて、後尾領域にも活性エネルギー線を照射し、これを硬化させることが好ましい。後尾領域も、塗工層の膜厚が顕著に厚くなっており、樹脂剥がれが集中する部分であるためである。後尾領域をあらかじめ硬化させておくことにより、鋳型への樹脂残りを効果的に防止することができる。とりわけ、塗工層後尾領域に起因する樹脂残りを防止することは、次ロットの(次の基材フィルムを用いて)光学フィルムを製造する際における連続的な欠陥を防止するうえで極めて有利である。
【0058】
塗工層後尾領域への活性エネルギー線の照射は、具体的には、図2を参照して、塗工層12の後尾領域Bが活性エネルギー線照射装置10の直下に近づいたとき、または直下を通過する直前に活性エネルギー線照射装置10をONの状態(活性エネルギー線が照射された状態)にし、後尾領域Bが通過し終えるまでこの状態を維持することにより行なう。
【0059】
先頭領域Aの場合と同様の理由から、後尾領域への照射量は、活性エネルギー線が紫外線である場合、紫外線のUVAにおける積算光量で、好ましくは70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下であり、より好ましくは100mJ/cm2以上250mJ/cm2以下である。
【0060】
塗工層後尾領域Bへの活性エネルギー線の照射に先立って、先頭領域Aの場合と同様の理由から、活性エネルギー線を後尾隣接領域に、その積算光量が後尾隣接領域の開始点における0から後尾領域での照射量となるまで、フィルムの搬送方向に沿って、次第に増加するように照射することが好ましい。ここで後尾隣接領域とは後尾領域に隣接し、前記した照射量0から次第に増加するように活性エネルギー線を照射して後尾領域での照射量となるまでの領域を言う。後尾領域と接する後尾隣接領域の終点で後尾領域への照射量に達するように照射量を増加させてもよく、該終点より手前の適当な点で後尾領域への照射量に達し、その点から終点まで後尾領域への照射量を継続してもよい。前記したように、後尾領域の正確な範囲特定を行なわず、見做しによって特定する場合には、後尾隣接領域の終点も同様に見做しにより特定することとなる。
【0061】
また、積算光量を0から後尾領域での照射量まで徐々に増加させる場合、先頭領域Aの場合と同様の理由から、紫外線のUVAにおける1秒あたりの積算光量の増加率は、1500mJ/cm2・秒以下であることが好ましく、1000mJ/cm2・秒以下であることがより好ましい。後尾隣接領域幅は、後尾領域での照射量と積算光量の増加率を調整して適宜決めることができるが、通常は0.3〜500cm程度である。
【0062】
積算光量を徐々に変化(減少または増加)させる方法は特に制限されず、たとえば、活性エネルギー線照射装置10に印加する電圧を徐々に変化させる方法;活性エネルギー線照射装置10を、開閉式のシャッターを設けた照射窓を有するランプボックスなどに収容し、そのシャッターの開閉速度を変化させる方法;前記シャッターとして、シャッター開閉方向に幅が次第に狭くなる先細の櫛歯を複数有する櫛形フィルタを使用する方法(これにより、シャッターを閉じる/開く際、櫛歯間の開口面積に応じて、徐々に積算光量が減少/増加する。);前記シャッターとして、減光率の異なる減光フィルタを徐々に減光率が変化するように配置したものを用いる方法(たとえば、シャッターの端部から徐々に減光率が大きくなるように配置したシャッターを用いると、シャッターを閉じる/開く際、フィルタの減光率に応じて、徐々に積算光量が減少/増加する。);または、上記のいずれか2以上を組み合わせた方法などを挙げることができる。
【0063】
〔3〕第2硬化工程
本工程は、塗工層の表面に、所定の表面形状を有する鋳型の表面を押し当てた状態で、基材フィルム側から塗工層に活性エネルギー線を照射し、塗工層を硬化させることにより、基材フィルム上に硬化された樹脂層を形成する工程である。これにより、塗工層が硬化されるとともに、鋳型の表面形状が塗工層表面に転写される。
【0064】
本工程は、たとえば図1に示されるように、第1硬化工程を経た基材フィルム11と塗工層12との積層体の塗工層12表面に、ニップロール13等の圧着装置を用いて、ロール形状の鋳型14を押し当て、この状態で活性エネルギー線照射装置15を用いて、基材フィルム11側から塗工層12に活性エネルギー線を照射して塗工層12を硬化させることができる。ニップロールの使用は、塗工層と鋳型との間への気泡の混入を防止するうえで有効である。活性エネルギー線照射装置は、1機もしくは複数機を使用することができる。
【0065】
活性エネルギー線の照射後、積層体は、出口側のニップロール16を支点として鋳型14から剥離される。得られた基材フィルムと硬化した樹脂層からなる光学フィルムは、通常、フィルム巻き取り装置34によって巻き取られる。この際、樹脂層を保護する目的で、再剥離性を有した粘着剤層を介して、樹脂層表面にポリエチレンテレフタレートやポリエチレン等からなる保護フィルムを貼着しながら巻き取ってもよい。なお、用いる鋳型の形状はロール形状のものに限定されない。
