説明

光学ローパスフィルタ、光学ローパスフィルタ装置および撮像装置

【課題】 光透過性部材に周期的な屈折率分布を形成した光学ローパスフィルタの提供。
【解決手段】 光学ローパスフィルタ4は、被写体光が入射する光透過性部材41と圧電体42とを有している。光透過性部材41の辺Aに設けられた圧電体42に駆動回路8により10MHz〜100MHzの高周波電圧を印加して振動させると、光透過性部材41内部に疎密波(超音波)が発生する。疎密波の発生により、光透過性部材41内部に辺Aから辺Cへと周期的に変化する屈折率分布が形成され、音響効果による回折によって被写体光線は複数に分離される。そして、高周波電圧の周波数を変えることにより分離幅を調整することができ、電圧の大きさをかえることによりフィルタ効果を調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCD等の撮像素子に対して使用される光学ローパスフィルタ、および、その光学ローパスフィルタを使用した光学ローパスフィルタ装置や撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやデジタルカメラなど撮像素子を使用した撮像装置では、レンズによって結像された像に撮像素子のサンプリング周波数と同程度以上の高周波成分が含まれると、撮像画像が劣化するという現象が生じるため、結像された画像の高周波成分を減衰させるために光学ローパスフィルタが用いられている。一般的な光学ローパスフィルタでは、結晶材料の複屈折性を利用して被写体光を複数に分離することにより、高周波成分を除去している。また、複屈折性結晶材料を使用する代わりに、微細な周期構造による回折効果を利用する場合もある。
【0003】
さらに、上述した一般的な光学ローパスフィルタでは周波数特性が固定であるが、周波数特性の変更が可能なものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。その光学ローパスフィルタでは、光学材料に機械的な応力を加えることで発生する複屈折性を利用して、被写体光を複数に分離するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−167123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した結晶材料の複屈折性や周期構造の回折効果を利用する一般的な光学ローパスフィルタでは、光学ローパスフィルタの分離特性が固定されているため、撮影者の意図に応じた撮影が困難であった。
【0006】
また、フィルタ材料に機械的な応力を加えたときの複屈折性を利用する光学ローパスフィルタでは、必要な複屈折を発生させるためには非常に大きな応力が必要となる。そのため、構造を堅固にする必要があり、装置が大がかりになるとともに重くなるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明による光学ローパスフィルタは、複数の受光画素が規則的に配置された撮像素子と撮影光学系との間の光軸上に配設される光透過性部材と、光透過性部材の面内で周期的に変化する屈折率分布を形成する屈折率分布形成手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学ローパスフィルタにおいて、屈折率分布形成手段が、光透過性部材の面内の異なる複数の方向に屈折率分布をそれぞれ形成するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の光学ローパスフィルタにおいて、屈折率分布形成手段が、光透過性部材に疎密波を発生させて屈折率分布を形成するように下ものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の光学ローパスフィルタにおいて、屈折率分布形成手段は、高周波電圧が印加されることによって光透過性部材に疎密波を発生させる圧電体を有するものである。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の光学ローパスフィルタにおいて、光透過性部材として、少なくとも波長450nmから波長750nmの範囲の光透過率が部材厚さ1mmあたり50%以上である光透過性部材を用いたものである。