【0066】
鋳型から剥離された後に、追加の活性エネルギー線照射を行なってもよい。また、鋳型に押し付けた状態で活性エネルギー線照射を行なう代わりに、未硬化の塗工層が形成された基材フィルムを鋳型から剥離した後に、活性エネルギー線を照射して硬化させてもよい。
【0067】
本工程で用いる活性エネルギー線の種類および光源については第1硬化工程と同様である。活性エネルギー線が紫外線である場合、紫外線のUVAにおける積算光量は、好ましくは40mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下であり、より好ましくは70mJ/cm2以上1800mJ/cm2以下である。積算光量が40mJ/cm2未満である場合、塗工層の硬化が不十分となり、得られる樹脂層の硬度が低くなったり、未硬化の樹脂がガイドロール等に付着し、工程汚染の原因となったりする傾向がある。また、積算光量が2000mJ/cm2を超える場合、紫外線照射装置から放射される熱により、基材フィルムが収縮して皺の原因になることがある。
【0068】
本工程で用いる鋳型は、基材フィルム上に形成される樹脂層表面に所望の形状を付与するためのものであり、当該所望の形状の転写構造からなる表面形状を有している。塗工層の表面に、該表面形状を塗工層表面に押し当てながら塗工層を硬化させることにより、鋳型の表面形状を樹脂層表面に転写できる。鋳型としては、鏡面からなる表面を有する鋳型(たとえば鏡面ロール)および凹凸表面を有する鋳型(たとえばエンボスロール)を挙げることができる。
【0069】
鋳型が凹凸表面を有する場合において、凹凸形状のパターンは、規則的なパターンであってもよいし、ランダムパターン、あるいは特定サイズの1種類以上のランダムパターンを敷き詰めた、擬似ランダムパターンであってもよいが、表面形状に起因する反射光の干渉により、反射像が虹色に色づくことを防止する点から、ランダムパターンまたは擬似ランダムパターンであることが好ましい。
【0070】
鋳型の外形形状は特に制限されるものではなく、平板状であってもよいし、円柱状または円筒状のロールであってもよいが、連続生産性の点から、鏡面ロールやエンボスロール等の、円柱状または円筒状の鋳型であることが好ましい。この場合、円柱状または円筒状の鋳型の側面に所定の表面形状が形成される。
【0071】
鋳型の基材の材質は特に制限されるものではなく、金属、ガラス、カーボン、樹脂、あるいはそれらの複合体から適宜選択できるが、加工性等の点から金属が好ましい。好適に用いられる金属材料としては、コストの観点からアルミニウム、鉄、またはアルミニウムもしくは鉄を主体とする合金などが挙げられる。
【0072】
鋳型を得る方法としては、たとえば、基材を研磨し、サンドブラスト加工を施した後、無電解ニッケルめっきを施す方法(特開2006−53371号公報);基材に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、クロムめっきを施す方法(特開2007−187952号公報);銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、サンドブラスト加工を施した後、エッチング工程または銅めっき工程を施し、ついでクロムめっきを施す方法(特開2007−237541号公報);基材の表面に銅めっきまたはニッケルめっきを施した後、研磨し、研磨された面に感光性樹脂膜を塗布形成し、該感光性樹脂膜上にパターンを露光した後、現像し、現像された感光性樹脂膜をマスクとして用いてエッチング処理を行ない、感光性樹脂膜を剥離し、さらにエッチング処理を行ない、凹凸面を鈍らせた後、形成された凹凸面にクロムめっきを施す方法;および旋盤等の工作機械を用いて、切削工具により鋳型となる基材を切削する方法(国際公開第2007/077892号パンフレット)等が挙げられる。
【0073】
ランダムパターンまたは擬似ランダムパターンからなる鋳型の表面凹凸形状は、たとえば、FMスクリーン法、DLDS(Dynamic Low−Discrepancy Sequence)法、ブロック共重合体のミクロ相分離パターンを利用する方法またはバンドパスフィルター法等によって生成されたランダムパターンを感光性樹脂膜上に露光、現像し、現像された感光性樹脂膜をマスクとして用いてエッチング処理を行なうことにより形成することができる。
【0074】