請求項6の発明による光学ローパスフィルタ装置は、請求項4に記載の光学ローパスフィルタと、高周波電圧の大きさを制御する電圧制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明による光学ローパスフィルタ装置は、請求項4に記載の光学ローパスフィルタと、高周波電圧の周波数を制御する周波数制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の光学ローパスフィルタ装置において、光透過性部材として、少なくとも波長450nmから波長750nmの範囲の光透過率が部材厚さ1mmあたり50%以上である光透過性部材を用いたものである。
請求項9の発明による撮像装置は、複数の受光画素が規則的に配置された撮像素子と、撮像素子に被写体光束を投影する撮影光学系と撮像素子との間の光軸上に配設される請求項6〜8のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光透過性部材の面内で周期的に変化する屈折率分布を形成することにより入射光線が回折によって分離されるので、この屈折率分布を可変とすることで光学ローパスフィルタの分離特性を容易に変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明による撮像装置の一実施の形態を示す図であり、一眼レフ式のデジタルスチルカメラの概略構成を示したものである。図1において、1は撮影光学系、3はクイックリターンミラー、4は光学ローパスフィルタ、5はフォーカルプレーンシャッタ、6は撮像素子、7はファインダー光学系、8は光学ローパスフィルタ4の駆動回路である。
【0010】
光学ローパスフィルタ4,フォーカルプレーンシャッタ5および撮像素子6は撮影光学系1の光軸2上に配設されている。クイックリターンミラー3は、図1に示す光軸位置と不図示の光軸外位置との間を移動できるように設けられている。クイックリターンミラー3が図1のように光軸位置に配設されると、撮影光学系1からの被写体光はクイックリターンミラー3によりファインダー光学系7へと反射される。ファインダー光学系7にはペンタプリズム71や接眼レンズ72が設けられており、接眼レンズ72を介して被写体像を観察することができる。
【0011】
一方、被写体を撮影する場合には、クイックリターンミラー3は不図示の光軸外位置に移動されるとともにフォーカルプレーンシャッタ5の開閉動作が行われ、被写体光に対して撮像素子6が所定時間露光される。この露光の際には、駆動回路8により光学ローパスフィルタ4が駆動される。すなわち、撮像素子6に入射する被写体光は、光学ローパスフィルタ4により高周波成分が除去される。撮像素子6はCCDやCMOS等の固体撮像素子で構成され、複数の受光画素が2次元的に配列されている。
【0012】
《光学ローパスフィルタ4の説明》
次に、光学ローパスフィルタ4について説明する。図2は光学ローパスフィルタ4を撮影光学系1側から見た平面図である。41は光透過性部材であり、ここでは石英ガラスから成る矩形状の平行平板を用いているが、光透過性部材41に用いる材料としては、使用する光の透過性が良好なガラスや単結晶が良い。
【0013】
例えば、可視光を取り扱うカメラ等の場合には、少なくとも波長450nmから750nmの範囲の光を透過する材料を使用する。また、光透過性の程度としては、上記波長帯域の分光透過率が部材厚さ1mmあたり50%以上であることが望ましい。このような光透過性の定量は、分光光度計などの分光透過率測定装置で行う。光透過性が良好な材料としては、ガラスの場合にはクラウンガラス,フリントガラス,石英ガラス等があり、結晶材料の場合にはモリブデン酸鉛、二酸化テルル等が好適である。もちろん、本発明における光透過性部材41は、これらのガラスや結晶材料に限定されるものではない。
【0014】
矩形状の光透過性部材41の上辺Aには、圧電体42が固設されている。なお、図2に示す例は、光学ローパスフィルタ4により光線を一方向(図示上下方向)に分離する場合を示したものであり、一方向に分離する場合、圧電体42の固設位置は上辺Aに限らず、4辺A,B,C,Dのいずれか一つに設ければ良い。圧電素子42を辺A,Cに設ければ光線は上下に分離され、辺B,Dに設けた場合には光線は左右に分離される。分離動作の原理はいずれの場合も同じなので、ここでは代表して辺Aに固設した場合で説明する。
【0015】
駆動回路8から圧電体42に高周波電圧が印加されると、圧電体42は図示上下方向に振動する。本実施の形態では、10MHz〜100MHz程度の周波数を有する高周波電圧が圧電体42に印加される。この周波数域は音として人間の耳に聞こえない超音波の周波数帯域であり、このような周波数帯域の振動を発生させる圧電体42としてはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸バリウム等のセラミックスが好適であるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0016】
圧電体42を振動させると、矢印43で示すように光透過性部材41の上辺Aから下辺Cへと進行する疎密波が発生し、光透過性部材41の内部に周期的な密度分布が形成される。その結果、光透過性部材41の面内で周期的に変化する屈折率分布が形成される。44は疎密波の波面を示したものであり、波面44は進行方向43に垂直となる。例えば、波面44の位置を分布が密な部分とすれば、それらの中間に分布が疎となる部分が発生する。密部分同士の間隔は疎密波の波長Λになっている。すなわち、屈折率分布の空間的な周期はΛとなっている。
【0017】
図2に示すような周期的な屈折率分布が形成された光透過性部材41に光が入射すると、音響効果によるラマン・ナス回折あるいは音響効果によるブラッグ回折と呼ばれる回折現象が発生する。すなわち、周期的な屈折率分布が形成された光透過性部材41に入射した光線は、一部は0次光としてそのまま進行し、一部は進行方向を変えられて出射する。このときの回折角θは、回折次数をm、光の波長をλとすると、次式(1)で表される。また、周期的な屈折率分布の周期(幅)Λは、圧電体42に印加する高周波電圧の周波数をf、光透過性部材41内における音速をvとすると、次式(2)のように表される。
sinθ=mλ/Λ …(1)
Λ=v/f …(2)
【0018】
したがって、光透過性部材41を用いることによって、被写体光を複数に分離することが可能となる。一般に、ラマン・ナス回折で分離した光線は、0次光,±1次光,±2次光,…のように順に高次の回折をすることになり、ブラッグ回折では0次光と1次光とに分離される。なお、本実施の形態では、回折光強度が大きな0次光と±1次または1次の回折光を考えることにする。
【0019】
光透過性部材41を透過して分離される光線(1次光)の分離角度をθとすると、分離角度θは小さいのでsinθ≒θのように近似をすることができ、式(1)は次式(3)のように表すことができる。
θ=λ/Λ …(3)
【0020】
図3に示すように光透過性部材41から撮像素子6の撮像面までの距離をLとし、撮像面での分離幅をdとすると、次式(4)が成り立つ。そして、式(3)と式(4)とからθを消去すると、分離幅dは式(5)のように表される。式(5)から、高周波電圧の周波数fを変更することにより、分離幅dすなわち光学ローパスフィルタ4のカットオフ周波数を調整することができる。分離幅dは撮像素子6の画素ピッチに依存しているが、本実施の形態の光学ローパスフィルタ4では分離幅dが調整できるので、同一光学ローパスフィルタ4で画素ピッチの異なる種々の撮像素子6に対応することができる。
d/L=tanθ
≒θ …(4)
d=(λL/v)・f …(5)
【0021】
例えば、光の波長をλ=600nm、距離L=5mmとし、光透過性部材41に石英ガラスを用いた場合を考える。石英ガラス中の音速vはv=6km/sであるので、印加電圧の周波数をf=10MHzとすれば、疎密波(超音波)の周期ΛはΛ=0.6mmとなる。このとき、分離幅dはd=5μmとなる。カットオフ周波数は分離幅dの逆数であるから、200(1/mm)となる。
【0022】
また、印加する高周波電圧の電圧値を大きくすることにより、周期的屈折率分布の振幅を大きくすることができ、逆に、高周波電圧の電圧値を小さくすることにより周期的屈折率分布の振幅を小さくすることができる。その結果、高周波電圧の電圧値の大きさを調整することにより、0次光に対する1次光または±1次光の強度比、すなわち光学ローパスフィルタ4のフィルタ効果の程度を調整することができる。
【0023】
《フィルタ動作の説明》
上述したように、光学ローパスフィルタ4は圧電体42を駆動している間だけ光学ローパスフィルタとして機能する。そのため、撮像素子6による被写体像の撮像を行う時だけ圧電体42を駆動すれば十分であり、撮像動作を行っていない場合には圧電体42を駆動する必要がない。例えば、以下のように光学ローパスフィルタ4を動作させればよい。
【0024】
撮影者がカメラのレリーズボタン(付図示)を全押しすると、レリーズボタンの全押しに連動してオンするレリーズスイッチ(不図示)が作動して撮影動作を開始する。レリーズスイッチがオンされると、駆動回路8により圧電体42に高周波電圧(例えば、10MHzの電圧)を印加するとともに、クイックリターンミラー3を光軸外位置へと移動する。圧電体42に高周波電圧が印加されると、光透過性部材41内を疎密波が図2のように辺Aから辺Cへと進行する。