以上のようにして得られる本発明の光学フィルムは、液晶表示装置などの画像表示装置に好適に適用されるものであり、たとえば、基材フィルム上の樹脂層が様々な外力に起因する傷付きを防止するためのハードコート層であるハードコートフィルム(透光性微粒子を含有する場合がある);樹脂層が液晶セルから出射する光を拡散させて視野角を改善するための光拡散層(光拡散剤としての透光性微粒子を含有する)である視認側光拡散フィルム;樹脂層が外光の映り込みやギラツキを防止するための表面凹凸を有する防眩層(透光性微粒子を含有する場合がある)である防眩フィルム;樹脂層が液晶セルに入射する光を拡散させ、バックライトユニットに起因するモアレ等を防止するための光拡散層(光拡散剤としての透光性微粒子を含有する)である背面側光拡散フィルム(拡散板)などであることができる。ハードコートフィルム、視認側光拡散フィルムおよび防眩フィルムは、通常、視認側偏光板の視認側保護フィルムとして偏光フィルムに貼合して用いられる(すなわち、画像表示装置の表面に配置される。)。背面側光拡散フィルムは、通常、バックライト側偏光板のバックライト側保護フィルムとして偏光フィルムに貼合される。
【0075】
本発明の光学フィルムは、樹脂層上(基材フィルムとは反対側の面)に積層された反射防止層をさらに備えていてもよい。反射防止層は、反射率を限りなく低くするために設けられるものであり、反射防止層の形成により、表示画面への映り込みを防止することができる。反射防止層としては、樹脂層の屈折率よりも低い材料から構成された低屈折率層;樹脂層の屈折率より高い材料から構成された高屈折率層と、この高屈折率層の屈折率より低い材料から構成された低屈折率層との積層構造などを挙げることができる。反射防止層の積層方法には特に制限はなく、樹脂層上に直接積層してもよいし、別途あらかじめ基材フィルム上に反射防止層を積層したものを用意し、粘着剤等を用いて樹脂層の上に貼合してもよい。
【0076】
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光フィルムと、基材フィルム側が該偏光フィルムに対向するように該偏光フィルム上に積層される前述の製造方法により得られる光学フィルムとを備えるものである。偏光フィルムは、入射光から直線偏光を取り出す機能を有するものであって、その種類は特に限定されない。好適な偏光フィルムの例として、ポリビニルアルコール系樹脂に二色性色素が吸着配向している偏光フィルムを挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルのケン化物であるポリビニルアルコールのほか、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、エチレン/酢酸ビニル共重合体のケン化物などが挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素または二色性の有機染料が用いられる。また、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物のポリエン配向フィルムも、偏光フィルムとなり得る。偏光フィルムの厚さは、通常5〜80μm程度である。
【0077】
本発明の偏光板は、上記偏光フィルムの片面または両面(通常は片面である)に本発明に係る光学フィルムを積層したものであってもよく、上記偏光フィルムの一方の面に透明保護層を積層し、他方の面に本発明に係る光学フィルムを積層したものであってもよい。この際、光学フィルムは、偏光フィルムの透明保護層(保護フィルム)としての機能も有する。透明保護層は、透明樹脂フィルムを、接着剤等を用いて貼合する方法や透明樹脂含有塗工液を塗布する方法などによって偏光フィルム上に形成することができる。同様に、本発明に係る光学フィルムは、接着剤等を用いて偏光フィルムに貼合することができる。
【0078】
透明保護層となる透明樹脂フィルムは、透明性や機械強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れることが好ましく、このようなものとしては、たとえば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースアセテートなどのセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどの鎖状ポリオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン系樹脂;スチレン系樹脂;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリ塩化ビニル系樹脂などからなるフィルムが例示される。これらの透明樹脂フィルムは、光学的に等方性のものであってもよいし、画像表示装置に組み込んだ際の視野角の補償を目的として、光学的に異方性を有するものであってもよい。