【0025】
上述したように石英ガラス中の音速vはv=6km/sなので、AC間の距離が1cmであれば、約1.7μs後には光透過性部材41の面内全域に周期的な屈折率分布が形成されることになる。次いで、フォーカルプレーンシャッタ5を解放状態にして撮像素子6を被写体光束中に露光し、撮像を行う。その後、フォーカルプレーンシャッタ5を閉じ、クイックリターンミラー3を光軸位置へと移動した後、圧電体42への印加電圧をオフする。
【0026】
このような本実施の形態における光学ローパスフィルタ4は、以下のような効果を奏する。
(a)印加される高周波電圧の周波数を変えることにより分離幅dを容易に変更することができるので、同一光学ローパスフィルタ4で画素ピッチの異なる種々の撮像素子6や被写体像の空間周波数の違いに対応することができる。また、高周波電圧の大きさを変更することによりフィルタ効果の程度を変えることができるので、撮影者の意図に応じた撮影に対応することができる。
(b)また、複屈折性を利用して分離を行う従来の光学ローパスフィルタのように、フィルタ材料が限定されず種々の光透過性材料を用いることができる。
(c)光学ローパスフィルタ4の光透過性部材41内には疎密波(超音波)が発生されるだけでなので、光透過性部材41自体が機械的に振動することがない。そのため、光学ローパスフィルタ4自体から塵等が発生することがなく、塵が撮像画像に写り込んでしまうといった問題は生じない。
【0027】
例えば、特開2004−94131号公報には、光路中に配置された透明平行平板から成るフィルタを機械的に振動させ、光学系の光軸を変位させることにより高周波成分を除去する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、透明平行平板を機械的に振動させたときの摩擦により塵が発生し易く、その塵がフィルタや撮像素子に付着するなどして画像に写りこんでしまうという問題があった。また、透明平行平板をシャッター速度よりも高速で振動させる必要があり、シャッター速度が大きい場合に光学ローパスフィルタとしての所望の効果が得られにくいという欠点もある。
【0028】
なお、図2に示す光透過性部材41の辺Aと対向する辺Cに吸音材を設けて、辺Cの端面での疎密波の反射を防止するようにしても良い。吸音材には、ゴム、プラスチック樹脂等の弾性体が適している。また、辺Bにも圧電体を設けて、光透過性部材41内に定在波を形成するようにしても良い。この場合にも、光透過性部材41内は屈折率分布が形成され、進行波の場合と同様の効果を得ることができる。さらに、圧電体42を辺Aの全域に設けたが、被写体光入射領域に疎密波が形成されるならば必ずしも全域に設ける必要はなく、辺Aの中央部だけに設けてもかまわない。
【0029】
図4は図1に示した光学ローパスフィルタ4の変形例を示す図である。図4に示す例で、光透過性部材41の辺Aおよび辺Bに圧電体42A,42Bを設けた。圧電体42Aは図2に示した圧電体42と同様に、上辺Aから下辺Cへと進行する疎密波44を発生させ、光透過性部材41の上下方向に周期的な屈折率分布を形成する。一方、左辺Bに設けられた圧電体42Bは左辺Bから右辺Dへと左右方向に進行する疎密波45を発生させ、光透過性部材41の左右方向に周期的な屈折率分布を形成する。その結果、光透過性部材41の面内の異なる2方向に周期的に変化する屈折率分布が形成され、光透過性部材41に入射した光線は、図示上下方向および左右方向の両方に2次元的に分離される。
【0030】
なお、図4に示す光学ローパスフィルタ4の場合も、辺C,Dに吸音材を設けて反射を防止するようにしても良いし、辺C,Dに圧電体を設けて定在波を発生させるようにしても良い。定在波を発生させる場合も、進行波の場合と同様に機能する。
【0031】
さらに、圧電体を増やして進行方向の異なる複数の疎密波を発生させることにより、光透過性部材41の面内の異なる複数の方向に周期的に変化する屈折率分布を形成することができる。例えば、図5のように六角形状の光透過性部材41を用意し、三つの辺A,B,Cに3つの圧電体42A,42B,42Cを設けると、疎密波44,45,46の進行方向に沿って周期的に変化する屈折率分布が得られる。
【0032】
図4,5に示す光学ローパスフィルタ4では、一つの光透過性部材41によって光線を2次元的または3次元的に分離することができるので、2枚以上の光学部材を光軸上に配設して2次元的分離を行う従来の光学ローパスフィルタに比べて光軸方向の寸法が低減され、小型化を図ることができる。