【0079】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、上記本発明の偏光板と、種々の情報を画面に映し出す画像表示素子とを組み合わせたものである。本発明の画像表示装置の種類は特に限定されず、液晶パネルを使用した液晶ディスプレイ(LCD)のほか、ブラウン管(陰極線管:CRT)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP)、電解放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、有機ELディスプレイ、レーザーディスプレイ、プロジェクタテレビのスクリーン等が挙げられる。
【0080】
たとえば、本発明の偏光板を液晶セル上に配置して液晶パネルを製造する場合、偏光板は、その偏光フィルムが液晶セル側となるように(その樹脂層を外側にして)液晶セル上に配置される。他の画像表示装置についても同様である。光学フィルムは、画像表示素子の視認側に配してもよいし、バックライト側に配してもよいし、あるいはその両方に配してもよい。光学フィルムを視認側に配した場合、光学フィルムは、ハードコートフィルム、光拡散フィルム、防眩フィルムまたは反射防止フィルムなどとして機能し得る。一方、光学フィルムをバックライト側に配した場合、光学フィルムは、液晶セルに入射する光を拡散させ、モアレ等を防止する光拡散フィルム(拡散板)などとして機能し得る。
【実施例】
【0081】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
<実施例1>
以下の成分を混合して紫外線硬化性の塗工液を調製した。
・紫外線硬化性樹脂:ペンタエリスリトールトリアクリレート60重量部および多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物) 40重量部、
・光重合開始剤:「ルシリン TPO」(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド) 5重量部、
・希釈溶剤:酢酸エチル 100重量部。
【0083】
上記塗工液を、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(基材フィルム)上にグラビアコーターで塗工して塗工層を形成し、基材フィルムと塗工層との積層体を得た〔塗工工程〕。得られた積層体を乾燥炉で乾燥させた後、開閉方向に幅が次第に狭くなる先細の櫛歯を複数有する櫛形フィルタを備えた紫外線照射装置を用いて、UVAにおける積算光量が第1の所定値(先頭領域への照射量)から0まで徐々に減少するように、塗工層の先頭領域に塗工層側から紫外線を照射するとともに、UVAにおける積算光量が0から第2の所定値(後尾領域への照射量)まで徐々に増加するように、塗工層の後尾領域に塗工層側から紫外線を照射した〔第1硬化工程〕。本実施例では、第1および第2の所定値を100mJ/cm2とし、紫外線のUVAにおける1秒あたりの積算光量の減少率(先頭領域への照射)および増加率(後尾領域への照射)〔以下では減少率および増加率を総称して変化率という〕はともに700mJ/cm2・秒とした。
【0084】
ついで、第1硬化工程を経た積層体の塗工層表面に、表面が鏡面になるように研磨処理したクロムめっきロールを、ニップロールを用いて押し当て密着させた。この状態で基材フィルム側より、UVAにおける最大照度が700mW/cm2、UVAにおける積算光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、塗工層を硬化させた〔第2硬化工程〕。その後、クロムめっきロールから積層体を剥離することで、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂層の平均膜厚が10μmである光学フィルムを得た。
【0085】
<実施例2〜5>
第1および第2の所定値、ならびに紫外線のUVAにおける1秒あたりの積算光量の変化率を表1に示されるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。なお、実施例4においては、櫛形フィルタを用いなかった。
【0086】
<比較例1>
第1硬化工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
【0087】
(樹脂残りの評価)
各実施例、比較例の光学フィルムを作製した後のクロムめっきロールの表面を観察し、1)塗工層端部(先頭端部および後尾端部)、ならびに、2)第1硬化工程における硬化部分(先頭領域および後尾領域)と未硬化部分との境界、に対応する位置の樹脂残りの有無を確認し、樹脂残りの程度を下記基準に従って評価した。
○:上記1)および2)の位置において、全幅方向にわたり樹脂残りが認められない。