【0033】
上述した実施の形態では、一眼レフ式のデジタルカメラの光学ローパスフィルタに適用した場合について説明したが、レンズ一体型のデジタルカメラにも同様に適用することができる。さらに、デジタルスチルカメラに限らず、ビデオカメラなどのように撮像素子を備えた撮像装置の光学ローパスフィルタにも適用できる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、屈折率分布形成手段として圧電体を用いたが、光透過性部材41内に疎密波(超音波)を発生させることができるならば、圧電体に限らず他のトランスデューサを用いても良い。
【0034】
以上説明した実施の形態と特許請求の範囲の要素との対応において、圧電体42,42A,42B,42Cは屈折率分布形成手段を、駆動回路8は電圧制御手段および周波数制御手段をそれぞれ構成する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による撮像装置の一実施の形態を示す図であり、一眼レフ式のデジタルスチルカメラの概略構成を示したものである。
【図2】光学ローパスフィルタ4を撮影光学系1側から見た平面図である。
【図3】分離幅dを説明する図である。
【図4】光学ローパスフィルタ4の変形例を示す図である。
【図5】3つの圧電体42A,42B,42Cが設けられた光学ローパスフィルタ4を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 撮影光学系
2 光軸
3 クイックリーターンミラー
4 光学ローパスフィルタ
5 フォーカルプレーンシャッタ
6 撮像素子
7 ファインダー光学系
8 駆動回路
41 光透過性部材
42,42A,42B 圧電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受光画素が規則的に配置された撮像素子と撮影光学系との間の光軸上に配設される光透過性部材と、
前記光透過性部材の面内で周期的に変化する屈折率分布を形成する屈折率分布形成手段とを備えたことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の光学ローパスフィルタにおいて、
前記屈折率分布形成手段は、前記光透過性部材の面内の異なる複数の方向に前記屈折率分布をそれぞれ形成することを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学ローパスフィルタにおいて、
前記屈折率分布形成手段は、前記光透過性部材に疎密波を発生させて前記屈折率分布を形成することを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項4】
請求項3に記載の光学ローパスフィルタにおいて、
前記屈折率分布形成手段は、高周波電圧が印加されることによって前記光透過性部材に疎密波を発生させる圧電体を有することを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の光学ローパスフィルタにおいて、
前記光透過性部材として、少なくとも波長450nmから波長750nmの範囲の光透過率が部材厚さ1mmあたり50%以上である光透過性部材を用いたことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
【請求項6】
請求項4に記載の光学ローパスフィルタと、
前記高周波電圧の大きさを制御する電圧制御手段とを備えたことを特徴とする光学ローパスフィルタ装置。
【請求項7】
請求項4に記載の光学ローパスフィルタと、
前記高周波電圧の周波数を制御する周波数制御手段とを備えたことを特徴とする光学ローパスフィルタ装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の光学ローパスフィルタ装置において、
前記光透過性部材として、少なくとも波長450nmから波長750nmの範囲の光透過率が部材厚さ1mmあたり50%以上である光透過性部材を用いたことを特徴とする光学ローパスフィルタ装置。
【請求項9】
複数の受光画素が規則的に配置された撮像素子と、
前記撮像素子に被写体光束を投影する撮影光学系と前記撮像素子との間の光軸上に配設される請求項6〜8のいずれかに記載の光学ローパスフィルタ装置とを備えたことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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