△:上記1)または2)の位置において樹脂残りが認められるが、その範囲が全幅の1/3以下である。
×:上記1)または2)の位置において樹脂残りが認められ、その範囲が全幅の1/3を超える。
【0088】
【表1】

【0089】
なお、実施例3でわずかに生じた樹脂残りおよび比較例1の樹脂残りは、上記1)の位置で発生したものである。また、実施例4および5で生じた樹脂残りは、上記2)の位置で発生したものである。
【0090】
表1に示されるとおり、塗工層の端部領域をあらかじめ硬化させる第1硬化工程を実施することにより、樹脂残りを低減できることがわかる。また、第1硬化工程における紫外線の積算光量およびその変化率を所定の範囲にすることで、樹脂残りを有効に防止できることがわかる。
【符号の説明】
【0091】
10,15 活性エネルギー線照射装置、11 基材フィルム、12 塗工層、13,16 ニップロール、14 鋳型、31 フィルム巻き出し装置、32 塗工装置、33 乾燥炉、34 フィルム巻き取り装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して搬送される基材フィルム上に、活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する塗工液を塗工して、塗工層を形成する塗工工程と、
前記塗工層の先頭領域に、前記塗工層側から活性エネルギー線を照射する第1硬化工程と、
前記塗工層の表面に鋳型の表面を押し当てた状態で、前記塗工層に前記基材フィルム側から活性エネルギー線を照射する第2硬化工程と、
を含む光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
活性エネルギー線を照射した前記先頭領域と接する先頭隣接領域において、引続き活性エネルギー線を、先頭隣接領域にその積算光量が先頭領域への照射量から次第に減少して前記先頭隣接領域の終点で0となるように照射する請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記第1硬化工程における前記先頭領域への活性エネルギー線の照射量は、前記紫外線のUVAにおける積算光量で70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下である請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記紫外線のUVAにおける積算光量の減少率が1500mJ/cm2・秒以下である請求項2または3に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記塗工層の後尾領域において、第2硬化工程に先立って前記塗工層側から後尾領域に活性エネルギー線を照射する請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記後尾領域と接する後尾隣接領域において、前記後尾領域への活性エネルギー線照射に先立って活性エネルギー線を後尾隣接領域に、その積算光量が後尾隣接領域の開始点における0から次第に増加して後尾領域への照射量となるように照射する請求項5に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記後尾領域への活性エネルギー線の照射量は、前記紫外線のUVAにおける積算光量で70mJ/cm2以上400mJ/cm2以下である請求項5または6に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記活性エネルギー線が紫外線であり、
前記紫外線のUVAにおける積算光量の増加率が1500mJ/cm2・秒以下である請求項6または7に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項9】
偏光フィルムと、
前記基材フィルム側が前記偏光フィルムに対向するように、前記偏光フィルム上に積層される請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造された光学フィルムと、
を備える偏光板。
【請求項10】
請求項9に記載の偏光板と、画像表示素子とを備え、
前記偏光板は、その偏光フィルムが前記画像表示素子側となるように前記画像表示素子上に配置される画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−150460(P2012−150460A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−283314(P2011−283314)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】